(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
(封緘装置)
図1乃至
図3は、参考例として示す封緘装置の全体の構成を示している。
図1は、封緘装置Kの全体の斜視図である。
図1において、封筒Nの搬送経路は、往路と復路を有する往復式(あるいはスイッチバック式)となっており、往路の搬送方向を矢印F1で示し、復路の搬送方向を矢印F2で示している。また、説明の都合上、往路搬送方向F1側を装置の「前側」と称し、搬送方向F1(及びF2)と直交する方向を、搬送幅方向Wと称して説明する。
【0013】
封緘装置Kは、本体ケース4の後側の上段に、未封緘状態の封筒Nを積載する封筒供給部2が設けられ、下段に、封緘後に排出される封筒Nを積載する封筒受け部3が設けられている。本体ケース4の搬送幅方向Wの一端部側には、操作パネル5が設けられている。
【0014】
図2は装置内部の平面図、
図3は
図2のI-I断面図であり、
図3において、本体ケース4内には、後側から順に、第1の搬送ローラ機構としての役目も果たす捌きローラ機構11、第2の搬送ローラ機構12、第3の搬送ローラ機構としての役目も果たす封止部13、糊塗布部14、折り目形成部15、及び第4の搬送ローラ機構としての役目も果たす位置決め用ローラ機構16が配設されている。封筒供給装置1は、封筒供給部2、捌きローラ機構11及び第2の搬送ローラ機構12により構成される。
【0015】
(封筒供給部2)
図2、3において、封筒供給部2は、複数の封筒Nが載置される載置台21と、載置台21上に設けられ、封筒Nの幅方向両端を規制する左右一対のガイド板22と、載置台21に形成された開口から上方に突出する複数の供給ローラ23を備えており、該供給ローラ23の表面には、搬送幅方向Wに延びる多数の切り込み溝が形成されている。一対のガイド板22は、載置台21上に載置された封筒Nの前端縁が当接する前板19に連結され、前記前板19上面には、ガイド板22の搬送幅方向Wへの移動及び移動後の該ガイド板22の固定に用いる摘み18が設けられている。ガイド板22の前端下部及び後端下部には、それぞれ載置台21に設けたガイド板案内用の開口77に挿通され、下方に延びる案内棒72が設けられており、一対のガイド板22が封筒Nの大きさに応じて、搬送幅方向Wの位置が調節自在である。
【0016】
各供給ローラ23は、搬送幅方向Wの一端部に設けられたギヤ伝達機構24及び第1のベルト伝達機構25を介して、第1の駆動モータ26に連結し、該第1の駆動モータ26により、総ての供給ローラ23が同期回転するようになっている。
【0017】
(捌きローラ機構11)
図4は第1の搬送ローラ機構としての役目も果たす捌きローラ機構11の断面図であり、
図5は、前記捌きローラ機構11の部分拡大斜視図である。
図4、5において、捌きローラ機構11は、往路搬送経路の下側に配置された搬送ローラ31と、該搬送ローラ31の上側に配置された捌きローラ32とから構成されている。この搬送ローラ31は、載置台21上に載置され、供給ローラ23により搬送された封筒Nを更に下流側へ搬送する。
図4に示すように、捌きローラ32は、搬送幅方向Wに間隔おいて4個配設され、搬送ローラ31も、搬送幅方向Wに間隔をおいて、前記各捌きローラ32に対応する位置に4個配設されている。
【0018】
図4において、4個の搬送ローラ31は共通の一本の駆動軸33に固着されており、該駆動軸33は、左右側壁30に回転自在に支持されると共に、軸方向の一端部側が前記ギヤ伝達機構24に連結されている。すなわち、4個の搬送ローラ31は、共通の駆動軸33により一体的に回転し、且つ、ギヤ伝達機構24を介して前記供給ローラ23とも同期回転するように構成されている。
【0019】
一方、捌きローラ32は、1本ずつ独立したローラ支軸34に、ワンウエイクラッチ35を介して、一方向のみ回転可能にそれぞれ支持されており、各ローラ支軸34は、それぞれローラホルダー36に固定されている。各捌きローラ32の搬送幅方向Wの寸法は、搬送ローラ31の搬送幅方向Wの寸法よりも小さくなっている。
