(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
塗料保有者を識別する保有者識別情報と、前記塗料保有者が保有する塗料の色特性値を示す色特性値情報と、前記塗料の保有量を示す保有量情報と、を含む塗料情報を記憶する塗料記憶部と、
発注された再生塗料の色特性値および量に基づいて、前記発注された再生塗料の原料として使用でき且つ前記再生塗料の色特性値とは異なる色特性値を有する原料塗料の色特性値および前記原料塗料に含まれる各原色塗料の配合量を特定する特定部と、
前記塗料記憶部を参照して、前記特定部により特定された前記原料塗料の色特性値および前記原料塗料に含まれる各原色塗料の配合量に基づいて、前記原料塗料を仕入れる仕入先となる塗料保有者を選定する選定部と、を備える、
再生塗料製造支援装置。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施の形態に係る再生塗料製造支援装置について図面を参照して詳細に説明する。
【0010】
本実施の形態に係る再生塗料製造支援装置は、塗装業者が保有する塗料(中古塗料)の色番号(色特性値)を示す色番号情報と、保有量を示す保有量情報と、を保持する。再生塗料製造支援装置は、発注業者から再生塗料の発注を受けると、その再生塗料の製造に必要な原料塗料の色番号と原料塗料に含まれる各原色塗料の配合量とを特定する。そして、再生塗料製造支援装置は、特定した色番号および原料塗料に含まれる各原色塗料の配合量を有する塗料を保有する塗装業者を選定して、当該塗装業者の所持する端末装置へ塗料を発注するための塗料発注情報を送信する。
【0011】
図1に示すように、再生塗料製造支援装置1は、例えば塗料販売業者が所有する。再生塗料製造支援装置1は、発注業者の所持する端末装置2と、複数の塗装業者それぞれが所持する端末装置3とに、LAN(Local Area Network)およびインターネットを含むネットワークNTを介して接続されている。
【0012】
再生塗料製造支援装置1は、例えば通信機能を備えた汎用のパーソナルコンピュータから構成され、CPU(Central Processing Unit)とRAM(Random Access Memory)とROM(Read Only Memory)とストレージと入力部と表示部と通信インタフェースとを備える。RAMは揮発性メモリから構成され、CPUの作業領域として使用される。ROMおよびストレージは、磁気ディスク、半導体メモリ等の不揮発性メモリから構成され、ROMまたはストレージは、再生塗料製造支援装置1の各種機能を実現するためのプログラムを記憶する。そして、CPUが、このプログラムをROMまたはストレージからRAMに読み出して実行することにより、再生塗料製造支援装置1の各種機能が実現される。入力部は、例えばキーボードから構成され、ユーザが入力する各種操作情報を受け付けて、受け付けた操作情報をCPUへ出力する。表示部は、例えば液晶ディスプレイから構成され、CPUから入力された各種情報を表示する。
【0013】
端末装置2は、例えばスマートフォンから構成され、CPUとRAMとROMとストレージと入力部と表示部と通信インタフェースとを備える。端末装置2のROMまたはストレージは、再生塗料製造支援装置1へ塗料を発注するための情報(以下、「塗料発注情報」と称する。)を送信するためのアプリケーションプログラムを記憶する。そして、CPUが、このアプリケ−ションプログラムをROMまたはストレージからRAMに読み出して実行することにより、再生塗料製造支援装置1へ塗料発注情報を送信する機能が実現される。入力部は、例えばタッチパネルから構成され、表示部は、例えば液晶ディスプレイから構成される。
【0014】
端末装置3も、端末装置2と同様に、例えばスマートフォンから構成され、CPUとRAMとROMとストレージと入力部と表示部と通信インタフェースとカメラとを備える。端末装置3のROMまたはストレージは、再生塗料製造支援装置1へ塗装業者が保有する塗料に関する情報(以下、「保有塗料情報」と称する。)を送信するためのアプリケーションプログラムを記憶する。そして、CPUが、このプログラムをROMまたはストレージからRAMに読み出して実行することにより、再生塗料製造支援装置1へ保有塗料情報を送信する機能が実現される。
【0015】
次に、再生塗料製造支援装置1および端末装置2、3から構成されるシステムの動作について
図2を参照しながら説明する。まず、塗装業者が、自己の保有する塗料に関する情報(保有塗料情報)を端末装置3へ入力すると(ステップS1)、その保有塗料情報が、端末装置3から再生塗料製造支援装置1へ送信される(ステップS2)。
【0016】
ここにおいて、端末装置3は、塗装業者のユーザに対して、例えば
図3に示すような塗料情報入力画面GA1を表示部に表示する。塗料情報入力画面GA1には、塗料を示す写真画像の画像ファイル名を入力する画像ファイル名入力欄B1と、保有する塗料のメーカ名、塗料名、色番号、品種、保有量、売値、塗装業者の所在地、塗料の製造年月日を入力する入力欄B2と、塗料のランクを指定するチェックボックスB3と、が含まれる。そして、ユーザは、入力欄B1、B2およびチェックボックスB3への入力が完了した後、「完了EK」をタッチすると、入力された保有塗料情報が、再生塗料製造支援装置1へ送信される。保有塗料情報は、塗料を保有する塗装業者(塗料保有者)を識別する塗装業者識別情報(塗料保有者識別情報)と、その塗装業者が保有する塗料の色番号(色特性値)を示す色番号情報(色特性値情報)と、保有量を示す保有量情報と、を含む。また、保有塗料情報は、塗装業者が保有する塗料の塗料名、メーカ名、売値、製造年月日それぞれを示す情報も含む。更に、保有塗料情報は、塗料の所在地を示す塗料所在地情報と、塗料の撮像画像を示す画像ファイルと、塗料のランクを示すランク情報と、を含む。ここで、「塗料の所在地」とは、例えば塗料を保管している倉庫の所在地である。
