(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記コントローラは、前記画像データの前記記憶媒体への書込み処理を行っている間、前記生成されたビデオ信号をフレーム毎に前記記憶媒体へ送信する送信処理を停止し、該画像データの書込み処理が終了すると、該送信処理を再開する、
請求項3に記載の無線通信システム。
前記コントローラは、前記確認処理によって確認された前記コマンドが前記オートフォーカスコマンドである場合、その後の所定の時間の間、該確認処理を実行する周期を前記所定の周期よりも短くする、
請求項2から請求項4のいずれか一項に記載の無線通信システム。
前記撮影装置は、前記画像データ生成部が生成した前記画像データに基づいて、該画像データよりもサイズの小さいキャプチャ画像を生成するキャプチャ生成手段を更に備え、
前記確認処理によって確認された前記コマンドがキャプチャ生成コマンドである場合、
前記キャプチャ生成手段は、前記画像データ生成部が生成した前記画像データに基づいてキャプチャ画像を生成し、
前記コントローラは、前記キャプチャ画像を前記記憶媒体へ送信する、
請求項2から請求項5のいずれか一項に記載の無線通信システム。
前記画像データ生成部は、前記撮影装置がユーザにより連続撮影を指示する入力を受付けた場合、予め決められた数に達するまで、またはユーザにより連続撮影を停止する入力を受付けるまで、所定の時間間隔で、前記画像信号に基づいて複数の画像データを生成し、該複数の画像データを前記記憶媒体に順次記憶する連続撮影を実行し、
前記端末装置は、
前記撮影装置において前記連続撮影が実行されていることを検知する手段を更に備え、
前記連続撮影が実行されていることを検知した場合に、前記記憶媒体から前記サムネイル画像を取得することを禁止する、
請求項15に記載の無線通信システム。
前記撮影装置は、前記連続撮影が実行されている間、前記連続撮影によって生成される前記複数の画像データに基づいて、該画像データよりもサイズの小さい複数のキャプチャ画像を順次生成する手段を更に備え、
前記コントローラは、前記撮影装置が前記連続撮影を実行している間、前記生成された複数のキャプチャ画像を前記端末装置に順次送信する、
請求項16に記載の無線通信システム。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態の無線通信システムについて図面を参照しながら説明する。
【0027】
[無線通信システム1の構成]
図1は、本実施形態の無線通信システム1の構成を示すブロック図である。無線通信システム1は、撮影装置10と端末装置20、撮影装置10に装着される記憶媒体30を備えている。
【0028】
撮影装置10は撮影機能を備える装置であり、例えばデジタル一眼レフカメラやミラーレス一眼カメラ、コンパクトデジタルカメラ、カムコーダなどが用いられる。端末装置20は、無線通信機能を有し、ユーザによる入力操作が可能な装置であり、例えば、スマートフォンやフィーチャフォン、タブレット端末、PHS、パーソナルコンピュータなどが用いられる。記憶媒体30は、無線通信機能を有する記憶媒体であり、端末装置と無線通信可能に構成されている。記憶媒体30としては、例えば、無線通信機能を有するSDメモリカードが用いられる。
【0029】
[撮影装置10の構成]
図2は、撮影装置10の構成を示すブロック図である。撮影装置10は、CPU(Central Processing Unit)100、操作部102、駆動回路104、撮影レンズ106、レンズ駆動部107、絞り108、シャッタ110、イメージセンサ112、信号処理回路114、画像処理エンジン116、バッファメモリ118、SDホストコントローラ120、LCD(Liquid Crystal Display)制御回路122、LCD124、ROM(Read Only Memory)126及び外部接続インタフェース128を備えている。
【0030】
操作部102には、電源スイッチやレリーズスイッチ、撮影モードスイッチなど、ユーザが撮影装置10を操作するために必要な各種スイッチが含まれる。ユーザにより電源スイッチが押されると、図示省略されたバッテリから撮影装置10の各種回路に電源ラインを通じて電源供給が行われる。CPU100は電源供給後、ROM126にアクセスして制御プログラムを読み出してワークエリア(不図示)にロードし、ロードされた制御プログラムを実行することにより、撮影装置10全体の動作を制御する。
【0031】
CPU100は、撮影装置10に内蔵されたTTL(Through The Lens)露出計(不図示)で測定された測光値に基づき適正露出が得られるように、駆動回路104を介して絞り108及びシャッタ110を駆動制御する。より詳細には、絞り108及びシャッタ110の駆動制御は、プログラムAE(Automatic Exposure)、シャッタ速度優先AE、絞り優先AEなど、撮影モードスイッチにより指定されるAE機能に基づいて行われる。また、レンズ駆動部107の駆動制御(以下、AF制御)は、AF(Autofocus)機能に基づいて行われる。AF制御には、アクティブ方式、位相差検出方式、コントラスト検出方式などが適用される。AF制御が行われると、駆動回路104を介してレンズ駆動部107が駆動制御される。これにより撮影レンズ106が変位され、被写体にピントが合わせられる。
【0032】
被写体からの光束は、撮影レンズ106、絞り108、シャッタ110を介してイメージセンサ112により受光される。イメージセンサ112は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサであり、撮像面上の各画素で結像した光学像を光量に応じた電荷として蓄積して電気信号に変換し、信号処理回路114に出力する。信号処理回路114は、イメージセンサ112より入力される電気信号(撮影データ)に対して所定の信号処理を施して、画像処理エンジン116に出力する。
【0033】
画像処理エンジン116は、信号処理回路114から出力された信号に対して色補間、マトリクス演算、Y/C分離などの所定の信号処理を施して輝度信号Y、色差信号Cb、Crを生成し、JPEG(Joint Photographic Experts Group)などの所定のフォーマットで圧縮する。バッファメモリ118は、画像処理エンジン116による処理の実行時、処理データの一時的な記憶場所として用いられる。
【0034】
SDホストコントローラ120のカードスロットには、記憶媒体30であるSDメモリカードが着脱可能に差し込まれている。SDホストコントローラ120は、撮影装置10と記憶媒体30との間でデータや制御信号の送受を行うために用いられる。
【0035】
画像処理エンジン116は、SDホストコントローラ120を介して
記憶媒体30と通信可能である。SDホストコントローラ120は、画像処理エンジン116で生成された圧縮画像信号(画像データ)を
記憶媒体30に記憶する。
【0036】
また、画像処理エンジン116は、Y/C分離後の信号に所定の信号処理を施して、フレームメモリ(不図示)にフレーム単位でバッファリングする。画像処理エンジン116は、バッファリングされた信号を所定のタイミングで各フレームメモリから掃き出して所定のフォーマットのビデオ信号に変換し、LCD制御回路122に出力する。LCD制御回路122は、画像処理エンジン116より入力される画像信号を基に液晶を変調制御する。これにより、被写体の撮影画像がLCD124に表示される。ここで、LCD124に表示される撮影画像は、撮影装置10の撮影画角に対応している。ユーザは、AE制御及びAF制御に基づいて適正な輝度及びピントで撮影されたリアルタイムのスルー画(ライブビュー)を、LCD124を通じて視認することができる。
