特許第6142297号(P6142297)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6142297
(24)【登録日】2017年5月19日
(45)【発行日】2017年6月7日
(54)【発明の名称】遠隔地設置デバイスの統合管理システム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20170529BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20170529BHJP
【FI】
   G06F3/12 328
   G06F3/12 329
   G06F3/12 303
   G06F3/12 306
   G06F3/12 347
   G06F3/12 387
   G06F3/12 388
   H04N1/00 107Z
【請求項の数】6
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2013-95830(P2013-95830)
(22)【出願日】2013年4月30日
(65)【公開番号】特開2014-215991(P2014-215991A)
(43)【公開日】2014年11月17日
【審査請求日】2016年4月27日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】500112146
【氏名又は名称】サイレックス・テクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000822
【氏名又は名称】特許業務法人グローバル知財
(72)【発明者】
【氏名】木地 隆浩
(72)【発明者】
【氏名】山中 伸二
(72)【発明者】
【氏名】辰己 雅一
【審査官】 三橋 竜太郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−011570(JP,A)
【文献】 特開平07−141281(JP,A)
【文献】 特開2010−033202(JP,A)
【文献】 特開2013−027028(JP,A)
【文献】 特開2005−149391(JP,A)
【文献】 特開2013−020326(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/09−3/12
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の周辺デバイスと、
前記複数の周辺デバイスに接続された複数の専用ユニットと、
前記複数の周辺デバイスのドライバが予め全てインストールされた管理サーバと、
専用ユニットと管理サーバを接続するインターネットと、
管理サーバとローカルエリアネットワークで接続され、仮想ドライバがインストールされたクライアント端末と、
で構成され、
管理サーバの記憶ユニットには各専用ユニットに対応するディレクトリが設けられ、
クライアント端末は、特定の周辺デバイスに処理させる場合、仮想ドライバによって、
処理データを処理対象の周辺デバイスに対応した前記ディレクトリ下に転送し、
管理サーバは、前記処理データを処理対象の周辺デバイスに対応したドライバを用いて周辺デバイス出力用ファイルに加工し、加工したファイルを処理対象の周辺デバイスに対応したディレクトリ下に保存し、処理対象の周辺デバイスに接続されている専用ユニットの特定ディレクトリに対して、httpプロトコル又はhttpsプロトコルでアクセスすることにより、前記ディレクトリ下に保存された前記ファイルを専用ユニットの特定ディレクトリ下にアップロードし、
専用ユニットは、特定ディレクトリ下に前記ファイルが存在する場合に周辺デバイスに前記ファイルを転送し処理させる、
ことを特徴とする統合管理システム。
【請求項2】
複数の周辺デバイスと、
前記複数の周辺デバイスに接続された複数の専用ユニットと、
前記複数の周辺デバイスのドライバが予め全てインストールされた管理サーバと、
専用ユニットと管理サーバを接続するインターネットと、
管理サーバとローカルエリアネットワークで接続されたクライアント端末と、
で構成され、
管理サーバの記憶ユニットには各専用ユニットに対応するディレクトリが設けられ、
周辺デバイスにイベントが発生した場合、
専用ユニットは、周辺デバイスからイベントに伴う処理データを取得しファイルとして特定ディレクトリに保存し、
管理サーバは、前記特定ディレクトリ(専用ユニットのディレクトリ)をhttpプロトコル又はhttpsプロトコルでアクセスすることにより、前記ファイルをダウンロードし、処理対象の周辺デバイスに対応したドライバを用いて周辺デバイスのファイルを加工し、加工したファイルを専用ユニットに対応したディレクトリ(管理サーバのディレクトリ)下に保存し、
クライアント端末は、加工されたファイルを管理サーバのディレクトリ下から取得する、ことを特徴とする統合管理システム。
【請求項3】
管理サーバは、
周期的に、専用ユニットの前記特定ディレクトリをhttpプロトコル又はhttpsプロトコルでアクセスする、ことを特徴とする請求項に記載の統合管理システム。
【請求項4】
専用ユニットは、
周辺デバイスからイベントに伴う処理データを取得しファイルとして特定のディレクトリに保存した場合、管理サーバに対して通知し、
管理サーバは、
前記通知を受けた場合、通知を受けた専用ユニットの前記特定ディレクトリをhttpプロトコル又はhttpsプロトコルでアクセスする、ことを特徴とする請求項に記載の統合管理システム。
【請求項5】
複数の周辺デバイスと、
前記複数の周辺デバイスに接続された複数の専用ユニットと、
前記複数の周辺デバイスのドライバが予め全てインストールされた管理サーバと、
専用ユニットと管理サーバを接続するインターネットと、
