特許第6142382号(P6142382)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6142382圧力低下に対するタイヤの抵抗性を検査する方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6142382
(24)【登録日】2017年5月19日
(45)【発行日】2017年6月7日
(54)【発明の名称】圧力低下に対するタイヤの抵抗性を検査する方法
(51)【国際特許分類】
   G01M 17/02 20060101AFI20170529BHJP
   B60C 19/00 20060101ALI20170529BHJP
   B60C 19/12 20060101ALI20170529BHJP
【FI】
   G01M17/02 B
   B60C19/00 H
   B60C19/12
【請求項の数】23
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-557059(P2014-557059)
(86)(22)【出願日】2013年2月15日
(65)【公表番号】特表2015-513078(P2015-513078A)
(43)【公表日】2015年4月30日
(86)【国際出願番号】EP2013053121
(87)【国際公開番号】WO2013121019
(87)【国際公開日】20130822
【審査請求日】2016年1月21日
(31)【優先権主張番号】1251436
(32)【優先日】2012年2月16日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】514326694
【氏名又は名称】コンパニー ゼネラール デ エタブリッスマン ミシュラン
(73)【特許権者】
【識別番号】508032479
【氏名又は名称】ミシュラン ルシェルシュ エ テクニーク ソシエテ アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100092093
【弁理士】
【氏名又は名称】辻居 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100082005
【弁理士】
【氏名又は名称】熊倉 禎男
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(72)【発明者】
【氏名】メリノ ロペス ホセ
(72)【発明者】
【氏名】アウアント ミシェル
【審査官】 北川 創
(56)【参考文献】
【文献】 特開平06−270283(JP,A)
【文献】 国際公開第2009/135004(WO,A1)
【文献】 特開昭52−073401(JP,A)
【文献】 特開昭61−014277(JP,A)
【文献】 米国特許第04501825(US,A)
【文献】 特開2005−120273(JP,A)
【文献】 特表2002−517325(JP,A)
【文献】 米国特許第02756801(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01M 17/02
B60C 19/00
B29C 73/16
G01M 3/06 − 3/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パンク後の圧力低下に対するタイヤの抵抗性を検査する方法であって、前記方法は、
‐複数個の穴あけ物体を前記タイヤの壁中に差し込むことによって前記タイヤの前記壁に複数個のパンク穴を作るステップと、
‐前記穴あけ物体が差し込まれたままの状態で前記タイヤを調節されたインフレーション圧力で所与の距離にわたって走行させるステップと、
‐走行を停止させるステップと、
‐各パンク穴に関し、界面活性剤を当該パンク穴に吹き付けた後のバブルの存在、サイズ及び数の関数としての前記パンク穴の漏れ速度の推定値に基づいて圧力低下抵抗性指数を算定するステップと、を含む、方法。
