特許第6142007号(P6142007)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ピーピージー・インダストリーズ・オハイオ・インコーポレイテッドの特許一覧

特許6142007マルチフラックス色マッチングのためのシステムおよび方法
<>
  • 特許6142007-マルチフラックス色マッチングのためのシステムおよび方法 図000002
  • 特許6142007-マルチフラックス色マッチングのためのシステムおよび方法 図000003
  • 特許6142007-マルチフラックス色マッチングのためのシステムおよび方法 図000004
  • 特許6142007-マルチフラックス色マッチングのためのシステムおよび方法 図000005
  • 特許6142007-マルチフラックス色マッチングのためのシステムおよび方法 図000006
  • 特許6142007-マルチフラックス色マッチングのためのシステムおよび方法 図000007
  • 特許6142007-マルチフラックス色マッチングのためのシステムおよび方法 図000008
  • 特許6142007-マルチフラックス色マッチングのためのシステムおよび方法 図000009
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6142007
(24)【登録日】2017年5月12日
(45)【発行日】2017年6月7日
(54)【発明の名称】マルチフラックス色マッチングのためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   G01J 3/46 20060101AFI20170529BHJP
【FI】
   G01J3/46 Z
【請求項の数】12
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2015-560409(P2015-560409)
(86)(22)【出願日】2014年3月13日
(65)【公表番号】特表2016-510112(P2016-510112A)
(43)【公表日】2016年4月4日
(86)【国際出願番号】US2014025218
(87)【国際公開番号】WO2014159810
(87)【国際公開日】20141002
【審査請求日】2015年8月28日
(31)【優先権主張番号】13/802,939
(32)【優先日】2013年3月14日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】399074983
【氏名又は名称】ピーピージー・インダストリーズ・オハイオ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】PPG Industries Ohio,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(72)【発明者】
【氏名】ノリス, アリソン エム.
【審査官】 横尾 雅一
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭60−174932(JP,A)
【文献】 英国特許出願公開第01103650(GB,A)
【文献】 特開平11−326054(JP,A)
【文献】 米国特許第07167246(US,B1)
【文献】 米国特許第04635213(US,A)
【文献】 欧州特許出願公開第00152950(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01J 3/00−3/52
G01J 4/00−4/04
G01J 7/00−9/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータ実装された方法であって、
プロセッサを使用して、コーティングの集まりの中に存在する複数の顔料に関する較正データのセットを生成することであって、生成することは、
前記複数の顔料に関連して分光光度計を使用して測定されたスペクトル反射率データを受信することと、
サンダーソン変換を使用することによって前記測定されたスペクトル反射率データを内部反射率データに変換することであって、フレネル係数K1、K2、または、これらの組み合わせのうちの少なくとも1つは、角度、波長、濃度によって変動することにより、内部反射率データの複数のセットを生成する、ことと、
色マッチング計算を使用することによって前記内部反射率データの複数のセットから吸収/反射率データの複数のセットを計算することと、
