【課題を解決するための手段】
【0022】
本発明によれば、この目的は、請求項1の特徴を有するカセットモジュールによって達成される。
【0023】
加うるに、流体チャネル及び遠心ポンプ手段のための受け入れユニットを備えたカセットモジュールをカセットモジュールの動作のために設けられた器械コンソールに確実に係合させ、信頼性のある作動を器械側で保証することができると共にカセットモジュール上での液体処理を保証することができるようにする可能性を見出す必要性が存在した。
【0024】
この目的は、カセットモジュールと、器械コンソールとから成る請求項14の特徴を備えた装置によって達成される。
【0025】
本発明の別の目的は、遠心ポンプ手段のための受け入れユニットを有すると共に受け入れユニットとの流体結合関係を確立する流体チャネルを有するカセットモジュールのベース本体を製造する手段としての簡単な射出成形法を開発することにあった。
【0026】
かくして、本発明のカセットモジュールは、第1の側及び第2の側を備えたベース本体を利用している。血液又は他の治療流体をカセットモジュール上の種々の機能装置に導くために設けられた流体チャネルは、ベース本体中に組み込まれる。流体チャネルは、カセットモジュールの第1の側中に組み込まれても良く、或いは、カセットモジュールの第1の側及び第2の側中に組み込まれても良い。加うるに、ベース本体は、遠心ポンプ手段のための受け入れユニットを有する。特に、流体、例えば血液又は治療流体、例えば透析流体が遠心ポンプ手段の作動によってカセットモジュールを通って運ばれる。好ましい実施形態では、受け入れユニットは、ベース本体の一体形コンポーネントである。
【0027】
ベース本体は、カセットモジュールの一部をなしている。ベース本体は、特に、いつでも使用できる状態にあるカセットモジュールに給液するために他のコンポーネントに連結されるのが良い。カセットモジュールを平べったい設計で製造し、カセットモジュールと透析器の最適な係合をこのようにして達成することができるようにすることが好結果をもたらすことが判明した。
【0028】
したがって、ベース本体は、側の長さがベース本体の高さの何倍も大きい平べったい構造体であるのが良い。この分析では、ベース本体は、第1の側を有し、この第1の側は、ベース本体を横にして置いたときに高さに対して長い側長さを有する上の側であるのが良い。第2の側は、この状況では、下側の面であるのが良い。
【0029】
組み込み型流体チャネルは、ベース本体の第1の側上、例えば上の側上に又は第1の側及び第2の側上に配置される。本明細書で用いられる「組み込み型」という用語は、チャネルとベース本体が一体に製造されるものと理解されたい。遠心ポンプ手段のための受け入れユニットは、本明細書で説明している状況では、ベースユニットの第2の側上、例えば下の側上に配置される。
【0030】
ロータの純粋に磁気による支持に加えて、この支持体は、流体及び磁気手段により提供すること又はこの支持を一部が機械的支持体によって達成されることも又可能である。敏感な液体、例えば血液の穏やかな送り出しに関し、ロータは、純粋に磁気的に支持されるようになっている。流体支持体は、ロータの動作中に補助的に設けられるのが良いが、この流体支持は、ロータが静止している場合には支持にとって効果的ではない。
【0031】
受け入れユニットは、ロータの周りに少なくとも部分的に延び、この受け入れユニットは、ロータと一緒になってポンプユニットを形成する。オプションとして、追加のコンポーネントを受け入れユニットに連結するのが良く、かかる追加のコンポーネントは、ロータを完全に包囲するのが良く、かくして、動作中、流体を流通させるポンプチャンバが形成される。受け入れユニットは、好ましくは、半径が適合したパイプセグメント又はパイプ端部であり、従って、このパイプセグメント又はパイプ端部は、遠心ポンプ手段、例えばインペラポンプのロータを少なくとも部分的に包囲するようになっている。
【0032】
ベース本体の互いに反対側上で流体結合設計状態にある流体チャネルと受け入れユニットの構成により、射出成形法によるベース本体の一体化された製造が可能である。
【0033】
また、流体チャネル及びポンプユニットをカセットモジュール上で極めてコンパクトに製造できることが有利であることが判明した。血液又は治療流体が通らなければならない送り出し経路が最小限に抑えられ、その結果、例えば溶血又はカセット材料による汚染に起因した流体の傷みを最小限に抑えることができる。