管理サーバとローカルエリアネットワークで接続されたクライアント端末と、
で構成され、
管理サーバの記憶ユニットには各専用ユニットに対応するディレクトリが設けられ、
周辺デバイスにイベントが発生した場合、
専用ユニットは、周辺デバイスからイベントに伴う処理データを取得しファイルとして特定ディレクトリに保存し、管理サーバの専用ユニットに対応した前記ディレクトリに対して、httpプロトコル又はhttpsプロトコルでアクセスすることにより、前記特定ディレクトリ下に保存された前記ファイルを、管理サーバの専用ユニットに対応した前記ディレクトリ下にアップロードし、
管理サーバは、前記ファイルを、処理対象の周辺デバイスに対応したドライバを用いて周辺デバイスのファイルを加工し、加工したファイルを専用ユニットに対応したディレクトリ(管理サーバのディレクトリ)下に保存し、
クライアント端末は、加工されたファイルを管理サーバのディレクトリ下から取得する、ことを特徴とする統合管理システム。
【請求項6】
1つの専用ユニットに複数の周辺デバイスが接続されている場合、前記専用ユニットに対応するディレクトリが、接続されている周辺デバイスの個数分だけ設けられることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の統合管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多くの箇所の遠隔地に設置されたプリンタやスキャナーなどの周辺デバイスを統合管理するシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
1台でプリンタとスキャナー、コピー機、ファクシミリなどの機能を兼ねるといった複数の機能を搭載した複合的な周辺デバイスをMFP(multifunction peripheral)という。
現状、遠隔地に設置されているMFPをリモート制御する方法として、ネットワークに対応したMFPを使用し、インターネット経由で制御する方法がある。
しかしながら、インターネット経由でMFPを制御するため、回線速度に依存することになり、回線の状態によってはスキャンやプリント動作に時間を要するため、場合によっては遅延によるエラーが発生する可能性がある。また、スキャンやプリント動作に時間を要するため、その間は制御を行うコンピュータ端末(PC)が占有されることになり、端末作業の効率面に影響が生じることがある。
【0003】
また、MFPの制御には、それぞれのMFP用のドライバをインストールしておく必要がある。例えば、オフィス内のローカルエリアネットワーク(LAN)内であれば、設置台数も限定されることから、仮に複数のドライバがインストールされていた場合でも、ドライバの判別が可能である。
しかし、遠隔地にある多数の店舗内の自動契約機などがネットワーク通信で接続され、オペレータが集中遠隔操作によって、店舗に来店する来訪者に対応するシステムにおいて、来訪者対応で自動契約機に組込まれたMFPを使用する場合、ローカルエリアネットワーク(LAN)内に設置される状況とは異なり、自動契約機の設置台数はLANと比較すると桁が違ってくる可能性がある。そのため、例えば、特定のMFPに印刷を行う場合、インストールされている複数のプリンタドライバから、特定のMFPに対応したプリンタドライバを探し出し、そのプリンタドライバを選択して印刷を行う必要があるが、MFPの設置台数が非常に多くなると、特定のMFPに対応したプリンタドライバの検索作業が煩雑・困難になり、操作作業の効率の低下を招く要因になる。
これまで、特定のMFPに対応したドライバのセットアップやドライバの検索作業の煩雑さは、特許文献1に指摘されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−250704号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記状況に鑑みて、本発明は、クライアント端末の操作効率の低下を回避でき、遠隔地に多数設置された周辺デバイス(MFPなど)を、インターネット経由で集中管理・遠隔操作できるシステムを提供することを目的とする。
また、各種の周辺デバイスのドライバを一元管理できることにより、ドライバの更新作業や周辺デバイスの変更に伴うドライバのインストール作業の効率化を図ることができるシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成すべく、本発明の第1の観点の統合管理システムは、複数の周辺デバイスと、周辺デバイスに接続された専用ユニットと、周辺デバイスのドライバがインストールされた管理サーバと、専用ユニットと管理サーバを接続するインターネットと、管理サーバとローカルエリアネットワークで接続され、仮想ドライバがインストールされたクライアント端末とで構成される。
【0007】
管理サーバの記憶ユニットには各専用ユニットに対応するディレクトリが設けられる。
クライアント端末は、特定の周辺デバイスに処理させる場合、仮想ドライバによって、処理データを処理対象の周辺デバイスに対応したディレクトリ下に転送する。
管理サーバは、上記の処理データを処理対象の周辺デバイスに対応したドライバを用いて周辺デバイス出力用ファイルに加工し、加工したファイルを処理対象の周辺デバイスに対応したディレクトリ下に保存する。
専用ユニットは、自ユニットに接続された周辺デバイスに対応したディレクトリ(管理サーバのディレクトリ)をhttpプロトコル又はhttpsプロトコルでアクセスすることにより、管理サーバからファイルをダウンロードし、ダウンロードしたファイルを周辺デバイスに転送し処理させる。
【0008】
