特許第6142004号(P6142004)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6142004
(24)【登録日】2017年5月12日
(45)【発行日】2017年6月7日
(54)【発明の名称】衣類処理装置
(51)【国際特許分類】
   D06F 37/12 20060101AFI20170529BHJP
   D06F 33/02 20060101ALI20170529BHJP
【FI】
   D06F37/12 B
   D06F33/02 T
【請求項の数】19
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2015-557938(P2015-557938)
(86)(22)【出願日】2014年2月11日
(65)【公表番号】特表2016-510244(P2016-510244A)
(43)【公表日】2016年4月7日
(86)【国際出願番号】KR2014001105
(87)【国際公開番号】WO2014126371
(87)【国際公開日】20140821
【審査請求日】2015年9月16日
(31)【優先権主張番号】10-2013-0015375
(32)【優先日】2013年2月13日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】502032105
【氏名又は名称】エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100165191
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 章
(74)【代理人】
【識別番号】100151459
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 健一
(72)【発明者】
【氏名】キム クンチュ
(72)【発明者】
【氏名】パク ソンチュル
(72)【発明者】
【氏名】キム チョンリョン
【審査官】 伊藤 秀行
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第03190447(US,A)
【文献】 欧州特許出願公開第02025797(EP,A1)
【文献】 国際公開第2011/144558(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0144879(US,A1)
【文献】 特開2003−159491(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0037423(US,A1)
【文献】 特開2002−136792(JP,A)
【文献】 米国特許第02791917(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F 1/00−51/02
58/00−60/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
質量を有する洗濯物が流入する投入口を含むキャビネットと、
前記キャビネットの内部に回転可能に設けられて洗濯物が貯蔵され、前記投入口に連通するドラム開口部を含むドラムと、
液体を供給して前記ドラムの荷重を局部的に増加させて、衣類の質量が不均一に分布することにより前記ドラムに発生するアンバランスを減衰するバランシングユニットと、を含み、
前記バランシングユニットは、前記ドラムに設けられて液体を貯蔵し、前記ドラムの回転中心を基準として互いに同一の角度だけ離隔して設けられる複数のバランサを含み、
前記バランサは、
前記ドラムの内周面に固定され、液体が貯蔵される空間を提供する貯蔵部と、
前記貯蔵部に設けられ、液体を前記貯蔵部に流入させる流入口と、
前記貯蔵部の内部空間を、前記ドラムの回転中心に向かう上部空間と、前記ドラムの内周面に向かう下部空間とに区分させ、前記流入口を介して流入する液体が前記貯蔵部の中心から前記貯蔵部の縁部に向かって移動するようにするガイドプレートと、を含むことを特徴とする、衣類処理装置。
【請求項2】
前記バランシングユニットは、液体を供給する供給部をさらに含む、請求項1に記載の衣類処理装置。
【請求項3】
前記バランシングユニットは、前記ドラムに設けられ、前記供給部から供給される液体が、前記ドラムに発生したアンバランスを相殺させる方向に位置したバランサへ移動するように案内する流路部をさらに含む、請求項2に記載の衣類処理装置。
【請求項4】
前記流路部は、
前記ドラムから前記供給部に向かって延びた後、前記ドラムの回転中心に向かって折り曲げられ、液体が収容される空間を提供する第1流路ボディーと、
前記第1流路ボディーを前記バランサと同一の数の空間に区分し、一つの空間に流入した液体は一つのバランサにのみ流入するようにする第1流路隔壁と、を含む、請求項3に記載の衣類処理装置。
【請求項5】
前記供給部から供給される液体を前記第1流路ボディーに案内し、前記供給部から供給された液体が前記ドラムの回転方向や前記ドラムの回転方向と反対方向に移動することを防止するガイダーをさらに含む、請求項4に記載の衣類処理装置。
【請求項6】
前記ガイダーは、
前記ドラムから延びた後、前記第1流路ボディーに向かって折り曲げられ、液体が収容される空間を提供するガイダーボディーと、
前記ガイダーボディーの内部を多数の空間に区分し、前記供給部から供給される液体が前記ガイダーボディーの内部で前記ドラムの回転方向や前記ドラムの回転方向と反対方向に移動することを防止するガイダー隔壁と、を含む、請求項5に記載の衣類処理装置。
【請求項7】
前記ドラムにアンバランスを誘発させる洗濯物の位置を感知する感知部と、
アンバランスを誘発させる洗濯物が前記供給部に到達した後、前記ドラムが既設定の待機角度だけ回転すると、前記ドラムが既設定の供給角度だけ回転する間に前記第1流路ボディーに液体が供給されるように前記供給部を制御する制御部と、を含む、請求項4に記載の衣類処理装置。
【請求項8】
前記バランサは、前記ドラムの円周面に沿って互いに120度の角度で離隔するように設けられ、
前記待機角度は60度に設定され、前記供給角度は120度に設定される、請求項7に記載の衣類処理装置。
【請求項9】
前記バランサは、前記ドラムの円周面に沿って互いに90度の角度で離隔するように設けられ、
前記待機角度及び前記供給角度は、それぞれ90度に設定される、請求項7に記載の衣類処理装置。
【請求項10】
前記ドラムにアンバランスを誘発させる洗濯物の位置を感知する感知部と、
アンバランスを誘発させる洗濯物が前記供給部に到達した後、既設定の待機時間が経過すると、前記待機時間の終了時点から既設定の供給時間の間に前記第1流路ボディーに液体が供給されるように、前記供給部を制御する制御部と、を含む、請求項4に記載の衣類処理装置。
【請求項11】
ステータ、前記ドラムに連結される回転軸が固定されるローター、前記ローターに設けられ、前記ステータの磁場によって前記ローターを回転させる多数の永久磁石が設けられた駆動部と、
前記永久磁石の磁力を感知し、前記ドラムのアンバランスを誘発させる洗濯物の位置を判断する感知部と、をさらに含み、
前記第1流路隔壁の数は、前記永久磁石の数と同一に設けられるか、または前記永久磁石の数の半分になるように設けられる、請求項に記載の衣類処理装置。
【請求項12】
前記感知部は、前記ローターが形成する回転軌跡の最下点を通る前記永久磁石の磁力を感知し、
前記供給部は、前記ドラムが形成する回転軌跡の最下点を通る前記ガイダーに液体を噴射するように設けられる、請求項11に記載の衣類処理装置。
【請求項13】
前記バランシングユニットは、
液体を供給する供給部と、
前記ドラムに設けられ、前記供給部から供給される液体を前記バランサに案内する流路部と、をさらに含む、請求項に記載の衣類処理装置。
