特許第6143103号(P6143103)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 清水建設株式会社の特許一覧

特許6143103カーテンウォール取付方法及びこれに用いるカーテンウォール揚重ボックス
<>
  • 特許6143103-カーテンウォール取付方法及びこれに用いるカーテンウォール揚重ボックス 図000002
  • 特許6143103-カーテンウォール取付方法及びこれに用いるカーテンウォール揚重ボックス 図000003
  • 特許6143103-カーテンウォール取付方法及びこれに用いるカーテンウォール揚重ボックス 図000004
  • 特許6143103-カーテンウォール取付方法及びこれに用いるカーテンウォール揚重ボックス 図000005
  • 特許6143103-カーテンウォール取付方法及びこれに用いるカーテンウォール揚重ボックス 図000006
  • 特許6143103-カーテンウォール取付方法及びこれに用いるカーテンウォール揚重ボックス 図000007
  • 特許6143103-カーテンウォール取付方法及びこれに用いるカーテンウォール揚重ボックス 図000008
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6143103
(24)【登録日】2017年5月19日
(45)【発行日】2017年6月7日
(54)【発明の名称】カーテンウォール取付方法及びこれに用いるカーテンウォール揚重ボックス
(51)【国際特許分類】
   E04G 21/14 20060101AFI20170529BHJP
【FI】
   E04G21/14
【請求項の数】7
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-207418(P2013-207418)
(22)【出願日】2013年10月2日
(65)【公開番号】特開2015-71879(P2015-71879A)
(43)【公開日】2015年4月16日
【審査請求日】2016年6月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002299
【氏名又は名称】清水建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】門脇 均
(72)【発明者】
【氏名】水島 敏文
(72)【発明者】
【氏名】藤原 進一郎
(72)【発明者】
【氏名】渋谷 一聡
(72)【発明者】
【氏名】富永 秀行
(72)【発明者】
【氏名】福本 紘久
(72)【発明者】
【氏名】日吉 智紀
【審査官】 津熊 哲朗
(56)【参考文献】
【文献】 特開平07−091072(JP,A)
【文献】 特開2008−266891(JP,A)
【文献】 特開平11−270139(JP,A)
【文献】 特開昭62−148770(JP,A)
【文献】 特開平06−322989(JP,A)
【文献】 特開平10−018599(JP,A)
【文献】 特開平06−185215(JP,A)
【文献】 特開平07−054487(JP,A)
【文献】 特開平07−217214(JP,A)
【文献】 特開平07−238682(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04G 21/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カーテンウォール本体及び付属物を現場場内に搬入し、付属物が取り付けられたカーテンウォールユニットを組み立てて該カーテンウォールユニットを建物構造躯体に取り付けるカーテンウォール取付方法であって、
カーテンウォール本体及び付属物を現場場内の仮置き場所に搬入する搬入ステップと、
前記仮置き場所近傍に定置されたカーテンウォール揚重ボックス内に仮置きされたカーテンウォール本体を搬入し、該カーテンウォール揚重ボックス内で複数の前記カーテンウォールユニットを形成するユニット形成ステップと、
内部に複数の前記カーテンウォールユニットが形成されたカーテンウォール揚重ボックスを前記カーテンウォールユニットが取り付けられる建物構造躯体近傍に搬送するユニット搬送ステップと、
前記カーテンウォール揚重ボックス内のカーテンウォールユニットを順次建物構造躯体に取り付けるユニット取付ステップと、
を含むことを特徴とするカーテンウォール取付方法。
【請求項2】
前記ユニット形成ステップは、前記カーテンウォール揚重ボックスの掲示板に、形成すべき所望のカーテンウォールユニットのユニット構成、ボックス内配置、及び建物構造躯体への取付位置の情報が掲示され、これらの情報をもとに前記カーテンウォールユニットを前記カーテンウォール揚重ボックス内で形成することを特徴とする請求項1に記載のカーテンウォール取付方法。
