特許第6142334号(P6142334)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日章工業株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6142334-扉枠外扉用の取り付け施工方法 図000002
  • 特許6142334-扉枠外扉用の取り付け施工方法 図000003
  • 特許6142334-扉枠外扉用の取り付け施工方法 図000004
  • 特許6142334-扉枠外扉用の取り付け施工方法 図000005
  • 特許6142334-扉枠外扉用の取り付け施工方法 図000006
  • 特許6142334-扉枠外扉用の取り付け施工方法 図000007
  • 特許6142334-扉枠外扉用の取り付け施工方法 図000008
  • 特許6142334-扉枠外扉用の取り付け施工方法 図000009
  • 特許6142334-扉枠外扉用の取り付け施工方法 図000010
  • 特許6142334-扉枠外扉用の取り付け施工方法 図000011
  • 特許6142334-扉枠外扉用の取り付け施工方法 図000012
  • 特許6142334-扉枠外扉用の取り付け施工方法 図000013
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6142334
(24)【登録日】2017年5月19日
(45)【発行日】2017年6月7日
(54)【発明の名称】扉枠外扉用の取り付け施工方法
(51)【国際特許分類】
   E04F 19/08 20060101AFI20170529BHJP
   E06B 1/18 20060101ALI20170529BHJP
【FI】
   E04F19/08 101C
   E06B1/18 B
【請求項の数】1
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-42111(P2014-42111)
(22)【出願日】2014年2月14日
(65)【公開番号】特開2015-151854(P2015-151854A)
(43)【公開日】2015年8月24日
【審査請求日】2015年2月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】597087099
【氏名又は名称】日章工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】藤新 成信
(72)【発明者】
【氏名】井無田 龍
(72)【発明者】
【氏名】井上 翔太
【審査官】 油原 博
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−189872(JP,A)
【文献】 特開2012−167527(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04F 19/08
E06B 1/18、1/56−1/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
仕上げ工事を先行させた軽量鉄骨壁の点検用開口部に施工する扉において、
仕上げ済み壁開口部内に開口寸法より3〜5mm小さい寸法で製作した扉を、その奥側の補強材開口部の内側に取り付した扉枠で保持する構造とし、扉枠は縦部材として2本と横部材として2本とからなり、各々分離された構造で軽量鉄骨壁下地材にねじ部材を使用して、固定できる形状であり、かつ固定時に縦及び横部材を前後、左右、上下と自由に調整できるように縦横寸法を開口寸法より3〜5mm小さくしたL字状の分離部材で、縦部材は扉吊金具である隠し丁番部材受け部及び扉鍵金具受け材を固定できる部材を持ち扉本体を蝶着でき、又軽量鉄骨壁の設備機器点検用開口小口部の奥側に取り付けた扉枠に蝶着する扉は、扉本体位置をみこした位置に固定した扉枠の前面に挿着した2〜4個の扉吊り金具である隠し丁番部材を隠し丁番部材受け部に固着し、前記開口部の正面側から壁ボード面とほぼ同一面になるように蝶着できるようにしていることを特徴とする扉枠外扉の取り付け施工工法。