標準的顔料の複数の濃度を計算することと、
所与の角度および所与の波長におけるK1およびK2の各組み合わせに対して、前記濃度と前記吸収/反射率データとの間の関係をプロットすることと、
プロットされたデータを適合させることにより、K1値およびK2値のセットに対応する吸収/反射率データのセットを同定することと、
前記濃度と、前記プロットされたデータを適合させることによって決定された前記K1値および前記K2値のそれぞれとの相関関係を決定することと
を含む、ことと、
前記プロセッサを使用して、前記相関関係に基づいて、標的コーティングのコーティング調合を決定することと
を含む、方法。
【請求項2】
前記コーティング調合を出力することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記相関関係は、最良適合相関関係である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
相関関係を決定することは、角度および波長のうちの少なくとも1つによって、前記フレネル係数を変動させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
ユーザーインターフェースと、
前記ユーザーインターフェースと通信するプロセッサと
を備えたシステムであって、
前記プロセッサは、
コーティングの集まりの中に存在する複数の顔料に関する較正データのセットを生成することであって、生成することは、
前記複数の顔料に関連して分光光度計を使用して測定されたスペクトル反射率データを受信することと、
サンダーソン変換を使用することによって前記測定されたスペクトル反射率データを内部反射率データに変換することであって、フレネル係数K1、K2、または、これらの組み合わせのうちの少なくとも1つは、角度、波長、濃度によって変動することにより、内部反射率データの複数のセットを生成する、ことと、
色マッチング計算を使用することによって前記内部反射率データの複数のセットから吸収/反射率データの複数のセットを計算することと、
標準的顔料の複数の濃度を計算することと、
所与の角度および所与の波長におけるK1およびK2の各組み合わせに対して、前記濃度と前記吸収/反射率データとの間の関係をプロットすることと、
プロットされたデータを適合させることにより、K1値およびK2値のセットに対応する吸収/反射率データのセットを同定することと、
前記濃度と、前記プロットされたデータを適合させることによって決定された前記K1値およびK2値のそれぞれとの相関関係を決定することと
を含む、ことと、
前記相関関係に基づいて、標的コーティングのコーティング調合を決定することと
を行うようにプログラムされているシステム。
【請求項6】
前記プロセッサと通信する分光光度計をさらに備えている、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記プロセッサと通信するデータベースをさらに備えている、請求項5に記載のシステム。
【請求項8】
前記プロセッサは、前記コーティング調合を出力するようにさらにプログラムされている、請求項5に記載のシステム。
【請求項9】
コーティングの集まりの中に存在する複数の顔料に関する較正データのセットを生成する手段であって、生成する手段は、
前記複数の顔料に関連して分光光度計を使用して測定されたスペクトル反射率データを受信する手段と、
サンダーソン変換を使用することによって前記測定されたスペクトル反射率データを内部反射率データに変換する手段であって、フレネル係数K1、K2、または、これらの組み合わせのうちの少なくとも1つは、角度、波長、濃度によって変動することにより、内部反射率データの複数のセットを生成する、手段と、
色マッチング計算を使用することによって前記内部反射率データの複数のセットから吸収/反射率データの複数のセットを計算する手段と、
標準的顔料の複数の濃度を計算する手段と、
所与の角度および所与の波長におけるK1およびK2の各組み合わせに対して、前記濃度と前記吸収/反射率データとの間の関係をプロットする手段と、
プロットされたデータを適合させることにより、K1値およびK2値のセットに対応する吸収/反射率データのセットを同定する手段と、
前記濃度と、前記プロットされたデータを適合させることによって決定された前記K1値およびK2値のそれぞれとの相関関係を決定する手段
を含む、手段と、
前記プロセッサを使用して、前記相関関係に基づいて、標的コーティングのコーティング調合を決定する手段と
を備えている、装置。
【請求項10】