【請求項3】
前記ユニット取付ステップは、前記建物構造躯体への取付位置の情報をもとに前記カーテンウォールユニットを順次建物構造躯体に取り付けることを特徴とする請求項2に記載のカーテンウォール取付方法。
【請求項4】
前記ユニット搬送ステップは、搬送されたカーテンウォール揚重ボックスの上端部の建物構造躯体側に設けられた係止用突起部が前記建物構造体躯体に係止し、前記上端部の建物構造躯体の反対側に設けられた吊止部に、建物構造躯体に取り付けられたワイヤロープに取り付け、前記カーテンウォール揚重ボックスを前記建物構造躯体に片持ち状態で固定されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載のカーテンウォール取付方法。
【請求項5】
カーテンウォール本体及び付属物を現場場内に搬入し、付属物が取り付けられたカーテンウォールユニットを組み立てて該カーテンウォールユニットを建物構造躯体に取り付ける際に用いられるカーテンウォール揚重ボックスであって、
仮置き場所に配置されたカーテンウォール本体を前記仮置き場所近傍に定置された前記カーテンウォール揚重ボックス内に搬入し、該カーテンウォール揚重ボックス内で前記付属物を取り付けて複数の前記カーテンウォールユニットを形成し、内部に複数の前記カーテンウォールユニットが形成されたカーテンウォール揚重ボックスを前記カーテンウォールユニットが取り付けられる建物構造躯体近傍に搬送し、搬送されたカーテンウォール揚重ボックス内のカーテンウォールユニットを順次取り出して前記建物構造躯体に取り付けることを特徴とするカーテンウォール揚重ボックス。
【請求項6】
前記カーテンウォール揚重ボックスは、形成すべき所望のカーテンウォールユニットのユニット構成、ボックス内配置、及び建物構造躯体への取付位置の情報を掲示する掲示板を有することを特徴とする請求項5に記載のカーテンウォール揚重ボックス。
【請求項7】
前記カーテンウォール揚重ボックスは、
上端部の建物構造躯体側に係止用突起部が設けられ、
前記上端部の建物構造躯体の反対側に吊止部が設けられ、
前記カーテンウォールユニットが取り付けられる建物構造躯体近傍で、前記係止用突起部を前記建物構造体躯体に係止し、前記建物構造躯体に取り付けられたワイヤロープを前記吊止部に取り付け、前記カーテンウォール揚重ボックスを前記建物構造躯体に片持ち状態で固定することを特徴とする請求項5または6に記載のカーテンウォール揚重ボックス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、カーテンウォールの仮置き場所面積を減らしつつカーテンウォールを建物構造躯体に取り付けることができるカーテンウォール取付方法及びこれに用いるカーテンウォール揚重ボックスに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、カーテンウォールを建物構造躯体に取り付ける施工を行う場合、建物現場の場内フロアなどでカーテンウォール本体を一旦、仮置きして平らに並べ、その後、カーテンウォール本体にフィンなどの付属物を取り付けてから揚重するのが一般的である。
【0003】
なお、特許文献1には、カーテンウォールの取り付け方法が記載されている。この取り付け方法は、まず所定の作業場でフレーム枠にガラス板を装着して所定寸法のユニットをなすカーテンウォールを形成し、このカーテンウォールが固定された架台をカーテンウォールを取り付けるべき建物躯体に搬送する。その後、カーテンウォールを取り付けるべき建物躯体の取り付け箇所近傍で、架台を吊り上げることでカーテンウォールを吊り上げ、この架台に取り付けられた状態でカーテンウォールを建物躯体の取り付け箇所に取り付ける。その後、架台をカーテンウォールから取り外すようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−18599号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の一般的なカーテンウォールの取付方法では、カーテンウォールの仮置き場所が場内で広範囲にわたり占有することになり、他の作業に支障を招き易いという問題があった。
【0006】
また、同一コンテナ内に、どの部位のカーテンウォールが格納されているかの判別が困難なため、床上に仮置きして一旦並べた後に、カーテンウォールの取付順あるいはカーテンウォールユニットのペアごとに、改めて並び替えるという煩雑な作業を行う必要があった。
【0007】