【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物の軽量鉄骨壁の設備機器点検用開口部において、壁の仕上げ施工終了後に壁開口部対する開閉自在に保持する扉枠の取り付け施工方法であって、扉を開閉自在に保持し、軽量鉄骨壁の開口部に設けられる扉枠で、ねじ部材の使用により、扉枠の取り付け、又は取り外しを容易にし、壁面と扉面を同一に出来る扉枠外扉の取り付け施工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
オフィスビルやテナント、マンションなどにおいては、設備機器の点検用として軽量鉄骨壁面の開口部に点検口扉が設けられる。従来、点検用扉は壁との見切り枠が設けられ、枠体の中に開閉自在に扉が保持されている。このような点検用扉枠において、見切り枠及び扉は建具工事業者、壁は内装工事業者が施工を担当し、交錯して取り付け施工を行っている。又、軽量鉄骨壁の開口部廻りの仕上げより先行して施工しなければならないと考えられている
【0003】
建築現場おいて、工期短縮が課題となっている現在、施工区分の見直しで工期の短縮が検討されている。壁との見切り枠体を内装工事業者の取り付け施工範囲とすることで、壁仕上げを先行出来るようになり、また見切りを細くしたり、見切りをなくしたりしてコスト面でも改善される。結果、建具工事業者は内装工事業者の壁面開口部に扉を嵌め込み、扉枠体をその奥の下地材に取り付け施工とする形式、点検用扉枠の開発を目指す必要が生まれてくる。
【0004】
この形式の点検用扉枠について、扉は壁仕上げ面と同面とし、枠体及び吊金具となる隠し丁番部材は奥側開口補強及び扉裏面に取り付けをし、壁面側からは見えず、点検用扉を壁の一部として見せることが出来る。従来の施工より壁の施工精度が求められるが、扉枠体は縦部材として2本と横部材として2本とからなり、分離されたL字状の各部材軽量鉄骨壁下地材にねじ部材を使用し、調整が出来るように考慮している。
【0005】
また建具枠は、二分割された前枠と後枠の組合せから成り、前枠の内側面に戸当たりが一連にG形状に形成され、戸当たりのリップ部が後枠の内側面に接して見込み寸法の調整を自在とすることで、取り付け壁の厚みの誤差または途中段階での変更でも適用させ、周辺壁の種別や厚みの決定時期によらず、壁厚の変更や不具合に柔軟に対応でき、予め前枠と扉とを作成して準備しておく方法が提案されている(特許文献1参照)。
【0006】
建物の開口部に取り付ける上枠、下枠、左右の縦枠を有し、上枠、下枠、左右の縦枠の躯体への取り付け面側に、それぞれ外方向に突出する取り付け片を備え、各取り付け片は根本部に切断溝を有する建物開口部材が提供されている(特許文献2参照)。
【0007】
さらに建具枠を少なくとも上記取り付け部材を工具で調節する為の通し穴が形成された建具枠本体と、上記通し穴を被覆でき、而も上記建具枠本体に結合できる建具枠カバーにより構成し、先ず上記下地枠に対して建具枠本体を鉛直度、真直度、隙間調整等必要な調節を行ないながら取り付け部材を用いて取り付けて、ドアの吊込みを行い、次いで上記通し穴を被覆するように建具枠カバーを上記建具枠本体に結合する工法も提案されている(特許文献3、4参照)。
【0008】
躯体の取付け開口部に対応する床スラブに、アングル材を打ち込んで出入りの位置を決める工程と前記取り付け開口部にドア枠を建て込み、ボルト等の回動部材でレベル・建ち調整をする工程と躯体と前記回動部材の頭部とをエポキシ樹脂等の接着剤で固定する工程とを有するドア枠の取り付け工法が提案されている(特許文献5参照)。
【0009】