【0034】
射出成形法によりベース本体を一体に製造することができることにより、マルチコンポーネント製造の継ぎ目及び接触箇所がなくなる。これにより、カセットと処理されるべき流体、例えば血液又は他の治療流体との適合性が向上する。したがって、上述したように製造されたベース本体を有するカセットモジュールは、血液透析又は腹膜透析に用いるのに特に適している。
【0035】
一実施形態では、カセットモジュールのベース本体は、ベース本体の第1の側上の流体チャネルがポンプロータの受け入れユニットへの流体の流れのための入口ライン及び受け入れユニットからの流体の流れのための出口ラインを形成するよう有利には改造可能である。この場合、ベース本体は、連続した通路を有し、かかる通路を通って、流れている流体を流体チャネルが設けられている第1の側から遠心ポンプ手段を備えたポンプユニットが設けられている第2の側に移送することができる。第1の貫通ポートが有利には、流入している流体がロータに軸方向に当たるよう配置される。第2の貫通ポートが遠心ポンプ手段の受け入れユニットのところで接線方向に出てくる流体を第1の側に差し向けるよう配置される。
【0036】
動作中、受け入れユニットを含み、ポンプロータが設けられているポンプユニットが側部に設けられているカセットモジュールを器械コンソールに係合させる。次に、ポンプユニットを好ましくは、器械コンソールに設けられた凹部中に挿入する。この構成では、流体運搬チャネルが第2の側上に設けられるのが有利である。
【0037】
好ましい実施形態では、第2の側上のポンプユニットと流体運搬結合関係をなしている流体チャネルがベース本体の第1の側中に組み込まれる。流体チャネルは、好ましくは、カセットモジュールを治療器械中にいつでも使用できる状態で挿入したときに器械コンソールから遠ざかる方向に向いた側で第1の側上に配置される。ベース本体の第2の側上のポンプユニットの接線方向出口と第1の側上の流出用流体チャネルの流体結合は、流体傾斜路によって可能になる。流体傾斜路は、斜めに傾けられたチャネル区分である。流体傾斜路は、一段射出成形法でベース本体の追加の実施形態と共に容易に製造できる構成区分である。
【0038】
変形実施形態では、流体傾斜路は、省かれる。というのは、射出成形ツールの製造は、上述したようにかかる幾何学的形状にとって極めて正確に開発されなければならないからである。したがって、回転ポンプ手段のための受け入れユニットに設けられた接線方向出口がベース本体の第2の側上に設けられることも又可能である。第2の側上の接線方向出口は、流れている液体を更に導くための管に連結されるのが良い。例えば、カセットモジュールに別々に連結可能な追加の流体運搬コンポーネントが管により互いに連結されるのが良い。かかるコンポーネントとしては、例えば、透析フィルタ、ドリップチャンバ、凝血塊キャッチャ、測定インターフェースが挙げられる。しかしながら、この構成では、ベース本体はこれ又、一段射出成形法により一体に製造できる。また、この場合、流体チャネルも又、ベース本体の第2の側上に配置されるのが良い。特に、受け入れユニットの接線方向出口は、流出用流体チャネルに一体に連結される。
【0039】
しかしながら、個々の場合において、流体チャネル及び遠心ポンプ手段のための受け入れユニットを備えたベース本体が2つの部品の状態で設計される他の設計例も又想定できる。重要なこととして、流体チャネルは、ベース本体の第1の側上に配置され、流れている液体がベース本体の他方の側上を通ることができるようにする通路がベース本体に設けられることである。受け入れユニットは、別々に製造されて接着ボンド又は溶接継手によってベース本体に連結される部品であるのが良い。変形例として、受け入れユニットは又、機械的締結手段によってベース本体に連結されても良い。
【0040】
ベース本体は、有利には、一体形コンポーネントが載せられているベースプレートを包囲するのが良い。流体チャネルは、ベースプレート上に垂直に配置された垂直壁区分によって形成される。この関連における垂直という用語は、チャネル壁に対するベースプレートの厳密な幾何学的配置状態であると理解されるべきではない。チャネル壁の形をした僅かな脱型用の勾配が射出成形法によるベース本体の製造に必要であり、これにより、射出成形されたベース本体を射出成形用金型から取り出すことができる。したがって、ベース本体のベースプレートの直ぐ隣に位置する壁のベースは、ベースプレートから距離を置いたところに位置する壁区分よりも広い断面を有するよう設計されるのが良い。かくして、壁は、断面が僅かに円錐形又は凹状の形を有するのが良い。したがって、個々で用いられる「垂直」という用語は又、この関連において、壁の平面の主要な向きだけがベースプレートの主要な向きに垂直であることを意味しているものと理解されたい。
