【文献】
LTCC基板(1995年〜現在),セラミックス,42(2007)No. 10,pp795-797,URL,http://www.ceramic.or.jp/museum/contents/pdf/2007_10_02.pdf
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第1セラミック積層体、及び前記第1セラミック積層体の一面に配置され、電子部品を収容するためのキャビティが形成された第2セラミック積層体を含むセラミック基板と、
前記第1セラミック積層体の他面に形成され、テストピンと連結されるパターンを含む導電性パターンと、
前記導電性パターンを電気的に連結する導電性ビアと、
前記キャビティに配置されて、前記第1セラミック積層体の前記一面に接するキャパシタと、を含み、
前記キャビティは、前記キャパシタの厚さよりさらに大きい深さを有するように形成され、前記第1セラミック積層体のうち導電性パターンが形成されていない一面に相対する前記第2セラミック積層体の一面と、前記キャパシタ間に一定空間が確保された、キャパシタ内蔵型プローブカード用基板。
前記キャビティの上部は前記第1セラミック積層体と接し、前記キャパシタは前記キャビティの上部に実装される、請求項1に記載のキャパシタ内蔵型プローブカード用基板。
第1セラミック積層体、及び前記第1セラミック積層体の一面に配置され、電子部品を収容するためのキャビティが形成された第2セラミック積層体を含むセラミック基板と、
前記セラミック基板に形成され、前記第1セラミック積層体の他面に形成され、テストピンと連結されるパターンを含む導電性パターンと、
前記導電性パターンを電気的に連結する導電性ビアと、
前記キャビティに配置されて、前記第1セラミック積層体の前記一面に接するキャパシタと、
前記導電性パターンと連結されるテストピンと、を含み、
前記キャビティは、前記キャパシタの厚さよりさらに大きい深さを有するように形成され、前記第1セラミック積層体のうち導電性パターンが形成されていない一面に相対する前記第2セラミック積層体の一面と、前記キャパシタ間に一定空間が確保され、前記第1セラミック積層体の厚さをt1とするとき、0.05mm≦t1≦1.2mmを満たす、プローブカード。
第1セラミック積層体、及び前記第1セラミック積層体の一面に配置され、電子部品を収容するためのキャビティが形成された第2セラミック積層体を含むセラミック基板と、
前記第1セラミック積層体の他面に形成され、テストピンと連結されるパターンを含む導電性パターンと、
前記導電性パターンを電気的に連結する導電性ビアと、
前記キャビティに配置されて、前記第1セラミック積層体の前記一面に接するキャパシタと、
前記キャビティと前記セラミック基板の一面との距離は0.05mm〜1.2mmであり、
前記キャビティは、前記キャパシタの厚さよりさらに大きい深さを有するように形成されて、前記第1セラミック積層体のうち導電性パターンが形成されていない一面に相対する前記第2セラミック積層体の一面と、前記キャパシタ間に一定空間が確保された、キャパシタ内蔵型プローブカード用基板。
前記キャパシタは、複数の誘電体層を含む本体、前記本体内に配置される内部電極、及び前記内部電極と電気的に連結される外部電極を含む積層セラミックキャパシタである、請求項13に記載のキャパシタ内蔵型プローブカード。
前記キャビティは、前記キャパシタの厚さより大きい深さを有し、前記キャパシタ収容後に一定空間が確保される、請求項13に記載のキャパシタ内蔵型プローブカード。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスは、ウェハ上に回路パターン及び検査のための接触パッドを形成するファブリケーション(fabrication)工程、及び回路パターン及び接触パッドが形成されたウェハをそれぞれの個別チップに組み立てるアセンブリ(assembly)工程によって製造される。
【0003】
このようなファブリケーション工程及びアセンブリ工程間では、ウェハ上に形成された接触パッドに電気信号を印加してウェハの電気的特性を検査する検査工程(EDS、Electrical Die Sorting)が行われ、半導体デバイスはこのような検査工程によって良品または不良品に分類される。
【0004】
また、上記半導体デバイスの電気的特性の検査には、検査信号の発生及び検査結果の判定を担うテスター(tester)やパフォーマンスボード(performance board)、半導体ウェハのローディング(loading)及びアンローディング(unloading)を担うプローブステーション(probe station)、チャック(chuck)、プローバ(prober)、プローブカード(probe card)などを含む検査装置が主に用いられる。