軽量鉄骨間仕切り壁及び建具の施工において、現在は異種業者の作業工程が交錯し全体の仕上げ工程に少なからず影響を与えている。この従来の流れを変える新構法が求められている。中でも点検口扉を壁施工が終了後に施工できるようにする為、壁開口部の見切り枠又は見切り材を内装工事業者の施工範囲とし、前記開口部に固定可能な点検用建具の開発・実用化をし、建築現場でのトータルコストの削減及び工程の短縮が求められている。今までに仕上げ済軽量鉄骨壁の点検口扉施工で、経済的な工法は提案されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2006−316446号公報
【特許文献2】特開2008−184855号公報
【特許文献3】特開2008−156928号公報
【特許文献4】特開2006−233604号公報
【特許文献5】特開2002−303081号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
アパート、マンション、集合住宅、鉄骨住宅等での軽量鉄骨壁の施工において、出入り口や設備機器点検用の開口部廻りで内装工事業者と建具工事業者の施工が交錯し、関係工事業者の施工が手間待ちとなることが多く見られる。
【0012】
そこで、設備機器点検用の開口部に関して、開口部小口面に設けられる見切り枠、及び小口ボードを内装工事業者の施工範囲とし、建具工事業者の施工範囲から外すことで、施工工程の改善が考えられている。この場合、前記壁開口部小口廻りの施工を内装工事業者の施工精度基準内で行い、前記仕上げ済壁開口部へ取り付け施工が出来る点検用扉枠の開発が望まれる。
【0013】
これが実現すれば、軽量鉄骨壁開口部廻りの施工において、業者間の製品のリードタイムや取り付け職人の段取りなどで発生する手間待ちの問題を解消でき、スムーズな流れの中で施工が完了できる。
【0014】
しかし、内装工事業者と建具工事業者の施工手順や施工精度基準などの違いにより一般的な扉枠では前記開口部の取り付け施工が出来ない。そこで、内装工事業者の施工手順や施工精度基準と建具工事業者の施工手順や施工基準とを詳細に比較検討し、両者の歩み寄りの範囲内で対応可能な点検用扉枠にする必要がある。
【0015】
前記扉枠が完成すれば、扉枠の製作は建具工事業者、現場施工は建具工事業者又は内装工事業者のいずれの業者でも施工が可能になり、より一層の現場でのスムーズな流れの施工工程が可能となる。
【0016】
本発明は、扉面が見做し壁となるように、開口部の奥行きに誤差が生じても対応することができる対応性と、良好な施工性とを兼ね備えた扉枠体および扉の取り付け施工工法を提供することを目的とし、さらに点検口の開口部の扉厚の変化にも対応することができる対応性と、再利用できる施工性とを兼ね備えた扉枠体および扉の施工方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
仕上げ工事を先行させた軽量鉄骨壁の点検用開口部に施工する扉において、仕上げ済壁開口部の内側に扉を、その奥側の開口補強材部の内側に扉枠を取り付ける工法の場合、扉枠は軽量鉄骨壁補強材の開口寸法より小さい寸法で製作したL字状の部材かつ分離部材にし、ねじ部材の使用により、固定時に前後、左右、上下と調整して取り付けできる。扉本体は壁正面側より蝶着し、隠し丁番部材の使用により、前記扉枠より前面で、前記扉枠にねじ部材の使用により固定されるようになっている。
【0018】
扉吊り金具である隠し丁番部材は、丁番部材受け部を装備したL字状部材に形成している扉枠に対して2〜4枚をねじ部材で取り付けされ、ねじ部材は各前記隠し丁番部材に対して3本、取り付けられる。また、扉本体は仕上げ済の軽量鉄骨壁の開口部寸法より3mm〜5mm小さい寸法で製作し、壁面と同面にはめ込み、扉を取り付けした開口部が壁面と見なせるようにねじ部材を使用し、固定されるようになっている。
【0019】