【0037】
画像処理エンジン116は、ユーザにより撮影画像の再生操作が行われると、操作により指定された画像データを
記憶媒体30より読み出して所定のフォーマットの画像信号に変換し、LCD制御回路122に出力する。LCD制御回路122は、画像処理エンジン116から出力された画像信号を基に液晶を変調制御する。これにより、被写体の撮影画像がLCD124に表示される。
【0038】
外部接続インタフェース128は、外部表示装置130と接続するためのインタフェースである。外部表示装置130は、表示画面132を備える電子機器であり、例えば、デジタル一眼レフカメラ、ミラーレス一眼カメラ、コンパクトデジタルカメラ、カムコーダ、タブレット端末、PHS、スマートフォン、フィーチャフォン、携帯ゲーム機、デスクトップPC、ノートPC、テレビモニタである。
【0039】
外部接続インタフェース128は、HDMI(登録商標)、USB(Universal Serial Bus)などの有線接続プロトコルや、Wi−Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、IrDA(登録商標)などの無線接続プロトコルを用いてデスクトップPC等と通信可能である。画像データは、外部接続インタフェース128を介して外部表示装置130へ転送される。外部表示装置130は、転送された画像データをローカル又はネットワーク上のURI(Uniform Resource Identifier)に記憶する。外部表示装置130は、例えば、ユーザによる操作に従い、ローカル又はネットワーク上のURIに記憶された画像データをデコードし、デコードにより得られた撮影画像を表示画面132に表示する。
【0040】
また、外部表示装置130の表示画面132には、例えば、LCD124と同期した内容(静止画やスルー画)が表示される。一例として、ユーザにより撮影画像(静止画)の再生操作が行われた場合を考える。この場合、画像処理エンジン116は、操作により指定された撮影画像(静止画)をLCD124に表示すると共に外部接続インタフェース128を介して外部表示装置130へ転送し、LCD124に表示されている撮影画像と同一のものを表示画面132に表示させる。
【0041】
外部接続インタフェース128は、テレビモニタと接続されている場合、撮影画像のコンポーネント映像信号等を出力する。テレビモニタには、LCD124と同期した内容(静止画やライブビュー)が表示される。
【0042】
なお、オーバレイテキスト等の付加情報については、ユーザによる操作部102の設定や表示内容に応じて同期又は非同期に表示される。
【0043】
また、操作部102が操作され、撮影装置10のステータス画面が呼び出されると、LCD124には、撮影画像の代わりに、撮影装置10のステータス画面が表示される。ステータス画面には、AE制御やAF制御に必要なパラメータや、撮影モードやシャッタ速度、絞り、ISO感度、記録形式や撮影可能枚数など、撮影装置10のステータス情報が表示される。このステータス画面を用いて、ユーザはステータスの確認や変更操作などを行う。
【0044】
LCD124に静止画やライブビューなどの撮影画像を表示させるか、あるいは、ステータス画面を表示させるかは、操作部102の操作によって切り替えることができる。また、LCD124は、撮影装置10の電源が入れられた時に、始めにライブビューが表示されるように設定されていてもよく、始めに何を表示させるかを、ユーザによって選択できるように構成されていてもよい。
【0045】
また、LCD124は、ユーザが指やスタイラスペンによって入力操作が可能なタッチパネルであってもよい。LCD124がタッチパネルである場合、タッチパネルへの入力操作が、操作部102への操作と同一の機能を持つものであってもよい。以下では、操作部102の操作することで撮影装置10の動作を制御するとして説明するが、この制御の一部または全ては、タッチパネルへの入力操作により実行されてもよい。
【0046】
[端末装置20の構成]
図3は、端末装置20の構成を示すブロック図である。端末装置20は、CPU200、RAM(Random Access Memory)等の主記憶装置202、フラッシュメモリ等の補助記憶装置204、無線通信モジュール206及びタッチパネル208を備えている。
【0047】
CPU200は、端末装置20の電源投入後、必要なハードウェアにアクセスする。端末装置20の電源投入直後、CPU200は、補助記憶装置204にアクセスしてOS(Operating System)を読み出して、主記憶装置202にロードして起動させる。以後、CPU200とOSとが協働することにより、端末装置20による各種処理が実行される。例えば、補助記憶装置204には、ブラウザをはじめとする複数種類のアプリケーションがインストールされている。各種アプリケーションは、OSによるリソース及びプロセスの管理下で動作する。
【0048】
ブラウザは、例えばHTML(Hyper Text Markup Language)、CSS(Cascading Style Sheets)、JavaScript(登録商標)などや、これらの関連仕様を解釈可能なWebブラウザである。ブラウザは、HTTP(Hypertext Transfer Protocol)に準拠したリクエスト・メッセージを生成し、ユーザ操作等により指定されたURI(Uniform Resource Identifier)にアクセスして、Webページ等のHTMLコンテンツをダウンロードする。ブラウザは、ダウンロードされたHTMLコンテンツ等の解釈、DOM(Document Object Model)ツリー、レイアウトツリー等の生成を行う。ブラウザは、レイアウトが決定されたコンテンツの各要素を主記憶装置202内のイメージバッファに逐次レンダリングする。イメージバッファにレンダリングされた内容は、図示省略されたVRAM(Video Random Access Memory)に転送される。レンダリング結果がVRAMに転送されることにより、HTMLコンテンツがタッチパネル208上に表示される。
【0049】
ユーザは、タッチパネル208上に表示されたHTMLコンテンツに対してペンタッチやフィンガタッチによる入力や、フリック操作(画面上を指ではらう操作)による画面スクロール、ピンチ操作(二本の指の間を画面上で拡げる又は縮める操作)によるズームイン/ズームアウト等の各種操作を行うことができる。なお、以下では、ユーザはタッチパネル208を介して端末装置20への入力操作を行うとして説明するが、本実施形態はこれに限定されない。端末装置20への入力操作には、不図示のボタンやダイヤル、マウスなどの操作部を介して行ってもよい。
【0050】
[記憶媒体30の構成]
図4は、記憶媒体30の構成を示すブロック図である。記憶媒体30は、無線通信機能を有する記憶媒体であり、撮影装置10で生成された画像データの記憶や端末装置20との無線通信などを行うために用いられる。以下では、記憶媒体30としてSDメモリカードを用いる場合について説明する。
【0051】
記憶媒体30は、撮影装置10とのデータの送受を行うSDカードコントローラ302、撮影装置10から送信された画像データや記憶媒体30の動作制御に用いるコンフィグファイルを記憶するメモリ部304、端末装置20と無線通信を行うための無線通信モジュール306、撮影装置10や端末装置20との間で送受するデータの信号処理を行うCPU300およびWebサーバ308を備えている。Webサーバ308には、端末装置20からのHTTPリクエストに応じて端末装置20に送信されるWebページ(例えば、HTMLコンテンツ)が格納されている。
