(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
さらに複数のマスク構造を有し、各々のマスク構造が前記複数の導体の対応する一つの上に配置され、前記対応する導体からの周辺光の反射を抑制するように構成される、請求項1に記載の照明デバイス。
前記凹所が、前記ライトガイドの表面内を前記ライトガイドの反対の面の方へ延在し、前記干渉構造が、前記ライトガイド内を伝播する光を反射し、一方で周辺光の低レベルの反射をもたらすよう構成されている、請求項6に記載の照明デバイス。
前記画像データを前記プロセッサに送るように構成された画像源モジュールをさらに有し、前記画像源モジュールが、受信機、トランシーバおよび送信機のうちの少なくとも1つを含む、請求項15に記載の照明デバイス。
間隔を隔てた複数の導体の個々のものを前記ライトガイドの対応する光方向転換フィーチャの表面上に配置するステップが、前記間隔を隔てた複数の導体の各々を同じレベルに形成することを含む、請求項19に記載の方法。
間隔を隔てた複数の導体の個々のものを前記ライトガイドの対応する光方向転換フィーチャの表面上に配置するステップが、前記対応する光方向転換フィーチャの表面上に反射金属層を堆積することを含む、請求項19に記載の方法。
前記ライトガイドを提供するステップが、屈折率整合方向転換層を基板の上に堆積するステップと、前記方向転換層中に前記光方向転換フィーチャをテーパエッチングするステップとを含む、請求項19に記載の方法。
前記案内手段がライトガイドを含み、前記導電手段が導体を含み、前記方向転換手段が光方向転換フィーチャを含み、あるいは、前記検出手段が接触感知電子機器を含む、請求項24に記載の照明デバイス。
【発明を実施するための形態】
【0013】
様々な図における同様の参照番号および指定は、同様の構成要素を表している。
【0014】
以下の詳細な説明は、革新的態様を説明するために特定の実施態様を対象にしている。しかしながら、本明細書における教示は、多くの異なる方法で適用することができる。説明されている実施態様は、動画(例えばビデオ)であれ、あるいは静止画像(例えばスチール画像)であれ、また、文字であれ、図形または絵であれ、画像を表示するように構成される任意のデバイスの中で実施することができる。より詳細には、これらの実施態様は、それらに限定されないが、移動電話、マルチメディアインタネットイネーブルセルラ電話、移動テレビジョンレシーバ、無線デバイス、スマートフォン、ブルートゥース(登録商標)デバイス、パーソナルデータアシスタント(PDA)、無線電子メールレシーバ、ハンドヘルドすなわち携帯型コンピュータ、ネットブック、ノートブック、スマートブック、プリンタ、複写機、スキャナ、ファクシミリデバイス、GPSレシーバ/ナビゲータ、カメラ、MP3プレーヤ、カムコーダ、ゲームコンソール、腕時計、時計、計算器、テレビジョンモニタ、フラットパネルディスプレイ、電子読取りデバイス(例えば電子リーダ)、コンピュータモニタ、自動車ディスプレイ(例えば走行距離計ディスプレイ、等々)、コックピットコントロールおよび/またはディスプレイ、カメラビューディスプレイ(例えば車両内の後方ビューカメラのディスプレイ)、電子写真、電子掲示板またはサイン、プロジェクタ、建築構造物、マイクロ波、冷凍機、ステレオシステム、カセットレコーダまたはプレーヤ、DVDプレーヤ、CDプレーヤ、VCR、ラジオ、携帯型メモリチップ、洗濯機、乾燥機、洗濯機/乾燥機、パッケージング(例えばMEMSおよび非MEMS)、美的構造物(例えば宝石片上へのイメージの表示)および様々な電気機械システムデバイスなどの様々な電子デバイスの中で、あるいはこれらの電子デバイスと関連して実施することができることが企図されている。また、本明細書における教示は、それらに限定されないが、電子スイッチングデバイス、無線周波数フィルタ、センサ、加速度計、ジャイロスコープ、運動感知デバイス、磁力計、消費者電子工学のための慣性コンポーネント、消費者電子工学製品の部品、バラクタ、液晶デバイス、電気泳動デバイス、作動スキーム、製造プロセス、電子試験機器などの非表示用途に使用することも可能である。したがってこれらの教示には、単に図に示されている実施態様に限定されることは意図されておらず、それとは全く逆に、当業者には容易に明らかであるように、広範囲にわたる用途を有している。
【0015】
本明細書において開示されている様々な実施態様は、ライトガイドを有する照明デバイスに関しており、ライトガイドには、ライトガイドの光方向転換フィーチャの中に導電フィーチャが統合されている。導電フィーチャは電子システムに電気接続されている。いくつかの実施態様では、電子システムは、接触感知システムの一部であり、この接触感知システムによって照明デバイスは接触センサ機能を提供することができる。接触センサ機能が統合された照明デバイスには、1つまたは複数の金属化光方向転換フィーチャを有するライトガイドが含まれている。また、デバイスには、人の指などの導電性の物体が近接することによって誘導される、電極システム内の電極間のキャパシタンスの変化を感知するための電極システムが含まれている。いくつかの実施態様では、金属化光方向転換フィーチャを形成している導体は、接触感知電極システムと電気連絡している。
【0016】
本開示の中で説明されている主題の特定の実施態様を実施することにより、以下の潜在的な利点のうちの1つまたは複数を実現することができる。例えば、本明細書の中で説明されている照明デバイスのいくつかの実施態様には、メタライゼーションがない場合に生じることになる角度範囲よりも広い角度範囲から光方向転換フィーチャに衝突する光を反射させることによって光方向転換フィーチャの機能を改善することができる金属化光方向転換フィーチャが含まれている。それと同時に、照明デバイスは、接触感知電極が統合され、あるいは電極、導電トレースまたは他の電気構造を使用している電子システムが統合された電極または導体を有することも可能であり、それにより導電性の物体の近接を検出することができる。いくつかの実施態様では、導電性の物体の検出を促進するために使用される電気構造は、金属化光方向転換フィーチャを含むことができる。他の実施態様では、金属化光方向転換フィーチャは、どの電気回路にも一切電気接続しなくてもよい。いずれの場合においても、電気構造および金属化光方向転換フィーチャは、同じ堆積およびリソグラフィプロセスを使用して製造することができる。この方法によれば、電気構造および金属化光方向転換フィーチャを個別に製造する場合に要することになるステップより少ないステップで、接触感知機能が統合された照明デバイスを製造することができる。さらに、電気構造に光方向転換フィーチャを統合することにより、光方向転換フィーチャおよび電気構造のための異なる材料の層を使用した場合に利用することができる厚さより薄いデバイスを形成することができる。
【0017】
説明されている実施態様を適用することができる適切なMEMSデバイスの一例は、反射型表示デバイスである。反射型表示デバイスは、反射型表示デバイスに入射する光を光学干渉の原理を使用して選択的に吸収および/または反射させるために干渉変調器(IMOD)を組み込むことができる。IMODは、吸収体、該吸収体に対して移動させることができる反射体、および吸収体と反射体の間に画定される光共振空胴を含むことができる。反射体は、複数の異なる位置へ移動させることができ、それにより光共振空胴の大きさを変更することができ、延いては干渉変調器の反射率に影響を及ぼすことができる。IMODの反射率スペクトルは、異なる色を生成するために可視波長全体にわたってシフトさせることができる極めて広いスペクトル帯域を生成することができる。スペクトル帯域の位置は、光共振空胴の厚さを変更することによって、つまり反射体の位置を変更することによって調整することができる。
【0018】
図1は、干渉変調器(IMOD)表示デバイスの一連のピクセル内の隣接する2つのピクセルを示す等角図の一例を示したものである。IMOD表示デバイスには、1つまたは複数の干渉MEMS表示素子が含まれている。これらのデバイスでは、MEMS表示素子のピクセルは、明るい状態または暗い状態のいずれかにすることができる。明るい(「緩和」、「開」または「オン」の)状態では、表示素子は、入射する可視光の大部分を例えば使用者に向かって反射する。一方、暗い(「作動された」、「閉じた」または「オフ」の)状態では、表示素子は、入射する可視光をほとんど反射しない。いくつかの実施態様では、オン状態およびオフ状態の光反射率特性を逆にすることができる。MEMSピクセルは、特定の波長を主として反射するように構成することができ、それにより黒および白に加えてカラー表示することができる。
【0019】
IMOD表示デバイスは、IMODの行/列アレイを含むことができる。個々のIMODは、エアギャップ(光学ギャップまたは空胴とも呼ばれている)を形成するために、可変で、かつ、制御可能な距離を隔てて互いに配置された一対の反射層、つまり可動反射層および固定部分反射層を含むことができる。可動反射層は、少なくとも2つの位置の間を移動させることができる。第1の位置、つまり緩和位置では、固定部分反射層から比較的遠くに離れた位置に可動反射層を配置することができる。第2の位置、つまり作動位置では、部分反射層により近い位置に可動反射層を配置することができる。これらの2つの層で反射する入射光は、可動反射層の位置に応じて、強め合って、あるいは弱め合って干渉し、それによりピクセル毎に全体的に反射状態または全体的に非反射状態のいずれかを生成することができる。いくつかの実施態様では、非作動時にIMODを反射状態にして可視スペクトル内の光を反射させることができ、また、非作動時にIMODを暗い状態にして可視範囲外の光(例えば赤外光)を反射させることができる。しかしながら、いくつかの他の実施態様では、非作動時にIMODを暗い状態にし、また、作動時にIMODを反射状態にすることができる。いくつかの実施態様では、印加電圧を導入することにより、ピクセルを作動して状態を変化させることができる。いくつかの他の実施態様では、印加される電荷がピクセルを作動して状態を変化させることができる。
【0020】
図1に示されているピクセルアレイの部分には、隣接する2つの干渉変調器12が含まれている。左側のIMOD12には(図に示されているように)、部分反射層を含んだ光スタック16から所定の距離を隔てた緩和位置に位置している可動反射層14が示されている。左側のIMOD12の両端間に印加されている電圧V
0は、可動反射層14を作動するには不十分である。右側のIMOD12には、光スタック16の近傍、または光スタック16に隣接する作動位置に位置している可動反射層14が示されている。右側のIMOD12の両端間に印加されている電圧V
biasは、可動反射層14を作動位置に維持するには十分である。
【0021】
図1では、ピクセル12の反射特性は、ピクセル12に入射する光を示す矢印13、および左側のピクセル12で反射する光15で概ね示されている。図には詳細に示されていないが、ピクセル12に入射する光13のほとんどは、光スタック16に向かって透明基板20を透過することは当業者には理解されよう。光スタック16に入射する光の一部は、光スタック16の部分反射層を透過し、また、一部は透明基板20を通って後方に反射する。光13のうちの光スタック16を透過する部分は、可動反射層14で透明基板20に向かって(また、透明基板20を透過して)後方へ反射する。光スタック16の部分反射層で反射した光と、可動反射層14で反射した光の間の干渉(強め合う干渉または弱め合う干渉)により、ピクセル12で反射した光15の1つまたは複数の波長を決定することができる。
【0022】
光スタック16は、単一の層または複数の層を含むことができる。層は、電極層、部分反射および部分透過層、および透明誘電体層のうちの1つまたは複数を含むことができる。いくつかの実施態様では、光スタック16は、導電性で、部分的に透明で、かつ、部分的に反射性であり、また、光スタック16は、例えば上記層のうちの1つまたは複数を透明基板20の上に堆積させることによって製造することができる。電極層は、様々な金属、例えば酸化インジウムスズ(ITO)などの様々な材料から形成することができる。部分反射層は、様々な金属、例えばクロム(Cr)、半導体および誘電体などの部分的に反射性である様々な材料から形成することができる。部分反射層は、材料の1つまたは複数の層で形成することができ、これらの層の各々は、単一の材料または複数の材料の組合せで形成することができる。いくつかの実施態様では、光スタック16は、光吸収体および導体の両方として働き、その一方で、異なる、より導電性の層または部分(例えば光スタック16の、あるいはIMODの他の構造の)は、IMODピクセル間のバス信号に対して働くことができる金属または半導体の単一の半透明厚さを含むことができる。また、光スタック16は、1つまたは複数の導電層または導電/吸収層を覆う1つまたは複数の絶縁層すなわち誘電体層を含むことも可能である。
【0023】
いくつかの実施態様では、光スタック16の層を平行条片にパターン化することができ、また、以下でさらに説明するように、表示デバイス中に複数の行電極を形成することができる。当業者には理解されるように、「パターン化される」という用語は、本明細書においては、マスキングプロセスならびにエッチングプロセスを意味するべく使用されている。いくつかの実施態様では、可動反射層14には、アルミニウム(Al)などの高度に導電性で、かつ、高度に反射性の材料を使用することができ、これらの条片は、表示デバイス中に複数の列電極を形成することができる。可動反射層14は、ポスト18の頂部に堆積される列、およびポスト18間に堆積される介在犠牲材料を形成するための、1つまたは複数の堆積金属層の一連の平行条片(光スタック16の行電極に対して直角の)として形成することができる。犠牲材料がエッチ除去されると、画定ギャップ19、すなわち光学空胴を可動反射層14と光スタック16の間に形成することができる。いくつかの実施態様では、ポスト18間の間隔は、1〜1000um程度にすることができ、一方、ギャップ19は、10,000オングストローム(Å)未満程度にすることができる。