ここで、周辺デバイスとは、プリンタやスキャナーなどコンピュータの周辺デバイスのことであり、1台でプリンタとスキャナー、コピー機、ファクシミリなどの機能を兼ねるといった複数の機能を搭載した複合的な周辺デバイスをMFP(multifunction peripheral)を含む。また、周辺デバイスには、ハードディスクなどの記憶装置、キーボード、マウスをはじめ、デジタルカメラ、通信機器など特定の機能をもった周辺装置も含まれる。
【0009】
専用ユニットの構成について説明する。専用ユニットは、周辺デバイスとの接続およびインターネットとの接続が可能な各インタフェース部を備え、演算ユニット(CPU)、記憶ユニット(内部メモリや外部のUSBメモリ)を少なくとも有する。専用ユニットは、周辺デバイスとのインタフェース機能、インターネットとのインタフェース機能を実現できるOS(Operating
System)が搭載されている。
【0010】
また、管理サーバには、本システム内の全ての周辺デバイスの各種ドライバが予めインストールされ、各専用ユニットに対応するディレクトリが設けられている。各種ドライバとは、コンピュータに周辺デバイスを新たに接続するときに、それを認識させ使用できるようにするために必要な専用プログラムである。周辺デバイスと専用ユニットとの接続は、ケーブル接続であっても無線接続であってもよい。
【0011】
また、専用ユニットと管理サーバを接続するインターネットは、外部にファイル等のリソースを公開するオープンなネットワークであり、外部にファイル等のリソースを公開しないイントラネットと区別され、TCP/IPと呼ばれる固有のプロトコル(通信規約)体系が通用するネットワークである。
専用ユニットは、管理サーバのディレクトリ、すなわち、管理サーバのURL(Uniform Resource Locator)を予め記憶しており、httpプロトコル又はhttpsプロトコルで管理サーバのディレクトリにアクセスして、ファイルをダウンロードする。
httpプロトコル又はhttpsプロトコルでアクセスすることにより、専用ユニットと管理サーバの間に、様々なゲートウェイが存在した場合でも、容易にファイルをダウンロードすることが可能である。また、httpsプロトコルでアクセスすることにより、よりセキュリティー性を高めることができる。
【0012】
また、管理サーバとクライアント端末を接続するローカルエリアネットワーク(LAN)とは、ケーブルや無線などを使って、同じ建物の中にあるコンピュータや通信機器、プリンタなどを接続しデータをやり取りするネットワークである。同軸ケーブル、光ファイバーなどで接続する有線LAN、電波を用いる無線LANのいずれでもよい。システムでは、管理サーバおよびクライアント端末は1台以上である。
【0013】
また、クライアント端末には、仮想ドライバがインストールされている。仮想ドライバとは、上述のドライバ(コンピュータに周辺デバイスを新たに接続するときに、それを認識させ使用できるようにするために必要な専用プログラム)とは異なり、周辺デバイスの専用プログラムではない。クライアント端末を使用するユーザに、周辺デバイスを意識させ、その周辺デバイスのドライバを選択するプロセスを省くために、周辺デバイスによらず、全ての周辺デバイスのドライバとして振る舞えるように設計されたプログラムである。
【0014】
例えば、印刷処理する場合、文書編集用ソフトウェアなどから印刷ボタンを選択して出力させたいプリンタを選択する(実際はプリンタドライバを選択している)。仮想ドライバの場合、印刷ボタンを選択した際に専用プログラムのドライバと同様に選択候補に挙げられ、仮想ドライバが選択された際は、周辺デバイスに直接アクセスするのではなく、処理データを処理対象の周辺デバイスに対応した管理サーバの所定ディレクトリ下に転送する。
仮想ドライバによって、周辺デバイスの変更があった場合や、周辺デバイスの専用のドライバの変更があった場合でも、仮想ドライバは何ら変更不要である。
【0015】
次に、本発明の統合管理システムの他の観点について説明する。以下に説明する本発明の第2の観点の統合管理システムは、上述の第1の観点のシステムにおいて、クライアント端末が無い場合のシステムである。
すなわち、本発明の第2の観点の統合管理システムは、複数の周辺デバイスと、周辺デバイスに接続された専用ユニットと、周辺デバイスのドライバがインストールされた管理サーバと、専用ユニットと管理サーバを接続するインターネットとで構成される。
【0016】
上述の第1の観点のシステムと同様に、管理サーバの記憶ユニットには各専用ユニットに対応するディレクトリが設けられる。
上述の第1の観点のシステムと異なり、クライアント端末の代わりに、管理サーバが、特定の周辺デバイスに処理させる場合、処理データを処理対象の周辺デバイスに対応したドライバを用いて周辺デバイス出力用ファイルに加工し、加工したファイルを処理対象の周辺デバイスに対応したディレクトリ下に保存する。
そして、上述の観点のシステムと同様に、専用ユニットは、自ユニットに接続された周辺デバイスに対応したディレクトリ(管理サーバのディレクトリ)をhttpプロトコル又はhttpsプロトコルでアクセスすることにより、前記ファイルをダウンロードし、前記ファイルを周辺デバイスに転送し処理させる。
【0017】
実際の運用上は、複数のオペレータが存在することが想定されるため、管理サーバとLANで接続されるクライアント端末が複数台あるシステム構成となるが、クライアント端末が無く、1台以上の管理サーバのみが存在してもシステムとして運用が可能である。
【0018】
上述の如く、専用ユニットは、自ユニットに接続された周辺デバイスに対応したディレクトリ(管理サーバのディレクトリであって、当該専用ユニットに接続された周辺デバイスに対応したディレクトリを意味する。)をhttpプロトコル又はhttpsプロトコルでアクセスすることにより、管理サーバのディレクトリ下のファイルをダウンロードする。
専用ユニットが、自ユニットに接続された周辺デバイスに対応したディレクトリ(管理サーバのディレクトリ)下にファイルが有るか否かを知る方法として幾つか存在する。