【0052】
記憶媒体30は、撮影装置10内のSDホストコントローラ120のカードスロットに装着されると、SDホストコントローラ120を通じて電力が供給されてシステムが起動する。記憶媒体30は、システムの起動が終了すると、SSID(Service Set Identifier)、ネットワークキー、暗号モード、無線チャネルなどの通信パラメータを撮影装置10から受け取る。記憶媒体30は、各種通信パラメータを受け取ると、コンフィグファイルに記述されている動作モードに従って無線通信モジュール306およびWebサーバ308を起動させる。以後、記憶媒体30はアクセスポイントとしてWebクライアントである端末装置20からの接続を待機する。
【0053】
コンフィグファイルに記述されている動作モードには、例えば、端末装置20による撮影装置10のリモートコントロールを許可するモードや禁止するモード、端末装置20からのリクエストに対する記憶媒体30の応答を許可するモードや禁止するモードなどがある。いずれの動作モードに従って記憶媒体30を動作させるかについては、端末装置20から記憶媒体30に対して送信される撮影装置
10をリモートコントロールするためのコマンドや、撮影装置
10の動作状況など、無線通信システム1の状態によって変更される。
【0054】
また、動作モードによって、記憶媒体30内のデータの流れが異なる。記憶媒体30内におけるデータの流れとしては、例えば、以下の3つの経路がある。1つ目の経路は、無線通信モジュール306からメモリ部304までの経路である。この経路は、端末装置20が、Webサーバ308を介してメモリ部304内のデータにアクセスする動作モードにおいて使用される。2つ目の経路は、SDカードコントローラ302からメモリ部304までの経路である。この経路は、撮影装置10で生成された画像データをメモリ部304に書込む動作モード(メモリアクセスモード)において使用される。3つ目の経路は、SDカードコントローラ302から無線通信モジュール306までを繋ぐ経路である。この経路は、主に端末装置20と撮影装置10との間でデータの送受を行う際に使用される。例えば、動作モードがライブビューモードである場合、記憶媒体30は、撮影装置10から送信されたライブビューデータを、端末装置20に送信する。これらの経路のうち、いずれの経路を用いるかは、記憶媒体30の動作モードの変更に応じて変化する。この動作モードの変更についての詳細は後述する。
【0055】
[端末装置20と記憶媒体30との無線接続]
ユーザは、端末装置20にインストールされたセットアップユーティリティなどにより、端末装置
20(アクセスポイント)のSSIDを登録し、必要に応じてネットワークキーを設定することができる。以後、端末装置20により、記憶媒体30のアクセスポイントの検索が実行されると、端末装置20のタッチパネル208上に登録されたSSIDの一覧が表示される。表示されたSSIDの一覧から、記憶媒体30のSSIDが手動または自動で選択されると、端末装置20と記憶媒体30との間の無線接続が確立される。なお、記憶媒体30の無線通信にネットワークキーが設定されている場合は、端末装置20のタッチパネル208上の設定画面にネットワークキーが入力されることで、無線接続が確立される。
【0056】
[HTMLコンテンツの取得]
端末装置20と記憶媒体30との間の無線接続が確立し、ユーザによって、ブラウザ上で記憶媒体30のURIが指定されると、ブラウザは指定されたURIのHTMLコンテンツを取得するコマンド(GETコマンド)を発行し、記憶媒体30に送信する。端末装置20のWebサーバ308は、受信したGETコマンドに従って、HTMLコンテンツを端末装置20に送信する。端末装置20がHTMLコンテンツを受信すると、ブラウザ上に記憶媒体30のHTMLコンテンツがWebページとして表示される。HTMLコンテンツには、例えば、レリーズボタンや撮影モードボタンスイッチ、サムネイル取得ボタンなどの各種アイコンのGUI(Graphical User Interface)が含まれる。HTMLコンテンツは、ユーザによるタッチパネル208の操作に応じて表示内容が逐次更新される。
【0057】
ユーザによって、タッチパネル208に表示されているブラウザに対して入力操作が行われると、様々な要求コマンドが記憶媒体30に対して送信される。記憶媒体30のWebサーバ308は、受信した要求コマンドに従って、端末装置20に応答を送信することで、ブラウザ上に表示されるWebページの更新や画面の切り替え、記憶媒体30に記憶されている画像データのサムネイルの閲覧、撮影装置10のリモートコントロールなどを行うことができる。
【0058】
[タッチパネル208上の表示]
図5(a)〜(c)は、端末装置20のタッチパネル208上の表示例を示している。
図5(a)は、タッチパネル208上へのレリーズボタンのアイコン50や撮影モードボタンのアイコン52、サムネイル54、撮影装置10から取得した撮影装置10の設定値の情報、撮影装置10から取得したライブビュー60(後述)の表示例を示している。レリーズボタンや撮影モードボタンのアイコン50、52は、端末装置20から、記憶媒体30を介して撮影装置10のリモート
コントロールを行うために用いられる。撮影装置10の設定値の情報は、例えば、撮影装置10のTv値(Time Value)、Av値(Aperture Value)、ISO感度、露出補正値などである。ユーザは、これらのアイコンを操作することで、撮影装置10に対してシャッタ処理や、撮影モードの切替え処理の実行を指示することができる。
【0059】
図5(b)および
図5(c)は、タッチパネル208上へのサムネイルの表示例を示している。ユーザにより、タッチパネル208に対し、サムネイルを取得する操作が入力されると、記憶媒体30に記憶されている複数の画像データのサムネイル56が、並べて表示される(
図5(b))。ユーザにより、タッチパネル208に対し、複数のサムネイル56の中から、特定のサムネイルを選択する操作が入力されると、選択されたサムネイル58が、タッチパネル208に全画面表示される(
図5(c))。
【0060】
なお、
図5(a)〜(c)は、タッチパネル208の表示例であり、本実施形態はこれらに限定されない。タッチパネル208上には、例えば、撮影装置10から取得したライブビューを全画面表示されてもよく、表示されたライブビュー上に、オーバーレイ情報を表示してもよい。ここで、オーバーレイ情報としては、撮影装置10の設定値や、レリーズボタンや撮影モード切替ボタンのアイコンが含まれる。また、タッチパネル208上には、記憶媒体30に記憶されている複数のサムネイルと共に、各サムネイルに対応した画像データ情報のリストが表示されてもよい。画像データ情報は、例えば、画像データのファイル名、画像データを生成したときの撮影装置10の設定値や撮影日時などである。この場合、ユーザにより、画像データ情報のリストの中から、特定の画像データ情報を選択する操作を行うことで、選択された画像データ情報に対応するサムネイルが、タッチパネル208に全画面表示される。
【0061】
タッチパネル208に表示する記憶媒体30に記憶されている画像データのサムネイルや、撮影装置10の設定値、ライブビューなどの取得方法について、以下で詳細に説明する。また、端末装置20による撮影装置10のリモートコントロールについても、以下で詳細に説明する
【0062】
[画像データのリストおよびサムネイルの取得]
