(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6142769
(24)【登録日】2017年5月19日
(45)【発行日】2017年6月7日
(54)【発明の名称】情報処理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 1/387 20060101AFI20170529BHJP
【FI】
H04N1/387
【請求項の数】11
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2013-219234(P2013-219234)
(22)【出願日】2013年10月22日
(65)【公開番号】特開2015-82725(P2015-82725A)
(43)【公開日】2015年4月27日
【審査請求日】2016年2月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士ゼロックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000154
【氏名又は名称】特許業務法人はるか国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岩田 匡広
(72)【発明者】
【氏名】鐵 俊男
(72)【発明者】
【氏名】安藤 惇
【審査官】
石田 信行
(56)【参考文献】
【文献】
特開2005−148905(JP,A)
【文献】
特開2010−061521(JP,A)
【文献】
特開2000−020640(JP,A)
【文献】
特開平08−272883(JP,A)
【文献】
特開2008−299499(JP,A)
【文献】
特開2002−342343(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/387
G06F 17/30
G06K 17/00
G06K 19/00
G06Q 50/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の書式により構成される文書であって、
コード化画像が含まれている前記文書及びコード化画像が含まれていない前記文書から文書画像を取得する文書画像取得手段と、
前記文書画像に前記コード化画像が含まれているか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段において、前記文書画像に前記コード化画像が含まれていないと判断した場合、前記文書の書式に基づいて定められた位置に書かれた文字情報から当該文書に関する属性情報を取得する属性情報取得手段と、
前記属性情報に基づくコード化画像と、前記文書の内容を示す文書情報と、を含むコード化画像付文書を生成するコード化画像付文書生成手段と、
を含むことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
所定の書式により構成される文書から文書画像を取得する文書画像取得手段と、
前記文書の書式に基づいて定められた位置に書かれた文字情報から当該文書に関する属性情報を取得する属性情報取得手段と、
前記属性情報に基づくコード化画像と、前記文書の内容を示す文書情報と、を含むコード化画像付文書を生成するコード化画像付文書生成手段と、
前記文書の前記属性情報を変更する場合、変更した属性情報に基づく新たなコード化画像を、前記属性情報に基づく前記コード化画像と入れ替えたコード化画像付文書を生成するコード化画像入れ替え手段と、
を含むことを特徴とする情報処理装置。
【請求項3】
前記コード化画像付文書生成手段は、前記文書の書式に基づいて定められる領域にコード化画像を合成する、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記コード化画像付文書からコード化画像付文書画像を取得するコード化画像付文書画像取得手段と、
前記コード化画像付文書に含まれるコード化画像を読み取るコード化画像読取り手段と、
前記コード化画像を読み取ることで得られる前記属性情報と、前記コード化画像付文書の内容を示すコード化画像付文書情報と、を関連付ける関連付け手段と、
をさらに含むことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記文書画像取得手段は、前記文書に続けて、当該文書に関連する関連文書から関連文書画像を取得し、
前記コード化画像付文書生成手段は、前記属性情報に基づくコード化画像と前記文書情報とを含むコード化画像付文書、及び前記属性情報に基づくコード化画像と前記関連文書の内容を示す関連文書情報とを含むコード化画像付関連文書、を生成する、