前記コーティング調合を出力する手段をさらに備えている、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記相関関係は、最良適合相関関係である、請求項9に記載の装置。
【請求項12】
ソフトウェアを含む非一過性コンピュータ読み取り可能な媒体であって、
前記ソフトウェアは、
コーティングの集まりの中に存在する複数の顔料に関する較正データのセットを生成することであって、生成することは、
前記複数の顔料に関連して分光光度計を使用して測定されたスペクトル反射率データを受信することと、
サンダーソン変換を使用することによって前記測定されたスペクトル反射率データを内部反射率データに変換することであって、フレネル係数K1、K2、または、これらの組み合わせのうちの少なくとも1つは、角度、波長、濃度によって変動することにより、内部反射率データの複数のセットを生成する、ことと、
色マッチング計算を使用することによって前記内部反射率データの複数のセットから吸収/反射率データの複数のセットを計算することと、
非標準的顔料の複数の濃度を計算することと、
所与の角度および所与の波長におけるK1およびK2の各組み合わせに対して、前記濃度と前記吸収/反射率データとの間の関係をプロットすることと、
プロットされたデータを適合させることにより、K1値およびK2値のセットに対応する吸収/反射率データのセットを同定することと、
前記濃度と、前記プロットされたデータを適合させることによって決定された前記K1値およびK2値のそれぞれとの相関関係を決定することと
を含む、ことと、
前記相関関係に基づいて、標的コーティングのコーティング調合を決定することと
をプロセッサに行わせる、非一過性コンピュータ読み取り可能な媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
種々の実施形態では、本発明は、概して、色マッチング目的のために、分光光度法で測定される反射率曲線を補正し、向上させるために、標的コーティングからの光反射の多くのフラックス(すなわち、マルチフラックス)を含めることに関する。
【背景技術】
【0002】
クベルカムンク理論が、多くの場合、標的表面上のコーティングからの拡散反射スペクトルを分析するために使用される。標的表面上のコーティングを色マッチングさせるための2フラックス近似クベルカムンク方程式の使用は、概して、2つの主要な仮定を要求する。第1に、測定されたサンプルの屈折率は、空気の屈折率と同一である。屈折率仮定を補正するために、サンダーソン補正方程式が、採用される。サンダーソン補正方程式は、2つのフレネル係数、すなわち、K1およびK2の使用を採用し、これは、該当コーティング表面の屈折率を考慮する。本明細書に使用される場合、K1係数は、標的サンプルに入射する光が、部分的に、サンプル表面において反射されるときの部分反射率(fractional reflectance)を表し、K2係数は、サンプルから出射する光が、サンプル表面において部分的に反射されサンプルの中に戻るときの部分反射率を表す。第2の仮定は、そのコーティング表面上の入射光の100%が、均一の様式におけるコーティングによって、吸収または散乱のいずれかがされ、周辺効果を残さない。この仮定はさらに、その顔料の使用の濃度範囲にわたる顔料のK(吸収)とS(散乱)との間、すなわち、「K/S」間の線形関係と、その関係が全視野角にわたって同一であろうという期待をもたらす。
【0003】
2フラックス近似クベルカムンク方程式は、不透明にコーティングされた固体かつ不透明分散顔料の特性評価のために十分である。しかしながら、角度依存性の(ganioapparent)特殊な効果顔料と、高度に透明な分散顔料および染色の導入ならびにその後の適性度および普及の上昇に伴い、2フラックス近似クベルカムンク理論は、崩壊する。
【0004】
前述の新しい顔料種類および技術を説明するために、疑似マルチフラックスアプローチが、採用されることができる。歴史的に、かつ理論的に、マルチフラックスアプローチは、サンダーソン方程式におけるK2フレネル係数を可能にしており、これは、測定される反射率を内部反射率に変換し、波長に応じて変動する。また、波長によるK1フレネル係数の変動も、同様に採用されている。
【0005】