【0005】
このうち、プローブカードは、半導体ウェハとテスターとの電気的連結を担うもので、テスターで発生した信号の伝達をパフォーマンスボードを介して受け、ウェハ内のチップのパッドに伝達した後、このようなチップのパッドから出力される信号をパフォーマンスボードを介してテスターに伝達する役割を行う。
【0006】
上記プローブカードは、回路パターンや電極パッド、ビア電極などを含む複数のセラミックグリーンシートを積層して積層体を製作した後、この積層体を焼成させて基板を製造し、上記基板にプローブピンを結合した形状に構成されることができる。
【0007】
最近は、半導体回路の集積技術の開発による半導体デバイスの小型化に伴い、このような半導体デバイスの検査装置にも高い精密度が求められ、ファブリケーション工程によってウェハに形成される回路パターン及び回路パターンと連結された接触パッドが高集積に形成されている。
【0008】
高集積に形成されたウェハの検査のための高集積のプローブカード用基板では、動作評価時に必要な電流の増加によって発生するパワーノイズの問題が深刻であり、デカップリングキャパシタがテストピン領域と離れて基板表面の外部領域に実装される現在のセラミック基板構造はパワーノイズをさらに改善させることが困難な状況にある。
【0009】
このような問題を解決すべく、プローブカード用基板の構造を改善し、ノイズを低減させる方法が求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、耐久性及びノイズの低減効果に優れるキャパシタ内蔵型プローブカード用基板及びその製造方法並びにプローブカードを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一形態は、第1セラミック積層体、及び上記第1セラミック積層体の一面に配置され、電子部品を収容するためのキャビティが形成された第2セラミック積層体を含むセラミック基板と、上記第1セラミック積層体及び上記第2セラミック積層体に印刷された導電性パターンと、上記導電性パターンを電気的に連結する導電性ビアと、上記キャビティに配置されるキャパシタと、を含み、上記キャビティは、上記キャパシタの厚さよりさらに大きい深さを有するように形成されて上記キャパシタ収容後に下部に一定空間が確保されるキャパシタ内蔵型プローブカード用基板を提供することができる。
【0013】
上記導電性パターンは、上記第1セラミック積層体の他面に形成され、テストピンと連結されるパターンを含むことができる。
【0014】
上記キャビティの上部は上記第1セラミック積層体と接し、上記キャパシタは上記キャビティの上部に実装されることができる。
【0015】
上記第1セラミック積層体の厚さをt1とするとき、0.05mm≦t1≦1.2mmを満たすことができる。
【0016】
上記セラミック基板の厚さをTとするとき、T≧2.0mmを満たすことができる。
【0017】
上記キャパシタは、1000〜1400℃において焼成できる高誘電率のセラミックを含むことができる。
【0018】
上記セラミック基板は、アルミナ(Al
2O
3)及びガラス(glass)を含み、上記ガラスは上記アルミナ100重量部に対して100〜233重量部含まれることができる。
【0019】
上記セラミック基板の曲げ強度は、150MPa〜350MPaであることができる。
【0020】
本発明の他の形態は、誘電体層を含むキャパシタを製造する段階と、複数のグリーンシートを設ける段階と、上記グリーンシートに導電性パターン、導電性ビア、及び上記キャパシタを内蔵するための収容部を設ける段階と、上記キャパシタが収容部に内蔵されるように上記グリーンシートを積層してグリーンシート積層体を形成する段階と、上記グリーンシート積層体を焼成して第1セラミック積層体、及び上記第1セラミック積層体の一面に形成され、キャパシタが収容されたキャビティを含むセラミック基板を形成する段階と、を含み、上記キャビティは、上記キャパシタの厚さよりさらに大きい深さを有するように形成して上記キャパシタの収容後に下部に一定空間が確保されるキャパシタ内蔵型プローブカード用基板の製造方法を提供することができる。
【0021】
上記第1セラミック積層体の厚さをt1とするとき、0.05mm≦t1≦1.2mmを満たすことができる。
【0022】
上記セラミック基板の厚さをTとするとき、T≧2.0mmを満たすことができる。
【0023】
上記誘電体層の焼成温度は、上記積層体の焼成温度より高いことができる。
【0024】
上記セラミック基板は、アルミナ(Al
2O
3)及びガラス(glass)を含み、上記ガラスは上記アルミナ100重量部に対して100〜233重量部含まれることができる。
【0025】