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
所定の書式により構成される文書であって、
コード化画像が含まれている前記文書及びコード化画像が含まれていない前記文書から文書画像を取得する文書画像取得手段と、
前記文書画像に前記コード化画像が含まれているか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段において、前記文書画像に前記コード化画像が含まれていないと判断した場合、当該文書に関する情報を表示部に表示する情報表示手段と、
を含むことを特徴とする情報処理装置。
【請求項7】
前記判断手段において、前記文書画像に前記コード化画像が含まれると判断した場合、
当該文書に含まれるコード化画像を読み取るコード化画像読取り手段、
をさらに含むことを特徴とする請求項1または6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
所定の書式により構成される文書であって、
コード化画像が含まれている前記文書及びコード化画像が含まれていない前記文書から文書画像を取得する文書画像取得手段、
前記文書画像に前記コード化画像が含まれているか否かを判断する判断手段、
前記判断手段において、前記文書画像に前記コード化画像が含まれていないと判断した場合、前記文書の書式に基づいて定められた位置に書かれた文字情報から当該文書に関する属性情報を取得する属性情報取得手段、
前記属性情報に基づくコード化画像と、前記文書の内容を示す文書情報と、を含むコード化画像付文書を生成するコード化画像付文書生成手段、
としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項9】
所定の書式により構成される文書から文書画像を取得する文書画像取得手段、
前記文書の書式に基づいて定められた位置に書かれた文字情報から当該文書に関する属性情報を取得する属性情報取得手段、
前記属性情報に基づくコード化画像と、前記文書の内容を示す文書情報と、を含むコード化画像付文書を生成するコード化画像付文書生成手段、
前記文書の前記属性情報を変更する場合、変更した属性情報に基づく新たなコード化画像を、前記属性情報に基づく前記コード化画像と入れ替えたコード化画像付文書を生成するコード化画像入れ替え手段、
としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項10】
所定の書式により構成される文書であって、
コード化画像が含まれている前記文書及びコード化画像が含まれていない前記文書から文書画像を取得する文書画像取得手段、
前記文書画像に前記コード化画像が含まれているか否かを判断する判断手段、
前記判断手段において、前記文書画像に前記コード化画像が含まれていないと判断した場合、当該文書に関する情報を表示部に表示する情報表示手段、
としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項11】
前記判断手段において、前記文書画像に前記コード化画像が含まれると判断した場合、
当該文書に含まれるコード化画像を読み取るコード化画像読取り手段、
としてコンピュータを機能させるための請求項8または10に記載のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、電子文書に関連付けられる文書種、利用者等の属性情報のコード化画像を予め生成しておき、電子文書を印刷する際にコード化画像を付与して印刷する管理システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−353317号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の方法では、予め属性情報が関連付けされていない文書には属性情報のコード化画像を付与することができず、このような文書をコード化情報による文書管理システムに適用することができない。
【0005】
本発明の目的の一つは、予め属性情報が関連付けされていない文書を、属性情報のコード化情報により管理することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、情報処理装置であって、所定の書式により構成される文書
であって、コード化画像が含まれている前記文書及びコード化画像が含まれていない前記文書から文書画像を取得する文書画像取得手段と、
前記文書画像に前記コード化画像が含まれているか否かを判断する判断手段と、前記判断手段において、前記文書画像に前記コード化画像が含まれていないと判断した場合、前記文書の書式に基づいて定められた位置に書かれた文字情報から当該文書に関する属性情報を取得する属性情報取得手段と、前記属性情報に基づくコード化画像と、前記文書の内容を示す文書情報と、を含むコード化画像付文書を生成するコード化画像付文書生成手段と、を含むこととしたものである。