【0019】
1つ目の方法は、専用ユニットが周期的に自ユニットに接続された周辺デバイスに対応したディレクトリをhttpプロトコル又はhttpsプロトコルでアクセスする方法である。例えば、10秒、15秒、20秒、30秒などのインターバルを置いて、定期的にhttpプロトコル又はhttpsプロトコルでアクセスする。これにより、管理サーバのディレクトリ下のファイルが存在すれば、管理サーバから専用ユニットへファイルがダウンロードされる。一方、管理サーバのディレクトリ下のファイルが存在しなければ、ファイルが見つかりませんといったエラーとなる。
【0020】
2つ目の方法は、管理サーバが周期的に専用ユニットに接続された周辺デバイスに対応するディレクトリ下にファイルが存在するか否かを判別し、ファイルが存在した場合、ファイルが存在するディレクトリに対応する専用ユニットに対して通知する方法である。専用ユニットは、通知を受けた場合、自ユニットに接続された周辺デバイスに対応したディレクトリをhttpプロトコル又はhttpsプロトコルでアクセスする。
【0021】
次に、本発明の第3の観点の統合管理システムは、複数の周辺デバイスと、周辺デバイスに接続された専用ユニットと、周辺デバイスのドライバがインストールされた管理サーバと、専用ユニットと管理サーバを接続するインターネットと、管理サーバとローカルエリアネットワークで接続され、仮想ドライバがインストールされたクライアント端末とで構成される。
管理サーバの記憶ユニットには各専用ユニットに対応するディレクトリが設けられる。
クライアント端末は、特定の周辺デバイスに処理させる場合、仮想ドライバによって、処理データを処理対象の周辺デバイスに対応したディレクトリ下に転送する。
管理サーバは、処理データを処理対象の周辺デバイスに対応したドライバを用いて周辺デバイス出力用ファイルに加工し、加工したファイルを処理対象の周辺デバイスに対応したディレクトリ下に保存し、処理対象の周辺デバイスに接続されている専用ユニットの特定ディレクトリに対して、httpプロトコル又はhttpsプロトコルでアクセスすることにより、ディレクトリ下に保存されたファイルを専用ユニットの特定ディレクトリ下にアップロードする。
そして、専用ユニットは、特定ディレクトリ下にファイルが存在する場合に周辺デバイスにファイルを転送し処理させる。
【0022】
ここで、周辺デバイス、専用ユニットの構成、専用ユニットと管理サーバを接続するインターネット、管理サーバとクライアント端末を接続するローカルエリアネットワーク(LAN)の説明については、上述の第1の観点のシステムの場合と同様である。
【0023】
本発明の第4の観点の統合管理システムは、上述の第3の観点のシステムにおいて、クライアント端末が無い場合のシステムである。
すなわち、本発明の第4の観点の統合管理システムは、複数の周辺デバイスと、周辺デバイスに接続された専用ユニットと、周辺デバイスのドライバがインストールされた管理サーバと、専用ユニットと管理サーバを接続するインターネットとで構成される。
【0024】
上述の第3の観点のシステムと同様に、管理サーバの記憶ユニットには各専用ユニットに対応するディレクトリが設けられる。
上述の第3の観点のシステムと異なり、クライアント端末の代わりに、管理サーバが、特定の周辺デバイスに処理させる場合、処理データを処理対象の周辺デバイスに対応したドライバを用いて周辺デバイス出力用ファイルに加工し、加工したファイルを処理対象の周辺デバイスに対応したディレクトリ下に保存する。
そして、上述の第3の観点のシステムと同様に、管理サーバは、処理対象の周辺デバイスに接続されている専用ユニットの特定ディレクトリに対して、httpプロトコル又はhttpsプロトコルでアクセスすることにより、ディレクトリ下に保存されたファイルを専用ユニットの特定ディレクトリ下にアップロードする。
そして、専用ユニットは、特定ディレクトリ下にファイルが存在する場合に周辺デバイスにファイルを転送し処理させる。
【0025】
次に、本発明の第5の観点の統合管理システムは、複数の周辺デバイスと、周辺デバイスに接続された専用ユニットと、周辺デバイスのドライバがインストールされた管理サーバと、専用ユニットと管理サーバを接続するインターネットと、管理サーバとローカルエリアネットワークで接続されたクライアント端末とで構成される。
管理サーバの記憶ユニットには各専用ユニットに対応するディレクトリが設けられる。
周辺デバイスにイベントが発生した場合、専用ユニットは、周辺デバイスからイベントに伴う処理データを取得しファイルとして特定ディレクトリに保存する。
管理サーバは、上記の特定ディレクトリ(専用ユニットのディレクトリ)をhttpプロトコル又はhttpsプロトコルでアクセスすることにより、ファイルをダウンロードし、処理対象の周辺デバイスに対応したドライバを用いて周辺デバイス出力用ファイルに加工し、加工したファイルを専用ユニットに対応したディレクトリ(管理サーバのディレクトリ)下に保存する。クライアント端末は、加工されたファイルを管理サーバのディレクトリ下から取得する。
【0026】
ここで、周辺デバイス、専用ユニットの構成、専用ユニットと管理サーバを接続するインターネット、管理サーバとクライアント端末を接続するローカルエリアネットワーク(LAN)の説明については、上述の第1の観点のシステムの場合と同様である。
また、周辺デバイスに発生するイベントとは、スキャン動作の開始ボタンの押下や、ファクシミリにおけるデータ受信や、カメラ画像取得、紙切れなどのエラー発生などである。
第1及び第2の観点のシステムでは、専用ユニットが管理サーバのディレクトリ下のファイルをhttpプロトコル又はhttpsプロトコルでアクセスするのに対して、第5の観点のシステムでは、管理サーバが専用ユニットのディレクトリ下のファイルをhttpプロトコル又はhttpsプロトコルでアクセスすることにより、ファイルをダウンロードする。管理サーバは、専用ユニットのディレクトリ、すなわち、専用ユニットのURL(Uniform Resource Locator)を予め記憶しており、httpプロトコル又はhttpsプロトコルで専用ユニットのディレクトリにアクセスし、ファイルをダウンロードする。