【0017】
一方、塗料販売業者が所有している再生塗料製造支援装置1は、保有塗料情報を受信すると、保有塗料情報から塗装業者の住所情報を抽出し、ストレージが記憶する地図情報を参照して、塗料販売業者の所在地と塗装業者の所在地との間の距離を算出する(ステップS3)。ここで、塗料販売業者の所在地は、例えば塗料販売業者が所有している調色設備が設置されている場所に設定されている。
【0018】
続いて、再生塗料製造支援装置1は、自己が有する各塗料業者の保有する塗料(中古塗料)に関する情報を記憶する中古塗料データベース(以下、「DB」と称する)に、保有塗料情報から抽出した塗装業者識別情報、色番号情報および保有量情報等と、塗料販売業者が所有する調色設備の所在地と塗料の所在地との間の距離を示す距離情報とを含む塗料情報を追加する形で、中古塗料DBを更新する(ステップS4)。
【0019】
また、発注業者が、自己の所持する端末装置2においてアプリケーションプログラムを起動させ、発注する再生塗料に関する情報を端末装置3へ入力してからその情報を用いて塗料発注情報を生成するための操作を行ったとする。すると、端末装置2は、塗装業者が入力した発注する塗料に関する情報を用いて、塗料発注情報を生成する(ステップS5)。ここにおいて、端末装置2は、発注業者のユーザに対して、発注する再生塗料の塗料名および品種と必要量(缶の容量とその缶の必要缶数)と色番号と納期とを入力する入力欄を含む発注画面を表示部に表示する。なお、色番号の入力欄については、例えば発注業者が錆止め用途の再生塗料を発注する場合に色名を入力する欄に切り替わるようにしてもよい。また、塗料発注情報は、発注業者を識別する発注業者識別情報と、その発注業者の所在地を示す発注業者所在地情報と、発注する塗料の色番号を示す色番号情報と、発注する塗料の量を示す発注量情報と、を含む。
【0020】
その後、塗料発注情報が、端末装置2から再生塗料製造支援装置1へ送信される(ステップS6)。
【0021】
再生塗料製造支援装置1は、塗料発注情報を受信すると、発注された再生塗料の色番号および量に基づいて、発注された再生塗料の原料として使用できる原料塗料の色番号および原料塗料に含まれる各原色塗料の配合量を特定する(ステップS7)。ここで、再生塗料製造支援装置1は、再生塗料の色番号から再生塗料に含まれるべき各原色塗料の配合割合を特定し、その後、発注された再生塗料の量から再生塗料に含まれるべき各原色塗料の配合量を特定する。そして、再生塗料製造支援装置1は、特定した再生塗料に含まれるべき各原色塗料の配合量に基づいて、再生塗料の原料として使用できる原料塗料の色番号と原料塗料に含まれる各原色塗料の配合量とを特定する。具体的には、再生塗料製造支援装置1は、発注された再生塗料の色番号に対応する色よりも薄い色に対応する色番号を特定する。そして、再生塗料製造支援装置1は、特定した色番号の原料塗料の量と、原料塗料に加えるべき原色塗料の量と、の総和が再生塗料の発注量と等しくなるように、原料塗料に含まれる各原色塗料の配合量を特定する。
【0022】
次に、再生塗料製造支援装置1は、特定した再生塗料の原料として使用できる原料塗料の色番号および原料塗料に含まれる各原色塗料の配合量に基づいて、原料塗料の仕入先を選定する(ステップS8)。ここで、再生塗料製造支援装置1は、自己が有する中古塗料DBを参照して、塗料の色番号が、特定された原料塗料の色番号と一致する塗料を保有する塗装業者を抽出する。そして、再生塗料製造支援装置1は、抽出された塗装業者の中から、選定された塗装業者の保有する塗料に含まれる各原色塗料の配合量の合計が、特定された原料塗料に含まれる各原色塗料の配合量以上となるように、仕入先となる塗装業者を選定する。ここで、再生塗料製造支援装置1は、1の塗装業者の保有する原料塗料のみで再生塗料の発注量を賄えない場合、他の塗装業者も選定する。即ち、再生塗料製造支援装置1は、原料塗料の仕入先として複数の塗装業者を仕入先として選定する場合もある。また、再生塗料製造支援装置1は、抽出された塗装業者の中から、塗料販売業者が保有する調色設備の所在地から近い位置に存在する塗装業者を優先的に選定する。
【0023】
そして、再生塗料製造支援装置1は、色番号が同一の原料塗料について複数の塗装業者を仕入先として選定したとする。この場合、再生塗料製造支援装置1は、自己が保持する発注先へ供給する塗料に関する情報を記憶する注文塗料DBが記憶する同一色複数仕入先フラグをオンに設定する(ステップS9)。これにより、発注業者へ供給する塗料に使用される同一色の原料が、複数の塗装業者から仕入れたものであることが登録される。
【0024】
続いて、仕入先として選定された塗装業者へ塗料を発送するよう指示する発送指示情報が、再生塗料製造支援装置1から、仕入先として選定された塗装業者が所持する端末装置3へ送信される(ステップS10)。
【0025】
その後、塗装業者が自己の保有する塗料を塗料販売業者へ向けて発送し、塗装業者のユーザが端末装置3に対して発送を完了した旨を発注業者および塗料販売業者へ通知するための操作(以下、「発送完了通知操作」と称する。)を行ったとする。端末装置3は、発送完了通知操作を受け付けると(ステップS11)、発送完了通知が、端末装置3から再生塗料製造支援装置1へ送信されるとともに(ステップS12)、発注業者が所持する端末装置2へも送信される(ステップS13)。そして、再生塗料製造支援装置1は、端末装置3から発送完了通知を受信すると、自己が保有する各塗装業者が保有する塗料に関する情報を記憶する中古塗料DBから、発送完了通知に対応する塗料に関する塗料情報を削除する(ステップS14)。これにより、発送された塗料は、再生塗料製造支援装置1が再生塗料の製造に使用する原料塗料の候補から外されることになる。
【0026】