請求項2に記載の発明は、情報処理装置であって、所定の書式により構成される文書から文書画像を取得する文書画像取得手段と、前記文書の書式に基づいて定められた位置に書かれた文字情報から当該文書に関する属性情報を取得する属性情報取得手段と、前記属性情報に基づくコード化画像と、前記文書の内容を示す文書情報と、を含むコード化画像付文書を生成するコード化画像付文書生成手段と、前記文書の前記属性情報を変更する場合、変更した属性情報に基づく新たなコード化画像を、前記属性情報に基づく前記コード化画像と入れ替えたコード化画像付文書を生成するコード化画像入れ替え手段と、を含むこととしたものである。
【0007】
請求項
3に記載の発明は、請求項1
または2に記載の情報処理装置であって、前記コード化画像付文書生成手段は、前記文書の書式に基づいて定められる領域にコード化画像を合成する、こととしたものである。
【0008】
請求項
4に記載の発明は、請求項1
から3のいずれか1項に記載の情報処理装置であって、前記コード化画像付文書
からコード化画像付文書画像を取得するコード化画像付文書画像取得手段と、前記コード化画像付文書に含まれるコード化画像を読み取るコード化画像読取り手段と、前記コード化画像を読み取ることで得られる前記属性情報と、前記コード化画像付文書の内容を示すコード化画像付文書情報と、を関連付ける関連付け手段と、をさらに含むこととしたものである。
【0009】
請求項
5に記載の発明は、請求項1から
4のいずれか1項に記載の情報処理装置であって、前記文書画像取得手段は、前記文書に続けて、当該文書に関連する関連文書
から関連文書画像を取得し、前記コード化画像付文書生成手段は、前記属性情報に基づくコード化画像と前記文書情報とを含むコード化画像付文書、及び前記属性情報に基づくコード化画像と前記関連文書の内容を示す関連文書情報とを含むコード化画像付関連文書、を生成する、こととしたものである。
【0010】
請求項6に記載の発明は、
情報処理装置であって、所定の書式により構成される文書であって、コード化画像が含まれている前記文書及びコード化画像が含まれていない前記文書から文書画像を取得する文書画像取得手段と、前記文書画像に前記コード化画像が含まれているか否かを判断する判断手段と、前記判断手段において、前記文書画像に前記コード化画像が含まれていないと判断した場合、当該文書に関する情報を表示部に表示する情報表示手段と、を含むこととしたものである。
請求項7に記載の発明は、請求項1または6に記載の情報処理装置であって、前記判断手段において、前記文書画像に前記コード化画像が含まれると判断した場合、当該文書に含まれるコード化画像を読み取るコード化画像読取り手段、をさらに含むこととしたものである。
請求項8に記載の発明は、プログラムであって、所定の書式により構成される文書
であって、コード化画像が含まれている前記文書及びコード化画像が含まれていない前記文書から文書画像を取得する文書画像取得手段、
前記文書画像に前記コード化画像が含まれているか否かを判断する判断手段、前記判断手段において、前記文書画像に前記コード化画像が含まれていないと判断した場合、前記文書の書式に基づいて定められた位置に書かれた文字情報から当該文書に関する属性情報を取得する属性情報取得手段、前記属性情報に基づくコード化画像と、前記文書の内容を示す文書情報と、を含むコード化画像付文書を生成するコード化画像付文書生成手段、としてコンピュータを機能させることとしたものである。
請求項9に記載の発明は、プログラムであって、所定の書式により構成される文書から文書画像を取得する文書画像取得手段、前記文書の書式に基づいて定められた位置に書かれた文字情報から当該文書に関する属性情報を取得する属性情報取得手段、前記属性情報に基づくコード化画像と、前記文書の内容を示す文書情報と、を含むコード化画像付文書を生成するコード化画像付文書生成手段、前記文書の前記属性情報を変更する場合、変更した属性情報に基づく新たなコード化画像を、前記属性情報に基づく前記コード化画像と入れ替えたコード化画像付文書を生成するコード化画像入れ替え手段、としてコンピュータを機能させることとしたものである。
請求項10に記載の発明は、プログラムであって、所定の書式により構成される文書であって、コード化画像が含まれている前記文書及びコード化画像が含まれていない前記文書から文書画像を取得する文書画像取得手段、前記文書画像に前記コード化画像が含まれているか否かを判断する判断手段、前記判断手段において、前記文書画像に前記コード化画像が含まれていないと判断した場合、当該文書に関する情報を表示部に表示する情報表示手段、としてコンピュータを機能させることとしたものである。
