(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
マルチキャスト通信を用いて所定のデータファイルを配信する配信装置と、該配信装置から配信されたデータファイルを受信する受信装置とを有する通信システムにおいて、
前記配信装置は、前記マルチキャスト通信を開始する旨を示す開始信号を前記受信装置へ送信し、該開始信号に対する応答信号を前記受信装置から受信した後、最初に前記データファイルを配信する際、該配信するデータファイルとは異なる内容を格納したパケットデータを先頭に付与した前記データファイルを配信することを特徴とする通信システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1に記載された技術においては、複数の配信を前提としており、ネットワークに負荷がかかってしまうという問題点がある。また、配信装置にて、受信装置から要求されたグループのみを判別して配信するため、その処理が必要となり、配信装置における処理負荷が大きくなってしまうという問題点がある。
【0009】
本発明の目的は、上述した課題を解決する通信システム、配信装置、受信装置、通信方法およびプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の通信システムは、
マルチキャスト通信を用いて所定のデータファイルを配信する配信装置と、該配信装置から配信されたデータファイルを受信する受信装置とを有する通信システムであって、
前記受信装置は、前記配信装置から配信されたデータファイルの受信を完了した際、該受信を完了した旨を示す受信完了通知を前記配信装置へ送信し、
前記配信装置は、前記受信装置から送信された前記受信完了通知を受信するまで、前記データファイルを所定のタイミングで前記受信装置へ配信することを特徴とする。
【0011】
また、マルチキャスト通信を用いて所定のデータファイルを配信する配信装置と、該配信装置から配信されたデータファイルを受信する受信装置とを有する通信システムであって、
前記配信装置は、前記マルチキャスト通信を開始する旨を示す開始信号を前記受信装置へ送信し、該開始信号に対する応答信号を前記受信装置から受信した後、最初に前記データファイルを配信する際、該配信するデータファイルとは異なる内容を格納したパケットデータを先頭に付与した前記データファイルを配信することを特徴とする。
【0012】
また、本発明の配信装置は、
マルチキャスト通信を用いて所定のデータファイルを配信する配信装置であって、
前記データファイルを配信する配信部と、
前記配信したデータファイルを受信する受信装置から送信された、該データファイルの受信を完了した旨を示す受信完了通知を受信する受信部とを有し、
前記配信部は、前記受信部が、前記受信装置から前記受信完了通知を受信するまで、前記データファイルを所定のタイミングで前記受信装置へ配信する。
【0013】
また、マルチキャスト通信を用いて所定のデータファイルを配信する配信装置であって、
前記マルチキャスト通信を開始する旨を示す開始信号を前記受信装置へ送信し、該開始信号に対する応答信号を受信した後、最初に前記データファイルを配信する際、該配信するデータファイルとは異なる内容を格納したパケットデータを先頭に付与した前記データファイルを配信する配信部を有する。
【0014】
また、本発明の受信装置は、
マルチキャスト通信を用いて所定のデータファイルを配信する配信装置から配信されたデータファイルを受信する受信装置であって、
前記データファイルの受信を完了したかどうかを判別する受信完了判別部と、
前記受信完了判別部が、前記データファイルの受信を完了したと判別した際、該受信を完了した旨を示す受信完了通知を前記配信装置へ送信する通知部を有する。
【0015】
また、本発明の通信方法は、
配信装置と受信装置とを有するシステムにおいて、マルチキャスト通信を行う通信方法であって、
前記配信装置が、所定のデータファイルを前記受信装置へマルチキャストで配信する処理と、
前記受信装置が、前記配信装置から配信されたデータファイルの受信を完了したかどうかを判別する処理と、
前記受信装置が、前記配信装置から配信されたデータファイルの受信を完了したと判別した際、該受信を完了した旨を示す受信完了通知を前記配信装置へ送信する処理と、