その後、塗料販売業者が、発注された再生塗料の製造が完了し、塗料販売業者のユーザが再生塗料製造支援装置1に対して塗料が完成した旨を通知するための操作(以下、「完成通知操作」と称する。)を行ったとする。ここにおいて、塗装販売業者は、完成した塗料を用いて作製した見本(以下、「塗り見本」と称する。)と、予め準備された色見本と、を並べて撮影することにより得られる画像(以下、「比較画像」と称する。)を示す比較画像情報を再生塗料製造支援装置1に入力する。すると、再生塗料製造支援装置1は、再生塗料が完成した旨を通知する塗料完成通知を生成する(ステップS15)。その後、塗料完成通知が、再生塗料製造支援装置1から発注業者の所持する端末装置2へ送信される(ステップS16)。この塗料完成通知には、再生塗料に付与された塗料名情報、再生塗料の製造に使用された原料塗料の品番情報、メーカ名、売値、製造年月日を示す情報とランク情報と、同一色複数仕入先フラグの内容を示すフラグ情報と、前述の比較画像情報と、を含む。が含まれる。これにより、発注業者は、再生塗料の製造に使用された原料塗料の素性を知ることが可能となる。また、発注業者は、比較画像情報が示す比較画像を参照することにより、発注した再生塗料の出来映えを視覚的に認識することができる。
【0027】
また、発注業者が、発注した塗料を塗料販売業者から受け取り、その塗料を使用した後、発注業者のユーザが、発注した塗料に対する評価を示す情報を端末装置2へ入力してからその情報を用いて評価情報を生成するための操作を行ったとする。このとき、端末装置3は、発注業者が入力した情報を用いて、評価情報を生成する(ステップS17)。次に、評価情報が、端末装置3から再生塗料製造支援装置1へ送信される(ステップS18)。この評価情報は、発注業者の塗料販売業者が販売した再生塗料に対する評価を示す情報を含むものである。
【0028】
再生塗料製造支援装置1は、評価情報を受信すると、自己が保持する、原料塗料に対する評価結果を記憶する評価DBを更新する(ステップS19)。ここで、再生塗料製造支援装置1は、受信した評価情報が示す評価結果を評価DBに追加する形で評価DBを更新する。続いて、評価DBに登録されている内容を示す評価DB情報が、再生塗料製造支援装置1から塗装業者の所持する端末装置3へ送信される(ステップS20)。
【0029】
また、塗料販売業者が、再生塗料製造支援装置1に対して、塗装業者から仕入れた原料塗料についての評価を評価DBに登録するための操作を行ったとする。この場合、再生塗装製造支援装置1は、塗料販売業者による評価結果を受け付けて(ステップS21)、自己が保持する評価DBを更新する(ステップS22)。ここで、再生塗料製造支援装置1は、受け付けた評価結果を評価DBに追加する形で評価DBを更新する。続いて、評価DBに登録されている内容を示す評価DB情報が、再生塗料製造支援装置1から塗装業者の所持する端末装置3へ送信される(ステップS23)。このようにして、原料塗料として使用された塗料に対する発注業者または塗料販売業者による評価結果を公にすることにより、塗装業者に対して塗装業者が管理する残塗料の品質に対する責任が喚起される。これにより、原料塗料の品質が高いレベルで維持することのインセンティブが働くという利点がある。
【0030】
次に、本実施の形態に係る再生塗料製造支援装置1の機能構成について説明する。
図4に示すように、CPU101が、補助記憶部103が記憶するプログラムを主記憶部(図示せず)に読み込んで実行することにより、取得部110、距離算出部111、塗料情報更新部112、発注元抽出部113、特定部114、選定部115、同一色複数仕入先判定部116、発送指示部117、塗料完成通知部118、評価情報更新部119および評価提示部120として機能する。また、補助記憶部103は、地
図DB131と、所在地DB136と、中古塗料DB(塗料記憶部)132と、配合割合DB135と、注文塗料DB133と、評価DB134と、を有する。
【0031】
地
図DB(地図情報記憶部)131は、地図情報を記憶する。地図情報は、地図上における複数の位置に対応する場所間の距離に関する情報を含む。所在地DB(所在地記憶部)136は、塗料販売業者が所有する調色設備(塗料製造設備)の所在地を示す情報(設備所在地情報)を記憶する。
【0032】
中古塗料DB132は、例えば
図5に示すように、塗装業者(塗料保有者)を識別する塗装業者識別情報(保有者識別情報)と、塗装業者が保有する塗料の色番号(色特性値)を示す色番号情報(色特性値情報)と、塗装業者が保有する塗料の品種を示す品種情報と、塗料の保有量を示す保有量情報と、を含む塗料情報を記憶する。色番号は、例えば16進数の色コードから構成される。また、塗料情報は、更に、塗料に付与された原料塗料品番と、塗料のメーカ名、売値および製造年月日を示す情報と、塗料の撮像画像を示す画像ファイルと、塗料のランク情報と、を含む。更に、塗料情報は、調色設備の所在地と塗装業者が保有する塗料の所在地との間の距離を示す距離情報を含む。
【0033】
配合割合DB135は、例えば
図6(A)に示すように、色番号と、その色番号に対応する塗料に含まれるべき各原色塗料の配合割合と、を対応づけて記憶している。
【0034】
注文塗料DB133は、例えば
図6(B)に示すように、発注業者から注文された再生塗料毎に、色番号と、使用した原料塗料の品番(原料塗料品番)と、発注業者識別情報と、比較画像を示す画像情報とを、発注業者から注文された再生塗料に付与された品番情報に対応づけた形で記憶している。
【0035】
評価DB134は、例えば
図7に示すように、発注業者から注文された塗料毎に、塗料に対する評価を行った発注業者の識別情報と、評価結果を示す情報と、を、発注業者へ供給した塗料に付与された品番情報に対応づけた形で記憶している。
【0036】
図4に戻って、取得部110は、通信部107を介して、塗装業者が所持する端末装置3から送信された保有塗料情報を取得する。また、取得部110は、通信部107を介して、発注業者が所持する端末装置2から送信された塗料発注情報を取得する。
【0037】