扉枠は縦部材として2本と横部材として2本からなり、各々分離された部材で軽量鉄骨壁補強材にねじ部材を使用し、固定できる形状になっており、各部材を下地補強材対して、前記のように調整して取り付けできる構造にし、また縦部材には扉の吊り金具である隠し丁番部材及び扉鍵金具を取り付けられる部材があり横部材と縦部材と重ね、扉面が壁面と同一になるように前記隠し丁番部材を使用し、扉枠より前面で扉を正面側から蝶着されるようになっている。
【0020】
縦部材及び横部材からなる扉枠は、点検用軽量鉄骨壁開口小口部の奥側に取り付けて、壁面の仕上げ精度の状況に取り付けを調整でき、しかも扉枠の取り付け、又は取り外しを容易になるように、軽量鉄骨壁補強材の開口寸法より3〜5mmに小さくした形状で製作したL字状の分離部材で、ねじ部材留めによって固定できる形体になっている。
【0021】
軽量鉄骨壁の設備機器点検用開口小口部の奥側に取り付けた扉枠に蝶着する扉は,前記開口部の正面側から壁面と同一面になるように蝶着でき、扉枠の開口部小口面取り付ける位置を調整することで扉の位置も調整でき、前記扉枠の前面に挿着した2〜4個の扉吊り金具である隠し丁番部材で固着している。
【発明の効果】
【0022】
本発明の構成によれば、軽量鉄骨壁の設備点検用の開口部において、扉枠は壁面の奥側の開口補強に取り付け、扉本体は前記扉枠より持ち出した状態で、扉吊り金具である隠し丁番部材で固着することが出来る。仕上げ済みの壁面の開口に扉枠の施工が簡単に可能になり、また壁面と同一に扉を取り付けられて、一体の壁面と見せることができる。また、扉の表面に壁仕上げ材を貼り、見えかかりも合わせることが出来る。建物全体の工程において、制限を持たなくて思うような時期に可能となり、建築物の工程に影響を与えない。
【0023】
本発明の構成によれば、設備機器点検用の点検用開口部において、何時でも外側から扉を取り付けられるので、他業者の工程に左右されず、非常に経済的に取り付けが可能になる。また内装工事業者でも施工可能なので、材料販売が出来、費用的にも安価に扉の設置ができる。
【0024】
さらに前記扉枠を外し、場所を取らず保管することができる。従って改装時に壁の開口寸法を同じにすれば、扉、枠を再利用できる対応性と狭い作業場所に最適な保管性を兼ね備えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】軽量鉄骨壁点検用開口に見切りがある場合の扉、扉吊り金具である隠し丁番部材及び扉枠を施工する手順の全体図を示す。A:仕上げ済み軽量鉄骨壁点検用開口廻り図 B:扉及び隠し丁番部材を壁の正面側から取り付ける手順図 C:扉枠を壁の裏面から取り付ける手順の分離枠群の図
図2】壁開口の小口に見切り材のある場合の取り付けた状態の扉及び扉枠の姿図と平断面図を示す。A:壁の正面側からの姿図 C:壁の裏面からの姿図 B:取り付けた後の正面側からの平断面図 D:取り付けた後の裏面側からの平断面図
図3】壁開口に見切り材のある場合の扉、扉枠の取り付け前状態の図を示す。A:壁見切り材まで仕上げが完了した縦断面図 B:扉の縦断面図 C:扉枠の縦部材図 D:扉枠の上部横部材図 E:扉枠の下部横部材図
図4】壁開口に見切り材のある場合の扉、扉枠の取り付け済状態の図を示す。A:仕上げ済の軽量鉄骨壁に扉及び扉枠の取り付けが完了した状態の縦断面図
図5】壁開口に見切り材のある場合の扉、扉枠の取り付け前状態の図を示す。A:壁見切り材まで仕上げが完了した横断面図 B:扉の横断面図 C:扉枠横部材図 D:扉枠の扉鍵金具受け材側縦部材図 E:扉吊り金具である隠し丁番部材側縦部材図 F:鍵本体図 G:扉吊り金具である隠し丁番部材図
図6】壁開口に見切り材のある場合の扉、扉枠の取り付け済状態の図を示す。A:仕上げ済の軽量鉄骨壁に扉及ぶ扉枠の取り付けが完了した状態の横断面図
図7】軽量鉄骨壁点検用開口に見切りが無い場合の扉、扉吊り金具である隠し丁番部材及び扉枠を施工する手順の全体図を示す。A:仕上げ済み軽量鉄骨壁点検用開口廻り図 B:扉及び扉吊り金具である隠し丁番部材を壁の正面側から取り付ける手順図 C:扉枠を壁の裏面から取り付ける手順の分離枠の図