したがって、特定の角度および波長の組み合わせが与えられた場合、K1およびK2値が濃度の関数になるように、波長、角度、および濃度によってK1およびK2フレネル係数を変動させるシステムおよびプロセスの必要性が存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の側面では、本発明の実施形態は、コンピュータ実装方法を提供する。本方法は、プロセッサを使用して、コーティングの集まりの中に存在する複数の顔料に関する較正データのセットを生成することを含む。生成することは、複数の顔料でコーティングされた複数のサンプルの吸収/反射率関係を計算することを含み、計算することは、色マッチング計算を使用することと、複数の非標準的顔料の濃度を計算することとを含む。生成することはまた、濃度と吸収/反射率関係との間の関係をプロットすることと、サンプルに関する複数のフレネル係数に対する濃度の相関関係を決定することとを含む。本方法はさらに、プロセッサを使用して、相関関係に基づいて、標的コーティングのコーティング調合を決定することを含む。
【0007】
別の側面では、本発明の実施形態は、システムを対象とする。本システムは、ユーザーインターフェースと、ユーザーインターフェースと通信するプロセッサとを含む。プロセッサは、コーティングの集まりの中に存在する複数の顔料に関する較正データのセットを生成させるようにプログラムされ、生成することは、複数の顔料でコーティングされた複数のサンプルの吸収/反射率関係を計算することを含み、計算することは、色マッチング計算を使用することと、複数の非標準的顔料の濃度を計算することと、濃度と吸収/反射率関係との間の関係をプロットすることと、サンプルに関する複数のフレネル係数に対する濃度の相関関係を決定することとを含む。プロセッサはさらに、相関関係に基づいて、標的コーティングのコーティング調合を決定するようにプログラムされる。
【0008】
別の側面では、本発明の実施形態は、装置を提供する。本装置は、コーティングの集まりの中に存在する複数の顔料に関する較正データのセットを生成する手段を含み、生成する手段は、複数の顔料でコーティングされた複数のサンプルの吸収/反射率関係を計算する手段であって、計算することは、色マッチング計算を使用することを含む、手段と、複数の非標準的顔料の濃度を計算する手段と、濃度と吸収/反射率関係との間の関係をプロットする手段と、サンプルに関する複数のフレネル係数に対する濃度の相関関係を決定する手段とを含む。本装置はまた、相関関係に基づいて、標的コーティングのコーティング調合を決定する手段を含む。
【0009】
さらなる側面では、本発明の実施形態は、
コーティングの集まりの中に存在する複数の顔料に関する較正データのセットを生成することであって、生成することは、
複数の顔料でコーティングされた複数のサンプルの吸収/反射率関係を計算することであって、計算することは、色マッチング計算を使用することを含む、ことと、
複数の非標準的顔料の濃度を計算することと、
濃度と吸収/反射率関係との間の関係をプロットすることと、
サンプルに関する複数のフレネル係数に対する濃度の相関関係を決定すること
を含む、ことと、
相関関係に基づいて、標的コーティングのコーティング調合を決定することと
をプロセッサに行わせるためのソフトウェアを含む非一過性コンピュータ読み取り可能な媒体を提供する。
例えば、本願発明は以下の項目を提供する。
(項目1)
コンピュータ実装方法であって、
プロセッサを使用して、コーティングの集まりの中に存在する複数の顔料に関する較正データのセットを生成することであって、生成することは、
前記複数の顔料でコーティングされた複数のサンプルの吸収/反射率関係を計算することであって、計算することは、色マッチング計算を使用することを含む、ことと、
複数の非標準的顔料の濃度を計算することと、
前記濃度と前記吸収/反射率関係との間の関係をプロットすることと、
前記サンプルに関する複数のフレネル係数に対する前記濃度の相関関係を決定することと
を含む、ことと、
プロセッサを使用して、前記相関関係に基づいて、標的コーティングのコーティング調合を決定することと
を含む、方法。
(項目2)
前記コーティング調合を出力することをさらに含む、項目1に記載の方法。
(項目3)
前記相関関係は、最良適合相関関係である、項目1に記載の方法。
(項目4)
相関関係を決定することは、角度および波長のうちの少なくとも1つによって、前記フレネル係数を変動させることを含む、項目1に記載の方法。
(項目5)
ユーザーインターフェースと、
前記ユーザーインターフェースと通信するプロセッサと
を備え、
前記プロセッサは、
コーティングの集まりの中に存在する複数の顔料に関する較正データのセットを生成することであって、生成することは、
前記複数の顔料でコーティングされた複数のサンプルの吸収/反射率関係を計算することであって、計算することは、色マッチング計算を使用することを含む、ことと、
複数の非標準的顔料の濃度を計算することと、
前記濃度と前記吸収/反射率関係との間の関係をプロットすることと、