【請求項2】
前記タイヤがセルフシール製品を備えていない場合、走行停止時に且つ前記圧力低下抵抗性指数の算定に先立って、セルフシール製品が前記タイヤの内部キャビティ内に配置される、請求項1記載の検査方法。
【請求項3】
前記穴あけ物体又はこれらのうちの幾つかが走行中、定位置に留まっている場合、走行中に定位置に留まっている前記穴あけ物体の各パンク穴に関し、前記穴あけ物体が定位置に存在している状態での圧力低下抵抗性指数(IP)が前記漏れ速度の推定値に基づいて算定される、請求項1又は2記載の検査方法。
【請求項4】
前記穴あけ物体又はこれらのうちの幾つかが走行中、前記タイヤの前記壁から放出された場合、走行中に放出された前記穴あけ物体の各パンク穴に関し、前記穴あけ物体の放出後における圧力低下抵抗性指数(IE)が前記漏れ速度の推定値に基づいて算定される、請求項1乃至3の何れか1項に記載の検査方法。
【請求項5】
走行停止時、
‐穴あけ物体が定位置に存在した状態で1つ又は複数個のパンク穴から前記穴あけ物体を抜き取るステップと、
‐走行中に放出され又は走行の終わりに抜き取られた前記穴あけ物体の各パンク穴に関し、前記漏れ速度の推定値に基づいて圧力低下抵抗性指数(IE)を算定するステップと、を更に含む、請求項1乃至4の何れか1項に記載の検査方法。
【請求項6】
‐5〜20分オーダの所与の時間後、走行中に放出され又は走行の終わりに抜き取られた前記穴あけ物体の各パンク穴に関し、前記漏れ速度の推定値に基づいて圧力低下抵抗性指数(I10)を算定し直すステップを更に含む、請求項1乃至5の何れか1項に記載の検査方法。
【請求項7】
‐前記パンク穴の全てについて平均圧力低下抵抗性指数(IM)を計算するステップを、更に含む、請求項1乃至6の何れか1項に記載の検査方法。
【請求項8】
複数個のパンク穴が前記タイヤの壁を貫通した状態で前記タイヤの走行する距離は、200kmを超え、好ましくは500kmを超える、請求項1乃至7の何れか1項に記載の検査方法。
【請求項9】
前記タイヤは、回転道路上を走行する、請求項1乃至8の何れか1項に記載の検査方法。
【請求項10】
前記回転道路の展開長さは、16mを超える、請求項9記載の検査方法。
【請求項11】
タイヤは、前記複数個の穴あけ物体が前記タイヤの前記壁中に差し込まれる前にインフレートされる、請求項1乃至10の何れか1項に記載の検査方法。
【請求項12】
走行中における前記インフレーション圧力は、1.8〜3barの圧力に調節される、請求項1乃至11の何れか1項に記載の検査方法。
【請求項13】
前記走行速度は、90km/時を超える、請求項1乃至12の何れか1項に記載の検査方法。
【請求項14】
前記走行速度は、1つの検査の中で小刻みな速度の増大で変化する、請求項13記載の検査方法。
【請求項15】
走行を停止させた後、定位置にある前記穴あけ物体が全て抜き取られ、そして1つ又は複数の圧力低下抵抗性指数が算定され又は算定されており、以下の追加のステップ、即ち、
‐穴あけ物体が定位置に存在していな状態で前記インフレートされたタイヤを走行させるステップと、
‐各パンク穴に関し、前記漏れ速度の推定値に基づいて圧力低下抵抗性指数を算定するステップとを含む、請求項5乃至14の何れか1項に記載の検査方法。
【請求項16】
穴あけ物体が存在していない状態で走行した追加の距離は、100〜500kmである、請求項15記載の検査方法。
【請求項17】
前記複数個の穴あけ物体は、様々な直径のねじ及び釘を含む、請求項1乃至16の何れか1項に記載の検査方法。
【請求項18】
前記複数個の穴あけ物体は、3〜30個の穴あけ物体、好ましくは8〜20個の穴あけ物体を含む、請求項1乃至17の何れか1項に記載の検査方法。
【請求項19】
1つ又は複数個の前記穴あけ物体の直径は、1〜5mmである、請求項1乃至18の何れか1項に記載の検査方法。
【請求項20】