本発明のさらに他の形態は、第1セラミック積層体、及び上記第1セラミック積層体の一面に配置され、電子部品を収容するためのキャビティが形成された第2セラミック積層体を含むセラミック基板と、上記セラミック基板に形成され、上記第1セラミック積層体の他面に形成される連結パターンを含む導電性パターンと、上記導電性パターンを電気的に連結する導電性ビアと、上記キャビティに配置されるキャパシタと、上記連結パターンと連結されるテストピンと、を含み、上記第1セラミック積層体の厚さをt1とするとき、0.05mm≦t1≦1.2mmを満たすキャパシタ内蔵型プローブカード用基板を提供することができる。
【0026】
本発明のさらに他の形態は、複数の絶縁層を含み、電子部品を収容するためのキャビティが上記複数の絶縁層の一部領域に形成されるセラミック基板と、上記セラミック基板に形成される導電性パターンと、上記導電性パターンを電気的に連結する導電性ビアと、上記キャビティに配置されるキャパシタと、上記キャビティと上記セラミック基板の一面との距離は0.05mm〜1.2mmであるキャパシタ内蔵型プローブカード用基板を提供することができる。
【0027】
上記導電性パターンは、絶縁層に配置され、テストピンと連結される第1パターンを含むことができる。
【0028】
上記セラミック基板の厚さをTとするとき、T≧2.0mmを満たすことができる。
【0029】
上記キャパシタは、複数の誘電体層を含む本体、上記本体内に配置される内部電極、及び上記内部電極と電気的に連結される外部電極を含む積層セラミックキャパシタであることができる。
【0030】
上記セラミック基板は、アルミナ(Al
2O
3)及びガラス(glass)を含むことができる。
【0031】
上記キャビティは、上記キャパシタの厚さより大きい深さを有し、上記キャパシタ収容後に一定空間が確保されることができる。
【0032】
本発明のさらに他の形態は、第1絶縁層、及び上記第1絶縁層の一面に配置され、第1絶縁層の表面に露出するキャビティを含む第2絶縁層を含むセラミック基板と、第1絶縁層及び第2絶縁層に配置される導電性パターンと、上記導電性パターンを電気的に連結する導電性ビアと、上記キャビティが露出する上記第1絶縁層の表面に配置されるキャパシタと、を含み、上記キャビティの深さは上記キャパシタの厚さより大きいプローブカード用基板を提供することができる。
【0033】
上記キャビティの厚さは、上記第2絶縁層の厚さと同一であることができる。
【発明の効果】
【0034】
本発明によると、耐久性及びノイズの減少効果に優れるプローブカード用基板及びその製造方法並びにプローブカードを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下では、添付の図面を参照し、本発明の好ましい実施形態について説明する。しかし、本発明の実施形態は様々な他の形態に変形されることができ、本発明の範囲は以下で説明する実施形態に限定されない。また、本発明の実施形態は、当該技術分野で平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面における要素の形状及びサイズなどはより明確な説明のために誇張されることがある。
【0037】
キャパシタ内蔵型プローブカード用基板200
【0038】
図1は本発明によるキャパシタ内蔵型プローブカード用基板200を概略的に示す断面図である。
【0039】
本発明によるキャパシタ内蔵型プローブカード用基板200は、第1セラミック積層体41、及び上記第1セラミック積層体の一面に配置され、電子部品を収容するためのキャビティCが形成された第2セラミック積層体42、43を含むセラミック基板40と、上記セラミック基板に形成された導電性パターン11と、上記導電性パターンと電気的に連結される導電性ビア12と、上記キャビティに配置されるキャパシタ100と、を含むことができる。
【0040】
上記導電性パターン11は、上記第1セラミック積層体41の他面に形成され、テストピンと連結される第1パターン(連結パターン)と、上記セラミック基板の内部に配置される第2パターンと、を含むことができる。
【0041】
上記セラミック基板は、複数の絶縁層41〜47が積層されて形成されることができる。また、キャビティが形成された絶縁層は第2セラミック積層体42、43、第2セラミック積層体の上部に形成され、テストピンと隣接して配置される絶縁層41は第1セラミック積層体41と定義されることができる。
【0042】
セラミック基板は、第1セラミック積層体及び第2セラミック積層体の他に、信号層、接地層などを内蔵するための別途の絶縁層を含むことができ、上記別途の絶縁層は図面符号44〜47で示した。
【0043】
上記セラミック基板40は、900℃以下の温度において低温焼成できるLTCC(Low temperature co−fired ceracmics)を含むことができる。
