(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0019】
(第1の実施の形態)
(遊技機10)
本明細書では、各説明箇所において、方向についての定義等が示されていない場合には、遊技機10の方を向いて位置している遊技者から見て、遊技機10から遊技者の手前側に向かう方向を「前」方向とし、その逆方向を「後」方向とする。また、同様に、「左」や「右」等の左右方向も、遊技者から見た場合の左方向や、右方向を意味する。同様に、各部材の説明においても、方向についての定義等が示されていない場合には、各部材を、遊技機10の所定位置に固定した状態における遊技者から見た方向を意味する。
【0020】
本実施の形態に係る遊技機10としてのスロットマシンを、以下、
図1を参照しながら説明する。本実施の形態に係る遊技機10としてのスロットマシンは、前方向に向かって開口する正面開口を有する四角箱状の筐体12と、この筐体12の正面開口を開閉自在に覆う前扉14とを備えている。
【0021】
(回転リール62)
前扉14の上部には、薄板樹脂からなる上パネル20を備えている。この上パネル20の略中央には、3個の回転リール62(正面から向かって左側の左回転リール64、中央の中回転リール66、右側の右回転リール68)の円周上の図柄61を見ることができる透過可能な図柄表示窓部16が形成されている。この図柄表示窓部16は、3個すべての回転リール62の回転が停止した際には、縦3列横3行に配置した合計9個の図柄61を遊技者に見せるように形成されている。この図柄表示窓部16は、回転リール62の正面側に設けられて、回転リール62の回転が停止した際、後述する有効ライン86上に停止している複数の図柄61を視認するためのものである。回転リール62は、複数の図柄61を、図柄表示窓部16を介して変動表示可能なものである。
【0022】
(リールユニット60)
前記図柄表示窓部16の後方向(奥方向)には、3個の駆動モータ(図示せず)と、この各駆動モータによってそれぞれ回転させられる合計3個の前記回転リール62と、前記駆動モータ及び前記回転リール62を保持するユニットホルダ(図示せず)とを有するリールユニット60が配置されている。
【0023】
(演出装置70)
前記前扉14には、遊技者に役抽選の当選等の種々の情報を音や光や映像等で報知させる演出装置70が形成されている。この演出装置70は、前扉14に配置されているものであって、スピーカー72と、表示装置84と、演出用ランプ78とを備えている。なお、回転リール62は、通常、遊技進行のために用いられるが、遊技の進行を停止している状態において、通常の回転動作とは異なる挙動による演出(いわゆるリール演出)を示すことにより演出装置70の一種としても使用される。
【0024】
(スピーカー72)
前記スピーカー72は、前扉14の上部左右に配置された上部スピーカー74と、前扉14の下部左右に配置された下部スピーカー76とを備えている。
(表示装置84)
前記表示装置84は、その画面に種々の映像を表示するための表示デバイスであり、動画を含んだ映像の表示を行うための液晶表示装置を有する演出ユニットを構成するものである。
【0025】
(演出用ランプ78)
前記演出用ランプ78は、前扉14の上部に配置された上部ランプ80と、前扉14の下部の左右に配置された下部ランプ82とを備えている。
【0026】
(操作部30)
前記前扉14の下部には下パネル22が設けられている。そして、前扉14には下パネル22の上に位置して前扉14の前方向へ向けて突出する操作部30を備えている。
本実施の形態に係る遊技機10には、遊技開始の条件として後述するメダル投入口38からあらかじめメダルを投入して、最大50枚までクレジットメダルとして内部に貯留可能なクレジット機能(投入枚数を電子データとして電子的に記憶し管理する機能)を有している。なお、このクレジットメダルとして貯留可能な最大枚数である50枚を最大クレジットメダル数とする。
【0027】
(ストップスイッチ50)
前記メダル投入口38の下には、クレジット機能によりクレジットしたメダルのすべてを払い出すための精算スイッチ36が設けられている。この精算スイッチ36の左側には、操作により対応する回転リール62の回転を停止させるため、3個の回転リール62のそれぞれに対応する3個のストップスイッチ50が設けられている。このストップスイッチ50は、左回転リール64を停止させるための左ストップスイッチLと、中回転リール66を停止させるための中ストップスイッチCと、右回転リール68を停止させるための右ストップスイッチRとを有している。すなわち、これらのストップスイッチ50は、複数の回転リール62それぞれに対応して設けられ、複数の回転リール62の図柄61の変動表示の開始後、遊技者の操作により回転リール62の図柄61の変動表示を個別に停止させるためのものである。
【0028】
(スタートスイッチ40)
このストップスイッチ50の左側には、メダルの投入又は後述するマックスベットスイッチ34の操作を条件に回転リール62の回転を開始させるためのスタートスイッチ40が設けられている。すなわち、このスタートスイッチ40は、遊技者の操作により回転リール62の図柄61の変動表示を開始させるためのものである。
【0029】
(マックスベットスイッチ34)
このスタートスイッチ40の上には、クレジットしたメダル数から最大投入枚数(具体的には3枚)に達するまで投入可能なメダル数を減じて3枚のメダル投入に代えるマックスベットスイッチ34が設けられている。
なお、マックスベットスイッチ34に加えて、又はマックスベットスイッチ34に代えて、クレジットしたメダル数を1枚減じて1枚のメダル投入に代えるシングルベットスイッチを設けても良い。
【0030】
(貯留払出手段24等)
前記前扉14の下部の後方向(奥方向)には、いわゆるホッパーユニットであって、メダルを貯留することができるとともに、メダルを払い出すことができる貯留払出手段24(
図3参照)と、電源投入又は電源遮断のための操作が可能な電源スイッチを有すると共に各部品に電力を供給するための電源装置(図示せず)とが配置されている。
【0031】
(メダル払出口28等)
前記前扉14の下部には、所定の場合に貯留払出手段24からメダルが払い出されるメダル払出口28が形成されている。このメダル払出口28の下方には、メダル払出口28から払い出されたメダルを貯留するため、上方に向かって開口する皿状のメダル受け皿26が形成されている。なお、クレジットされているメダル数が最大クレジットメダル数である50枚未満の場合は、50枚に到達するまで、獲得したメダルはメダル払出口28から払い出されずにクレジットメダルの枚数に加算される。
【0032】
(遊技の流れの説明)
本実施の形態に係る遊技機10は、マックスベットスイッチ34の操作又はメダル投入により所定枚数のメダルを投入することにより遊技の開始を可能とするものである。そして、スタートスイッチ40の押下操作により、回転リール62の回転を開始させて遊技が開始されるとともに、後述するメイン制御手段200の各遊技状態に対応した抽選テーブルを用いて役抽選が行われる。そして、当該遊技機10は、各回転リール62に対応するストップスイッチ50の操作タイミング及び役抽選の結果に基づいて、回転リール62の回転を役抽選の結果に適合するように停止させる。当該遊技機10は、停止時の図柄61の組合せによって、当選した役を構成する図柄61の組合せが所定の有効なライン(所定の役の図柄61の組合せが当該ライン上に揃ったときに所定の利益が付与されるラインのことであり、以下、有効ライン86とする。)上に停止した場合に、入賞等となり、所定枚数のメダルを払い出す等の所定の利益を遊技者に付与する。これにより、1回の遊技が終了するものである。
【0033】