さらに、カーテンウォールの仮置き時に、カーテンウォール表面への溶接火花の落下などによって、傷や汚れが付き易いという問題があった。
【0008】
この発明は、上記に鑑みてなされたものであって、カーテンウォールの仮置き場所面積を減らしつつカーテンウォールを建物構造躯体に取り付けることができるカーテンウォール取付方法及びこれに用いるカーテンウォール揚重ボックスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、この発明にかかるカーテンウォール取付方法は、カーテンウォール本体及び付属物を現場場内に搬入し、付属物が取り付けられたカーテンウォールユニットを組み立てて該カーテンウォールユニットを建物構造躯体に取り付けるカーテンウォール取付方法であって、カーテンウォール本体及び付属物を現場場内の仮置き場所に搬入する搬入ステップと、前記仮置き場所近傍に定置されたカーテンウォール揚重ボックス内に仮置きされたカーテンウォール本体を搬入し、該カーテンウォール揚重ボックス内で複数の前記カーテンウォールユニットを形成するユニット形成ステップと、内部に複数の前記カーテンウォールユニットが形成されたカーテンウォール揚重ボックスを前記カーテンウォールユニットが取り付けられる建物構造躯体近傍に搬送するユニット搬送ステップと、前記カーテンウォール揚重ボックス内のカーテンウォールユニットを順次建物構造躯体に取り付けるユニット取付ステップと、を含むことを特徴とする。
【0010】
また、この発明にかかるカーテンウォール取付方法は、上記の発明において、前記ユニット形成ステップは、前記カーテンウォール揚重ボックスの掲示板に、形成すべき所望のカーテンウォールユニットのユニット構成、ボックス内配置、及び建物構造躯体への取付位置の情報が掲示され、これらの情報をもとに前記カーテンウォールユニットを前記カーテンウォール揚重ボックス内で形成することを特徴とする。
【0011】
また、この発明にかかるカーテンウォール取付方法は、上記の発明において、前記ユニット取付ステップは、前記建物構造躯体への取付位置の情報をもとに前記カーテンウォールユニットを順次建物構造躯体に取り付けることを特徴とする。
【0012】
また、この発明にかかるカーテンウォール取付方法は、上記の発明において、前記ユニット搬送ステップは、搬送されたカーテンウォール揚重ボックスの上端部の建物構造躯体側に設けられた係止用突起部が前記建物構造体躯体に係止し、前記上端部の建物構造躯体の反対側に設けられた吊止部に、建物構造躯体に取り付けられたワイヤロープに取り付け、前記カーテンウォール揚重ボックスを前記建物構造躯体に片持ち状態で固定されることを特徴とする。
【0013】
また、この発明にかかるカーテンウォール揚重ボックスは、カーテンウォール本体及び付属物を現場場内に搬入し、付属物が取り付けられたカーテンウォールユニットを組み立てて該カーテンウォールユニットを建物構造躯体に取り付ける際に用いられるカーテンウォール揚重ボックスであって、仮置き場所に配置されたカーテンウォール本体を前記仮置き場所近傍に定置された前記カーテンウォール揚重ボックス内に搬入し、該カーテンウォール揚重ボックス内で前記付属物を取り付けて複数の前記カーテンウォールユニットを形成し、内部に複数の前記カーテンウォールユニットが形成されたカーテンウォール揚重ボックスを前記カーテンウォールユニットが取り付けられる建物構造躯体近傍に搬送し、搬送されたカーテンウォール揚重ボックス内のカーテンウォールユニットを順次取り出して前記建物構造躯体に取り付けることを特徴とする。
【0014】
また、この発明にかかるカーテンウォール揚重ボックスは、上記の発明において、前記カーテンウォール揚重ボックスは、形成すべき所望のカーテンウォールユニットのユニット構成、ボックス内配置、及び建物構造躯体への取付位置の情報を掲示する掲示板を有することを特徴とする。
【0015】
また、この発明にかかるカーテンウォール揚重ボックスは、上記の発明において、前記カーテンウォール揚重ボックスは、上端部の建物構造躯体側に係止用突起部が設けられ、前記上端部の建物構造躯体の反対側に吊止部が設けられ、前記カーテンウォールユニットが取り付けられる建物構造躯体近傍で、前記係止用突起部を前記建物構造体躯体に係止し、前記建物構造躯体に取り付けられたワイヤロープを前記吊止部に取り付け、前記カーテンウォール揚重ボックスを前記建物構造躯体に片持ち状態で固定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