距離算出部111は、取得部110が塗装業者の所持する端末装置3から保有塗料情報を取得すると、取得した保有塗料情報から塗装の所在地を抽出するとともに、所在地DB136から塗料販売業者が所有する調色設備の所在地を示す情報を取得する。そして、距離算出部111は、地
図DB131が記憶する地図情報を参照して、調色設備の所在地と塗料の所在地との間の距離を算出する。距離算出部111は、算出した距離を示す距離情報を塗料情報更新部112へ通知する。
【0038】
塗料情報更新部112は、取得部110が取得した保有塗料情報から抽出した、塗装業者識別情報、色番号情報および保有量情報等と、画像ファイルと、ランク情報と、を追加する形で、中古塗料DB132を更新する。また、塗料情報更新部112は、距離算出部111から通知される、距離算出部111が算出した距離を示す距離情報を用いて、中古塗料DB132が記憶する距離情報を更新する。
【0039】
発注元抽出部113は、取得部110が取得した塗料発注情報から発注元を識別する発注元識別情報を抽出して、注文塗料DB133に記憶させる。この発注元識別情報は、例えば発注元の発注業者の購買部門等が管理するメールアドレスや所在地を示す情報等を含む。
【0040】
特定部114は、発注された再生塗料の色番号および量に基づいて、発注された再生塗料の原料として使用できる原料塗料の色番号および再生塗料に含まれるべき各原色塗料の配合量を特定する。特定部114は、配合割合DB135を参照して、発注された再生塗料の色番号から再生塗料に含まれるべき各原色塗料の配合割合を特定し、特定した配合割合と発注された再生塗料の量とに基づいて、再生塗料に含まれるべき各原色塗料の配合量を特定する。そして、特定部114は、特定した再生塗料に含まれるべき各原色塗料の配合量に基づいて、再生塗料の原料として使用できる原料塗料の色番号と原料塗料に含まれる各原色塗料の配合量とを特定する。ここで、特定部114は、発注された再生塗料の色番号に対応する色よりも薄い色に対応する色番号を特定する。そして、特定部114は、特定した色番号の原料塗料の量と、原料塗料に加えるべき原色塗料の量と、の総和が再生塗料の発注量と等しくなるように、原料塗料に含まれる各原色塗料の配合量を特定する。
【0041】
選定部115は、中古塗料DB132を参照して、特定部114により特定された原料塗料の色特性値および原料塗料に含まれる各原色塗料の配合量に基づいて、原料塗料を仕入れる仕入先となる塗装業者の塗装業者識別情報を選定する。選定部115は、中古塗料DB132が記憶する原料塗料識別情報の中から、塗料に含まれる各原色塗料の配合量が特定部114により特定された原料塗料に含まれる各原色塗料の配合量と一致する塗料に付与された原料塗料識別情報を抽出する。そして、選定部115は、抽出した原料塗料識別情報に対応する塗装業者識別情報の中から、原料塗料を仕入れる仕入先となる塗装業者の塗装業者識別情報を選定する。
【0042】
また、選定部115は、中古塗料DB132が記憶する距離情報に基づいて、発注された再生塗料の原料として使用できる原料塗料を保有する塗装業者の塗装業者識別情報の中から、塗料販売業者が所有する調色設備の所在地から最も近い所在地に存在する塗料を保有する塗装業者の塗装業者識別情報を選定する。
【0043】
同一色複数仕入先判定部116は、選定部115により同一の色番号の原料塗料について複数の塗装業者が仕入先として選定されているか否かを判定する。同一色複数仕入先判定部116は、同一の色番号の原料塗料について複数の塗装業者が仕入先として選定されている場合、注文塗料DB133の同一色複数仕入先フラグを「オン」に設定する。一方、同一色複数仕入先判定部116は、同一の色番号の原料塗料について1つの塗装業者のみが仕入先として選定されている場合、注文塗料DB133の同一色複数仕入先フラグを「オフ」に設定する。
【0044】
発送指示部117は、注文塗料DB133の原料塗料発送指示状況を参照して、原料塗料発送指示状況が「未」に設定されている原料塗料の原料塗料識別情報を特定する。そして、発送指示部117は、中古塗料DB132を参照して、特定した原料塗料識別情報が付与された塗料を保有する塗装業者識別情報を特定する。その後、発送指示部117は、特定した塗装業者識別情報に対応する塗装業者宛の発送指示情報を生成する。発送指示部117は、生成した発送指示情報を、通信部107を介して、特定した塗装業者識別情報が付与された塗装業者の所持する端末装置3へ送信する。
【0045】
塗料完成通知部118は、入力部104を介して、塗料完成通知を発注業者へ通知するための操作(以下、「完成通知操作」と称する。)を受け付けたか否かを判定する。そして、塗料完成通知部118は、完成通知操作を受け付けたと判定すると、塗料完成通知を生成して発注業者が所持する端末装置2へ送信する。ここで、塗料完成通知部118は、まず、注文塗料DB133を参照して、再生塗料の製造に使用された原料塗料識別情報と、同一色複数仕入先フラグの内容を示すフラグ情報と、を取得する。次に、塗料完成通知部118は、中古塗料DB132を参照して、取得した原料塗料識別情報に対応する、原料塗料品番、メーカ名、売値、製造年月日を示す情報と、ランク情報と、を取得する。そして、塗料完成通知部118は、取得した原料塗料品番、メーカ名、売値、製造年月日を示す情報と、ランク情報と、フラグ情報を含む塗料完成通知を生成する。
【0046】
評価情報更新部119は、発注業者が所持する端末装置2から評価情報を受信すると、受信した評価情報が示す評価結果を評価DB134に追加する形で評価DB134を更新する。また、評価情報更新部119は、塗料販売業者のユーザが、入力部104を介して、塗装業者から仕入れた原料塗料についての評価を評価DB134に登録するために行った操作を受け付けると、評価DB134を更新する。ここにおいて、評価情報更新部119は、受け付けた評価結果を評価DB134に追加する形で評価DB134を更新する。
【0047】