前記サンプルに関する複数のフレネル係数に対する前記濃度の相関関係を決定することと
を含む、ことと、
前記相関関係に基づいて、標的コーティングのコーティング調合を決定することと
を行うようにプログラムされている、
システム。
(項目6)
前記プロセッサと通信する分光光度計をさらに備えている、項目5に記載のシステム。
(項目7)
前記プロセッサと通信するデータベースをさらに備えている、項目5に記載のシステム。
(項目8)
前記プロセッサは、前記コーティング調合を出力するようにさらにプログラムされている、項目5に記載のシステム。
(項目9)
コーティングの集まりの中に存在する複数の顔料に関する較正データのセットを生成する手段であって、生成する手段は、
前記複数の顔料でコーティングされた複数のサンプルの吸収/反射率関係を計算する手段であって、計算することは、色マッチング計算を使用することを含む、手段と、
複数の非標準的顔料の濃度を計算する手段と、
前記濃度と前記吸収/反射率関係との間の関係をプロットする手段と、
前記サンプルに関する前記複数のフレネル係数に対する前記濃度の相関関係を決定する手段と
を含む、手段と、
プロセッサを使用して、前記相関関係に基づいて、標的コーティングのコーティング調合を決定する手段と
を備えている、装置。
(項目10)
前記コーティング調合を出力する手段をさらに備えている、項目9に記載の装置。
(項目11)
前記相関関係は、最良適合相関関係である、項目9に記載の装置。
(項目12)
前記相関関係を決定する手段は、角度および波長のうちの少なくとも1つによって、前記フレネル係数を変動させる手段を含む、項目9に記載の装置。
(項目13)
ソフトウェアを含む非一過性コンピュータ読み取り可能な媒体であって、
前記ソフトウェアは、
コーティングの集まりの中に存在する複数の顔料に関する較正データのセットを生成することであって、生成さすることは、
前記複数の顔料でコーティングされた複数のサンプルの吸収/反射率関係を計算することであって、計算することは、色マッチング計算を使用することを含む、ことと、
複数の非標準的顔料の濃度を計算することと、
前記濃度と前記吸収/反射率関係との間の関係をプロットすることと、
前記サンプルに関する複数のフレネル係数に対する前記濃度の相関関係を決定することと
を含む、ことと、
前記相関関係に基づいて、標的コーティングのコーティング調合を決定することと
をプロセッサに行わせる、非一過性コンピュータ読み取り可能な媒体。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、白雲母の500nmにおける45°の角度に関して、固定値K1およびK2を使用して、濃度対K/S関係を例証するグラフである。
図2図2は、完全塗装システムの較正データのセットを構築するためのプロセスの実施形態を例証する。
図3図3は、種々の実施形態による、色マッチングプロセスを例証する。
図4図4は、複数のパネルを横断して、色のグラデーションを例証する。
図5図5は、データの変数セットの範囲内からK1およびK2の具体的なセットを使用して、45°の角度における白雲母の500nm波長に関する濃度対K/Sのグラフの実施例を例証する。
図6図6および図7は、白雲母の45°の角度の同一の500nm波長に関する2種類のグラフの実施例を例証する。
図7図6および図7は、白雲母の45°の角度の同一の500nm波長に関する2種類のグラフの実施例を例証する。
図8図8は、標的サンプルのコーティング混合物の物理的特性属性を識別するために使用され得る、システムの実施形態を例証する。
【発明を実施するための形態】
【0011】
種々の側面では、本発明の実施形態は、標的コーティングに一致するように顔料着色(pigmentation)を調合かつ調節するための色マッチング方法論、例えば、クベルカムンク方法論との使用のために、内部反射率への測定されたスペクトル反射率のサンダーソン変換を改善かつ補正するシステムおよび方法を対象とする。本発明の実施形態は、標的サンプルのための情報を捕捉するためのデバイスと、改善された調合および配合調節をもたらすために使用されるK1およびK2フレネル係数のデータベースとを有する装置を含む。本明細書で使用される場合、K1係数は、標的サンプルに入射する光が、部分的にサンプル表面において反射されるときの部分反射率を表し、K2係数は、サンプルから出射する光が、サンプル表面において部分的に反射されサンプルの中に戻るときの部分反射率を表す。
【0012】