【0041】
この用語によって理解されるべき垂直壁区分は、流体チャネルのための側方境界部を形成する。ベースプレートから垂直壁区分への移行部は、敏感な治療関連流体、例えば血液との適合性を向上させるために角のある又は丸くされるよう設計されるのが良い。本質的に2つの壁区分がチャネルを形成するようこれらの間に距離を置いた状態で互いに平行に配置され、その結果、カセットの動作中、流体、例えば血液又は治療流体が壁区分相互間で且つチャネルに沿って流れることができるようになっている。この目的のため、垂直壁区分は、覆われなければならず、それによりベースプレートと垂直壁区分及びカバーとの組み合わせによって閉鎖チャネルが形成される。ベース本体の追加の区分内の壁区分も又、互いに平行に延びる必要はない。具体的に言えば、壁区分は、ベース本体上の機能サブユニット、例えば、凝血塊のための凝血塊キャッチャ、又は壁区分がもはや互いに平行に延びてはいない空気分離チャンバの一部であっても良い。
【0042】
カバーは、曲げに関して剛性のシートによって形成さても良いが、カバーは、好ましくは、柔軟性フィルムによって形成される。カバーを構成するための柔軟性フィルムの使用は、ベース本体を製造する際の公差が容易に補償されるという利点を有する。垂直壁区分は、好ましくは、壁区分の全てが同一の高さを有するよう設計される。技術の現状において周知である溶接方法によれば、覆いフィルム又はシートを例えばガラス板上でベース本体に押し付けるのが良く、そしてレーザ貫通溶接方法を用いて覆いフィルム又はシートを小数点精度で所定の輪郭に沿って溶接するのが良い。溶接輪郭は、特に垂直壁区分によってあらかじめ定められ、これら垂直壁区分は、フィルムに圧接される。
【0043】
幾つかの場合、チャネルのうちの幾つか又は全ては、フィルム片で覆われ、これらフィルム片は、チャネルのサイズに正確に一致する。しかしながら、製造技術上の見地から見て、ベース本体の広い部分をフィルムで覆うと共にこれを流体チャネルの壁区分の輪郭に沿って溶接することの方が簡単である。流体チャネルは、このようにして一溶接作業で覆われるのが良い。
【0044】
流体チャネルの壁区分と同様、遠心ポンプ手段のための受け入れユニットの壁区分は、ベース本体のベースプレート上に直角に立っている垂直壁区分によって形成されるのが良い。受け入れユニットの断面は、具体的には本質的に丸い。しかしながら、好ましい幾何学的形状が連結部によって崩されなければならない場合、丸形形状から逸脱することも又可能である。全体として、概して、受け入れユニットは、円筒形の形をしており、この場合、処理されるべき液体は、ポンプユニットの作動中、ロータによって加速されて出口を通って流出用チャネル中に流れる。
【0045】
受け入れユニットは幾分背丈が高いよう設計されているのが良い。これは、ロータの幾何学的形状にも依存する。受け入れユニットは、対応の丸形キャップと関連して覆われるのが良く、ロータは、ポンプユニット内に完全に納められる。受け入れユニットの垂直壁区分、ベースプレート、キャップ付きのカバー、流体の入口、流体の出口及びロータは、一緒になって、ポンプユニットを形成する。
【0046】
カバーはフィルムによって提供されても良く、覆いフィルムを用いることによってカセットベース本体の製造公差を良好に補償する。
【0047】
ロータ駆動装置それ自体は、ロータの受け入れユニットとは別体であり、器械コンソールの一コンポーネントである。器械コンソール及びカセットモジュールは、これらが互いに相補する表面プロフィールを有するよう形作られている。したがって、器械コンソールは、カセットモジュールを納めることができる表面プロフィールを有する。器械コンソール及びカセットモジュールの適当に形作られた表面が真向かいに配置されることが必要である。というのは、器械コンソールとカセットモジュールの相互作用がユニットの作動中に起こることがあるからである。かかる相互作用は、例えば、器械コンソール内に受け入れられて、カセットモジュールと又はカセットモジュールの動作中にカセットモジュール内で案内される液体と相互作用関係をなすセンサが例えば機械的に、音響的に、熱的に、誘導的に、光学的に、磁気抵抗的に又は電気的に相互作用することによって起こる。この理由で且つセンサ信号検出のため、センサユニット及び分析されるべきカセットモジュールの領域が幾何学的に見て対向した関係をなすことが必要である。