端末装置20によって記憶媒体30内に記憶されている画像データのリストおよびサムネイルの取得方法について、
図6に示すシーケンス図を用いて説明する。
図6は、撮影装置10、端末装置20、記憶媒体30を備える無線通信システム1のシーケンス図で、上方向から下方向に向かって処理が実行される。
【0063】
ユーザにより、ブラウザに対して、記憶媒体30内に記憶されている画像データのリストを取得する指示が入力されると(S100)、ブラウザは、画像データのリストを取得する要求コマンド(例えば、GET /cgi-bin/photolist)を生成し、記憶媒体30のWebサーバ308に送信する(S101)。要求コマンドを受信したWebサーバ308は、要求コマンドによって指定されたURIがCGI(Common Gateway Interface)であることを事前に登録されているCGIコマンドによって認識し、それに応じたCGIスクリプトを実行させる。ここでは、CGIスクリプト(この場合、/cgi-bin/photolist)により、記憶媒体30のメモリ部304に格納されている画像データのリスト情報が生成され(S102)、その情報が端末装置20のブラウザに送信される(S103)。ブラウザには、受信したリスト情報に基づいて、画像データのリストが表示される(S104)。
【0064】
ユーザにより、ブラウザに表示されている画像データのリストの中から、サムネイルを取得する画像データを選択する指示が入力されると(S105)、ブラウザは、選択された画像データのサムネイルを取得する要求コマンド(例えば、GET /cgi-bin/thumbnail?fn=/DCIM/IMG01.JPG)を生成し、記憶媒体30のWebサーバ308に送信する(S106)。要求コマンドを受信したWebサーバ308は、要求コマンドによって指定されたURIがCGIであることを認識し、それに応じたCGIスクリプトを実行させる。ここでは、CGIスクリプト(この場合、/cgi-bin/thumbnail)により、選択された画像データ(この場合、/DCIM/IMG01.JPG)のサムネイルが生成され(S107)、生成されたサムネイルが端末装置20のブラウザに送信される(S108)。ブラウザは、端末装置20からサムネイルを受信し、表示する(S109)。
【0065】
なお、これらのリスト取得コマンドやサムネイル取得要求コマンドは、記憶媒体30内に記憶されている情報を取得するためのコマンドであるため、
図6のシーケンス図に示す端末装置20と記憶媒体30との間の通信には、撮影装置10は関与しない。
【0066】
[撮影装置10の設定値および能力値の取得]
次に、端末装置20による撮影装置10のリモートコントロールについて
図7に示すシーケンス図を用いて説明する。
【0067】
撮影装置10は、所定の時間間隔で、端末装置20から記憶媒体30へコマンドが送信されているかどうかを確認(コマンド確認)している(S110)。撮影装置10がコマンド確認を行ったときに、記憶媒体30が端末装置20からコマンドを受信していなければ、コマンドが無いことを示す信号が記憶媒体30から撮影装置10へ送られる(S111)。
【0068】
ここで、ユーザにより、タッチパネル208に対して、撮影装置10の設定値および能力値を確認する指示が入力された場合(S112)、ブラウザは、撮影装置10の設定値および能力値を取得する要求コマンド(例えば、GET /host-operation?action=get-camera-config&config-entry=capability)を生成する。ここで、撮影装置10の設定値および能力値は、例えば、撮影装置10の撮影パラメータや仕様、撮影装置10が備えるバッテリの残量などである。そして、端末装置20は生成された要求コマンドを、記憶媒体30のWebサーバ308に送信する(S113)。要求コマンドを受信したWebサーバ308は、要求コマンドで指定されたURIが撮影装置10のリモートコントロールを実現するCGIであることを認識する。そして、撮影装置10によるコマンド確認が行われたときに(S114)、受信した要求コマンドは、CPU
300、SDカードコントローラ302を介して、そのまま撮影装置10に送信される(S115)。
【0069】
撮影装置10のSDホストコントローラ120は、受信した要求コマンドが撮影装置10のリモートコントロールするコマンドであることを認識し、受信した要求コマンドをCPU100に渡す。CPU100は、要求コマンドに従って、撮影装置10を制御する。
図7に示すシーケンス図では、要求コマンドは、撮影装置10の設定値および能力値の取得コマンドである。撮影装置10の設定値および能力値は、例えば、現在設定されているTv値(Time Value)、Av値(Aperture Value)、ISO感度、露出補正値などである。CPU100は、これらの情報を
生成し(S116)、その情報を撮影装置10のSDホストコントローラ120を経由して記憶媒体30へコマンド応答として送信する(S117)。記憶媒体30は、受信したコマンド応答を、そのまま、端末装置20のブラウザに送信する(S118)。
【0070】
このように、ブラウザで生成したコマンドが、記憶媒体30を介して撮影装置10に送信されることで、端末装置20による撮影装置10のリモートコントロールを行うことができる。
【0071】
[リモートコントロールによる撮影装置10のAFおよびシャッタ処理]
リモートコントロールの他の例として、撮影装置10にオートフォーカス(AF)処理およびシャッタ処理を実行させる場合について、
図8に示すシーケンス図を用いて説明する。
【0072】
ユーザにより、タッチパネル208に対して、撮影装置10のAF処理を要求する操作が入力されると(S119)、端末装置20のブラウザはAF要求コマンド(例えば、GET /host-operation?action=af)を生成し、記憶媒体30のWebサーバ308に送信する(S120)。要求コマンドを受信したWebサーバ308は、要求コマンドで指定されたURIが撮影装置10のリモートコントロールを実現するCGIであることを認識する。そして、撮影装置10によるコマンド確認が行われたときに(S121)、受信した要求コマンドは、CPU
300、SDカードコントローラ
302を介して、そのままSDホストコントローラ120に送信される(S122)。SDホストコントローラ120は、受信した要求コマンドをCPU100に渡す。CPU100は、要求コマンドに従って、AF処理を実行する(S123)。AF処理が正常に実行されると、AF処理が実行されたことを示すコマンド応答が、記憶媒体30を介して、端末装置20に送信される(S124、S125)。
【0073】
撮影装置10におけるAF処理の終了後、ユーザにより、タッチパネル208に対して、撮影装置10のシャッタ処理を要求する操作が入力されると(S126)、ブラウザはシャッタ要求コマンド(例えば、GET /host-operation?action=shutter)を生成する。その後、AF処理のシーケンスと同様に、要求コマンドは記憶媒体30を介して撮影装置10に送信され(S127〜S129)、撮影装置10でシャッタ処理が実行される(S130)。シャッタ処理では、イメージセンサ112で生成された画像信号に基づいて、画像処理エンジン116によって画像データが生成される。シャッタ処理が正常に実行されると、シャッタ処理が実行されたことを示すコマンド応答が、撮影装置10から端末装置20に送信される(S131、S132)。
【0074】