1つ又は複数個の前記穴あけ物体は、前記タイヤのクラウン中に差し込まれる、請求項1乃至19の何れか1項に記載の検査方法。
【請求項21】
1つ又は複数個の前記穴あけ物体は、前記タイヤのトレッドパターンの溝の外面から前記タイヤの前記クラウン中に差し込まれる、請求項20記載の検査方法。
【請求項22】
1つ又は複数個の前記穴あけ物体は、前記タイヤのトレッドパターンのトレッドブロックの外面から前記タイヤの前記クラウン中に差し込まれる、請求項20記載の検査方法。
【請求項23】
次の採点方式がパンク穴の漏れ速度の推定値を評価するために用いられ、該採点方式は次の通、即ち、
‐100:見えるバブルなし、漏れなし、
‐80:ナノレベル漏れ、拡大鏡を用いなければ見えない直径0.1mm未満の極めて小さなバブル、
‐60:ミクロレベルの漏れ、直径0.1〜1mmの裸眼で見える小さなバブル、
‐0:漏れあり、直径1mmを超える成長中のバブル又は空気流量が高すぎるのでバブルが全くなし、であるという請求項記載の検査方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タイヤに関し、特に、タイヤのパンク後の圧力の低下に対する抵抗性を検査する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
穴あけ物体、例えばねじ又は釘によりタイヤの壁に穴があいた場合又は「パンクした」場合、タイヤインフレーション用空気は、パンク穴を通って逃げ出る場合があり、結果として生じる圧力の低下により、タイヤは、平べったくなり、車両を停止させるべき場合がある。
【0003】
タイヤに穴があくという事象とタイヤが平べったくなるという事象との間で経過する時間は、非常に変化に富んでおり、特に、穴あけ物体のサイズに依存するが、穴あけ物体がタイヤの壁の中の定位置に存在する状態で走行が続くかどうかによっても左右される。この走行により、穴あけ物体とタイヤの壁との相対運動が生じ、これは、パンク穴を拡大させると共に漏れ速度を増大させる場合が多い。
【0004】
空気タイヤを備えたホイールの使用のまさに開始時点に遡るパンクに関するこの問題に取り組むためには、通常の解決手段は、車を停車して問題のホイールをスペアホイール(予備タイヤ)で置き換えることである。
【0005】
他の解決手段が考えられ、かかる解決手段は、スペアホイールを使用する必要を回避するために市販されている。
【0006】
米国特許第5,916,931号明細書は、繊維製品を含む種々の製品と混ぜ合わされた水性ラテックス乳濁液及び推進ガスの入ったエアゾール容器を記載している。タイヤが平べったくなると、この容器は、タイヤ弁に固定されて推進ガス及び封止/補修乳濁液をタイヤの内部キャビティ中に放出するよう設計されている。次に、タイヤを少なくとも部分的に再インフレートさせ、乳濁液は、パンク穴を塞ぎ、乳濁液をタイヤの内面全体にわたって正しく分布させるために走行を最初のうちは低速で再開し、次に通常通りに走行させることができる。
【0007】
また、補修キットが存在し、かかる補修キットは、スペアホイールに代えて或る特定の自動車製造業者によって提供されている。かかる補修キットの利点は、これにより自動車が軽量化され、したがって、その燃料消費量が減少し、しかも荷物室(トランク)のフロアの下の空間が節約されることである。
【0008】
パンク用キットは、圧縮機、シーラント入り筒体、電気リード及びエアホースで構成されている。シーラント入り筒体が圧縮機にいったん固定されると、エアホースを筒体及びタイヤの弁にねじ止めし、そして電気リードを車両シガレットライタにプラグ接続し、なされるべき残っていることは、圧縮機を「オン」に切り換え、バッテリを消耗させないようにするためにエンジンが回ったままにすることだけである。
【0009】
シーラントは、約30秒でタイヤの中に入って空になり、この約30秒間の間で、空気ホース内の圧力は、約6barまで増大する。次に、空気は、タイヤをインフレートさせ、10分以内に理論的インフレーション圧力に達する。この圧力にいったん達すると、次に残っていることは、圧縮機をオフに切り換え、キットを取り外すことだけである。