【0048】
したがって、請求項の前提部に記載されている形式のカセットモジュールから始まって、カセットモジュールを透析器の対応のコンソール内に正確に挿入することができ、透析器とカセットモジュールとの所要の相互作用が適正な機能を進めることができるようにする装置を見出すという課題が依然として存在している。この課題は、カセットモジュール上に相補形状を有する対応の区分に一義的に係合させることができる成形部品を器械コンソールに取り付けることによって解決された。ここで「一義的に」という用語は、結果として押し込み嵌め配置状態が得られるようにするカセットと器械コンソールの唯一の位置が存在することを意味するものと理解されるべきである。成形部品は、多角形断面を有するのが良く、例えば、三角形、四角形又は五角形、長円形、非対称又は円形の形状を有する。
【0049】
しかしながら、器械コンソールに対する正確な位置決めにもかかわらず、カセットは、器械コンソールに対して斜め又は傾斜位置を取る場合があり、従って、カセットの必ずしも全ての区分及び器械コンソールが直接的な相互関係をなすことができるわけではない。
【0050】
したがって、正確な配置状態であるかどうかを調べるため、カセット及び器械コンソールの位置が追加の連結ユニットを有することも又必要であり、かかる追加の連結ユニットにより、カセットが器械コンソールに対して完全に正確な配置状態にあるかどうかをチェックすることができる。本発明の範囲内において、この連結は、磁石によって行われる。磁気要素がカセットモジュール内に構造的に受け入れられる。対応の磁気相手方部品が器械コンソール内に配置され、従って、カセットモジュールは、磁気的吸引力によって器械コンソール上に保持される。器械コンソールと所定の配置関係をなすカセットモジュールの位置は、器械コンソールの第1の成形部品及びカセットモジュールとの係合により部分的にあらかじめ定められている。磁気連結により、カセットは、正確に位置決めされ、器械コンソール上の誤った斜め位置を取ることがないようになっている。
【0051】
具体的に言えば、磁気要素は、器械コンソールに向いたカセットモジュールの第1の側上に受け入れられる。別の実施形態では、カセットモジュールは、この目的のために受け入れユニットを有し、カセットモジュールの磁気要素は、この受け入れユニット内に配置される。変形例として、磁気要素は、磁気遠心ポンプ手段、即ち、特に、インペラポンプの磁気ロータである。器械コンソール上の磁気駆動装置は、遠心ポンプ手段の受け入れユニットを磁気駆動装置中に嵌め込むことができるよう設計されている。器械端部上では、磁気ロータを備えた受け入れユニットがインペラ駆動装置と係合したときに対応のセンサシステム及びプロセッサユニットによって改変状態の磁界を検出することができる。かくして、プロセッサ内の分析ユニットによって及び変更された磁界に関する記録データによって、カセットが器械コンソールと正確な構成関係にあるかどうかを確かめることが可能である。これは、カセットが器械コンソールの成形部品とも係合している場合にのみ保証できる。
【0052】
請求項1の前提部に記載された形式のカセットベース本体は、一段射出成形法によって製造でき、これについては以下に詳細に説明する。
【0053】
流体チャネルの幾何学的配置によれば、遠心ポンプ手段のための受け入れユニット及びベース本体の第1の側及び第2の側上の受け入れユニットの出口チャネルのところの流体傾斜路は、射出成形法により一体に製造できる。
【0054】
対応の射出成形法は、ベース本体の第1の側と相補したプロフィールを有する金型を用意するステップを含み、この場合、ベース本体の第1の側は、流体チャネルを有する側である。流体チャネルは、この場合、前提部に記載されているように垂直壁区分で形成され、これら壁区分は、ベース本体のベースプレート上に直角に配置される。
【0055】
ベース本体それ自体のベースプレートは、ベース本体の第1の側上の流体チャネルと第2の側上の遠心ポンプ手段のための受け入れユニットとの流体結合を可能にする凹部を有する。凹部は、射出成形法において第1及び/又は第2の金型のプロフィールに設けられている対応の突出部によって作られる。