【請求項14】
前記流路部は、
前記ドラムから前記投入口に向かって延びた後、前記ドラムの回転中心に向かって折り曲げられ、液体が収容される空間を提供する第1流路ボディーと、
前記第1流路ボディーを前記バランサと同一の数の空間に区分し、一つの空間に流入した液体は1つのバランサにのみ流入するようにする第1流路隔壁と、を含む、請求項13に記載の衣類処理装置。
【請求項15】
前記バランサは、前記貯蔵部と前記ドラムの外部を連通させるように設けられ、前記貯蔵部の内部の液体を前記ドラムの外部に排出させる排出口をさらに含む、請求項14に記載の衣類処理装置。
【請求項16】
質量を有する洗濯物が流入する投入口が設けられたキャビネットと、
前記キャビネットの内部に回転可能に設けられ、前方面に前記投入口に連通するドラム開口部が設けられたドラムと、
液体を供給して前記ドラムの荷重を局部的に増加させて、衣類の質量が不均一に分布することにより前記ドラムに発生するアンバランスを減衰するバランシングユニットと、
前記バランシングユニットに含まれ、前記ドラムの回転中心を基準として互いに同一の角度だけ離隔して前記ドラムに設けられ、内部空間を前記ドラムの前方面に向かう前方空間と、前記ドラムの後方面に向かう後方空間とに区分して液体を貯蔵する少なくとも3つのバランサと、
前記バランサと同一の数に区分された空間を有し、一つの空間に流入した液体は一つのバランサに設けられた後方空間にのみ供給する第1流路、及び前記バランサと同一の数に区分された空間を有し、一つの空間に流入した液体は一つのバランサに設けられた前方空間にのみ供給する第2流路を含む流路部と、
前記第1流路と前記第2流路に液体を選択的に供給可能な供給部と、を含み、
前記第1流路と前記第2流路は、前記ドラムの前方面に位置し、
前記バランサは、
前記ドラムの内周面に固定され、液体が貯蔵される空間を提供する貯蔵部と、
前記貯蔵部の内部を前記前方空間と前記後方空間とに区分する貯蔵部隔壁と、
前記貯蔵部隔壁の上部に位置し、前記前方空間を前記ドラムの回転中心に向かう上部空間と、前記ドラムの内周面に向かう下部空間とに区分させるガイドプレートと、
前記第1流路を介して供給される液体を前記ガイドプレートの上部に供給する第1流入口、及び前記第2流路を介して供給される液体を前記ガイドプレートの下部に供給する第2流入口と、を含むことを特徴とする、衣類処理装置。
【請求項17】
前記バランサは、前記ドラムの内周面から突出するように設けられ、前記ドラムの回転時に前記ドラムの内部の洗濯物を撹拌させる、請求項16に記載の衣類処理装置。
【請求項18】
前記第1流路は、前記ドラムの前方面から前記供給部に向かって延びた後、前記ドラム開口部に向かって折り曲げられて設けられる第1流路ボディーと、前記第1流路ボディーを前記バランサと同一の数の空間に区分し、一つの空間に流入した液体は一つのバランサに設けられた前記後方空間にのみ供給されるように、前記ドラムの前方面を貫通して設けられる第1流路隔壁とを含み、
前記第2流路は、前記ドラムの前方面から延びた後、前記ドラム開口部に向かって折り曲げられて設けられ、前記第1流路ボディーの外周面と所定距離離隔して設けられる第2流路ボディーと、前記第2流路ボディーを前記バランサと同一の数の空間に区分し、一つの空間に流入した液体は一つのバランサに設けられた前記前方空間にのみ供給されるように、前記ドラムの前方面を貫通して設けられる第2流路隔壁とをさらに含む、請求項17に記載の衣類処理装置。
【請求項19】
前記第1流路と前記ドラム開口部との間に位置して、前記供給部から供給される液体を前記第1流路ボディーに案内し、前記供給部から供給される液体が前記ドラムの回転方向と反対方向に移動することを防止する第1ガイダーと、
前記第1流路ボディーに設けられて、前記供給部から供給される液体を前記第2流路ボディーに案内し、前記供給部から供給される液体が前記ドラムの回転方向と反対方向に移動することを防止する第2ガイダーと、をさらに含む、請求項18に記載の衣類処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衣類処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の衣類処理装置は、外形を形成するキャビネットと、キャビネットの内部に設置されたタブ(Tub)と、タブの内側に回転可能に設置されて洗濯物を洗浄するドラム(Drum)と、ドラムを回転させるモータとを含む。モータは、タブを貫通してドラムに固定される回転軸を含む。
【0003】
ドラムは、内部に貯蔵された洗濯物の位置に応じて、動的均衡(dynamic equribrium、dynamic balance)を維持できずに回転し得る。
【0004】
動的均衡は、「回転体が回転するとき、遠心力または遠心力が作るモーメントが回転軸に対して全部0(zero)となる状態」を意味し、剛体(rigid body)の場合、回転軸を中心に質量分布が一定であれば、動的均衡が維持される。
【0005】
したがって、衣類処理装置における動的均衡は、洗濯物が貯蔵された状態でドラムが回転する場合、ドラムの回転軸を中心に洗濯物の質量分布が許容範囲内にある場合(ドラムが許容範囲内で振動しながら回転する場合)として理解することができる。
【0006】
一方、衣類処理装置における動的均衡が崩壊した状態(アンバランス、Unbalance)は、ドラムの回転時にドラムの回転軸を中心に質量分布が一定でない状態であって、これは、洗濯物がドラムの内部に均一に分布しない場合に発生する。
【0007】
アンバランス状態で回転するドラムは回転と共に振動し、ドラムの振動はタブやキャビネットに伝達されて騷音を誘発するという問題を生じさせる。
【0008】
従来の衣類処理装置の中では、ドラムのアンバランスを解消させるためのバランシングユニットを備えたものがあり、従来の衣類処理装置に備えられたバランシングユニットは、ドラムに固定されたハウジングの内部にボール(ball)や液体が含まれたボールバランサや流体バランサであった。
【0009】
アンバランス状態のドラムは、アンバランスを誘発する洗濯物がドラム回転軌跡の最下点を通過するときに速度が最も速く、アンバランスを誘発する洗濯物がドラム回転軌跡の最高点を通過するときに速度が最も遅いという特徴がある。
【0010】
したがって、従来の衣類処理装置に備えられたボールバランサや流体バランサは、アンバランスを誘発する洗濯物が最高点に向かって移動するとき、ドラム回転軌跡の最下点に向かってボールや流体が移動することによってアンバランスを制御する方式であった。
【0011】
しかし、上述した方式のアンバランス制御は、ドラムの振動が一定の範囲内にある定常状態では有用であるが、反面、ドラムの振動が定常状態(steady state)に到達する前までの状態である過渡状態(過渡、transient vibration)では大きな効果を期待できないという問題がある。
【0012】
また、従来のバランシングユニットは、アンバランスが発生した場合、アンバランスを直ちに解消(アンバランスを能動的に解消)しにくい構造であった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、洗濯物が収容されるドラムの不均衡回転(即ち、アンバランス)を能動的に解消させる衣類処理装置を提供することを解決しようとする課題とする。
【0014】
また、本発明は、ドラムの内部に貯蔵された洗濯物の撹拌のために備えられた手段に液体を供給してドラムのアンバランスを解消させる衣類処理装置を提供することを解決しようとする課題とする。
【0015】