請求項11に記載の発明は、請求項8または10に記載のプログラムであって、前記判断手段において、前記文書画像に前記コード化画像が含まれると判断した場合、当該文書に含まれるコード化画像を読み取るコード化画像読取り手段、としてコンピュータを機能させることとしたものである。
【発明の効果】
【0011】
請求項1
,2,8及び
9に記載の発明によれば、所定の書式により構成される文書を、文書に関する属性情報に基づくコード化情報により管理する。
【0012】
請求項
3に記載の発明によれば、所定の書式により構成される文書の最適な位置にコード化画像を合成する。
【0013】
請求項
4,7及び11に記載の発明によれば、コード化画像付文書を、当該コード化画像付文書に付与されているコード化画像により管理する。
【0014】
請求項
5に記載の発明によれば、所定の書式により構成される文書に関連する関連文書も、当該文書に関する属性情報に基づくコード化情報により管理する。
請求項6及び10に記載の発明によれば、読み取られた文書がコード化画像を有さない場合に、当該文書に関する情報を表示部に表示する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の一実施形態に係る文書管理システム1の構成の一例を示す図である。
【
図2】本実施形態に係る電子カルテに用いられる書式データの一例を示す図である。
【
図3】本実施形態に係る画像処理装置10により実行される機能の一例を示すブロック図である。
【
図4】本実施形態に係る画像処理装置10が実行する文書管理処理の流れの一例を示すフロー図である。
【
図5】本実施形態に係る画像読取部16がスキャンする文書の一例を示す図である。
【
図6】本実施形態に係るコード化画像付文書の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明を実施するための一実施形態を、図面を参照しながら説明する。なお、本実施形態では、情報処理装置の一例として画像処理装置を例に説明するが、その他の情報処理装置であってもよい。
【0017】
図1は、本発明の一実施形態に係る文書管理システム1の構成の一例を示す図である。
図1に示すように、文書管理システム1は、画像処理装置10、文書管理サーバ20、端末30を含んで構成される。なお、本実施形態においては、画像処理装置10、文書管理サーバ20、端末30はそれぞれネットワーク40に接続され、相互にデータ通信可能となっている。
【0018】
画像処理装置10は、例えば複合機(プリンタ・コピー・スキャン・ファクシミリ等の複数の機能を備える装置)等であって、
図1に示すように、制御部11と、記憶部12と、通信部13と、UI(UserInterface)部14と、画像形成部15と、画像読取り部16と、を含んで構成されている。
【0019】
制御部11は、CPU等であって、記憶部12に格納されるプログラムに従って各種の情報処理を実行する。制御部11が実行する処理の具体例については、後述する。
【0020】
記憶部12は、RAMやROM等のメモリ素子、ハードディスクなどを含んで構成される。記憶部12は、制御部11によって実行されるプログラムや、各種のデータを保持する。また、記憶部12は、制御部11のワークメモリとしても動作する。
【0021】
通信部13は、例えばLANカード等のネットワークインタフェースであって、通信手段を介して、文書管理サーバ20や画像処理装置10、端末30などの情報処理装置との間で情報の送受信を行う。
【0022】
UI部14は、タッチパネルや、液晶ディスプレイ及び入力用デバイス(例えばキーボード、タッチパッド等)などによって構成される。このUI部14は、制御部11から入力される指示に従って、例えばユーザに指示の入力を促すメニュー画面などを表示する。また、UI部14は、ユーザから指示入力を受け付けて、その内容を示す情報を制御部11に出力する。
【0023】
画像形成部15は、レーザプリンタやインクジェットプリンタ等のプリンタエンジンによって構成され、制御部11からの指示に従って、紙などの媒体上に画像を形成する印刷処理を実行する。この画像形成部15によって、画像処理装置10は画像形成装置として機能する。また、画像読取り部16は、イメージスキャナ等であって、紙などの媒体上に形成された画像を読み取って、当該画像を表すデータを出力するスキャン処理を実行する。
【0024】
文書管理サーバ20は、例えばサーバコンピュータ等であって、