【0020】
図5において、搬送ローラ31は、封筒Nを往路搬送方向F1に送り出すように、駆動軸33と共に矢印A1方向に回転駆動される。
【0021】
捌きローラ32のローラ支軸34は、ローラホルダー36の前下端部に支持されており、捌きローラ32は、前記ワンウエイクラッチ35の作用により、ローラ支軸34回りに矢印B1方向へのみ回転可能で、逆方向へは回転しないように構成されている。ローラホルダー36は、その後下端部が、揺動支軸38に揺動自在に支持されており、矢印C1方向及び矢印C2方向に揺動する。これにより、各捌きローラ32及びローラ支軸34は、個々独立して、揺動支軸38回りに上下方向に揺動可能となっている。すなわち、搬送ローラ31に対し、4個の捌きローラ32は、個々独立して上下方向に接近離間自在となっている。
【0022】
各ローラホルダー36の後上端部には、コイルばねにより構成されるばね37の後端部がそれぞれ係止され、このばね37は前方に延び、前端部が左右側壁30に架設された固定壁39に係止されている。すなわち、ローラホルダー36の後上端部と前方の固定壁39との間にばね37を張設することにより、各ローラホルダー36を揺動軸38回りに搬送ローラ31側へ矢印C1方向に付勢し、搬送ローラ31に当接させている。
【0023】
ローラホルダー36の前上端部には、捌き圧調整手段40を備えている。捌き圧調整手段40は、ローラホルダー36に係止する係止部材44を備えており、係止部材44は、ばね37の付勢力に抗してローラホルダー36を、揺動軸38を軸心に矢印C2方向へ揺動させることで、捌きローラ32を搬送ローラ31に対し離間させる。本参考例では、係止部材44は、螺子46により構成され、該螺子46が装置本体54の固定壁39から上方に突出した突出壁部47を貫通して設置されている。突出壁部47には、螺子46が螺合する雌螺子穴50が形成され、螺子46の後端部は、ローラホルダー36の前上端部から上方に突出した当接部48に当接している。
図6において、同図(a)に示す螺子46を手動により回転することで、同図(b)に示すように、該螺子46は後側へ螺進し、螺子46の後端部が当接部48を押すことで、ローラホルダー36がばね37の付勢力に抗して揺動軸38回りに矢印C2の方向へ回動し、捌きローラ31は搬送ローラ31から所定量Lだけ離れる。
【0024】
(第2の搬送機構12)
図3において、第2の搬送ローラ機構12は、往路搬送経路の下側に配置された搬送ローラ41と、該搬送ローラ41の上側に配置された押さえローラ42とから構成されており、搬送ローラ41は、搬送経路の搬送幅方向Wの略全幅に亘るように形成され、押さえローラ42は、捌きローラ32と同様に、搬送幅方向Wに間隔おいて4個配設されている。図示省略するが、この4個の押さえローラ42の各ローラ支軸は、捌きローラ32と同様に、それぞれローラホルダーに回転自在に支持され、該ローラホルダーは、揺動軸を軸心として揺動自在となっている。
【0025】
図2に示すように、搬送ローラ41の駆動軸は、左右側壁30に回転自在に支持されると共に、軸方向の一端が、第2のベルト伝達機構45に連結され、該第2のベルト伝達機構45は、
図3に示す第2の駆動モータ49に連結されている。
【0026】
(封止部13)
封止部13は、往路兼復路の搬送経路の下側に配置された搬送ローラ51と、該搬送ローラ51の上側に配置された押さえローラ52と、封筒検出センサー58とから構成されており、搬送ローラ51及び押さえローラ52は、共に搬送経路の搬送幅方向Wの略全幅に亘るように形成される。搬送ローラ51の駆動軸は、左右側壁30に回転自在に支持され、軸方向の一端が、第3のベルト伝達機構69に連結され、該第3のベルト伝達機構69は、
図3に示す第3の駆動モータ70に連結されている。
ている。
【0027】
