(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6142348
(24)【登録日】2017年5月19日
(45)【発行日】2017年6月7日
(54)【発明の名称】パイプ用クランプ
(51)【国際特許分類】
F16L 21/06 20060101AFI20170529BHJP
F16B 2/10 20060101ALI20170529BHJP
【FI】
F16L21/06
F16B2/10 B
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-532998(P2016-532998)
(86)(22)【出願日】2013年9月10日
(65)【公表番号】特表2016-534294(P2016-534294A)
(43)【公表日】2016年11月4日
(86)【国際出願番号】KR2013008157
(87)【国際公開番号】WO2015023022
(87)【国際公開日】20150219
【審査請求日】2016年2月8日
(31)【優先権主張番号】10-2013-0096531
(32)【優先日】2013年8月14日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】516040811
【氏名又は名称】イ,ホ ヨン
(74)【代理人】
【識別番号】100115200
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 修之
(72)【発明者】
【氏名】イ,ホ ヨン
【審査官】
柳本 幸雄
(56)【参考文献】
【文献】
独国特許出願公開第10155362(DE,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2011/0042947(US,A1)
【文献】
実開昭60−152808(JP,U)
【文献】
米国特許出願公開第2005/000062(US,A1)
【文献】
韓国登録特許第10−1017961(KR,B1)
【文献】
特表2010−525253(JP,A)
【文献】
登録実用新案第3030283(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L 21/06
F16L 23/10
F16B 2/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上側にリンクがヒンジ結合され、下側に締結突起が形成されると共に、締結突起に挿入ホールが形成され、挿入ホールの一側に螺旋ホールが形成された第1の本体、及び上側にリンクがヒンジ結合されると共に、下側に締結スクリューがヒンジ結合される第2の本体を備えて構成された本体と、
第1の本体及び第2の本体の上側にヒンジ結合されるリンクと、
第2の本体の下側に結合される締結スクリューと、
一側にナットが形成され、外側に螺旋が形成され、内側に螺旋ホールが形成された締結バーと、
前記締結スクリュー及びリンクを本体に回動可能にヒンジ結合するヒンジピンと、を備えて構成されたことを特徴とするパイプ用クランプ。
【請求項2】
前記第1の本体及び第2の本体には、締結状態を確認するためのホールが形成されたことを特徴とする、請求項1に記載のパイプ用クランプ。
【請求項3】
前記リンクは、ヒンジが形成された第1のリンクと、ヒンジが挿入・結合される挿入溝が形成された第2のリンクと、を備えて形成されると共に、前記第1のリンクに形成されたヒンジが第2のリンクに形成された挿入溝に挿入された後、ヒンジ結合されることを特徴とする、請求項1に記載のパイプ用クランプ。
【請求項4】
前記締結スクリューは、スクリュー及び結合部を備えて形成され、前記結合部には、ヒンジピンの直径より大きい直径を有するガイドホールが形成されたことを特徴とする、請求項1に記載のパイプ用クランプ。
【請求項5】
前記リンクには、ヒンジピンの直径より大きい直径を有するガイドホールが形成されたことを特徴とする、請求項1に記載のパイプ用クランプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、結合されたパイプの結合部を固定するためのクランプに関する。
【背景技術】
【0002】
一般パイプのジョイント及び連結部位が外部衝撃によって離脱したり、隙間が生じることを防止するためにクランプが使用されている。このようなクランプは、
図1に示したように、一対の本体1と、一対の本体1をそれぞれ回動可能に連結するリンク2と、クランプを固定するための締結バー3と、締結バー3が移動するスクリュー4とを備えて構成される。
【0003】
そして、前記本体1には、締結バー3が挿入されて結合される締結突起1aが形成される。前記締結突起1aの一側には、締結突起1aに結合された締結バー3の回転を防止するための回転防止突起1bが備えられる。
【0004】
ところが、前記のような従来のクランプは、次のような問題を有する。
【0005】
1.クランプに比べて結合されたパイプの結合部位が小さい場合は、クランプが結合部位に完全に固定されないという問題がある。