端末装置20は、シャッタ処理が実行されたことを示すコマンド応答を受信すると、画像データのキャプチャ処理を要求する要求コマンド(例えば、GET /host-operation?action=capture)を生成し、記憶媒体30を介して撮影装置10に送信する(S133〜S135)。撮像装置10は、画像処理エンジン116で生成された画像データを記憶媒体30のメモリ部304への書込む書込み処理を行い(S136)、書込みが終了すると、画像データに基づいてキャプチャ画像を生成する(S137)。キャプチャ画像は、シャッタ処理によってどのような画像データが生成されたかを確認するためのものであり、画像データよりもデータ容量は小さい。生成されたキャプチャ画像は、記憶媒体30を介して端末装置20に送信される(S138)。端末装置20は、受信したキャプチャ画像に基づいて、タッチパネル208上にキャプチャ画像を表示する(S139)。
【0075】
なお、
図8では、1回のシャッタ要求コマンドに対し、「画像データ書込み」および「画像データ書込み終了」が複数回行われている。これは、画像データのサイズに応じて、一つの画像データを複数に分割し、記憶媒体30のメモリ部304内に断片化して記憶するよう構成されているためである。
【0076】
また、複数回にわたって記憶媒体30への画像データ書込みが実行されている間に、撮影装置10から記憶媒体30へのコマンド確認が実行されてもよい。これにより、画像データが書込まれている間に、端末装置20から記憶媒体30へ別のコマンドが送信された場合、撮影装置10は、記憶媒体30への画像データの書込み終了後あるいはキャプチャ処理の終了後に、この別のコマンドに従った処理を速やかに行うことができる。
【0077】
また、
図8では、書込み処理(S136)が終了した後に、キャプチャ処理(S137)が実行されているが、本実施形態はこれに限定されない。書込み処理(S136)は、キャプチャ処理(
S137)とキャプチャ画像の送信処理(S138)が終了した後に実行されてもよく、書込み処理(S136)とキャプチャ処理(
S137)とは同時進行で実行されてもよい。
【0078】
[端末装置20によるライブビューデータの取得]
次に、無線通信システム1がライブビュー処理を実行する場合について、
図9に示すシーケンス図を用いて説明する。
【0079】
ユーザによって、タッチパネル208に対して、撮影装置10が撮影したライブビューを観察するために、ライブビュー開始を要求する操作が入力された場合(S140)、ブラウザは、ライブビューを開始する要求コマンド(例えば、GET /mjpeg_video?action=stream)を生成する。そして、端末装置20は、生成された要求コマンドを、Webサーバ308に送信する(S141)。要求コマンドを受信したWebサーバ308は、要求コマンドで指定されたURIが撮影装置10のリモートコントロールを実現するCGIであることを認識する。そして、撮影装置10によるコマンド確認が行われたときに(S142)、受信した要求コマンドは、CPU300、SDカードコントローラ302を介して、そのまま撮影装置10に送信される(S143)。撮影装置10は、受信した要求コマンドに従ってライブビュー開始処理を実行する(S144)。
【0080】
撮影装置10においてライブビュー開始処理が実行されると、画像処理エンジン
116で生成されたビデオ信号をフレーム毎に掃き出す。SDホストコントローラ120は掃き出されたビデオ信号をライブビューデータとして
記憶媒体30に送信する(S145)。
【0081】
記憶媒体30は、受信したライビューデータを無線通信によって端末装置20に送信し(S146)、端末装置20は、受信したライブビューデータに基づいて、タッチパネル208上にライブビューを表示する(S147)。タッチパネル208上に表示されるライブビューは、記憶媒体30から新たなライブビューデータを受信する度に更新される。
【0082】
なお、ライブビュー処理は、撮影装置10がライブビューを停止する要求コマンドを受信する、あるいは、撮影装置10に対してライブビュー停止する操作入力が行われるまで継続して実行される。また、ライブビューは、無線通信システム1の状態に応じて、停止や再開が行われる。このライブビューが停止または再開する場合については後述する。
【0083】
また、本実施形態の無線通信システム1によれば、ライブビュー処理は、撮影装置10に対して、端末装置20からライブビュー以外の処理を要求するコマンドが送信された場合や、撮影装置10の操作部102に対してライブビュー以外の処理を要求する入力が行われた場合に、要求された処理の内容や、処理状況に応じて停止するよう構成されている。
【0084】
また、本実施形態の無線通信システム1によれば、ライブビュー処理だけでなく、端末装置20と記憶媒体30との間の無線通信や、撮影装置10の記憶媒体30へのコマンド確認処理などについても、無線通信システム1の状態に応じて、停止あるいは再開、あるいは、処理内容の変更などが行われる。
【0085】
これらの処理の停止や変更は、無線通信システム1の負荷を低減することや、優先度の高い処理を高速化することを目的としている。以下では、本実施形態における、無線通信システム1の状態の変化に伴う、無線通信システム1の処理の停止や変更について、シーケンス図を用いて説明する。
【0086】
[ライブビュー処理時におけるリモートコントロールによるAFおよびシャッタ処理]
図10は、本実施形態の無線通信システム1におけるライブビュー処理が実行されている時に、リモートコントロールに従ってAF、シャッタ、キャプチャ処理が実行される場合のシーケンス図の例である。
【0087】
ライブビュー処理が実行されているときに、端末装置20からAF要求コマンドやシャッタ要求コマンドが送信されると、無線通信システム1では、
ライブビュー処理と並行して、コマンド確認やコマンド応答の送受、要求コマンドに従った処理が実行される。
【0088】
ただし、撮影装置10がシャッタ処理によって生成された画像データを記憶媒体30に書込む前に、撮影装置10から記憶媒体30へ、記憶媒体30の動作モードを変更する指示が送信される(S150)。この指示により、記憶媒体30の動作モードが、ライブビューモードから、メモリアクセスモードに切り替わる(S151)。
【0089】
ここで、ライブビューモードでは、記憶媒体30内における、SDホストコントローラ120から送信されたライブビューデータが、SDカードコントローラ302、CPU300、Webサーバ308を介して、無線通信モジュール306に送信される。
【0090】
また、メモリアクセスモードでは、SDホストコントローラ120から送信された画像データが、SDカードコントローラ302、CPU300を介して、メモリ部304に送信され、メモリ部304に書き込まれる。あるいは、メモリ部304に記憶されている画像データが、CPU300、SDカードコントローラ302を介して、SDホストコントローラ120に送信される。
【0091】
撮影装置10がシャッタ処理によって生成された画像データを記憶媒体30に書込む前までは、記憶媒体30は、ライブビューモードでの動作が実行されており、メモリアクセスモードの処理は実行されていない。ここで、撮影装置10から記憶媒体30へ、動作モードを変更する指示が送信されると(S150)、記憶媒体30の動作モードが、ライブビューモードからメモリアクセスモードに切り替わる(S151)。そして、画像データのメモリ部304への書込み処理(S152)は、記憶媒体30がメモリアクセスモードで動作した状態で実行される。
記憶媒体30への画像データの書込みが終了し、撮影装置10から記憶媒体30へ、動作モードを変更する指示が送信されると(S153)、記憶媒体30の動作モードは、メモリアクセスモードからライブビューモードに切り替わる(S154)。