【0027】
次に、本発明の統合管理システムの他の観点について説明する。以下に説明する本発明の第6の観点の統合管理システムは、上述の第5の観点のシステムにおいて、クライアント端末が無い場合のシステムである。
すなわち、本発明の第6の観点の統合管理システムは、複数の周辺デバイスと、周辺デバイスに接続された専用ユニットと、周辺デバイスのドライバがインストールされた管理サーバと、専用ユニットと管理サーバを接続するインターネットとで構成される。
【0028】
上述の第5の観点のシステムと同様に、管理サーバの記憶ユニットには各専用ユニットに対応するディレクトリが設けられる。また、周辺デバイスにイベントが発生した場合、専用ユニットは、周辺デバイスからイベントに伴う処理データを取得しファイルとして特定ディレクトリに保存する。そして、管理サーバは、専用ユニットの特定ディレクトリをhttpプロトコル又はhttpsプロトコルでアクセスすることにより、ファイルをダウンロードし、処理対象の周辺デバイスに対応したドライバを用いて周辺デバイス出力用ファイルに加工し、加工したファイルを専用ユニットに対応した管理サーバのディレクトリ下に保存する。
【0029】
上述の如く、管理サーバは、専用ユニットのディレクトリをhttpプロトコル又はhttpsプロトコルでアクセスすることにより、専用ユニットのディレクトリ下のファイルをダウンロードする。
管理サーバが、専用ユニットのディレクトリ下にファイルが有るか否かを知る方法として幾つか存在する。
1つ目の方法は、管理サーバが周期的に専用ユニットの特定ディレクトリをhttpプロトコル又はhttpsプロトコルでアクセスする方法である。例えば、10秒、15秒、20秒、30秒などのインターバルを置いて、定期的にhttpプロトコル又はhttpsプロトコルでアクセスする。これにより、専用ユニットの特定ディレクトリ下のファイルが存在すれば、専用ユニットから管理サーバへファイルがダウンロードされる。一方、専用ユニットのディレクトリ下のファイルが存在しなければ、ファイルが見つかりませんといったエラーとなる。
【0030】
2つ目の方法は、専用ユニットが周辺デバイスからイベントに伴う処理データを取得しファイルとして特定ディレクトリに保存した場合、管理サーバに対して通知する方法である。管理サーバは、通知を受けた場合、通知を受けた専用ユニットの特定ディレクトリをhttpプロトコル又はhttpsプロトコルでアクセスする。
【0031】
次に、本発明の第7の観点の統合管理システムは、複数の周辺デバイスと、周辺デバイスに接続された専用ユニットと、周辺デバイスのドライバがインストールされた管理サーバと、専用ユニットと管理サーバを接続するインターネットと、管理サーバとローカルエリアネットワークで接続されたクライアント端末とで構成される。
管理サーバの記憶ユニットには各専用ユニットに対応するディレクトリが設けられる。
周辺デバイスにイベントが発生した場合、専用ユニットは、周辺デバイスからイベントに伴う処理データを取得しファイルとして特定ディレクトリに保存し、管理サーバの専用ユニットに対応したディレクトリに対して、httpプロトコル又はhttpsプロトコルでアクセスすることにより、特定ディレクトリ下に保存されたファイルを、管理サーバの専用ユニットに対応したディレクトリ下にアップロードする。
管理サーバは、ファイルを、処理対象の周辺デバイスに対応したドライバを用いて周辺デバイス出力用ファイルに加工し、加工したファイルを専用ユニットに対応したディレクトリ(管理サーバのディレクトリ)下に保存する。
そして、クライアント端末は、加工されたファイルを管理サーバのディレクトリ下から取得する。
【0032】
ここで、周辺デバイス、専用ユニットの構成、専用ユニットと管理サーバを接続するインターネット、管理サーバとクライアント端末を接続するローカルエリアネットワーク(LAN)の説明については、上述の第1の観点のシステムの場合と同様である。
第5及び第6の観点のシステムでは、管理サーバが専用ユニットのディレクトリ下のファイルをhttpプロトコル又はhttpsプロトコルでアクセスすることにより、ファイルをダウンロードするのに対して、第7の観点のシステムでは、専用ユニットが管理サーバの専用ユニットに対応したディレクトリに対して、httpプロトコル又はhttpsプロトコルでアクセスすることにより、特定ディレクトリ下に保存されたファイルを、管理サーバの専用ユニットに対応したディレクトリ下にアップロードする。専用ユニットは、管理サーバの専用ユニットに対応したディレクトリ、すなわち、管理サーバのURL(Uniform Resource Locator)を予め記憶しており、httpプロトコル又はhttpsプロトコルで管理サーバのディレクトリにアクセスし、ファイルをアップロードする。
【0033】
本発明の第8の観点の統合管理システムは、上述の第7の観点のシステムにおいて、クライアント端末が無い場合のシステムである。
すなわち、本発明の第8の観点の統合管理システムは、複数の周辺デバイスと、周辺デバイスに接続された専用ユニットと、周辺デバイスのドライバがインストールされた管理サーバと、専用ユニットと管理サーバを接続するインターネットとで構成される。
【0034】
上述の第7の観点のシステムと同様に、管理サーバの記憶ユニットには各専用ユニットに対応するディレクトリが設けられる。
上述の第7の観点のシステムと同様に、専用ユニットが管理サーバの専用ユニットに対応したディレクトリに対して、httpプロトコル又はhttpsプロトコルでアクセスすることにより、特定ディレクトリ下に保存されたファイルを、管理サーバの専用ユニットに対応したディレクトリ下にアップロードする。
