特許第6142967号(P6142967)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6142967
(24)【登録日】2017年5月19日
(45)【発行日】2017年6月7日
(54)【発明の名称】テレスコピック式ステアリング装置
(51)【国際特許分類】
   B62D 1/184 20060101AFI20170529BHJP
   B62D 1/189 20060101ALI20170529BHJP
【FI】
   B62D1/184
   B62D1/189
【請求項の数】7
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2016-575581(P2016-575581)
(86)(22)【出願日】2016年5月18日
(86)【国際出願番号】JP2016064791
(87)【国際公開番号】WO2016186144
(87)【国際公開日】20161124
【審査請求日】2016年12月26日
(31)【優先権主張番号】特願2015-102170(P2015-102170)
(32)【優先日】2015年5月19日
(33)【優先権主張国】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000004204
【氏名又は名称】日本精工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100140718
【弁理士】
【氏名又は名称】仁内 宏紀
(72)【発明者】
【氏名】杉下 傑
【審査官】 飯島 尚郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−006056(JP,A)
【文献】 特開2009−029152(JP,A)
【文献】 実開昭58−033368(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62D 1/00−1/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前方に配置されたインナコラムの後部に、後方に配置されたアウタコラムの前部を、軸方向に関する相対変位を可能に嵌合して成るステアリングコラムと、
前記アウタコラムの前部を幅方向両側から挟む1対の支持板部を備え、車体に支持される支持ブラケットと、
前記アウタコラムの前部に前記アウタコラムの軸方向に伸長する状態で形成されたテレスコ調節用の長孔と、前記各支持板部にそれぞれ形成された通孔とに、それぞれ幅方向に挿通された調節ロッドと、
を備えたテレスコピック式ステアリング装置であって、
前記調節ロッドを押上部材により上方に向けて付勢しており、
前記調節ロッドに回転部材が回転可能に支持されており、前記押上部材により前記調節ロッドに付与された付勢力が、前記回転部材を介して前記アウタコラムに伝達される、
テレスコピック式ステアリング装置。
【請求項2】
前記長孔の幅方向外側に、前記長孔に沿って溝が形成されており、前記溝内に前記回転部材が配置されている、請求項1に記載したテレスコピック式ステアリング装置。
【請求項3】
前記支持板部の内側面同士の間隔を縮めた際に、前記回転部材を介して前記溝の底面を押圧し、前記インナコラムの外周面を弾性的に挟持する、請求項2に記載したテレスコピック式ステアリング装置。
【請求項4】
前記アウタコラムを前記インナコラムに対し軸方向に相対変位させる際に、前記回転部材が、前記溝の上面に沿って回転する、請求項2〜3のうちの何れか1項に記載したテレスコピック式ステアリング装置。
【請求項5】
前記回転部材の外周面が弾性材製である、請求項1〜4のうちの何れか1項に記載したテレスコピック式ステアリング装置。
【請求項6】
前記アウタコラムの前端縁部内周面のうち、少なくとも車体への組み付け状態で下方に位置する部分に、摺動部材が設けられている、請求項1〜5のうちの何れか1項に記載したテレスコピック式ステアリング装置。
【請求項7】
アウタコラムと、その一部が前記アウタコラムに囲まれるインナコラムとを有するステアリングコラムと、
車体に取り付けられ、前記ステアリングコラムを支持する支持ブラケットと、
調節ロッドと、前記調節ロッドを上方に向けて付勢するように配される押上部材と、を有する締め付け機構と、
を備え、
前記アウタコラムは、
前記アウタコラムの軸方向に沿った長軸を有し、前記調節ロッドが挿通される長孔と、
前記調節ロッドに回転可能に支持される回転部材であり、前記押上部材からの力が前記回転部材を介して前記アウタコラムに伝わる、前記回転部材と、
を有する、
テレスコピック式ステアリング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運転者の体格や運転姿勢に応じてステアリングホイールの前後位置を調節可能とする、テレスコピック式ステアリング装置に関する。
本願は、2015年5月19日に出願された特願2015−102170号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
【背景技術】
【0002】
ステアリング装置は、図26に示す様に、ステアリングホイール1の動きをステアリングシャフト2を介してステアリングギヤユニットに伝達し、左右の操舵輪3に舵角を付与する様に構成されている。ステアリングギヤユニットは、ステアリングシャフト2の回転に基づきタイロッド6を変位させる(押し引きする)ように構成される。この様なステアリング装置として、運転者の体格や運転姿勢に応じて、ステアリングホイール1の前後位置を調節可能とするテレスコピック式ステアリング装置に就いても、従来から知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014−104871号公報
【特許文献2】特開2008−265646号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の態様は、前後位置調節に対する高い操作感が得られる、テレスコピック式ステアリング装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様における、テレスコピック式ステアリング装置は、ステアリングコラムと、支持ブラケットと、調節ロッドとを備える。ステアリングコラムは、前方に配置されたインナコラムの後端部に、後方に配置されたアウタコラムの前端部を、軸方向に関する相対変位を可能に緩く嵌合(外嵌)する事により構成されている。前記支持ブラケットは、車体に支持固定されており、前記アウタコラムの前端部を幅方向両側から挟む1対の支持板部を備えている。前記調節ロッドは、前記アウタコラムの前端部にこのアウタコラムの軸方向に伸長する状態で形成されたテレスコ調節用の長孔と、前記各支持板部にそれぞれ形成された通孔とを、それぞれ幅方向に挿通する状態で配置されている。尚、テレスコピック式ステアリング装置を、チルト機構を備えない構造で実施する場合には、前記各通孔は円孔とし、チルト機構を備えた構造で実施する場合には、これら各通孔は上下方向に伸長したチルト調節用長孔とする。
【0006】
この態様において、前記調節ロッドは、例えばコイルばね又は板ばね等から構成される押上部材により、上方に向けて付勢される。前記調節ロッドに、1又は複数の回転部材(例えばローラや軸受等の円環状部材)が回転可能に支持されている。前記押上部材により前記調節ロッドに付与された付勢力が、前記回転部材を介して前記アウタコラムに伝達される。
