特許第6142556号(P6142556)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6142556
(24)【登録日】2017年5月19日
(45)【発行日】2017年6月7日
(54)【発明の名称】コントローラ取付構造
(51)【国際特許分類】
   E02F 9/08 20060101AFI20170529BHJP
【FI】
   E02F9/08 Z
【請求項の数】2
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-19423(P2013-19423)
(22)【出願日】2013年2月4日
(65)【公開番号】特開2014-148872(P2014-148872A)
(43)【公開日】2014年8月21日
【審査請求日】2015年11月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】000246273
【氏名又は名称】コベルコ建機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】特許業務法人梶・須原特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】勝原 進治
【審査官】 石川 信也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−170129(JP,A)
【文献】 特開2005−282109(JP,A)
【文献】 特開2002−061222(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02F 9/00− 9/16
B62D 17/00−25/08
B62D 25/14−29/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
旋回フレームと、
前記旋回フレームに取り付けられるキャブと、
前記キャブの後側の面から後側に延びるカバーと、
を備える上部旋回体に設けられるコントローラ取付構造であって、
前記旋回フレームに対して固定され前記キャブの後方に配置され、前記カバーの内部に配置されるブラケットと、
前記ブラケットに固定されるエアクリーナと、
前記ブラケットに固定されるコントローラと、
を備え、
前記コントローラは、前記ブラケットに対して前記エアクリーナとは反対側に配置される、
コントローラ取付構造。
【請求項2】
前記コントローラは、電気接続用のコネクタを接続可能なコネクタ接続部を備え、
前記ブラケットに対する前記エアクリーナ側から前記ブラケットに対する前記コントローラ側を見たとき、前記コネクタ接続部は、前記ブラケットの端部よりも外側にはみ出るように配置される、
請求項1に記載のコントローラ取付構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建設機械の上部旋回体に設けられるコントローラ取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
標準的な油圧ショベル(建設機械)では、キャブ内にコントローラが搭載されることが多い。しかし、キャブ外にコントローラが配置される場合もある。例えば、配置の制約によりキャブ内にコントローラを搭載できない場合や、キャブ内のコントローラとは別のコントローラを追加する場合などには、キャブ外にコントローラが配置される。
【0003】
特許文献1に記載の油圧ショベルでは、コントローラがキャブの後方に配置される。特許文献1の[要約]の[解決手段]には、次の記載がある(特許文献1における符号に括弧を付した)。「機械室(17)とキャブ(6)との間には、・・・ユーティリティ室(18)を設け、このユーティリティ室(18)内にエンジンコントローラ(33)を設ける」
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−170129号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載のエンジンコントローラ(33)(コントローラ)は、前仕切りカバー(12)に取り付けられる。この前仕切りカバーが設けられることにより、部品点数およびコストが増加してしまう。
【0006】