前記配信装置が、前記受信装置から送信された前記受信完了通知を受信するまで、前記データファイルを所定のタイミングで前記受信装置へ配信する処理とを行う。
【0016】
また、マルチキャスト通信を用いて所定のデータファイルを受信装置へ配信する通信方法であって、
前記マルチキャスト通信を開始する旨を示す開始信号を前記受信装置へ送信する処理と、
前記開始信号に対する応答信号を前記受信装置から受信した後、最初に前記データファイルを配信する際、該配信するデータファイルとは異なる内容を格納したパケットデータを先頭に付与した前記データファイルを配信する処理とを行う。
【0017】
また、本発明のプログラムは、
マルチキャスト通信を用いて所定のデータファイルを配信する配信装置に実行させるためのプログラムであって、
前記データファイルを配信する手順と、
前記配信したデータファイルを受信する受信装置から送信された、該データファイルの受信を完了した旨を示す受信完了通知を受信したかどうかを判別する手順と、
前記受信完了通知を受信するまで、前記データファイルを所定のタイミングで前記受信装置へ配信する手順とを実行させる。
【0018】
また、マルチキャスト通信を用いて所定のデータファイルを受信装置へ配信する配信装置に実行させるためのプログラムであって、
前記マルチキャスト通信を開始する旨を示す開始信号を前記受信装置へ送信する手順と、
前記開始信号に対する応答信号を前記受信装置から受信した後、最初に前記データファイルを配信する際、該配信するデータファイルとは異なる内容を格納したパケットデータを先頭に付与した前記データファイルを配信する手順とを実行させる。
【0019】
また、マルチキャスト通信を用いて所定のデータファイルを配信する配信装置から配信されたデータファイルを受信する受信装置に実行させるためのプログラムであって、
前記データファイルの受信を完了したかどうかを判別する手順と、
前記データファイルの受信を完了したと判別した際、該受信を完了した旨を示す受信完了通知を前記配信装置へ送信する手順とを実行させる。
【発明の効果】
【0020】
以上説明したように、本発明においては、マルチキャスト通信の信頼性を容易に高めることができる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の通信システムの第1の実施の形態を示す図である。
【0023】
本形態における通信システムは
図1に示すように、配信装置100と、受信装置200−1〜200−n(nは、2以上の整数)とから構成されている。また、配信装置100と、受信装置200−1〜200−nとは、通信ネットワークであるネットワーク300を介して接続されている。
【0024】
配信装置100は、マルチキャスト通信を用いて所定のデータファイルを受信装置200−1〜200−nへ配信する。
【0025】
図2は、
図1に示した配信装置100の内部構成の一例を示す図である。なお、
図2においては、
図1に示した配信装置100が具備する構成要素のうち、本発明に関わるもののみを示した。
【0026】
図1に示した配信装置100には
図2に示すように、配信部110と、受信部120とが設けられている。
【0027】
配信部110は、マルチキャスト通信を用いて所定のデータファイルを受信装置200−1〜200−nへ配信する。このとき、配信部110は、データファイルを複数のパケットデータに分割して配信するものであっても良い。その場合、配信部110は、この分割された複数のパケットデータそれぞれに対して、例えば、シーケンス番号のように、互いに識別できる識別情報を付与して配信する。
【0028】
また、配信部110は、データファイルを配信してから、受信装置200−1〜200−nから送信された、配信したデータファイルの受信を完了した旨を示す受信完了通知を受信部120が受信するまで、そのデータファイルを所定のタイミングで受信装置200−1〜200−nへ繰り返し配信する。このとき、配信部110は、この所定のタイミングを、配信装置100から受信装置200−1〜200−nまでのネットワーク300を含めた通信路の状況に応じて設定するものであっても良いし、あらかじめ設定された周期的なタイミングとするものであっても良い。
【0029】
受信部120は、配信部110が配信したデータファイルを受信する受信装置200−1〜200−nから送信された、受信完了通知を受信する。また、受信部120は、受信完了通知を受信すると、その旨を配信部110へ伝える。