図3に示すように、封筒検出センサー58は、発光素子と受光素子が封筒搬送経路を挟み上下に設置される。
図2において、該封筒検出センサー58は、搬送幅方向Wに間隔をおいて一対配置されており、封筒Nの後端(あるいは前端)の通過を検出することにより、封筒Nの通過の有無に加え、左右の検出センサー58の検出タイミングの相違による封筒Nの斜行と、折り目形成部15及び糊塗布部14における封筒停止位置を決めるためのカウント開始位置を、検出する。
【0028】
(糊塗布部14)
図7は、
図3におけるIII−III線矢視断面図である。糊塗布部14は、搬送幅方向Wに延びる上下のガイドレール61,62に移動可能に支持されたスライダー63と、該スライダー63に昇降可能に支持されたカセットホルダー64と、該カセットホルダー64に着脱自在に装着されたテープ糊カセット65と、テープ糊カセット65の下方に配置された糊付け台66とを備えている。前記ガイドレール61,62は、保持ケース60の左右側壁に支持されている。スライダー63は、ガイドレール62と平行に敷設されたベルト式駆動機構67に連結され、カセットホルダー64は、スライダー63内に配置された昇降用駆動モータ68に連結されている。
【0029】
テープ糊カセット65は、搬送幅方向Wの一端部側の作動開始位置において、上昇位置から下降し、下降位置において加圧ローラ75がテープ糊を糊付け台66の上面に押し付け、次に、テープ糊カセット65を搬送幅方向Wの他端部側に移動することにより、加圧ローラ75を摩擦により回転させつつ、テープ糊の糊を封筒NのフラップNaに塗布して行く。そして、搬送幅方向Wの他端終了位置まで至った後は、上昇位置まで上昇し、他端終了位置から搬送幅方向Wに移動して前記作業開始位置に戻る。
【0030】
(折り目形成部15)
図3において、折り目形成部15は、前記糊塗布部14の糊付け台66の往路搬送方向F1側に隣接するように配置された下型81と、該下型81に上方から対向する上型82とを備えており、下型81には、略V字状の折り目形成用凹部81aが形成され、上型82は、前記凹部81aに嵌入可能な厚板状に形成されている。前記上型82は、昇降可能な昇降フレーム83の上端部に固着され、昇降手段84により昇降される。
【0031】
(位置決め用ローラ機構16)
図3において、第4の搬送ローラ機構としての役目も果たす位置決め用ローラ機構16は、折り目形成部15の前側に配置されており、搬送経路の下側に配置された搬送ローラ91と、搬送ローラ91に上方から対向する押さえローラ92とから構成されている。搬送ローラ91の駆動軸は、左右側壁30に回転自在に支持され、軸方向の一端が、第3のベルト伝達機構69に連結され、搬送ローラ91は、第3の駆動モータ70の駆動より封止部13の搬送ローラ51と同期回転するように構成されている。
【0032】
(封緘作業)
封緘作業の際、
図3において、封筒Nの後端側に位置するフラップNaの糊付け面が上方に向き、該フラップNaが開いた状態で、封筒供給部2の載置台21上に積載される。積載された封筒Nは、供給ローラ23の回転により、最下位から往路搬送方向F1に供給され、捌きローラ機構11により、一枚ずつに分離される。
【0033】
図5において、捌きローラ機構11では、搬送ローラ31と捌きローラ32との間で封筒Nが挟持されており、搬送ローラ31が矢印A1方向に回転するのに対し、捌きローラ32は矢印B1方向のみに回転し、矢印B1と逆方向へは回転しない。これにより、たとえ、封筒Nが重送されて来た場合でも、下側の封筒Nのみを供給し、上側の封筒Nを停止する。すなわち、一枚ずつ封筒Nを分離する。
【0034】