【0044】
本発明の一実施形態によると、上記LTCCは、アルミナ(Al
2O
3)及びガラス(glass)を含むことができる。上記ガラスは、上記アルミナ100重量部に対して100〜233重量部含まれることができる。
【0045】
上記ガラスは、M−Al−Si−O(上記MはCa、SrまたはBa)系の結晶化ガラスまたはSi−B−R−O(Rはアルカリ金属、Li、Na、Kなど)系のボロシリケートガラスであることができる。
【0046】
本発明の一実施形態によるLTCCは、M元素(上記MはCa、SrまたはBa)25〜40wt%、アルミニウム(Al)30〜45wt%、シリコン(Si)5〜20wt%、その他の添加元素(Zn、B、Mgなど)0.1〜5wt%が含まれるガラスを含むことができるが、本発明はこれに制限されない。
【0047】
上記LTCCは、ガラスの低い融点のために上記900℃以下の温度において焼成することができ、870℃において焼成することが好ましい。
【0048】
また、上記LTCCの曲げ強度は、これに制限されないが、150MPa〜350MPaであることができる。
【0049】
上記キャパシタ100は、高誘電率の誘電体層111を含むことができる。
【0050】
また、上記キャパシタ100は、複数の誘電体層111を含む本体110、上記本体内に配置される内部電極121、122、及び上記内部電極と電気的に接続される外部電極131、132を含む積層セラミックキャパシタであることができる。
【0051】
上記誘電体層は、1000〜1400℃において焼成できる高誘電率のセラミックを含むことができる。
【0052】
即ち、本発明は、900℃以下の温度において焼成できるLTCCでセラミック基板を形成することにより、キャパシタが内蔵された状態で焼成してプローブカード用基板を形成することができる。
【0053】
また、本発明のセラミック基板40は、HTCCまたはムライトを含むセラミック基板とは異なってLTCCを含むため、積層体の焼成過程においてキャビティCに配置されたキャパシタ100に影響を及ぼさない。即ち、積層体の焼成温度がキャパシタに含まれた誘電体層の焼成温度より低いため、予め焼成されたキャパシタを内部(キャビティ)に配置した状態で積層体が焼成されても、キャパシタへの損傷はない。
【0054】
上記第1セラミック積層体41は、上記第2セラミック積層体42、43と接することができる。また、上記キャビティCの深さは、上記第2セラミック積層体42、43の全体厚さと同一に形成されることができる。即ち、上記第2セラミック積層体の厚さが上記キャビティの深さと同一であるため、上記第1セラミック積層体は上記キャビティと接するように形成されることができる。
【0055】
図1には上記第1セラミック積層体が単一層を有するように示されているが、第1セラミック積層体の厚さを考慮して1層以上の絶縁層を積層して形成することができる。
【0056】
上記キャビティにおいて上記第1セラミック積層体と接する一面をキャビティの上部、他面をキャビティの下部と定義することができる。
【0057】
上記キャパシタは、上記キャビティの上部に実装されることができる。換言すると、上記キャパシタは、第1セラミック積層体の一面に実装されることができる。キャパシタがキャビティの下部に実装されずに上部に実装されると、テストピンと隣接して配置されるため、テストピンとの物理的な距離が減少し、寄生インダクタンスによって発生しうるパワーノイズを減少することができる。
【0058】
また、上記キャビティCは、キャパシタ100の厚さより大きい深さを有するように形成されることにより、キャパシタ収容後にキャビティの下部に一定空間が確保されることができる。
【0059】
即ち、上記キャビティCは、キャパシタが収容されても、一定空間(g、ギャップ)を確保することができる。
【0060】
キャパシタ収容後にキャビティ内に一定空間(ギャップ)が確保されないと、グリーンシート積層体の焼成過程において、内蔵されたキャパシタがキャビティの外壁(グリーンシート)と接触して反応するという問題が発生する可能性がある。このとき、キャパシタとグリーンシートとの収縮率及び熱膨張率の差異によってキャビティの形状が変形したり、キャパシタが破損するおそれがある。
【0061】
また、焼成後にプローブカード用基板として用いられるとき、テストピンから伝達された荷重によって基板に曲げが発生し、内蔵キャパシタが破損することもある。
【0062】
上記第1セラミック積層体の厚さt1は、上記キャビティと接する上記第1セラミック積層体の一面からテストピンとの連結のための第1パターン(連結パターン)が配置された他面までの距離とみなすことができる。
【0063】