評価提示部120は、評価DB134に登録されている内容を示す評価DB情報を、通信部107を介して塗装業者の所持する端末装置3へ送信する。
【0048】
次に、本実施の形態に係る再生塗料製造支援装置1が実行する再生塗料製造支援処理について
図8および
図9を参照しながら説明する。この再生塗料製造支援処理は、塗料販売業者のユーザが再生塗料製造支援装置1へ電源を投入したことを契機として開始される。
【0049】
まず、取得部110は、
図8に示すように、塗装業者が所持する端末装置3から送信された保有塗料情報を取得したか否かを判定する(ステップS101)。取得部110が保有塗料情報を取得していないと判定すると(ステップS101:No)、後述のステップS104の処理が実行される。
【0050】
一方、取得部110が、保有塗料情報を取得したと判定したとする(ステップS101:Yes)。この場合、距離算出部111は、取得した保有塗料情報から塗装の所在地を抽出するとともに、所在地DB136から塗料販売業者が所有する調色設備の所在地を示す情報を取得する。そして、距離算出部111は、地
図DB131が記憶する地図情報を参照して、調色設備の所在地と塗料の所在地との間の距離を算出する(ステップS102)。距離算出部111は、算出した距離を示す距離情報を塗料情報更新部112へ通知する。
【0051】
次に、塗料情報更新部112は、取得部110が取得した保有塗料情報から抽出した、塗装業者識別情報、色番号情報および保有量情報等と、画像ファイルと、ランク情報と、を追加する形で、中古塗料DB132を更新する(ステップS103)。
【0052】
続いて、取得部110は、発注業者が所持する端末装置2から送信された塗料発注情報を取得したか否かを判定する(ステップS104)。取得部110が塗料発注情報を取得していないと判定すると(ステップS104:No)、後述のステップS112の処理が実行される。
【0053】
一方、取得部110が、塗料発注情報を取得したと判定したとする(ステップS104:Yes)。この場合、特定部114は、塗料発注情報に含まれる発注された塗料の色番号情報および発注量情報に基づいて、再生塗料の製造に使用する原料塗料の色番号および原料塗料に含まれる各原色塗料の配合量を特定する(ステップS105)。
【0054】
その後、選定部115は、特定部114により特定された原料塗料の色番号および原料塗料に含まれる各原色塗料の配合量に基づいて、原料塗料を仕入れる仕入先の塗装業者を選定する(ステップS106)。ここで、選定部115は、塗料販売業者の所有する調色設備の所在地から近い位置に存在する塗装業者を優先的に選定する。
【0055】
次に、選定部115は、選定した塗装業者の保有する塗料に含まれる各原色塗料の配合量の合計が、特定部114により特定された原料塗料に含まれる各原色塗料の配合量以上であるか否かを判定する(ステップS107)。ここで、選定部115が、選定した塗装業者の保有する塗料に含まれる各原色塗料の配合量の合計が、特定部114により特定された原料塗料に含まれる各原色塗料の配合量未満であると判定したとする(ステップS107:No)。この場合、選定部115は、再度ステップS106の処理を実行する。このとき、選定部115は、先に選定した塗装業者の次に塗装販売業者の所有する調色設備の所在地に近い位置に存在する塗装業者を選定する。
【0056】
一方、選定部115が、選定した塗装業者の保有する塗料に含まれる各原色塗料の配合量の合計が、特定部114により特定された原料塗料に含まれる各原色塗料の配合量以上であると判定したとする(ステップS107:Yes)。この場合、同一色複数仕入先判定部116は、選定部115により選定された塗装業者について、同一の色番号の原料塗料について複数の塗装業者が仕入先として選定されているか否かを判定する(ステップS108)。同一色複数仕入先判定部116は、同一の色番号の原料塗料について複数の塗装業者が仕入先として選定されていると判定すると(ステップS108:Yes)、注文塗料DB133の同一色複数仕入先フラグを「オン」に設定する(ステップS109)。
【0057】
一方、同一色複数仕入先判定部116は、同一の色番号の原料塗料について1つの塗装業者のみが仕入先として選定されていると判定すると(ステップS108:No)、注文塗料DB133の同一色複数仕入先フラグを「オフ」に設定する(ステップS110)。
【0058】
続いて、発送指示部117は、発送指示情報を生成して、塗装業者の所持する端末装置3へ送信する(ステップS111)。ここで、発送指示部117は、選定部115が選定した塗装業者宛の発送指示情報を生成する。発送指示情報は、原料塗料を使用する塗料の品番情報と、原料塗料の品番情報と、を含む。発送指示部117は、生成した発送指示情報を、通信部107を介して、特定した塗装業者の所持する端末装置3へ送信する。
【0059】
ここにおいて、塗装業者が所持する端末装置3は、再生塗料製造支援装置1から発送指示情報を受信すると、その端末装置3を所持する塗装業者へ保有する塗料の発送指示を受けている旨を通知する。そして、塗装業者が、発送指示の通知を受けて自己の保有する塗料を塗料販売業者へ発送した後、端末装置3に対して、塗料販売業者への塗料の発送が完了した旨を塗料販売業者へ通知するための操作を行ったとする。この場合、端末装置3は、発送完了通知を生成して再生塗料製造支援装置1宛に送信する。発送完了通知は、発送した原料塗料の品番情報と、発送元である塗装業者を識別する塗装業者識別情報と、を含む。
【0060】
ステップS111の処理が実行された後、取得部110は、
図9に示すように、塗装業者が所持する端末装置3が送信する発送完了通知を取得したか否かを判定する(ステップS112)。取得部110が発送完了通知を取得していないと判定すると(ステップS112:No)、後述のステップS114の処理が実行される。一方、取得部110が発送完了通知を取得したと判定すると(ステップS112:Yes)、塗料情報更新部112は、取得部110が取得した発送完了通知に含まれる原料塗料の原料塗料品番情報と発送元である塗装業者の塗装業者識別情報との組み合わせに対応する塗料情報を、中古塗料DB132から削除する(ステップS113)。