この発明によれば、仮置き場所に配置されたカーテンウォール本体を前記仮置き場所近傍に定置された前記カーテンウォール揚重ボックス内に搬入し、該カーテンウォール揚重ボックス内で前記付属物を取り付けて複数の前記カーテンウォールユニットを形成し、内部に複数の前記カーテンウォールユニットが形成されたカーテンウォール揚重ボックスを前記カーテンウォールユニットが取り付けられる建物構造躯体近傍に搬送し、搬送されたカーテンウォール揚重ボックス内のカーテンウォールユニットを順次取り出して前記建物構造躯体に取り付けるようにしている。したがって、カーテンウォール揚重ボックス内という小スペースでカーテンウォールユニットの組み立てが行われ、カーテンウォールユニットを平面的に展開する必要がないため、カーテンウォールの仮置き場所仮置き場所面積を減らしつつカーテンウォールを建物構造躯体に取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、梱包カーテンウォールの搬入状態を示す模式図である。
図2図2は、揚重された梱包カーテンウォールの開梱とカーテンウォール本体の仮置きとを示す模式図である。
図3図3は、仮置きされたカーテンウォール本体をカーテンウォール揚重ボックス内に搬入する状態を示す模式図である。
図4図4は、カーテンウォールユニットの一例を示す斜視図である。
図5図5は、カーテンウォール揚重ボックスとカーテンウォール揚重ボックス内に配置されるカーテンウォールユニットとの関係を示す斜視図である。
図6図6は、カーテンウォール揚重ボックスで搬送されたカーテンウォールユニットの建物構造躯体への取付状態を示す模式図である。
図7図7は、カーテンウォール取付手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付図面を参照してこの発明を実施するための形態について説明する。この実施の形態では、カーテンウォール揚重ボックスを用いてカーテンウォールユニットを建物構造躯体に取り付けるようにしている。
【0019】
まず、図1に示すように、複層ガラスで形成された複数のカーテンウォール本体が梱包された梱包カーテンウォール1が複数積載されたコンテナ100がトレーラ101に牽引されて建物構造躯体近傍に搬送される。梱包カーテンウォール1は、例えば、2400mm×4200mmのカーテンウォール本体が2セットと、1200mm×4200mmのカーテンウォール本体が1セットと、が梱包された荷姿となっている。
【0020】
コンテナ100内の梱包カーテンウォール1は、コンテナ100に横付けされたカーテンウォール牽引装置102を用いて引き出される。引き出された梱包カーテンウォール1は、クローラクレーンによって吊り上げられ、例えば、建物構造躯体のnF床(nは自然数)に揚重される。なお、梱包カーテンウォール1の地切りの際、梱包カーテンウォール1の下部にキャスター103が取り付けられる。なお、梱包カーテンウォール1の重量は、2〜3トン程度である。
【0021】
図2に示すように、下層階であるnF床に揚重された梱包カーテンウォール1は、nF床上で搬送されて開梱され、カーテンウォール本体2に分離される。その後、カーテンウォール本体2は、チェーンブロック104を用いて平置きされる。すなわち、仮置きされる。
【0022】
ここで、図3に示すように、nF床上には、カーテンウォール揚重ボックス10が定置されている。nF床上に仮置きされたカーテンウォール本体2は、平床台車105を用いて、カーテンウォール揚重ボックス10近傍までnF床上を移動する。カーテンウォール揚重ボックス10の上部、例えば(n+2)F床下部には、テルハ106が設置されている。テルハ106は、平床台車105で移動したカーテンウォール本体2を立ち掛け、さらに90度回転させ、この状態で、カーテンウォール揚重ボックス10内の所定位置に搬入する。
【0023】
カーテンウォール揚重ボックス10内に搬入されたカーテンウォール本体2は、カーテンウォール揚重ボックス10内で複数のカーテンウォールユニット3を形成する。例えば、図4に示すように、2つの異なるカーテンウォール本体2a,2bを合体させるとともに、ゴンドラレール4、縦フィン5、縦枠6などの付属物を取り付けて、1つのカーテンウォールユニット3を形成する。なお、付属物は、カーテンウォール本体2と同様に、揚重されてnF床に仮置きされている。
【0024】
図5に示すように、カーテンウォール揚重ボックス10は、複数の枠部材11を用いて、水平方向に延びる四角柱空間を形成し、少なくとも、上部が開放するとともに底部12を有する。カーテンウォール揚重ボックス10は、四角柱空間を形成し、この四角柱空間内にカーテンウォール本体2や付属物の搬入が可能で、かつ、形成されたカーテンウォールユニット3の搬出が可能である。また、カーテンウォール揚重ボックス10は、四角柱空間内にカーテンウォールユニット3が配列され、カーテンウォールユニット3が外部に落ちない構造であるとともに、作業員がカーテンウォールユニット3の形成ができるように足場としての底部12を有する。