また、本発明は、ドラムの直径方向に平行な平面のアンバランスだけでなく、ドラムの長手方向に平行な平面のアンバランスも解消できる衣類処理装置を提供することを解決しようとする課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上述した課題を解決するために、本発明は、質量を有する洗濯物が流入する投入口を含むキャビネットと、前記キャビネットの内部に回転可能に設けられて洗濯物が貯蔵され、前記投入口に連通するドラム開口部を含むドラムと、液体を供給して前記ドラムの荷重を局部的に増加させて、衣類の質量が不均一に分布(nonuniform mass distribution of laundry)することにより前記ドラムに発生するアンバランスを減衰するバランシングユニットとを含む衣類処理装置を提供する。
【0017】
前記バランシングユニットは、液体を供給する供給部と、前記ドラムに設けられて前記供給部から供給される液体を貯蔵し、前記ドラムの回転中心の周辺に互いに同一の距離だけ離隔して設けられる少なくとも3つのバランサとを含むことができる。
【0018】
前記バランシングユニットは、前記ドラムに設けられ、前記供給部から供給される液体が、前記ドラムに発生したアンバランスを相殺させる方向(a direction opposite the nonuniform mass distribution of laundry)に位置したバランサへ移動するように案内する流路部をさらに含むことができる。
【0019】
前記流路部は、前記ドラムから前記供給部に向かって延びた後、前記ドラムの回転中心に向かって折り曲げられ、液体が収容される空間を提供する第1流路ボディーと、前記第1流路ボディーを前記バランサと同一の数の空間に区分し、一つの空間に流入した液体は一つのバランサにのみ流入するようにする第1流路隔壁とを含むことができる。
【0020】
前記供給部から供給される液体を前記第1流路ボディーに案内し、前記供給部から供給された液体が前記ドラムの回転方向や前記ドラムの回転方向と反対方向に移動することを防止するガイダーをさらに含むことができる。
【0021】
前記ガイダーは、前記ドラムから延びた後、前記第1流路ボディーに向かって折り曲げられ、液体が収容される空間を提供するガイダーボディーと、前記ガイダーボディーの内部を多数の空間に区分し、前記供給部から供給される液体が前記ガイダーボディーの内部で前記ドラムの回転方向や前記ドラムの回転方向と反対方向に移動することを防止するガイダー隔壁とを含むことができる。
【0022】
本発明は、前記ドラムにアンバランスを誘発させる洗濯物の位置(a position of the nonuniform mass distribution of laundry)を感知する感知部と、アンバランスを誘発させる洗濯物が前記供給部に到達した後、前記ドラムが既設定の待機角度だけ回転すると、前記ドラムが既設定の供給角度だけ回転する間に前記第1流路ボディーに液体が供給されるように前記供給部を制御する制御部とを含むことができる。
【0023】
前記バランサは、前記ドラムの円周面に沿って互いに120度の角度で離隔するように設けられ、前記待機角度は60度に設定され、前記供給角度は120度に設定されてもよい。
【0024】
前記バランサは、前記ドラムの円周面に沿って互いに90度の角度で離隔するように設けられ、前記待機角度及び前記供給角度は、それぞれ90度に設定されてもよい。
【0025】
本発明は、前記ドラムにアンバランスを誘発させる洗濯物の位置(a position of the nonuniform mass distribution of laundry)を感知する感知部と、アンバランスを誘発させる洗濯物が前記供給部に到達した後、既設定の待機時間が経過すると、前記待機時間の終了時点から既設定の供給時間の間に前記第1流路ボディーに液体が供給されるように前記供給部を制御する制御部とを含むことができる。
【0026】
本発明は、ステータ、前記ドラムに連結される回転軸が固定されるローター、前記ローターに設けられ、前記ステータの磁場によって前記ローターを回転させる多数の永久磁石が設けられた駆動部と、前記永久磁石の磁力を感知し、前記ドラムのアンバランスを誘発させる洗濯物の位置(a position of the nonuniform mass distribution of laundry)を判断する感知部とをさらに含み、前記第1流路隔壁の数は、前記永久磁石の数と同一に設けられるか、または前記永久磁石の数の半分になるように設けられてもよい。
【0027】
前記感知部は、前記ローターが形成する回転軌跡の最下点を通る前記永久磁石の磁力を感知し、前記供給部は、前記ドラムが形成する回転軌跡の最下点を通る前記ガイダーに液体を噴射するように設けられてもよい。
【0028】
前記バランシングユニットは、前記ドラムに設けられて液体を貯蔵し、前記ドラムの回転中心を基準として互いに同一の角度だけ離隔して設けられる多数のバランサをさらに含み、前記バランサは、外部から供給される液体を、前記バランサの中心から前記バランサの縁部に向かって移動させるように設けられてもよい。
【0029】
前記バランシングユニットは、液体を供給する供給部と、前記ドラムに設けられ、前記供給部から供給される液体を前記バランサに案内する流路部とをさらに含むことができる。
【0030】
前記流路部は、前記ドラムから前記投入口に向かって延びた後、前記ドラムの回転中心に向かって折り曲げられ、液体が収容される空間を提供する第1流路ボディーと、前記第1流路ボディーを前記バランサと同一の数の空間に区分し、一つの空間に流入した液体は一つのバランサにのみ流入するようにする第1流路隔壁とを含むことができる。
【0031】
前記各バランサは、前記ドラムの内周面に固定され、液体が貯蔵される空間を提供する貯蔵部と、前記貯蔵部に設けられ、前記第1流路隔壁を介して案内される液体を前記貯蔵部に流入させる流入口と、前記貯蔵部の内部空間を、前記ドラムの回転中心に向かう上部空間と、前記ドラムの内周面に向かう下部空間とに区分させ、前記流入口を介して流入する液体が前記貯蔵部の中心から前記貯蔵部の縁部に向かって移動するようにするガイドプレートとを含むことができる。
【0032】
前記バランサは、前記貯蔵部と前記ドラムの外部を連通させるように設けられ、前記貯蔵部の内部の液体を前記ドラムの外部に排出させる排出口をさらに含むことができる。
【0033】
本バランサは、前記ドラムの回転中心を基準として互いに同一の角度だけ離隔して前記ドラムに設けられ、内部空間を前記ドラムの前方面に向かう前方空間と、前記ドラムの後方面に向かう後方空間とに区分して液体を貯蔵する少なくとも3つのバランサと、前記バランサと同一の数に区分された空間を有し、一つの空間に流入した液体は一つのバランサに設けられた後方空間にのみ供給する第1流路、及び前記バランサと同一の数に区分された空間を有し、一つの空間に流入した液体は一つのバランサに設けられた前方空間にのみ供給する第2流路を含む流路部と、前記第1流路と前記第2流路に液体を選択的に供給可能な供給部とを含むことができる。
【0034】
本発明の他の実施例に係る衣類処理装置は、質量を有する洗濯物が流入する投入口が設けられたキャビネットと、前記キャビネットの内部に回転可能に設けられ、前方面に前記投入口に連通するドラム開口部が設けられたドラムと、前記ドラムの回転中心を基準として互いに同一の角度だけ離隔して前記ドラムに設けられ、内部空間を前記ドラムの前方面に向かう前方空間と、前記ドラムの後方面に向かう後方空間とに区分して液体を貯蔵する少なくとも3つのバランサと、前記バランサと同一の数に区分された空間を有し、一つの空間に流入した液体は一つのバランサに設けられた後方空間にのみ供給する第1流路、及び前記バランサと同一の数に区分された空間を有し、一つの空間に流入した液体は一つのバランサに設けられた前方空間にのみ供給する第2流路を含む流路部と、前記第1流路と前記第2流路に液体を選択的に供給可能な供給部とを含むことができる。
【0035】