【0092】
撮影装置10から送信される動作モードの切り替え指示により、記憶媒体30のライビューモードの処理が停止してから再開するまでの間、端末装置20へは新たなライブビューデータが送信されないため、端末装置20のタッチパネル208上には、最後に受信したライブビューデータに基づくライブビューが、静止画として表示されている。あるいは、端末装置20のタッチパネル208上には、ライブビューモードが再開するまで、ライブビュー以外の情報が表示されてもよい。
【0093】
なお、ライビューモードの処理が停止している間、撮影装置10から記憶媒体30へのコマンド確認処理は、所定の周期で実行されていてもよい。
【0094】
また、
図10に示すシーケンス図では、撮影装置10による
記憶媒体30への画像データの書込み処理の終了後に、撮影装置10から記憶媒体30へライブビューモードの処理を許可する指示が送信されるとしたが、本実施形態はこれに限定されない。撮影装置10によるシャッタ処理が開始してから、所定の時間の経過後に、撮影装置10から記憶媒体30へライブビューモードの処理を許可する指示が送信されるように構成されていてもよい。この場合、所定の時間は、シャッタ処理によって生成された画像データのサイズに応じて適宜設定される。
【0095】
また、
図10に示すシーケンス図において、撮影装置10が生成したキャプチャ画像を、記憶媒体30を介して端末装置20に送信している間も、ライブビュー処理を停止してもよい。これにより、撮影装置10と記憶媒体30の負荷を低減することができる。また、ライブビュー処理が停止することにより、撮影装置10から端末装置20へのキャプチャ画像の送信処理を高速化することができる。
【0096】
このように、本実施形態の無線通信システム1では、無線通信システム1の状態に応じて、撮影装置10から記憶媒体30に対して動作モードを変更する指示が送信される。これにより、ライブビュー処理と記憶媒体30への画像データの書込み処理とが択一的に実行される。この結果、記憶媒体30の信号処理の負荷を低減することができる。
【0097】
ライブビュー処理では、撮影装置10から記憶媒体30へビデオ信号が所定の周期で送信され、続いて記憶媒体30から端末装置20へ転送される。ライブビューデータは、例えば、同じく無線通信システム1内で送受される要求コマンドに比べてデータサイズが大きく、また、ライブビューのリアルタイム性を保つため、送信周期が短い(例えば、66ミリ秒毎)。そのため、記憶媒体30にとって、ライブビュー処理の負荷は大きい。また、撮影装置10で生成された画像データをメモリ部304に書込む処理についても同様に、画像データのサイズが大きいため、記憶媒体30にとって負荷が大きい。
【0098】
このことから、ライブビュー処理と、画像データの書込み処理を同時に行うためには、記憶媒体30は、高負荷の処理を行うための大きなリソースを持つ必要がある。しかしながら、撮影装置10に対して着脱可能な記憶媒体30には、記憶媒体30の規格や撮影装置10の仕様によるサイズの制約があり、記憶媒体30に大きなリソースを持たせることが出来ない。
【0099】
また、記憶媒体30に大きなリソースを持たせると、記憶媒体30が発熱してしまうという問題や、記憶媒体30の製造コストが大きくなるという問題が生じる。
【0100】
それに対し、本実施形態の無線通信システム1では、記憶媒体30は、負荷の大きな処理を複数同時に行わないように制御されている。そのため、記憶媒体30に大きなリソースを持たせることなく、記憶媒体30にライブビュー処理を行うための機能を持たせることができる。
【0101】
[撮影装置10の操作時におけるコマンド処理]
図11は、本実施形態の無線通信システム1における、撮影装置10の操作部102が操作されている時に端末装置20からコマンドが送信された場合のシーケンス図の例である。
【0102】
撮影装置10は、撮影装置10の操作部102によって操作可能であり、また、端末装置20から送信されるコマンドによっても操作可能である。撮影装置10の操作部102が操作されておらず、端末装置20からコマンドが送信された場合、
図8や
図10に示すように、端末装置20によって、撮影装置10をリモートコントールすることが可能である。一方、撮影装置10の操作部102が操作されている場合、操作内容によっては、
記憶媒体30は、端末装置20から送信されるコマンドを受付けないように構成されている。
【0103】
図11は、ライブビュー処理が行われている時に、撮影装置10に対してシャッタ操作が行われた場合のシーケンス図を示す。撮影装置10の操作部102に対してシャッタ操作が入力されると(S160)、撮影装置10において、シャッタ処理が実行される(S161)。そして、撮影装置10から記憶媒体30へ、動作モードを変更する指示が送信される(S162)。
【0104】
動作モードを変更する指示には2つの内容が含まれている。指示内容の1つは、
図10に示すシーケンス図を用いて説明した、ライブビュー処理の停止指示である。指示内容のもう1つは、端末装置20から送信されるコマンドの処理の停止指示である。記憶媒体30は、動作モードの変更指示を受信すると、ライブビューモードから、メモリアクセスモードに切り替わるとともに、端末装置20から送信されるコマンドのうち、撮影装置10のリモートコントロールに関するコマンドの処理を停止する(S163)。
【0105】
撮影装置10のリモートコントロールに関するコマンドの処理を停止するには、いくつかの方法がある。
図11に示す例では、記憶媒体30は、リモートコントロールに関するコマンドを受信すると(S164)、そのコマンドを破棄、あるいは、コマンドの受信を拒否するよう構成されている。そのため、記憶媒体30には端末装置20から送信されたコマンドが保持されず、撮影装置10から記憶媒体30に対してコマンド確認を行うかどうかに拘わらず、
記憶媒体30から端末装置20に対してリモートコントロールに関するコマンドは送信されない。端末装置20は、送信したコマンドに対するコマンド応答が、一定時間以上経過しても受信されない場合に、送信したコマンドがタイムアウトしたと判定し、必要に応じてタッチパネル208上に、コマンドがタイムアウトしたことを示す情報を表示する(S165)。
【0106】
シャッタ処理によって生成された画像データの書込み処理(S166)が終了すると、撮影装置10から記憶媒体に対して、動作モードを変更する指示が送信される(S167)。この指示により、記憶媒体30は、メモリアクセスモードからライブビューモードに切り替わるとともに、記憶媒体30におけるリモートコントロールに関するコマンドの処理を再開する(S168)。
【0107】
このように、本実施形態によれば、撮影装置10の操作部102への操作と、端末装置20から送信されたコマンドとが同時に発生したときに、撮影装置10の操作部102への操作が優先される。そのため、撮影装置10に対して、操作部102と端末装置20とからそれぞれ異なる処理の実行が指示される場合においても、撮影装置10が正常に動作しなくなることを防止することができる。
【0108】
なお、
図11に示すシーケンス図では、記憶媒体30は、コマンドを破棄あるいは受信を拒否することによって、リモート
コントロールに関するコメンドの処理を停止しているが、本実施形態はこれに限定されない。撮影装置10に対してシャッタ操作が行われると、撮影装置10が記憶媒体30に対してコマンド処理の停止指示を送信する代わりに、撮影装置10がコマンド確認処理を停止するように構成されていてもよい。