封筒Nの分離には、搬送ローラ31と捌きローラ32との間に封筒Nを挟持することで、ばね37の付勢力に抗して捌きローラ32が持ち上がり、ローラホルダー36が揺動軸38を軸心として矢印C2方向へ回転する。封筒Nの内容物が、冊子や所定枚数重ねられた短冊状の紙片、ケース入りのCD、液状サンプルや販促試供品などように比較的厚みのあるものの場合、封筒Nの幅方向で厚さが異なったものとなる。この結果、搬送幅方向Wに4個ある捌きローラ32のうち封筒Nの厚さが厚くなった箇所に対応する一部の捌きローラ32は、他の捌きローラ32より搬送ローラ31から大きく離間し、揺動軸38を軸心とした矢印C2方向の回転量が大きくなる。すると、ばね37の付勢力に強弱が生じ、一部の捌きローラ32の挟持圧力が他より強くなり、封筒Nを傾斜して搬送してしまう。
【0035】
そこで、使用者は、封筒Nの厚くなっている箇所のばね37の付勢力を、捌き圧調整手段40により調整する。その際、調整の必要な封筒Nの厚くなった箇所に対応する螺子46を回転し、ローラホルダー36を矢印C2方向へ揺動させ、
図8に示すように、封筒Nの厚くなった箇所の捌きローラ32aと搬送ローラ31との間の距離Lを、封筒Nの厚さより長くする。これにより、封筒Nの幅方向で、厚さが異なっても、封筒Nを挟持する力に強弱が生じることなく、封筒Nの薄い箇所に対応する捌きローラ32bによって封筒Nを1枚ずつ分離するので、封筒Nの傾行を防止可能である。
【0036】
捌きローラ機構11において1枚に分離された封筒Nは、第2の搬送ローラ機構12により、封止部13へと搬送される。第3の搬送ローラ機構の役目も果たす封止部13により、さらに往路搬送方向F1へ搬送され、糊塗布部14及び折り目形成部15を通り、封筒Nの大部分が位置決め用ローラ機構16の上下のローラ91,92に挟持され、かつ、封筒Nの後端にあるフラップNaが糊塗布部14の糊受け台66上に至った所定位置で、停止される。
【0037】
上記停止状態において、糊塗布部14では、封筒NのフラップNaが糊塗布部14の糊受け台66に位置し、かつ、フラップNaの根元(折り目形成位置)が折り目形成部15に位置するように、位置決め用ローラ機構16のローラ91,92により所定位置に停止保持される。そして、まず、折り目形成部15の上型82が中間位置まで下降し、フラップNaの根元を軽く押さえることによりフラップNaを水平状態に安定させると共に、糊付け台66に押さえ付け、続いて、糊塗布部14のテープ糊カセット65が下降位置まで下降し、下降位置において加圧ローラ75がテープ糊を糊付け台66の上面に押し付け、次に、テープ糊カセット65を搬送幅方向Wの他端部側に移動することにより、加圧ローラ75を摩擦により回転させつつ、テープ糊の糊を封筒NのフラップNaに塗布して行く。
【0038】
糊付け工程終了後、折り目形成部15の上型82は、中間位置からさらに最下位置まで下降し、これにより、フラップNaの根元に折り目を形成し、フラップNaを上方へ傾斜させる。
【0039】
その後、位置決め用ローラ機構16の各ローラ91,92及び封止部のローラ51,52が反転することにより、封筒Nは復路搬送方向F2に搬送され、封止部13のローラ51,52間を通過することにより、フラップNaが封筒本体Nbに貼着され、封筒受け部3に排出される。
【0040】
(捌きローラ機構の他の参考例)
図9は、捌きローラ機構11の他の参考例を示している。
図9では、捌き圧調整手段40aが、螺子46に替えて、モータ(図示省略)の駆動によって回動するカム機構54を備え、該カム機構54が、ローラホルダー36の前端部に当接され設置されている。また、新たに、厚さセンサ55を設けている。厚さセンサ55は、搬送ローラ31と捌きローラ32の間に挟持した封筒Nの搬送幅方向Wにおける厚さ情報を検出する。
【0041】
図9では、厚さセンサ55が、ローラホルダー36の後面部に設置された反射板56と、該反射板56の後方に設置された反射型センサ57とにより構成され、反射型センサ57の発光素子から発した光を反射板56で反射し、反射型センサ57の受光素子に受光させ、ローラホルダー36と反射型センサ57設置位置との距離を検出する。搬送ローラ31と捌きローラ32の間に挟持した封筒Nの厚さFに応じて、ローラホルダー36の揺動量が変化するので、ローラホルダー36の反射型センサ57設置位置からの距離を検出することで、封筒Nの厚さ情報が得られる。