そして、管理サーバは、ファイルを、処理対象の周辺デバイスに対応したドライバを用いて周辺デバイス出力用ファイルに加工し、加工したファイルを専用ユニットに対応したディレクトリ(管理サーバのディレクトリ)下に保存する。
【0035】
上述の本発明の統合管理システムにおいて、1つの専用ユニットに複数の周辺デバイスが接続されている場合、専用ユニットに対応するディレクトリが、接続されている周辺デバイスの個数分だけ設けられる。1つの専用ユニットに1台のMFPが接続される場合以外に、1つの専用ユニットに複数の周辺デバイスが接続されてもよい。この場合、それぞれの周辺デバイスを区別するため、管理サーバ内には専用ユニットに対応するディレクトリが、接続されている周辺デバイスの個数分だけ設けられる。
【発明の効果】
【0036】
本発明によれば、ユーザからは特定の周辺デバイス(特定のMFP等)を意識することなく、クライアント端末に当該周辺デバイス(MFP)が直接接続されたように操作を行うことが可能になるといった効果がある。
また、様々な周辺デバイスのドライバを一元管理できることにより、ドライバの更新作業や周辺デバイスの変更に伴うドライバのインストール作業の効率化を図ることができるといった効果がある。
さらに、スキャン動作やプリンタ動作は、専用ユニットや管理サーバ側で処理を行うため、クライアント端末が長時間占有されることもなく、操作作業の効率への影響を最小限にとどめることが可能になるといった効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】本発明のシステム構成図
図2】遠隔地に設置された周辺デバイスにデータ出力する処理フロー
図3】管理サーバと専用ユニット間の処理フロー(定期監視)
図4】管理サーバと専用ユニット間の処理フロー(イベント通知)
図5】管理サーバと専用ユニット間の処理フロー(アップロード)
図6】店舗コードと専用ユニットのIPアドレスと管理サーバの所定ディレクトリの関連付けテーブルの一例
図7】遠隔地に設置された周辺デバイスからデータ入力する処理フロー
図8】管理サーバと専用ユニット間の処理フロー(定期監視)
図9】管理サーバと専用ユニット間の処理フロー(アップロード)
図10】管理サーバとクライアント端末間の処理フロー(定期監視)
図11】実施例1の印刷処理フロー
図12】実施例2のスキャン処理フロー
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明していく。なお、本発明の範囲は、以下の実施例や図示例に限定されるものではなく、幾多の変更及び変形が可能である。
【0039】
図1を参照して、本発明の統合管理システムのシステム構成について説明する。
本発明の統合管理システムは、図1に示すように、複数の周辺デバイス3と、周辺デバイス3に接続された専用ユニット2と、周辺デバイス3のドライバがインストールされた管理サーバ1と、専用ユニット2と管理サーバ1を接続するインターネット5と、管理サーバ1とローカルエリアネットワーク(LAN)6で接続され、仮想ドライバがインストールされたクライアント端末4とで構成される。
周辺デバイス3と専用ユニット2の間は、データ転送ケーブル8で接続されている。
【0040】
周辺デバイス3と専用ユニット2は、例えば、銀行カードやクレジットカードの自動契約機のように、日本全国各地(遠隔地)の店舗に設置されている自動契約機を構成するものである。自動契約機におけるスキャナー機能や印刷機能を有するMFPが周辺デバイス3であり、通信インタフェースが専用ユニット2に相当する。
図1では、周辺デバイス3と専用ユニット2が1つの店舗に設けられるとして、店舗7A00〜7Z99まで多数(26×100=2600)存在することを示している。なお、店舗数に特に制限はない。また、周辺デバイス3と専用ユニット2の間はケーブル8で接続されているが、無線接続でも構わない。
【0041】
また、管理サーバ1とクライアント端末4は、管理センター9に設けられる。図1では、管理サーバ1が1台、クライアント端末(4a,4b,・・・,4z)の26台のように記載されているが、管理サーバが2台以上でもよく、また、クライアント端末に台数制限はない。
【0042】
次に、図2を参照して、遠隔地に設置された周辺デバイスにデータ出力する処理フローを説明する。図2は、クライアント端末4から、遠隔地の店舗に設置された周辺デバイス3に対して、印刷処理などのデータ出力処理を行う場合について処理フローを示している。
先ず、クライアント端末4のユーザは、周辺デバイス3に処理データを出力する操作を行う場合、仮想ドライバを選択することにより、管理サーバ1に処理データを転送する。
例えば、印刷処理する場合、文書編集用ソフトウェアなどから印刷ボタンを選択して出力させたいプリンタを選択する(実際はプリンタドライバを選択している)が、仮想ドライバの場合、印刷ボタンを選択した際に専用プログラムのドライバと同様に選択候補に挙げられ、仮想ドライバが選択された際には、周辺デバイスに直接アクセスするのではなく、処理データを処理対象の周辺デバイスに対応した管理サーバ1の所定ディレクトリ下に転送する。
【0043】
ここで、処理データを、数多くの店舗のうち目的とする店舗のディレクトリに如何にして転送するかについては次のような方法が考えられる。
(1)クライアント端末4のIPアドレスがディレクトリと1対1に対応付けられている。
(2)クライアント端末4のユーザがディレクトリと1対1に対応付けられている。例えばクライアント端末4のユーザは、ユーザごとに店舗担当が決まっているとする。ユーザは、端末の使用開始時にユーザIDを入力し、ログインする。このユーザIDが特定の店舗と対応付けられている訳である。