【0006】
2.クランプに比べて結合されたパイプの結合部位が大きい場合は、締結突起に締結バーが完全に締結されなくなる。その結果、外部衝撃によってクランプがパイプ結合部位から離脱するという問題がある。
【0007】
3.締結突起に結合された締結バーは回転防止突起によって回転しないように固定されるが、外部衝撃などによって回転防止突起に衝撃が加えられた場合、締結バーが回転しながら解除されるという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、前記のような事情を勘案してなされたものであって、パイプ結合部の直径とは関係なくクランプを固定すると共に、一度固定されたクランプが外部衝撃によって解除されないように形成されたパイプ用クランプを提供することを技術的目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係るパイプ用クランプは、上側にリンクがヒンジ結合され、下側に締結突起が形成されると共に、締結突起に挿入ホールが形成され、挿入ホールの一側に螺旋ホールが形成された第1の本体、及び上側にリンクがヒンジ結合されると共に、下側に締結スクリューがヒンジ結合される第2の本体を備えて構成された本体と、第1の本体及び第2の本体の上側にヒンジ結合されるリンクと、第2の本体の下側に結合される締結スクリューと、一側にナットが形成され、外側に螺旋が形成され、内側に螺旋ホールが形成された締結バーと、前記締結スクリュー及びリンクを本体に回動可能にヒンジ結合するヒンジピンとを備えて構成されたことを特徴とする。
【0010】
また、前記第1の本体及び第2の本体には、締結状態を確認するためのホールが形成されたことを特徴とする。
【0011】
また、前記リンクは、ヒンジが形成された第1のリンクと、ヒンジが挿入・結合される挿入溝が形成された第2のリンクとを備えて形成されると共に、前記第1のリンクに形成されたヒンジが第2のリンクに形成された挿入溝に挿入された後、ヒンジ結合されることを特徴とする。
【0012】
また、前記締結スクリューは、スクリュー及び結合部を備えて形成され、前記結合部には、ヒンジピンの直径より大きい直径を有するガイドホールが形成されたことを特徴とする。
【0013】
また、前記リンクには、ヒンジピンの直径より大きい直径を有するガイドホールが形成されたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
前記のような本発明によると、一対のクランプ本体を連結するリンクが折り畳み可能に形成されることによって、多様なサイズのパイプジョイントにクランプを固定できるようになると共に、締結突起に螺旋が形成され、前記螺旋には外側に螺旋が形成された締結バーが結合されることによって、一度パイプジョイントに結合されたクランプが外部衝撃によって解除される現象を防止できるようになったパイプ用クランプを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【0016】
【
図2】本発明の一実施例に係るクランプの斜視図である。
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照して本発明に係る実施例を説明する。但し、以下で説明する実施例は、本発明に対する一つの好ましい具現例を例示的に示したものであって、このような実施例の例示は、本発明の権利範囲を制限するためのものではない。本発明は、その技術的思想から逸脱しない範囲内で多様に変形させて実施することができる。
【0022】
図2は、本発明の一実施例に係るクランプの斜視図で、
図3は、
図2に示したクランプの分解斜視図で、
図4は、クランプの正面図で、
図5は、クランプの断面図である。
【0023】
本発明のパイプクランプは、本体10と、各本体10を結合するリンク20と、クランプを締結する締結バー30と、締結バーに挿入され、締結バー30がスライディング移動する締結スクリュー40とを備えて構成される。
【0024】
本体10は、一対の第1の本体11及び第2の本体12を備えて構成される。前記第1の本体11の上側には、リンク20をヒンジ結合するための溝11aが形成される。前記第1の本体11の下側には、締結バー30を結合するための締結突起11bが形成される。
【0025】
前記締結突起11bには、締結スクリュー40を挿入するための挿入溝11cが形成され、挿入溝11cの下側には、締結バー30を締結するための螺旋ホール11dが形成される。
【0026】
前記第1の本体11の中央には、各パイプの結合状態を確認するためのホール11eが形成される。
【0027】
前記第2の本体12の上側には、リンク20をヒンジ結合するための溝12aが形成される。前記第2の本体12の下側には、締結スクリュー40をヒンジ結合するための溝12bが形成される。
【0028】
前記第2の本体12の中央には、各パイプの結合状態を確認するためのホール12cが形成される。
【0029】