前記バランサは、前記ドラムの内周面から突出するように設けられ、前記ドラムの回転時に前記ドラムの内部の洗濯物を撹拌させることができる。
【0036】
前記第1流路は、前記ドラムの前方面から前記供給部に向かって延びた後、前記ドラム開口部に向かって折り曲げられて設けられる第1流路ボディーと、前記第1流路ボディーを前記バランサと同一の数の空間に区分し、一つの空間に流入した液体は一つのバランサに設けられた前記後方空間にのみ供給されるように、前記ドラムの前方面を貫通して設けられる第1流路隔壁とを含み、前記第2流路は、前記ドラムの前方面から延びた後、前記ドラム開口部に向かって折り曲げられて設けられ、前記第1流路ボディーの外周面と所定距離離隔して設けられる第2流路ボディーと、前記第2流路ボディーを前記バランサと同一の数の空間に区分し、一つの空間に流入した液体は一つのバランサに設けられた前記前方空間にのみ供給されるように、前記ドラムの前方面を貫通して設けられる第2流路隔壁とをさらに含むことができる。
【0037】
本発明は、前記第1流路と前記ドラム開口部との間に位置して、前記供給部から供給される液体を前記第1流路ボディーに案内し、前記供給部から供給される液体が前記ドラムの回転方向と反対方向に移動することを防止する第1ガイダーと、前記第1流路ボディーに設けられて、前記供給部から供給される液体を前記第2流路ボディーに案内し、前記供給部から供給される液体が前記ドラムの回転方向と反対方向に移動することを防止する第2ガイダーとをさらに含むことができる。
【0038】
前記バランサは、前記ドラムの内周面に固定され、液体が貯蔵される空間を提供する貯蔵部と、前記貯蔵部の内部を前記前方空間と前記後方空間とに区分する貯蔵部隔壁と、前記貯蔵部隔壁の上部に位置し、前記前方空間を前記ドラムの回転中心に向かう上部空間と、前記ドラムの内周面に向かう下部空間とに区分させるガイドプレートと、前記第1流路を介して供給される液体を前記ガイドプレートの上部に供給する第1流入口、及び前記第2流路を介して供給される液体を前記ガイドプレートの下部に供給する第2流入口を含むことができる。
【発明の効果】
【0039】
本発明は、洗濯物が収容されるドラムの不均衡回転(アンバランス)を能動的に解消させる衣類処理装置を提供する効果を図ることができる。
【0040】
また、本発明は、ドラムの内部に貯蔵された洗濯物の撹拌のために備えられた手段に液体を供給してドラムのアンバランスを解消させる衣類処理装置を提供する効果を図ることができる。
【0041】
また、本発明は、ドラムの直径方向に平行な平面のアンバランスだけでなく、ドラムの長手方向に平行な平面のアンバランスも解消可能な衣類処理装置を提供する効果を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
図1】本発明に係る衣類処理装置の断面図である。
図2】本発明に備えられる駆動部及び感知部を示した図である。
図3】本発明に備えられるドラム及びバランシングユニットの結合構造を示した図である。
図4】本発明に備えられるバランサを示した図である。
図5】(a)及び(b)は、本発明に備えられる流路部を示した図である。
図6】(a)及び(b)は、本発明に備えられるガイダーを示した図である。
図7】(a)及び(b)は、本発明に備えられる流路部、ガイダー及びバランサの結合構造を示した図である。
図8】(a)及び(b)は、本発明のアンバランス減衰過程を示した図である。
図9】第1条件でアンバランスを減衰することを示した図である。
図10】第2条件でアンバランスを減衰することを示した図である。
図11】第3条件でアンバランスを減衰することを示した図である。
図12】(a)及び(b)は、アンバランスの位置と各バランサに供給される液体の量に対するグラフ、アンバランスの位置に対するアンバランス分担比率に関するグラフを示した図である。
図13】本発明の他の実施例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
以下では、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施例を詳細に説明する。以下で記述する装置の構成や制御方法は、本発明の実施例を説明するためのものに過ぎず、本発明の権利範囲を限定するためのものではなく、明細書全般にわたって同一に使用された参照番号は同一の構成要素を示す。
【0044】
図1に示したように、本発明の一実施例に係る衣類処理装置100は、外観を形成するキャビネット1と、キャビネットの内部に設けられ、洗濯水が貯蔵されるタブ2と、タブの内部に回転可能に設けられ、洗濯物が貯蔵されるドラム3と、ドラムを回転させる駆動部4と、ドラムのアンバランスを誘発する洗濯物(unbalancing inducing laundry)と反対方向にあるドラム領域の重量を増加させることによってアンバランスを制御するバランシングユニット5とを含むことができる。
【0045】
図1は、水を用いて洗濯物の洗濯のみを行う衣類処理装置100を示したものである。したがって、洗濯物の洗濯及び乾燥が可能な衣類処理装置であれば、ドラム3に空気を供給する空気供給部(図示せず)がキャビネット1の内部にさらに設けられなければならない。
【0046】
一方、洗濯物の乾燥のみを目的とする衣類処理装置の場合、図1に示されたタブ2は衣類処理装置から除去されても構わないが、ドラム3に空気を供給するための空気供給部(図示せず)は含まなければならない。
【0047】
以下では、説明の便宜のため、図1に示された洗濯のみを行う衣類処理装置100の構造を基準として説明する。
【0048】
キャビネット1は、洗濯物の出入りのための投入口11と、キャビネットに回転可能に設けられて投入口11を開閉するドア13とを含む。
【0049】
タブ2は、中空の内部を有する円筒形状に設けることができ、投入口11に連通するタブ開口部21を含むように設けられる。
【0050】
一方、タブ開口部21と投入口11との間にはガスケット23が設けられ、ガスケット23は、タブの内部の洗濯水がタブの外部に流出することを防止し、タブの振動がキャビネットに伝達されることを防止する手段である。
【0051】
ドラム3は、中空の内部を有する円筒形状のドラムボディーがタブ2の内部に位置することによって備えられてもよい。
【0052】
ドラム3の前方面31(ドラムボディーの前方面)には、投入口11及びタブ開口部21に連通するドラム開口部311が設けられ、ドラムの円周面には、ドラムの内部をタブの内部と連通させる多数の貫通孔37が設けられる。
【0053】
したがって、使用者は、投入口11を介して洗濯物をドラム3の内部に供給したり、ドラムの内部から取り出したりすることができる。また、貫通孔37によって、タブ2の内部の洗濯水はドラム3の内部に貯蔵された洗濯物に移動することができ、洗濯物から出た洗濯水はタブ2に排出可能になる。
【0054】
駆動部4は、ドラム3をタブ2の内部で回転させることができる限り様々な形態で設けることができ、図1は、タブ2の後方面に設けられ、タブの後方面を貫通する回転軸を介してドラム3を回転させる直結式モータを一例として示したものである。
【0055】
図1に示したように、駆動部4は、タブ2の後方面に固定されるステータ45と、タブ2の後方面を貫通してドラム3の後方面33に固定される回転軸46と、ステータを取り囲むように設けられ、回転軸46が固定されるローター41と、ローターに固定され、ステータ45が提供する磁場によりローター41を回転させる多数の永久磁石43とを備えることができる。
【0056】
図2に示したように、永久磁石は、ローター41の内周面に多数個が一定の間隔を有するように固定され、ステータ45は、ステータ45を取り囲むように設けられるインシュレータ47によって絶縁される。
【0057】