【0030】
受信装置200−1〜200−nは、マルチキャスト通信を用いて配信装置100から配信されたデータファイルを受信する。
【0031】
図3は、
図1に示した受信装置200−1の内部構成の一例を示す図である。なお、
図3においては、
図1に示した受信装置200−1が具備する構成要素のうち、本発明に関わるもののみを示した。また、
図1に示した受信装置200−2〜200−nの内部構成についても、受信装置200−1の内部構成と同じである。
【0032】
図1に示した受信装置200−1には
図3に示すように、受信部210と、受信完了判別部220と、通知部230とが設けられている。
【0033】
受信部210は、配信装置100から配信されたデータファイルを受信する。
【0034】
受信完了判別部220は、受信部210が配信装置100から配信されたデータファイルの受信を完了したかどうかを判別する。また、受信完了判別部220は、データファイルが複数のパケットデータに分割されて配信されてきた場合、当該データファイルを構成するパケットデータすべてを受信部210が受信したとき、配信装置100から配信されたデータファイルの受信を完了したと判別する。このとき、受信完了判別部220は、分割されて配信された複数のパケットデータそれぞれに、例えば、シーケンス番号のような互いに識別できる識別情報を付与されている場合、その識別情報に基づいて、データファイルを構成するパケットデータすべてを受信部210が受信したかどうかを判別する。
【0035】
通知部230は、受信完了判別部220が、データファイルの受信を完了したと判別した際、受信を完了した旨を示す受信完了通知を配信装置100へ送信する。
【0036】
以下に、本形態における通信方法について説明する。まずは、本形態における通信方法のうち、
図1に示した配信装置100の処理について説明する。
【0037】
図4は、
図1に示した通信システムにおける通信方法のうち、配信装置100の処理を説明するためのフローチャートである。
【0038】
まず、配信部110が、受信装置200−1〜200−nに対して、マルチキャスト通信を開始する旨を示す開始信号を送信する(ステップS1)。この開始信号は、一般的に使用されているものである。
【0039】
その後、受信部120が、送信した開始信号に対する応答である応答信号を受信したかどうかを判別する(ステップS2)。
【0040】
受信部120が応答信号を受信すると、配信部110はマルチキャスト通信を用いてデータファイルを受信装置200−1〜200−nへ配信する(ステップS3)。このとき、配信部110は、配信するデータファイルを複数のパケットデータに分割し、分割したパケットデータそれぞれにシーケンス番号等の識別情報を付与して、受信装置200−1〜200−nへ配信する。
【0041】
図5は、
図2に示した配信部110が配信するデータファイルの構造の一例を示す図である。
【0042】
図2に示した配信部110は
図5に示すように、1つのデータファイルを所定の大きさ(長さ)の複数のパケットデータに分割する。なお、このパケットデータは、送達の信頼性を上げるために、冗長構成となっているものであっても良い。
【0043】
配信部110がデータファイルを配信した後、受信部120は、あらかじめ設定された時間が経過した後(ステップS4)、受信装置200−1〜200−nからの受信完了通知を受信したかどうかを判別する(ステップS5)。ここで、このあらかじめ設定された時間は、上述したように、配信装置100から受信装置200−1〜200−nまでのネットワーク300を含めた通信路の状況を測定し、その測定した状況に応じて(例えば、通信路が混雑している場合、長めの時間に、また、通信路が混雑していない場合は、短めの時間に)設定するものであっても良いし、周期的なタイミングとするものであっても良い。
【0044】
ステップS5にて、受信装置200−1〜200−nからの受信完了通知を受信した場合、処理は終了する。
【0045】
一方、ステップS5にて、受信装置200−1〜200−nからの受信完了通知を受信していない場合、配信部110は、配信したデータファイルを受信装置200−1〜200−nへ再配信し、受信部120が受信完了通知を受信するまで、ステップS3〜S5の処理を繰り返す。