図8】壁開口の小口に見切り材の無い場合の取り付けた状態の扉及び扉枠の姿図と平断面図を示す。A:壁の正面側からの姿図 C:壁の裏面からの姿図 B:取り付けた後の正面側からの平断面図 D:取り付けた後の裏面側からの平断面図
図9】壁開口に見切り材の無い場合の扉、扉枠の取り付け前状態の図を示す。A:壁小口まで仕上げが完了した縦断面図 B:扉の縦断面図 C:扉枠の縦部材図 D:扉枠体の上部横部材図 E:扉枠の下部横部材図
図10】壁開口に見切り材の無い場合の扉、扉枠の取り付け済状態の図を示す。A:仕上げ済の軽量鉄骨壁に扉及び扉枠の取り付けが完了した状態の縦断面図
図11】壁開口に見切り材の無い場合の扉、扉枠の取り付け前状態の図を示す。A:壁小口まで仕上げが完了した横断面図 B:扉の横断面図 C:扉枠横部材図 D:扉枠の扉鍵金具受け材側縦部材の図 E:扉吊り金具である隠し丁番部材側縦部材の図 F:鍵本体図 G:扉吊り金具である隠し丁番部材の図
図12】壁開口に見切り材の無い場合の扉、扉枠の取り付け済状態の図を示す。A:仕上げ済の軽量鉄骨壁に扉及ぶ扉枠の取り付けが完了した状態の横断面図
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明を明確にするために、軽量鉄骨壁点検用開口に見切り材がある場合の扉、隠丁番部材及び扉枠を施工する手順の全体図を図1に、軽量鉄骨壁点検用開口に見切り材がない場合の扉、扉吊り金具である隠し丁番部材及び扉枠を施工する手順の全体図を図7に示す。なお軽量鉄骨壁点検用開口に見切り材の有無は、施工される仕上げ材により工法が選択され、仕上げ材が厚いもの、あるいは硬いのもでは小口部迄巻き込めないため、見切り材のある工法でおこない。一方仕上げ材が薄いもの、あるいは柔らかいものでは小口部迄巻き込めるため、見切り材の無い工法で行うものであり、それぞれの場合は図1図7で示す通りで、また実施例1と実施例2で示す。
【実施例1】
【0027】
図1には、仕上げ済み壁開口小口部に見切り材のある場合を示した。図1のCで、扉枠X1、X2、Y1、Y2及び扉Hは、JISG3302溶融亜鉛めっき鋼板の板厚1.6mm及び2.3mmの材料を使用し、組み立て状態で内法寸法0.6m×1.8mの矩形となる図1の展開図のようなものを作製した。さらに切断加工、プレス加工、曲げ加工、扉組み立て加工、錆止塗装・仕上げ塗装、仮組検査、外観及び寸法検査を経て製品化した。これら製品は、製品の仕分け梱包、ねじ部材N、扉吊り金具である隠し丁番部材T、点検錠Jを出荷表と共に現場に発送した。
【0028】
施工現場において、図1の全体構成図の通りの取り付け施工に先立ち、仕上げ済み壁開口部見切り材My−1、My−2の開口寸法、建て付け誤差(垂直方向、水平方向、面内方向)の確認を行い、製品の取り付けに問題が無いか確認をした。製品の荷受、移動、仮置きを行った。
【0029】
図3図5に示す様に仕上げ済み壁K1の開口部K2の壁裏面側FUから開口部補強材Ky−1、Ky−2に対して、Y1、Y2のL字状の縦部材を間隔250mm以内で、ねじ部材Nで固定した。次に、開口部補強材Kx−1、Kx−2に対して、X1、X2のL字状の横部材を縦部材Y1、Y2に突き当てて間隔を250mm以内で、ねじ部材Nで固定した。
【0030】
図3図5に示す様に扉Hの裏面に2枚の扉吊り金具である隠し丁番部材T及び鍵Jを取り付けし、壁の正面F側から壁開口部見切り材Mx−1,My−1に嵌め込み、隠し丁番Tの足部をY2の縦部材に取り付けた丁番受け材Y3に6箇所のねじ部材Nにより固定した。更に、Y1の縦部材に取り付けた扉鍵金具受け材Y4に鍵受けを取り付けた。図4図6に示す様に、扉、扉枠を取り付けした。図2に示す様に、施工完了した扉本体Hの見切り材Mx−1,My−1に対して面内方向への調整をして作業を終了した。
【0031】