即ち、第1セラミック積層体の厚さt1は、上記キャビティCの上部からテストピンとの連結のための第1パターンが配置されるセラミック基板40の一面までの距離とみなすことができる。
【0064】
本発明の一実施形態によるキャパシタ内蔵型プローブカード用基板は、電子部品または半導体ウェハの不良をテストするためのプローブカード用基板で、内部にキャパシタが内蔵されることを特徴とする。
【0065】
特に、本発明は、キャビティCの上部からテストピンとの連結のための導電性パターンが配置されるセラミック基板40の一面までの距離、即ち、第1セラミック積層体41の厚さt1を制御することにより、インピーダンスの減少効果及び耐久性に優れるプローブカード用基板を提供することができる。
【0066】
具体的には、上記第1セラミック積層体の厚さt1は0.05mm〜1.2mmであることができる。上記第1セラミック積層体の厚さが0.05未満に形成される場合は、本発明のプローブカード用基板を用いて電子部品または半導体ウェハの不良をテストする過程においてテストピンを介して伝達される荷重に耐えられず、第1セラミック積層体が破壊されるという問題がある。また、上記第1セラミック積層体の厚さが1.2mmを超過すると、キャパシタとテストピンとの距離によってノイズインピーダンスが増加するという問題が発生する。
【0067】
また、導電性ビアの直径を大きく増加させる場合、第1セラミック積層体の厚さを増加させることができると予想されるが、基板の集積度を一定水準に維持するための導電性ビア12の直径上限が100μmである点を考慮すると、キャパシタの内蔵位置がテストピンとの連結のための導電性パターンが配置されるセラミック基板40の一面から1.2mmを超過して形成される場合、ノイズインピーダンスが増加してノイズインピーダンスの許容上限値である20mΩを超過するという問題が発生する。
【0068】
したがって、上記第1セラミック積層体の厚さt1は、0.05mm〜1.2mmであることが好ましい。
【0069】
一方、プローブカード用基板として用いられるためには、上記セラミック基板の厚さTは2.0mm以上であることが好ましい。上記セラミック基板がプローブカード用基板としての電気的特性を具現するためには、信号層、接地(グランド)層、パワー層などが内蔵される必要がある。また、プローブカードの組立及びウェハのテスト時に加えられる圧力に耐えるためには、セラミック基板全体の厚さが2.0mm以上であることが好ましい。
【0070】
本発明では、上記キャパシタの誘電体層を構成する高誘電率の物質として誘電率が1000より大きい強誘電性物質を用いても、セラミック基板の焼成過程においてキャパシタの損傷がなく、耐久性及びノイズの減少効果に優れるキャパシタ内蔵型プローブカード用基板を提供することができる。
【0071】
キャパシタ内蔵型プローブカード用基板の製造方法
【0072】
図2は本発明によるキャパシタ内蔵型プローブカード用基板の製造方法を説明するための順序図であり、
図3aから
図3eは本発明によるキャパシタ内蔵型プローブカード用基板の製造方法の各工程を示す断面図である。
【0073】
図2及び
図3aから
図3eを参照すると、本発明によるキャパシタ内蔵型プローブカード用基板の製造方法は、誘電体層を含むキャパシタを製造する段階S1と、複数のグリーンシートを設ける段階S2と、上記グリーンシートに導電性パターン、導電性ビア、及び上記キャパシタの内蔵のための収容部を設ける段階S3と、上記キャパシタが内蔵されるように上記グリーンシートを積層してグリーンシート積層体を形成する段階S4と、上記グリーンシート積層体を焼成して第1セラミック積層体、及び上記第1セラミック積層体の一面に形成され、キャパシタが収容されたキャビティを含むセラミック基板を形成する段階S5と、を含むことができる。
【0074】
上記キャビティは、上記キャパシタの厚さよりさらに大きい深さを有するように形成されることにより、キャパシタの収容後に下部に一定空間が確保されることができる。
【0075】
上記第1セラミック積層体の厚さをt1とするとき、0.05mm≦t1≦1.2mmを満たすことができる。
【0076】
上記セラミック基板の厚さをTとするとき、T≧2.0mmを満たすことができる。
【0077】
上記誘電体層は、1000〜1400℃において焼成できる高誘電率のセラミックを含むことができる。また、上記セラミック基板は、上記誘電体層の焼成温度より低い焼成温度を有するLTCCを含むことができる。
【0078】
以下では、図面を参照して本発明のキャパシタ内蔵型プローブカード用基板の製造方法について詳細に説明する。但し、上述したキャパシタ内蔵型プローブカード用基板と重複される説明は省略し、その差異点を中心に説明する。
【0079】
本発明によるキャパシタ内蔵型プローブカード用基板の製造方法では、キャパシタを製造する工程がセラミック基板を形成する積層体の焼成工程より先に行われる。