インシュレータ47には、永久磁石43の磁力を感知することによってローター41の回転速度、回転方向、回転角度などを感知する感知部6(ホールセンサなど)を設けることができ、感知部についての説明は後述する。
【0058】
バランシングユニット5は、ドラムの回転中心を基準としてアンバランスを誘発させる洗濯物が位置したドラム領域と対称になる領域に位置したドラムの重量を増加させることによってドラムのアンバランスを減衰させる手段である。
【0059】
バランシングユニット5は、ドラムの前方面31に設けられてもよく、ドラムの後方面33に設けられてもよい。以下では、バランシングユニット5がドラムの前方面31に設けられた場合を基準として説明するが、これは説明の便宜のためであり、バランシングユニットがドラムの前方面に設けられる場合に本発明の権利範囲が制限されるものではない。
【0060】
図3に示されたように、バランシングユニット5は、ドラムに固定され、一定の間隔で互いに離隔して設けられる少なくとも3つのバランサ55と、タブ2またはガスケット23に設けられ、ドラムの前方面31に向かって液体を噴射する供給部57と、ドラムの前方面31に設けられ、供給部から供給される液体をバランサ55に案内する流路部51とを備えることができる。
【0061】
バランサ55の数は、バランサ55がドラムの円周面に同一の角度だけ互いに離隔して設けられる限り、多様に設けられてもよい。ただし、以下では、説明の便宜のため、3つまたは4つのバランサ55が設けられた場合を基準として説明する。3つまたは4つのバランサが設けられた衣類処理装置に本発明の権利範囲が制限されるものではない。
【0062】
バランサ55は、ドラム3の外周面に固定されて設けられてもよいが、図3に示したように、ドラム3の内周面から突出するように設けられてもよい。
【0063】
バランサ55がドラムの内周面から突出して設けられる場合、本発明に係るバランサ55は、アンバランスを解消するための手段だけでなく、ドラムの回転時にドラムの内部に貯蔵された洗濯物を撹拌させる手段としても機能できるはずである。したがって、以下では、ドラムの内周面にバランサ55が設けられた場合を基準として説明する。ドラムの内周面にバランサが設けられた衣類処理装置に本発明の権利範囲が制限されるものではない。
【0064】
図4に示したように、バランサ55は、ドラムの内側円周面に固定されて液体が貯蔵される貯蔵部551,552、貯蔵部へ液体が流入する流入口557、及び貯蔵部551,552の内部をドラム3の外部と連通させて貯蔵部の内部の液体がドラム3の外部に排出されるようにする排出口558を含む。
【0065】
貯蔵部は、ドラム3の内側円周面に固定される貯蔵部ボディー551と、貯蔵部ボディーの上部に固定されるカバー552とを備えることができる。
【0066】
カバー552は、貯蔵部ボディー551に設けられた固定部555によって貯蔵部ボディーと一定の間隔を維持することができ、カバー552には、貯蔵部ボディー551の内部に貯蔵された液体をドラムの外部に排出させる排出口558が設けられる。
【0067】
一方、貯蔵部ボディー551とカバー552とはボルトのような締結部材を介して結合可能であり、そのために、カバー552には、締結部材がカバー552を貫通して固定部555に挿入され得るようにする締結部材貫通孔5521がさらに設けられてもよい。
【0068】
さらに、バランサ55は、貯蔵部551,552の内部を、ドラム3の回転中心に向かう位置に設けられた上部空間とドラムの円周面に向かう位置に設けられた下部空間とに区分するガイドプレート559をさらに含むことができる。
【0069】
ドラム3の前方面31に洗濯物が密集してアンバランスが誘発(ドラムの長手方向に平行な平面に発生するアンバランス)される場合、ガイドプレート559が存在しないと、貯蔵部551,552に流入する液体は、貯蔵部の前方面を満たした後、後方面に向かって移動するはずなので、ドラムのアンバランスを加重させる恐れがある。
【0070】
したがって、ガイドプレート559は、流入口557を介して貯蔵部551,552に流入する液体が貯蔵部ボディー551の中心から貯蔵部ボディー551の縁部に向かって移動するようにして上述した問題を防止する手段である。
【0071】
ガイドプレート559は、貯蔵部ボディー551の幅と同じ幅を有し、貯蔵部ボディー551の長さよりは短い長さ(貯蔵部ボディーの長さの半分に該当する長さなど)を有するように設けられる。
【0072】
また、ガイドプレート559は、流入口557と同じ高さに設けるか、または流入口557よりも低い高さに設けなければならず、ガイドプレート559には、流入口557に連結されて流入口557に供給される液体を案内するガイドリブ5591がさらに設けられてもよい。
【0073】
一方、ガイドプレート559は、ガイドリブ5591の反対方向に設けられ、ドラムの後方面33に向かって延びる一対の延長部5593がさらに設けられてもよく、延長部5593は、互いに所定距離離隔するように設けられることが好ましい。
【0074】
貯蔵部ボディー551には、ドラムの回転軸と平行な方向(ドラムの長手方向、貯蔵部の長手方向)に沿って貯蔵部ボディー551の内部空間を多数個の空間に分離させる貯蔵部隔壁553と、貯蔵部隔壁によって区分される各空間を互いに連通させる隔壁連通部554とがさらに設けられてもよい。
【0075】
ガイドプレート559を介して貯蔵部551,552に供給されて、貯蔵部ボディー551の中心から貯蔵部ボディーの縁部に移動する液体の速度を減少させることによって、洗濯物がドラムの前方面31に密集してアンバランスが誘発される場合、貯蔵部551,552に供給される液体によってアンバランスが加重されることを防止するためである。
【0076】
流路部は、図5(a)及び図5(b)に示したように、ドラムの前方面31に固定される第1流路51のみを含んで設けられてもよく、図13に示したように、ドラムの前方面に固定される第1流路51及び第2流路52を含んで設けられてもよい。
【0077】
図5(a)及び図5(b)を参照して前者を先に説明すると、第1流路51は、ドラムの前方面31から延びた後、ドラム開口部311に向かって折り曲げられ、液体が貯蔵される第1流路ボディー511と、第1流路ボディー511の内部をバランサ55と同一の数の空間S1,S2,S3に区分する第1流路隔壁515とを備えることができる。
【0078】
第1流路ボディー511は、ドラム開口部311の円周面を収容できるように、ドラム開口部311の直径よりも大きい直径を有するリング状に設けられ、ドラムの前方面31に固定される。
【0079】
すなわち、第1流路ボディー511は、ドラムの前方面31に固定され、ドラム開口部311の直径よりも大きい直径を有するリング状の第1ボディー5111と、第1ボディー5111からドラム開口部311に向かって(ドラムの回転中心に向かって)延びる第1フランジ5113とを備えることができる。
【0080】
したがって、供給部57を介して第1流路51に供給される液体は、ドラムの前方面31と第1流路ボディー511が形成する空間に貯蔵され得る。
【0081】
図5は、第1ボディー5111と第1フランジ5113が直角に結合された構造を示しているが、これは一例に過ぎないので、第1ボディー5111と第1フランジ5113との結合角は多様に変形しても構わない。
【0082】
一方、上述したように、バランサ55の数は、バランサ55がドラムの円周面に同一の角度だけ互いに離隔して設けられる限り、多様に設けられてもよく、第1流路隔壁515は、バランサ55の数と同一であってもよい。
【0083】
すなわち、バランサ55が、ドラムの円周面にドラムの回転中心を基準として120度の間隔で離隔して設けられると、第1流路隔壁515は、第1流路ボディー511を3つの空間S1,S2,S3に区分するように設けられ、バランサ55が、ドラムの円周面にドラムの回転中心を基準として90度の間隔で離隔して設けられると、第1流路隔壁515は、第1流路ボディー511を4つの空間に区分するように設けられる。