本明細書における説明は、概して、塗装を参照するが、本デバイス、システム、および方法は、染料および工業用コーティングを含む、他の種類のコーティングにも適用されることを理解されたい。本発明の説明される実施形態は、限定されるものとして見なされるべきではない。本発明と一致する方法が、アパレルおよびファッション製品のマッチングおよび/またはコーディネーション等の様々な分野において、実践され得る。
【0013】
本発明の実施形態は、独立型ユニットであるか、あるいは、例えば、インターネットまたはイントラネット等のネットワークを介して、中央コンピュータと通信する1つ以上の遠隔端末またはデバイスを含み得る、コンピュータシステムと使用されるか、またはその内部に組み込まれ得る。したがって、本明細書に説明されるコンピュータまたは「プロセッサ」および関連構成要素は、ローカルコンピュータシステム、遠隔コンピュータ、オンラインシステム、またはそれらの組み合わせの一部であり得る。本明細書に説明されるデータベースおよびソフトウェアは、コンピュータ内部のメモリ内または非一過性コンピュータ読み取り可能な媒体内に記憶され得る。
【0014】
例えば、クベルカムンクまたは他の近似アルゴリズムを使用する現在の方法論は、角度依存性顔料ならびに高度に透明な分散顔料および染色に対して有効ではない。図1は、白雲母の500nmにおける45°の角度に関して、固定値K1およびK2を使用して、濃度対K/S関係を例証するグラフである。例証されるように、関係の曲率は、2フラックスクベルカムンクまたは他のプロセスにおける使用のための第2の主要な仮定の違反である。第2の主要な仮定の関係を補正するために、サンダーソン方程式のフレネル係数を使用する第1の主要な仮定が、後続の段落で議論されるように採用される。
【0015】
図2は、完全塗装システムの較正データのセットを構築するためのプロセスの実施形態を例証する。較正は、塗装システム内部における個々の顔料の「フィンガープリント」として考えられることができる。種々の実施形態では、標準的固体分散顔料と、角度依存性特殊効果顔料もしくは高度に透明な分散顔料または染色とが存在するであろうことが予期される。
【0016】
較正プロセスを開始するために、ステップ10において、明基準および暗基準が、選ばれる。明基準の実施例は、限定ではないが、不透明分散白、アルミニウム、または白色真珠を含み得る。暗基準の実施例は、限定ではないが、不透明分散黒顔料または艶有り黒ガラスを含み得る。種々の実施形態では、ある仮定が、分析の全角度にわたって明基準に対して採用される。すなわち、明基準は、全角度の検査に対して、光の100%を散乱し、光の0%を吸収するであろう。同様に、種々の実施形態では、暗基準は、光の0%を散乱し、光の100%を吸収するという仮定を有する。2つ基準の各々は、個々に、不透明にコーティングされ、分光光度計を用いて測定され得る。明基準は、散乱(S値=1)および吸収(K値=0)を維持する。明基準はまた、固定値K1およびK2を有する。同様に、暗基準は、散乱(S値=0)および吸収(K値=1)を維持する。暗基準は、固定値K1およびK2を有する。例として、基準に関する固定値K1およびK2は、(i)明または暗基準調合の屈折率に基づいて設定されるか、(ii)歴史的使用または教科書的な示唆に基づいて設定されるか、または(iii)単に、0と0のように設定され得る。
【0017】
ステップ12において、本システム内部の各個々の顔料着色に対する一連のパネルが、少なくとも二元または三元混合物を作ることによって作られる。通常の固体分散顔料に関して、二元または三元混合物は、明基準と混合される、複数のレベルの個々の顔料である。混合物は、図4が示す例のように、複数のパネルにわたって色のグラデーションの所望の成果が達成される限り、体積追加、重量追加、または顔料重量パーセントによって作製されることができる。例えば、赤影フタロシアニン青と明基準との二元混合物は、5%青を伴う95%明基準、25%青を伴う75%明基準、50%青を伴う50%明基準、75%青を伴う25%明基準、および95%青を伴う5%明基準の重量のパーセンテージの形態をとり得る。種々の実施形態では、100%/0%および0%/100%閾値または他の色飽和点により近い複数の混合物を有することが望ましくあり得る。暗基準は、明基準を使用して作られるパネル一連を有し得る。混合物は、次いで、個々に不透明にコーティングされ、分光光度計を用いて測定される。角度依存性顔料着色および高度な透明分散または染色に関して、個々の顔料は、以上に説明されるように、同一の二元または三元方式において混合され得るが、明基準の代わりに、暗基準を使用する。これらの混合物は、再度、不透明にコーティングされ、分光光度計を用いて測定される。加えて、いくつかの角度依存性顔料の高色相角色移行の特質に起因して、種々の実施形態では、マストーンまたは単一の顔料コーティングを有し、さらに、個々の顔料を特性評価するために、必ずしも、明基準(不透明にコーティングされた)ベースにわたって不透明ではないことが望ましくあり得る。