なお「有効ライン86」は後述の停止図柄判定手段230の判定対象となるラインを意味し、後述する小役の「入賞」等は有効ライン86上に役に対応した図柄61の組合せが揃うことを意味する。本実施の形態の有効ライン86は、左回転リール64の中段と中回転リール66の中段と右回転リール68の中段とを結んだラインの1本からなるものである。
【0034】
(図柄61)
図2に示すように、左回転リール64、中回転リール66及び右回転リール68の表面には、「B7(青7)」、「R7(赤7)」、「W7(白7)」、「BR(バー)」、「BL(ブランク)」、「CH(チェリー)」、「WM1(スイカ1)」、「WM2(スイカ2)」、「RP(リプレイ)」、「BE(ベル)」の複数の種々の図柄61が形成されている。
これらの図柄61は、それぞれの絵柄がプリントされたテープを回転リール62の外周表面に貼付することで形成されている。なお、
図2の図柄61の番号(コマ番号)は、回転リール62の外周表面に物理的に付されているものではなく、仮想的な番号であって、各図柄61の停止を制御するためのプログラムで特定の図柄61を指定するためのものである。
【0035】
(制御装置100)
図3に示すように、遊技機10の内部には、遊技機10の全体の動作を制御するための制御装置100が形成されている。この制御装置100は、遊技を進行させて遊技状態を制御するメイン制御手段200と、このメイン制御手段200からの情報(コマンド)を受けて、遊技の進行に応じた演出を制御し、主に遊技内容に関する情報を遊技者に報知する演出を行うために演出状態を制御するサブ制御手段300とを備えている。
【0036】
ここで、メイン制御手段200の制御に基づくスロットマシンの作動状態を遊技状態といい、サブ制御手段300の制御に基づくスロットマシンの作動状態を演出状態というものとする。なお、メイン制御手段200とサブ制御手段300との間は、メイン制御手段200への不正操作を防止するために、メイン制御手段200からサブ制御手段300への一方向の通信により行われ、サブ制御手段300からメイン制御手段200への逆方向の通信は行われていない(すなわち双方向の通信ではない)。メイン制御手段200は、マックスベットスイッチ34、精算スイッチ36、スタートスイッチ40、ストップスイッチ50の入力を受け付け、役抽選を行い、リールユニット60及び貯留払出手段24の作動を制御する。サブ制御手段300は、メイン制御手段200から信号を入力し、表示装置84等の演出装置70の作動を制御する。サブ制御手段300の出力側には、演出装置70としてのスピーカー72、表示装置84、演出用ランプ78の各パーツが接続されている。
【0037】
なお、特に図示していないが、メイン制御手段200を有するメイン基板と、サブ制御手段300を有するサブ基板とは、それぞれ専用の基板ケースの内部に収納されている。具体的には、メイン制御手段200は、メイン基板ケースの内部に収納され、サブ制御手段300は、サブ基板ケースの内部に収納されている。そして、メイン基板ケースは、筐体12内部の奥側の上部に固定され、サブ基板ケースは、筐体12内部の正面から向かって左側に固定されている。
【0038】
メイン制御手段200及びサブ制御手段300は、CPU、ROM、RAM、I/Oポート(図示せず)を備えたマイクロコンピュータにより構成される。CPUは、タイマ割込などの割込機能を持ち、ROMに記憶されたプログラムを実行して、種々の処理を行う。ROMは、CPUが実行するプログラムや各種テーブル等の固定的なデータを記憶し、RAMは、CPUがプログラムを実行する際の一時的な記憶領域、例えば遊技機10の状態を記憶するための記憶領域や、役抽選の抽選結果を記憶するための記憶領域として使用される。
【0039】
本実施の形態に係る遊技機10では、通常に行われるノーマル遊技(RT0、RT1)が設けられている。このノーマル遊技(RT0、RT1)よりも再遊技役(リプレイ役)の当選確率が高く(或いは低く)設定されているRT遊技(リプレイタイム)が設けられている。さらに、ボーナス移行役に入賞することにより実行されるボーナス遊技が設けられている(
図4参照)。これらの遊技は、メイン制御手段200により制御される。
【0040】
また、演出状態としてストップスイッチ50の押し順や当選図柄61等を報知することによって役に係る図柄61の組み合わせを有効ライン86上に揃って停止させるためのアシストをするアシストタイム(AT)状態が設けられている。
アシストタイム(AT)状態は、
図5に示すように、通常演出状態(非アシストタイム(AT)状態)よりも遊技者に有利な遊技となるように形成されている。
【0041】
ここで、RT状態で行われている遊技をリプレイタイム遊技(RT遊技)、AT状態で行われている遊技をアシストタイム遊技(AT遊技)としている。
AT遊技は、所定の開始条件を達成したときに開始可能であり、所定の終了条件を達成したときに終了可能に形成されている。具体的には、AT遊技は、役抽選の抽選結果、所定の移行役に当選した場合や、後述するAT制御手段260により所定の移行抽選に当選した場合に開始可能であり、所定の条件を満たすことにより終了可能なものである。なお、これらの開始条件や終了条件に限定されるものではなく、他の内容の条件に設定しても良いものである。
【0042】
(メイン制御手段200)
メイン制御手段200は、役抽選手段210、リール制御手段220、停止図柄判定手段230、払出制御手段240、遊技制御手段250、AT制御手段260、送信手段270の各手段を有する。各手段の詳細については後述する。なお、AT制御手段260は、メイン制御手段200ではなく、サブ制御手段300が有しても良いし、又、メイン制御手段200とサブ制御手段300との両方に分けて有するようにしても良い。
【0043】
以上の構成をもって、メイン制御手段200は、役の抽選を行い、回転リール62の回転及び停止を制御し、回転リール62がすべて停止したときに停止図柄61の判定を行い、遊技の進行を行う手段として機能することとなる。
メイン制御手段200は、遊技を制御するためのものであって、遊技を進行させるためのものである。以下、本実施の形態における遊技について説明する。
規定の賭け数(3枚)が設定されると、1本の有効ライン86(
図1参照)が設定される。なお、本実施の形態に係る遊技機10は、規定の賭け数として3が設定されている。賭け数を設定する方法には、メダル投入口38からメダルを投入する方法と、マックスベットスイッチ34を操作することによってクレジットメダルを賭け数として設定する方法とがある。そして、規定の賭け数(3枚)が設定されていることを条件に、スタートスイッチ40を操作すると、賭け数が確定し、役抽選手段210により、複数の役のいずれかに当選したか又はハズレかの抽選(役抽選)が行われる。また、役抽選とほぼ同時に、前回の遊技での回転リール62の回転開始時から所定の時間(本実施の形態では、4.1秒)が経過しているか否かが判定され、所定の時間が経過すると、3個すべての回転リール62の回転が開始する。
【0044】
本実施の形態では、役として、大別すると、ベル役、スイカ役、チェリー役、チャンス目などの小役(メダルの払い出しを伴う役や、演出状態の移行の契機となる役)、再遊技役(遊技者所有のメダルを使用することなく次回の遊技を開始可能とする役、いわゆるリプレイ役)、移行役(遊技状態の移行を伴う役)が設けられている。
回転リール62の回転開始後、所定の条件(本実施の形態では、回転リール62を加速する処理を実行した後、所定のセンサにより回転リール62の回転位置が基準位置であることを検出すること)が成立すると、ストップスイッチ50の操作が可能な状態(停止操作可能状態)となる。
【0045】
その後に、3個のストップスイッチ50のうち1個を操作すると、当該ストップスイッチ50に対応した回転リール62の回転が停止する。そして、3個すべてのストップスイッチ50の操作を終えると、3個すべての回転リール62の回転が停止する。
