特許第6142130号(P6142130)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6142130
(24)【登録日】2017年5月19日
(45)【発行日】2017年6月7日
(54)【発明の名称】可動式直管形LED灯照明器具
(51)【国際特許分類】
   F21V 19/02 20060101AFI20170529BHJP
   F21V 19/00 20060101ALI20170529BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20170529BHJP
   F21S 8/00 20060101ALI20170529BHJP
   F21V 23/00 20150101ALI20170529BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20170529BHJP
【FI】
   F21V19/02 500
   F21V19/00 170
   F21S2/00 231
   F21S2/00 520
   F21S8/00 120
   F21V23/00 115
   F21Y115:10
【請求項の数】3
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2016-3161(P2016-3161)
(22)【出願日】2016年1月12日
【審査請求日】2016年6月29日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】302037537
【氏名又は名称】加美電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108763
【弁理士】
【氏名又は名称】望月 孝道
(72)【発明者】
【氏名】池田一一
(72)【発明者】
【氏名】菓子俊之
(72)【発明者】
【氏名】西村政弘
【審査官】 安食 泰秀
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−185454(JP,A)
【文献】 特開2015−099749(JP,A)
【文献】 特開2013−232334(JP,A)
【文献】 特開2005−309135(JP,A)
【文献】 特開2014−179332(JP,A)
【文献】 特開2011−192548(JP,A)
【文献】 特開2009−87766(JP,A)
【文献】 特開2009−146638(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21V 19/02
F21S 2/00
F21S 8/00
F21V 19/00
F21V 23/00
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
直管形LED灯を使用した照明器具であって、遠隔操作により交差する二つの方向に回動する機構、直管形LED灯は一端のみで着脱可能に口金取り付けられていること、を特徴とする直管形LED灯照明器具。
【請求項2】
請求項1記載の発明において、遠隔操作により交差する二つの方向に回動する機構に、遠隔操作によ直管形LED灯は直管軸の回りに回転する機構を付加したこと、を特徴とする直管形LED灯照明器具。
【請求項3】
請求項1および請求項2記載の発明において、人感センサーを設けたこと、を特徴とする直管形LED灯照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、一端で着脱可能に取り付けられた直管形LED灯を、遠隔操作により、
二つの方向に回動し、さらに直管形LED灯自身が直管軸まわりに回転する照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、直管形LED灯は両端で把持・取り付けられ、一旦取り付けられた直管形LED灯は取り付けられた状態のままで実用に供されている。
【0003】
直管形LED灯の外観形状は、直管形蛍光灯に置き換わり得る形状をしているが、直管形LED灯の口金は、給電方式の相違から、一端は受送電口となり、他端は単にソケットで把持・取り付けられるだけの機能を有すれば足りる構造の口金となっている。
【0004】
また、直管形蛍光灯においては、管の周辺に均等に光が放射されるのに対し、直管形LED灯は、構造上の制約から、LEDの配置どおりの光が放射され、放射される光に方向性が存在する。
【0005】
現今の直管形LED灯の利用方法を見るに、この直管形LED灯が放射する光の方向性を積極的に利用した照明器具が見当たらない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許情報プラットフォームのテキスト検索(公開特許公報)で、以下の条件で検索したが、該当すると思料できるものはありません。 「要約と請求の範囲」 「LED」 AND 「要約と請求の範囲」 「直管」 AND 「要約と請求の範囲」 「移動」「可動」「回転」 発見された件数は、95件