そこで本発明は、キャブの後方にコントローラが配置される構成であるにもかかわらず、部品点数およびコストを抑制でき、かつ、旋回フレームに対してコントローラを確実に固定できる、コントローラ取付構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のコントローラ取付構造は、上部旋回体に設けられる。前記上部旋回体は、旋回フレームと、前記旋回フレームに取り付けられるキャブと、を備える。前記コントローラ取付構造は、前記旋回フレームに対して固定されるとともに前記キャブの後方に配置されるブラケットと、前記ブラケットに固定されるエアクリーナと、前記ブラケットに固定されるコントローラと、を備える。前記コントローラは、前記ブラケットに対して前記エアクリーナとは反対側に配置される。
【発明の効果】
【0008】
上記構成により、キャブの後方にコントローラが配置される構成であるにもかかわらず、部品点数およびコストを抑制でき、かつ、旋回フレームに対してコントローラを確実に固定できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】上部旋回体を示す図である。
図2図1に示すコントローラ取付構造40周辺の拡大図である。
図3図2に示すIII矢視図である
図4図2に示すIV矢視図である。
図5図4に示すコントローラ取付構造40の斜視図である。
図6】(a)〜(c):図4に示すブラケット43に対するコネクタ接続部53の配置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1図6を参照して、コントローラ取付構造40が設けられる建設機械について説明する。この建設機械は、掘削などの作業を行う機械であり、例えば作業車両であり、例えば油圧ショベルである。建設機械は、下部走行体(図示なし)と、上部旋回体1と、を備える。下部走行体は、建設機械を走行させる部分である。下部走行体は、例えばクローラ式などである。
【0011】
上部旋回体1は、下部走行体に対して旋回可能に、下部走行体に搭載される。上部旋回体1は、図1に示すように、旋回フレーム11と、キャブ13と、カウンタウエイト15と、カバー17と、カバー17の内部に設置される機器と、を備える。
【0012】
旋回フレーム11は、下部走行体に旋回可能に取り付けられる構造物である。旋回フレーム11には、キャブ13及びカウンタウエイト15が取り付けられる。ここで、旋回フレーム11におけるキャブ13が配置される側を、「前後方向X」の「前側X1」とする。旋回フレーム11におけるカウンタウエイト15が配置される側を、前後方向Xの「後側X2」とする。前後方向Xに直交し、かつ、水平方向に平行な方向を「横方向Y」とする。また、上下方向(前後方向X及び横方向Yに直交する方向)を「上下方向Z」とし、上側を「上側Z1」、下側を「下側Z2」とする。
【0013】
キャブ13(運転室)は、旋回フレーム11の前側X1部分に取り付けられる(例えば固定される)。
【0014】
カウンタウエイト15は、旋回フレーム11の後側X2部分に固定される、おもりである。
【0015】
カバー17は、各種機器を覆う部材である。カバー17は、カバー17内部に水(雨水や洗車水など)や砂や粉塵などが入らないように各種機器を覆う。カバー17は、旋回フレーム11の上側Z1に配置される。カバー17は、キャブ13の後側X2に配置される。カバー17は、キャブ13の横(横方向Y外側)に配置されてもよい。カバー17は、旋回フレーム11に対して固定(直接または間接的に固定)される。カバー17の内部は、複数の室に仕切られる。カバー17の内部には、機械室20と、エアクリーナ室30と、がある。
【0016】
機械室20は、エンジン21等が内部に配置される部分(区画)である。機械室20は、キャブ13よりも後側X2に配置される。機械室20は、カウンタウエイト15よりも前側X1に配置される。機械室20の内部には、例えば、エンジン21、冷却ファン23、及び油圧ポンプ(図示なし)等が配置される。
【0017】
エアクリーナ室30は、エアクリーナ47等が内部に配置される部分(区画)である。エアクリーナ室30は、キャブ13の後側X2に配置される。エアクリーナ室30の後側X2には、機械室20が配置される。エアクリーナ室30の横(横方向Y外側)に機械室20が配置されてもよい。エアクリーナ室30は、機械室20から隔離される。エアクリーナ室30は、機械室20の隣りに配置される。エアクリーナ室30は、キャブ13の背面(後側X2の面)に隣接して配置される。キャブ13の背面とエアクリーナ室30との間に、仕切り板は設けられない(上述した特許文献1の「前仕切りカバー(12)」がない)。エアクリーナ室30内には、コントローラ取付構造40が設けられる。
【0018】