【0109】
この場合、記憶媒体30が端末装置20から受信したコマンドを保持しているか否かにかかわらず、撮影装置10では、コマンドに基づくリモートコントロールは行われない。そして、シャッタ処理によって生成された画像データの書込み処理が終了すると、撮影装置10はコマンド確認処理を再開する。ここで、記憶媒体30が、コマンド確認処理が停止している間に受信したコマンドを保持していれば、コマンド確認処理の再開後に、保持されていたコマンドが撮影装置10に送信される。撮影装置10は、保持されていたコマンドに基づく処理を実行し、コマンド応答を送信する。一方、記憶媒体30が、コマンド確認処理が停止している間に受信したコマンドを保持しておらず、廃棄や受信拒否を行っていた場合、端末装置20は送信したコマンドがタイムアウトしたと判定する。
【0110】
また、
図11に示すシーケンス図では、記憶媒体30は、コマンドの処理の停止指示を受信すると、リモート
コントロールに関わるコマンドの処理を停止するとして説明したが、本実施形態はこれに限定されない。記憶媒体30はリモート
コントロールに関わるコマンド以外の処理も停止するよう構成されていてもよい。例えば、記憶媒体30は、コマンドの処理の停止指示を受信すると、
図6に示すような、リストやサムネイルの取得コマンドの処理も停止するよう構成されていてもよい。
【0111】
記憶媒体30がリストやサムネイルの取得コマンドに基づく処理を実行するためには、記憶媒体30は、メモリ部304にアクセスして、必要なデータを読み込む必要がある。しかし、撮影装置10によるメモリ部304への画像データの書込み処理が実行されているときに、記憶媒体30がメモリ部304から必要なデータを読み込むと、メモリ部304では、データの読込み処理と書込み処理が同時に行われることになる。この結果、記憶媒体30のデータ処理の負荷が増加する。
【0112】
しかし、記憶媒体30がコマンドの処理の停止指示を受信すると、リストやサムネイルの取得コマンドの処理も停止するように構成しておくことで、メモリ部304でデータの読込みと書込み処理が同時に行われるのを防ぎ、記憶媒体30の負荷を低減することができる。
【0113】
また、
図11に示すシーケンス図では、撮影装置10の操作部102に対してシャッタ操作が行われると、撮影装置10から記憶媒体30へ、動作モードを変更する指示が送信されるとしたが、本実施形態はこれに限定されない。撮影装置10の操作部102に対して、画像データの再生処理を要求する操作が入力された場合に、撮影装置10から記憶媒体30へ、動作モードを変更する指示が送信されるように構成されていてもよい。ここで再生処理とは、撮影装置10が、記憶媒体30に記憶された画像データを読込んで、LCD124に表示する処理のことである。
【0114】
[コマンド確認の周期の変更]
また、撮影装置10から記憶媒体30へコマンド確認が送信される周期は、常に一定である必要はなく、無線通信システム1の状態に応じて変化するよう構成されていてもよい。
【0115】
例えば、
図8や
図10に示すシーケンス図において、撮影装置10がAF処理を実行してからシャッタコマンドを受信するまでの間、撮影装置10がコマンド確認する周期を短く(例えば、33ミリ秒毎)設定してもよい。
【0116】
通常、撮影装置10にAF処理を指示した後は、シャッタ処理が行われる可能性が高い。そのため、AF処理後のコマンド確認周期を短く設定しておくことによって、ユーザが端末装置20に対してシャッタ要求操作を入力してから、撮影装置10がシャッタ処理を実行するまでの時間差を短くすることができる。これにより、撮影装置10は、ユーザの所望のタイミングでシャッタ処理を行うことができる。この結果、ユーザは、所望のシャッタチャンスを逃しにくくすることができる。
【0117】
また、
図10に示すシーケンス図において、撮影装置10が生成したキャプチャ画像を、記憶媒体30を介して端末装置20に送信している間、ライブビュー処理を停止するとともに、撮影装置10の記憶媒体30に対するコマンド確認を行う周期を長く(例えば、132ミリ秒毎)設定してもよい。これにより、撮影装置10と記憶媒体30の負荷を低減することができ、キャプチャ画像の送信処理を速く実行することができる。
【0118】
なお、撮影装置10がシャッタ処理を終えた後、通常、ユーザは生成された画像データを確認するために、端末装置20がキャプチャ画像を表示するまで待機しており、新たに撮像装置10に対して処理を要求する入力操作を行うことはない。そのため、キャプチャ画像が端末装置20へ送信している間は、コマンド確認を行う周期を長くしても、ユーザにとって、入力操作を行ってから、実際に撮影装置10が処理を実行するまでの時間差が発生するなどの不都合は発生しにくい。
【0119】
また、
図8に示すシーケンス図のように、ライブビュー処理を行わずに、端末装置20によって撮影装置10のリモートコントロールを行う場合、撮影装置10の記憶媒体30に対するコマンド確認を行う周期を短く(例えば、33ミリ秒毎)設定してもよい。ライブビュー処理を行っている場合は、記憶媒体30の負荷を低減するために、コマンド確認の周期は長い方が望ましい。それに対し、ライブビュー処理を行っていない場合は、コマンド確認の周期を短くしても記憶媒体30の負荷は大きくならず、ユーザが所望のシャッタチャンスを逃しにくくすることができる。
【0120】
また、撮影装置10への割り込み処理や何らかの原因によって、撮影装置10の記憶媒体30に対するコマンド確認が正常に実行されず、エラーが発生した場合、コマンド確認が正常に実行されるまで、コマンド確認を行う周期を短く(例えば、33ミリ秒毎)設定してもよい。これにより、コマンド確認で発生したエラーを速やかに解消することができる。
【0121】
[タッチシャッタ処理]
図12は、本実施形態の無線通信システム1がライブビュー処理を実行している時に、端末装置20に対してタッチシャッタ処理を要求する操作が入力された場合のシーケンス図である。
【0122】
タッチシャッタ処理とは、ユーザによる、タッチパネル208への一回の入力に従って、撮影装置10がAF処理とシャッタ処理とを続けて実行する機能である。
図8や
図10に示すシーケンス図では、ユーザは、AF処理を要求する入力とシャッタ処理を要求する入力とを別々に行う必要があるため、シャッタチャンスを逃す可能性があった。それに対し、タッチシャッタ処理では、一回の入力で撮影装置10がAF処理とシャッタ処理とを続けて実行するため、シャッタチャンスを逃し難くなる。
【0123】
ライブビュー処理時に、タッチパネル208に対してタッチシャッタ処理を要求する操作を入力すると(S170)、ブラウザは、タッチシャッタ処理の実行を要求するコマンドを生成し、Webサーバ308に送信する(S171)。要求コマンドを受信したWebサーバ308は、要求コマンドで指定されたURIが撮影装置10のリモートコントロールを実現するCGIであることを認識する。そして、撮影装置10によるコマンド確認が行われたときに(S172)、受信した要求コマンドをCPU、SDカードコントローラ経由で、そのまま撮影装置10に送信する(S173)。撮影装置10は、受信したされた要求コマンドに従って、AF処理を実行する(S174)。
【0124】
撮影装置10のAF処理が終了すると、撮影装置10は、画像処理エンジン116で生成された少なくとも1つのフレームのビデオ信号をライブビューデータとして
記憶媒体30に送信する(S175)。
記憶媒体30は、受信したライブビューデータを端末装置20に送信し(S176)、端末装置20は、受信したライブビューデータに基づいて、タッチパネル208上にライブビューを表示する(S177)。