【0007】
本発明の別の態様におけるテレスコピック式ステアリング装置は、アウタコラムと、その一部が前記アウタコラムに囲まれるインナコラムとを有するステアリングコラムと、車体に取り付けられ、前記ステアリングコラムを支持する支持ブラケットと、調節ロッドと、前記調節ロッドを上方に向けて付勢するように配される押上部材と、を有する締め付け機構と、を備える。前記アウタコラムは、前記アウタコラムの軸方向に沿った長軸を有し、前記調節ロッドが挿通される長孔と、前記調節ロッドに回転可能に支持される回転部材であり、前記押上部材からの力が前記回転部材を介して前記アウタコラムに伝わる、前記回転部材と、を有する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の態様によれば、前後位置調節に対する高い操作感が得られる、テレスコピック式ステアリング装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施の形態の第1例を示す、ステアリング装置の側面図。
図2図1のA−O−O−A拡大断面図。
図3】ステアリングコラムの斜視図。
図4】ステアリングコラムを別の角度から見た斜視図。
図5】ステアリングコラムの側面図。
図6図5の左側からステアリングコラムを見た端面図。
図7図5の右側からステアリングコラムを見た端面図。
図8図5のB−B拡大断面図。
図9図5のC−C拡大断面図。
図10図7のD−D断面図。
図11】アウタコラムを示す斜視図。
図12】アウタコラムの側面図。
図13図12の左側からアウタコラムを見た端面図。
図14図12の右側からアウタコラムを見た端面図。
図15図12の下側からアウタコラムを見た底面図。
図16図12のE−E拡大断面図。
図17図14のF−F断面図。
図18】左右1対のローラを示す斜視図。
図19】一方のローラの正面図。
図20図19のG−G断面図。
図21】カラーを示す斜視図。
図22】カラーの正面図。
図23図22のH−H断面図。
図24】摺動部材を示す斜視図。
図25】摺動部材の正面図(A)、背面図(B)、側面図(C)、(A)のI−I断面図(D)。
図26】車両に搭載したステアリング装置の1例を示す略斜視図。
図27】従来構造のステアリング装置の1例を示す略側面図。
図28図27のJ−J断面図。
図29】従来構造のステアリング装置の問題点を説明する為に示す部分断面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施の形態の1例に就いて、図1〜25を参照しつつ説明する。本例のステアリング装置は、ステアリングホイール1と、ステアリングシャフト2aと、ステアリングコラム4aと、締め付け機構80と、操舵力補助装置(アシスト装置、電動式パワーステアリング装置)5aと、ステアリングギヤユニット7とを備える。
【0011】
ステアリングシャフト2aは、比較的前方に配されるインナシャフト8aと、比較的後方に配されるアウタシャフト9aとを有する。ここで「前後方向」は、ステアリング装置が設置される車体の前後方向に相当するものとする。
【0012】
ステアリングコラム4aは、車体15aに支持されている。例えば、ステアリングコラム4aは、円筒形状を有する。代替的に、ステアリングコラム4aは、円筒形状以外の形状を有することができる。ステアリングコラム4aは、ステアリングシャフト2aの少なくとも一部を内包する。ステアリングコラム4aの内側に、ステアリングシャフト2aが挿通されている。ステアリングコラム4aの内径側にステアリングシャフト2aが、図示しない複数の転がり軸受を介して、回転自在に支持されている。ステアリングシャフト2aの一部は、ステアリングコラム4aの後端開口よりも後方に突出して配されている。ステアリングシャフト2aの後端部分に、ステアリングホイール1が固定されている。
【0013】
ステアリングコラム4aの前端部近傍に、補助力付与の為の動力源となる電動モータ32a(アシスト装置5a)が配置されている。電動モータ32aは、ステアリングコラム4aの前端部に固定されたギヤハウジング12aに支持されている。インナシャフト8aの一部は、ギヤハウジング12a内に挿入されている。インナシャフト8aの前端部が、操舵力補助装置5aにおける所定軸に結合されている。例えば、操舵力補助装置5aにおいて、所定軸にトーションバー等を介して連結された軸がギヤハウジング12の前端面から突出している。電動モータ32aの出力トルク(補助力)が、ギヤハウジング12a内に設けられた減速機を介して、ステアリングシャフト2aに付与される。ギヤハウジング12aは、ロアブラケット14aを介して、車体15aに支持固定されている。
【0014】
本例において、ステアリング装置は、運転者の体格や運転姿勢に応じて、ステアリングホイール1の上下位置を調節する為のチルト機構(位置調節機構の一例)、及び、ステアリングホイール1の前後位置を調節する為のテレスコピック機構(位置調節機構の一例)、の両方を備えている。代替的に、ステアリング装置は、テレスコピック機構を備え、チルト機構を備えないようにできる。
【0015】
テレスコピック機構に関して、インナシャフト8aとアウタシャフト9aとは、回転力を伝達可能に、且つ、軸方向に関する相対変位可能に組み合わされている。例えば、ステアリングシャフト2aは、スプライン係合構造を有する。インナシャフト8aとアウタシャフト9aとが軸方向に相対変位する(ステアリングシャフト2aが伸縮する)ことでステアリングホイール1の前後位置の調節が可能である。また、強い衝撃を受けた場合にも、上記相対変位により、ステアリングシャフト2aの全長が縮まることができる。ステアリングコラム4aは、比較的前方に配置されるインナコラム10aと、比較的後方に配置されるアウタコラム11aとを有する。インナコラム10aは、その一部がアウタコラム11aに挿入され、インナコラム10aがアウタコラム11aに対して軸方向に相対移動可能となるように配されている。インナコラム10aの一部がアウタコラム9aに囲まれている。インナコラム10aとアウタコラム11aとの軸方向の相対位置(アウタコラム11aに対するインナコラム10aの挿入長さ)が変化することにより、ステアリングコラム4aの全長が変化する。換言すると、ステアリングコラム4aを、前方に配置したインナコラム10aの後端部に、後方に配置したアウタコラム11aの前端部を、軸方向に関する相対変位を可能に緩く嵌合して、全長を伸縮可能にしている。ステアリングコラム4aは、アッパブラケット(支持ブラケット)17aにより、車体15aに支持されている。アウタコラム11aは、アッパブラケット17aに対し、前後方向に移動可能に支持されている。支持ブラケット17aは、強い衝撃を受けた場合に、離脱(脱落)できる様に、係止カプセル18aを介して、車体15aに支持されている。ここで、特記が無い場合、「軸方向」は、ステアリングシャフト2aの軸方向又はアウタコラム11aの軸方向に相当するものとする。
【0016】
チルト機構に関し、インナコラム10aの一端は、ロアブラケット14aにより、ギヤハウジング12aを介して、車体15aに支持されている。ロアブラケット14aは、幅方向に沿って(幅方向に実質的平行に)配置されたチルト軸16aを中心として、ギヤハウジング12aを揺動自在に支持している。ステアリングコラム4aが車体15aに対して、幅方向に設置したチルト軸16aを中心とする揺動変位を可能に支持されている。アウタコラム11aは、アッパブラケット17aに対し、上下方向に移動可能に支持されている。ここで、特記が無い場合、「幅方向」はステアリング装置が設置される車体の幅方向に相当するものとする。また、「上下方向」はステアリング装置が設置される車体の上下方向に相当するものとする。