【0018】
一連のパネルが、塗装システム内部における全ての所望の顔料のために作られると、ステップ14において、明または暗基準の内部反射率が、サンダーソン方程式と、固定値K1およびK2と、マストーン(100%)のみの明または暗基準からの測定されたスペクトル反射率データとを使用して計算される。
【0019】
計算された内部反射率値を使用して、例えば、クベルカムンク理論または他の理論等の色マッチング理論は、ステップ16において、明または暗基準のK/S値を計算するために使用される。
【0020】
非標準的顔料の一連の内部反射率は、ステップ18において、計算される。計算のために使用され得る、3つの方法が存在する。すなわち、(1)K1が、K2が固定されたままでありながら、角度、波長、および濃度によって変動することを可能にすることと、(2)K1が、K2が角度、波長、および濃度によって変動しながら、固定されたままであることを可能にすることと、(3)K1とK2との両方が、角度、波長、および濃度によって変動することを可能にすることである。種々の実施形態では、最適な解決策を見出すために、全ての3つの方法が、使用され、3つのうちの最良の結果が選ばれる。K1およびK2の変動は、2フラックスクベルカムンクまたは他の近似の第1の主要な仮定に対する補正である。加えて、種々の実施形態では、K1およびK2値が変動することを可能にされる範囲は、該当配合の屈折率を使用することによる等の事前知識、または最適化プロセスの範囲内で得られた知識に基づいて、操作され得る。種々の実施形態では、K1およびK2変動値の広範囲と、変動間のわずかな増分とが、局所的最適値ではなく、大域的最適値が見出されるように、可能にされる。大域的最適値は、屈折率に基づいて計算されたK1およびK2値に類似する場合も、類似しない場合もある。
【0021】
種々の実施形態では、K1およびK2が変動することを可能にすることによって、反射率曲線の複数のセットが、作られる。種々の実施形態では、全シナリオが、全濃度を使用することによって、検査され得る。種々の実施形態では、正確性が1つ以上の濃度を使用しないことによって改善される可能性がある場合、そのような行動の過程は、最終の機能性色マッチングアルゴリズムに対するコストで検討され得る。ステップ20において、色マッチングK/Sデータの複数のセットが、計算された内部反射率曲線の複数の対応するセットに基づいて計算される。ステップ22において、非標準的顔料の濃度が、所与の角度および波長において、K1およびK2の各特定の組み合わせに対して、K/S値に対してプロットされる。種々の実施形態では、線形化が、ステップ24において、色マッチング方程式範囲内で改善された性能をもたらすために探求され、1または−1に最も近似する、線形最適R値が、選ばれる。最適R値の選択は、続いて、K/Sデータおよび内部反射率値の対応するセットを選び、これは、K1およびK2値の特定のセットに対応する。図5は、データの変数セットの範囲内からK1およびK2の具体的なセットを使用して、45°の角度における白雲母の500nm波長に関する濃度対K/Sのグラフの実施例を例証する。例証されるRは、約0.75であり、濃度とK/Sとの間の関係は、線形であり、これは、2フラックスクベルカムンクまたは他の近似の第2の主要な仮定に一致する。
【0022】
種々の実施形態では、K1およびK2値が、濃度ならびに角度および波長によって、変動することが可能にされるため、単一の顔料着色のK1およびK2に関する複数の値が存在し得る。最適な濃度対K/Sグラフに基づいて選ばれた非標準的顔料の各濃度に対するK1およびK2値が、考慮される。ステップ26および28において、最初のK/S最適化から個々に選ばれるK1およびK2値に対する非標準的顔料の濃度が、プロットされ、2つのグラフ/曲線をもたらす。種々の実施形態では、K1およびK2値は、線形相関関係、非線形相関関係、あるいは段階的線形または非線形相関関係を使用して、濃度によって個々に定義され得る。白雲母の45°の角度の同一の500nm波長に関するこれらの2種類のグラフの実施例は、図6および図7に示される。
【0023】
種々の実施形態では、濃度および波長によって大域的最適K1およびK2値を計算するプロセスは、全ての利用可能である角度にわたり反復される。有意な差異が、高色移行のその特質に起因して、とりわけ、角度依存性顔料に対処するとき、角度のデータ間に見られ得る。