【0024】
いくつかの実施態様では、IMODの個々のピクセルは、作動状態であっても、あるいは緩和状態であっても、本質的には固定反射層および可動反射層によって形成されるコンデンサである。電圧が印加されていない場合、可動反射層14aは、
図1の左側のピクセル12で示されているように機械的に緩和した状態を維持し、可動反射層14と光スタック16の間にギャップ19が画定されている。しかしながら、選択された行および列のうちの少なくとも一方に、電位差、例えば電圧が印加されると、対応するピクセルの行電極および列電極の交点に形成されるコンデンサが充電されるようになり、静電力によって電極が共に引っ張られる。印加される電圧が閾値より高い場合、可動反射層14が変形し、光スタック16の近傍または光スタック16まで移動することになる。光スタック16内の誘電体層(図示せず)は、
図1の右側の作動されたピクセル12で示されているように、層14と16の間の短絡を防止し、かつ、これらの間の分離距離を制御することができる。挙動は、印加される電位差の極性に無関係に同じである。アレイ内の一連のピクセルは、いくつかの例では「行」または「列」と呼ぶことができるが、1つの方向を「行」と呼び、他の方向を「列」と呼ぶことは任意であることは当業者には容易に理解されよう。繰り返すが、配向によっては行を列とみなし、列を行とみなすことも可能である。さらに、表示素子は、直交する行および列で一様に配置することができ(「アレイ」)、あるいは非線形構成で配置することも可能であり、例えば互いに対して一定の位置オフセットを持たせることができる(「モザイク」)。「アレイ」および「モザイク」という用語は、どちらも構成と呼ぶことができる。したがってディスプレイは、「アレイ」または「モザイク」を含むものとして参照されているが、いずれの場合においても素子自体を互いに直交配置する必要はなく、あるいは一様な分布で配置する必要もなく、非対称形状および非一様に分布した素子を有する配置を含むことができる。
【0025】
図2は、3×3干渉変調器ディスプレイを組み込んだ電子デバイスを示すシステムブロック図の一例を示したものである。電子デバイスには、1つまたは複数のソフトウェアモジュールを実行するように構成することができるプロセッサ21が含まれている。オペレーティングシステムの実行に加えて、プロセッサ21は、ウェブブラウザ、電話用途、電子メールプログラムまたは任意の他のソフトウェアアプリケーションを含む1つまたは複数のソフトウェアアプリケーションを実行するように構成することができる。
【0026】
プロセッサ21は、アレイドライバ22と通信するように構成することができる。アレイドライバ22は、例えばディスプレイアレイすなわちパネル30に信号を提供する行ドライバ回路24および列ドライバ回路26を含むことができる。
図1に示されているIMOD表示デバイスの断面は、
図2の線1−1によって示されている。分かり易くするために
図2にはIMODの3×3アレイが示されているが、ディスプレイアレイ30は、極めて多くのIMODを含むことができ、また、行と列とでそれぞれ異なる数のIMODを含むことも可能である。
【0027】
図3Aは、
図1の干渉変調器の可動反射層の位置対印加電圧を示す線図の一例を示したものである。MEMS干渉変調器の場合、行/列(つまりコモン/セグメント)書込み手順には、
図3Aに示されているこれらのデバイスのヒステリシス特性を利用することができる。可動反射層つまり鏡を緩和状態から作動状態に変化させるためには、干渉変調器には場合によっては例えば約10ボルトの電位差が必要である。しかしながら電圧がその値から低くなって例えば10ボルト未満に降下しても可動反射層はその状態を維持し、電圧が2ボルト未満に降下するまで可動反射層は完全に緩和しない。したがって
図3Aに示されているように約3ボルトから7ボルトの電圧範囲が存在し、この電圧範囲に印加電圧の窓が存在しており、この窓の中ではデバイスは緩和状態または作動状態のいずれかで安定である。これは、本明細書においては「ヒステリシス窓」または「安定窓」と呼ばれている。
図3Aのヒステリシス特性を有するディスプレイアレイ30の場合、行/列書込み手順は、所与の行をアドレス指定している間、アドレス指定された作動すべき行のピクセルが約10ボルトの電圧差にさらされ、また、緩和させるべきピクセルがゼロボルトに近い電圧差にさらされるよう、1つまたは複数の行を一度にアドレス指定するように設計することができる。アドレス指定されると、ピクセルは、それらがその前のストローブ状態を維持するよう、定常状態、つまり約5ボルトのバイアス電圧差にさらされる。この例では、個々のピクセルは、アドレス指定されると、約3〜7ボルトの「安定窓」内の電位差に遭遇することになる。このヒステリシス特性の特徴により、例えば
図1に示されているように、同じ印加電圧条件の下で、その時点における作動状態または緩和状態のいずれかで安定した状態を維持するようにピクセルを設計することができる。個々のIMODピクセルは、作動状態であれ、あるいは緩和状態であれ、本質的には固定反射層および可動反射層によって形成されるコンデンサであるため、実質的に電力を消費することなく、つまり実質的に電力を損失することなく、ヒステリシス窓内の定常電圧でこの安定状態を保持することができる。さらに、印加される電圧電位が実質的に一定を維持する場合、IMODピクセルには本質的にほとんど電流が流れないか、あるいは全く流れない。
【0028】
いくつかの実施態様では、所与の行のピクセルの状態への所望の変化(存在すれば)に従って、「セグメント」電圧の形態のデータ信号を列電極のセットに沿って印加することによって画像のフレームを生成することができる。引き続いて、一度に1行ずつフレームが書き込まれるよう、アレイの個々の行をアドレス指定することができる。所望のデータを第1の行のピクセルに書き込むために、第1の行のピクセルの所望の状態に対応するセグメント電圧を列電極に印加することができ、また、特定の「コモン」電圧すなわち信号の形態の第1の行パルスを第1の行電極に印加することができる。次に、第2の行のピクセルの状態への所望の変化(存在すれば)に対応するよう、セグメント電圧の設定を変更することができ、また、第2のコモン電圧を第2の行電極に印加することができる。いくつかの実施態様では、第1の行のピクセルは、列電極に沿って印加されるセグメント電圧の変化に影響されず、第1のコモン電圧行パルスの間に設定された状態を維持する。一連のすべての行に対して、あるいは別法として一連のすべての列に対して、逐次方式でこのプロセスを繰り返すことによって画像フレームを生成することができる。これらのフレームは、1秒当たりいくつかの所望のフレーム数でこのプロセスを連続的に反復することにより、新しい画像データを使用してリフレッシュおよび/または更新することができる。
【0029】
個々のピクセルの両端間に印加されるセグメント信号およびコモン信号の組合せ(つまり個々のピクセルの両端間の電位差)によって、結果として得られる個々のピクセルの状態が決まる。
図3Bは、様々なコモン電圧およびセグメント電圧を印加した場合の干渉変調器の様々な状態を示す表の一例を示したものである。当業者には容易に理解されるように、「セグメント」電圧は、列電極または行電極のいずれか一方に印加することができ、また、「コモン」電圧は、列電極または行電極のもう一方に印加することができる。
【0030】
図3B(ならびに
図4Bに示されているタイミング図)に示されているように、開放電圧VC
RELがコモンラインに沿って印加されると、セグメントラインに沿って印加される電圧、つまり高セグメント電圧VS
Hおよび低セグメント電圧VS
Lに無関係に、コモンラインに沿ったすべての干渉変調器素子が、開放状態または非作動状態とも呼ばれる緩和状態に置かれる。詳細には、開放電圧VC
RELがコモンラインに沿って印加されると、変調器の両端間の電位電圧(ピクセル電圧とも呼ばれる)は、高セグメント電圧VS
Hおよび低セグメント電圧VS
Lの両方が、そのピクセルのための対応するセグメントラインに沿って印加されると、緩和窓(開放窓とも呼ばれ、
図3Aを参照されたい)内である。
【0031】
高保持電圧VC
HOLD_Hまたは低保持電圧VC
HOLD_Lなどの保持電圧がコモンラインに印加されると、干渉変調器の状態が一定に維持される。例えば緩和したIMODは緩和位置を維持し、また、作動されたIMODは、作動位置を維持する。保持電圧は、高セグメント電圧VS
Hおよび低セグメント電圧VS
Lの両方が、対応するセグメントラインに沿って印加されると、ピクセル電圧が安定窓内を維持するように選択することができる。したがってセグメント電圧スイング、つまり高セグメント電圧VS
Hと低セグメント電圧VS
Lの差が、正または負のいずれかの安定窓の幅未満になる。
【0032】
アドレス指定する、つまり作動する場合、高アドレス指定電圧VC
ADD_Hまたは低アドレス指定電圧VC
ADD_Lなどの電圧がコモンラインに印加され、対応する個々のセグメントラインに沿ってセグメント電圧を印加することにより、そのラインに沿った変調器にデータを選択的に書き込むことができる。セグメント電圧は、作動が、印加されるセグメント電圧に依存するように選択することができる。アドレス指定電圧がコモンラインに沿って印加されると、あるセグメント電圧を印加することによって安定窓内のピクセル電圧が得られ、したがってピクセルは非作動状態を維持する。一方、他のセグメント電圧を印加することによって安定窓外のピクセル電圧が得られ、それによりピクセルが作動される。作動をもたらす特定のセグメント電圧は、使用されるアドレス指定電圧に応じて変化する。いくつかの実施態様では、高アドレス指定電圧VC
ADD_Hがコモンラインに沿って印加されると、高セグメント電圧VS
Hを印加することによって変調器をその現行の位置に維持することができ、一方、低セグメント電圧VS
Lを印加することによって変調器を作動することができる。必然的な結果として、低アドレス指定電圧VC
ADD_Lが印加されると、セグメント電圧の影響が逆になり、高セグメント電圧VS
Hによって変調器が作動され、また、低セグメント電圧VS
Lは、変調器の状態に対して何の影響も有さない(つまり安定状態を維持する)。
【0033】
いくつかの実施態様では、変調器の両端間に常に同じ極性の電位差を生成する保持電圧、アドレス指定電圧およびセグメント電圧を使用することができる。いくつかの他の実施態様では、変調器の電位差の極性を反転させる信号を使用することができる。変調器の両端間の極性を反転させる(つまり書込み手順の極性を反転させる)ことにより、単一の極性による反復書込み動作後に生じる可能性のある電荷の蓄積を少なくすることができ、あるいは禁止することができる。
【0034】
図4Aは、
図2の3×3干渉変調器ディスプレイ内の表示データのフレームを示す線図の一例を示したものである。
図4Bは、
図4Aに示されている表示データのフレームを書き込むために使用することができるコモン信号およびセグメント信号のタイミング図の一例を示したものである。これらの信号は、例えば
図2の3×3アレイに印加することができ、それにより最終的に、
図4Aに示されているライン時間60e表示構造が得られる。
図4Aに示されている作動された変調器は暗い状態にあり、つまり反射光の実質的な部分が可視スペクトルの外側であり、したがって例えば観察者にとっては暗く見えることになる。
図4Aに示されているフレームを書き込む前のピクセルの状態は任意であるが、
図4Bのタイミング図に示されている書込み手順では、個々の変調器は予め開放済みであり、第1のライン時間60aの前は非作動状態にあることが仮定されている。
【0035】
第1のライン時間60aの間、開放電圧70がコモンライン1に印加され、コモンライン2に印加される電圧は、高保持電圧72で始まって開放電圧70まで降下し、また、低保持電圧76がコモンライン3に沿って印加される。したがってコモンライン1に沿った変調器(コモン1、セグメント1)、(1、2)および(1、3)は、第1のライン時間60aの間、緩和状態または作動状態を維持し、コモンライン2に沿った変調器(2、1)、(2、2)および(2、3)は緩和状態へ移動し、また、コモンライン3に沿った変調器(3、1)、(3、2)および(3、3)は、それらのその前の状態を維持する。
図3Bを参照すると、セグメントライン1、2および3に沿って印加されるセグメント電圧は、コモンライン1、2または3は、いずれも、ライン時間60aの間、作動をもたらすことになる電圧レベル(つまりVC
REL−緩和およびVC
HOLD_L−安定)にさらされていないため、干渉変調器の状態に対する影響は有していない。
【0036】
第2のライン時間60bの間、コモンライン1の電圧が高保持電圧72まで上昇し、また、コモンライン1に沿ったすべての変調器は、コモンライン1にアドレス指定電圧または作動電圧が印加されていないため、印加されるセグメント電圧に無関係に緩和状態を維持する。コモンライン2に沿った変調器は、開放電圧70が印加されているため、緩和状態を維持し、また、コモンライン3に沿った変調器(3、1)、(3、2)および(3、3)は、コモンライン3に沿った電圧が開放電圧70まで降下すると緩和する。
【0037】
第3のライン時間60cの間、コモンライン1に高アドレス指定電圧74を印加することによってコモンライン1がアドレス指定される。このアドレス指定電圧が印加されている間、低セグメント電圧64がセグメントライン1および2に沿って印加されるため、変調器(1、1)および(1、2)の両端間のピクセル電圧は、変調器の正の安定窓の高い方の末端より高く(つまり電圧差が定義済み閾値より大きい)、したがって変調器(1、1)および(1、2)が作動される。一方、高セグメント電圧62がセグメントライン3に沿って印加されるため、変調器(1、3)の両端間のピクセル電圧は、変調器(1、1)および(1、2)の両端間のピクセル電圧より低く、変調器の正の安定窓内を維持し、したがって変調器(1、3)は緩和状態を維持する。同じくライン時間60cの間、コモンライン2に沿った電圧が低保持電圧76まで降下し、また、コモンライン3に沿った電圧は開放電圧70を維持し、それによりコモンライン2および3に沿った変調器を緩和位置に放置する。