【0017】
本例のステアリング装置の基本的な構成は、以上の通りである。次に、アウタコラム11a及びその周辺部分の構成に就いて詳しく説明する。
【0018】
本例において、アウタコラム11aは、アルミニウム系合金、マグネシウム系合金等の軽合金製の枠体(本体部分、被挟持部本体)34と、炭素鋼板等の鉄系合金製の筒体(円筒状部材)35とを軸方向に結合する事により構成されている。代替的に、アウタコラム11aは、アルミニウム系合金、マグネシウム系合金等の軽合金製とされ、前半部に配置された枠体(本体部分、被挟持部本体)34と後半部に配置された筒体(円筒状部材)35とが軸方向に並べられかつ一体的に結合された構成を有することができる。代替的及び/又は追加的に、アウタコラム11aは、別の材料及び/又は別の構成を有することができる。枠体34は、アッパブラケット17aに対して、前後方向及び上下方向に移動可能に支持されている。枠体34の下面に、軸方向に伸長した軸方向スリット36(第1スリット部)が形成されている。軸方向スリット36の前端部は、枠体34の前端面で開口している。さらに、枠体34の下半部において、前端寄り部分及び後端寄り部分に、それぞれ周方向に伸長した周方向スリット37a、37bが形成されている。前方側の周方向スリット37aは、軸方向スリット36の前端寄り部分を周方向に交差する状態で形成されている。後方側の周方向スリット37bは、軸方向スリット36の後端部を周方向に交差する状態で形成されている。枠体34の幅方向両側において、軸方向スリット36と周方向スリット37aと、周方向スリット37bとにより三方を囲まれた、クランプ部38が形成されている。
【0019】
各クランプ部38、38において、軸方向スリット36及び周方向スリット37a、37bにより3つの側が連続的に開放されており、残りの1つの側が枠体34とつながっている。すなわち、クランプ部38において、少なくとも、軸方向に沿って離間して並ぶ2つの側と、軸方向と交差する第1方向(第1交差方向。本例では概ね上下方向)における1つの側とに、連続する非固定端が形成されている。また、クランプ部38において、第1方向における他の1つの側が固定端である。換言すると、クランプ部38は、軸方向に延在する固定端を有する片持ち梁構造を有する。クランプ部38は、枠体34の他の部分に比べて、少なくとも幅方向に関する剛性が低く、幅方向に弾性変形可能(内径を弾性的に拡縮可能)である。例えば、各クランプ部38、38は、部分円筒面状の内周面を有する。クランプ部38、38は、軸方向スリット36の周方向両側に隣接して設けられている。クランプ部38、38は、軸方向及び周方向(又は第1方向)に伸長した形状を有している。各クランプ部38、38の幅方向外側面のうち、第1方向(本例では概ね上下方向)の中間部には、幅方向に突出する状態で、平板状の張出板部(張出部)39、39が設けられている。各クランプ部38、38の幅方向外側面の下端部(張出板部39、39よりも下方部分)には、締め付け機構80の締め付け力を受ける作用面(第3面、第3作用面、押圧面)40、40が形成されている。例えば、作用面40は、平坦面状を有する。追加的に及び/又は代替的に、作用面40は、平坦状以外の形状を有することができる。なお、本例において、第1方向は、車体の幅方向と交差するとともに、軸方向に対して直交する。あるいは、第1方向は、アウタコラム11aの周方向に相当できる。代替的に、第1方向は、軸方向に対して直交とは異なる状態で交差する方向にできる。第2方向は、軸方向及び第1方向に交差する方向とする。締め付け機構80の実質的な締め付け方向が第2方向と一致してもよい。本例では、第2方向は、概ね車体の幅方向に一致する。代替的及び/又は追加的に、第2方向は、車体の幅方向以外の方向を含むことができる。
【0020】
アウタコラム11aは、第2方向(本例では概ね車体の幅方向)におけるアウタコラム11aの両側の間でブリッジされる補強ブリッジ部(補強部、補強構造、補強部材)41を有する。補強ブリッジ部41は、第2方向におけるアウタコラム11aの両側の間で実質的に連続的に延在し、第2方向におけるアウタコラム11aの両側の間を物理的につなぐように設けられている。本例において、枠体34の下方部分に、クランプ部38、38を下方から覆うように、補強ブリッジ部41が設けられている。補強ブリッジ部41は、アウタコラム11aと一体的に設けられている。補強ブリッジ部41は、補強板部42と、1対の連結部43a、43bとを有する。補強ブリッジ部41は、幅方向から見た形状が略U字形(コ字形)を有する。補強板部42は、クランプ部38、38の下方に配置されており、幅方向及び前後方向に伸長する状態で設けられている。補強板部42は、幅方向中央に配置された平板部(中央平板部)44と、幅方向両側で且つ平板部44よりも下方に配置された外側平板部(下方延出部)45、45部分とを有する。平板部44と外側平板部45とは、段差部46を介して連続的に設けられている。補強ブリッジ部41は、クランク形状の断面を有する。
【0021】
本例において、比較的前方に配置された連結部43aは、補強板部42の前端部の幅方向両側部分(外側平板部45、45)から上方に伸長するように設けられている。連結部43aは、枠体34の前端部下面のうち、周方向スリット37aの前側に隣接した部分で、且つ、軸方向スリット36を挟んだ周方向両側部分に連結している。後方側に配置された連結部43bは、補強板部42の後端部から上方に伸長する状態で設けられている。連結部43bは、枠体34の後端部下面のうち、軸方向スリット36の後端部の後側に隣接した部分に連結している。代替的及び/又は追加的に、補強ブリッジ部41は、上記とは異なる構成を有することができる。
【0022】
本例において、アウタコラム11aは、上述の様な補強ブリッジ部41を備える事で、高い捩り剛性を有する。補強ブリッジ部41と各クランプ部38、38との間には、幅方向(第2方向)から見た形状が略U字形(略コ字形)の隙間(スリット)47、47が形成されている。各隙間47、47は、少なくとも軸方向(アウタコラム11aの軸方向、ステアリングシャフト2aの軸方向)に延びるテレスコ調節用長孔(第一通孔、軸方向スリット、第1スリット部)21a、21aと、長孔21a、21aに連続して設けられ、長孔21a、21aと交差する方向に延びる周方向スリット(第2スリット部)37a、37bとを有する。クランプ部38、38は、長孔21a、21aに隣接して設けられる。長孔21a、21aは、軸方向(アウタコラム11aの軸方向、ステアリングシャフト2aの軸方向)に沿った長軸を有する。長孔21a、21aは、各クランプ部38、38の先端部(下端部)と、補強板部42における平板部44の幅方向両側部分の上面との間に存在する空間を形成する。長孔21a、21aには、調節ロッド24aが幅方向(第2方向)に挿通される。
【0023】