リンク20は、折り畳み可能に一対の第1のリンク21及び第2のリンク22を備えて構成される。前記第1のリンク21の一側にはヒンジ21aが形成される。そして、第2のリンク22には、ヒンジ21aが挿入されて回転可能に結合される挿入溝22aが形成される。
【0030】
前記第1のリンク21及び第2のリンク22には、ヒンジピンpが挿入されるガイドホール21c、22cが形成される。前記ガイドホール21c、22cの直径は、ヒンジピンpの直径より大きく形成される。
【0031】
前記第1のリンク21は、第1の本体11に形成された溝11aに回転可能にヒンジピンpを通じてヒンジ結合され、前記第2のリンク22は、第2の本体12に形成された溝12aにヒンジピンpを通じて回転可能にヒンジ結合される。
【0032】
前記第1のリンク21に形成されたヒンジ21aは、第2のリンク22に形成された挿入溝22aに回転可能にヒンジ結合される。
【0033】
したがって、前記折り畳み可能に形成されると共に、ヒンジピンpの直径より大きい直径を有するガイドホール21c、22cが形成された各リンク21、22により、第1の本体11と第2の本体12との間隔がより自由に調節される。
【0034】
締結バー30は、一側にナット30aが形成され、外側には螺旋30bが形成される。そして、締結バー30の内側には、締結スクリュー40を挿入・締結するための螺旋ホール30cが形成される。
【0035】
前記締結バー30に形成されたナット30aには、六角レンチを挿入できる挿入溝30dが形成される。前記挿入溝30dは、狭い空間で作業をするとき、ナット30aの外側に工具を締結できない状態で挿入溝30dに工具を挿入し、ナットを回せるようにするために形成されたものである。
【0036】
前記締結バー30は、第1の本体11に形成された螺旋ホール11dに螺旋結合される。その結果、螺旋ホール11dに螺旋結合された締結バー30は外部衝撃によって解除されなくなる。
【0037】
締結スクリュー40は、スクリュー41及び結合部42を備えて構成される。
【0038】
前記スクリュー41は、締結バー30に形成された螺旋ホール30cに挿入・結合される。前記結合部42にはガイドホール42aが形成される。前記結合部42は、第2の本体12に形成された溝12bにヒンジピンpを通じて締結される。前記ガイドホール42aの直径は、ヒンジピンpの直径より大きく形成される。その結果、第2の本体12に結合された締結スクリュー40が一定間隔だけ移動できるように形成される。
【0039】
したがって、一定間隔だけ移動できるように第2の本体に結合された締結スクリュー40によって締結バー30の角度が自由に調節され、第1の本体11と第2の本体12との間隔が一定に広がっていない状態でも締結バー30が螺旋ホール11dに結合される。
【0040】
前記締結バー30及び本体10に形成された螺旋ホール30c及び螺旋ホール11dと、前記締結バー30及び締結スクリュー40に形成された螺旋30b及びスクリュー41とは互いに同一の方向に形成される。
【0041】
したがって、前記締結バー30を回転させると、締結バー30が締結スクリュー40及び本体に形成された螺旋ホール11dに沿って移動するようになる。
【0042】
図6〜
図8は、クランプの使用状態図である。
【0043】
本発明に係るパイプ用クランプは、第1の本体11及び第2の本体12を広げた状態に維持する。前記状態で各パイプの結合部及びジョイントにクランプを挿入し、クランプの第1の本体11及び第2の本体12をパイプジョイントに密着させる。
【0044】
前記第1の本体11及び第2の本体12をパイプジョイントに密着させると、折り畳み可能に形成されたリンクにより、第1の本体11及び第2の本体12がパイプジョイントに完全に密着する。
【0045】
前記状態で締結スクリュー40を締結突起11bに形成された挿入溝11cに挿入した後、締結バー30を回転させると、第2の本体12に一定間隔だけ移動可能であると共に、回転可能にヒンジ結合された締結スクリュー40の位置が変わりながら締結スクリュー40が締結バー30の内側に移動するようになる。これと同時に、締結バー30は、本体10に形成された螺旋ホール11dに螺旋結合される。
【0046】
したがって、締結バー30が螺旋ホール11dに固定されると共に、締結スクリュー40が締結バー30の内側に移動し、クランプがパイプジョイントに密着・固定される。
【0047】
そして、前記クランプに形成されたホール11e、12cにより、パイプジョイントにクランプが正確に固定されたか否かを確認できるようになる。
【0048】
本発明は、折り畳み可能に構成されたリンク及び締結スクリューにより、多様なサイズのパイプジョイントにクランプを固定できるようになる。また、締結バーの外側に螺旋が形成され、前記締結バーが第1の本体に形成された螺旋ホールに締結されることによって、外部衝撃によって締結バーが解除される現象が発生しなくなる。
【0049】
以上では、本発明に係る実施例を説明した。しかし、本発明は、上述した実施例に限定されるものではなく、本発明の技術的概念から逸脱しない範囲内で多様に変形させて実施することができる。