【0010】
タイヤをいったん再インフレートさせると、迅速にホイールを元に戻して10km走行させ、そしてタイヤの圧力を所要のレベルに至らせるために圧縮機及びエアホースを用いてタイヤの圧力をチェックすることが必要である。
【0011】
パンクしたタイヤをいったん補修すると、80km/時の速度を超えてはならず、タイヤをほどなくチェックし又は交換する必要がある。タイヤ補修キットは、一時的な補修具を提供するに過ぎない。
【0012】
製造業者は又、内壁に又は構造体内にパンク穴を封止することができる「セルフシール(自己密封)製品」と呼ばれる弾性、粘性又はペースト状の製品の層を備えたタイヤを提案した。国際公開第2008/080556(A1)号パンフレットは、かかるタイヤの一例を開示している。したがって、これらタイヤは、パンクをしないというわけではなく、パンク穴は、通常、セルフシール製品で塞がれ又は封止される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】米国特許第5,916,931号明細書
【特許文献2】国際公開第2008/080556(A1)号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
これら種々の解決手段を開発した製造業者は全て、特にパンクに続いて穴あけ物体の迅速な抜き取りを行う場合、自分の製品を用いて注目に値にするパンク穴封止結果を提供している。しかしながら、通常の運転条件に対応した検査方法が存在せず、したがって、これら種々の解決手段が実際にどれほど効果的であるかを判定し、そしてこれら種々の解決手段を互いに比較することは、極めて困難である。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の要旨は、パンク後の圧力低下に対するタイヤの抵抗性を検査する方法であって、この方法は、
‐複数個の穴あけ物体をタイヤの壁中に差し込むことによってタイヤの壁に複数個のパンク穴を作るステップと、
‐穴あけ物体が差し込まれたままの状態でタイヤを調節されたインフレーション圧力で所与の距離にわたって走行させるステップと、
‐走行を停止させるステップと、
‐各パンク穴に関し、パンク穴の漏れ速度の推定値に基づいて圧力低下抵抗性指数を算定するステップとを含むことを特徴とする方法にある。
【0016】
この検査方法は、複数個の穴あけ物体が存在した状態で走行が実施されるので非常に選択的であるという利点を有する。この走行により、穴あけ物体とタイヤの壁との相対運動が生じるが、かかる相対運動は、パンク穴を拡大させ、パンク穴を封止するのを一層困難にし又はパンク穴を封止状態に保つのが一層困難になる場合がある。種々の形式及び直径の複数個の穴あけ物体を調節された圧力での走行と結合して用いることは、単一のタイヤを用いて多くのパンク抵抗性結果を得ることができ、かくして必要な試験の数が制限されるということを意味している。特に穴あけ物体が放出された場合において走行中に起こることのある漏れを補償するために試験対象のタイヤのインフレーション圧力を調節することが有利である。このことは、タイヤ中に存在する他の穴あけ物体と関連したパンク穴の挙動を研究することができるということを意味している。
【0017】
この検査方法は、セルフシール製品、例えばタイヤの内壁上又はタイヤの壁内に設けられたセルフシール製品の層を有するタイヤにとって特に有用である。
【0018】
タイヤがセルフシール製品を備えていない場合、走行停止時に且つ圧力低下抵抗性指数の算定に先立って、セルフシール製品がタイヤの内部キャビティ内に配置される。
【0019】
したがって、この検査方法により、パンクが起こった場合にスペアホイールの代わりをする交換手段の全て、特にタイヤインフレータ及び補修キットを現実的な条件下で検査することができる。当然のことながら、タイヤの内部キャビティ内へのシーラントのこの導入は、検査対象の各封止手段に特有の適切な手順に従って実施されることが必要である。