アウタコラム11aの幅方向両側部分には、長孔21a、21aの軸方向に沿って、ローラ走行用凹溝(溝、凹部)48、48が設けられている。凹溝48、48は、長孔21a、21aの幅方向外側部分に設けられる。凹溝48、48は、各クランプ部38、38に設けられた張出板部39、39の下面と、補強板部42の外側平板部45、45の上面と、各クランプ部38、38の先端部の幅方向外側面(作用面40、40)及び補強板部42の段差部46、46の幅方向外側面とにより三方を囲まれている。換言すると、凹溝48、48は、第1側壁面としての張出板部39、39の下面と、第2側壁面としての外側平板部45、45の上面と、第1底面としてのクランプ部38、38の作用面40、40と、第2底面としての段差部46、46の外側面とを有する。
【0024】
アウタコラム11aは、幅方向の2つの側の各々に設けられた、作用面(第1面、第1作用面、第1当接面、トルク伝達面)49aと、作用面(第2面、第2作用面、第2当接面、トルク伝達面)49bとを有する。作用面49aと作用面49bとは、軸方向(アウタコラム11aの軸方向、ステアリングシャフト2aの軸方向)と交差する方向である第1方向(第1交差方向)に互いに離間して配される。また、第1方向において、作用面49aと作用面49bとの間にクランプ部38(及び作用面40)が配される。本例において、調節ロッド24aは、第1方向における作用面49aと作用面49bとの間に配され、クランプ部38の作用面40は、第1方向における作用面49aと調節ロッド24aとの間に配される。また、軸方向スリット36(長孔21a)は、第1方向における作用面49aと作用面49bとの間に配される。本例において、アウタコラム11aに作用するトルク(捩り方向の力)は、作用面49a及び作用面49bを介して、アッパブラケット17aにおける支持板部22a、22aの内側面に伝達され得る。
【0025】
本例において、作用面49aは、第1方向におけるインナコラム10aの外形の範囲内に配される。作用面49bは、第1方向におけるインナコラム10aの外形の範囲外に配される。さらには、作用面49bは、アウタコラム11aの筒体35の外形の範囲外に配される。また、第1方向において、作用面49aはインナコラム10aの中心軸の比較的近傍に配され、作用面49bはインナコラム10aの中心軸から比較的離れて配される。アウタコラム11a(枠体34)の幅方向両側には、第1方向(又は上下方向)に関してアウタコラム11aの中心軸の近傍に位置する部分に、幅方向(第2方向)外方に突出するように突条部50、50が設けられている。突条部50は、アウタコラム11aの軸方向に延在して設けられている。突条部50、50の先端(幅方向外側面)に、作用面49a、49aが設けられている。本例において、突条部50、50の前後方向両側部分(前部と後部と)に、それぞれが幅方向に凹んだ凹部51a、51bが設けられている。作用面49a、49aは、軸方向に伸長した2つの直線部を、前後両端部及び中間部でそれぞれ連結した如き形状を有している。一方、下方側の作用面49bは、補強板部42(外側平板部45、45)の先端(幅方向側面)に設けられている。作用面49a、49bは何れも、アウタコラム11aの軸方向に伸長した形状を有しており、クランプ部38に比べて軸方向において大きい長さを有する。例えば、作用面49a及び作用面49bはそれぞれ、平坦面状を有する。追加的に及び/又は代替的に、作用面49a及び作用面49bは、平坦状以外の形状を有することができる。作用面49a、49bは、クランプ部38、38に比べて、幅方向(第2方向)に関する高い剛性を有する。
【0026】
補強ブリッジ部41における連結部43a、43bの上端部は、突条部50、50の前後方向両端部にそれぞれ連続的につながっている。作用面49a、49bの前後方向両端部同士は、連結部43a、43bの幅方向側面に形成された、上下方向に伸長する連続面(例えば連続平坦面)52a、52bにより互いに連続的につながっている。作用面49a、49b及び連続面52a、52bが、矩形枠状に形成されている。本例において、作用面49a、49b及び連続面52a、52bは、同一仮想平面上に位置しており、また、張出板部39、39の幅方向端面よりも僅かに幅方向外側に位置している。
【0027】
アウタコラム11a(枠体34)の前端部内周面には、周方向に伸長した係止凹溝53が形成されている。例えば、係止凹溝53及び軸方向スリット36内に、ポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリ四フッ化エチレン樹脂等の摺動性に優れた合成樹脂製で、全体を略C字形に構成された、摺動部材54が取り付けられている。代替的及び/又は追加的に、摺動部材54は、別の材料及び/又は別の構成を有することができる。摺動部材54は、摺動部本体55と、摺動部本体55の幅方向両側からそれぞれ延出した、部分円弧形状の1対の支持腕部56、56とを有する。摺動部本体55が軸方向スリット36内に配置されている。支持腕部56、56が係止凹溝53内に配置されている。摺動部材54が装着された状態において、摺動部本体55の上面は、枠体34の内周面と同一仮想円筒面上に位置するか、又は径方向内方に僅かに突出した状態になる。摺動部本体55には、軸方向に凹んだ1対の凹部57、57が形成されている。2つの凹部57、57は、幅方向(円周方向)に互いに隣接して配されている。摺動部本体55は、上下方向に関する剛性が比較的低く設定されている。
【0028】
尚、本例において、アウタコラム11aの特に基本構成に就いて、別の観点から見た場合の簡単な説明を加えておく。本例のアウタコラム11aには、軸方向スリット36を幅方向両側から挟む状態で、1対の被挟持板部がアウタコラム11aと一体的に設けられており、両被挟持板部の先端部(下端部)同士を(補強板部42相当部分により)幅方向に連結している。又、両被挟持板部の幅方向外側面を、それぞれ略平坦面状の締付面としている。各締付面のほぼ中央位置に、アウタコラム11aの内周面にまで連通する、略U字形の隙間(スリット)47、47を形成し、この隙間47、47により囲まれた部分を、各クランプ部38、38としている。又、各締結面の上辺及び下辺を、それぞれ作用面49a、49bとしている。
【0029】
図1及び図2に示すように、アッパブラケット(支持ブラケット)17aは、例えば、鋼やアルミニウム系合金等の十分な剛性を有する金属板製からなる。アッパブラケット17aは、取付板部58と、1対の支持板部22a、22aとを有する。例えば、取付板部58は、断面略L字形を有する。代替的及び/又は追加的に、取付板部58は別の材料及び/又は別の形状を有することができる。取付板部58は、通常時には車体15aに対し支持されている。二次衝突等の衝撃に基づいて取付板部58が前方に離脱し、アウタコラム11aの前方への変位を許容する様に、取付板部58が構成されている。取付板部58の後端縁には、開口する状態で、1対の係止切り欠き59、59が形成されている。係止切り欠き59、59に、ボルト又はスタッド等の固定部材により車体15aに固定された係止カプセル18a、18aが係止されている。係止カプセル18a、18aは、それぞれの左右両側面に係止切り欠き59、59の左右両側縁部を係合させる為の係止溝60、60が形成され、中央部に両固定部材を挿通させる為の通孔61、61が形成されている。
【0030】