このとき、有効ライン86上に所定の図柄61の組合せが揃うと、当該図柄61の組合せに対応した処理が行われる。本実施の形態に係る遊技機10は、有効ライン86上に予め定められた図柄61の組合せが揃うと遊技者に利益が付与されるように形成されている。例えば小役に対応した図柄61の組合せが有効ライン86上に揃うと、小役に対応した枚数のメダルが遊技者に対して付与される。
【0046】
役抽選の当選確率は、複数段階、本実施の形態では、6段階(SET1〜SET6)設定されており、設定値1(SET1)が最も低く、設定値6(SET6)が最も高くなるように設定されている。
【0047】
また、有効ライン86上に再遊技役(リプレイ役)に対応する図柄61の組合せが揃うと、メダルの払い出しはないものの、次回の遊技において遊技者所有のメダルを使用することなく賭け数が自動的に設定され遊技を行うことができる。
【0048】
(役抽選手段210)
役抽選手段210は、当選役を決定する役抽選を実行するものである。すなわち、役抽選手段210は、メイン制御手段200が備える手段であり、スタートスイッチ40の操作を契機に、複数の役のいずれかに当選か又はハズレかの抽選(役抽選)を行うためのものである。役抽選手段210は、役に当選したか否かを決定するための抽選テーブルを、主な分類としてRT0用、RT1用、RT2用、ボーナス内部中遊技用、ボーナス遊技用のそれぞれに対応して複数備えており、メイン制御手段200のROM上に記憶されている。役抽選手段210は、予め定めた抽選データと、所定範囲の整数値を繰り返してカウントするループカウンタを有する所定の乱数発生手段(乱数発生回路)が発生した乱数のうちから抽出した乱数とを比較して、当選か否かを判定する。なお、役抽選手段210による処理は、後述するステップS11(
図12参照)において行われる。
【0049】
(リール制御手段220)
リール制御手段220は、メイン制御手段200が備える手段であり、各回転リール62の回転を停止させるためのものである。リール制御手段220は、役抽選手段210の抽選結果と、各ストップスイッチ50が操作されたときの対応する回転リール62の回転位置とに基づいて、各回転リール62の回転を停止させる。なお、リール制御手段220は、必要に応じて各ストップスイッチ50が停止操作されるときの順番(押し順)が所定の条件に適合しているか否かも停止させる条件にする場合がある。リール制御手段220による処理は、後述するステップS12(
図12参照)において行われる。
【0050】
(停止図柄判定手段230)
停止図柄判定手段230は、メイン制御手段200が備える手段であり、すべての回転リール62が停止した際における有効ライン86上の図柄61の組合せを記憶するとともに入賞等の判定をするためのものである。なお、停止図柄判定手段230による処理は、後述するステップS13(
図12参照)において行われる。
【0051】
(払出制御手段240)
払出制御手段240は、停止図柄判定手段230の判定結果に基づいて、メダル払い出し等の所定の処理を行うためのものである。払出制御手段240は、停止図柄判定手段230の判定の結果、小役が入賞していると判定されるとメダルの払い出しを行う。なお、払出制御手段240による処理は、後述するステップS14(
図12参照)において行われる。
【0052】
(遊技制御手段250)
遊技制御手段250は、遊技状態を制御するものである。
具体的には、遊技制御手段250は、
図3に示すように、大別すると、ノーマル遊技制御手段251、RT制御手段252、ボーナス内部中制御手段253及びボーナス遊技制御手段254の各手段を有する。
【0053】
(ノーマル遊技制御手段251)
ノーマル遊技制御手段251は、「ノーマル遊技」の進行を制御するものである。ここで、「ノーマル遊技」は、後述するRT制御手段252による「RT遊技」(リプレイタイム遊技)や、ボーナス内部中制御手段253により「ボーナス内部中遊技」、ボーナス遊技制御手段254による「ボーナス遊技」以外の遊技状態をいい、
図4を用いて後述する「RT0」及び「RT1」を含む。
【0054】
(RT制御手段252)
RT制御手段252は、「RT遊技」の進行を制御するものである。ここで、「RT遊技」は、
図4を用いて後述する「RT2」を含む。
【0055】
(ボーナス内部中制御手段253)
ボーナス内部中制御手段253は、
図4を用いて後述する「ボーナス内部中遊技」の進行を制御するものである。
【0056】
(ボーナス遊技制御手段254)
ボーナス遊技制御手段254は、
図4を用いて後述する「ボーナス遊技」を制御するものである。
「ボーナス遊技」は、「ボーナス内部中遊技」にボーナス移行役の図柄を揃えることで移行し、いわゆる「RBB」が連続作動し、所定の枚数、本実施の形態では、280枚を超えるメダルの払い出しで終了し、「RT0」に移行する。
【0057】
(AT制御手段260)
AT制御手段260は、「AT状態」及び「ART状態」中の「AT」を制御するためのものである。そして、後述する演出制御手段320を用いてストップスイッチ50の押し順を報知させる演出等を実行させる。
「AT状態」は、いわゆる「アシストタイム」ともよばれ、当該「AT状態」に移行すると、当選した小役の押し順が報知される遊技(AT)が開始され、報知された押し順に従ってストップスイッチ50を操作することで、当選した小役の図柄の組み合わせを停止表示させることができる。このため、成立した小役に対応する所定枚数のメダルが払い出される。また、「AT状態」は、本実施の形態では、メイン制御手段200側で制御され、このとき、メイン制御手段200側のRT制御手段252で制御される「RT遊技」に移行すると、「ART」状態となる。「ART」状態は、「RT遊技」で、且つ「AT状態」の遊技状態をいう。
【0058】
また、AT制御手段260は、「AT状態」に移行するか否かのAT移行抽選や、後述するATゲーム数抽選、表示ゲーム数更新抽選、第2の減算抽選、規制期間抽選、表示ゲーム数更新抽選などを実行するものである。
【0059】
なお、「AT状態」を、メイン制御手段200側に配置したAT制御手段260により制御したが、これに限定されず、「AT状態」の全部又は一部をサブ制御手段300側で制御させても良い。
【0060】
(送信手段270)
送信手段270は、サブ制御手段300へ信号を送信するためのものである。
【0061】
(サブ制御手段300)
サブ制御手段300は、
図3に示すように、受信手段310及び演出制御手段320の各手段を有する。各手段の詳細については後述する。なお、図示しないが、演出制御手段320が行うAT状態におけるストップスイッチ50の押し順の報知は、メイン進行制御手段200に別の手段を設け、メイン制御基板200が行うようにしても良い。
【0062】
以上の構成をもって、サブ制御手段300は、メイン制御手段200からの信号を受けて、遊技の進行に伴う演出を行うものである。
具体的には、サブ制御手段300は、ランプ78を駆動するためのLED駆動回路(図示せず)に対してLEDの点灯や消灯を規定するデータを出力したり、スピーカー72から音を出力するための音声出力回路(図示せず)に対して出力する音声を規定するデータを出力したり、表示装置84を駆動するための液晶制御基板(図示せず)に対して出力する映像データを規定するデータを出力したりする。
【0063】
(受信手段310)
受信手段310は、送信手段270からの信号を受信するものである。
【0064】
(演出制御手段320)
演出制御手段320は、遊技制御手段250及びAT制御手段260の状態により、
図5に示す各演出の状態の演出を制御するものである。
また、メイン制御手段200のAT制御手段260からストップスイッチ50の押し順を報知させるコマンドを受信した場合に当該ストップスイッチ50の押し順を報知させる演出等、を実行する。
【0065】
(
図4を用いた遊技の状態の説明)