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本願発明は、直管形LED灯は一端のみで着脱可能に口金に取り付け得る構造上の特徴に着目し、二つの方向、例えば或る方向(例えば上下方向)およびその方向と直角な関係にある方向(例えば水平方向)、に回動させることを課題とする。
【0008】
また、本願発明は、直管形LED灯は放射する光に方向性が存在することに着目し、直管形LED灯の直管軸の回りに回転させることを課題とする。
【0009】
さらに、本願発明は、上記課題に加え、人感センサーを設けて利用範囲を広げることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本願発明は、直管形LED灯の一端に着脱可能となる口金を設け、該口金を二つの方向に回動させるために、モータおよび回転減速させる手段を2組採用した。
【0011】
また、本願発明は、直管形LED灯の直管軸の回りに回転させるために、モータおよび回転減速させる手段を設けた。
【0012】
さらに、本願発明は、上記手段に加え、人の出入によって作動する人感センサーを設けて、利用範囲を広げた。
【発明の効果】
【0013】
直管形LED灯の放射する光の方向(以下適宜「LED灯光の方向」という。)をそのまま利用して、被照光面に直接照光する直接照明として利用できる。
【0014】
LED灯光の方向を建物・部屋の壁面に向けて、間接照明として利用できる。
この場合には、特に、直管形LED灯を直管軸の回りに回転させる機構が有用となる。
【0015】
また、LED灯光の方向を建物・部屋の天井面に向けて、間接照明として利用できる。
【0016】
直管形LED灯照明器具を建物・部屋の壁面のコーナーに設置することにより、二つの壁面を利用した直接、間接照明として利用できる。
この効果は、雰囲気を重視する喫茶店・飲食店においては、特に有用となる。
【0017】
壁面に陳列された商品(例.衣料品)には、種々の角度からの照明が利用でき、利用範囲が広がる。
【0018】
人感センサーおよび特に指向性の強い人感センサーを利用して、人の出入・方向により、様々な効果を上乗せできる。
【0019】
死角を排除した設置方法を採用することにより、また、本願発明の直管形LED灯の回動・回転を利用することにより、セキュリティ性の高い通路照明として利用できる。
【0020】
さらに、LED光の多色性・光度調節可能性の諸機能を使用することにより、上記効果に様々な効果を上乗せできる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本願発明が壁面に設置された状態を示す斜視図である。
図2】本願発明が或る方向に回動する機構を示す側面図である(蛇腹および下部カバーは外してある。)。
図3】本願発明が二つの方向に回動する機構を示す平面図である(蛇腹は外してある。)。
図4】本願発明の直管形LED灯を直管軸の回りに回転させる機構を示す正面図である(例1.アウターローターモータ方式。スリーブ15(2点鎖線で示す。)を外した状態を描いてある。)。
図5】本願発明の直管形LED灯を直管軸の回りに回転させる機構を示す正面図である(例2.モータおよびギァ方式。内スリーブ16・外スリーブ17(共に2点鎖線で示す。)を外した状態を描いてある。)。また、内・外スリーブの構造を示す断面図も添描してある。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本願発明は垂直な面のみならず、水平な面にも取り付け可能であるが、以降、特記の他、本願発明が垂直な面(壁面)に取り付けられた場合について、説明する。
本願発明は大別して、直管形LED灯11の固定部分、回動機構および回転機構(以下両者を合せて「回動・回転機構」という。)からなっている。
以降においては、回動機構の二つの方向としては、上下方向および水平方向を取り上げて説明する。
回動・回転機構50は、外観に関わる部品(符号の番号:50番台)、上下に回動する機構(符号の番号:60番台)、水平に回動する機構(符号の番号:70番台)、軸回転する機構(符号の番号:80番台)から構成されている。
【0023】
本願発明の直管形LED灯11は、図4に示すように、直管形LED灯の一端の口金13は受金14に嵌合されている。
受金にはスリーブ15が取付固定され、さらにスリーブはアウターローターモータ81の外周に固定取付され、アウターローターモータはシャフト65に取り付けられている。
また、スリーブは、直管形LED灯の揺れ・脱落を防止している。
図5に示す通常のモータ83とギァ84を使用した回動機構も同様である(後述する。)。
直管形LED灯の口金・受金には、日本照明工業会規格の GX16t-5 が使用される。