支持板部22a、22aは、取付板部55から垂下するように設けられている。また、支持板部22a、22aは、アウタコラム11aの前端部(枠体34及び補強ブリッジ部41)を幅方向両側から挟む状態で互いに平行になるように、設けられている。一対の支持板部22a、22aは、幅方向(第2方向)におけるアウタコラム11aの両側に配される。支持板部22a、22aには、少なくとも上下方向(第1方向)に延在するチルト調節用長孔(通孔、第二通孔)23a、23aが形成されている。、長孔23a、23aは、幅方向に関して対向する位置(互いに整合する位置)に設けられている。また、長孔23a、23aは、テレスコ調節用長孔21a、21aの前後方向の一部と整合するように設けられている。長孔23a、23aは、上下方向(第1方向)沿った長軸を有する。に支持板部22a、22aは、締め付け機構80を用いてアウタコラム11a(ステアリングコラム4a)を締め付け可能に配される。締め付け機構80は、調節ロッド24a、調節ナット25、及び調節レバー26a等を有する。テレスコ調節用長孔21a、21aとチルト調節用長孔23a、23aとに、調節ロッド24aが幅方向に挿通されている。
【0031】
調節ロッド24aは、幅方向(調節ロッド24aの軸方向、第2方向)において、一端部に配置されたアンカ部27aと、他端部に形成された雄ねじ部と、中間部に形成された軸部62とを備えている。本例において、軸部62に、幅方向に離隔した状態で、1対のローラ(回転部材)63、63が回転可能に支持されている。ローラ63、63はそれぞれ、例えば、金属製のローラ本体64、64と、ポリアミド樹脂(ナイロン)、ポリ四フッ化エチレン樹脂(PTFE)等の合成樹脂製又はゴム製等の弾性材製のカラー65、65とから構成されている。代替的及び/又は追加的に、ローラ63、63は、別の材料及び/又は別の構成を有することができる。各ローラ本体64、64は、図18〜20に示す様に、略円筒状を有する。ローラ本体64、64の中央部に軸部62を挿通可能な貫通孔66、66が形成されている。ローラ本体64、64の外周面の幅方向端部に外向フランジ状の鍔部67、67が形成されている。ローラ本体64、64の径方向中間部には、円周方向等間隔複数個所(図示の例では4個所)に、それぞれが幅方向に凹んだ、断面略円弧状の除肉部68、68が形成されている。カラー65、65は、図21〜23に示す様に、円筒状を有する。カラー65、65の厚さ寸法は、鍔部67、67の径方向に関する高さ寸法よりも大きい。本例のローラ63、63において、ローラ本体64、64の外周面のうち、鍔部67、67から幅方向に外れた部分にカラー65、65が圧入(外嵌)されている。代替的に、1対のローラを幅方向に連続した如き幅方向に長い1本のローラを使用する事もできる、又は、ローラ全体を合成樹脂製又はゴム製とする事もできる。
【0032】
各テレスコ調節用長孔21a、21a及び各チルト調節用長孔23a、23aに調節ロッド24aが挿通されかつ、ローラ63、63がローラ走行用凹溝48、48内に配置された状態において、ローラ63、63の幅方向外端面は、張出板部39、39の幅方向端面よりも僅かに幅方向外側に位置する。
【0033】
調節ロッド24aの幅方向一端側には、アンカ部27aが設けられている。一方の支持板部22aに形成されたチルト調節用長孔23aに、アンカ部27aが相対回転不能に係合されている。調節ロッド24a(軸部62)において、幅方向他方側の支持板部22aの外側面から幅方向に突出した部分の周囲に、駆動側カムと被駆動側カムとから成るカム装置69及び調節レバー26aが設けられている。雄ねじ部にナット70が螺着されている。締め付け機構80において、調節レバー26aの揺動操作に基づいて、カム装置69の駆動側カムを被駆動側カムに対して相対回転させる事で、カム装置69の幅寸法(調節ロッド24aの軸方向における寸法)が拡縮する。
【0034】
本例において、アッパブラケット17aにおける取付板部58に、コイルばねである、チルトばね(押上部材、チルト跳ね上げばね又はバランスばね)72Aが設けられている。取付板部58における前端部に設けられた折れ曲がり部71Aと、カム装置69(被駆動側カム)との間にチルトばね72Aが架け渡される。チルトばね72Aにより、カム装置69を介して、調節ロッド24aに上方に向いた付勢力が付与されている。調節ロッド24aに付与された付勢力が、各ローラ63、63を介して、各ローラ走行用凹溝48、48の上辺を構成する各張出板部39、39の下面に伝わり、アウタコラム11aが上方に押圧される。すなわち、チルトばね(押上部材)72Aからの力がローラ(回転部材)63、63を介してアウタコラム11aに伝わる。
【0035】
本例において、ステアリング装置は、車両用盗難防止装置の一種である、ステアリングロック装置を備える。アウタコラム11aにおいて、筒体35の前端寄り部分に、径方向に貫通するロック用透孔33aが形成されている。図10に示す様に、ロック用透孔33aの周囲には、ロックユニット73が支持固定されると共に、キーロックカラー74がステアリングシャフト2aに外嵌固定(圧入)されている。キーロックカラー74は、ステアリングシャフト2aの一部で、ロックユニット73と軸方向に関する位相が一致する部分に配される。ロックユニット73において、イグニッションキーがOFFにされると、ロックピン75の先端部がアウタコラム11aの内径側に向けて変位し、キーロックカラー74の外周面に形成されたキーロック凹部76に係合される。これにより、ステアリングシャフト2aの回転が実質的に不能となる。すなわち、キーロック時におけるステアリングシャフト2aの実質的な回転不能状態において、キーロック凹部76とロックピン75の先端部とが係合される。ロックユニット73には、回転不能状態を解除するための所定値(例えば、キーロックレギュレーションにより規定された値。限界値)が設定されている。ステアリングホイール1(図28参照)を通常の運転姿勢のまま操作する程度の力に対して、ステアリングシャフト2aの回転が防止される。ステアリングホイール1(図26参照)を所定値以上の力で回転させた場合には、キーロックカラー74、並びにステアリングコラム4aに対してステアリングシャフト2aの回転が許容される。
【0036】
以上の様な構成を有する本例において、締め付け機構80は、アッパブラケット(支持ブラケット)17aを介してアウタコラム11a(ステアリングコラム4a)が締め付けられた第1状態(第1態様、第1モード)と、その締め付けが開放された第2状態(第2態様、第2モード)とを有する。
【0037】
ステアリングホイール1を所望位置に保持する際には、ステアリングホイール1が所望位置に移動された後、調節ロッド24aを中心として所定方向(一般的には上方)に締め付け機構80の調節レバー26aが揺動(回動)される。その結果、カム装置69の幅寸法が拡がり、支持板部22a、22aの内側面同士の間隔が縮まる。支持板部22a、22aの各内側面により、各ローラ63、63が幅方向内方に向けて押圧される。各ローラ63、63の幅方向内側面により、各クランプ部38、38の下端部(先端部)に形成された作用面40、40(ローラ走行用凹溝48、48の各底面)が押圧される。各クランプ部38、38が幅方向内方に(軸心に向かって)撓み(弾性変形)、インナコラム10aの外周面がクランプ38、38によって弾性的に挟持(保持)される(締め付け方向(第2方向)に締め付けられる)。これにより、ステアリングホイール1が、調節後の位置に保持される。また、両クランプ部38、38が或る程度撓むと、支持板部22a、22aの内側面により作用面49a、49b(及び各連続平坦面52a、52b)が幅方向内方に向けて押圧される。すなわち、第1状態において、支持板部22a、22aの各内側面により、作用面49a、49bを介して、アウタコラム11aが幅方向の両側から挟持される(締め付け方向(第2方向)に締め付けられる)。
【0038】