【0020】
特定の一実施形態によれば、穴あけ物体が走行中、定位置に留まっている場合、穴あけ物体が定位置に存在している状態での圧力低下抵抗性指数(IP)が漏れ速度の推定値に基づいて算定される。
【0021】
穴あけ物体が走行中、タイヤの壁から放出された場合、穴あけ物体の放出後における圧力低下抵抗性指数(IE)が漏れ速度の推定値に基づいて算定される。
【0022】
これら2つの指数IP,IEは、互いに捕捉し合うということが注目されよう。
【0023】
変形例として、本発明の検査方法は、走行停止後、次の追加のステップ、即ち、
‐穴あけ物体が定位置に存在した状態で1つ又は複数個のパンク穴から穴あけ物体を抜き取るステップと、
‐走行中に放出され又は走行の終わりに抜き取られた穴あけ物体の各パンク穴に関し、漏れ速度の推定値に基づいて圧力低下抵抗性指数(IE)を算定するステップとを含むのが良い。
【0024】
好ましくは、検査方法は、5〜20分オーダの所与の時間後、走行中に放出され又は走行の終わりに抜き取られた穴あけ物体の各パンク穴に関し、漏れ速度の推定値に基づいて圧力低下抵抗性指数(I10)を算定し直す追加のステップを含む。
【0025】
この場合、有利には、パンク穴の全てについて平均圧力低下抵抗性指数(IM)を計算することが可能である。
【0026】
このようにして得られた3つの指数、IP,IE,I10は、平均指数IMと一緒になって、パンク後の圧力低下に対するタイヤの抵抗性をこのタイヤが当初からセルフシール製品を備えているにせよそうでないにせよいずれにせよ、極めて選択的に特徴付けることができる。
【0027】
この方法は又、有利には、走行を停止させた後、定位置にある穴あけ物体が全て抜き取られ、そして1つ又は複数の圧力低下抵抗性指数が算定され又は算定されており、以下の追加のステップ、即ち、
‐穴あけ物体が定位置に存在していな状態でインフレートされたタイヤを走行させるステップと、
‐各パンク穴に関し、漏れ速度の推定値に基づいて圧力低下抵抗性指数を算定するステップとを更に含むのが良い。
【0028】
穴あけ物体が存在していない状態で走行した追加の距離は、100〜500kmであるのが良い。
【0029】
この追加の走行ステップにより、封止/補修器具で達成されるシールの耐久性を評価することができる。
【0030】
好ましくは、複数個のパンク穴がタイヤの壁を貫通した状態でタイヤの走行する距離は、200kmを超え、非常に好ましくは500kmを超える。
【0031】
タイヤを回転道路上で走行させるのが良い。
【0032】
回転道路の展開長さは、好ましくは、16mを超える。
【0033】
好ましくは、タイヤは、複数個の穴あけ物体がタイヤの壁中に差し込まれる前にインフレートされる。
【0034】
これにより、穴あけ物体を挿入するのが容易になる。
【0035】
走行中、タイヤインフレーション圧力は、好ましくは、調節され、非常に好ましくは、1.8〜3barの圧力に調節される。
【0036】
好ましくは、走行速度は、99km/時を超え、非常に好ましくは90〜160km/時である。
【0037】
有利には、走行速度は、小刻みな速度の増大で変化する。
【0038】
これら小刻みな速度の増大は、良好な選択性を備えた状態での検査の加速を見込んでいる。
【0039】
有利には、複数個の穴あけ物体は、様々な直径のねじ及び釘を含む。
【0040】
1つ又は複数個の穴あけ物体の直径は、好ましくは、1〜5mmである。
【0041】
有利には、複数個の穴あけ物体は、3〜30個の穴あけ物体、好ましくは8〜20個の穴あけ物体を含む。
【0042】
穴あけ物体を、タイヤのトレッドパターンの溝の外面からタイヤのクラウン中に差し込むのが良い。
【0043】
また、穴あけ物体をタイヤのトレッドパターンのトレッドブロック中に差し込んでも良い。
【0044】