【0080】
まず、上記グリーンシートを積層するに先立って、段階S1では、
図3aに示されているように、高誘電率のセラミックシートで誘電体層111を含むキャパシタ100を形成する。上記キャパシタは、所望するキャパシタ構造によって多様に具現されることができる。例えば、上記キャパシタは、複数のセラミックシート、上記セラミックシートを介して対向するように配置される第1及び第2内部電極、及び上記第1及び第2内部電極と電気的に連結される第1及び第2外部電極を含む積層型セラミックキャパシタであることができる。
【0081】
また、上記キャパシタは、単一の高誘電率セラミックシート及びその上下面の一領域に第1及び第2電極が配置されてキャパシタ領域を定義する単層型キャパシタ構造を有することができる。なお、上記キャパシタは、単一キャパシタであることができるが、これと異なって複数のキャパシタが配列されたアレイ型であることもできる。
【0082】
上記キャパシタのセラミックシートを構成する高誘電率物質は、約1000以上、好ましくは2000〜3000の誘電率を有する強誘電性材料で、代表的にはBaTiO
3を挙げることができるが、これに制限されない。
【0083】
また、上記セラミックシートの焼成温度は、一般の高誘電率物質を考慮すると、約1000〜1400℃の範囲である。
【0084】
このようなキャパシタの製造工程と別途に、段階S2では、
図3bのように複数のグリーンシート31〜37を設ける工程を行う。上記グリーンシートとしては、Al
2O
3とガラス(glass)系成分との混合物を用いることができる。
【0085】
上記セラミック基板40は、低温焼成できるLTCC(Low temperature co−fired ceramics)を含むことができる。具体的には、本発明のセラミック基板は、900℃以下の温度において焼成できるLTCCを含むことができる。
【0086】
本発明の一実施形態によると、上記LTCCは、アルミナ(Al
2O
3)及びガラス(glass)を含むことができる。上記ガラスは、上記アルミナ100重量部に対して100〜233重量部含まれることができる。
【0087】
上記ガラスは、M−Al−Si−O(上記MはCa、SrまたはBa)系の結晶化ガラスまたはSi−B−R−O(Rはアルカリ金属、Li、Na、Kなど)系のボロシリケートガラスであることができる。
【0088】
本発明の一実施形態によるLTCCは、M元素(上記MはCa、SrまたはBa)25〜40wt%、アルミニウム(Al)30〜45wt%、シリコン(Si)5〜20wt%、その他の添加元素(Zn、B、Mgなど)0.1〜5wt%が含まれるガラスを含むことができるが、本発明はこれに制限されない。
【0089】
上記LTCCは、ガラスの低い融点のために上記900℃以下の温度において焼成することができ、870℃において焼成することが好ましい。
【0090】
次に、段階S3では、
図3cのように上記設けられたセラミックシート31〜37上に、層間回路の形成のために必要な導電性パターン11、導電性ビア12及び収容部13の形成工程を行う。導電性パターンは、スクリーン印刷工程のような公知の工程によって行われることができる。また、導電性ビアは、パンチング工程に続いて導電性物質を充填する印刷工程によって具現されることができる。
【0091】
一方、
図3bから
図3dでは、焼成後に第1セラミック積層体を形成するグリーンシートを図面符号31、電子部品を収容するためのキャビティが形成された第2セラミック積層体を形成するグリーンシートを図面符号32及び33で示した。
【0092】
セラミック基板は、第1セラミック積層体及び第2セラミック積層体の他に、信号層、接地層などを内蔵するための別途の絶縁層を含むことができ、上記別途の絶縁層を形成するグリーンシートは図面符号34〜37で示した。
【0093】
上記グリーンシートの厚さは、焼成後に形成される第1セラミック積層体、キャビティ及びこれを含むセラミック基板の厚さを考慮して適宜設計することができる。
【0094】
次いで、段階S4では、
図3dのように、先の工程によって製造されたキャパシタ100及び上記設けられたグリーンシート31〜37を積層してグリーンシート積層体200’を形成する。上記収容部13は、積層されてキャビティCを形成することができる。この工程において、キャパシタ100は、その構造によって適切な内蔵方式でキャビティに積層または実装されることができる。また、本積層工程において、キャパシタの外部電極は、それぞれグリーンシートに形成された導電性パターンまたは導電性ビアと連結される。
【0095】
特に、上記キャパシタの外部電極は、第1セラミック積層体を形成するグリーンシート31の一面に配置されて、焼成後に上記第1セラミック積層体に形成された導電性パターンまたは導電性ビアと連結されることができる。