【0038】
第4のライン時間60dの間、コモンライン1の電圧が高保持電圧72まで復帰し、コモンライン1に沿った変調器をそれらの対応する個々のアドレス指定状態にする。コモンライン2の電圧は、低アドレス指定電圧78まで降下する。高セグメント電圧62がセグメントライン2に沿って印加されているため、変調器(2、2)の両端間のピクセル電圧は、変調器の負の安定窓の低い方の末端より低く、したがって変調器(2、2)を作動する。一方、低セグメント電圧64がセグメントライン1および3に沿って印加されているため、変調器(2、1)および(2、3)は緩和位置を維持する。コモンライン3の電圧が高電圧72まで上昇し、コモンライン3に沿った変調器を緩和状態にする。
【0039】
最後に、第5のライン時間60eの間、コモンライン1の電圧が高保持電圧72を維持し、また、コモンライン2の電圧が低保持電圧76を維持し、コモンライン1および2に沿った変調器をそれらの対応する個々のアドレス指定状態にする。コモンライン3の電圧が高アドレス指定電圧74まで上昇し、コモンライン3に沿った変調器をアドレス指定する。低セグメント電圧64がセグメントライン2および3に印加されているため、変調器(3、2)および(3、3)が作動され、一方、セグメントライン1に沿って高セグメント電圧62が印加されているため、変調器(3、1)は緩和位置を維持する。したがって第5のライン時間60eの終了時には、3×3ピクセルアレイは、
図4Aに示されている状態になり、また、保持電圧がコモンラインに沿って印加されている限り、他のコモンラインに沿った変調器(図示せず)がアドレス指定されている場合に生じる可能性があるセグメント電圧の変化に無関係にその状態を維持する。
【0040】
図4Bのタイミング図では、所与の書込み手順(つまりライン時間60a〜60e)には、高保持電圧と高アドレス指定電圧、または低保持電圧と低アドレス指定電圧のうちのどちらかの使用を含むことができる。所与のコモンラインに対する書込み手順が完了すると(かつ、コモン電圧が作動電圧の極性と同じ極性を有する保持電圧に設定されると)、ピクセル電圧は、所与の安定窓内を維持し、そのコモンラインに開放電圧が印加されるまで緩和窓を通過しない。さらに、個々の変調器は、変調器をアドレス指定する前に、書込み手順の一部として開放されるため、開放時間ではなく、変調器の作動時間が必要なライン時間を決定することができる。特に、変調器の開放時間が作動時間より長い実施態様では、
図4Bに示されているように、単一のライン時間より長い時間にわたって開放電圧を印加することができる。いくつかの他の実施態様では、色が異なる変調器などの異なる変調器における作動電圧および開放電圧の変化を考慮するために、コモンラインまたはセグメントラインに沿って印加される電圧を変化させることができる。
【0041】
上で説明した原理に従って動作する干渉変調器の構造の細部は、広範囲にわたって変更することができる。例えば
図5A〜5Eは、可動反射層14およびその支持構造を含んだ干渉変調器の様々な実施態様の断面の例を示したものである。
図5Aは、
図1の干渉変調器ディスプレイの部分断面の一例を示したもので、金属材料の条片すなわち可動反射層14は、基板20から直角に延在しているサポート18の上に堆積されている。
図5Bでは、個々のIMODの可動反射層14は、その形が概ね正方形または長方形であり、テザー32の上の隅または隅の近傍でサポートに取り付けられている。
図5Cでは、可動反射層14は、その形が概ね正方形または長方形であり、可撓金属を含むことができる変形可能層34から懸垂されている。変形可能層34は、可動反射層14の周囲の周りの基板20に直接または間接的に接続することができる。これらの接続は、本明細書においては支持ポストと呼ばれている。
図5Cに示されている実施態様は、変形可能層34によって実施されるその機械的機能と、可動反射層14の光学機能とを切り離すことによって得られる追加利点を有している。この切り離しにより、反射層14のために使用される構造設計および材料と、変形可能層34のために使用される構造設計および材料を互いに独立して最適化することができる。
【0042】
図5Dは、IMODの他の例を示したもので、可動反射層14には反射性副層14aが含まれている。可動反射層14は、支持ポスト18などの支持構造の上に載っている。支持ポスト18は、例えば可動反射層14が緩和位置に位置すると、可動反射層14と光スタック16の間にギャップ19が形成されるよう、下部静止電極(つまり図に示されているIMOD内の光スタック16の一部)からの可動反射層14の分離を提供している。また、可動反射層14は、電極および支持層14bとして働くように構成することができる導電層14cを含むことも可能である。この例では、導電層14cは、基板20から遠位の、支持層14bの一方の側に配置されており、また、反射性副層14aは、基板20から近位の、支持層14bのもう一方の側に配置されている。いくつかの実施態様では、反射性副層14aは導電性であってもよく、また、支持層14bと光スタック16の間に配置することができる。支持層14bは、誘電材料、例えばシリコンオキシナイトライド(SiON)または二酸化ケイ素(SiO
2)の1つまたは複数の層を含むことができる。いくつかの実施態様では、支持層14bは、複数の層のスタックであってもよく、例えばSiO
2/SiON/SiO
2の3層スタックなどであってもよい。反射性副層14aおよび導電層14cのいずれか一方または両方が、例えばCuが約0.5%のAl合金または他の反射性金属材料を含むことができる。誘電体支持層14bの上下に導電層14a、14cを使用することによって応力を平衡させることができ、また、伝導を改善することができる。いくつかの実施態様では、反射性副層14aおよび導電層14cは、可動反射層14内における特定の応力プロファイルの達成などの様々な設計目的のために異なる材料で形成することができる。
【0043】
また、
図5Dに示されているように、いくつかの実施態様は、ブラックマスク構造23を含むことも可能である。ブラックマスク構造23は、周辺光または迷光を吸収するために光学的に不活性の領域に形成することができる(例えばピクセルとピクセルの間、またはポスト18の下方とポスト18の下方の間)。また、ブラックマスク構造23は、ディスプレイの不活性部分からの光の反射を禁止し、あるいはその部分の光の透過を禁止、それによりコントラスト比を大きくすることによって表示デバイスの光学特性を改善することも可能である。さらに、ブラックマスク構造23は導電性であってもよく、また、電気バッシング層として機能するように構成することも可能である。いくつかの実施態様では、行電極をこのブラックマスク構造23に接続し、接続された行電極の抵抗を小さくすることができる。ブラックマスク構造23は、堆積およびパターニング技法を始めとする様々な方法を使用して形成することができる。ブラックマスク構造23は、1つまたは複数の層を含むことができる。例えばいくつかの実施態様では、ブラックマスク構造23には、光吸収体として働くモリブデン−クロム(MoCr)層、SiO
2層、および反射体およびバッシング層として働くアルミニウム合金が含まれており、それらの厚さの範囲は、それぞれ約30〜80Å、500〜1000Åおよび500〜6000Åである。これらの1つまたは複数の層は、例えばMoCrの場合のCF4および/またはO
2、およびアルミニウム合金層の場合のSiO
2層およびCl
2および/またはBCl
3を始めとする、フォトリソグラフィおよびドライエッチングを始めとする様々な技法を使用してパターニングすることができる。いくつかの実施態様では、ブラックマスク23は、エタロンまたは干渉スタック構造であってもよい。このような干渉スタックブラックマスク構造23の場合、導電性吸収体を使用して、個々の行または列の光スタック16内の下部静止電極間で信号を伝送し、あるいはバス転送することができる。いくつかの実施態様では、スペーサ層35は、ブラックマスク23内の導電層から吸収体層16aを一括して電気的に隔離するように働くことができる。
【0044】
図5Eは、IMODの他の例を示したもので、可動反射層14は自立型である。
図5Dとは対照的に、
図5Eの実施態様には支持ポスト18は含まれていない。その代わりに可動反射層14は、複数の位置で下方の光スタック16と接触しており、可動反射層14の曲率が十分な支持を提供しており、干渉変調器の両端間の電圧が干渉変調器を作動するには不十分になると、可動反射層14は
図5Eの非作動位置へ復帰する。光スタック16は、複数のいくつかの異なる層を含むことができるが、ここでは分かり易くするために、光吸収体16aおよび誘電体16bを含んだ光スタック16が示されている。いくつかの実施態様では、光吸収体16aは、固定電極および部分反射層の両方として働くことができる。
【0045】
図5A〜5Eに示されている実施態様などの実施態様では、IMODは直視デバイスとして機能し、透明基板20の前面、つまり変調器が配置されている側とは反対側から画像が観察される。これらの実施態様では、デバイスの背面部分(つまり可動反射層14の後方の表示デバイスのあらゆる部分であって、例えば
図5Cに示されている変形可能層34を含む部分)は、反射層14がデバイスのこれらの部分を光学的に遮蔽するため、表示デバイスの画像品質に影響を及ぼさないように、つまり画像品質に悪影響を及ぼさないように構成することができ、かつ、画像品質に悪影響を及ぼすことなく動作させることができる。例えば、いくつかの実施態様では、可動反射層14の後方に、電圧アドレス指定およびこのようなアドレス指定によって生じる運動などの変調器の電気機械特性から変調器の光学特性を分離する能力を提供するバス構造(図示せず)を含むことができる。さらに、
図5A〜5Eの実施態様は、例えばパターニングなどの処理を単純化することができる。
【0046】
図6は、干渉変調器の製造プロセス80を示す流れ図の一例を示したものであり、また、
図7A〜7Eは、このような製造プロセス80の対応するステージの略断面図の例を示したものである。いくつかの実施態様では、製造プロセス80は、
図6には示されていない他のブロックに加えて、例えば
図1および5に示されている汎用タイプの干渉変調器を製造するために実施することができる。
図1、5および6を参照すると、プロセス80は、基板20の上に光スタック16を形成するブロック82で開始される。
図7Aは、基板20の上に形成されたこのような光スタック16を示したものである。基板20は、ガラスまたはプラスチックなどの透明基板であってもよく、基板20は、可撓性であっても、あるいは比較的硬くて、曲げることができなくてもよく、また、基板20は、光スタック16の効果的な形成を容易にするために、例えば洗浄などの先行準備プロセスを施すことができる。上で説明したように、光スタック16は、導電性で、部分的に透明で、かつ、部分的に反射性にすることができ、また、例えば所望の特性を有する1つまたは複数の層を透明基板20の上に堆積させることによって製造することができる。
図7Aでは、光スタック16には、副層16aおよび16bを有する多層構造が含まれているが、いくつかの他の実施態様では、もっと多くの、あるいはもっと少ない副層を含むことができる。いくつかの実施態様では、副層16a、16bのうちの一方は、結合導体/吸収体副層16aなどの、光学的に吸収性の特性と導電性の特性の両方を備えた構成にすることができる。さらに、これらの副層16a、16bのうちの一方または両方を平行条片にパターン化することができ、また、表示デバイス内の行電極を形成することができる。このようなパターニングは、マスキングプロセスおよびエッチングプロセス、または当分野で知られている他の適切なプロセスによって実施することができる。いくつかの実施態様では、副層16a、16bのうちの一方を、1つまたは複数の金属層(例えば1つまたは複数の反射層および/または導電層)の上に堆積される副層16bなどの絶縁層すなわち誘電体層にすることができる。さらに、光スタック16は、ディスプレイの行を形成する個別の平行条片にパターン化することも可能である。
【0047】
プロセス80は、次にブロック84へ進行し、光スタック16の上に犠牲層25が形成される。この犠牲層25は、空胴19を形成するために後で除去され(例えばブロック90で)、したがって犠牲層25は、結果として得られる、
図1に示されている干渉変調器12には示されていない。
図7Bは、部分的に製造されたデバイスを示したもので、光スタック16の上に形成された犠牲層25が含まれている。光スタック16上への犠牲層25の形成には、後続する除去の後、所望の設計サイズを有するギャップすなわち空胴19(同じく
図1および7E参照)が提供されるように選択される厚さの、例えばモリブデン(Mo)または非晶質シリコン(Si)などのキセノンジフルオライド(XeF
2)−エッチング可能材料の堆積を含むことができる。犠牲材料の堆積は、物理蒸着(PVD、例えばスパッタリング)、プラズマ増速化学蒸着(PECVD)、熱化学蒸着(熱CVD)またはスピン塗布などの堆積技法を使用して実施することができる。
【0048】
プロセス80は、次にブロック86へ進行し、支持構造、例えば
図1、5および7Cに示されているようなポスト18が形成される。ポスト18の形成には、支持構造開口を形成するための犠牲層25のパターニングと、それに引き続く、ポスト18を形成するための、PVD、PECVD、熱CVDまたはスピン塗布などの堆積方法を使用した、上記開口中への材料(例えば重合体または無機材料、例えば酸化ケイ素)の堆積を含むことができる。いくつかの実施態様では、