有利には、界面活性剤を用いて各パンク穴の漏れ速度を視覚化すると共に定性的に評価する。
【0045】
次の採点方式がパンク穴の漏れ速度を評価するために用いられるのが良く、かかる採点方式は次の通りであり、即ち、
‐100:ナノレベル漏れ、拡大鏡を用いなければ見えない直径0.1mm未満の極めて小さなバブル、
‐80:ナノレベル漏れ、拡大鏡を用いなければ見えない直径0.1mm未満の極めて小さなバブル、
‐60:ミクロレベルの漏れ、直径0.1〜1mmの裸眼で見える小さなバブル、
‐0:漏れあり、直径1mmを超える成長中のバブル又は空気流量が高すぎるのでバブルが全くなし。
【0046】
また、総合指数は、各穴あけ物体に関する点数を組み合わせ、穴あけ物体が顧客ベースで見える頻度を示す曲線を用いて点数を重み付けすることによって求められることが有利である。
【0047】
これにより、同様に与えられている走行条件下で所与のタイヤで耐穴あき性(耐パンク性)を定性評価するのに適した単一の指数を提供することが可能である。
【0048】
例えば、所与の組で見受けられる釘直径の分布を示す曲線を参照することが可能である。
【0049】
添付の図は、内壁にセルフシール層を有するタイヤの場合において圧力の低下に対するタイヤの抵抗性を検査する方法の種々の観点を示している。
【図面の簡単な説明】
【0050】
図1】多くの穴あけ物体を示す図である。
図2】中国及び米国において観察される釘直径の分布を累積的頻度として示す曲線のグラフ図である。
図3】3つのパンク穴のあるタイヤのクラウンの上から見た部分図である。
図4】漏れ速度がゼロのパンク穴の場合を示す図である。
図5】漏れ速度が極めて低いパンク穴の場合を示す図(a,b)である。
図6】漏れ速度が低いパンク穴の場合を示す図である。
図7】漏れが迅速なパンク穴の場合を示す図(a,b)である。。
図8】耐穴あき性検査の結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0051】
上述の国際公開第2008/080556(A1)号パンフレットに記載されているセルフシール製品の層を備えたサイズ205/55R16のミシュランエナジー(Michelin Energy)3型タイヤ1を検査する。
【0052】
図1は、通常検査方法に用いられる穴あけ物体の幾つかの例を示している。これらは、直径3mmの釘21、直径4mmの釘22及び直径5mmの釘23並びに直径3.5mmのねじ25である。
【0053】
これら穴あけ物体の直径は、実際の走行条件下で見受けられる穴あき物体に対して完全に現実的である。図2は、中国及び米国において路上で見受けられる釘の分布を累積的頻度として示す図である。観察できることとして、直径5mm以下の釘はこれらを合わせて、遭遇する物体の90%超を考慮に入れている。
【0054】
タイヤをいったん適当なホイールに取り付けて2.5barまでインフレートさせると、タイヤ及びホイールを図示されていない回転ハブに剛結し、複数個の穴あけ物体を図1のクラウン3中に差し込む。
【0055】
図3は、タイヤ1のクラウン3の上から見た部分図である。タイヤトレッドパターンは、車内側長手方向溝7、車外側長手方向溝9及び1組の側方溝11を備えた車外側ショルダ5を有している。「車内側」又は「車外側」という用語は、車両の内側寄り又は車両の外側寄りに取り付けられるようになったタイヤの側を意味し、このタイヤのトレッドパターンは、非対称である。図3は、車内側長手方向溝7、車外側長手方向溝9及び車外側ショルダ5の側方溝11内に配置された釘21による3つのパンク穴を示している。
【0056】
直径が3mm、長さが45〜60mmの3本の釘21、直径が4mm、長さがほぼ同じの3本の釘22及び直径5mm、長さがほぼ同じの3本の釘23並びに直径が3.5mm、長さが35〜50mmの3本のねじ25がクラウン全体を横切って差し込まれている。穴あけ物体は、クラウンの周囲にそってぐるりと等間隔に分布して配置されている。ショルダ溝11中に押し込まれた釘21は、車外側長手方向溝9から20〜30mmの距離のところに配置されている。