【0125】
撮影装置10は、ライブビューデータを送信するとシャッタ処理を実行する(S178)。シャッタ処理が正常に実行されると、タッチシャッタ処理が実行されたことを示すコマンド応答が、
撮影装置10から端末装置20に送信される(S179、S180)。これ以降の処理は、
図10に示すシーケンス図における、シャッタ処理が実行されたことを示すコマンド応答が、撮影装置10から端末装置20に送信されたあとの処理と同じである。
【0126】
このように、
図12に示すシーケンス図では、タッチシャッタ処理において、AF処理が実行された後で、シャッタ処理が実行される前に、ビデオ信号の少なくとも1つのフレームがライブビューとして端末装置20に送信される。そのため、端末装置20のタッチパネル208上には、タッチシャッタ処理を要求する操作が入力されてからキャプチャ画像が表示されるまでの間に、ライブビューが表示される。これにより、ユーザは、キャプチャ画像が表示される前に、どのような画像が撮影されるかを、ライブビューを見て確認することができる。
【0127】
[コマンドへの通し番号の付与]
また、本実施形態の無線通信システム1は、
端末装置20のブラウザがコマンドを生成する際に、コマンドに通し番号を付与してもよい。
図13は、
端末装置20のブラウザがコマンドを生成する際に、コマンドに通し番号を付与する場合のシーケンス図の例を示す。
【0128】
端末装置20から記憶媒体30に対し、通し番号が付与されたコマンドが送信されると(S190)、記憶媒体
30は、受信したコマンドで指定されたURIが撮影装置10のリモートコントロールを実現するCGIであることを認識する。そして、撮影装置10によるコマンド確認が行われたときに、受信した要求コマンドは、CPU
300、SDカードコントローラ
302を介して、そのまま撮影装置10に送信される(S191)。撮影装置10は、コマンドを受信すると、コマンドの通し番号を確認し、そのコマンドに従う処理を実行するかどうかを判断する(S192)。撮影装置10は、受信したコマンドの通し番号から、処理すべきコマンドであると判断すると、コマンドに従った処理を実行し(S193)、処理すべきでないコマンドと判断した場合は、そのコマンドに従った処理は実行しない。
【0129】
図13に示すシーケンス図では、ライブビュー開始コマンドに0001番、AFコマンドに0002番、シャッタコマンドに0003番の通し番号が付与されている。無線通信システム1のシーケンスが正常に実行されている場合、撮影装置10は、通し番号の順にコマンドを受信し、コマンドに従った処理を実行する。しかしながら、無線通信システム1に何らかのエラーが発生し、撮影装置10が一度実行したコマンドを再度受信する場合や、通し番号の古いコマンドを受信する場合が発生し得る(S194)。このようなエラーが発生した場合、撮影装置10は、コマンドの通し番号を確認することで、コマンドが正常なシーケンスによって受信されたものであるか、あるいは、エラーによって誤って受信したコマンドであるかを判断することができる。これにより、撮影装置10が誤ったコマンドを受信した場合においても、無線通信システム1は、シーケンスを正常に実行することができる。
【0130】
[連写処理]
図14は、ユーザにより、撮影装置10の操作部102に対し、連続撮影(連写)を実行する操作が入力された場合のシーケンス図の例を示している。
【0131】
撮影装置10に1枚ずつシャッタ処理を行わせるか(単写モード)、連写を行わせるか(連写モード)は、例えば、撮影装置10の操作部102の一つであるモード切替スイッチの操作(S200)によって切替え可能である(S201)。撮影装置10に対して連写処理を要求する操作が入力されると(S202)、撮影装置10から端末装置20へ、記憶媒体30を介して、連写処理を開始することを示す通知が送信される(S203、S204)。端末装置
20は、この通知を受信すると、ステータスが切り替わり(S205)、端末装置20から記憶媒体
30のメモリ部304へのアクセスが禁止される。端末装置20らメモリ部304へのアクセスが禁止されることにより、端末装置20から
記憶媒体30に対して、
図6のシーケンス図に示すような、画像データのサムネイルの取得するコマンドを送信できなくなる。これにより、連写処理によって生成された画像データのメモリ部304への書込み処理と、端末装置20からメモリ部304へのアクセスが同時に発生するのを防止し、記憶媒体30の負荷が大きくなるのを防止することができる。
【0132】
撮影装置10は、連写処理を開始することを示す通知を送ると、連写処理が実行される(S206)。連写処理では、イメージセンサ112で生成された画像信号に基づいて画像データが生成され、撮影装置10内のバッファメモリ118に記憶される。連写処理は、撮影装置10に連写処理を停止する要求が入力されるまで(S207)、あるいは、所定の枚数の画像データを生成するまで、あるいは、撮影装置10内のバッファメモリ118が一杯になるまで繰り返し実行される。連写処理が終了すると、バッファメモリ118に記憶された複数の画像データが、記憶媒体30に送信され、メモリ部304に記憶される(S208)。バッファメモリ118に記憶されていた全ての画像データがメモリ部304に記憶されると、撮影装置10から端末装置20へ、連写処理が終了したことを示す通知が送信される(S209、S210)。端末装置20は、この通知を受信すると、ステータスが切り替わり(S211)、端末装置20から記憶媒体
30のメモリ部304へのアクセスの禁止が解除される。
【0133】
撮影装置10が連写処理を実行中、撮影装置10は、生成された画像データに基づいて、キャプチャ画像が生成してもよい。生成されたキャプチャ画像は、順次、記憶媒体30を介して端末装置20に送信される(S212、S213)。端末装置20は、受信したキャプチャ画像を順次タッチパネル208上に表示する。これにより、ユーザは、連写処理によって生成された複数の画像データを端末装置20において確認することができる。
【0134】
なお、撮影装置10が連写処理を実行時に、キャプチャ画像を端末装置20に送信する場合、記憶媒体30ではキャプチャ画像の転送処理のみが行われており、メモリ部304に対する書込み処理または読込み処理は実行されていない。そのため、連写処理と同時にキャプチャ画像の転送処理を行っても、記憶媒体30に高い負荷が発生することは無い。
【0135】
また、この連写処理は、ライブビュー処理を実行中にも実行することができる。その場合、無線通信システム1がライブビュー処理を実行中に、撮影装置10の操作部102に対して連写処理を要求する操作が入力されると、撮影装置10から連写処理を開始することを示す通知が送信されるとともに、無線通信システム1のライブビュー処理が停止するよう構成されている。また、無線通信システム1は、撮影装置10から連写処理が終了したことを示す通知が送信されるとともに、ライブビュー処理を再開するよう構成されている。このように、連写処理とライブビュー処理とを択一的に実行することによって、記憶媒体30が、連写処理によって生成された画像データを記憶媒体30に書き込む処理と、ライブビュー処理が同時に実行されるのを防ぎ、記憶媒体30の負荷を低減することができる。
【0136】
以上が本発明の例示的な実施形態の説明である。本発明の実施形態は、上記に説明したものに限定されず、本発明の技術的思想の範囲において様々な変形が可能である。例えば明細書中に例示的に明示される実施形態など又は自明な実施形態などを適宜組み合わせた内容も本願の実施形態に含まれる。