図5Aに示されているようにポスト18の下部端が基板20に接触するよう、犠牲層の中に形成される支持構造開口を犠牲層25および光スタック16の両方を貫通して下方の基板20まで延在させることができる。別法としては、
図7Cに示されているように、犠牲層25の中に形成される開口を、光スタック16を貫通しないよう、犠牲層25のみを貫通して延在させることも可能である。例えば
図7Eには、光スタック16の上部表面に接触している支持ポスト18の下部端が示されている。ポスト18または他の支持構造は、犠牲層25の上に支持構造材料の層を堆積させ、かつ、犠牲層25中の開口から離れた位置に位置している支持構造材料の部分をパターニングすることによって形成することができる。支持構造は、
図7Cに示されているように開口の中に配置することができるが、少なくとも一部を犠牲層25の一部の上に延在させることも可能である。上で言及したように、犠牲層25および/または支持ポスト18のパターニングは、パターニングおよびエッチングプロセスによって実施することができるが、代替エッチング方法によって実施することも可能である。
【0049】
プロセス80は、次にブロック88へ進行し、
図1、5および7Dに示されている可動反射層14などの可動反射層すなわち膜が形成される。可動反射層14は、1つまたは複数の堆積ステップ、例えば1つまたは複数のパターニングステップ、マスキングステップおよび/またはエッチングステップと共に、反射層(例えばアルミニウム、アルミニウム合金)堆積ステップを使用することによって形成することができる。可動反射層14は導電性であってもよく、また、可動反射層14は導電層と呼ばれている。いくつかの実施態様では、可動反射層14は、
図7Dに示されているように複数の副層14a、14b、14cを含むことができる。いくつかの実施態様では、副層14a、14cなどのこれらの副層のうちの1つまたは複数は、それらの光学特性のために選択された高度に反射性の副層を含むことができ、また、他の副層14bは、その機械的特性のために選択された機械的副層を含むことができる。犠牲層25は、ブロック88で形成された、部分的に製造された干渉変調器の中に依然として存在しているため、可動反射層14は、通常、この段階では可動ではない。部分的に製造された、犠牲層25を含んだIMODは、本明細書においては「開放されていない」IMODと呼ぶことも可能である。
図1に関連して上で説明したように、可動反射層14は、ディスプレイの列を形成する個別の平行条片にパターン化することができる。
【0050】
プロセス80は、次にブロック90へ進行し、空胴、例えば
図1、5および7Eに示されている空胴19が形成される。空胴19は、犠牲材料25(ブロック84で堆積された)をエッチング用試薬に露出することによって形成することができる。例えばMoまたは非晶質Siなどのエッチング可能犠牲材料は、ドライ化学エッチングによって除去することができ、例えば固体XeF
2から引き出される蒸気などのガス状または蒸気状エッチング用試薬に、所望の量の材料を除去するのに有効な時間期間にわたって犠牲層25を露出することによって除去することができ、一般的には空胴19の周囲の構造に対して選択的に除去される。他のエッチング方法、例えばウェットエッチングおよび/またはプラズマエッチングを使用することも可能である。犠牲層25はブロック90の間に除去されるため、可動反射層14は、通常、このステージの後は可動である。犠牲材料25が除去されると、結果として得られる、完全に、あるいは部分的に製造されたIMODは、本明細書においては「開放された」IMODと呼ぶことができる。
【0051】
図7Eに示されている実施態様などの干渉変調器を備えた反射型ディスプレイなどの反射型ディスプレイは、周辺光を観察者に向かって反射することができ、それにより観察者に表示画像を提供することができる。しかしながら、いくつかの状況では、
図8Aに示されているディスプレイ810などの反射型ディスプレイの場合、画像を適切に表示するためには場合によっては追加照明が必要である。
図8Aは、照明デバイスによって照明されているディスプレイを示したものである。干渉モジュール型ディスプレイまたは他の反射型ディスプレイなどの反射型ディスプレイには、観察者に画像が見えるようにするためには、場合によってはディスプレイ810を照明するための照明デバイス820が必要である。これは、場合によっては、周辺光が存在している場合であっても不十分で、そのためにディスプレイを完全に照明することができない場合に望ましい。いくつかの実施態様では、照明デバイス820は、ライトガイド内を案内される光をディスプレイ810に向け、向けられた光をディスプレイ810で観察者に向けて反射させることができる方向転換フィーチャを備えたフロントライトを含むことができる。光は、照明デバイス820に結合された1つまたは複数のLEDによってライトガイド820に注入することができる(LEDは示されていない)。別法としては、いくつかの他の実施態様では、LEDをエッジバー(図示せず)中に結合に結合することも可能であり、次に、ライトガイド820内に案内すべき光をライトガイド820の幅に沿って広げることができ、次にディスプレイ810に向けて放出してディスプレイ810を照明することができる。
【0052】
いくつかの実施態様では、場合によっては、
図8Bの実施態様に示されているように、表示デバイス800のための接触センサ機能をさらに含むことが望ましい。
図8Bは、照明デバイスおよび接触センサを備えたディスプレイの実例の一例である。
図8Bの実施態様に示されているように、ディスプレイ810は照明デバイス820によって照明されている。照明デバイスの上には接触センサ830が積み重ねられている。接触センサ830は、接触センサ830の中に形成されている導体のキャパシタンスの変化を感知することによって接触の位置を決定することができ、導体のキャパシタンスの変化は、人の指835が近接することによって誘導される。照明デバイス820を備えた接触センサ830を使用することにより、使用者の指と表示デバイス800を有効に相互作用させることができる。例えば、使用者は、画面の異なる位置を指835で触れることにより、表示デバイス800のディスプレイ810上に表示された特定のアイコン837を選択することができる。いくつかの実施態様では、照明デバイス820には接触センサ830が統合されていない。したがって照明デバイス820および接触センサ830は、互いに機械的に積み重ねられている。
図8Bに示されているように、接触センサ830は照明デバイス820の上に積み重ねられているが、他の実施態様では、接触センサ830の上に照明デバイス820を積み重ねることも可能である。図に示されているように、接触センサ830は、ディスプレイ810を観察する使用者のより近くに位置している。さらに他の実施態様では、接触センサ830は、ディスプレイ810の後方に配置することも可能である。
【0053】
図8Cを参照すると、接触センサが統合された照明デバイスを備えたディスプレイの一実施態様の実例の一例が示されている。
図8Cでは、接触センサが統合された照明デバイス840は、ディスプレイ810の上に形成されており、接触センサが統合された照明デバイス840は、ディスプレイ810の画像を表示する側、つまり画像表示側のディスプレイ810よりも観察者の近くに位置している。接触センサが統合された照明デバイス840は、照明を提供して反射型ディスプレイ810を照明するのと同時に、その一方で接触センサの機能を発揮することができる。様々な実施態様では、接触センサが統合された照明デバイス840の1つまたは複数のコンポーネントは、照明機能ならびに接触感知機能を同時に有している。例えば、接触センサが統合された照明デバイス840の中に形成されている導体は、以下でより詳細に説明するように、照明機能ならびに接触感知機能の両方を提供することができる。図に示されているように、接触センサが統合された照明デバイス840には、1つのユニットつまり層が含まれている。しかしながら、接触センサが統合された照明デバイス840は、複数の層およびコンポーネントを含むことができることを理解されたい。
【0054】
いくつかの実施態様では、接触センサが統合された照明デバイス840は、接触センサが統合された照明デバイス840に人の指835が接触し、あるいは接触するほどに十分に接近し、それにより接触センサが統合された照明デバイス840の中に形成されている複数の導体のうちの少なくとも1つの導体のキャパシタンスが変化したか否かを決定することができる。様々な実施態様では、接触センサが統合された照明デバイス840は、接触センサが統合された照明デバイス840上への人の指835による1つまたは複数の接触のx−y座標の位置を決定することができる。接触センサが統合された照明デバイス840上への人の指835による1つまたは複数の接触は、同時に隔離することも、あるいは一時的に隔離することも可能である。
図8Bの照明デバイス820と接触センサ830を統合して、
図8Cに示されている実施態様を形成する方法の1つは、金属化方向転換フィーチャを照明デバイス820の中に使用し、その一方で、それと同時にその照明デバイスの金属化方向転換フィーチャを、接触感知電極システムと電気連絡している導体として使用することである。接触感知電極システムは、人の指835が近接することによって誘導される導体のキャパシタンスの変化を感知することができる。
【0055】
図9Aを参照すると、ライトガイドの一実施態様の実例の一例が示されている。
図9Aは、光方向転換フィーチャ901a、901b、901cを備えた照明デバイス820の一実施態様を示したものである。このようなフィーチャは、ライトガイド820内を伝搬する光をディスプレイ810に向けてライトガイド外へ「方向転換させる」ことができる。
図9Aに示されているように、光方向転換フィーチャ901a、901b、901cには、光を反射する、つまり方向転換させることができるファセット905が含まれている。同じく
図9Aに示されているように、光方向転換フィーチャ901a、901b、901cは、複数の異なる形状を含むことができる。例えば光方向転換フィーチャ901a、901b、901cは、フィーチャ901aで示されているように、1つの方向、例えばx方向に縦方向に延在させることができる。他の実施態様では、光方向転換フィーチャ901a、901b、901cは、901bおよび901cなどの離散フィーチャを含むことができる。また、光方向転換フィーチャ901a、901b、901cは、光線902a、902b、902cをディスプレイ810に向けて放出することができる角錐、円錐もしくは台形のフィーチャ、または他のフィーチャあるいは断面輪郭を含むことも可能である。照明デバイス820と同様の照明デバイスを有効に使用してディスプレイ810を前面から照明することができ、しばしば「フロントライト」と呼ばれている。
【0056】
いくつかの実施態様では、場合によっては、光方向転換フィーチャ901a、901b、901cの上に金属導体を形成することが有効である。光方向転換フィーチャは、様々なタイプの構造、例えば光の方向を変える回折構造および反射構造を含むことができることは当業者には理解されよう。いくつかの実施態様では、光方向転換フィーチャは反射型であり、反射は、光方向転換フィーチャの表面で生じる。これらの表面は、一般にファセットと呼ばれている。いくつかの実施態様では、光方向転換フィーチャ901a、901bまたは901cは、ライトガイド820中の凹所によって画定することができ、凹所の表面は、1つまたは複数のファセット905を構成している。ファセット905に衝突する光は、光の入射角に応じて反射させるか、あるいはファセットを透過させることができる。例えば光線902aで示されているように、照明デバイス820内を伝搬する光線は、光方向転換フィーチャ901a、901b、901c内のファセット905の表面に、光が入射するファセットの法線に対して測定した臨界角(
図9Aにθ
cで示されている)未満の角度でしばしば入射することになる。当業者には理解されるように、このような場合、光線902aは、脱出光線904で示されているように照明デバイス820から射出することになる。このような光はディスプレイ810に向かって導かれないため、捨てられ、したがってディスプレイ810を照明するためには使用されない。実際、このような光は、ディスプレイ810の画像を劣化させることになる。したがって、たとえ光線902aが臨界角未満の角度で光反射ファセット905に入射しても、光を反射する光方向転換フィーチャ901a、901b、901cを構築することが望ましい。このような光方向転換フィーチャは、ファセット905の表面に金属導体を形成し、それによりファセット905の表面を「金属化する」ことによって形成することができる。
【0057】
図9Bを参照すると、金属化光方向転換フィーチャを備えたライトガイドの一実施態様の実例の一例が示されている。
図9Bでは、照明デバイス910には、金属化光方向転換フィーチャ920を形成するための光方向転換フィーチャのファセット上に形成された導体915を備えたライトガイドが含まれている。
図9Bに示されている金属化光方向転換フィーチャ920は、すべて完全に金属化されているが、金属化光方向転換フィーチャ920は、完全に金属化する必要はないことを理解されたい。例えば長い溝として延在している光方向転換フィーチャ(
図9Aの光方向転換フィーチャ901aなど)は、溝に沿った(つまりx方向の)特定のポイントを金属化するだけでよく、溝に沿ってその全体を金属化する必要はない。さらに、いくつかの光方向転換フィーチャは、部分的および/または完全に金属化することができ、一方、他の光方向転換フィーチャは金属化されない。いくつかの実施態様では、導体915は、反射性すなわち鏡面金属導体である。上で説明したように、金属化光方向転換フィーチャ920は、金属化されていない光方向転換フィーチャに優る特定の利点を付与することができる。当業者には理解されるように、