【0042】
この厚さセンサ55により検出された厚さ情報に基づいて、個々の捌き圧調整手段40aを制御する。封筒Nの厚さが幅方向で異なる場合、捌きローラ機構11に至った封筒Nを、
図9(b)において一点鎖線で示すように、搬送ローラ31と捌きローラ32との間に挟んだ状態で一旦停止する。そして、4個の捌きローラ32の上方への変位量を、それぞれ厚さセンサ55の検出値を基に演算し、封筒Nの幅方向における厚さFの分布を得る。得られた厚さ情報に基づいて、各モータを駆動するかどうかを決定し、封筒Nの他の箇所より所定量以上厚くなっている箇所に対応する捌きローラ32を、該捌きローラ32と搬送ローラ31との間の距離Lが、封筒Nの厚さFより長くなるまで揺動させる。これより、封筒Nは、幅方向で厚さの薄い箇所に対応する捌きローラ32により分離され、1枚の封筒Nのみ下流側へ搬送することができ、封筒Nの内容物が幅方向で厚さが異なっても、斜行することなく適正に搬送可能である。
【0043】
(実施形態)
図10,11は、本発明の一実施形態にかかる封緘装置Kaの封筒供給部2を示している。本実施形態の封緘装置Kaの構成は上記参考例と略同じである。
図10は、封筒供給部2aの平面図の一部であり、
図11は、
図10のIV-IV断面図である。
図10,11では、封筒供給部2aのガイド板22aの下部に、ガイド板位置センサ59を設けている。ガイド板位置センサ59は、載置台21におけるガイド板22aの搬送幅方向Wの位置を検出する。ガイド板22aの後端下部に設けられたガイド板案内用の開口77に挿通され、下方に延びる各案内棒72aの下端部は、載置台21の封筒N載置面の下方で前方へ屈曲して延在し、搬送幅方向Wに延びるよう設置されたラック73にそれぞれ連結されている。各ラック73の下面には、該ラック73の搬送幅方向W略中央部に設置されたピニオン74が噛合しており、ピニオン74の回転量がポテンションメーター76により検出される。
【0044】
また、糊塗布部14では、前記ガイド板位置センサ59の検出結果に基づいて、糊塗布部14における封筒Nへの糊の塗布位置を制御する。
【0045】
本実施形態にかかる封緘装置Kaを用いて封緘作業する際は、
図12に示すように、例えばカタログの袋とじ部分のように、封筒Ncの厚さが幅方向の一部のみ厚くなっている箇所Tがある場合、載置台21上に載置される封筒Ncの位置が、使用者によって予め適正な位置に合わせされる。適正な位置とは、封筒Ncの厚さが他より厚くなっている箇所Tが、複数の捌きローラ32に接触することのないように、中央から左右いずれかに移動させた位置である。
図12では、封筒Ncを左側へ移動させた場合を示す。
【0046】
そして、使用者により、載置台21上で、封筒Ncが中央から左右いずれかに移動した位置に載置され、一対のガイド板22aが例えば
図12に示すように、封筒Ncの幅方向両端が当接する位置に移動され、位置合わせされ、摘み18の回転により当該位置に固定される。ガイド板22aの移動に伴いラック73は、搬送幅方向Wに移動し、ピニオン74を回動させ、ポテンションメーター76によってピニオン74の回転量が計測され、これにより、載置台21におけるガイド板22aの搬送幅方向Wの位置が検出される。
【0047】
載置台21上の封筒Ncが、供給ローラ23の回転により載置台21から往路搬送方向F1に供給され、捌きローラ機構11に至ると、該封筒Nの厚さが他より厚くなっている箇所Tが、捌きローラ32に接触することなく通過するとともに、厚さが薄い箇所に対応する捌きローラ32よって1枚ずつ分離される。このように、封筒Ncの厚い箇所Tに捌きローラ32が接触しないので、封筒Ncの薄い箇所に対応する捌きローラ32によって封筒Ncを略同等のばね37の付勢力により挟持できる。そして、封筒Ncの薄い箇所に対応する捌きローラ32によって封筒Ncを1枚ずつ分離し、封筒Ncの傾行を防止可能である。