つぎに、
図4を用いて「遊技の状態」について説明する。
「遊技の状態」は、メイン制御基板200により管理され、
図4に示すように、大別すると、「ノーマル遊技」、「RT遊技」、「ボーナス内部中遊技」及び「ボーナス遊技」がある。「RT」は、いわゆる「リプレイタイム」の略語であり、「RT遊技」に移行すると、再遊技役に当選する抽選確率、すなわち再遊技確率が高くなる。
なお、各遊技における再遊技役への当選確率は、「ノーマル遊技」においては「1/7.3」に設定されており、「RT遊技」では「ノーマル遊技」よりも高く、「ボーナス遊技」では再遊技役が当選しない、すなわち当選確率が0に設定されている。
【0066】
「ノーマル遊技」は、ノーマル遊技制御手段251により制御され、「RT0」と、「RT1」とがある。
「RT0」から「RT1」には、AT役こぼし図柄を停止表示させた時に移行する。ここで「AT役こぼし図柄」とは、図示しないが、例えば、中第一停止が正解の役に当選し、押し順不正解(ストップスイッチ50を左第一操作または右第一操作)した際に停止表示される図柄である。「RT0」では押し順が報知されず、遊技者は基本的にはストップスイッチ50を左第一停止で操作することが多い。この場合、例えば中第一停止が正解の役当選時にはATこぼし図柄が停止表示され、「RT1」に移行することとなる。
【0067】
「RT遊技」は、RT制御手段252により制御され、「ノーマル遊技」より再遊技役への当選確率の高い「RT2」と、ボーナス移行役に当選し当該ボーナス移行役に対応した図柄61を有効ライン86上に停止表示できなかった場合に移行する「ボーナス内部中」とがある。
ここで、「ノーマル遊技」から「RT遊技」、具体的には、「RT1」から「RT2」には、RT2移行図柄を停止表示させた時に移行する。例えば、図示しないが押し順リプレイ役の押し順「正解」時に、RT2移行図柄を停止表示させた時に移行する。
【0068】
また、「RT2」においてAT役こぼし図柄や転落リプレイ図柄を停止表示させると「RT1」に移行する。ここで「AT役こぼし図柄」とは、上述したとおり、例えば、中第一停止が正解の役に当選し、押し順不正解(ストップスイッチ50を左第一操作または右第一操作)した際に停止表示される図柄である。例えば、「RT2」において遊技状態が
図5のART遊技では押し順が報知されるが、AT遊技が終了すると、押し順が報知されず、遊技者は基本的にはストップスイッチ50を左第一停止で操作することが多い。この場合、例えば中第一停止が正解の役当選時にはAT役こぼし図柄が停止表示され、「RT1」に移行することとなる。
【0069】
AT遊技中でも、報知された押し順に従わない操作を行った場合も、同様に、AT役こぼし図柄や転落リプレイ図柄が停止表示され、「RT1」に移行するが、AT状態を継続させ、RT2移行図柄を停止表示させる押し順を報知し、「RT2」まで移行させる。
【0070】
「ボーナス内部中遊技」は、ボーナス内部中制御手段253により制御され、ボーナス移行役に当選すると、移行する。
【0071】
「ボーナス遊技」は、ボーナス遊技制御手段254により制御され、「ボーナス内部中遊技」に「ボーナス図柄」を揃えることで移行する。
「ボーナス遊技」は、いわゆる「BB」が連続作動し、所定の枚数、例えば280枚を超えるメダルの払い出しで終了する。
そして、「ボーナス遊技」終了後、「RT0」に移行する。
【0072】
(
図5を用いた演出の状態の説明)
図5に示すように、演出の状態は、「通常演出状態」、「AT状態」、「ボーナス演出状態」がある。
【0073】
(通常演出状態)
「通常演出状態」は、「通常遊技」の一例であり、「AT状態」、「ボーナス演出状態」等の特殊な状態を除いた状態である。
通常演出状態中は、AT制御手段260により、AT移行抽選が行われる。
また、「通常演出状態」の演出状態には、「低確状態」、「高確状態」がある。
「低確状態」は、AT移行抽選の当選確率が低い状態であり、「高確状態」は、AT移行抽選の当選確率が「低確状態」に比べ高い状態である。
そして、AT移行抽選に当選した場合は、ATフラグをONにし、AT状態に移行する。
【0074】
(AT状態)
「AT状態」は、「通常遊技より遊技者に有利な有利遊技」の一例である。当該「AT状態」に移行すると、当選した小役の押し順が報知される遊技(AT)が開始され、報知された押し順に従ってストップスイッチ50を操作することで、当選した小役や再遊技役の図柄の組み合わせを停止表示させることができる。このため、成立した小役に対応する所定枚数のメダルが払い出される。
【0075】
「AT状態」の演出状態としては、「ART準備状態」、「ART状態」がある。
「ART準備状態」は、遊技状態が、
図4の「RT1」である場合の「AT状態」であり、「RT1」の状態で、「RT2」へ移行する役である昇格リプレイに当選した場合には、当該昇格リプレイに対応したストップスイッチ50の押し順が報知される。そして、当該報知に従ってストップスイッチ50が操作された場合には、RT2図柄が停止表示され、遊技状態がRT2に移行し、「ART状態」に移行する。
【0076】
(ART状態)
「ART状態」に移行すると、当選した小役の押し順が報知される遊技であるATと、RT2とが開始され、報知された押し順に従ってストップスイッチ50を操作することで、当選した小役の図柄の組み合わせを停止表示させることができる。このため、成立した小役に対応する所定枚数のメダルが払い出される。
【0077】
「ART状態(AT状態)」は、上限遊技期間内、本実施の形態では、1500ゲーム内で遊技可能に設定されている。
なお、上限遊技期間は、1500ゲームに限定されない。
そして、後述するように、所定の遊技区間、本実施の形態では、ATゲーム数抽選により決定されたゲーム数を消化すると、ART中のAT遊技を終了し、且つ、AT役こぼし目(転落リプレイ)を表示した場合に「通常演出状態」へ戻る。すなわち、ATゲーム数が「0」になった場合は、ART(AT+RT)のうち、AT遊技が終了するように設定されているため、ストップスイッチ50の押し順の報知が終了され、これに伴い、転落リプレイを表示した場合に、「通常遊技」へ戻る。すなわち、転落リプレイは、左第一停止が不正解のベル役(例えば中正解ベル)に当選し、押し順「不正解」(ストップスイッチ50を左第一停止で操作)した際に停止表示される図柄61である。AT遊技が終了しているため押し順の報知が行われず、遊技者はストップスイッチ50を左第一停止で操作するため、転落リプレイが停止表示され、「通常遊技」に移行する。
なお、AT状態中でも、報知された押し順に従わない操作を行った場合も、同様に、RT1図柄が停止表示され、遊技状態がRT1に移行するが、AT状態を継続させ、RT2図柄を停止表示させる押し順を報知し、RT2まで移行させる。
【0078】
また、「ART状態」の演出状態には、「ATレベル1」、「ATレベル2」、「ATレベル3」がある。
「ATレベル」は、
図8を用いて後述する第2の減算抽選の当選確率の異なる状態であり、「ATレベル1」より「ATレベル2」、「ATレベル2」より「ATレベル3」の方が、第2の減算抽選にハズレる確率が高くなるように設定されている。
また、図示しないが、例えばレア役に当選した場合などにレベルアップ抽選を行い、当該レベルアップ抽選に当選した場合に、「ATレベル」が1から2や3にアップするように設定されている。
なお、「ATレベル」のアップは、レベルアップ抽選に当選した場合に限定されず、他の契機、例えばATが進行する毎にレベルアップするなどであっても良い。
【0079】
(ボーナス演出状態)
「ボーナス演出状態」は、「通常演出状態」、「AT状態」中に
図4に示す「ボーナス遊技」への移行抽選(ボーナス移行役)に当選し、当該「ボーナス遊技」へ移行した場合の演出状態である。移行した「ボーナス遊技」が所定の枚数の払出で終了することにより、「通常演出状態」、「AT状態」に戻る。