図9Aに関連して上で説明した、臨界角未満の角度で光方向転換フィーチャのファセットに入射する光線の問題は、屈折率が小さい層は、内部全反射に対する臨界角を大きくするため、追加層(屈折率が空気より大きい)がガラスまたは他の屈折率が大きいライトガイドの上に積み重ねられると、一層深刻になる。臨界角が大きくなると、非金属化光方向転換フィーチャによって放出される光線の範囲が狭くなる。
【0058】
図9Cを参照すると、接触センサが統合された金属化光方向転換フィーチャを備えたライトガイドの一実施態様の横断面図の一例が示されている。
図9Cは、金属化光方向転換フィーチャ920の中に導電フィーチャが統合された照明デバイスの一実施態様を示したものである。v字様断面を有するものとして示されているが、金属化光方向転換フィーチャ920は、例えば
図9Aの参照数表示901a、901bおよび901cによって示されているように、光を下方へ導くための角度が付いたファセットを有する先細りになった円筒または他の形状などの様々な形状を有することができることを理解されたい。照明デバイスには、光方向転換フィーチャの上に形成された光反射導体915を有する金属化光方向転換フィーチャ920を備えたライトガイド910が含まれている。また、照明デバイスには、光反射導体915および電極950に電気接続される接触感知電子機器930が含まれている。いくつかの実施態様では、光反射導体915は、光方向転換フィーチャ920の長さ全体にわたって光方向転換フィーチャ920の一部であっても、光方向転換フィーチャ920の長さの一部のみを延在させることも、あるいは光方向転換フィーチャ920の長さをさらに超えて延在させることも可能である。接触感知電子機器930は、複数の光反射導体915のうちのいくつかに接続することができ、一方、他の光反射導体915は、接触感知電子機器930に電気接続されない。いくつかの他の実施態様では、図に示されているように、隣接する光反射導体915は、接触感知電子機器930に電気接続することができる。さらに、
図9Cには、ライトガイド910の上に形成された追加層が示されている。上で説明した、非金属化光方向転換フィーチャが抱えている問題の解決に加えて、電子システムと電気連絡させることにより、光方向転換フィーチャ920のファセット905上に形成された導体915をさらに利用することができる。導体915は、ディスプレイの表面全体に部分的または完全に延在させることができ、例えばディスプレイの可視表面全体に完全に延在させることができる。いくつかの実施態様では、電子システムには接触感知電子機器930が含まれており、導体915は、接触感知電極システムの一部を形成している。接触感知電極システムは、必ずしもその必要はないが、金属化光方向転換フィーチャの一部である複数の導体915、およびどの光方向転換フィーチャの一部でもない、接触感知電子機器930と電気連絡している複数の導体(集合的に「電極」と呼ぶことができる)を含むことができる。接触感知電子機器930は、導電性の物体、例えば人の指835が近接することによって誘導される導体915のキャパシタンスの変化を検出することができ、したがって電極システムは、全体として、人の指835が近接することによって誘導される導体915のキャパシタンスの変化を検出することができる。光方向転換フィーチャの上に同じく容量性接触センサの一部として形成された導体915を使用することにより、ライトガイドに接触センサ機能を統合することができる。
【0059】
図9Cに示されている実施態様では、接触センサ機能が統合された照明デバイス840には、ライトガイド910の上、つまりライトガイド910のディスプレイ810とは反対側に層が含まれている。例えば層940は、導体915を電極950から電気的に隔離するための誘電体層であってもよい(電極950はy方向に沿って延在している)。
図9Cの横断面図には1つの電極950しか示されていないが、いくつかの実施態様は、導体915に対して直角のy方向に沿って平行に延在している電極950のような多くの電極を含むことができる。いくつかの実施態様では、層940は、シリコーンまたは他の非腐食性誘電体を含むことができる。導体915を劣化させないため、あるいは腐敗させないためには非腐食性材料であることが好ましい。いくつかの実施態様では、層940は、ライトガイド910の上または上方に押しつけられる圧力感応粘着(PSA)層であってもよい。層940は、例えば電極950がない実施態様では他の目的のために働かせることも可能である(例えば
図10Cの実施態様を参照されたい)。層940は、空気の屈折率より大きく、かつ、約1.5未満、約1.4未満、あるいは約1.35未満の屈折率を有することができ、したがってライトガイド910の上に形成された層940は、ライトガイド910内を案内される光に対する臨界角を大きくすることができる。いくつかの実施態様では、層940は、例えば1.2または1.3の屈折率を有することができる。上で説明したように、これは、場合によっては光方向転換フィーチャ(非金属化)の方向転換機能に対して負の影響を有している。しかしながら、反射導体915は、これらのライアビリティの軽減を促進することができ、したがってライトガイド910上の層の設計をより柔軟にすることができる。さらに、接触センサ機能が統合された照明デバイス840は、パッシベーション層960などの他の層を含むことも可能である。
【0060】
図9Dを参照すると、金属化光方向転換フィーチャおよび接触感知電極を備えた一実施態様の横断面図の実例の一例が示されている。
図9Dの実施態様は、接触感知電子機器930が金属化光方向転換フィーチャ920に電気接続されていない点を除き、
図9Cの実施態様と同様である。このような実施態様では、接触感知は、電極950(y方向に延在している)および955(ページ外のx方向に延在している)のような電極の格子を使用して達成することができる。別法としては、接触感知電極は、例えば
図10Cの実施態様の場合のように格子でなくてもよく、したがって電極950がなく、電極955のみを含むことも可能であることを理解されたい(その場合、電極955は離散電極を含むことができる)。このような実施態様は、比較的少ないステップを使用して製造することができ、電極955および金属化光方向転換フィーチャ920は、以下でより詳細に説明するように同じプロセスを使用して堆積され、かつ、エッチングされる。いくつかの他の実施態様では、接触感知電子機器930は、電極950に電気接続されているだけでなく、あるいは電極950に電気接続されることなく、金属化光方向転換フィーチャ920および電極955の両方に電気接続することができる。いくつかの実施態様では、金属化光方向転換フィーチャ920のうちの一部のみが接触感知電子機器930に接続される。
【0061】
図10Aを参照すると、接触センサの一実施態様の実例の一例が示されている。接触センサは容量性接触センサであってもよい。一般に、
図10Aの実施態様に示されているように、容量性接触センサには、電極1010、1020として働く導体が含まれている。
図10Aの実施態様に示されているように、電極1010はx方向に延在しており、一方、電極1020はy方向に延在している。電流が一方の電極1010または電極1020を通って流れると、電極1010と電極1020の間に、
図10Aに電界線1030で示されている電界が形成される。電極1010と1020の間に形成される電界は、相互キャパシタンス1035aおよび1035bに関係している。人の指835あるいは任意の他の導電性物体または対象が電極1010または1020に近接すると、指の組織および血液中に存在している電荷によって、電極1010と1020の間に形成される電界が変化し、あるいは影響される。電界のこの乱れによって相互キャパシタンスが影響され、それを相互キャパシタンス1035a、1035bの変化として測定することができ、接触感知電子機器930によって感知することができる。
図9Cの導体915は、同時に、本明細書のどこかで説明されている光学機能を発揮し、かつ、
図10Aおよび10Bに示されている電極1010または1020として、あるいは
図10Cに示されている電極1040として働くことができる。
図10B〜10Cは、接触センサが統合された照明デバイスの実施態様の実例のいくつかの例である。
【0062】
図10Bを参照すると、接触センサが統合された照明デバイス840では、層1050または1052は、いくつかの実施態様では、電極1020または1010のうちのいくつかまたは一部を含んだ金属化光方向転換フィーチャを備えたライトガイドを含むことができることが理解される。層1052がライトガイドである実施態様では、層1052の下方、つまり層1052とディスプレイ810の間に形成される電極1020は、透明にすることも、あるいは半透明にすることも可能であり、また、透明導体を含むことも可能である。同様に、いくつかの実施態様では、層1053は、電極1010のうちのいくつかまたは一部を含んだ金属化光方向転換フィーチャを備えたライトガイドを含むことができる。
【0063】
図10Bを参照すると、いくつかの実施態様では、層1050には、ライトガイド、および層1050の中に形成された少なくともいくつかの金属化光方向転換フィーチャを含んだ電極1020のうちの少なくともいくつかまたは一部が含まれている。金属化光方向転換フィーチャを含んだ電極1020は、堆積およびパターニングプロセスによって形成することができる。いくつかの実施態様では、層1052の上に形成される電極1010は、製造上の便宜のため、また、製造を容易にするために、層1050の上に積層するか、あるいは結合することができる。
【0064】
電極が既知のx−y位置に存在している場合、指による接触センサ830上の接触のx−y位置を決定することも可能である。例えば接触センサは、
図10Bに示されているように、x方向に延在している多くの電極、およびy方向に縦に延在し、および/またはx方向に周期的に延在している多くの電極を含むことができる。接触感知電子機器930は、相互キャパシタンスの変化を登録し、それにより接触のx−y座標を決定するx方向電極およびy方向電極を隔離し、位置を突きとめ、あるいは決定することができる。「接触」には、同時であれ、あるいは異なる時間であれ、単一の接触または複数の接触を含むことができることを理解されたい。また、「接触」には、ストロークを含むことも可能である。指以外の身体の他の部分を使用してタッチスクリーンに触れることも可能であることを理解されたい。このようなシステムに近接することによって任意の電極システムの相互キャパシタンスまたは自己キャパシタンスに影響を及ぼすことができるスタイラスまたは任意のツールを使用することも可能であり、例えば相互キャパシタンスまたは自己キャパシタンスに影響を及ぼすことができる導電性物体を使用することができる。通信するために、つまり表示デバイスを出力デバイスおよび入力デバイスとして同時に使用してデータを機械に入力するために、このようなツールを使用して表示デバイスに接触することができる。
【0065】
図10Aおよび10Bの実施態様では、感知電子機器930は、x方向に延在している電極1010とy方向に延在している電極1020の間の相互キャパシタンスを感知することができる。しかしながら、他の実施態様では、
図10Cに示されているように、1つの高さの導体すなわち電極のみを使用することも可能である。このような実施態様では、接触感知電子機器930は、接触センサ上の一連の導体(
図10Cの電極1040)と電気連絡することができ、また、接触センサ内の導体の自己キャパシタンスを測定することができる。自己キャパシタンスは、隔離された導体に加えられる、その電位を1ボルトだけ高くする電荷の量である。人の指が近接すると、この自己キャパシタンスに影響を及ぼすことができる。接触感知電子機器930は、自己キャパシタンスの変化を感知するように構成することができる。したがっていくつかの実施態様では、場合によっては接触センサにはX電極およびY電極の格子は不要であるが、場合によっては、単純に、X方向およびy方向の両方に既知のx−y座標で分散した離散電極1040(導体)のアレイが必要である。
図10Bに関連して上で言及したように、接触センサが統合された照明デバイス840では、層1050は、いくつかの実施態様では、電極1040のうちのいくつかまたは一部を含んだ金属化光方向転換フィーチャを備えたライトガイドを含むことができることを理解されたい。同様に、いくつかの実施態様では、層1053は、電極1040の一部を含んだ金属化光方向転換フィーチャを備えたライトガイドを含むことができる。図に示されている実施態様では、接触センサが統合された照明デバイス840は、ディスプレイ810の前面に配置され、フロントライトとして機能している。
【0066】
図11Aを参照すると、接触センサが統合された金属化光方向転換フィーチャを備えたライトガイドの一実施態様の実例の一例が示されている。
図11Aは、ライトガイド910内を伝搬する光をディスプレイ810に向けて導くことができる光方向転換フィーチャ901を有するライトガイドを示したものである。
図11Aに示されているように、いくつかの光方向転換フィーチャ901は金属化されずに残され、一方、他の光方向転換フィーチャ901は金属化光方向転換フィーチャ920a、920bである。図に示されている金属化光方向転換フィーチャ920bは、フィーチャの光方向転換能力を最大化するために完全に金属化されているが、いくつかの実施態様は、完全に金属化されていない表面つまりファセットを備えた光方向転換フィーチャを含むことができることに留意されたい。
図11Aの実施態様に同じく示されているように、金属化光方向転換フィーチャ920a、920bと同じ高さに補助構造1105を形成することができる。