【0057】
また、トレッドパターンのトレッドブロックを通ってタイヤのクラウンを穴あけすることが可能であるが、これには大きな突き通し力が必要である。また、かかる突き通し力は、走行中における穴あけ物体の放出条件を変える。次に、インフレート状態のタイヤとホイールの組立体を直径が16mを超えるローラのハブに固定し、その目的は、平坦な路面上における走行条件に近づけることにある。
【0058】
走行条件は、次の通りであり、即ち、インフレーション圧力を例えば2.5barに調節し、加える荷重は、タイヤの定格荷重の90%のオーダのものであり、回転道路チャンバ内の温度を約20℃に調節し、走行は、トルクなしの且つコーナーリング又はキャンバが加えられない状態で直線状態である。
【0059】
タイヤをこれらの条件下において10km/時刻みで100km/時から150km/時までの速度で走行させた。かくして、完全な検査は、6時間にわたり750kmに及ぶ。
【0060】
走行中、直径5mmの釘の約70%が押し出され、4mm直径の釘の約30%も又押し出された。3mm直径の釘は、通常、タイヤのクラウンの中に位置したままである。ねじは、どれも走行中、押し出されなかった。と言うのは、ねじ山がこれらねじを抜き取るのに必要な力を増大させているからである。
【0061】
或る特定のタイヤ又はタイヤの或る特定のサイズの場合において3mm直径の釘も又押し出される場合のあることは注目されるべきである。
【0062】
走行後、最短4時間にわたる冷却段階が観察された。
【0063】
検査の結果は、抜き取り前(走行後、穴あけ物体が依然として存在している場合)、抜き取り後及び抜き取り後約10分における各パンク穴の漏れの定性的観察結果である。
【0064】
界面活性剤、例えば「1000バブル(気泡)」型のエアゾールキャニスタを用いて漏れを評価する。製品をパンク穴に吹き付け、評価者は、明るい照明の下で拡大鏡を用いてバブルの存在、サイズ及び数に注目した。
【0065】
図4図7は、穴あけ物体が定位置にある状態(図4図5(a)、図6及び図7(a))及び穴あけ物体が抜き取られ又は放出された後の状態(図5(b)、図7(b))で観察された種々の場合を示している。
【0066】
図4は、タイヤの長手方向溝9内に位置したパンク穴41を貫通した釘21を示している。バブルを認めることができず、漏れがなく、パンク穴は、10又は100%に採点された。
【0067】
図5(a)は、タイヤの長手方向溝9に位置しているパンク穴51を貫通した穴あけ物体21を示している。界面活性剤を塗布することにより、直径0.1mm未満の極めて多くの且つごくごく小さなバブル53が拡大鏡下でしか見えなかった。これは、8又は80%に採点された極めて小さな漏れである。
【0068】
図5(b)は、押し出され又は抜き取られた穴あけ物体で作られたパンク穴52を示している。パンク穴52は、同様に、タイヤの車外側長手方向溝9に位置している。また、界面活性剤を塗布することにより、直径0.1mm未満の極めて多くの且つごくごく小さなバブル53が拡大鏡の下で見えた。これは、8又は80%に採点された極めて小さな漏れである。
【0069】
図6は、タイヤの車外側長手方向溝9に作られているパンク穴61を貫通した穴あけ物体21を示している。この場合、界面活性剤の塗布により、ほぼ0.1mm〜1mmの直径の小さなバブル63の集まりが明らかになった。これは、6又は60%に採点された小さな漏れである。
【0070】
図7(a)は、これ又タイヤの長手方向溝に作られているパンク穴71を貫通した穴あけ物体21を示している。界面活性剤の塗布により、1mmを超える直径の単一の大きなバブル73が明らかになった。これは、0又は0%に採点された漏れである。
【0071】