【0080】
(AT状態の終了)
AT状態は、後述するATゲーム数(初期期間)が所定値、本実施の形態では「0」まで減算された場合に終了するように設定されている。
ここで、ATゲーム数の減算には、第1の減算と、第2の減算と、第3の減算とがある。
なお、減算は、第1の減算と第2の減算と第3の減算とに限定されず、他の契機により減算するようにしても良い。
第1の減算は、遊技を行うことにより減算するものであり、本実施の形態では、1回遊技を行う毎に「−1」される。
第2の減算は、後述するように、第2の減算抽選に当選した場合に実行されるものである。このため、第1の減算が実行される頻度は、第2の減算が実行される頻度よりも多いこととなる。
第3の減算は、後述するように、遊技者の操作に起因して実行されるものである。
【0081】
また、各減算は、ATゲーム数からの減算のみならず、表示ゲーム数からも減算される。
すなわち、現実のATゲーム数からも減算され、遊技者向けに表示装置84に表示されている表示ゲーム数も減算される。
【0082】
(ATゲーム数抽選)
図6を用いてATゲーム数抽選(初期期間)について説明する。
ATゲーム数は、AT準備状態中に上限遊技期間内のゲーム数から
図6に示すATゲーム数抽選テーブルを用いて抽選により決定する。
具体的には、ATゲーム数は、低確の場合は「35/128」の確率で「100」、「51/128」の確率で「200」、「32/128」の確率で「500」、「8/128」の確率で「1000」、「2/128」の確率で「1500」が抽選され、高確の場合は「24/128」の確率で「100」、「44/128」の確率で「200」、「44/128」の確率で「500」、「12/128」の確率で「1000」、「4/128」の確率で「1500」が抽選される。
【0083】
なお、ATゲーム数と抽選確率とは、
図6に示す場合に限定されない。また、低確・高確に分けて抽選する場合に限定されず、一律に抽選しても良いし、他の条件により抽選確率を変更するようにしても良い。
また、ATゲーム数抽選は、AT準備状態中に行われる場合に限定されず、AT状態への移行が決定した際などに行っても良い。
【0084】
(表示ゲーム数抽選)
つぎに、
図7を用いて表示ゲーム数抽選について説明する。
表示ゲーム数は、ATゲーム数抽選により決定されたATゲーム数のうち、遊技者に報知するゲーム数である。
すなわち、決定されたATゲーム数をAT開始時にすべて見せるのではなく一部を未報知とし、レア役に当選したときや残りゲーム数が0に近づいたとき等に、未報知分の全部又は一部を報知することで、あたかもATゲーム数を上乗せしたかのような印象を与えることができる。これにより、遊技価値を過剰に付与することを防ぐために上乗せ手段を設けず、遊技の進行を減算のみで管理する遊技機であっても、上乗せが行われたのと同じ印象を遊技者に与えることができる。
【0085】
具体的には、ATゲーム数が「100」の場合は表示ゲーム数として「128/128」の確率で「100」が抽選される。また、ATゲーム数が「200」の場合は「96/128」の確率で表示ゲーム数として「100」が抽選され、「32/128」の確率で表示ゲーム数として「200」が抽選される。また、ATゲーム数が「1500」の場合は「46/128」の確率で表示ゲーム数として「100」が抽選され、「67/128」の確率で表示ゲーム数として「200」が抽選され、「12/128」の確率で表示ゲーム数として「500」が抽選され、「2/128」の確率で表示ゲーム数として「1000」が抽選され、「1/128」の確率で表示ゲーム数として「1500」が抽選される。そして、AT状態開始時に抽選された表示ゲーム数を表示装置84に表示することで遊技者に報知する。
表示ゲーム数の変遷については、
図11を用いて後述する。
なお、表示ゲーム数抽選は、
図7に示す場合に限定されない。
また、上記のような効果を奏するために、表示ゲーム数抽選を行うことが望ましいが、これに限らず表示ゲーム数抽選を行うことなく、初めから全てのゲーム数を見せても良い。
【0086】
(第2の減算抽選)
つぎに、
図8を用いて第2の減算抽選について説明する。
第2の減算は、第1の減算が毎遊技定期的に定量減算される(1遊技毎に「−1」)ものであるのに対し、抽選により減算することが決定された場合に減算するものである。
具体的には、ATレベル1の場合は、「12/128」の確率で第2の減算を行うこと(当選)が決定され、「116/128」の確率で第2の減算を行わないこと(ハズレ)が決定され、ATレベル2の場合は、「8/128」の確率で第2の減算を行うこと(当選)が決定され、「120/128」の確率で第2の減算を行わないこと(ハズレ)が決定され、ATレベル3の場合は、「4/128」の確率で第2の減算を行うこと(当選)が決定され、「124/128」の確率で第2の減算を行わないこと(ハズレ)が決定される。
なお、第2の減算抽選の抽選確率を「0/128」に設定し、第2の減算抽選に当選しないようにしても良い。
【0087】
ここで、第2の減算による減算量は、本実施の形態では予め定められた減算量の「−5」であるが、これに限定されず、第1の減算による減算量と同じ「−1」であっても良いし、予め定められた減算量ではなく抽選により決定するようにしても良い。すなわち、第1の減算による減算量以上であれば良い。
【0088】
また、第2の減算抽選に当選した場合は、表示装置84などを用いてバトル演出(敵キャラクターなどと戦う演出)を実行し、バトルに敗北したことを示す画像を表示することで、バトルに敗北したため、多く減算されることを遊技者に報知するようにしている。
なお、第2の減算抽選に当選した場合は、当選したゲームにおいて直ちに報知しても良いし、第2の減算抽選の抽選結果を踏まえたバトル演出を数ゲームにわたって実行し、当該バトル演出が終了する際に、バトルに敗北したことを示す画像を表示するとともに報知するようにしても良い。
【0089】
また、第2の減算抽選は、1回のゲームにおける減算を行うか否かを決定するようにしているが、これに限定されず、1度の第2の減算抽選で複数回のゲームの減算を行うか否を決定するようにしても良い。
例えば、1度の第2の減算抽選で、5ゲーム分の第2の減算を行うか否かを決定する場合は、本ゲーム(1ゲーム目)では第2の減算を実行し、次のゲーム(2ゲーム目)では第2の減算を実行せず、次のゲーム(3ゲーム目)では第2の減算を実行し、次のゲーム(4ゲーム目)では第2の減算を実行し、次のゲーム(5ゲーム目)では第2の減算を実行しない、など先のゲームにおいて第2の減算を実行するか否かを予め決定するようにしても良い。
これにより、毎ゲーム第2の減算抽選を行う場合に比べ、処理を軽減することができる。
【0090】
また、第2の減算を実行するか否かを抽選により決定しているが、抽選を行わず、所定の条件を満たした場合、例えば、5ゲーム間連続で再遊技役に入賞した場合や、20ゲーム以内にレア役に当選しなかった場合など、遊技の結果に関連した条件を満たした場合に、第2の減算を実行するようにしても良い。
これにより、より一層多種多様なゲーム性を提供することができる。また、この条件を複数ゲームに亘るものとすることで、条件達成の数ゲーム前から緊迫感を煽る演出を行うことができ、興趣を高めることができる。
【0091】
また、第2の減算を実行するか否かを抽選により決定しているが、抽選を行わず、所定の条件を満たした場合、例えば、押し順当てゲームなどの遊技者が自力で達成できるミッションの結果によって決定するようにしても良い。
具体的には、スタートスイッチ40操作後、「押し順を当てろ!」などのメッセージを表示装置84に表示し、遊技者が押し順に正解した場合は第2の減算抽選を行わず、押し順に正解しなかった場合に第2の減算抽選を行うようにして、第2の減算抽選を行うか否かを遊技者が自力で達成可能な条件にしても良い。また、押し順に正解した場合は第2の減算を行わず、押し順に正解しなかった場合に第2の減算を行うようにしても良い。