図11Aに示されているように、補助構造1105には導電線が含まれている。より一般的には、補助構造は、金属化光方向転換フィーチャ920のメタライゼーションと同じ材料を使用して、例えばライトガイド910の表面にメタライゼーションを堆積させ、次に堆積した材料の層をパターニングして、同時に、金属化光方向転換フィーチャ920a、920bのメタライゼーションを画定し、かつ、補助構造1105を形成することによって形成することができる。いくつかの実施態様では、補助構造1105は導電線であり、金属化光方向転換フィーチャ920bは、この導電線によって接触感知電極システムに接続されている(つまり他の電極および導体に電気接続され、かつ、接触感知電子機器930に電気接続されている)。導電線1105は、金属化光方向転換フィーチャ920bの導体を、人の指が近接することによって誘導される導体のキャパシタンスの変化を感知することができる電極システムに接続する反射金属線を含むことができる。他の実施態様では、導電線1105は、酸化インジウムスズ(ITO)などの透明導体を含むことができる。
図11Aに示されているように、すべての金属化光方向転換フィーチャを接触感知電極システムと統合する必要はなく、あるいは接触感知電極システムと電気連絡させる必要はない。例えば所望の照度のディスプレイ810を達成するためには、場合によっては特定のサイズおよび/または密度の光方向転換フィーチャが有利である。例えば約3〜30umサイズの光方向転換フィーチャの場合、いくつかの実施態様では、1平方cm当たりのライトガイドに約1,000〜100,000個のフィーチャを使用することができる。しかしながら人の指の寸法の場合、接触感知電極システムと電気連絡する導体の密度は、場合によってははるかに小さい。例えば電極システムの一部である金属化光方向転換フィーチャを含んだ電極間の間隔は、大まかに1平方センチメートル当たり1より広くすることができる。しかしながら、電極間の間隔は、精度がそれほど重要ではない用途ではもっと狭くすることができる。同様に、電極間の間隔は、高い精度が重要である場合、他の用途より広くすることができる。いくつかの実施態様では、金属化光方向転換フィーチャの密度に応じて、10個当たりに1個以下の割合で金属化光方向転換フィーチャを接触感知電極システムに電気連絡させることができる。したがっていくつかの実施態様では、接触感知電極システムと電気連絡している金属化光方向転換フィーチャ920の数を金属化光方向転換フィーチャ920の数よりはるかに少なくすることができる。さらに、
図11Aに示されているように、すべての光方向転換フィーチャを金属化する必要はない。また、
図11Aに示されているように、いくつかの光方向転換フィーチャ920aは完全に金属化され、一方、他の光方向転換フィーチャ(例えば金属化光方向転換フィーチャ920b)は、一部分のみが金属化される。
【0067】
導電線1105に反射金属線が含まれている実施態様では、ディスプレイ810上に形成される画像が周辺光の反射によって劣化することがある。例えば
図11Aに示されているように、場合によっては導電線1105に周辺光線1110が入射し、観察者に向かって後方へ反射することがある。反射した白色光は、
図11Aの光線1115で示されているディスプレイで反射した(着色)光を白くすることがあるため、周辺光のこれらの反射は、ディスプレイ上に表示される画像を劣化させる可能性がある。金属化光方向転換フィーチャ920からの同様の反射によって、ディスプレイ810上に表示される画像が同様に劣化することがある。当業者には理解されるように、周辺光のこれらの反射によってコントラスト比が小さくなることがある。したがって金属化光方向転換フィーチャ920あるいは金属導電線1105などの金属表面からの反射をマスキングすることが望ましい。このマスキングを達成する方法の1つは、さもなければコントラスト比を小さくすることになる反射を抑制するか、あるいは除去するために、金属表面を薄膜干渉構造でコーティングすることである。
【0068】
図11Bを参照すると、光方向転換フィーチャの表面に堆積された材料の層、および光方向転換フィーチャの外側に形成されたこれらの層から構成された構造を備えたライトガイドの一実施態様の実例の一例が示されている。
図11Bは、金属化光方向転換フィーチャ920を製造するための光方向転換フィーチャの上に形成された導体を示したものであるが、金属化光方向転換フィーチャは、さらに、周辺光の反射を抑制するか、あるいは除去するために、薄膜干渉構造1120を使用してマスキングされている。反射導体は干渉効果に寄与することができるため、薄膜干渉構造1120は、導体915(または導電線1105)を含んでいる、と言うことも可能である。薄膜干渉構造1120には、いくつかの実施態様では誘電体層または導電層であってもよいスペーサ層1130、および薄い金属または金属合金吸収体1135が含まれている。スペーサ層1130は厚みを有しており、また、「光共振空胴」を形成するための様々な適切な透明材料を含むことができる。スペーサ層1130(「光共振空胴」)は、導体915(または導電線1105)と吸収体1135の間に形成することができる。スペーサ層1130は、空気(例えば吸収体層1135を支持するためのポストを使用した)、Al
2O
3、SiO
2、TiO
2、ITO、Si
3N
4、Cr
2O
3、ZnOまたはそれらの混合物などの材料を含むことができる。スペーサ層1130の厚さに応じて、干渉構造1120は、赤、青または緑などの色を反射することができ、あるいは他の実施態様では、ほとんど反射しないか、あるいは全く反射しないよう(例えば黒)、スペーサ層1130の厚さを調整することができる。干渉ダークすなわちブラック効果をもたらすためのスペーサ層1130(空気以外の)の適切な厚さは、300Åと1000Åの間である。誘電体層を堆積させる、つまり形成するための方法については、CVDならびに他の方法を始めとして当分野で知られている。スペーサ層1130が誘電体すなわち絶縁体である他の実施態様では、スペーサ層1130は、エアギャップまたは他の透明誘電体材料を使用して形成することができる。干渉ダークすなわちブラック効果をもたらすためのエアギャップ誘電体層1130の適切な厚さは、450Åと1600Åの間である。例えば赤、青または緑などの他の色を達成するためには、他の厚さ範囲を使用することができる。
【0069】
同じく
図11Bに示されているように、スペーサ層1130の上には金属吸収体1135が形成されている。図に示されている、金属化光方向転換フィーチャ920または導電線1105の上に形成される自然反射導体915の出現を干渉によって暗くするように干渉構造1120が設計される実施態様では、吸収体1135は、例えば半透明厚さの金属層または半導体層を含むことができる。吸収体1135は、非ゼロn
*k、すなわち屈折率(n)と消衰係数(k)の非ゼロ積を有する材料を含むことも可能である。詳細には、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)、ケイ素(Si)、タンタル(Ta)およびタングステン(W)は、すべて適切な層を形成することができる。他の材料を使用することも可能である。一実施態様では、吸収体1135の厚さは20Åと300Åの間である。一実施態様では、吸収体1135は500Å未満であるが、これらの範囲外の厚さを使用することも可能である。
図11Bに示されているように、いくつかの実施態様では、干渉構造1120は、導電線1105の上に形成することも可能である。
【0070】
導電線1105または金属化光方向転換フィーチャ920の上に形成された干渉構造1120は、ライトガイド910内を伝搬する光に対して、周辺光を観察者に向かってほとんど反射しないか、あるいは全く反射しないが、導体の反射金属化表面は、ライトガイド内を案内される光を必要に応じて反射させることができる。例えばライトガイド内を移動する光は、光線1140aおよび1140bで示されているようにライトガイド910内を案内され続ける方法で導電線1105の金属表面で反射することができる。金属層1105は、いくつかの実施態様では約30〜100nmの厚さにすることができる。金属層1105のための高反射率金属の例には、Al、Al合金、Ag、等々がある。同様に、ライトガイド内を案内される光は、照明すべきディスプレイ810に向かって反射するよう、金属化光方向転換フィーチャ920で反射することができる。例えば光線1143aおよび1146aは、金属化光方向転換フィーチャ920を備えた反射導体に入射し、光線1143bおよび1146bで示されているように、照明すべきディスプレイ810に向かって反射する。
図11Bに示されている実施態様では、金属化光方向転換フィーチャ920または導電線1105からの周辺光の反射が防止されているが、干渉構造1120は、観察者の前方、つまりディスプレイ810の画像表示側よりも観察者に近い方に形成された任意の反射表面に形成することができることを理解されたい。したがってディスプレイ上の画像が劣化しないよう、照明デバイス上に形成された任意の反射表面、容量性接触センサ、またはディスプレイの前方に形成された他のデバイスに対して、干渉構造1120を使用して周辺光の反射を抑制することができる。このような反射導体は、ディスプレイの画像表示側に配置されるように構成される任意のコンポーネント、例えばディスプレイの上に形成されるフロントライト、ディスプレイの上に形成される接触センサ、あるいはディスプレイの前方に形成される他のデバイスの上に形成することができる。
【0071】
図11Bに示されているように、導電線であってもよい補助構造1105をライトガイド910の表面、例えばライトガイド910の頂部表面に形成することができ、その一方で、光方向転換フィーチャの中に導体915が形成される。図に示されているように、光方向転換フィーチャには、ライトガイド910の頂部表面に形成された凹所が含まれており、下に向かってライトガイド910中に延在している。凹所は、光を方向転換させるためのファセット化された表面を有することができる。それにより、光方向転換フィーチャの中に形成された導体915は金属化光方向転換フィーチャ920を形成している。導電線1105および金属化光方向転換フィーチャ920は、反射性導電材料、例えば金属をライトガイド910の頂部表面に堆積させ(頂部表面に形成されている光方向転換フィーチャの凹所への材料の共形堆積を含む)、かつ、材料をエッチングして導電線1105を形成し、また、光方向転換フィーチャの凹所に材料の一部を残して金属化光方向転換フィーチャ920を形成することによって効果的に製造することができる。言い換えると、導電線1105および光方向転換フィーチャを形成している凹所中のメタライゼーションなどの補助構造は、単一のパターニングステップで同時に形成することができ、必ずしも導電線1105および金属化光方向転換フィーチャ920を個別のステップで形成する必要はない。これは、基板を備えたライトガイド上で達成することができ、あるいは光学的に透明な基板の上に形成された屈折率整合方向転換膜を備えたライトガイド上で達成することができる。
【0072】
より一般的には、
図11Bに示されている導電線1105は、受動および/または能動電子デバイスの一部を形成することができる。例えば、本明細書において説明されているように、線1105は電極などの導電線1105であってもよい。他の実施態様では、金属以外の多くの異なる種類の材料をライトガイドの頂部表面に堆積させることができる。例えば堆積される材料は、高度に反射性の半導電材料または誘電体、あるいは異なる電気特性を有する材料の組合せを始めとする半導体材料を含むことができる。このような方法によれば、特定の材料の単一の堆積を使用してライトガイドの頂部表面に補助構造を形成することができ(
図11Bに導電線1105として示されている)、かつ、頂部表面に形成されている光方向転換フィーチャの凹所をコーティングすることができる。同様に、補助構造を形成するための材料のエッチング、それと同時に、材料が充填された、つまりコーティングされた光方向転換フィーチャを形成するために光方向転換フィーチャの凹所に材料の一部を残すプロセスは、フォトリソグラフィプロセスなどの単一のパターニングプロセスを使用して達成することができる。このような補助構造は、導電性トレースまたは他の受動電気デバイスを含むことができる。いくつかの実施態様では、補助構造は複数の層を含むことができる。例えば補助構造は、いくつかの実施態様では、層1105、1130および1135を含むことができる。したがって例えば干渉構造1120は、補助構造とみなすことができる。補助構造に複数の層が含まれている場合、同じく補助構造のすべての層を使用して光方向転換フィーチャをコーティングする必要はない。より一般的には、光方向転換フィーチャをコーティングするために使用される1つまたは複数の層を同じく使用して補助構造を形成することも可能であるが、補助構造は、コーティングされた光方向転換フィーチャの中に含まれていない層を含むことができ、また、その逆も可能であることを理解されたい。補助構造に複数の層が含まれている実施態様では、補助構造を形成し、かつ、光方向転換フィーチャの凹所をコーティングするために、材料の複数の層をライトガイドの上に堆積させることができ、次に、堆積した層をエッチングして補助構造およびコーティングされた光方向転換フィーチャを形成することができる。様々な実施態様では、堆積した材料がエッチングされると、光方向転換フィーチャの凹所に形成されていない補助構造の上に追加層を堆積させることができ、また、その逆も可能である。したがってより一般的には、補助構造は、その少なくとも一部は、複数の凹所の少なくともいくつかをコーティングしている材料で形成される。
【0073】
図11Bの実施態様に示されているように、導電線1105は金属化光方向転換フィーチャ920に電気接続されている。しかしながら、このような電気接続は任意選択であることを理解されたい。したがっていくつかの実施態様では、すべての金属化光方向転換フィーチャが導電性物体の近接を感知することができる電極システム(接触感知電子機器930)の一部であるわけではない。これは、光方向転換フィーチャを極めて稠密にする(つまり所与の面積に対する光方向転換フィーチャの数を極めて多くする)ことができ、一方、接触感知電極はそれほど稠密にする必要はないことによるものである。例えば接触感知電極は、水平方向に約1〜10mm、約3〜7mmまたは約5mmの間隔を隔てることができる。実際、いくつかの実施態様では(例えば