【0056】
金型は、異形金型半部であるよう射出成形法と関連して理解されるべきであり、そのプロフィールは、ポリマーメルトを受け入れるよう設けられている。ポリマーメルトは、追加の金型半部が第1の金型半部上に配置されたときに結果としてキャビティ中に流れる。
【0057】
第2の金型は、第2の異形金型半部を形成し、この第2の金型は、カセットモジュールのベース本体の第2の側と形状が相補したプロフィールを有する。第2の側は、遠心ポンプ手段のための受け入れユニットを有する側である。受け入れユニットは、第1の側上の流体チャネルと同様、垂直壁区分によって形成され、これら垂直壁区分は、ベース本体のベースプレート上に直角に配置される。受け入れユニットは、好ましくは、円筒形の形をした壁区分によって形成される。したがって、第2の金型は、射出成形法によって受け入れユニットを作る相補形の円筒形領域を有する。
【0058】
ベース本体は、ポリマーメルトを2つの金型半部によって形成されたキャビティ内に導入することによって作られる。ポリマーメルトは、キャビティの接近可能な領域内に分布され、それによりカセットモジュールのベース本体の幾何学的形状を形成する。このプロセスにおけるベース本体は、一体であり、流体チャネル、遠心ポンプ手段のための受け入れユニット及びベースプレートに設けられた凹部を有し、かかる凹部は、ベース本体の第1の側上の流体チャネルとベース本体の第2の側上の流体チャネルを流体結合させる。
【0059】
ポリマーメルトを注型金型の金型半部相互間に注ぎ込んだ後、ポリマーメルトをその融点を下回る温度まで冷却する。この関係において「融点」という用語は、厳密に熱力学的融点として理解されるべきではない。現実的な意味では、これは、ベース本体を形成するよう冷却したポリマーメルトをベース本体の形状が脱型中に潰れることがない状態で金型から取り出すことができるということを意味するものと理解されるべきである。
【0060】
ベース本体を作るのに好ましい材料としては、ポリプロピレン並びにポリプロピレン及びエチレンのコポリマーが挙げられる。加うるに、ポリマーメルトは、例えばスチレン、エチレン及びブチレン繰り返し単位(SEBS)又はスチレン及びイソプレン単位(SIS)を主成分とする熱可塑性エラストマー材料、例えばスチレンブロックコポリマーのポリマーを更に含むのが良い。これら材料で作られた射出成形部品を冷却プロセスステップ後に金型半部から取り出すことができ、かくして、脱型することができる。
【0061】
この方法は、有利には、ベース本体の第2の側の受け入れユニットと第1の側上の流体チャネルを流体結合させるよう、遠心ポンプ手段のための受け入れユニットとベースプレートの凹部との間でベース本体上に流体傾斜路を作るために更に利用できる。流体傾斜路は、受け入れユニットの壁区分内で勾配をなして隆起する底部によって形成され、この底部は、受け入れユニットの壁区分領域内でベースプレートからベースプレートの凹部までの距離を置いたところの領域内に配置される。第1及び第2の金型半部の輪郭は、それに応じて互いに相補するよう設計される。
【0062】
特に、透析の際に請求項1〜13のうちいずれか一の前提部に記載された形式のカセットモジュールの使用が提供される。特にこの使用に適したカセットモジュールは、前提部に既に記載されているように流体チャネルがベース本体の一方の側上に設けられると共に遠心ポンプ手段のための受け入れユニットが第2の側上に配置されることによって特徴付けられており、その結果、流体チャネル及び受け入れユニットは、ベース本体のベースプレートに設けられた凹部によって形成され、かくして、流体結合が作られる。この構成では、ベース本体は、上述した射出成形法によって一体に製造できる。したがって、カセットの液体運搬コンポーネントを個々の部品から組み立てる必要はない。組立て状態のユニットへのコンポーネントの連結は、接合方法、例えば接着技術又は溶接技術によって行われなければならない。
【0063】
製造労力の増大に加えて、これは又、液体、例えば透析治療で処理されるべき血液又は透析流体の傷みの恐れが増大することを意味している。第1に、この場合、死空間又は縁突出部が製造プロセスに起因して作られる恐れがあり、場合によっては、血液が凝固し又は溶血がトリガされる。同様に、組立て状態のベースプレート付きのカセットモジュールは、一体に製造されたカセットモジュールよりも粒子汚染に起因する危険度が常に高い状態にある。