【0061】
次に、塗料完成通知部118は、入力部104を介して、完成通知操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS114)。塗料完成通知部118が完成通知操作を受け付けていないと判定すると(ステップS114:No)、後述のステップS116の処理が実行される。一方、塗料完成通知部118は、完成通知操作を受け付けたと判定すると(ステップS114:Yes)、塗料完成通知を生成して発注業者が所持する端末装置2へ送信する(ステップS115)。塗料完成通知は、前述のように、再生塗料に付与された塗料名情報と、再生塗料の製造に使用された原料塗料の品番情報と、メーカ名、売値、製造年月日を示す情報と、ランク情報と、比較画像情報と、を含んでいる。
【0062】
続いて、取得部110が、発注業者が所持する端末装置2から評価情報を取得したか否かを判定する(ステップS116)。取得部110が評価情報を取得していないと判定すると(ステップS116:No)、後述のステップS119の処理が実行される。一方、取得部110が評価情報を取得したと判定すると(ステップS116:Yes)、評価情報更新部119は、取得部110が取得した評価情報が示す評価結果を評価DB134に追加する形で評価DB134を更新する(ステップS117)。
【0063】
その後、評価提示部120は、評価DB134に登録されている内容を示す評価DB情報を、通信部107を介して全ての塗装業者の所持する端末装置3へ送信する(ステップS118)。これにより、塗料を保有する塗装業者の全てが、それぞれ自己の保有する塗料に対する評価結果を確認することができる。
【0064】
次に、評価情報更新部119は、入力部104を介して、塗装業者から仕入れた原料塗料についての評価結果を受け付けたか否かを判定する(ステップS119)。ここで、評価情報更新部119は、塗料販売業者のユーザが入力部104を介して、評価DB134に登録するための操作を行ったときに、入力部104から評価結果を受け付ける。評価情報更新部119が評価結果を受け付けていないと判定すると(ステップS119:No)、後述のステップS122の処理が実行される。
【0065】
一方、評価情報更新部119は、評価結果を受け付けたと判定すると(ステップS119:Yes)、受け付けた評価結果を評価DB134に追加する形で評価DB134を更新する(ステップ120)。
【0066】
続いて、評価提示部120は、評価DB134に登録されている内容を示す評価DB情報を、通信部107を介して塗装業者の所持する端末装置3へ送信する(ステップS121)。
【0067】
その後、取得部110は、ユーザが入力部104を介して再生塗料製造支援処理を終了させるよう指令する終了指令が有ったか否かを判定する(ステップS122)。取得部110により終了指令が有ったと判定されると(ステップS122:Yes)、再生塗料製造支援処理が終了する。一方、取得部110は、終了指令が無いと判定すると(ステップS122:No)、再びステップS101の処理を実行する。
【0068】
以上説明したように、本実施の形態に係る再生塗料製造支援装置1によれば、特定部114が、再生塗料の色番号の色よりも薄い色に対応する色番号を有する原料塗料の色番号および原料塗料に含まれる各原色塗料の配合量を特定する。そして、選定部115が、中古塗料DB132を参照して、特定部114により特定された原料塗料の色番号および原料塗料に含まれる各原色塗料の配合量に基づいて、原料塗料を仕入れる仕入先となる塗装業者を選定する。これにより、所望する再生塗料の色番号の色よりも薄い色に対応する色番号を有する原料塗料に原色塗料を配合することにより所望の再生塗料を製造する製造方法に適合した塗料を仕入れることが可能となる。また、発注された再生塗料の原料塗料の仕入先となる塗装業者を探す手間が省略される。従って、発注された再生塗料の製造方法に最適な原料塗料を迅速に入手することが可能となるので、再生塗料の納期短縮を図ることができる。
【0069】
また、本実施の形態に係る特定部114は、発注された再生塗料よりも色が薄い原料塗料の色番号および原料塗料に含まれる各原色塗料の配合量を特定する。これにより、発注された再生塗料よりも色が薄い原料塗料に、その原料塗料よりも色が濃い塗料を調合することにより再生塗料を製造するという一般的な再生塗料の製造方法に適合した原料塗料を仕入れることができる。
【0070】
更に、本実施の形態に係る選定部115は、中古塗料DB132が記憶する距離情報に基づいて、発注された再生塗料の原料として使用できる原料塗料を保有する塗装業者の塗装業者識別情報の中から、塗料販売業者が所有する調色設備の所在地から最も近い所在地に存在する塗料を保有する塗装業者の塗装業者識別情報を選定する。これにより、発注された再生塗料の原料塗料の仕入先の塗装業者として、調色設備から近い位置に塗料を保管している塗装業者が優先的に選定される。従って、塗装業者の塗料保管場所から調色設備までの原料塗料の運搬距離を短縮することができるので、原料塗料の運搬に要する時間を短縮でき、ひいては再生塗料の納期短縮を図ることができる。
【0071】
また、本実施の形態では、距離算出部111が、地図情報を参照して、調色設備の所在地と、取得部110が取得した保有塗料情報に含まれる塗料所在地情報が示す塗料の所在地との間の距離を算出する。そして、塗料情報更新部112が、距離算出部111が算出した距離を示す距離情報を用いて、中古塗料DB132が記憶する距離情報を更新する。これにより、塗装業者は、例えば塗料の保管場所を変更した場合、再生塗料製造支援装置1へ送信する保有塗料情報に含める塗料所在地情報を変更するだけで、中古塗料DB132の距離情報を変更することができる。従って、塗料販売業者にとって、塗装業者の塗料保管場所変更に対する中古塗料DB132の更新作業の手間が省かれるという利点がある。