図7(b)は、タイヤの長手方向溝に作られたパンク穴72を示しており、このパンク穴に関する穴あけ物体は、走行中、押し出され又は停止後抜き取られた。同様に、1mmを超える直径のたった1つの大きなバブル73を見ることができる。これは、0又は0%に採点された漏れである。
【0072】
以下の表は、検査結果を示している。
表1

【0073】
上記表1は、穴あけ物体がタイヤのクラウン中に押し込まれたときに観察された結果を示している。4つの互いに異なる形式の12本の穴あけ物体を差し込んだが、各形式は、指定されているように3つの互いに異なる位置のところで差し込まれた。注目されるように、この実施例におけるねじ25の差し込みにより、漏れがすぐに生じる。この漏れは、通常、タイヤを駆動すると消える。
表2‐指数IP

表3:採点方式に関する注意事項
【0074】
表2は、タイヤのクラウン内の定位置に残ったままの穴あけ物体について得られた結果を示している。上述したように、5mm直径の釘を放出させたが、物体が定位置にある状態でのパンク穴がなくても、漏れが現れた。穴あけ物体が定位置にある状態のパンク穴の全てに関する指数IPは、全て10に等しい。
表4‐指数IE‐I10
【0075】
図4は、走行後及び依然として定位置にある穴あけ物体全ての抜き取り後に得られた結果を示している。2つの採点、即ち、抜き取り直後の時刻t0での点数とその後10分のt10での点数に注目されたい。
【0076】
注目されるように、得られた結果に関する最も大きな広がりは、直径の大きな物体について得られ、結果は、抜き取り直後ではなく抜き取り後10分において良好である。
図8は、穴あけ物体の性状の関数としての時刻10で得られた結果のグラフ表示I10を提供している。
【0077】
直径3mm及び4mmの釘並びにタイヤの中に残っているねじについて漏れは観察されないが、これらの抜き取り後における5mm直径の釘については67%までの劣化、ねじについては87%までの劣化が生じた。
【0078】
顧客ベースで見受けられる釘直径分布を用いて指数I10を重み付けすることによって適用範囲のレベルも又計算することができる(図2参照)。説明した場合では、それにより、94%の総合値が得られ、これは、優れた結果である。
【0079】
次に、同一のタイヤは、穴あけ物体の放出又は取り出し後に圧力の低下に対する抵抗性を示す指数をパンク穴全てについて求めた後、次に、同一のタイヤが追加の走行を行った。この追加の走行の終わりに、指数は全て、10又は100%であり、もはや漏れがなかったことが判明した。
【0080】
上述した点数の組み合わせは、考えられる唯一の点数であるというわけではない。他の点数の組み合わせが可能であり、例えば、釘の点数及びねじの点数を或る特定の重み付けと組み合わせることが可能である。明らかなこととして、検査の種々の段階に関する点数(例えば、引き抜き前及び引き抜き後における釘又はねじに関する点数)も又別々に用いることができる。
【0081】
説明した検査は、元の機器としてセルフシール製品の層を備えたタイヤについてのものであった。上述したように、説明した検査によっても、他の手段、例えばタイヤインフレータ及び補修キットを検査することができる。
【0082】
これら他の手段を用いて検査を実施した。封止性能は、穴あけ物体の即座の抜き取りを行ったパンク穴の場合に全ての解決手段について事実上100%であることが判明している。これとは対照的に、穴あけ物体が定位置にある状態でタイヤを走行させた場合、200〜300kmという短い走行後、タイヤインフレータの性能は、ゼロになり、製品は、パンク穴を通って逃げ出た。補修キットに関する限り、これら補修キットは、良好に働いたが、性能は、穴あけ物体が依然として定位置にある状態で行われた走行長さについて、これ又極めて大幅に低下した。
【0083】
このように説明した検査は、選択性が高く、しかも圧力の低下に基づくのではなく各パンク穴の漏れ速度の分析に基づくという利点を有し、これにより、多くの結果をたった1本のタイヤで得ることができる。
図1
図2
図3
図4
図5(a)】
図5(b)】
図6
図7(a)】
図7(b)】
図8