【0084】
ただし、以下では、説明の便宜のために、3つのバランサ及び3つの第1流路隔壁が設けられた場合を基準として説明する。3つのバランサ及び3つの第1流路隔壁が設けられた衣類処理装置に本発明の権利範囲が制限されるものではない。
【0085】
第1流路隔壁515は、ドラムの前方面31に設けられ、各バランサ55に設けられた流入口557をドラムの外部と連通させる隔壁貫通孔313(図7(b)参照)に挿入される。
【0086】
したがって、第1流路ボディー511に設けられた1つの空間S1に供給された液体は、3つのバランサのいずれか1つのバランサにのみ供給され、第2空間S2に供給された液体は、残りの2つのバランサのいずれか1つにのみ液体を供給し、第3空間S3に供給された液体は、最後に残ったバランサにのみ液体を供給するようになる。
【0087】
供給部57は、タブ2やガスケット23に固定されて第1流路51に液体を供給するノズル571と、ノズルに液体を供給する供給管573と、制御部(図示せず)によって供給管573を開閉する弁575とを備えることができる(図1参照)。
【0088】
第1流路51に供給される液体が水である場合、供給管573は、ノズル571とキャビネット1の外部に設けられた給水源(図示せず)とを連結するように設けられてもよい。
【0089】
また、供給管573は、タブ2に洗濯水を給水するために、タブ2と給水源(図示せず)とを連結する給水管(図示せず)から分岐するように設けられても構わない。
【0090】
さらに、バランシングユニット5は、ドラムに固定され、供給部57から噴射される液体がドラム3の回転方向や回転方向と反対方向に移動することを防止するガイダー53をさらに含むことができる。
【0091】
アンバランスは、ドラム3の回転中に許容範囲を超えてドラムに発生する質量不均衡現象であるので、供給部57は、ドラム3の回転中に第1流路51を介して、特定の位置に設けられたバランサ55に液体を供給することによって(ドラムの荷重を局部的に増加させることによって)アンバランスを減衰させる。
【0092】
一方、ドラム3の回転中に第1流路51に液体が供給されると、第1流路ボディー511の内部の液体は、ドラムの回転方向やドラムの回転方向と反対方向に移動(ドラムの前方面から液体が滑る)し得る。
【0093】
供給部57から噴射された液体がドラム3の回転方向やドラムの回転方向と反対方向に移動する場合、第1流路51に設けられた多数の空間S1,S2,S3のうち、意図せぬ空間に液体が供給されることがあり、これにより、ドラムのアンバランスがひどくなる恐れがあるが、ガイダー53は上述した問題を解決するための手段である。
【0094】
図6(a)及び図6(b)に示したように、ガイダー53は、ドラムの前方面31から延びた後、第1流路51に向かって折り曲げられるガイダーボディー531と、ガイダーボディー531の内部空間を多数の空間に区分するガイダー隔壁535とを備えることができる。
【0095】
ガイダーボディー531は、ドラム開口部311の直径よりは大きく、第1流路51の直径よりは小さい直径を有するリング状に設けられ、ドラムの前方面31に固定されるボディー5311と、ボディー5311から第1流路51に向かって(ドラム開口部から遠ざかる方向に向かって)延びるフランジ5313とを備えることができる。
【0096】
ボディー5311は、第1流路51と所定距離離隔するように設けられ、供給部57から供給される液体は、ガイダー53に衝突した後、第1流路51に供給され得る。したがって、フランジ5313は、供給部57からボディー5311に向かって噴射された液体が第1流路51に向かうように案内する手段となる。
【0097】
ガイダー隔壁535は、ガイダーボディー531の円周面に沿って多数個が一定の間隔を維持するように設けられる。この場合、ノズル571は、ガイダー53に向かって液体を噴射するように設けられることが好ましい。
【0098】
すなわち、ノズル571は、タブ2やガスケット23からドラムの前方面31に向かって延びた後、ガイダー53に向かって所定の角度で折り曲げられ、液体をガイダー隔壁535間に形成された空間に噴射するように設けられることが好ましい。
【0099】
一方、ガイダー隔壁535の数は、駆動部に設けられた永久磁石43の数と同一であってもよく、永久磁石43の数の半分であってもよい。
【0100】
ドラム3の回転速度、回転角度、回転方向などを感知するために設けられる感知部6の角度分解能(resolution)は、駆動部4に設けられた永久磁石43の数によって決定される。
【0101】
感知部6は、ローター41の回転(ドラムの回転)時に永久磁石43が感知部6を通過したか否かに関するデータを制御部(図示せず)に伝送し、制御部(図示せず)は、感知部6が伝送するデータ間の時間間隔を通じてローターの回転速度(ドラムの回転速度)を判断し、感知部が伝送するデータの数や順序などを通じてローターの回転角度(ドラムの回転角度)を判断できるからである。
【0102】
したがって、感知部の角度分解能の意味は、感知部が検出可能なローターの最小回転角度として理解することができる。
【0103】
一方、ドラムにアンバランスが発生した場合、ドラムの回転速度は、ドラムの回転軌跡の最高点で最も低く、ドラムの回転軌跡の最低点で最も速い。したがって、制御部(図示せず)は、ドラムの回転速度が最も速い領域(ドラムの回転速度が最も遅い領域の反対領域)にアンバランスを誘発する洗濯物が集中していると判断することができる。
【0104】
もし、ガイダー隔壁535の数が永久磁石43の数と同一であれば、制御部(図示せず)は、供給部57を介して第1流路51に供給される液体を、アンバランスを誘発する洗濯物が集中されたドラム領域の反対方向に位置したバランサ55に正確に供給できるという効果がある。
【0105】
ただし、ガイダー隔壁535の数が永久磁石43の数の半分であれば、供給部57を介して第1流路51に供給される液体が、アンバランスを誘発する洗濯物が集中されたドラム領域の反対方向に位置したバランサ55に供給される正確度は多少低くなるが、アンバランスの能動的制御が可能であることは実験的に確認された。
【0106】
一方、供給部57の位置は、ガイダー53に向かって液体を供給できる限り、タブ2のどの位置に固定(ガスケットのどの位置に固定)されても構わない。
【0107】
ただし、感知部6と供給部57は、ドラムの長手方向に沿って形成され、ドラムの回転軸C(図1参照)を含む平面に設けられることが好ましい。
【0108】
例えば、感知部6は、ローター41の回転軌跡の最低点を通る永久磁石の磁力を感知するように設けられ、供給部57は、ドラム3の回転軌跡の最低点に向かって液体を供給するように設けられてもよい。
【0109】
図8に示したように、本発明に設けられた制御部(図示せず)は、アンバランスを誘発する洗濯物UBがノズル571を通過Aしたときからドラムが一定角度だけ回転Bすると、既設定の時間の間(ドラムが既設定の角度だけ回転する間)に液体を第1流路51に供給することによってアンバランスを減衰するので、上述した感知部6及び供給部57の位置は、このような制御を容易にするという効果があるからである。
【0110】
以下では、図9乃至図12を参照して、本発明の制御過程について説明する。
【0111】
図9は、アンバランスを誘発する洗濯物UBが第1バランサ55aと第2バランサ55bとの間(60度)に位置した場合のアンバランス減衰過程を示したものである。
【0112】
ドラム3の回転中、制御部(図示せず)は、感知部6が提供するデータに基づいてドラムの回転速度を測定することによって、アンバランスの原因となる洗濯物UBがドラムのどの領域にあるのかを判断する。
【0113】
その後、制御部は、アンバランスの原因となる洗濯物UBが、ノズル571が位置した地点を通過したか否かを判断する。