【0096】
上記キャビティCは、キャパシタ100の厚さより大きい深さを有するように形成して一定の余裕空間gを確保することが好ましい。このようなキャビティCの寸法は、焼成過程における上記低温焼成用グリーンシートの収縮程度、即ち、低温焼成用セラミックシート物質や層の厚さなどを適宜考慮して計算されることができる。
【0097】
続いて、段階S5では、
図3eのように、上記グリーンシート積層体200’を低温焼成してキャパシタ内蔵型プローブカード用基板200を製造する。本低温焼成工程は、約900〜1100℃の範囲で行われることができる。このような低温同時焼成過程において、キャパシタが既に焼成された状態で内蔵されているため、焼結収縮は発生しない。むしろ、上記キャパシタ100は、既に焼成された材料によってグリーンシート積層体200’の焼結収縮、特に平面方向の焼結収縮を抑制する役割を期待することができる。
【0098】
上記積層されたグリーンシート31〜37は、焼成されて絶縁層41〜47を含むセラミック基板40を形成する。具体的には、上記セラミック基板40は、テストピンと連結される第1パターンを含む第1セラミック積層体41と、キャビティが形成された第2セラミック積層体42、43と、を含む。
【0099】
上記の通り、本発明によると、上記キャパシタを構成する高誘電率物質の誘電率は、1000より大きい強誘電性物質を用いても、グリーンシート焼成時にキャパシタへの損傷がないプローブカード用基板を提供することができる。また、上記のような変形またはクラックがないプローブカード用基板を提供することができる。
【0101】
図4は本発明によるプローブカード300を概略的に示す断面図である。
【0102】
図4を参照すると、本発明によるプローブカード300は、第1セラミック積層体41、及び上記第1セラミック積層体の一面に配置され、電子部品を収容するためのキャビティCが形成された第2セラミック積層体42、43を含むセラミック基板40、上記セラミック基板に形成され、上記第1セラミック積層体の他面に形成される第1パターンを含む導電性パターン11、上記導電性パターンと電気的に連結される導電性ビア12、及び上記キャビティに配置されるキャパシタCを含むキャパシタ内蔵型プローブカード用基板200と、上記第1パターンと連結されるテストピン50と、を含むことができる。
【0103】
上記第1セラミック積層体の厚さは0.05mm〜1.2mmであることができ、上記セラミック基板の厚さは2.0mm以上であることが好ましい。
【0104】
本実施形態では、セラミック基板、導電性パターン、導電性ビア、キャパシタに関し、上述したキャパシタ内蔵型プローブカード用基板に関する説明と重複されるため、その説明を省略する。
【0105】
上記テストピン50は、ウェハ60をテストするためのプローブピンとみなすことができ、電流が流れる導電性物質で形成することができる。上記テストピンを形成する方法は、これに限定されないが、半導体製造において応用される微細薄板技術を用いることで製造することができる。
【0106】
上記プローブカード300は、上記キャパシタ内蔵型プローブカード用基板200と連結される印刷回路基板70をさらに含むことができる。
【0107】
上記印刷回路基板70は、上面及び下面を有する円板で形成されることができ、検査工程のためのテスター(図示せず)と連結されることができる。
【0108】
印刷回路基板の上面には、検査工程のためのプローブ回路パターン(図示せず)が形成され、隣接するプローブ回路パターン間には隣接するプローブ回路パターンを流れる電流によるプローブ回路パターン間の干渉を抑制するためのグルーブ(groove、図示せず)が形成され、印刷回路基板の下面にはインターポーザ(図示せず)が装着されることができる。
【0109】
インターポーザ(図示せず)は、検査工程のために印刷回路基板を経た電気信号を本発明のキャパシタ内蔵型プローブカード用基板に伝達する役割をすべく、印刷回路基板とプローブカード用基板との離隔空間に位置することができる。
【0110】
インターポーザの一端は印刷回路基板70のプローブ回路パターンと連結されることができ、インターポーザの他端はプローブカード用基板200に形成された伝導性パターン11と接触して電気的に連結されることができる。
【0111】
上記のように構成されたプローブカード300のテストピン(プローブピン)50においてウェハ60をプロービングし、このプロービングされた信号が上記キャパシタ内蔵型プローブカード用基板200によって印刷回路基板に伝達されることができる。
【0112】
実験例
下記表1は、セラミック基板の曲げ強度及びセラミック基板に加えられる荷重による本発明のキャパシタ内蔵型プローブカード用基板に含まれた第1セラミック積層体の最小厚さを計算したデータを示すものである。