コントローラ取付構造40は、エアクリーナ47固定用のブラケット43にコントローラ50が取り付けられた構造である。コントローラ取付構造40は、支柱41と、ブラケット43と、エアクリーナ47と、コントローラ周辺機器50,61,65と、を備える。
【0019】
支柱41は、図5に示すように、ブラケット43を支持する部材(柱)である。支柱41は、旋回フレーム11に対して固定(直接または間接的に固定)される。支柱41は、図1に示す旋回フレーム11とカバー17の上面(上側Z1の面)との間に配置される。図5に示すように、支柱41は、例えば棒状であり、例えば2本設けられる(3本以上でもよい)。
【0020】
ブラケット43は、図1に示すように、エアクリーナ47及びコントローラ50が取り付けられる部材である。ブラケット43は、キャブ13の後方(キャブ13の外部かつ、キャブ13よりも後側X2)に配置される。図3図5に示すように、ブラケット43は、例えば板状であり、例えば長方形などであり、例えば横方向Yに長い。ブラケット43は、図1に示す旋回フレーム11に対して固定される。ブラケット43は、支柱41を介して旋回フレーム11に固定される。図3図5に示すように、ブラケット43は、例えば、横方向Y両端部が支柱41に固定される。ブラケット43と支柱41とは、例えばボルト等で固定される。なお、ブラケット43は、旋回フレーム11に直接固定されてもよい。図2に示すように、ブラケット43とカバー17との間には間隔が開けられる。ブラケット43と旋回フレーム11との間には間隔が開けられる。ブラケット43は、図2及び図5に示すように、例えば、平面部44と、屈曲部45と、を備える。
【0021】
平面部44の厚さ方向は、前後方向Xである。
屈曲部45は、平面部44に対して屈曲する部分である。屈曲部45は、平面部44の例えば上側Z1端部から、例えば前側X1に突出する。
【0022】
エアクリーナ47は、図1に示すエンジン21に吸い込まれる空気をろ過する装置である。エアクリーナ47は、ブラケット43に固定される。図2に示すように、エアクリーナ47は、例えばボルト等によりブラケット43に固定される。エアクリーナ47は、例えば円柱状などである。エアクリーナ47は、例えば横方向Yが軸方向となるように配置される。なお、図3図5では、エアクリーナ47を二点鎖線(想像線)で示す。
【0023】
コントローラ周辺機器50,61,65には、図1に示すように、コントローラ50と、ハーネス61と、ケース65と、がある。
【0024】
コントローラ50は、各種機器を制御する装置であり、電気信号の入出力や演算を行う装置である。コントローラ50に接続される機器は、例えば、エンジン21、建設機械の操作者が操作する操作手段(操作レバー、操作スイッチなど)、油圧機器類(弁、ポンプ、モータなど)、電源、建設機械外部の通信装置(例えばコントローラ50へのソフトウェアのダウンロード用の通信装置)などである。コントローラ50は、例えば、建設機械の操作者の操作に応じて油圧機器(弁等)の動作を制御する。また例えば、コントローラ50は、エンジン21の動作(燃料噴射量や回転数など)を制御するエンジンコントローラである。
【0025】
このコントローラ50は、図2に示すように、ブラケット43に固定される。コントローラ50は、例えばケース65を介して、間接的にブラケット43に固定される。コントローラ50は、例えばブラケット43との間に隙間ができるように配置される。コントローラ50は、ブラケット43に直接固定されてもよい。コントローラ50は、ブラケット43に対して、エアクリーナ47とは反対側に配置される。エアクリーナ47がブラケット43の後側X2の面に固定される場合、コントローラ50は、ブラケット43の前側X1の面に固定される(この配置とは前後逆などでもよい)。図4に示すように、コントローラ50とエアクリーナ47とをつなぐ方向(前後方向X)から見たとき、コントローラ50(の少なくとも一部)は、エアクリーナ47と重なる位置に配置される。
【0026】
このコントローラ50は、図1に示す機械室20から隔離されたエアクリーナ室30に配置されるので、機械室20からの影響を受けにくい。機械室20からの影響とは、例えば、温度変化や振動等による影響であり、例えば、エンジン21の運転により発生する熱および振動による影響、また例えば、油圧ポンプ(図示なし)の運転により発生する熱による影響などである。
また、コントローラ50は、キャブ13の外部(エアクリーナ室30)に配置されるので、キャブ13を交換しやすい。さらに詳しくは、コントローラ50をブラケット43に取り付けたまま(エアクリーナ室30内に配置したまま)の状態で、キャブ13を交換できる。