【0046】
次に、本形態における通信方法のうち、
図1に示した受信装置200−1の処理について説明する。なお、
図1に示した受信装置200−2〜200−nにおいても、受信装置200−1の処理と同じ処理が行われる。
【0047】
図6は、
図1に示した通信システムにおける通信方法のうち、受信装置200−1の処理を説明するためのフローチャートである。
【0048】
まず、受信部210が、配信装置から送信された開始信号を受信したかどうかを判別する(ステップS11)。
【0049】
受信部210が、配信装置から送信された開始信号を受信すると、通知部230が、応答信号を配信装置100へ送信する(ステップS12)。
【0050】
ここまでの処理は、一般的なマルチキャスト通信において行われている処理と同じである。
【0051】
その後、配信装置100から配信されたデータファイルの受信部210における受信が完了したかどうかを受信完了判別部220が判別する(ステップS13)。この判別方法は上述したように、データファイルが分割されて配信された複数のパケットデータそれぞれに付与されている識別情報に基づいて、データファイルを構成するパケットデータすべてを受信部210が受信したかどうかを判別するものである。
【0052】
受信完了判別部220が、配信装置100から配信されたデータファイルの受信部210における受信が完了したと判別した場合、通知部230は、データファイルの受信を完了した旨を示す受信完了通知を配信装置100へ送信する(ステップS14)。
【0053】
なお、この受信完了通知は、配信装置100および受信装置200−1〜200−nにて、受信を完了した旨を示す通知であることを認識することができるものであれば良く、そのフォーマットは特に規定しない。
【0054】
このように、第1の実施の形態においては、UDPのプロトコルを用いてデータファイルを配信するマルチキャスト通信において、配信されたデータファイルを確実に受信装置へ届かせることができる。
(第2の実施の形態)
図7は、本発明の通信システムの第2の実施の形態を示す図である。
【0055】
本形態における通信システムは
図7に示すように、配信装置101と、受信装置201−1〜201−nとから構成されている。また、配信装置101と、受信装置201−1〜201−nとは、通信ネットワークであるネットワーク300を介して接続されている。
【0056】
配信装置101は、マルチキャスト通信を用いて所定のデータファイルを受信装置201−1〜201−nへ配信する。
【0057】
図8は、
図7に示した配信装置101の内部構成の一例を示す図である。なお、
図8においては、
図7に示した配信装置101が具備する構成要素のうち、本発明に関わるもののみを示した。
【0058】
図7に示した配信装置101には
図8に示すように、配信部111と、受信部121とが設けられている。
【0059】
配信部111は、マルチキャスト通信を用いて所定のデータファイルを受信装置201−1〜201−nへ配信する。このとき、配信部111は、データファイルを複数のパケットデータに分割して配信する。配信部111は、この分割された複数のパケットデータそれぞれに対して、例えば、シーケンス番号のように、互いに識別できる識別情報を付与して配信する。
【0060】
また、配信部111は、マルチキャスト通信を開始する旨を示す開始信号に対して受信装置201−1〜201−nから送信された応答信号を受信した後、最初にデータファイルを受信装置201−1〜201−nへ配信する際、配信するデータファイルとは異なる内容を格納した所定の数のパケットデータを先頭に付与したデータファイルを配信する。この配信するデータファイルとは異なる内容を格納したパケットデータは、廃棄可能なパケットデータである。このパケットデータは、例えば、空の(内容に意味を持たない)パケットデータであっても良いが、これに限らず、廃棄可能なパケットデータであれば良い。また、このパケットデータの大きさは、配信部111にてあらたなパケットデータの生成処理を設けることを避けるために、データファイルを分割したパケットデータと同じ大きさであることが望ましい。
【0061】
受信部121は、配信部111が送信した、マルチキャスト通信を開始する旨を示す開始信号に対して、受信装置201−1〜201−nから送信されてきた応答信号を受信する。