図1に示すように、制御部21、記憶部22、及び通信部23と、を含んで構成される。文書管理サーバ20は、記憶部22に各種の文書データを保持しており、ユーザの処理実行要求(アクセス要求)に応じて、これらの文書データに対して各種の処理を実行する。なお、文書管理サーバ20による管理対象となる文書データは、文章だけに限らず各種のコンテンツを含んだ電子データ、スキャン画像であってよい。制御部21、記憶部22、及び通信部23は、それぞれ制御部11、記憶部12、及び通信部13と同様の構成であってよい。
【0025】
端末30は、例えばパーソナルコンピュータ等であって、端末30にインストールされるプログラムに従って動作するCPU等のプログラム制御デバイスである制御部、ROMやRAM等の記憶素子やハードディスクドライブなどである記憶部、ネットワークボードなどの通信インタフェースである通信部、ディスプレイなどの表示部、マウス、キーボード、ボタン、などの操作部を含んでいる。
【0026】
本実施形態において、文書管理サーバ20が管理している情報について説明する。文書管理サーバ20は、画像処理装置10の画像読取り部16が文書をスキャンすることで生成される文書データ、及び端末30が生成する文書データ等を蓄積して管理する。本実施形態において、文書管理サーバ20は、文書データとして電子カルテを管理することとして説明するが、この例に限定されず、その他各種文書データであってよい。電子カルテには、電子カルテに関する属性情報(患者コード、氏名、傷病名、日付等)が関連付けられている。これにより、属性情報を用いて特定の属性を含む電子カルテを検索できるようになっている。また、電子カルテと同様の内容が記載された紙カルテも物理的に管理されることとする。紙カルテには属性情報をコード化したコード化画像(例えば、バーコード、QRコード(登録商標))が付与され、コード化画像を読み取ることで属性情報を取得することができる。
【0027】
本実施形態において、電子カルテは所定の書式に基づいて作成されるものとし、文書管理サーバ20の記憶部22に電子カルテに用いられる複数種の書式データが登録されていることとする。
図2は、本実施形態に係る電子カルテに用いられる書式データの一例を示す図である。
図2に示すように、電子カルテに用いられる書式データ(ここでは、診療録とする)は、患者コード、傷病名等の患者情報が記入される欄を含んで構成されている。端末30が、利用者の操作に従い文書管理サーバ20の記憶部22から診療録を取得し、各欄に患者情報を入力することで診療録の電子カルテを作成する。そして、端末30は、診療録の各欄に入力した患者情報の少なくとも一つを診療録の属性情報として取得し、当該属性情報を診療録の電子カルテに関連付けて、診療録の電子カルテとともに文書管理サーバ20の記憶部22に保存する。このようにして、電子カルテは属性情報とともに文書管理サーバ20にて管理される。
【0028】
ここで、上述のようにして作成された電子カルテだけでなく、手書きのカルテ、電子カルテの導入以前に作成されたカルテ、登録されていない書式データを用いたカルテ等も属性情報を関連付けて文書管理サーバ20にて管理できるようにする。以下に詳細を説明する。
【0029】
図3は、本実施形態に係る画像処理装置10により実行される機能の一例を示すブロック図である。
図3に示すように、画像処理装置10の制御部11は、文書画像取得部100、書式判定部101、属性情報取得部102、関連付け部104、変換部106、及びコード化画像付文書生成部108を含んで構成されている。なお、本実施形態に係る画像処理装置10において、
図3に示す機能以外の機能が実現されていてもよい。これらの機能は、記憶部12に記憶されたプログラムが制御部11を実行することにより実現されている。このプログラムは、例えば、光ディスク、磁気ディスク、磁気テープ、光磁気ディスク、フラッシュメモリ等のコンピュータ可読な情報記憶媒体を介して、あるいは、インターネットなどの通信手段を介して画像処理装置10に供給される。
【0030】
本実施形態における、画像処理装置10が実行する文書管理処理の流れの一例を
図4のフロー図を参照しながら説明する。
【0031】
文書画像取得部100が、画像読取り部16がスキャンした文書の画像データを取得する(S101)。文書は各種の紙カルテ、レントゲン画像等であり、文書には手書き入力またはデータ入力された情報が記載されている。
【0032】
図5は、画像読取り部16がスキャンする文書の一例を示す図である。
図5に示すように、画像読取り部16がスキャンする文書として、
図2に示した電子カルテに用いられる書式データ(ここでは、診療録とする)が用いられ、文書の各欄に患者情報が記入されている。
【0033】
文書画像取得部100は、取得した文書画像にコード化画像が含まれているか否かを判断する(S102)。
【0034】