【0113】
表1の実験例では、横長さ1.3mm、縦長さ0.8mmのキャビティ、直径0.06mmの導電性ビア、及び0.3mmのピッチを有するテストピンが用いられた。
【0115】
セラミック基板に加えられる荷重は、1個のテストピンに加えられる荷重(約0.006kg)とキャビティ領域に存在するピン数の和で計算されることができる。したがって、テスト対象のウェハの集積度によって第1セラミック積層体上の導電性ビア及びテストピンの集積度が異なり、セラミック基板に加えられる荷重も異なる。セラミック基板に用いられる材料によって第1セラミック積層体の機械的強度が異なるため、荷重に耐えることができる第1セラミック積層体の最小厚さも異なるようになる。
【0116】
導電性ビアの集積度によるセラミック基板に加えられる荷重とセラミック基板の曲げ強度を組み合わせて第1セラミック積層体の最小厚さを計算するとき、LTCCを含むセラミック基板が最大に具現できる曲げ強度が600MPaを超過できない点を考慮すると、表1の条件下において第1セラミック積層体が有さなければならない最小厚さは0.051mmであることが分かる。
【0117】
また、下記表2は、表1の条件下において導電性ビアの直径及び第1セラミック積層体の厚さによるキャパシタ内蔵型プローブカード用基板の損傷有無を測定した実験結果である。表2の実験では、LTCCを含むセラミック基板が最大に具現できる曲げ強度である600MPaの曲げ強度を有するセラミック基板が用いられており、横長さ1.3mm、縦長さ0.8mmのキャビティが適用された。その他の条件は、表1において最小厚さで計算されたサンプル4と同一であった。
【0119】
導電性ビアの直径を増加させてテストピンの個数を表1の場合より減らすと、第1セラミック積層体の厚さをさらに薄くすることができると予想されるが、表2の実験から、導電性ビアの集積度が減少しても、第1セラミック積層体は少なくとも0.05mmの厚さを有さないとキャパシタ内蔵型プローブカード用基板がウェハのテスト過程において損傷することが分かる。したがって、第1セラミック積層体の最小厚さは、0.05mm以上であることが好ましい。
【0120】
また、下記表3は、導電性ビアの直径及び導電性ビアの長さ(第1セラミック積層体の厚さ)によるノイズインピーダンス値を測定して示したデータである。
【0122】
上記表3を参照すると、サンプル29〜35、39〜44、49〜53、62及び71は、ノイズインピーダンス値が許容上限値の20mΩを超過することが確認できる。導電性ビアの直径が増加するほどノイズインピーダンス値は減少し、導電性ビアの長さが増加するほどノイズインピーダンス値は増加する傾向を示す。
【0123】
表3によると、導電性ビアの直径が0.055mm、0.075mm、0.09mm、0.1mm、0.12mmであるとき、ノイズインピーダンス値が20mΩ以下となる導電性ビアの長さはそれぞれ0.2mm、0.3mm、0.4mm、1.2mm、1.2mmであることが分かる。
【0124】
導電性ビアの直径を増加させると、ノイズインピーダンス値を減少させることはできるが、導電性ビアの直径が0.1mmを超過する場合、導電性ビアの直径が増加してもノイズインピーダンス値の減少効果はわずかであるため、導電性ビアの長さは1.2mmを超過できないことが分かる。したがって、導電性ビアの直径が増加しても、導電性ビアの長さが1.2mm以下であるとき、ノイズインピーダンスが20mΩ以下に具現できることが確認できる。
【0125】
また、導電性ビアの直径を過度に増加させる場合、第1セラミック積層体の厚さを増加させることができると予想されるが、基板の集積度を一定水準に維持するための導電性ビア12の直径上限が100μmである点を考慮すると、キャパシタの内蔵位置がテストピンとの連結のための導電性ビアが配置されるセラミック基板40の一面から1.2mmを超過するとき、ノイズインピーダンスが増加してノイズインピーダンスの許容上限値である20mΩを超えることが確認できる。
【0126】
第1セラミック積層体の厚さは、上記導電性ビアの長さが第1セラミック積層体の厚さと同一であるため、上記表3から確認できるように、1.2mm以下であることが好ましい。
【0127】
したがって、上記表1から表3の結果を参照すると、第1セラミック積層体の厚さは0.05mm〜1.2mmであることが好ましい。
【0128】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されず、請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から外れない範囲内で多様な修正及び変形が可能であるということは、当技術分野の通常の知識を有するものには明らかである。