【0025】
また、カーテンウォール揚重ボックス10は、カーテンウォールユニット3が形成される領域E毎に、掲示板13が設けられる。この掲示板13には、形成すべき所望のカーテンウォールユニット3のユニット構成、ボックス内配置、及び建物構造躯体への取付位置の情報が掲示される。ユニット構成は、カーテンウォールユニット3を構成するカーテンウォール本体2と付属物との組み合わせを示すパターン構成である。ボックス内配置は、形成されるカーテンウォールユニット3が配置される領域Eを示す。建物構造躯体への取付位置は、カーテンウォールユニット3が建物構造躯体に取り付けられる位置を示している。なお、この掲示板13の掲示内容は、変更可能である。
【0026】
さらに、カーテンウォール揚重ボックス10の上端部の建物構造躯体側に係止用突起部14が設けられる。また、カーテンウォール揚重ボックス10の上端部の建物構造躯体の反対側に吊止部15が設けられる。
【0027】
図6に示すように、カーテンウォールユニット3が形成された状態のカーテンウォール揚重ボックス10は、クレーンなどによって揚重され、カーテンウォールユニット3の取付作業を行う(N−1)F床(Nは自然数)に固定される。この際、係止用突起部14は、(N−1)F床の端部に係止され、NF床に取り付けられたワイヤロープ16を吊止部15に取り付け、カーテンウォール揚重ボックス10を建物構造躯体に片持ち状態で固定する。
【0028】
その後、作業員は、掲示板13に掲示された建物構造躯体への取付位置の情報をもとに、クレーンなどを用いてカーテンウォール揚重ボックス10からカーテンウォールユニット3を取り出し、このカーテンウォールユニット3を建物構造躯体に順次取り付ける。例えば、図5に示したカーテンウォール揚重ボックス10内のカーテンウォールユニット3a〜3cは、建物構造躯体への取付位置の情報をもとに、図6に示す建物構造躯体の位置に順次取り付けられる。
【0029】
ここで、図7に示したフローチャートを参照して、カーテンウォール取付手順について説明する。まず、カーテンウォール本体2及び付属物を現場場内の仮置き場所に搬入する(ステップS101)。その後、仮置き場所近傍に定置されたカーテンウォール揚重ボックス10内に仮置きされたカーテンウォール本体2を搬入し、カーテンウォール揚重ボックス10内で複数のカーテンウォールユニット3を形成する(ステップS102)。この際、掲示板13に掲示されたカーテンウォールユニット3のユニット構成及びボックス内配置の情報をもとにカーテンウォールユニット3を形成する。その後、内部に複数のカーテンウォールユニット3が形成されたカーテンウォール揚重ボックス10をカーテンウォールユニット3が取り付けられる建物構造躯体近傍に搬送する(ステップS103)。その後、カーテンウォール揚重ボックス10内のカーテンウォールユニットを順次建物構造躯体に取り付ける(ステップS104)。この際、掲示板13に掲示された建物構造躯体への取付位置の情報をもとに、カーテンウォールユニット3を取り出して、順次建物構造躯体の取付位置に取り付ける。
【0030】
この実施の形態では、カーテンウォール揚重ボックス10内という小スペースでカーテンウォールユニット3の組み立てが行われる。この結果、カーテンウォールユニット3を平面的に展開する必要がないため、カーテンウォールの仮置き場所面積を減らしつつカーテンウォールを建物構造躯体に取り付けることができる。
【0031】
また、カーテンウォール揚重ボックス10内で組み立てられるカーテンウォールユニット3は、建物構造躯体の取付位置に対応して配列することが可能であり、カーテンウォールユニット3の取付順あるいはカーテンウォールユニットのペアごとに、改めて並び替えるという煩雑な作業を行う必要がない。
【0032】
さらに、カーテンウォール本体の仮置き場所は小さい領域であるため、カーテンウォール表面への溶接火花の落下などによって、傷や汚れが付くおそれが低減される。
【符号の説明】
【0033】
1 梱包カーテンウォール
2,2a,2b カーテンウォール本体
3 カーテンウォールユニット
4 ゴンドラレール
5 縦フィン
6 縦枠
10 カーテンウォール揚重ボックス
11 枠部材
12 底部
13 掲示板
14 係止用突起部
15 吊止部
16 ワイヤロープ
100 コンテナ
101 トレーラ
102 カーテンウォール牽引装置
103 キャスター
104 チェーンブロック
105 平床台車
106 テルハ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7