また、コントローラ50は、キャブ13の真後ろ(エアクリーナ室30)に配置されるので、キャブ13内に配置される機器とコントローラ50とを接続する電線(例えばハーネス61)の長さを抑制できる。キャブ13内に配置される機器とは、建設機械の操作者に操作される操作手段、および、コントローラ50とは別のコントローラ等である。
また、コントローラ50は、機械室20の隣りのエアクリーナ室30に配置されるので、コントローラ50と機械室20内の各種機器とを接続する電線の長さを抑制できる。電線の長さを抑制できる結果、この電線を通る信号が受けるノイズを抑制できる。図4に示すように、コントローラ50は、例えば直方体のコントローラ本体51と、コントローラ本体51に設けられた(固定された)コネクタ接続部53と、を備える。
【0027】
コネクタ接続部53は、コントローラ50と各種機器との電気接続に用いられる。コネクタ接続部53は、電気接続用のコネクタ63(後述)を接続可能に構成される。コネクタ接続部53は、例えば複数設けられる(1つでもよい)。図6(a)〜図6(c)に示すように、コネクタ接続部53は、例えば、コネクタ63(プラグ)を差込可能な凹部(ソケット、受け口、差込口)である。また例えば、コネクタ接続部53は、凹部を備えるコネクタ63を差込可能な凸部など(図示なし)でもよい。コネクタ接続部53では、「コネクタ作業」が行われる。コネクタ作業は、例えば、図4に示すコネクタ接続部53に対するコネクタ63の着脱、また例えばコネクタ接続部53の導電のチェックなどである。
【0028】
このコネクタ接続部53は、次のように配置される。ブラケット43に対してエアクリーナ47側(後側X2)にいる作業者がコネクタ作業をする時に、ブラケット43がコネクタ作業の邪魔になることを抑制できるような位置に、コネクタ接続部53が配置される。具体的には、ブラケット43に対するエアクリーナ47側(後側X2)から、ブラケット43に対するコントローラ50側(前側X1)を見たとき、コネクタ接続部53は、下記の[配置a]のように配置されることが好ましい。また、上記の向きに見たとき、コネクタ接続部53は、下記の[配置b]や[配置c]のように配置されてもよい。
[配置a]図6(a)に示すように、コネクタ接続部53(の少なくとも一部分)は、ブラケット43の端部43aよりも外側に配置される。コネクタ接続部53のうち、コネクタ63が接続される側の端部を、端部53aとする。端部53aは、ブラケット43の端部43aよりも外側に配置される。具体的には例えば、コネクタ接続部53の下側Z2の端部53aは、ブラケット43の下側Z2の端部43aよりも下側Z2に配置される。なお、上記「端部43aよりも外側」の「外側」は、下側Z2だけでなく、上側Z1や、横方向Y外側などでもよい。コネクタ接続部53の数が複数の場合、全てのコネクタ接続部53について、上記のように配置されることが好ましい。
[配置b]図6(b)に示すように、コネクタ接続部53の端部53aと、ブラケット43の端部43aと、が重なるようにコネクタ接続部53が配置されてもよい。
[配置c]図6(c)に示すように、コネクタ接続部53の全体(端部53aを含む)が、ブラケット43の端部43aよりも内側に配置されてもよい。この場合、端部53aの位置が端部43aに近いほどコネクタ作業を容易にできる。例えば、コネクタ接続部53に接続されたコネクタ63(の少なくとも一部分、例えば下側Z2端部)が、端部43aよりも外側(例えば下側Z2)に配置されることが好ましい。
【0029】
このコネクタ接続部53は、図2に示すように、エアクリーナ47との間に十分大きい(コネクタ作業が容易に出来る程度に大きい)間隔をあけて配置される。図4に示すように、コネクタ接続部53は、例えばエアクリーナ47の下端よりも下側Z2に配置される。コネクタ接続部53は、例えばコントローラ本体51の下端部に配置される。コネクタ接続部53は、例えばコントローラ本体51の底面(下側Z2の面)に配置(固定)される。なお、コネクタ接続部53は、コントローラ本体51の後側X2(コントローラ50に対するエアクリーナ47側)の面などに配置されてもよい。また、コネクタ接続部53は、コントローラ本体51の上面(上側Z1の面)や、側面(横方向Y外側の面)などに配置されてもよい。
【0030】
ハーネス61は、コントローラ50と各種機器(上述)とを接続するための複数の電線が束ねられたものである。ハーネス61は、コネクタ63を備える。
【0031】
コネクタ63は、コントローラ50のコネクタ接続部53に接続される端子である。なお、図3図4図6(a)〜図6(c)では、複数のコネクタ63のうち一部のみ図示している。