軽量鉄骨壁の設備点検用の開口部において、扉枠は壁面の奥側の開口補強に取り付け、扉本体は前記扉枠より持ち出した状態で、扉吊り金具である隠し丁番部材で固定することが出来た。建物全体の工程において、制限を持たなくて思うような時期に可能となり、建築物の設置日程に影響を与えなかった。
【0032】
設備機器点検用の点検用開口部において、何時でも外側から扉を取り付けられるので、他業者の工程に左右されず、非常に経済的に取り付けが可能になる。また内装工事業者でも施工可能なので、材料販売が出来、費用的にも安価に扉の設置ができた。
【実施例2】
【0033】
図7には、仕上げ済み壁開口小口部に見切り材のない場合を示した。図7のCで、扉枠X1、X2、Y1、Y2及び扉Hは、JISG3302溶融亜鉛めっき鋼板の板厚1.6mm及び2.3mmの材料を使用し、組み立て状態で内法寸法0.8m×0.8mの矩形となる展開図を作成した。さらに切断加工、プレス加工、曲げ加工、扉組み立て加工、錆止塗装・仕上げ塗装、仮組検査、外観及び寸法検査を経て製品化した。製品の仕分け梱包、ねじ部材N、扉吊り金具である隠し丁番部材T、点検錠Jを出荷表と共に発送した。
【0034】
施工現場において、図7の全体構成図の通りの取り付け施工に先立ち、仕上げ済み壁化開口部小口部Sy−1、Sy−2の開口寸法、建て付け誤差(垂直方向、水平方向、面内方向)の確認を行い、製品の取り付けに問題が無いか確認をした。製品の荷受、移動、仮置きを行った。
【0035】
図9図11に示す様に仕上げ済み壁K1の開口部K2の壁裏面側FUから開口部補強材Ky−1、Ky−2に対して、Y1、Y2のL字状の縦部材を間隔250mm以内で、ねじ部材Nで固定した。次に、開口部補強材Kx−1、Kx−2に対して、X1、X2のL字状の横部材を縦部材Y1、Y2に突き当てて間隔を250mm以内で、ねじ部材Nで固定した。
【0036】
図9図11に示す様に扉Hの裏面に2枚の隠し丁番部材T及び鍵Jを取り付けし、壁の正面F側から壁開口部小口部Mx−1,My−1に嵌め込み、隠し丁番Tの足部をY2の縦部材に取り付けた扉吊り金具である隠し丁番受け部材Y3に6箇所のねじ部材Nにより固定した。更に、Y1の縦部材に取り付けた扉鍵金具受け材Y4に鍵受けを取り付けた。図10図12に示す様に、扉、扉枠を取り付けした。図8に示す様に、施工完了した扉本体Hの見切り材Mx−1,My−1に対して面内方向への調整をして作業を終了した。
【0037】
軽量鉄骨壁の設備点検用の開口部において、扉枠は壁面の奥側の開口補強に取り付け、扉本体は前記扉枠より持ち出した状態で、扉吊り金具である隠し丁番部材で固定することが出来た。建物全体の工程において、制限を持たなくて思うような時期に可能となり、建築物の設置日程に影響を与えなかった。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明は、扉本体を壁面と同一に蝶着できるので、壁面の景観を良くするのに好適であり、また扉表面に壁仕上げ材を貼り付けることも出来き、さらによい景観が得られる。
【符号の説明】
【0039】
K1 軽量鉄骨壁
K2 軽量鉄骨壁点検用開口部
S 軽量鉄骨壁ボード面
F 壁正面側
F1 壁正面側開口部小口部
F2 壁正面側開口部奥側小口部
UF 壁裏面側
Sy−1 軽量鉄骨壁開口部縦小口部
Sx−1 軽量鉄骨壁開口部横小口部
My−1 軽量鉄骨壁開口部縦見切り部
Mx−1 軽量鉄骨壁開口部横見切り部
Ky−1 軽量鉄骨壁補強材開口部縦小口面
Ky−2 軽量鉄骨壁補強材開口部縦小口面
Kx−1 軽量鉄骨壁補強材開口部横小口面
Kx−2 軽量鉄骨壁補強材開口部横小口面
X1 扉枠上部横部材
X2 扉枠下部横部材
Y1 扉枠縦部材
Y2 扉枠縦部材
Y3 扉吊り金具である隠し丁番部材受け部
Y4 扉鍵金具受け材
H 扉本体
J 鍵
扉吊り金具である隠し丁番部材
N ねじ部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12