一方、ステアリングホイール1の位置調節を行う際には、調節レバー26aが、所定方向とは逆方向(一般的には下方)に揺動(回動)される。その結果、カム装置69の幅寸法が縮み、両支持板部22a、22aの内側面同士の間隔が拡がる。各支持板部22a、22aによる各ローラ63、63への押圧力が低下する為、クランプ部38、38の間の幅寸法が弾性的に広がり、インナコラム10aの外周面を保持する力が低下する(締め付けが開放される)。この第2状態において、調節ロッド24aが、テレスコ調節長孔21a、21a及びチルト調節用長孔23a、23a内で動ける範囲で、ステアリングホイール1の前後位置及び上下位置が調節可能である。
【0039】
本例のステアリング装置において、幅方向(第2方向、締め付け方向)におけるアウタコラム11aの両側の各々に、作用面49a、49a、作用面49b、49b、及びクランプ部38、38の作用面40、40が設けられている。作用面49a、49a及び作用面49b、49bは、締め付け状態(第1状態)において、アッパブラケット17aの支持板部22a、22aに直接的に押される。クランプ部38、38の作用面40、40は、締め付け状態(第1状態)において、ローラ63、63を介して、支持板部22a、22aに間接的に押される。作用面(第1面)49a、作用面(第2面)49b、及び作用面(第3面)40は、実質的に互いに独立した関係にある。作用面49a、49a及び作用面49b、49bは、アウタコラム11aの枠体34に設けられ、開放状態(第2状態)から締め付け状態(第1状態)への遷移においてインナコラム10aに対する位置が実質的に変化しない又はその変位量がわずかである。クランプ部38の作用面40は、開放状態(第2状態)から締め付け状態(第1状態)への遷移においてインナコラム10aに対する位置が比較的大きい変位量で変化する(インナコラム10aに向けて変位する)(変位面)。第1状態において、作用面49a、49aに作用する力により、主に、アウタコラム11aの中心軸の近傍位置で、アウタコラム11aと支持板部22a、22aとが結合される。第1状態において、作用面49b、49bに作用する力により、主に、アウタコラム11aの中心軸から離れた位置で、アウタコラム11aと支持板部22a、22bとが結合される。第1状態において、作用面40、40に作用する力により、主に、インナコラム10aがクランプ部38を介してアウタコラム11aに保持される。したがって、本例のステアリング装置において、アウタコラム11aの強度確保と、インナコラム10aの保持力確保とが同時かつ独立的に実現され、高い安定性を有する位置調節機構が提供される。
【0040】
図27及び図28は、特許文献1に記載された、従来のステアリング装置を示している。従来のステアリング装置において、ステアリングホイール1の前後位置及び上下位置を調節可能とすべく、アッパブラケット17に対して、前後方向及び上下方向に移動可能にアウタコラム11が支持されている。アウタコラム11の前端部下面に、このアウタコラム11の軸方向に伸長するスリット19が形成されている。スリット19を幅方向両側から挟む状態で、1対のクランプ部20、20が、アウタコラム11と一体に形成されている。又、クランプ部20、20の互いに整合する位置に、それぞれ前後方向に長いテレスコ調節用長孔21、21が形成されている。更に、アッパブラケット17には、クランプ部20、20を幅方向両側から挟む状態で、1対の支持板部22、22が設けられている。支持板部22、22の一部で互いに整合し、且つ、テレスコ調節用長孔21、21の前後方向の一部と整合する部分に、上下方向に長いチルト調節用長孔23、23が形成されている。アッパブラケット17の支持板部22、22によりクランプ部20、20が挟持された状態で、テレスコ調節用長孔21、21及びチルト調節用長孔23、23に調節ロッド24が幅方向(図28の右から左)に挿通されている。調節ロッド24の他端には、調節ナット25を螺合されている。調節ナット25は、調節レバー26により回転可能である。
【0041】
従来のステアリング装置において、調節レバー26の操作に基づいて調節ナット25が回転される。調節ナット25と調節ロッド24のアンカ部27との間隔の変化に伴い、アウタコラム11がアッパブラケット17に対し固定されたり、或いは固定が解除される。さらに、クランプ部20、20同士の間隔に伴い、アウタコラム11がインナコラム10に対し固定されたり、或いは固定が解除される。調節ナット25とアンカ部27との間隔が拡げられた状態では、調節ロッド24がテレスコ調節用長孔21、21の内側で前後方向に変位できる。この変位可能な範囲(テレスコピック調節範囲)内で、アウタコラム11が前後移動(インナコラム10に対し相対変位)することにより、ステアリングホイール1の前後位置を調節できる。更に、調節ロッド24がチルト調節用長孔23、23の内側で略上下方向に変位できる。この変位可能な範囲(チルト調節範囲)内で、ステアリングホイール1の上下位置を調節できる。この際、ステアリングコラム4は、チルト軸16を中心として、上下方向に揺動変位する。
【0042】
操舵力補助装置5の出力軸13の前端部は、自在継手28を介して、中間シャフト29の後端部に連結されている。中間シャフト29の前端部に、別の自在継手30を介して、ステアリングギヤユニット7の入力軸31が連結されている。ステアリングギヤユニット7は、図示しないラック及びピニオンを備え、ピニオンに入力軸31が結合される。ピニオンと噛合するラックは、両端部にタイロッド6、6が連結される。ラックの軸方向変位に基づいてこれらタイロッド6、6が押し引きされる事で、操舵輪3(図26参照)に所望の舵角が付与される。操舵力補助装置5は、電動モータ32によりウォーム減速機を介して、出力軸13に、所定の方向に所定の大きさで補助トルクを付与することができる。
【0043】
従来のステアリング装置において、ステアリングホイール1の位置を調節すべく、調節レバー26を介した操作により、支持板部22、22の内側面とクランプ部20、20の外側面との間の摩擦力が低下すると、アウタコラム11の後端部が下方に傾く場合がある。この理由は、アウタコラム11の後端部に、アウタシャフト9を介して、ステアリングホイール1の重量に基づき下方に向いた力が作用するからである。アウタコラム11の内周面とインナコラム10の外周面との間には、インナコラム10とアウタコラム11との間の軸方向に関する相対変位のために、或る程度の大きさの隙間が設けられている。
【0044】
この場合、図29中に丸印で示したX部である、インナコラム10の後端縁部のうちの上端部とアウタコラム11の内周面との接触部の接触状態が線接触になる。さらに、図31に丸印で示したY部である、アウタコラム11の前端縁部の下端部とインナコラム10の外周面との接触部の接触状態が線接触になる。その結果、ステアリングホイール1の前後位置を調節すべく、アウタコラム11をインナコラム10に対し相対変位させる際に、引っ掛かり(こじれ)が生じ易い。この現象は、ステアリングホイール1の前後位置調節の操作感を低下させると共に、前後方向の操作荷重が大きくなる原因になる。特に、図示の構造の様に、ステアリングコラム2に操舵力補助装置5を組み合わせた、コラムタイプ型の電動パワーステアリング装置(コラムタイプEPS)の場合、ステアリングコラム4の設置スペースの制約上、インナコラム10とアウタコラム11との嵌合長が比較的短く設定される。その結果、アウタコラム11の傾斜角度が大きくなり易く、上述の様な問題を生じ易い。アウタコラムとインナコラムとの隙間を小さくする等の精密加工を施したり、インナコラムの端部外周縁部に面取り加工を施す事は、加工コストが嵩むといった新たな問題を招く。