これにより、新たな遊技性を付加することができる。
【0092】
また、1度の第2の減算抽選により第2の減算を実行することが決定された場合に、複数のゲームに亘って第2の減算を実行するようにしても良い。
具体的には、1度の第2の減算に当選した場合は、例えば5ゲームに亘って第2の減算を連続して実行するようにしても良い。
これにより、毎ゲーム第2の減算抽選を行う場合に比べ、処理を軽減することができる。
さらに、この場合には、第2の減算を実行している間のゲームで、所定の条件を満たした場合、例えば、役抽選結果や、遊技者が自力で達成できるミッションの結果などによって、第2の減算の連続した実行を中止するようにしても良い。
【0093】
また、第2の減算抽選は、毎ゲーム行われる場合に限定されず、所定の条件を満たした場合、例えば5ゲーム毎や10ゲーム毎などのように所定ゲーム数毎に行うようにしても良い。
これにより、第2の減算が行われるかもしれない契機を定期的に設けることができ、第2の減算の発生のタイミングにムラを無くすことができる。ムラを無くすことで、有利遊技期間の始終に亘って遊技者の関心や緊迫感を維持することができる。
【0094】
また、第2の減算抽選は、
図8に示す場合に限定されない。
【0095】
(第3の減算)
第3の減算は、遊技者の操作に起因して第2の減算による減算量より多く減算する場合が含まれるものである。
具体的には、押し順役に当選した場合に、遊技者のストップスイッチ50操作ミスなどにより、押し順に正解しなかった場合に、第2の減算による減算量「−5」より多い減算量「−10」が減算される。
【0096】
なお、第3の減算による減算量は「−10」に限定されず、第2の減算による減算量と同じであっても良いし、予め定められた定量ではなく、第2の減算による減算量以上の減算量のうちから抽選により決定するようにしても良い。
第3の減算による減算量は、第2の減算による減算量より多くすることが好ましく、このように構成することで、ミスなどをしないように遊技に集中させることが可能となる。
【0097】
(規制期間抽選)
つぎに、
図9を用いて規制期間抽選について説明する。
規制期間抽選は、所定の契機、本実施の形態では、役抽選結果が「スイカ」「チェリー」などのレア役に当選した場合に、第2の減算を実行させないようにするか否かを抽選により決定するものである。
【0098】
具体的には、遊技の役抽選結果が「ハズレ」「リプレイ」「ベル」の当選である場合は、規制期間抽選がされず、「スイカ」「チェリー」などのレア役の当選の場合にのみ、規制期間抽選が行われ、「スイカ」の当選である場合は「5/128」の確率で規制期間抽選の「当選」が抽選され、「チェリー」の当選の場合は「10/128」の確率で規制期間抽選の「当選」が抽選される。
そして、規制期間抽選に当選した場合は、規制期間である10ゲームの間は、第2の減算抽選を実行しないようにする。
【0099】
なお、第2の減算抽選を実行しないようにする場合に限定されず、第2の減算抽選を実行した場合でも抽選結果をハズレに書き換えるなど、必ず減算が実行されないような強制的な処理を行うこととしても良い。
また、レア役に当選した場合にのみ規制期間抽選をする場合に限定されず、レア役の当選以外の役抽選結果であった場合は、規制期間抽選をしても必ず「当選」しないようにしても良い。
【0100】
また、規制期間抽選に当選した場合に、第2の減算抽選を実行しないようにしているが、これに限定されず、所定の役に所定回数当選した場合に規制期間を設定し、第2の減算抽選を実行しないようにしても良いし、又、規制期間抽選に所定回数「当選」しなかった場合に規制期間を設定し、第2の減算抽選を実行しないようにしても良い。
【0101】
また、規制期間は、10ゲームに限定されず、他のゲーム数でも良いし、抽選により決定したゲーム数であっても良い。
また、規制期間中は、第2の減算抽選を実行しないようにしているが、第1の減算を実行しないようにしても良いし、第3の減算を実行しないようにしても良いし、又、第1の減算、第2の減算、第3の減算のうち複数の減算を実行しないようにしても良い。
この第1の減算を実行しないようにした場合は、ATゲーム数抽選により決定されたATゲーム数(初期期間)と、上限遊技期間との差を計数し、規制を行ったとしても上限遊技期間を超えないと判定された場合にのみ実行するのが望ましい。例えば、上限遊技期間が1500ゲームであり、ATゲーム数抽選によりATゲーム数(初期期間)が1450ゲームとなった場合は、第1の減算を実行しない場合は、50ゲームを限度とする場合に限られることが望ましい。また、規制期間に要するゲーム数と規制期間の抽選確率とから第1の減算を対象とした規制期間が実行された場合に延長されることとなるゲーム数の期待値から逆算して、ATゲーム数抽選(初期期間)を実行するようにしても良い。なお、この場合上限遊技期間を超えないことを担保できる程度に余裕をもってATゲーム数(初期期間)を設定することが望ましい。
【0102】
また、規制期間中は、規制期間の延長抽選やストック抽選を行っても良いし、他の減算を追加的に規制するか否かの抽選を行っても良い。
【0103】
また、規制期間抽選は、
図9に示す場合に限定されない。
【0104】
また、規制期間抽選に代えて、他の遊技状態への移行抽選を行い、当該他の遊技状態への移行抽選に当選した場合は、所定期間、例えば10ゲームの間は、第2の減算抽選が実行されない遊技状態へ移行し、当該他の遊技状態の終了後、移行前の状態に戻るようにしても良い。
【0105】
(表示ゲーム数更新抽選)
つぎに、
図10を用いて表示ゲーム数更新抽選について説明する。
表示ゲーム数更新抽選は、表示ゲーム数を更新するか、すなわち、既に獲得しているATゲーム数(初期期間)から未だ遊技者に報知していない未報知ATゲーム数をさらに報知するか否かを抽選により決定するものである。
具体的には、遊技の役抽選結果が「ハズレ」の場合、「リプレイ」「ベル」の当選である場合は、表示ゲーム数更新抽選の「ハズレ」が抽選され、「スイカ」の当選である場合は「6/128」の確率で表示ゲーム数更新抽選の「当選」が抽選され、「チェリー」の当選の場合は「12/128」の確率で表示ゲーム数更新抽選に「当選」が抽選される。
【0106】
そして、「チェリー」などのレア役に当選した際の表示ゲーム数の更新に当選した場合は、ATゲーム数(初期期間)の未報知ATゲーム数を表示装置84に表示することにより遊技者に報知して、あたかも上乗せ抽選に当選したかのような演出を実行する。
なお、表示ゲーム数の更新に当選した場合は、ATゲーム数(初期期間)の未報知ATゲーム数を一度に全て報知する場合に限定されず、例えば100ゲーム毎や抽選により決定したゲーム数毎に分けて報知するようにしても良い。
なお、表示ゲーム数が所定の値になったときには、当該更新抽選を経ることなく報知することを決定しても良い。所定の値とは、例えば0や0に近い値が挙げられる。これにより、未報知ATゲーム数を全て報知しきるよりも先に表示ゲーム数が0になることを防止することができる。
また、表示ゲーム数更新抽選は、
図10に示す場合に限定されない。
【0107】
(
図11を用いた表示ゲーム数の減算の過程の説明)
つぎに、
図11を用いて表示ゲーム数の減算の過程について説明する。
図11に示すように、表示ゲーム数抽選により決定された表示ゲーム数が表示装置84に表示される。
そして、遊技の進行に伴い第1の減算が実行されていくため、なだらかに表示ゲーム数が減算されていく。
第2の減算抽選に当選した場合は、表示ゲーム数から「−5」されるため、第1の減算より急激に表示ゲーム数が減算される。
【0108】
再度第1の減算が実行されている間に、規制期間抽選に当選し、規制期間中は、第2の減算抽選がされないため、第1の減算のみ実行されていく。