【0114】
アンバランスの原因となる洗濯物UBがノズル571を通過すると、制御部は、ドラムが既設定の待機角度Dだけ回転したか否かを判断する。
【0115】
ドラムが待機角度Dに到達すると、制御部は、供給部の弁575を開放してノズル571がガイダー53に向かって液体を噴射するようにし、この場合、制御部は、ドラム3が既設定の供給角度Sだけ回転するまで、第1流路51に液体が供給されるように供給部を制御するようになる。
【0116】
バランサ55がドラムの円周面に3つ設けられる場合(各バランサは、互いに120度の角度だけ離隔した場合)、待機角度D及び供給角度Sは、各バランサに一定の量の液体を一定の比率で供給できる限り、多様に設定されてもよい。
【0117】
すなわち、ノズル571の単位時間当りの液体供給量を最小化する場合、待機角度Dは60度に設定され、供給角度Sは120度に設定され得る。しかし、ノズルから供給される液体の量を増加させる場合、待機角度Dは増加させ、供給角度Sは短く設定することができる。
【0118】
一方、バランサ55がドラムの円周面に沿って互いに90度の角度で離隔するように設けられる場合、待機角度D及び供給角度Sは、それぞれ90度に設定され得、バランサ55がドラムの円周面に沿って互いに60度ずつ離隔して設けられる場合、待機角度D及び供給角度Sは、120度と60度に設定され得る。
【0119】
また、バランサ55がドラムの円周面に沿って互いに45度ずつ離隔するように設けられる場合、待機角度D及び供給角度Sは、135度及び45度に設定され得、バランサ55がドラムの円周面に沿って互いに36度ずつ離隔して設けられる場合、待機角度D及び供給角度Sは、144度及び36度に設定され得る。
【0120】
以下では、説明の便宜のために、ノズル571の単位時間当りの液体供給量が、1番目のバランサがノズルを通過した後、2番目のバランサがノズルに到達するまで液体を供給することによって、2番目のバランサに液体をいっぱいに満たすことができるように設定された場合を基準として説明する(本発明の権利範囲を限定するためのものではない)。
【0121】
すなわち、以下で説明するノズルの単位時間当りの液体供給量は、ドラムの回転速度に応じて変動し、1番目のバランサがノズルを通過した後、2番目のバランサがノズルに到達するまで液体を供給することによって、2番目のバランサに液体をいっぱいに満たすことができる量に設定された場合である。
【0122】
図9に示したように、第1バランサ55aと第2バランサ55bとの中間に洗濯物が集中した場合、液体は、第3バランサ55cに全て供給されなければ、アンバランスを誘発する力FUBを減衰させることができない。
【0123】
すなわち、ノズル571を介して第1流路51に供給される液体は、第1流路ボディー511の第1空間S1に全て供給されなければ、ドラムのアンバランスを制御することができない。
【0124】
そのために、制御部(図示せず)は、ドラムの一部の領域に集中した洗濯物(アンバランスを誘発する力、FUB)がノズル571から60度回転した時から、ドラムが120度回転するまで、ノズル571を介して第1流路51に液体を供給するようになる。
【0125】
ノズル571から第1流路51に噴射された液体は、遠心力により第1流路51の内部に一時的に貯蔵された状態が維持され、第3バランサ55cがドラムの回転軌跡の最低点(ノズルが設けられた位置)を通過する間、自重により第3バランサ55cに対応する第1流路隔壁515の案内を受けて第3バランサ55cの内部に供給される。
【0126】
一方、ノズル571から噴射された液体は、ガイダー隔壁535によって、ドラムの回転方向やドラムの回転方向と反対方向に移動することが一時的に防止されるので、本発明は、ノズルから噴射された液体が、第1流路ボディー511に設けられた空間S1,S2,S3のうち、望まない空間(S2やS3)に流入することを防止することができる。
【0127】
したがって、本発明は、ドラムのアンバランスを能動的に解消させるだけでなく、ドラムの内部の洗濯物も撹拌させる衣類処理装置を提供するという効果がある。
【0128】
一方、第3バランサ55cの内部に供給された液体は、排出口558を介してドラム3の外部に排出され、これは、ドラムの内部に貯蔵された洗濯物に液体が供給されることを防止するためである。
【0129】
ノズル571が提供する液体は、第3バランサ55cがドラムの回転軌跡の最低点に向かって移動する間に第3バランサ55cの内部に供給され、ドラムの回転によって第3バランサ55cがドラムの回転軌跡の最高点に向かって移動する間に排出口558を介してタブに排出される。
【0130】
バランサ55に供給された液体が一定時間バランサの内部に貯蔵されなければ、アンバランスの減衰が不可能であるためであり、このような効果は、バランサ55に設けられた排出口558がガイドプレート559よりも高い位置に設けられる(カバー552に設けられる)ので可能である。
【0131】
図10は、アンバランスを誘発する力FUB(アンバランスを誘発する洗濯物)が第1バランサ55aにある場合のアンバランスの制御過程を示したものである。
【0132】
図10の場合、液体は、第2バランサ55b及び第3バランサ55cに同一の量が供給されなければ、ドラムのアンバランスを減衰させることはできない。
【0133】
そのために、制御部(図示せず)は、アンバランスを誘発する洗濯物FUBがノズル571を通過した後、待機角度Dだけドラム3が回転したか否かを判断し、アンバランス誘発洗濯物FUBがノズル571を通過した時からドラム3が供給角度Sまで回転する間、第1流路51に液体を供給する。
【0134】
第1流路51に設けられた第1流路隔壁515は、第1流路ボディー511の内部空間をバランサ55の数と同一の数に区分し、各第1流路隔壁515の位置は、各バランサ55に設けられた流入口557の位置と同一である。
【0135】
したがって、ドラムが待機角度Dだけ回転した後、供給角度S(第1流路隔壁を基準として対称になる角度)だけ回転する間にノズル571から供給される液体は、第1流路ボディー511の第3空間S3と第2空間S2に同一に供給されるようになる。
【0136】
第3空間S3に供給される液体は第3バランサ55cに流入し、第2空間S2に供給された液体は第2バランサ55bに供給されるので、アンバランスを誘発する力FUBは、第2バランサ55bと第3バランサ55cに供給された液体の自重F2,F1によって減少されたり、相殺されたりする。
【0137】
一方、アンバランスを誘発する洗濯物FUBの位置が図10と同一であっても、3つのバランサが120度の間隔で離隔した場合、待機角度Dは60度であり、供給角度Sは120度に設定され得る。
【0138】
図12に示されたグラフからわかるように、各バランサに供給される液体の量(図12(a))、及びアンバランスを誘発する力FUBを各バランサが分担する比率(図12(b))を考慮するとき、2つのバランサに液体が供給されなければ、アンバランスを制御できない場合には、洗濯物が誘発する力FUBを相殺させるために、一定の比率によって2つのバランサのそれぞれに液体が供給されなければならない。
【0139】
一方、ノズル571の単位時間当りの液体供給量が、1番目のバランサがノズルを通過した後、2番目のバランサがノズルに到達するまで液体を供給することによって、2番目のバランサに液体をいっぱいに満たすことができるように設定された場合、1つのバランサにのみ液体を供給してアンバランスを制御する場合(図9)のために設定された待機角度Dと供給角度Sは、図10の状況で図12の条件を満足させる。
【0140】
したがって、本発明は、2つのバランサに液体を供給してアンバランスを制御する場合(図10)の待機角度D及び供給角度Sを、1つのバランサにのみ液体を供給してアンバランスを制御する場合(図9)と同一に設定することができる。