【0032】
ケース65は、図4に示すように、コントローラ50等を覆う。ケース65は、コントローラ50に水(雨水や洗車水など)や砂や粉塵などが掛からないようにするものである。ケース65内部には、コントローラ50の全体が配置される(収まる)。ケース65内部には、ハーネス61の一部が配置される。ケース65には、ハーネス61が固定される。ケース65の下端は、ブラケット43よりも下側Z2に配置される。ケース65は、ブラケット43の前側X1の面(平面部44)に固定される。ケース65は、ブラケット43の屈曲部45の下側Z2の面に固定される(図2参照)。ケース65は、例えば中空の直方体などである。ケース65は、例えば略直方体のケース本体65aと、固定具65bと、蓋65cと、を備える。
【0033】
固定具65bは、ケース65をブラケット43に固定するための部材である。固定具65bは、コントローラ50を、ケース65を介してブラケット43に固定するための部材である。固定具65bは、ケース本体65aに固定される。固定具65bは、例えば、ケース本体65aの側面(横方向Y外側の面)から横方向Yに突出する。固定具65bは、ケース本体65aの上面(上側Z1の面)から上側Z1に突出してもよい(図示なし)。図2に示すように、固定具65bは、例えば、ケース本体65aとブラケット43との間に隙間が形成されるように、ケース65をブラケット43に固定する。
【0034】
蓋65cは、ケース本体65aに対して開閉可能(着脱可能を含む)である。蓋65cは、蓋を開けた(又は取外した)ときに、コネクタ接続部53でのコネクタ作業がしやすいように、コネクタ接続部53の周辺部に配置される。具体的には、ブラケット43に対するエアクリーナ47側(後側X2)から、ブラケット43に対するコントローラ50側(前側X1)を見たとき、ブラケット43に対してケース65がはみ出ている(例えば下側Z2にはみ出ている)ところ、このはみ出た部分に蓋65cが配置される。さらに具体的には、蓋65cは、ブラケット43の下端(下側Z2の端部43a)よりも下側Z2に配置される。なお、図4図6では、蓋65cがケース本体65aから取り外された状態を示し、図4及び図5では蓋65cを二点鎖線(想像線)で示している。
【0035】
(効果1)
次に、図1に示すコントローラ取付構造40による効果を説明する。コントローラ取付構造40は、上部旋回体1に設けられる。上部旋回体1は、旋回フレーム11と、旋回フレーム11に取り付けられるキャブ13と、を備える。コントローラ取付構造40は、旋回フレーム11に対して固定されるとともにキャブ13の後方に配置されるブラケット43と、エアクリーナ47と、コントローラ50と、を備える。
[構成1−1]エアクリーナ47は、ブラケット43に固定される。コントローラ50は、ブラケット43に固定される。
[構成1−2]コントローラ50は、ブラケット43に対してエアクリーナ47とは反対側に配置される。
【0036】
コントローラ取付構造40は、上記[構成1−1]を備える。すなわち、ブラケット43は、エアクリーナ47固定用とコントローラ50固定用との兼用である。よって、キャブ13の後方にコントローラ50が配置される構成であるにもかかわらず、(上述した特許文献1に記載の技術に比べ)部品点数およびコストを抑制できる。
【0037】
コントローラ取付構造40は、上記[構成1−2]を備える。よって、コントローラ50とエアクリーナ47とが干渉することなく、コントローラ50をブラケット43に固定できる。また、このブラケット43は旋回フレーム11に対して固定される。その結果、コントローラ50を旋回フレーム11に対して確実に固定(取付)できる。
【0038】
(効果2)
図4に示すように、コントローラ50は、電気接続用のコネクタ63を接続可能なコネクタ接続部53を備える。図6(a)に示すように、ブラケット43に対するエアクリーナ47側(後側X2)からブラケット43に対するコントローラ50側(前側X1)を見たとき、コネクタ接続部53は、ブラケット43の端部43aよりも外側に配置される。
【0039】
この構成では、図4に示すブラケット43に対するエアクリーナ47側(後側X2)にいる作業者は、コネクタ接続部53でのコネクタ作業を容易に行える(コネクタ接続部53へのアクセス性が良い)。
【符号の説明】
【0040】
1 上部旋回体
11 旋回フレーム
13 キャブ
17 カバー
40 コントローラ取付構造
43 ブラケット
43a 端部
47 エアクリーナ
50 コントローラ
53 コネクタ接続部
図1
図2
図3
図4
図5
図6