【0024】
ステップ30において、各具体的な角度および波長の組み合わせに対する濃度の関数としてK1およびK2を計算するための全ての相関関係は、データベース内に記憶される。
【0025】
ここで、塗装システム内部における各顔料に対する最適化されたK1およびK2値が、識別され、かつデータベース内に記憶されているため、クベルカムンクまたは他のアルゴリズム等の標準的色マッチングは、図3に例証されるように行われ得る。図3に例証されるように、変数K1およびK2フレネル係数を使用する本明細書に説明されるマルチフラックスアプローチは、わずかに修正される色マッチング方法論をもたらす。具体的には、ステップ46、48、50、および52において、特定の角度、波長、および濃度に関する適切なK1およびK2値が、使用のためにデータベースから読み出され、計算され、集約される。測定されたスペクトル反射率データからの変換が、内部反射率に変換されると、新しいK1およびK2相関関係が引き起こされる。したがって、K1およびK2値は、プロセスの反復の間、動的に計算される。出発配合において未知の顔料の場合、類似する配合の近似推定が、ステップ40において、識別される。類似する配合の範囲内の顔料着色は、ステップ42において、識別され、ステップ44、46、および48において、K1およびK2の相関関係と、値との出発セットを定義するために使用される。
【0026】
複数の顔料着色の合成混合物における使用に関して、複数のK1およびK2のセットは、サンダーソン計算のための単一セットに組み合わされる。種々の実施形態では、ステップ50および52において、顔料による個々のK1およびK2の集約は、種々の様式において達成され得、どの方法が最適であるか決定されることができる。実施例として、合成混合物内の複数の顔料着色に対する複数のK1およびK2値を集約する方法は、(i)所与の反復に対する全てのK1値の単純平均、および所与の反復に対する全てのK2値の単純平均と、(ii)所与の反復に対する全てのK1値の加重平均、および所与の反復に対する全てのK2値の加重平均と、(iii)最も必要なK1およびK2値および平均値を決定する統計パレート分析とを含む。サンダーソン計算は、ステップ54において、実施され、プロセスは、ステップ56および58において、必要に応じて反復する。
【0027】
計算され、集約されたK1およびK2値を用いて、2フラックスクベルカムンクまたは他の近似の標準方程式も、角度依存性ならびに高度な透明分散顔料および染色と使用されるとき、高度な精度および正確性を伴い採用され得る。
【0028】
図8は、標的サンプルのコーティング混合物の物理的特性属性を識別するために使用され得る、システム90の実施形態を例証する。ユーザ92が、グラフィカルユーザーインターフェース等のユーザーインターフェース94を利用し、分光光度計96を動作させ、標的サンプル98の特性を測定し得る。分光光度計96からのデータは、パーソナルコンピュータ、モバイルデバイス、または任意の種類のプロセッサ等のコンピュータ100に転送され得る。コンピュータ100は、ネットワーク102を介して、サーバ104と通信し得る。ネットワーク102は、インターネット、ローカルエリアネットワーク、イントラネット、またはワイヤレスネットワーク等の任意の種類のネットワークであり得る。サーバ104は、本発明の実施形態の方法によって使用かつ生成されるデータおよび情報を記憶し得る、データベース106と通信する。本発明の実施形態の方法の種々のステップは、コンピュータ100および/またはサーバ106によって実施され得る。
【0029】
別の側面では、本発明は、コンピュータまたはコンピュータシステムに、上記に説明される本方法を実施させるためのソフトウェアを含む非一過性コンピュータ読み取り可能な媒体として実装され得る。ソフトウェアは、プロセッサおよびユーザーインターフェースが本明細書に説明される方法を実施することを可能にするために使用される、種々のモジュールを含むことができる。
【0030】
修正が、前述の説明に開示される概念から逸脱せずに、本発明に対して行われ得ることは、当業者によって容易に認識されるであろう。そのような修正は、請求項が、その用語によって、別様に明示的に記載されない限り、以下の請求項の範囲内に含まれるものとして見なされるものとする。したがって、本明細書に詳細に説明される特定の実施形態は、例証にすぎず、本発明の範囲の限定ではなく、添付の請求項およびそのあらゆる均等物の全範囲が与えられるものとする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8