【0048】
捌きローラ機構11において1枚に分離された封筒Ncは、第2の搬送ローラ機構12、封止部13を経て、糊塗布部14に至り、フラップNaの上面に糊が塗布される。このとき、テープ糊の糊を塗布する位置を、ガイド板22aの検出結果に合わせて搬送幅方向Wに移動し、中央から偏った位置にあるフラップNaの一方の端部から他方の端部まで、糊塗布する。
【0049】
これより、載置台21の中央から偏った位置に封筒Ncを載置する場合にも、ガイド板位置センサ59の検出結果に基づいて、糊塗布部14における封筒Ncへの糊の塗布位置を制御することで、載置台21における搬送幅方向Wの移動量と同じだけテープ糊カセット65の糊塗布位置を移動し、フラップからはみ出すことなく適正に糊を塗布することができ、封緘処理することができる。
【0050】
尚、上記参考例及び実施形態では、捌きローラ32及び搬送ローラ31を搬送幅方向Wに間隔をおいて、4個配設したが、捌きローラを搬送幅方向に間隔をおいて複数設ければよく、2個、3個、または5個以上としてもよい。また、捌きローラ32のローラ支軸38を、回転自在に支持するローラホルダー36を備えたが、他の構成で捌きローラを支持してもよい。また、ばね37の一端部が、ローラホルダー36に係止されるとともに、他端部が装置本体の固定壁39に係止されたが、他の機構でばねを係止してもよい。例えば、捌きローラの側方に伸びたローラ支軸にばねを係止してもよい。
【0051】
また、捌き圧調整手段40は、ローラホルダー36に係止する係止部材44を備え、係止部材44は、螺子46またはカム機構54により構成したが、他の構成を用いてもよい。また、係止部材44は、ばね37の付勢力に抗してローラホルダー36を、揺動軸38を軸心に揺動させることで、捌きローラ32を搬送ローラ31に対し離間させたが、ばねの付勢力を強める方向に係止し、薄い封筒の重送を防止するようにしてもよい。
【0052】
また、捌き圧調整手段40、40aは、螺子46の回動を手動で行って調整するか、厚さセンサ55により検出された厚さ情報に基づいて、自動でモータを駆動し制御する構成としたが、これらに替えて、操作パネルより入力された封筒の搬送幅方向における厚さ情報に基づいて制御してもよく、捌きローラと搬送ローラとの距離を計測し厚さ情報を得てもよい。また、厚さセンサ55は、反射板56と反射型センサ57とにより構成したが、他の構成としてもよい。
【0053】
また、捌き圧調整手段40,40aは、封筒Nの厚くなった箇所の捌きローラ32が、封筒Nに接触しない高さLとなるようばね37の付勢力を調整し、薄い箇所に対応する捌きローラ32により封筒Nを分離したが、封筒Nの厚くなった箇所の捌きローラを付勢するばねの付勢力を、他の捌きローラを付勢するばねの付勢力と略等しくなるよう調整してもよく、または所定量だけ弱くするように調整してもよい。これにより、捌きローラと封筒との接触圧力を調整することができ、封筒を1枚ずつ分離しやすくなる。
【0054】
また、上記実施形態のガイド板22,22aは、摘み18が設けられ手動により搬送幅方向Wへの移動し、摘み18の回転により所定位置に固定されたが、これに替えて、モータと、モータの駆動によりガイド板を搬送幅方向へ移動する移動手段とを備えることとしてもよい。
【0055】
また、参考例及び実施形態では、搬送経路が往路と復路とを有する往復式の封緘装置Kを説明したが、一つの搬送方向のみを有する貫通式の搬送経路を有する封緘装置にも適用可能である。また、封筒供給装置1は、封筒供給部2、捌きローラ機構11及び第2の搬送ローラ機構12により構成したが、第2の搬送ローラ機構は省略可能である。また、封筒供給装置1により供給した封筒Nのフラップに糊を塗布し、封止する封緘装置に用いたが、これに限定されず、他の処理、例えば、封入機の後処理に用いてもよく、宛名や内容物の確認装置へ封筒を供給する際に用いてもよい。