【0045】
図10に示すように、本例のステアリング装置においては、チルトばね72Aにより調節ロッド24aが上方に向けて付勢される。この付勢力F1は、各ローラ63、63を介して、アウタコラム11aの前端部(枠体34)に伝達される。アウタコラム11aに後端部に、ステアリングホイール1の重量に基づき、アウタコラム11aの後端部を下方に押し下げる方向の力F2が加わる場合にも、付勢力F1により、アウタコラム11aが上方に押し上げられる。その結果、アウタコラム11aの傾きをゼロ又は小さくできる(後端部が下方に傾く事を防止できる)。また、アウタコラム11aの内周面のうちの上端部とインナコラム10aの外周面のうちの上端部との間に隙間が確保される。従って、インナコラム10aの後端縁部における上端部とアウタコラム11aの内周面とが線接触により強く接触する。そのため、ステアリングホイール1の前後位置を調節する際の引っ掛かり(こじれ)の発生を有効に防止できる。
【0046】
さらに、本例のステアリング装置において、調節ロッド24aに付与された付勢力は、各ローラ63、63を介して、アウラコラム11a(張出板部39、39の下面)に伝達される。ステアリングホイール1の前後位置を調節すべく、アウタコラム11aをインナコラム10aに対して前後方向に相対変位させる際に、ローラ63、63が、張出板部39、39の下面に沿って走行(転走)する。調節ロッドによりアウタコラムを直接付勢する場合に比べて、アウタコラム11aをインナコラム10aに対し前後方向に相対変位させる際に生じる摩擦抵抗が抑えられる。尚、ローラを用いない構成において、摺動性を確保する為に、調節ロッドとアウタコラムとの間の摺接部に樹脂製スリーブ等を介在させることにより、摺動抵抗を低下させることができる。しかしながら、調節ロッドの外周面とスリーブとが線接触で接触する為、面圧が高くなり、耐久性の問題を生じやすい。これに対し、本例のステアリング装置においては、転がり接触が用いられ、この様な問題が回避される。又、本例のステアリング装置においては、ローラ63、63の外周面に合成樹脂製のカラー65、65が用いられており、金属同士の接触に基づく摺動が回避され、ローラ63、63が効果的に回転できる。又、本例のステアリング装置において、チルトばね72Aにより、調節ロッド24aに付勢力が付与されるので、ステアリングホイール1の前後調節範囲の全域にて付勢力が付与される。しかも、ローラ63、63が介在することにより、上方への付勢力の付与が行われた状態で、前後位置の調節が滑らかに行われる。
【0047】
さらに、本例のステアリング装置において、アウタコラム11a(枠体34)の前端縁部の下端部に、摺動部本体55が設けられている為、摺動部本体55の上面がインナコラム11aの外周面に接触される。その結果、アウタコラム11aの前端縁部の下端部とインナコラム10aの外周面との接触態様が線接触になるのが防止される。従って、当該部分での引っ掛かりが抑えられ、前後位置調節の際の摺動抵抗が過大になる事を防止できる。
【0048】
本例のステアリング装置はステアリングコラム4aの全長が比較的短い場合にも好ましく適用される。すなわち、コラムEPSの構成を採用した場合にも、ステアリングホイール1の前後位置の調節時の引っ掛かり(こじれ)が防止され、前後位置調節に際して高い操作感が得られると共に、操作荷重が低く抑えられる。
【0049】
従来のステアリング装置において、例えば特許文献2に記載される様な、盗難防止用のステアリングロック装置が組み込まれる場合がある。この場合、アウタコラム11の耐久性確保の面から問題を生じる可能性がある。ステアリングロック装置は、アウタコラム11の一部に形成したロック用透孔33の周囲に、ロックユニット(キーロックシリンダ)を、ステアリングシャフト2の一部にキーロックカラーを、それぞれ装着する事により構成される。イグニッションキーを抜き取った状態では、ロックユニットに設けたキーロックピンと、キーロックカラーに設けたキーロック孔(凹部)とが係合し、アウタコラム10に対するステアリングシャフト2の回転が阻止される。
【0050】
この様なステアリングロック装置が作動した状態で、ステアリングホイール1を無理に回転させようとすると、トルク(捩り力)が、ステアリングシャフト2、キーロックカラー、ロックユニット、アウタコラム11、及び、アッパブラケット17に順次伝わり、最終的に車体15に支承される。特に、アウタコラム11とアッパブラケット17との間では、アウタコラム11のうち、アッパブラケット17を構成する1対の支持板部22、22から押圧力が作用している各クランプ部20、20を介して、ロックユニットから伝達されたトルクが各支持板部22、22に伝達される。この為、クランプ部20、20の根元部の強度が不足する可能性がある。この様な問題を解決する為に、クランプ部20、20の根元部の肉厚を大きくする(補強する)と、クランプ部20、20を撓ませにくくなり、インナコラム10の保持力が十分に確保されない可能性がある。
【0051】
図2及び図3等に示すように、本例のステアリング装置において、アウタコラム11aの幅方向両側に、クランプ部38の作用面40と、作用面49a、49bとが、別々に独立して設けられている。クランプ部38、38は、インナコラム10aの外周面を弾性的に挟持するために用いられる。一方、例えばステアリングロック装置を作動させた状態のままステアリングホイール1を大きな力で操作した場合など、アウタコラム11aに作用するトルクは、作用面49a、49bを介して、アッパブラケット17aの支持板部22a、22aの内側面に伝達される。クランプ部38、38は、インナコラム10aを挟持する機能のみを発揮できれば足りる。そのため、クランプ部38、38に過度に高い強度を設定する必要がない。したがって、本例のステアリング装置では、幅方向に大きくクランプ部38、38を撓ませるなど、クランプ部38、38に対して所望のたわみ特性を設定可能である。一方、作用面49a、49bは、トルクを伝達する機能のみを発揮できれば足りる。そのため、アウタコラム11aにおける作用面49a、49bが設けられた部分を幅方向に大きく撓ませる必要がない。したがって、本例のステアリング装置によれば、アウタコラム11aの強度確保と、インナコラム10aの保持力確保とが独立的に両立できる。
【0052】
又、本例のステアリング装置において、ステアリングホイール1を所望位置に保持する為に、支持板部22a、22aの内側面が作用面49a、49bに当接(押圧)される。この際、支持板部22a、22aの内側面を介してクランプ部38、38が撓んだ状態となる。アウタコラム11aにおいて、作用面49a、49bは、クランプ部38の作用面40から実質的に独立しており、作用面49a、49bが設けられた部分は、クランプ部38に比べて十分に高い剛性(曲げ剛性、たわみ特性)を有する。また、作用面49aと作用面49bとは第2方向(締め付け方向)と交差する第1方向に互いに離間して配されている。特に、作用面49bの位置は、第1方向におけるインナコラム10aの外形の範囲外であり、さらには、アウタコラム11aの筒体35の外形の範囲外である。そのため、アウタコラム11aに作用するトルクは、作用面49a、49bを介して吸収され、そのトルクがクランプ部38に伝わることが防止される。
【0053】