【0072】
(変形例)
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は前述の実施の形態の構成に限定されるものではない。例えば、再生塗料製造支援装置が、塗料に含まれる各原色塗料の配合割合を測定する測色機から、その測色機により測定された塗料に含まれる各原色塗料の配合割合を示す測色情報を取得する測色情報取得部と、測色情報取得部が取得した測色情報に基づいて、発注された塗料の色特性値および量を特定する色特性値・量特定部と、を備える構成であってもよい。この場合、特定部は、測色情報取得部が取得した測色情報に基づいて、発注された再生塗料の色特性値および量を特定することができる。なお、測色機として、例えば測色機能を有するスマートフォンから構成されていてもよい。
【0073】
本構成によれば、例えば発注業者が発注しようとする再生塗料の色番号が判らない場合であっても、特定部は、発注業者が測色機を使用して取得した測色情報に基づいて、発注された塗料の色特性値および量を特定することができる。従って、発注業者が発注しようとする再生塗料の色番号が判らない場合であっても、再生塗料の製造に使用する原料塗料の仕入先が的確に選定されるという利点がある。
【0074】
実施の形態では、再生塗料製造支援装置1が、発注された再生塗料の原料となる塗料の仕入先として塗装業者を選定する例について説明したが、選定する塗料保有者は塗装業者に限定されるものではなく、例えば他の塗料販売業者や塗料製造業者を選定するものであってもよい。この場合、中古塗料DB132が、他の塗料販売業者や塗料製造業者が保有する塗料の色特性値情報や保有量情報と、他の塗料販売業者や塗料製造業者を識別する識別情報と、を対応づけて記憶すればよい。
【0075】
実施の形態では、特定部114が、発注された再生塗料の色番号に対応する色よりも薄い色に対応する色番号の塗料を原料塗料として特定する例について説明した。但し、特定部114が特定する原料塗料は、これに限定されるものではなく、例えば特定部が、発注された再生塗料の色番号に対応する色よりも濃い色に対応する色番号の塗料を原料塗料として特定するものであってもよい。或いは、特定部が、発注された再生塗料よりも明度、彩度の少なくとも一方が高い塗料を原料塗料として特定するものであってもよい。
【0076】
実施の形態では、選定部115が、特定部114により特定された再生塗料の色番号(色特性値)および配合量に基づいて原料塗料の仕入先を選定する、つまり、選定部115が、各塗装業者の保有する塗料の色番号および保有量のみを基準に原料塗料の仕入先を選定する例について説明した。但し、これに限らず、例えば、選定部115は、各塗装業者が保有する塗料の色番号および保有量のみならず、塗料の製造年月日をも基準に原料塗料の仕入先を選定する構成であってもよい。この場合、選定部115は、例えば塗料の色番号および保有量に限れば、特定部114により特定された再生塗料の色番号および再生塗料に含まれるべき各原色塗料の配合量に適合するものであっても、製造年月日が予め設定された期間外である場合、その塗料を保有する塗装業者を仕入先から除外する。本構成によれば、例えば製造年月日が極めて古い塗料を仕入れてしまうことを防止でき、再生塗料の品質向上が図られるという利点がある。また、実施の形態において、各塗装業者の営業時間帯および営業期間に関する情報を記憶する営業状況記憶部を備えており、選定部115が、営業状況記憶部が記憶する各塗装業者の営業情報に応じて、原料塗料の仕入先を選定する構成であってもよい。
【0077】
実施の形態では、選定部115が、塗料販売業者の保有する調色設備の所在地から近い位置にある塗装業者を優先的に選定する例について説明したが、これに限らない。例えば、選定部115が、保有する塗料に含まれる各原色塗料の配合量が、特定部114により特定された原料塗料に含まれる各原色塗料の配合量以上である塗装業者を優先的に選定する構成であってもよい。
【0078】
実施の形態では、塗装業者が、端末装置3に対して、自己が保有する塗料に関する情報を入力することにより、自己の保有する塗料に関する情報を示す保有塗料情報が、端末装置3から再生塗料製造支援装置1へ送信される例について説明した。但し、これに限らず、例えば、塗装業者が、自己の保有する塗料を収容する缶に付されたラベルを、端末装置3が有するカメラ機能を利用して撮影すると、撮影により得られる撮像画像情報(保有塗料画像情報)が再生塗料製造支援装置1へ送信される構成であってもよい。この場合、再生塗料製造支援装置は、端末装置3から受信したラベルの撮像画像情報を解析することにより、撮像画像情報から塗装業者の保有する塗料に関する情報(保有塗料情報)を抽出する画像解析部を備える構成とすればよい。
【0079】
ここにおいて、塗装業者が、端末装置3を利用して自己の保有する塗料を収容する缶に付されたラベルを撮影するとともに、端末装置3にその塗料の保管場所の所在地を示す所在地情報を入力する。すると、端末装置3は、ラベルの撮像画像情報(保有塗料画像情報)とともに、所在地情報を再生塗料製造支援装置へ送信する。そして、再生塗料製造支援装置が保有塗料画像情報と所在地情報とを受信すると、再生塗料製造支援装置の画像解析部が、保有塗料画像情報を解析することにより、その保有塗料画像情報に対応する保有塗料情報を抽出する。
【0080】
ここで、本変形例に係る再生塗料製造支援装置が実行する再生塗料製造支援処理について
図10を参照しながら説明する。なお、
図10において、実施の形態に係る再生塗料製造支援処理と同様の処理については、
図8、
図9と同一の符号を付している。また、本変形例に係る再生塗料製造支援装置は、実施の形態に係る再生塗料製造支援装置1において画像解析部が追加された機能構成を有する。本変形例の再生塗料製造支援装置において実施の形態に係る再生塗料製造支援装置1と同様の構成については、