【0062】
受信装置201−1〜201−nは、マルチキャスト通信を用いて配信装置101から配信されたデータファイルを受信する。
【0063】
図9は、
図7に示した受信装置201−1の内部構成の一例を示す図である。なお、
図9においては、
図7に示した受信装置201−1が具備する構成要素のうち、本発明に関わるもののみを示した。また、
図7に示した受信装置201−2〜201−nの内部構成についても、受信装置201−1の内部構成と同じである。
【0064】
図7に示した受信装置201−1には
図9に示すように、受信部210と、通知部231とが設けられている。
【0065】
受信部210は、配信装置101から配信されたデータファイルを受信する。
【0066】
通知部231は、配信装置101から送信されたマルチキャスト通信を開始する旨を示す開始信号を受信部210が受信した場合、受信した旨を示す応答信号を配信装置101へ送信する。
【0067】
受信部210と通知部231は、一般的な受信装置に具備されているものと同じである。
【0068】
以下に、本形態における通信方法について説明する。まずは、本形態における通信方法のうち、
図7に示した配信装置101の処理について説明する。
【0069】
図10は、
図7に示した通信システムにおける通信方法のうち、配信装置101の処理を説明するためのフローチャートである。
【0070】
まず、配信部111が、受信装置201−1〜201−nに対して、マルチキャスト通信を開始する旨を示す開始信号を送信する(ステップS21)。この開始信号は、一般的に使用されているものである。
【0071】
その後、受信部121が、送信した開始信号に対する応答である応答信号を受信したかどうかを判別する(ステップS22)。
【0072】
受信部121が応答信号を受信すると、配信部111は、受信装置201−1〜201−nへ配信するデータファイルを複数のパケットデータに分割し、分割したパケットデータそれぞれにシーケンス番号等の識別情報を付与する。また、配信部111は、その分割した複数のパケットデータから構成されるデータファイルの先頭に、空のパケットデータを付与する(ステップS23)。
【0073】
続いて、配信部111は、空のパケットデータが付与されたデータファイルを受信装置201−1〜201−nへ配信する(ステップS24)。
【0074】
図11は、
図8に示した配信部111が配信するデータファイルの構造の一例を示す図である。
【0075】
図8に示した配信部111は
図11に示すように、1つのデータファイルを所定の大きさ(長さ)の複数のパケットデータに分割する。なお、このパケットデータは、送達の信頼性を上げるために、冗長構成となっているものであっても良い。また、その分割した複数のパケットデータから構成されるデータファイルの先頭に、所定の数の空のパケットデータを付与する。なお、データファイルを構成するパケットデータは、送達の信頼性を上げるために、冗長構成となっているものであっても良い。また、上述したように、付与するパケットデータは、空のパケットデータでなくても、廃棄可能なパケットデータであれば良い。
【0076】
また、上述した空のパケットデータの付与の処理は、応答信号を受信した後の最初に配信するデータファイルに対してのみ行われる。
【0077】
次に、本形態における通信方法のうち、
図7に示した受信装置201−1の処理について説明する。なお、
図7に示した受信装置201−2〜201−nにおいても、受信装置201−1の処理と同じ処理が行われる。
【0078】
図12は、
図7に示した通信システムにおける通信方法のうち、受信装置201−1の処理を説明するためのフローチャートである。
【0079】
まず、受信部210が、配信装置から送信された開始信号を受信したかどうかを判別する(ステップS31)。
【0080】
受信部210が、配信装置から送信された開始信号を受信すると、通知部231が、応答信号を配信装置100へ送信する(ステップS32)。
【0081】
これらの処理は、一般的なマルチキャスト通信において行われている処理と同じである。
【0082】