(3)クライアント端末4のユーザが仮想ドライバを選択する際、同時に店舗名、店舗コード、或いは、店舗の電話番号など店舗を特定できる情報を入力する。
【0044】
上記(1)〜(3)のいずれにせよ、管理サーバ1はこれらの対応付けのためのテーブルを備えている。例えば、上記(1)の場合であれば、対応付けテーブルは、クライアント端末4のIPアドレス、特定店舗のIPアドレス(すなわちその店舗にある専用ユニット2のIPアドレス)および管理サーバ1の当該特定店舗用のディレクトリの3つが対応付けられたテーブルである。
また、上記(2)の場合であれば、対応付けテーブルは、クライアント端末4のユーザID、特定店舗のIPアドレス(すなわちその店舗にある専用ユニット2のIPアドレス)および管理サーバ1の当該特定店舗用のディレクトリの3つが対応付けられたテーブルである。
また、上記(3)の場合であれば、対応付けテーブルは、店舗コードなど店舗を特定できる情報、特定店舗のIPアドレス(すなわちその店舗にある専用ユニット2のIPアドレス)および管理サーバ1の当該特定店舗用のディレクトリの3つが対応付けられたテーブルである。図6に、店舗コード、専用ユニットのIPアドレス、管理サーバの特定店舗用ディレクトリの3つを対応付けしたテーブル例を示す。
なお、図6のテーブルにおいて、店舗コードをクライアント端末のIPアドレスに置き換えたものが、上記(1)のテーブルであり、店舗コードをクライアント端末のユーザIDに置き換えたものが、上記(2)のテーブルである。
これらにより、クライアント端末4のユーザは多数の店舗から所定の店舗を選択するという煩わしい作業をすることなく、当該店舗に関連付けられたディレクトリに処理データを転送できる。
【0045】
次に、管理サーバ1では、処理データを処理対象の当該店舗にある周辺デバイスに対応したドライバを用いて周辺デバイス出力用ファイルに加工し、加工したファイルを処理対象の周辺デバイスに対応した上記のディレクトリ下に保存する。
ここで、処理対象の周辺デバイスに対応した管理サーバ1のディレクトリは、例えば図6に示されるような、専用ユニット2のIPアドレスと管理サーバ1の所定ディレクトリの関連付けテーブルによって、予めシステムで定義されている。
【0046】
次に、専用ユニット2が、管理サーバ1に保存されている処理ファイルをhttpsプロトコル(httpプロトコルでも構わない。以下、同様である。)によってダウンロードする。この場合、専用ユニット2がクライアント側となってhttpsプロトコルを用いた通信を行う。これにより、専用ユニット2と管理サーバ1の間に、様々なゲートウェイが存在した場合でも、容易にファイルをダウンロードすることができる。専用ユニット2は、管理サーバ1に保存されている処理ファイルをダウンロードした後、取得したファイルを周辺デバイス3に転送する。
或いは、管理サーバ1が、専用ユニット2の特定ディレクトリに対して、httpsプロトコルでアクセスし、管理サーバ1に保存されている処理ファイルを、専用ユニット2の上記の特定ディレクトリ下にアップロードする。この場合、管理サーバ1がクライアント側となってhttpsプロトコルを用いた通信を行う。
これらの処理によりクライアント端末4から周辺デバイス3にデータ出力することができる。
【0047】
ここで、専用ユニット2が、自ユニットに対応したディレクトリ(管理サーバのディレクトリ)下にファイルが有るか否かを知る方法について説明する。図3は管理サーバと専用ユニット間の処理フロー(定期監視)を示している。また、図4は管理サーバと専用ユニット間の処理フロー(イベント通知)を示している。
【0048】
図3の処理フローでは、専用ユニット2が周期的に自ユニットに対応したディレクトリをhttpsプロトコルでアクセスする(ポーリング)。ポーリング周期は、特に限定されないが例えば10秒である。ポーリングによって、管理サーバ1のディレクトリ下のファイルが存在すれば、管理サーバ1から専用ユニット2へファイルがダウンロードされる。一方、管理サーバ1のディレクトリ下のファイルが存在しなければ、「見つからない」といったエラーとなる。
【0049】
図4の処理フローでは、管理サーバ1が周期的に専用ユニット2に対応するディレクトリ下にファイルが存在するか否かを判別し、ファイルが存在した場合、ファイルが存在するディレクトリに対応する専用ユニット2に対してイベント通知を行う。専用ユニット2は、イベント通知を受けた場合、自ユニットに対応したディレクトリをhttpsプロトコルでアクセスし、処理ファイルをダウンロードする。
【0050】
図5の処理フローでは、管理サーバ1が、専用ユニット2の特定ディレクトリに対して、httpsプロトコルでアクセスし、管理サーバ1に保存されている処理ファイルを、専用ユニット2の上記の特定ディレクトリ下にアップロードする。
【0051】
次に、図7を参照して、遠隔地に設置された周辺デバイスからデータ入力する処理フローを説明する。図7は、遠隔地の店舗に設置された周辺デバイス3から、スキャン処理などによりデータ入力処理を行い、クライアント端末4で受け取る場合について処理フローを示している。
周辺デバイス3にイベントが発生した場合、専用ユニット2は、周辺デバイス3からイベントに伴う処理データを取得しファイルとして特定ディレクトリに保存する。
管理サーバ1は、専用ユニット2の特定ディレクトリをhttpsプロトコルでアクセスすることにより、処理ファイルをダウンロードし、処理対象の周辺デバイスに対応したドライバを用いて周辺デバイス出力用ファイルに加工し、加工したファイルを専用ユニットに対応したディレクトリ(管理サーバのディレクトリ)下に保存する。或いは、専用ユニット2は、管理サーバ1の専用ユニット2に対応したディレクトリに対して、httpsプロトコルでアクセスし、特定ディレクトリ下に保存されたファイルを、管理サーバ1の上記のディレクトリ下にアップロードする。