なお、上述の実施形態における各要件は、適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。本開示は、多様に開示された実施形態それ自体及び他との様々な組み合わせ及びサブ的な組み合わせのすべての新規及び非自明な特徴及び態様に関する。開示されたもの及び方法は、特定の態様又は技術又は組み合わせに限定されず、また、開示されたもの及び方法が1つ以上の特定の利点があること又は特定の課題が解決されることを要求するものでもない。
【0054】
アウタコラムは、軽合金製の枠体と鉄系合金製の筒体とを連結した構造に限らず、全体をアルミニウム系合金やマグネシウム系合金等の軽合金製のものを使用しても良い。ステアリング装置は、チルト調節機構とテレスコ調節機構との両方の機構を備えた構造でもよく、テレスコ調節機構のみを備えた構造でもよい。軸方向スリットの形成位置及び補強ブリッジ部の形成位置を、上記説明の態様に対して、上下方向に関して反対にして(上方に形成して)もよい。1対の支持板部の内側面同士の間隔を縮めた際に、ローラ(回転部材)を押圧せずに、張出板部の幅方向端面を押圧する構成としてもよい。この場合には、例えば支持板部を上下の作用面同士の間で幅方向内方に撓ませて押圧する事ができる。ステアリング装置は、ステアリングロック装置を備えなくてもよい。この場合、アウタコラムに作用するトルクとしては、例えば、操舵時の反力、特にパワーアシスト機構が付属している場合には、この操舵反力は大きくなる事が考えられる。
【0055】
一実施形態において、テレスコピック式ステアリング装置は、ステアリングコラムと、支持ブラケットと、調節ロッドとを備える。ステアリングコラムは、前方に配置されたインナコラムの後端部に、後方に配置されたアウタコラムの前端部を、軸方向に関する相対変位を可能に緩く嵌合(外嵌)する事により構成されている。前記支持ブラケットは、車体に支持固定されており、前記アウタコラムの前端部を幅方向両側から挟む1対の支持板部を備えている。前記調節ロッドは、前記アウタコラムの前端部にこのアウタコラムの軸方向に伸長する状態で形成されたテレスコ調節用長孔と、前記各支持板部にそれぞれ形成された通孔とを、それぞれ幅方向に挿通する状態で配置されている。尚、テレスコピック式ステアリング装置を、チルト機構を備えない構造で実施する場合には、前記各通孔は円孔とし、チルト機構を備えた構造で実施する場合には、これら各通孔は上下方向に伸長したチルト調節用長孔とする。
【0056】
この実施形態において、前記調節ロッドを、例えばコイルばね又は板ばね等から構成される押上部材により、上方に向けて付勢する。前記調節ロッドに、1又は複数の回転部材(例えばローラや軸受等の円環状部材)を回転可能に支持している。そして、前記押上部材によりこの調節ロッドに付与された付勢力を、前記回転部材を介して前記アウタコラムに伝達している。
【0057】
一例において、前記アウタコラムの幅方向両側面のうち、前記テレスコ調節用長孔の幅方向外側に、このテレスコ調節用長孔に沿って走行用凹溝を形成している。そして、これら各走行用凹溝内に前記各回転部材を配置している。
【0058】
一例において、前記両支持板部の内側面同士の間隔を縮めた際に、前記各回転部材を介して前記各走行用凹溝の底面を押圧する。そして、前記インナコラムの外周面を弾性的に挟持する。
一例において、前記アウタコラムを前記インナコラムに対し軸方向に相対変位させる際に、前記各回転部材を、前記各走行用凹溝の上面に沿って回転させる。
【0059】
一例において、前記回転部材の外周面を弾性材製(合成樹脂又はゴム製)とする。
【0060】
一例において、前記アウタコラムの前端縁部内周面のうち、少なくとも車体への組み付け状態で下方に位置する部分に、摺動部材を設ける。
【0061】
上記の実施形態によれば、ステアリングホイールの前後位置調節の操作感を向上できると共に、前後方向の操作荷重を低く抑えられる。
即ち、押上部材により調節ロッドを上方に向けて付勢し、この付勢力を、回転部材を介してアウタコラムに伝達している。この為、支持ブラケットを構成する1対の支持板部の内側面同士の間隔を拡げた状態で、アウタコラムの後端部が下方に傾く事を有効に防止できると共に、前記アウタコラムの内周面のうちの上端部とインナコラムの外周面のうちの上端部との間に隙間を確保する事ができる。従って、このインナコラムの後端縁部のうちの上端部と前記アウタコラムの内周面とが線接触により強く接触し、ステアリングホイールの前後位置を調節する際に、引っ掛かり(こじれ)が生じる事を有効に防止できる。
更に、上記の実施形態において、アウタコラムに対し上方に向いた付勢力を、前記回転部材を介して伝達している。この為、回転部材を介さずに、調節ロッドによりアウタコラムを直接付勢する場合に比べて、このアウタコラムをインナコラムに対し前後方向に相対変位させる際に生じる摩擦抵抗を抑えられる。
尚、摺動性を確保する為に、調節ロッドとアウタコラムとの間の摺接部に樹脂製スリーブ等を介在させた場合には、摺動抵抗は低下させられるが、調節ロッドの外周面とスリーブとが線接触で接触する為、面圧が高くなり、耐久性の問題を生じてしまう。これに対し、上記の実施形態では、転がり接触させられる為、この様な問題を生じずに済む。
この結果、上記の実施形態において、ステアリングホイールの前後位置の調節時に、引っ掛かり(こじれ)が生じる事を防止でき、前後位置調節の操作感を向上させられると共に、前後方向の操作荷重を低く抑える事ができる。
【符号の説明】
【0062】
1 ステアリングホイール
2、2a ステアリングシャフト
3 操舵輪
4、4a ステアリングコラム
5 操舵力補助装置
6 タイロッド
7 ステアリングギヤユニット
8 インナシャフト
9、9a アウタシャフト
10、10a インナコラム
11、11a アウタコラム
12、12a ギヤハウジング
13 出力軸
14、14a ロアブラケット
15、15a 車体
16、16a チルト軸
17、17a アッパブラケット(支持ブラケット)
18、18a 係止カプセル
19 スリット
20 クランプ部
21、21a 長孔(テレスコ調節用長孔、スリット)
22、22a 支持板部
23、23a 長孔(チルト調節用長孔)
24、24a 調節ロッド
25 調節ナット
26、26a 調節レバー
27、27a アンカ部
28 自在継手
29 中間シャフト
30 自在継手
31 軸(入力軸)
32、32a 電動モータ
33、33a ロック用透孔
34 枠体(本体部分、被挟持部本体)
35 筒体(円筒状部材)
36 軸方向スリット(第1スリット部)
37a、37b 周方向スリット(第2スリット部)
38 クランプ部
39 張出部(張出板部)
40 作用面(第3面、押圧面)
41 補強ブリッジ部(補強部)
42 補強板部
43a、43b 連結部
44 平板部
45 外側平板部(下方延出部)
46 段差部(切り欠き)
47 隙間
48 ローラ走行用凹溝
49a作用面(第1面、トルク伝達面)
49b 作用面(第2面、トルク伝達面)
50 突条部
51a、51b 凹部
52a、52b 連続平坦面
53 係止凹溝(凹部)
54 摺動部材
55 摺動部本体
56 支持腕部
57 凹部
58 取付板部
59 係止切り欠き
60 係止溝
61 通孔
62 軸部
63 ローラ
64 ローラ本体
65 カラー
66 貫通孔
67 鍔部
68 除肉部
69 カム装置
70 ナット
71A 折れ曲がり部 72A チルトばね
73 ロックユニット
74 キーロックカラー
75 ロックピン
76 キーロック凹部
80 締め付け機構
図1
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