第3の減算の契機となるストップスイッチ50操作ミスがあった場合は、第2の減算より急激に表示ゲーム数が減算される。
再度第1の減算が実行されている間に、表示ゲーム数更新抽選に当選した場合は、表示ゲーム数が更新され、表示ゲーム数が増加する。
【0109】
(
図12を用いた遊技の基本的な流れの説明)
図12に示すフローチャートに基づいて、メイン制御手段200が1回の遊技毎に実行する一般的な遊技制御処理について説明する。
【0110】
ステップS10において、メイン制御手段200により、スタートスイッチ40の操作があったか否かの判定が行われる。ここで、スタートスイッチ40の操作があったと判定されると、メイン制御手段200により、賭け数の設定が不可能な状態とされる。その後、次のステップS11に進む。一方、スタートスイッチ40の操作がないと判定されると、再度ステップS10となる。
【0111】
なお、このステップS10の前提として、賭け数設定処理が行われている。この賭け数設定処理では、賭け数として規定の賭け数が設定されたか否かが判定されるものである。具体的には、メイン制御手段200により、当該遊技の賭け数として設定されているメダルの枚数が規定の賭け数(3枚)に達しているか否かの判定が行われる。
【0112】
ステップS11において、役抽選手段210により、役抽選処理が行われる。また、このとき、役抽選の結果がメイン制御手段200からサブ制御手段300へ送信される。役抽選処理が終了すると、次のステップS12に進む。
【0113】
ステップS12において、リールユニット60における回転リール62の回転変動処理が行われる。回転リール62が所定の回転速度に達した後、メイン制御手段200により、回転中の回転リール62に対応するストップスイッチ50の操作があった場合に、リール制御手段220により、各回転リール62の回転が停止させられる。このときのストップスイッチ50(左ストップスイッチL、中ストップスイッチC、右ストップスイッチR)の当選役に対応する押し順は、メイン制御手段200に形成された所定の記憶領域に記憶されると共に、その後の処理にて読み出される。
【0114】
また、すべての停止操作終了後、メイン制御手段200の送信手段280からサブ制御手段300の受信手段310へ全回転リール62の回転停止情報が送信される。そして、すべての回転リール62の回転変動処理が終了すると、次のステップS13に進む。
ステップS13において、停止図柄判定手段230により、有効ライン86上の図柄61の組合せに対して所定の役の図柄61の組合せが揃っているか否かの入賞等の判定処理が行われる。ここで、入賞等の判定処理の判定結果のデータは、メイン制御手段200からサブ制御手段300へ送信される。そして、判定処理が終わると、次のステップS14に進む。
【0115】
ステップS14において、払出制御手段240により、停止図柄判定手段230の判定結果に対応した払出処理等が行われる。なお、判定結果、払出が不要な場合には、払出処理は行われない。そして、当該処理が終了する。
【0116】
(AT中処理)
図13及び
図14に示すフローチャートに基づいて、AT制御手段260によるAT状態中の処理について説明する。
ステップS20において、
図6に示すATゲーム数抽選が行われ、抽選により決定されたATゲーム数がATゲーム数カウンタにセットされる。そして、次のステップS21に進む。
ステップS21において、
図7に示す表示ゲーム数抽選が行われ、抽選により決定された表示ゲーム数が表示ゲーム数カウンタにセットされる。そして、次のステップS22に進む。
【0117】
ステップS22において、スタートスイッチ40の操作があったか否かが判定される。スタートスイッチ40の操作があったと判定された場合は、次のステップS23に進む。
一方、スタートスイッチ40の操作があったと判定されない場合は、再度ステップS22となる。
ステップS23において、第1の減算が実行され、ATゲーム数カウンタから「−1」、表示ゲーム数カウンタから「−1」される。そして、次のステップS24に進む。
【0118】
ステップS24において、規制期間フラグがONか否かが判定される。規制期間フラグがONであると判定されない場合、すなわち、規制期間フラグがOFFの場合は、次のステップS25に進む。
ステップS25において、
図12のステップS11において行われる役抽選処理の結果がレア役、すなわち、「スイカ」「チェリー」の当選であるか否かが判定される。レア役の当選と判定されない場合は、次のステップS26に進む。
【0119】
ステップS26において、
図8に示す第2の減算抽選が行われる。そして、次のステップS27に進む。
ステップS27において、ステップS26の第2の減算抽選に当選したか否かが判定される。第2の減算抽選に当選したと判定された場合は、次のステップS28に進む。一方、第2の減算抽選に当選したと判定されない場合は、ステップS28を経ずに、ステップS29に進む。
ステップS28において、第2の減算が実行され、ATゲーム数カウンタから「−5」、表示ゲーム数カウンタから「−5」される。そして、次のステップS29に進む。
【0120】
ステップS29において、
図12のステップS11において行われる役抽選処理の結果が押し順役の当選であるか否かが判定される。押し順役の当選であると判定された場合は、次のステップS30に進む。一方、押し順役の当選であると判定されない場合は、ステップS30、ステップS31を経ずに、
図14のステップS40に進む。
ステップS30において、遊技者の操作したストップスイッチ50の押し順が正解であるか、すなわち、左ストップスイッチLを最初に操作することが定められた押し順役の場合に、左ストップスイッチLを最初に操作したか否かが判定される。ストップスイッチ50の押し順が正解であると判定されない場合は、次のステップS31に進む。一方、ストップスイッチ50の押し順役が正解であると判定された場合は、ステップS31を経ずに、図のステップS40に進む。
【0121】
ステップS31において、第3の減算が実行され、ATゲーム数カウンタから「−10」、表示ゲーム数カウンタから「−10」される。そして、
図14のステップS40に進む。
一方、上述したステップS24において、規制期間フラグがONであると判定されない場合は、次のステップS32に進み、規制期間カウンタから「−1」される。そして、次のステップS33に進む。
【0122】
ステップS33において、規制期間フラグが「0」であるか、すなわち、規制期間が残っているか否かが判定される。規制期間カウンタが「0」であると判定された場合は、次のステップS34に進む。一方、規制期間カウンタが「0」であると判定されない場合は、ステップS34を経ずに、
図14のステップS40に進む。
また、上述したステップS25において、レア役の当選であると判定された場合は、次のステップS35に進み、
図9の規制期間抽選が行われる。そして、次のステップS36に進む。
【0123】
ステップS36において、ステップS35の規制期間抽選に当選したか否かが判定される。規制期間抽選に当選したと判定された場合は、次のステップS37に進む。一方、規制期間抽選に当選したと判定されない場合は、上述したステップS26に進む。
ステップS37において、規制期間フラグが「ON」に設定され、規制期間カウンタに「10」がセットされる。そして、
図14のステップS40に進む。
【0124】
つぎに、
図14のステップS40において、ATゲーム数カウンタが「0」であるか、すなわち、ATゲーム数が残っているか否かが判定される。ATゲーム数カウンタが「0」であると判定された場合は、ART(AT+RT)のうちのATフラグをOFFにしATを終了することでAT状態が終了する。一方、ATゲーム数カウンタが「0」であると判定されない場合は、次のステップS41に進む。