クライアント端末4は、加工されたファイルを管理サーバのディレクトリ下からファイル転送して取得する。
【0052】
管理サーバ1が、専用ユニット2のディレクトリ下にファイルが有るか否かを知る方法について説明する。図8は管理サーバと専用ユニット間の処理フロー(定期監視)を示している。また、図9は管理サーバと専用ユニット間の処理フロー(アップロード)を示している。また、図10は管理サーバとクライアント端末間の処理フロー(定期監視)を示している。
【0053】
図8の処理フローでは、管理サーバ1が周期的に専用ユニット2の特定ディレクトリをhttpsプロトコルでアクセスする(ポーリング)。ポーリング周期は、特に限定されないが例えば10秒である。ポーリングによって、専用ユニット2の特定ディレクトリ下のファイルが存在すれば、専用ユニット2から管理サーバ1へ処理ファイルがダウンロードされる。一方、専用ユニット2のディレクトリ下のファイルが存在しなければ、「見つからない」といったエラーとなる。
【0054】
図9の処理フローでは、専用ユニット2が周辺デバイス3からイベントに伴う処理データを取得しファイルとして特定ディレクトリに保存した場合、管理サーバ1の専用ユニット2に対応したディレクトリに対して、httpsプロトコルでアクセスし、特定ディレクトリ下に保存されたファイルを、管理サーバ1の上記のディレクトリ下にアップロードする。
【0055】
図10の処理フローでは、専用ユニット2が周辺デバイス3からイベントに伴う処理データを取得しファイルとして特定ディレクトリに保存した場合、管理サーバ1に対してイベント通知する。管理サーバ1は、イベント通知を受けた場合、通知を受けた専用ユニット2の特定ディレクトリをhttpsプロトコルでアクセスする。
【実施例1】
【0056】
次に、図11を参照して、実施例1の印刷処理フローについて説明する。図11は、クライアント端末4から、インターネットを介して遠隔地の店舗に設置されたMFP3に対して、印刷処理を行う処理フローを示している。
クライアント端末4のユーザは、文書編集用ソフトウェアなどから印刷ボタンを押下し表示されたプリンタ選択ウィンドウで仮想プリンタドライバを選択して、管理サーバ1に印刷データを送信する。印刷データは、処理対象の店舗内の周辺デバイスに対応した管理サーバ1の所定ディレクトリ下に転送される。
【0057】
管理サーバ1は、印刷データを処理対象の店舗内の周辺デバイスに対応したドライバを用いてPJL(Printer Job Language)化して印刷ファイルに加工し、印刷ファイルを処理対象の店舗内の周辺デバイスに対応したディレクトリ下に保存する。例えば、処理対象の店舗内の周辺デバイスが専用ユニットA01に接続されている場合、予め定義された関連付けから、管理サーバ1のディレクトリ(/ユニットA/A01/)下に印刷ファイルを保存する。
【0058】
例えば専用ユニットA01の場合は、管理サーバ1のディレクトリ(/ユニットA/A01/)下を定期的にアクセスし、当該ディレクトリに印刷ファイルが存在すればhttpsプロトコルによってダウンロードして専用ユニットの記憶ユニットに保存する。専用ユニットは、印刷ファイルをダウンロードした後、印刷ファイルをMFP3に送信して、紙として出力する。
【実施例2】
【0059】
次に、図12を参照して、実施例2のスキャン処理フローについて説明する。図12は、遠隔地の店舗に設置されたMFP3においてスキャンボタンが押下されスキャン処理が行われて、クライアント端末4でスキャンデータを受け取る処理フローを示している。
MFP3のスキャンボタンが押下された場合、専用ユニット2は、MFP3からスキャンデータを取得しファイルとして特定ディレクトリに保存する。
【0060】
専用ユニット2は、周辺デバイスから取得したスキャンデータをファイルとして特定ディレクトリに保存した後、管理サーバ1の専用ユニット2に対応したディレクトリに対して、httpsプロトコルでアクセスし、特定ディレクトリ下に保存されたファイルを、管理サーバ1の上記のディレクトリ下にアップロードする。
管理サーバ1は、上記のディレクトリ下にファイルがアップロードされたことを検知した場合、処理対象の店舗内の周辺デバイスに対応したドライバを用いてスキャンデータファイルに加工し、加工したファイルを専用ユニットに対応したディレクトリ(管理サーバのディレクトリ)下に保存する。クライアント端末4は、管理サーバのディレクトリ下にスキャンデータファイルが有るかを周期的に調べて(定期監視)、スキャンデータファイルが有れば、管理サーバ1のディレクトリ下からファイル転送してスキャンデータを取得する。
なお、管理サーバのディレクトリとクライアント端末との関連付けは、先に印刷出力の際に説明した種々の方法が利用可能である。
【0061】
上記の実施例2において、専用ユニット2が、管理サーバ1の専用ユニット2に対応したディレクトリに対して、httpsプロトコルでアクセスし、特定ディレクトリ下に保存されたファイルを、管理サーバ1の上記のディレクトリ下にアップロードするのではなく、管理サーバ1が、専用ユニット2の特定ディレクトリを周期的にhttpsプロトコルでアクセスし(定期監視)、特定ディレクトリ下にスキャンデータがあればダウンロードすることでもよい。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明は、複数の遠隔地に設置されるプリンタやスキャナーなどMFPを集中監視するシステムに有用である。
【符号の説明】
【0063】
1 管理サーバ
2 専用ユニット
3 周辺デバイス(MFP)
4,4a,4b,・・・,4z クライアント端末(PC)
5 インターネット
6 ローカルエリアネットワーク(LAN)
7A00,・・・,7Z99 店舗
8 データ転送ケーブル
9 管理センター
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12