S102の判断の結果、取得した文書画像にコード化画像が含まれていないと判断された場合に、書式判定部101は、文書画像取得部100が取得した文書画像の書式を認識し(S103)、認識した書式と一致する書式データが、文書管理サーバ20の書式データ蓄積部200に登録されているか否かを判断する(S104)。
【0035】
S104の判断の結果、文書画像の書式と一致する書式データが文書管理サーバ20の書式データ蓄積部に登録されていると判断された場合には、属性情報取得部102は、文書画像取得部100が取得した文書画像の書式に基づいて定められている属性情報の記入領域に対して文字認識を行い、属性情報を取得する(S105)。
【0036】
例えば、
図5に示すように、診療録の書式データにおいては属性情報の記入領域(50−1〜50−n)として記入領域50−1及び記入領域50−2が定められているとし、当該記入領域50−1及び50−2に対して文字認識を行う。ここで、文字認識として、公知のパターンマッチング法を用いるが、その他の手法を用いてもよい。具体的には、認識すべき文字に対して標準パターンを文書管理サーバ20の記憶部22に記憶しておき、記入されている文字のパターンと記憶部22に記憶された標準パターンとマッチングさせて、最もマッチングの度合いの高い標準パターンに対応する文字コードを認識結果として取得する。本実施形態においては、患者情報となる患者コード、傷病名等の候補を予め登録して標準パターンとすればよい。また、属性情報取得部102が、文字認識により属性情報を認識できない場合は、他の記入領域に対して文字認識を行い、属性情報を特定することとしてもよい。例えば、
図5に示す記入領域50−1(患者コード)及び記入領域50−2(傷病名)に記入された文字の認識ができない場合には、属性情報取得部102は、記入領域50−3(氏名)に対して文字認識を行い、取得した氏名情報から患者コード及び傷病名を特定する。または、属性情報取得部102は、記入領域50−3(氏名)に対して文字認識を行い、取得した氏名情報を属性情報とする。なお、属性情報取得部102が、文字認識により属性情報を認識できない場合は、予め登録している標準パターンの候補を示して、利用者がいずれかを選択できるようにしてもよい。
【0037】
S104の判断の結果、文書画像の書式と一致する書式データが文書管理サーバ20の書式データ蓄積部に登録されていないと判断された場合には、UI部14が属性情報の入力画面を表示する(S106)。入力画面は、利用者に属性情報を手入力させるものであってもよいし、文書管理サーバ20の記憶部22に予め登録されている属性情報の候補を表示して利用者に選択させるものであってもよい。そして、属性情報取得部102は、利用者により入力された情報を属性情報として取得する(S107)。
【0038】
なお、S105またはS107にて属性情報取得部102が取得した属性情報に対してその確かさを確認するために図示しない患者データベースを参照することとしてもよい。具体的には、例えば、属性情報取得部102が取得した属性情報を患者コード及び傷病名とすると患者コードに対応する患者、傷病名に対応する診療科が存在するかを確認する。また、患者コードに対応する患者の受診する診療科が、取得した傷病名と対応するかを確認してもよい。つまり、属性情報取得部102が取得した複数の属性情報それぞれがお互いに対応しているかを確認できればよい。
【0039】
さらに、他の記入領域を文字認識して取得した情報を利用者が確認することとしてもよい。例えば、属性情報取得部102が
図5に示す記入領域50−3(氏名)に対する文字認識を行い、UI部14が文字認識により取得した氏名情報を表示する。そして、利用者が氏名情報を確認して所望の患者であることを確認する。また、属性情報取得部102が、記入領域50−3に対する文字認識により取得された氏名情報と、患者コードに対応する患者情報とが一致するかを判断してもよい。
【0040】
次に、変換部106は、属性情報取得部102が取得した属性情報に基づき、バーコード、QRコード(登録商標)といった、機械が読取可能な形式のコードとして紙媒体へ印刷するためのコード化画像を生成する(S108)。
【0041】
コード化画像付文書生成部108が、文書画像取得部100が取得した文書画像に、変換部106が生成したコード化画像を合成してコード化画像付文書を生成し(S109)、画像形成部15がコード化画像付文書を紙媒体に印刷する(S110)。ここで、コード化画像付文書生成部108は、書式判定部101が認識した文書画像の書式に基づいてコード化画像を合成する領域を決定する。具体的には、コード化画像付文書生成部108は、書式判定部101が認識した文書画像の書式において、記入領域より外側の領域であって空白である領域を探索する。また、文書管理サーバ20の記憶部22に電子カルテに用いられる書式データを登録する際に、書式データ毎にコード化画像を合成する最適な領域を定めておき、当該領域の位置情報を書式データに関連付けて登録してもよい。そして、書式判定部101が認識した書式データに関連付けられている位置情報に基づく領域にコード化画像を合成する。なお、S101にて画像読取り部16がスキャンした文書に、変換部106が生成したコード化画像を印刷してコード化画像付文書としてもよい。