直管形LED灯の固定端でない他端は、図1に示すように、口金保護キャップ12によって破損しないように保護されている。
【0024】
図1に本願発明の使用状況を示す。
回動・回転機構50の外観に関わる部分は、上下・水平回動機構および回転機構を取付固定する台板51、該機構を壁面に取付固定する取付板52、該機構を埃・ごみ等から保護する蛇腹53、台板下部に取り付けられた部品(例えば基板)を保護し美観を良くするカバー54、および人感センサー55から構成されている。
使用状況によっては、蛇腹またはおよびカバーを省略することもできる。
なお、図1に示す蛇腹は上下の回動を考慮したものであるが、水平の回動に関しては、蛇腹構造を垂直方向に設けることにより、水平の回動に対処できる(図面省略)。
また、回動に対処できる構造のものなら他の構造のものを使用しても良い。
直管形LED灯11の電源回路基板、回動・回転機構に関する電子基板および人感センサー関係の電子基板等は台板の下部に取り付けられる(図面省略)。
【0025】
上下に回動する機構の一例を図2および図3に示す。
モータ(上下回動用)61によって与えられた回転力は、ギァ(上下回動用)62によって、シャフト65を上下に回動する。
【0026】
水平に回動する機構の一例を図2および図3に示す。
モータ(水平回動用)71によって与えられた回転力は、ギァ(水平回動用)72により、ターンテーブル73を回転軸74回りに回転させる。
これにより、上下回動機構を水平に回動することができる。
なお、滑らかな回転を得るためにベアリング75を使用した例を図示しているが、ベアリングに替えて潤滑性シート、例えばテフロン(登録商標)シート、を使用しても良い。
【0027】
軸回転する機構の二例を図4および図5に示す。
図4は、アウターローターモータ81を使用した例であり、アウターローターモータはシャフト65に固定されている。
アウターローターモータの外周には、スリーブ15が取付固定され、また該スリーブは直管形LED灯11の受金14に固定されている。
よって、アウターローターモータのアウターローターが回転すれば、即、直管形LED灯は軸回りに回転することになる。
なお、この方式の場合には回転を減速する機構を内蔵していないため、ステップモータの使用が望まれる(電子回路の詳細省略)。
図5は、モータ(軸回転用)83およびギァ(軸回転用)84を採用した例を示す。
モータ(軸回転用)はシャフトに固定されている。
モータ(軸回転用)から与えられた回転力は、ギァ(軸回転用)を介して、直管形LED灯の受金14に伝えられる。
この場合、揺れ・脱落防止用に取り付けられるスリーブは、シャフトに固定された外スリーブ17と、受金に固定された内スリーブ16とから構成されるから、両スリーブを滑らかに擦動させることが必要であり、このため本願発明では潤滑性シート18を介在させている。
【0028】
人感センサー55には、単に人の出入を検知だけのセンサーのみならず、指向性の強いセンサーも使用される。指向性を利用することにより、特定方向の場所の遠近の差異を利用でき、陳列品に一層の注意を引かせることが可能となる。
【0029】
また、回動機構50には、回動限界を設定できる接触あるいは非接触センサーが組み込まれ(詳細省略)、回動の指示は、遠隔操作により行われ、それには赤外線等を利用したリモコン機器が使用される(詳細省略)。
【産業上の利用可能性】
【0030】
本願発明は、日常生活に必要不可欠な照明に関するものであって、直管形LED灯の構造上の特徴を引き出し、またLED光源の有する諸機能を手軽に利用可能にし、省エネルギーに貢献できるとともに、保安も考慮された製品であるという点で、産業上の利用可能性が高いものである。
【符号の説明】
【0031】
11 直管形LED灯
12 口金保護キャップ
13 口金(GX16t-5)
14 受金(GX16t-5)
15 スリーブ
16 内スリーブ
17 外スリーブ
18 潤滑性シート
50 回動・回動機構
51 台板
52 取付板
53 蛇腹
54 カバー
55 人感センサー
61 モータ(上下回動用)
62 ギァ (上下回動用)
65 シャフト
71 モータ(水平回動用)
72 ギァ (水平回動用)
73 ターンテーブル
74 回転軸
75 ベアリング
81 アウターローターモータ
83 モータ(軸回転用)
84 ギァ (軸回転用)
【要約】
【課題】直管形LED灯の構造上の特徴に注視し、直管形LED灯の利用範囲を拡げることを課題とする。
【解決手段】
直管形LED灯の一端に着脱可能な口金・受金を設け、該口金・受金を、二つの方向、例えば或る方向および該方向と直角な関係にある方向、に回動させ得る手段を採用した。また、直管形LED灯の直管軸の回りに回転させる手段を設けた。さらに、本願発明は、上記手段に加え、人の出入によって作動する人感センサーおよび指向性の強い人感センサーを設けて、利用範囲を一層拡大した。
【選択図】 図1
図1
図2
図3
図4
図5