なお、ATゲーム数カウンタが「0」であるか否かで、ATゲーム数が残っているか否かを判定したが、第2の減算や第3の減算により「0」を「マイナス」側に超えて減算された場合も考えられるため、ATゲーム数カウンタが「0以下」であるか否かにより、ATゲーム数が残っているか否かを判定するようにしても良い。
【0125】
ステップS41において、表示ゲーム数カウンタが「0」であるか、すなわち、表示ゲーム数が残っているか否かが判定される。表示ゲーム数カウンタが「0」であると判定されない場合は、次のステップS42に進む。一方、表示ゲーム数カウンタが「0」であると判定された場合は、ステップS42、ステップS43を経ずに、ステップS44に進む。
ステップS42において、
図10の表示ゲーム数更新抽選が行われる。そして、次のステップS43に進む。
【0126】
ステップS43において、ステップS42の表示ゲーム数更新抽選に当選したか否かが判定される。表示ゲーム数更新抽選に当選したと判定された場合は、次のステップS44に進む。一方、表示ゲーム数更新抽選に当選したと判定されない場合は、ステップS44を経ずに、
図13のステップS22に戻る。
ステップS44において、表示ゲーム数の更新処理がされる。すなわち、表示ゲーム数カウンタに未報知ATゲーム数分の数値が加算される。そして、
図13のステップS22に戻る。
【0127】
(第1の実施の形態の変形例)
第1の実施の形態は、AT状態の上限遊技期間及び初期期間をゲーム数で管理していたが、ゲーム数で管理する場合に限定されず、その他、例えば、獲得枚数、差枚数、ナビ回数などであっても良い。
【0128】
(獲得枚数)
獲得枚数の場合は、上限遊技期間を、例えば、「3000枚のメダルの獲得」にして、当該3000枚以内の初期期間として、AT獲得可能枚数抽選(
図6のATゲーム数抽選に相当)が行われる。
AT獲得可能枚数抽選により、例えば2000枚が決定された場合は、遊技が進行する毎に第1の減算として獲得枚数、例えば8枚のメダルを獲得した場合は「8」がAT獲得可能枚数から減算されていく。
第2の減算抽選に当選した場合は、例えば20枚がAT獲得可能枚数から減算される。
そして、AT獲得可能枚数が「0」に到達した場合にAT状態が終了する。
【0129】
(差枚数)
差枚数の場合は、上限遊技期間を、例えば「差枚数が1000枚に到達した場合」にして、当該1000枚以内の初期期間として、差枚数抽選(
図6のATゲーム数抽選に相当)が行われる。
差枚数抽選により、例えば500枚が決定された場合は、遊技が進行する毎に第1の減算として、例えば3枚賭けて8枚のメダルを獲得した場合は「5」が差枚数から減算されていく。
第2の減算抽選に当選した場合は、例えば10枚が差枚数から減算される。
そして、差枚数が「0」に到達した場合にAT状態が終了する。
【0130】
(ナビ回数)
ナビ回数の場合は、上限遊技期間を、例えば「1000回のナビを実行した場合」にして、当該1000回以内の初期期間として、ナビ可能回数抽選(
図6のATゲーム数抽選に相当)が行われる。
ナビ可能回数抽選により、例えば700回が決定された場合は、遊技が進行し、押し順役に当選することでナビを実行する毎に第1の減算としてナビ可能回数から「−1」される。
第2の減算抽選に当選した場合は、例えば10回がナビ可能回数から減算される。
そして、ナビ可能回数が「0」に到達した場合にAT状態が終了する。
なお、ナビ回数の場合には、押し順役のナビのみでなく、レア役当選示唆等の示唆演出もナビ回数に含むこととしても良い。レア役のナビとしては、例えばチェリー役当選時に赤色のアイコンを表示装置84に表示する場合などがある。
【0131】
(その他の変形例)
上述したように、ATゲーム数を複数のゲーム数から抽選により決定することで、AT状態を実行可能な概ねの期間、ひいてはAT状態での遊技により得られる概ねの利益量に優劣がつくようにしているが(
図6参照)、これに限定されず、予め定められた固定のATゲーム数を付与し、減算しやすさによって各AT状態に優劣がつくようにしても良い。
この場合には、AT状態に、有利なAT状態と、不利なAT状態とを備え、上述した第2の減算抽選(
図8)や規制期間抽選(
図9)とは異なる第2の減算抽選、例えば有利なAT状態では第2の減算抽選にハズレる確率を不利なAT状態より高くし、不利なAT状態では第2の減算抽選に当選する確率を有利なAT状態より高くすることや、例えば有利なAT状態では規制期間抽選に当選する確率を不利なAT状態より高くし、不利なAT状態では規制期間抽選にハズレる確率を有利なAT状態より高くすることなどにより、初期のATゲーム数は同じであっても、減算しやすさによって、AT状態を実行可能な概ねの期間、ひいてはAT状態での遊技により得られる概ねの利益量に優劣を設定するようにしても良い。このように、AT状態の開始時における初期ゲーム数の量を固定とすることで、初期ゲーム数が少ない場合に起こり得る遊技意欲の減退を防止でき、期待感をもったままAT状態での遊技を行うことが可能となる。
【0132】
(第2の実施の形態)
つぎに、第2の実施の形態について、第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。
上述した第1の実施の形態では、第1の減算と第2の減算とは同じ減算量を減算する場合を含むが、第2の実施の形態では、第1の減算と第2の減算とは同じ減算量を減算する場合を含まず、第1の減算と第2の減算の減算量が異なるように設定されている。
また、第1の実施の形態では、第2の減算が実行される場合も第1の減算が実行されているが、第2の実施の形態では、第1の減算と第2の減算とはいずれか一方のみが実行されるように設定されている。
【0133】
また、第1の実施の形態では、第1の減算として「−1」、第2の減算として「−5」されているが、第2の実施の形態では、第1の減算として「−10」、第2の減算として「−3」している。
すなわち、第1の実施の形態は、第2の減算抽選に当選した場合は減算する量が増えるが、第2の実施の形態では、第2の減算抽選に当選した場合は減算する量が減るものである。
このため、減算が緩やかになり、第1の減算が実行された場合に比べAT状態を長く遊技可能となる。
したがって、遊技者は、第1の実施の形態では、第2の減算抽選に「ハズレ」ることを望み、第2の実施の形態では、第2の減算抽選に「当選」することを望むことから、第1の実施の形態とは異なる遊技性が生じる。
【0134】
また、
図11に示す表示ゲーム数の減算の過程についても、第1の実施の形態では、第2の減算抽選に当選した場合は、急激に表示ゲーム数が減算されるが、第2の実施の形態では、第2の減算抽選に当選した場合は、表示ゲーム数がなだらかに減算されていく。
【0135】
なお、第1の減算として「−10」、第2の減算として「−3」を例示したが、これに限定されない。
また、第1の減算と第2の減算は減算量が異なるものであれば良く、カウント処理はどのような態様であっても良い。具体的には、第1の減算では、複数の減算、例えば「−3」する処理と「−7」する処理との両方の減算を実行することで、合計の「−10」の減算をするカウント処理を実行し、第2の減算抽選に当選した場合は、第2の減算として、第1の減算の一部であるどちらか一方、例えば「−3」するカウント処理を実行するようにしても良い。
【解決手段】通常遊技と、前記通常遊技より遊技者に有利な有利遊技とを備え、前記有利遊技は、所定の上限遊技期間内で、遊技可能に設定されているとともに、当該上限遊技期間内の初期期間を決定し、前記有利遊技は、前記初期期間が所定値まで減算された場合に終了するように設定されており、前記減算には、少なくとも、遊技を行ったときの遊技過程又は遊技結果に対応した第1の減算と、当該第1の減算とは異なる遊技過程又は遊技結果に対応した第2の減算とが含まれ、前記第2の減算による前記初期期間の減算量は、第1の減算による減算量以上であることを特徴とする。