図9Dに示されているような実施態様では)、どの金属化光方向転換フィーチャも接触感知電子機器930に電気接続されていない。上で説明したように、単一の材料堆積を使用して、このような電極の格子を製造することができ、かつ、光方向転換フィーチャの凹所を共形コーティングすることができる。
【0074】
図11Bに示されているように、ディスプレイ810は、必ずしもライトガイド910に直接隣接させる必要はない。しかしながら、いくつかの実施態様では、ディスプレイ810を照明する照明デバイスを含んだライトガイド910にディスプレイ810を直接隣接させることができることを理解されたい。他の実施態様では、ライトガイド910とディスプレイ810の間にエアギャップを形成することができる。さらに、他の実施態様では、ライトガイド910とディスプレイ810の間に1つまたは複数の層を存在させることができる。このような実施態様では、これらの1つまたは複数の層は、エアギャップを含むことも、あるいはエアギャップを含んでいなくてもよい。
【0075】
図10Aおよび10Bに関連して上で説明したように、接触センサのいくつかの実施態様には、誘電体層によって分離され、かつ、y方向に細長く延びている複数の電極の上に積み重ねられた、x方向に沿って細長く延びている複数の細長い電極が含まれている。しかしながら、いくつかの実施態様では、場合によってはX電極およびY電極の格子を単一の平面すなわち表面に形成することが有利である。言い換えると、同じ表面にX電極およびY電極の格子を形成することができる。このような実施態様では、1つの方向、例えばx方向に細長く延びた電極は、他の方向、例えばy方向に細長く延びた電極から電気的に隔離される。
図12A〜12Bは、接触センサが統合された金属化光方向転換フィーチャを備えたライトガイドの実施態様の実例の例であり、単一の平面すなわち表面に形成されたX電極およびY電極が示されている。
【0076】
例えば
図12Aに示されている実施態様では、電極1010はx方向に沿って延在しており、また、電極1020はy方向に沿って延在している。電極1010および電極1020は、単一の平面内に形成することができる。
図12Aに示されている実施態様では、電極1010および電極1020は、ガラスまたは他の光学的に透明な基板1210の表面に形成されている。いくつかの実施態様では、電極1010、1020は、
図11Bを参照して上で説明した導電線1105と同様の方法で形成された補助構造であってもよい。光学基板1210の上には方向転換層1215が形成されている。光学基板1210および方向転換層1215は、相俟ってライトガイド910を構築している。図解を分かり易くするために、図には基板1210よりはるかに分厚い方向転換層1215が示されているが、様々な実施態様では、基板1210は、比較的薄い方向転換層1215より分厚くすることができる。
図12Aの実施態様に示されているように、電極1020は、電極1020の方向に対して直角の方向に電極1010が電極1020を横切り、それにより電極1010と電極1020が隔離されるギャップ1220が提供されるようにパターン化されている。
図12Aには、互いに直角の電極1010および1020が示されているが、それらは非平行であってもよく、必ずしも直角である必要はない。電極1020の両側は、方向転換層中にビア1240を形成することにより、導電ブリッジ1230を介して電極1010の上を架橋されている。ビア1240には、ライトガイド910内を案内される光を方向転換させるために適切に角度を付けることができるファセットが含まれている。図に示されているビア1240は、ギャップ1220の両側に形成されている。図に示されているように、ビア1240は円錐形であるが、それらは、光をライトガイド910外へ方向転換させることができるファセットを提供する任意の形状で形成することができ、例えば角錐または他の輪郭(
図9Aに示されている光方向転換フィーチャ901aおよび901bと同様の線または線分のような)などの任意の形状で形成することができることを理解されたい。一実施態様では、ビア1240は、ビア1240中における導電ブリッジ1230の共形堆積によって金属化することができ、それにより電極1020が露出される。しかしながら、同じく反射性であってもよい導電材料をビア1240に個別に充填することも可能である。一実施態様では、ビア1240は、基板1210の平面に平行の平面に対して45°の角度のファセットを提供している。
【0077】
また、ビア1240は、方向転換層1215中の金属化光方向転換フィーチャ920として働くことも可能である。方向転換層1215は、ビア1240以外の金属化または非金属化光方向転換フィーチャを含むことができる。
図12Aに示されているように、電極1010の両側に一対の金属化光方向転換フィーチャ920が形成されている。金属化光方向転換フィーチャ920は、電極1020の一方の側と電極1020のもう一方の側をyに沿って接続している導電ビア1240として作用している。これらの金属化光方向転換フィーチャ920は、いずれも、表示デバイスを照明するために光をディスプレイに向かって反射させることができ、その一方で電極1020を架橋するための電気ビア1240として作用することも可能である。したがって金属化光方向転換フィーチャ920の中に形成された導体は、接触センサ機能が「統合された」照明デバイス840を提供するために、照明デバイスとしての光学的機能と、接触センサとしての電気的機能の両方の機能を実行している。したがって金属化光方向転換フィーチャ920は、人の指が近接することによって誘導される、金属化光方向転換フィーチャ920内の導体のキャパシタンスの変化を感知することができる接触感知電極システムである、より大きい電極システムと電気連絡することができる。
【0078】
電極1010および1020ならびにブリッジ1230は導電性であり、反射金属導体、またはITOなどの透明導体を含むことができる。電極1010および1020は透明であり、一方、ブリッジ1230は反射性であることが好ましい。このような実施態様では、ブリッジ1230からの周辺光の反射は、
図11Bの干渉構造と同様の干渉構造を使用してマスキングすることができる。ビア1240、電極1010、1020およびブリッジ1230は、必ずしもスケール通りには描かれていないことを理解されたい。電極1010および1020(ならびに多少はブリッジ1230)は、ライトガイド910内を伝搬する光に対するあらゆる影響を最小化するために、小さいフットプリントを有するようにパターン化することができる。したがって電極1010、1020およびブリッジ1230は、いくつかの実施態様では、ビア1240より小さい幅を有することができる。
図12Aの実施態様は、電極1010および1020を堆積させ、かつ、パターニングすることによって形成することができる。電極1010、1020およびギャップ1220は、商用的に容易に入手することができる標準プレコートITOコートガラス基板をパターニングすることによって形成することができる。ギャップ1220の幅は約50μmにすることができるが、もっと広い設計、あるいはもっと狭い設計を使用することも可能であり、例えば約10μmと約1000μmの間、または約20μmと約500μmの間のギャップを使用することができる。このような実施態様では、ITOコートガラスをパターン化して、電極線が交差するのを防止するためにいずれか一方の方向にギャップ1220がパターニングされた、x方向の電極1010およびy方向の電極1020を形成することができる。このような実施態様では、ガラス基板は、ライトガイド910の基板として働くことができる。次に方向転換層1215を堆積させることができ、つまり基板1210の上に堆積させることができる。いくつかの実施態様では、層1215は、基板1210に対して屈折率が整合されたSiON層であってもよい。次にテーパエッチプロセスを使用して、方向転換層1215の中に光方向転換フィーチャおよびビア1240を画定することができる。ビアの幅は約5μmにすることができる。いくつかの実施態様では、もっと広いビア、あるいはもっと狭いビアを使用することも可能であり、例えばビアの幅は、約2〜50μmまたは約3〜30μmにすることができる。次に、金属化光方向転換フィーチャ920として働くこともできる、導体が充填されたビア1240を提供するために、反射導体層を堆積させ、かつ、エッチングすることができる。
【0079】
図12Bを参照すると、単一の平面内に形成された、X方向およびy方向の電極1010、1020を備えた電極システムの他の実施態様が示されている。いくつかの実施態様では、電極1010、1020は、
図11Bに関連して上で説明した導電線1105の方法と同様の方法で形成された補助構造であってもよい。
図12Aに示されている実施態様の場合と同様、ライトガイド910には、ガラス基板1210および光方向転換層1215が含まれている。しかしながら、この実施態様の電極1010、1020およびギャップ1220は、光方向転換層1215の上に形成されている。この実施態様では、ブリッジ1230は、電極1010および1020の下方で、かつ、基板1210の上方に形成されている。
図12Bの特定の実施態様では、導電ブリッジ1230は透明導体で形成することができ、一方、電極1010および1020は反射金属で形成することができ、したがって上で言及した干渉構造によってマスキングすることができる。ビア1240、電極1010、1020およびブリッジ1230は、必ずしもスケール通りには描かれていないことを理解されたい。いくつかの実施態様では、ブリッジ1230(および多少は電極1010および1020)は、ビア1240の表面で反射する光に対するブリッジ1230の影響を小さくするために、ビア1240の直径より小さい幅を有するようにパターン化することができる。ブリッジ1230の方がビア1240より広い実施態様では、ブリッジ1230は、ビア1240で反射した光が下方のディスプレイに向かって下方へ伝搬するのを阻止することができる。ビア1240は金属化光方向転換フィーチを含むことができ、ビア1240の中へ延在する電極1230の共形堆積によって金属化することができる。いくつかの実施態様では、ビアは、数ミクロン程度の寸法を有することができ、一方、電極1230(ならびにビア1240の共形コーティング)は、1/10ミクロン程度の厚さを有することができる。導電ブリッジ1230を形成するために、基板1210の上に導電材料を堆積させ、かつ、パターニングすることができる。いくつかの実施態様では、導電材料は透明導体を含むことができる。また、導電ブリッジ1230は、商用的に容易に入手することができる標準プレコートITOコートガラス基板をパターニングすることによって形成することも可能である。次に、例えば
図2Aに関連して上で説明したように、方向転換層1215、方向転換層1215中の光方向転換フィーチャおよびビア1240のすべてを形成することができる。いくつかの実施態様では、
図12Bの実施態様のギャップ1220およびビア1240の寸法は、
図12Aに関連して上で言及した寸法と同様の寸法にすることができる。特定の実施態様では、
図12Aの実施態様の導電ブリッジ1230、および
図12Bの実施態様の電極1010および1020は積層することができる。このような方法の一例では、積層層(
図12Aおよび12Bには示されていない)の一番下にブリッジ1230または電極1010、1020を形成し、次に方向転換層1215の上に層を積層して、ブリッジ1230または電極1010、1020を導電ビア1240に接続することができる。
【0080】
図13Aおよび13Bは、複数の干渉変調器を含んだ表示デバイス40を示すシステムブロック図の例を示したものである。表示デバイス40は、例えばセルラ電話または移動電話であってもよい。しかしながら、表示デバイス40またはその若干の変形形態の同じコンポーネントも、テレビジョン、電子リーダおよび携帯型メディアプレーヤなどの様々なタイプの表示デバイスの実例である。
【0081】
表示デバイス40には、ハウジング41、ディスプレイ30、アンテナ43、スピーカ45、入力デバイス48およびマイクロホン46が含まれている。ハウジング41は、射出成形および真空成形を始めとする様々な製造プロセスのうちの任意のプロセスを使用して形成することができる。さらに、ハウジング41は、それらに限定されないが、プラスチック、金属、ガラス、ゴムおよびセラミック、またはそれらの組合せを始めとする様々な材料のうちの任意の材料で構築することができる。ハウジング41は、色が異なる、あるいは異なるロゴ、絵または記号を含んだ他の取外し可能部分と交換することができる取外し可能部分(図示せず)を含むことができる。
【0082】
ディスプレイ30は、本明細書において説明されている双安定ディスプレイまたはアナログディスプレイを始めとする様々なディスプレイのうちの任意のディスプレイであってもよい。また、ディスプレイ30は、プラズマ、EL、OLED、STN LCDまたはTFT LCDなどのフラットパネルディスプレイ、あるいはCRTまたは他の真空管デバイスなどの非フラットパネルディスプレイを含むように構成することも可能である。さらに、ディスプレイ30は、本明細書において説明されている干渉変調器ディスプレイを含むことも可能である。
【0083】