【0141】
結論的に、本発明に係る衣類処理装置は、制御方法の単純化が可能であるだけでなく、ドラムの回転角度に基づいてノズル571の液体の供給時点及び供給時間を一定に制御するにもかかわらず、アンバランスを誘発する力FUBの位置に関係なくドラムのアンバランスを制御できるという効果がある。
【0142】
ただし、上述した待機角度D及び供給角度Sは、供給部57の単位時間当りの液体供給量に応じて、上述と異なって設定され得、供給角度Sは、第1流路隔壁515を基準として対称になる角度に設定され、待機角度Dは、アンバランスを誘発する洗濯物がノズルを通過した後、供給角度Sに到達するのに必要な角度に設定され得る。
【0143】
例えば、図10の場合、供給角度Sが第1流路隔壁515を基準として対称になる60度(第1流路隔壁を基準として−30度から+30度)に設定されると、待機角度Dは90度になる。
【0144】
図11は、アンバランスを誘発する力FUB(アンバランスを誘発する洗濯物)が第1バランサ55aと第2バランサ55bのいずれか1つのバランサに偏った場合のアンバランスの制御過程を示したものである。
【0145】
図11の場合、ノズル571から供給される液体は、第2バランサ55b及び第3バランサ55cに一定の比率で分けられて供給されなければ、ドラムのアンバランスを減衰させることはできない。
【0146】
この場合にも、制御部(図示せず)は、アンバランスを誘発する洗濯物FUBがノズル571を通過した後、待機角度Dだけドラム3が回転したか否かを判断し、アンバランス誘発洗濯物FUBがノズル571を通過した時からドラム3が供給角度Sに到達するまで、第1流路51に液体を供給する。
【0147】
ドラムが待機角度Dだけ回転した後、供給角度S(第1流路隔壁を基準として対称になる角度)だけ回転する間にノズル571から供給される液体は、第1流路ボディー511の第3空間S3及び第2空間S2のそれぞれに供給される。
【0148】
上述したように、3つのバランサ55がドラムの円周面に設けられ、待機角度Dと供給角度Sが60度及び120度にそれぞれ設定されると、本発明に係る衣類処理装置100は、アンバランスを誘発する力FUBの位置に関係なく、図12の条件を満足する量の液体を各バランサ55に供給することができる。
【0149】
すなわち、アンバランスを誘発する洗濯物FUBがノズル571を通過した時点からドラムが60度回転した後、第1流路ボディー511にドラムが120度回転する間に液体を供給すると、第2空間S2に供給される液体の量と第3空間S3に供給される液体の量が、アンバランスを誘発させる力FUBを相殺させる方向の力を発生するように調節される。
【0150】
図9乃至図12で説明された制御方法は、ドラムの回転角度を基準としてノズル571の液体供給時点及び供給時間を制御する場合を説明したものであるが、本発明は、アンバランスを誘発する洗濯物がノズル571を通過した時点を基準として設定される待機時間及び供給時間を通じてドラムのアンバランスを制御することもできる。
【0151】
すなわち、制御部(図示せず)は、アンバランスを誘発する洗濯物がノズルを通過した後、既設定の待機時間Dが経過したか否かを判断し、待機時間が経過した時から既設定の供給時間Sの間にノズル571が第1流路51に液体を供給するように制御することができる。
【0152】
この場合、待機時間D及び供給時間Sは、ドラムの回転速度(RPM)及び供給部57の単位時間当りの液体供給量に応じて変わり得、待機時間Dは、アンバランスを誘発する洗濯物がノズル571を通過した後、60度回転するのにかかる時間に設定され、供給時間Sは、待機時間が終了した後、ドラムが120度回転するのにかかる時間に設定され得る。
【0153】
図8(b)を参照して説明すると、ドラムが150RPMで回転する場合、ドラムが1回転するのにかかる時間は0.4秒であるので、3つのバランサ55がドラムの円周面に設けられる場合、待機時間Dは約0.06秒、供給時間Sは約0.13秒に設定され得る。
【0154】
図13は、本発明に係る衣類処理装置100の他の実施例を示したもので、本実施例は、流路部が第1流路51及び第2流路52を備え、供給部57は、第1流路51に液体を供給する第1供給口57a、及び第2流路52に液体を供給する第2供給口57bを備え、バランサ55は、第1流路51から供給される液体が流入する第1流入口5571、及び第2流路52から供給される液体が流入する第2流入口5573を含むことが特徴である。
【0155】
以下では、図1の構造と区別される特徴を基準として本実施例について説明する。
【0156】
本実施例に備えられたバランサ55は、貯蔵部ボディー551が貯蔵部隔壁553によってドラムの前方面31に位置した前方空間F、ドラムの後方面に位置した後方空間Rとに区分される。
【0157】
前方空間Fは、ガイドプレート559によって、ドラム3の回転中心に隣接する上部空間と、ドラム3の円周面に隣接する下部空間とを備え、第1流入口5571は、ガイドプレート559の上部に位置した空間(上部空間)に連通し、第2流入口5573は、ガイドプレート559の下部に位置した空間(下部空間)に連通するように備えられる。
【0158】
第1流路51は、ドラムの前方面31から第1供給口57aに向かって延びた後、ガイダー53に向かって折り曲げられて(ドラム開口部に向かって折り曲げられて)設けられる第1流路ボディー511と、第1流路ボディーをバランサの数と同一の数の空間に区分する第1流路隔壁515とを備える。
【0159】
第1流路隔壁515は、ドラムの前方面31を貫通して第1流入口5571に挿入される。したがって、第1供給口57a及びガイダー53(第1ガイダー)を介して第1流路51に供給される液体は、ガイドプレート559によってバランサの後方空間Rにのみ供給される。
【0160】
一方、第2流路52は、ドラムの前方面31から第2供給口57bに向かって延びた後、第1流路ボディー511に向かって折り曲げられて(ドラム開口部に向かって折り曲げられて)設けられる第2流路ボディー521と、第2流路ボディー521をバランサ55と同一の数の空間に区分する第2流路隔壁525とを備える。
【0161】
第2流路ボディー521は、第1流路ボディー511と同一の構造(ドラムに固定される第2ボディー、第2ボディーからドラム開口部に向かって折り曲げられた第2フランジ)で設けられるが、第1流路ボディー511よりも大きい直径を有することが特徴である。
【0162】
第2流路隔壁525は、ドラムの前方面31を貫通して第2流入口5573に挿入される。したがって、第2供給口57bを介して第2流路52に供給される液体は、バランサの前方空間Fにのみ供給される。
【0163】
この場合、第2流路ボディー521に向かう第1流路ボディー511の円周面には、第2供給口57bから供給される液体がドラムの回転方向と反対方向に移動することを防止する第2ガイダー(図示せず)が設けられてもよい。
【0164】
本実施例に係る衣類処理装置は、バランサ55の前方と後方に液体を同時に供給することによって、各バランサに流入する液体によるアンバランスの発生を防止し、バランサに流入する液体によってアンバランスが加重される現象を防止することができる。
【0165】
また、本実施例は、第1供給口57aと第2供給口57bを選択的に開放することによって、ドラム3の前方にのみ洗濯物が集中した場合やドラム3の後方にのみ洗濯物が集中した場合に発生するアンバランス(ドラムの長手方向と平行な平面に発生するアンバランス)も制御できるという効果がある。
【0166】
本発明は、様々な形態に変形して実施することができ、上述した実施例にその権利範囲が限定されない。
図1
図2
図3
図4
図5(a)】
図5(b)】
図6(a)】
図6(b)】
図7(a)】
図7(b)】
図8
図9
図10
図11
図12
図13