図4と同一の符号を用いて説明する。まず、取得部110は、塗装業者が所持する端末装置3から送信された端末装置3から保有塗料画像情報および所在地情報を取得したか否かを判定する(ステップS201)。取得部110が保有塗料画像情報および所在地情報を取得していないと判定すると(ステップS201:No)、前述の
図8のステップS104の処理が実行される。
【0081】
一方、取得部110が、保有塗料画像情報および所在地情報を取得したと判定したとする(ステップS201:Yes)。この場合、画像解析部が、保有塗料画像を解析することにより、その保有塗料画像情報に対応する保有塗料情報を抽出する(ステップS202)。その後、前述の実施の形態で説明したステップS102以降の処理が実行される。
【0082】
なお、前述では、塗装業者が端末装置3を用いて撮影する対象が、自己の保有する塗料に付されたラベルである例について説明したが、撮影対象はこれに限定されない。例えば、塗料を収容する缶に付された、その塗料に関する情報を示すQRコード(登録商標)やバーコードを撮影すると、そのQRコードやバーコードの撮像画像が、端末装置3から再生塗料製造支援装置へ送信される構成であってもよい。この場合、画像解析部は、QRコードたバーコードの画像を解析することにより、その塗料の保有塗料情報を抽出する。
【0083】
或いは、塗料を収容する缶に付されたラベルを含めた缶全体を撮影すると、その缶全体の撮影画像が、端末装置3から再生塗料製造支援装置へ送信される構成であってもよい。この場合、再生塗料製造支援装置は、塗料を収容する缶全体の意匠とその塗料に関する情報とを対応づける意匠DBを備える構成とすればよい。そして、画像解析部が、意匠DBに登録された画像情報と、缶全体の撮影画像と、のマッチング処理を実行することにより、缶全体の撮影画像から塗料に関する情報を抽出する。
【0084】
本構成によれば、塗装業者が、自己が保有する塗料に関する情報を端末装置3へ入力する手間を省くことができる。
【0085】
実施の形態において、再生塗料製造支援装置が、端末装置2に対して、発注された再生塗料と色番号および品種が類似し且つ指定納期内に納品できる再生塗料の塗料名を示す類似塗料情報を送信する構成であってもよい。ここにおいて、再生塗料製造支援装置は、例えば端末装置2から塗料発注情報を受信した場合、まず、塗料発注情報に含まれる色番号の再生塗料が指定納期内に納品できるか否かを判定する。そして、再生塗料製造支援装置は、塗料発注情報に含まれる色番号および品種の再生塗料が指定納期内に納品できないと判定すると、類似塗料情報を端末装置2へ送信する。すると、端末装置2は、再生塗料製造支援装置から受信した類似塗料情報に基づいて、「発注された色と同一の色番号および品種の再生塗料と類似する塗料として・・・を納品できます。」というような表示画面を表示部に表示する。
【0086】
本構成によれば、塗料発注業者が、塗料の色への拘りが少ない場合や納期を優先的に考えている場合に適切に対応することが可能となる。
【0087】
実施の形態では、ステップS101乃至S122の一連の処理が順に実行される例について説明した。但し、これに限らず、例えばステップS101乃至S103の一連の処理、ステップS104乃至S111の一連の処理、ステップS112、S113の一連の処理、ステップS114、S115の一連の処理、ステップS116乃至S118の一連の処理、ステップS119乃至S121の一連の処理が、それぞれ並行して実行される構成であってもよい。
【0088】
実施の形態では、色特性値として、16進数の色コードから構成される色番号を使用する例について説明したがこれに限定されるものではない。例えば、色特性値として、CIE−XYZ表色系、CIE−L*a*b*表色系、CIE−L*C*H*表色系、マンセル表色系等の他の表色系における表色値を採用してもよい。
【0089】
また、本発明に係る再生塗料製造支援装置1の各種機能は、専用のシステムによらず、通常のコンピュータシステムを用いて実現可能である。例えば、ネットワークに接続されているコンピュータに、上記動作を実行するためのプログラムを、コンピュータシステムが読み取り可能な非一時的な記録媒体(CD−ROMや磁気ディスク等)に格納して配布し、当該プログラムをコンピュータシステムにインストールすることにより、上述の処理を実行する再生塗料製造支援装置1を構成してもよい。
【0090】
また、コンピュータにプログラムを提供する方法は任意である。例えば、プログラムは、通信回線の掲示版(BBS)にアップロードされ、通信回線を介してコンピュータに配信されてもよい。そして、コンピュータは、このプログラムを起動して、OSの制御の下、他のアプリケーションと同様に実行する。これにより、コンピュータは、上述の処理を実行する再生塗料製造支援装置1として機能する。
【0091】
以上、本発明の各実施の形態および変形例(なお書きに記載したものを含む。以下、同
様。)について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。本発明は、実施
の形態及び変形例が適宜組み合わされたもの、それに適宜変更が加えられたものを含む。
【解決手段】再生塗料製造支援装置1は、塗装業者識別情報と色番号情報と保有量情報とを含む塗料情報を記憶する中古塗料DB132と、発注された再生塗料の色番号および量に基づいて、発注された再生塗料の原料として使用でき且つ再生塗料の色番号の色よりも薄い色に対応する色番号を有する原料塗料の色番号および原料塗料に含まれる各原色塗料の配合量を特定する特定部114と、中古塗料DB132を参照して、特定部114により特定された原料塗料の色番号および原料塗料に含まれる各原色塗料の配合量に基づいて、原料塗料を仕入れる仕入先となる塗装業者を選定する選定部115と、を備える。