図13Bは、表示デバイス40のコンポーネントを概略的に示したものである。表示デバイス40にはハウジング41が含まれており、その中に少なくとも部分的に含まれた追加コンポーネントを含むことができる。例えば表示デバイス40には、アンテナ43を含んだネットワークインタフェース27が含まれており、アンテナ43はトランシーバ47に結合されている。トランシーバ47はプロセッサ21に接続されており、プロセッサ21は調整用ハードウェア52に接続されている。調整用ハードウェア52は、信号を調整する(例えば信号をフィルタリングする)ように構成することができる。調整用ハードウェア52は、スピーカ45およびマイクロホン46に接続されている。プロセッサ21は、入力デバイス48およびドライバコントローラ29にも接続されている。ドライバコントローラ29は、フレームバッファ28およびアレイドライバ22に結合されており、アレイドライバ22は、ディスプレイアレイ30に結合されている。電源50は、個々の表示デバイス40の設計に必要なすべてのコンポーネントに電力を提供することができる。
【0084】
ネットワークインタフェース27には、アンテナ43およびトランシーバ47が含まれており、したがって表示デバイス40は、ネットワークを介して1つまたは複数のデバイスと通信することができる。また、ネットワークインタフェース27は、例えばプロセッサ21のデータ処理要求事項を軽減するための若干の処理機能を有することも可能である。アンテナ43は、信号を送受信することができる。いくつかの実施態様では、アンテナ43は、IEEE 16.11(a)、(b)または(g)を含むIEEE 16.11規格に従って、あるいはIEEE 802.11a、b、gまたはnを含むIEEE 802.11規格に従ってRF信号を送受信している。いくつかの他の実施態様では、アンテナ43は、BLUETOOH(登録商標)T規格に従ってRF信号を送受信している。セルラ電話の場合、アンテナ43は、符号分割多重アクセス(CDMA)信号、周波数分割多重アクセス(FDMA)信号、時分割多重アクセス(TDMA)信号、移動通信のための広域システム(GSM(登録商標))信号、GSM(登録商標)/General Packet Radio Service(GPRS)信号、Enhanced Data GSM(登録商標) Environment(EDGE)信号、Terrestrial Trunked Radio(TETRA)信号、Wideband−CDMA(W−CDMA)信号、Evolution Data Optimized(EV−DO)信号、1xEV−DO信号、EV−DO Rev A信号、EV−DO Rev B信号、High Speed Packet Access(HSPA)信号、High Speed Downlink Packet Access(HSDPA)信号、High Speed Uplink Packet Access(HSUPA)信号、Evolved High Speed Packet Access(HSPA+)信号、Long Term Evolution(LTE)信号、AMPS信号、または他の知られている、3G技術4G技術を利用しているシステムなどの無線ネットワーク内での通信に使用されている信号を受け取るように設計される。トランシーバ47は、アンテナ43から受け取った信号を、プロセッサ21が受け取ることができ、かつ、さらに操作することができるよう、予備処理することができる。また、トランシーバ47は、プロセッサ21から受け取った信号を、アンテナ43を介して表示デバイス40から送信することができるように処理することも可能である。
【0085】
いくつかの実施態様では、トランシーバ47は受信機に置き換えることができる。さらに、ネットワークインタフェース27は、プロセッサ21に送られる画像データを記憶し、あるいは生成することができる画像源に置き換えることができる。プロセッサ21は、表示デバイス40全体の動作を制御することができる。プロセッサ21は、圧縮画像データなどのデータをネットワークインタフェース27または画像源から受け取り、かつ、受け取ったデータ処理をして生画像データにし、あるいは容易に生画像データに処理することができるフォーマットにする。プロセッサ21は、処理済みのデータを記憶するためにドライバコントローラ29またはフレームバッファ28に送ることができる。生データは、一般に、画像中の個々の位置における画像特性を識別する情報と呼ばれている。例えばこのような画像特性には、色、飽和およびグレースケールレベルを含むことができる。
【0086】
プロセッサ21は、表示デバイス40の動作を制御するためのマイクロコントローラ、CPUまたは論理ユニットを含むことができる。調整用ハードウェア52は、信号をスピーカ45に送信し、また、マイクロホン46から信号を受信するための増幅器およびフィルタを含むことができる。調整用ハードウェア52は、表示デバイス40内の離散コンポーネントであっても、あるいはプロセッサ21または他のコンポーネント内に組み込むことも可能である。
【0087】
ドライバコントローラ29は、プロセッサ21によって生成された生画像データをプロセッサ21から直接取得し、あるいはフレームバッファ28から取得することができ、また、取得した生画像データをアレイドライバ22に高速転送するために適切に書式変更することができる。いくつかの実施態様では、ドライバコントローラ29は、ディスプレイアレイ30全体を走査するのに適した時間順序を有するよう、生画像データをラスタ様フォーマットを有するデータフローに書式変更することができる。ドライバコントローラ29は、次に、フォーマット化された情報をアレイドライバ22に送る。LCDコントローラなどのドライバコントローラ29は、独立型集積回路(IC)としてしばしばシステムプロセッサ21に結合されるが、このようなコントローラは、多くの方法で実施することができる。例えばコントローラは、ハードウェアとして、またはソフトウェアとしてプロセッサ21の中に埋め込むことができ、あるいはハードウェアの中でアレイドライバ22と完全に統合することができる。
【0088】
アレイドライバ22は、フォーマット化された情報をドライバコントローラ29から受け取ることができ、また、ビデオデータを、ディスプレイのx−y行列のピクセルに接続されている数百、場合によっては数千(またはそれ以上)のリード線に毎秒多数回にわたって供給される並列セットの波形に書式変更することができる。
【0089】
いくつかの実施態様では、ドライバコントローラ29、アレイドライバ22およびディスプレイアレイ30は、本明細書において説明されているすべてのタイプのディスプレイアレイに対して適切である。例えばドライバコントローラ29は、従来のディスプレイコントローラすなわち双安定ディスプレイコントローラ(例えばIMODコントローラ)であってもよい。さらに、アレイドライバ22は、従来のドライバすなわち双安定ディスプレイドライバ(例えばIMODディスプレイドライバ)であってもよい。また、ディスプレイアレイ30は、従来のディスプレイアレイすなわち双安定ディスプレイアレイ(例えばIMODのアレイを含んだディスプレイ)であってもよい。いくつかの実施態様では、ドライバコントローラ29は、アレイドライバ22と共に統合することができる。このような実施態様は、セルラ電話、時計および他の微小面積ディスプレイなどの高度に統合されたシステムではごく普通である。
【0090】
いくつかの実施態様では、入力デバイス48は、例えば使用者がディスプレイデバイス40の操作を制御することができるように構成することができる。入力デバイス48は、QWERTYキーパッドあるいは電話キーパッドなどのキーパッド、ボタン、スイッチ、ロッカー、接触感応スクリーンまたは圧力感応膜あるいは熱感応膜を含むことができる。マイクロホン46は、ディスプレイデバイス40のための入力デバイスとして構成することができる。いくつかの実施態様では、マイクロホン46を介した音声コマンドを使用して、ディスプレイデバイス40の動作を制御することができる。
【0091】
電源50は、当分野でよく知られている様々なエネルギー蓄積デバイスを含むことができる。例えば電源50は、ニッケル−カドミウム電池またはリチウム−イオン電池などの蓄電池であってもよい。また、電源50は、再生可能エネルギー源、コンデンサ、またはプラスチック太陽電池あるいは太陽電池ペイントを始めとする太陽電池であってもよい。また、電源50は、壁付きコンセントから電力を受け取るように構成することも可能である。
【0092】
いくつかの実施態様では、制御プログラム可能性は、電子表示システム内の複数の場所に配置することができるドライバコントローラ29の中に存在している。いくつかの他の実施態様では、制御プログラム可能性は、アレイドライバ22の中に存在している。上で説明した最適化は、任意の数のハードウェアコンポーネントおよび/またはソフトウェアコンポーネントの中で、様々な構成で実施することができる。
【0093】
本明細書において開示されている実施態様に関連して説明した様々な実例論理、論理ブロック、モジュール、回路およびアルゴリズムステップは、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェアまたはそれらの両方の組合せとして実施することができる。ハードウェアおよびソフトウェアの互換性は、一般に機能に関して説明されており、上で説明した様々な実例コンポーネント、ブロック、モジュール、回路およびステップの中で示されている。このような機能がハードウェアの中で実施されるか、あるいはソフトウェアの中で実施されるかどうかは、個々の用途およびシステム全体に課せられる設計制約で決まる。
【0094】
本明細書において開示されている態様に関連して説明した様々な実例論理、論理ブロック、モジュールおよび回路を実施するために使用されるハードウェアおよびデータ処理装置は、本明細書において説明されている機能を実行するために設計された、汎用シングルチッププロセッサまたは汎用マルチチッププロセッサ、ディジタル信号プロセッサ(DSP)、専用集積回路(ASIC)、書替え可能ゲートアレイ(FPGA)または他のプログラマブル論理デバイス、離散ゲートまたはトランジスタ論理、離散ハードウェアコンポーネント、またはそれらの任意の組合せを使用して実施または実行することができる。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサまたは任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラまたは状態マシンであってもよい。また、プロセッサは、計算デバイスの組合せ、例えばDSPと、マイクロプロセッサ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと関連した1つまたは複数のマイクロプロセッサとの組合せ、あるいは任意の他のこのような構成として実施することができる。いくつかの実施態様では、所与の機能に対して特化された回路によって特定のステップおよび方法を実行することができる。
【0095】
1つまたは複数の態様では、上で説明した機能は、本明細書において開示されている構造、およびそれらの構造的等価物を始めとするハードウェア、ディジタル電子回路、コンピュータソフトウェア、ファームウェアの中で実施することができ、あるいはそれらの任意の組合せの中で実施することができる。また、本明細書の中で説明されている主題の実施態様は、1つまたは複数のコンピュータプログラムとして、つまりコンピュータ記憶媒体上に符号化された、データ処理装置が実行するための、あるいはデータ処理装置の動作を制御するためのコンピュータプログラム命令の1つまたは複数のモジュールとして実施することも可能である。
【0096】
当業者には、本開示の中で説明されている実施態様に対する様々な修正が容易に明らかであり、本明細書において定義されている包括的な原理は、本開示の精神または範囲を逸脱することなく他の実施態様に適用することができる。したがって本開示には、本明細書において示されている実施態様に限定されるのではなく、本明細書において開示されている特許請求の範囲、原理および新規な特徴に矛盾しない最も広義の範囲と一致することが意図されている。「例示的」という語は、本明細書においては、「一例、実例または例証として働く」ことを意味するべく排他的に使用されている。本明細書において「例示的」として説明されているすべての実施態様は、他の実施態様に優る好ましい、あるいは有利な実施態様として必ずしも解釈してはならない。さらに、「上部」および「下部」という用語は、図の説明を容易にするために、また、適切に配向されたページ上の図の配向に対応する相対位置を示すためしばしば使用されており、実施する際のIMODの適切な配向を必ずしも反映していないことは当業者には容易に理解されよう。
【0097】
また、本明細書において、個別の実施態様の文脈で記述されている特定の特徴は、単一の実施態様における組合せの中で実施することも可能である。それに対して、単一の実施態様の文脈で記述されている様々な特徴は、複数の実施態様の中で、個別に、あるいは任意の適切な副組合せの中で実施することも可能である。さらに、特徴は、上では、特定の組合せで作用するものとして記述することができ、最初はそのように特許請求さえされているが、特許請求されている組合せからの1つまたは複数の特徴は、いくつかのケースではその組合せから削除することができ、また、特許請求される組合せは、副組合せまたは副組合せの変形形態を対象にすることができる。
【0098】
同様に、図面には特定の順序での操作が示されているが、望ましい結果を達成するためには、図に示されている特定の順序で、あるいは連続する順序でこのような操作を実行する必要があり、あるいは図に示されているすべての操作を実行する必要があるものとして理解してはならない。特定の状況では、場合によっては多重タスキングおよび並列処理が有利である。さらに、上で説明した実施態様における様々なシステムコンポーネントの分離は、すべての実施態様にこのような分離が必要であるものとして理解してはならず、説明されているプログラムコンポーネントおよびシステムは、一般に単一のソフトウェア製品の中にまとめて統合することができ、あるいは複数のソフトウェア製品にパッケージ化することができるものとして理解されたい。さらに、他の実施態様は、以下の特許請求の範囲の範囲内である。いくつかのケースでは、請求項に記載されているアクションは、異なる順序で実行することができ、依然として望ましい結果を達成することができる。