【0042】
図6はコード化画像付文書の一例を示す図である。
図6に示すように、コード化画像付文書は、
図5に示した文書の空白領域にコード化画像を含んで構成される。このようにコード化画像が印刷されたコード化画像付文書が紙カルテとして管理される。
【0043】
そして、関連付け部104は、文書画像取得部100が取得した文書画像と、属性情報取得部102が取得した属性情報とを関連付けて文書管理サーバ20の文書データ蓄積部202に保存し(S111)、文書管理処理は終了する。なお、関連付け部104は、コード化画像付文書生成部108が生成したコード化画像付文書と、属性情報取得部102が取得した属性情報とを関連付けて文書管理サーバ20の文書データ蓄積部202に保存してもよい。
【0044】
また、S102の判断の結果、取得した文書画像にコード化画像が含まれていると判断された場合に、属性情報取得部102は、画像読取り部16が当該コード化画像を読み取ることで属性情報を取得する(S112)。そして、関連付け部104は、文書画像取得部100が取得した文書画像と、属性情報取得部102が取得した属性情報とを関連付けて文書管理サーバ20の文書データ蓄積部202に保存し(S111)、文書管理処理は終了する。
【0045】
なお、本発明は上述の実施形態に限定されるものではない。
【0046】
S101にて文書画像取得部100が、画像読取り部16がスキャンした文書の画像データを取得する際に、画像読取り部16が複数の文書を連続してスキャンすることとしてもよい。ある文書に関連する関連文書は当該文書に続けてスキャンされることとし、S104の判断の結果、文書画像から認識した書式と一致する書式データが、文書管理サーバ20の書式データ蓄積部200に登録されていないと判断された場合に、当該文書画像は関連文書画像であると判断する。つまり、直前に、S104の判断の結果、認識した書式と一致する書式データが、文書管理サーバ20の書式データ蓄積部200に登録されていると判断された文書画像と関連する関連文書画像であると判断する。そして、関連文書画像には、当該関連文書画像が関連する文書画像から取得された属性情報と、関連文書であることを示す属性情報とを関連付ける。そうすることで、登録されていない書式を用いた文書であっても、利用者の入力を必要としないで、複数の文書に対して連続して文書管理処理を実行することが可能となる。
【0047】
また、S102の判断の結果、取得した文書画像にコード化画像が含まれていると判断された場合であっても、属性情報が変更されることもある(例えば、傷病名の追加等)。このような場合は、画像処理装置10は、属性情報を変更するよう設定した後にスキャンを実施し、コード化画像から読み取った属性情報を新規の属性情報に変更する。そして、変換部106が、変更した属性情報をコード化画像に変換し、コード化画像付文書生成部108が、変更した属性情報のコード化画像を、元々付与されていたコード化画像と入れ替えたコード化画像付文書を生成する。また、関連付け部104は、変更した属性情報と、スキャンしたコード化画像付文書画像とを関連付けて文書管理サーバ20の文書データ蓄積部202に保存してもよいし、変更した属性情報と、スキャンしたコード化画像付文書画像から付与されていたコード化画像を削除した文書画像と、を関連付けて文書管理サーバ20の文書データ蓄積部202に保存してもよい。
【0048】
また、画像読取部16がスキャンした文書の画像をUI部14にプレビュー表示することで、スキャンした文書の内容を利用者が確認することとしてもよい。その際、属性情報取得部102が取得した属性情報もスキャンした文書の画像とともにUI部14に表示し、内容に誤りがないかを利用者が確認することとしてもよい。
【0049】
本実施形態において、画像処理装置の制御部で実行される処理は、文書管理サーバその他の情報処理装置で実行されることとしてもよい。
【符号の説明】
【0050】
1 文書管理システム、10 画像処理装置、11 制御部、12 記憶部、13 通信部、14 UI部、15 画像形成部、16 画像読取り部、20 文書管理サーバ、21 制御部、22 記憶部、23 通信部、30 端末、40 ネットワーク、50−1,50−2,50−3 記入領域、100 文書画像取得部、101 書式判定部、102 属性情報取得部、104 関連付け部、106 変換部、108 コード化画像付文書生成部、200 書式データ蓄積部、202 文書データ蓄積部。