このように、第2の実施の形態においては、UDPのプロトコルを用いてデータファイルを配信するマルチキャスト通信において、応答信号を受信した後、廃棄可能なパケットデータを配信し、配信経路を確立させることで、最初に配信されるデータファイル(実パケットデータ)を確実に受信装置へ届かせることができる。また、実パケットデータを確実に受信装置へ配信するには、同じ実パケットデータを複数回配信することも考えられるが、本形態のように、最初に配信するパケットデータの先頭に廃棄可能なパケットデータを付与して配信することで、1回の配信で実パケットデータを確実に受信装置へ配信することが可能となる。
(第3の実施の形態)
第3の実施の形態は、上述した第1の実施の形態と第2の実施の形態とを合わせたものとなる。
【0083】
図13は、本発明の通信システムの第3の実施の形態を示す図である。
【0084】
本形態における通信システムは
図13に示すように、配信装置102と、受信装置200−1〜200−nとから構成されている。また、配信装置102と、受信装置200−1〜200−nとは、通信ネットワークであるネットワーク300を介して接続されている。
【0085】
配信装置102は、マルチキャスト通信を用いて所定のデータファイルを受信装置200−1〜200−nへ配信する。
【0086】
図14は、
図13に示した配信装置102の内部構成の一例を示す図である。なお、
図14においては、
図13に示した配信装置102が具備する構成要素のうち、本発明に関わるもののみを示した。
【0087】
図13に示した配信装置102には
図14に示すように、配信部112と、受信部120とが設けられている。
【0088】
配信部112は、マルチキャスト通信を用いて所定のデータファイルを受信装置200−1〜200−nへ配信する。このとき、配信部112は、データファイルを複数のパケットデータに分割して配信する。配信部112は、この分割された複数のパケットデータそれぞれに対して、例えば、シーケンス番号のように、互いに識別できる識別情報を付与して配信する。
【0089】
また、配信部112は、マルチキャスト通信を開始する旨を示す開始信号に対して受信装置200−1〜200−nから送信された応答信号を受信した後、最初にデータファイルを受信装置200−1〜200−nへ配信する際、配信するデータファイルとは異なる内容を格納した所定の数のパケットデータを先頭に付与したデータファイルを配信する。この配信するデータファイルとは異なる内容を格納したパケットデータは、廃棄可能な空の(内容に意味を持たない)パケットデータである。このパケットデータの大きさは、配信部112にてあらたなパケットデータの生成処理を設けることを避けるために、データファイルを分割したパケットデータと同じ大きさであることが望ましい。
【0090】
また、配信部112は、データファイルを配信してから、受信装置200−1〜200−nから送信された、配信したデータファイルの受信を完了した旨を示す受信完了通知を受信部120が受信するまで、そのデータファイルを所定のタイミングで受信装置200−1〜200−nへ繰り返し配信する。このとき、配信部112は、この所定のタイミングを、配信装置102から受信装置200−1〜200−nまでのネットワーク300を含めた通信路の状況に応じて設定するものであっても良いし、あらかじめ設定された周期的なタイミングとするものであっても良い。
【0091】
受信部120は、配信部112が配信したデータファイルを受信する受信装置200−1〜200−nから送信された、受信完了通知を受信する。また、受信部120は、受信完了通知を受信すると、その旨を配信部112へ伝える。
【0092】
受信装置200−1〜200−nは、第1の実施の形態のものと同じものである。
【0093】
以下に、本形態における通信方法のうち、
図13に示した配信装置102の処理について説明する。
【0094】
図15は、
図13に示した通信システムにおける通信方法のうち、配信装置102の処理を説明するためのフローチャートである。
【0095】
まず、配信部112が、受信装置200−1〜200−nに対して、マルチキャスト通信を開始する旨を示す開始信号を送信する(ステップS41)。この開始信号は、一般的に使用されているものである。
【0096】
その後、受信部120が、送信した開始信号に対する応答である応答信号を受信したかどうかを判別する(ステップS42)。
【0097】
受信部120が応答信号を受信すると、配信部112は、受信装置200−1〜200−nへ配信するデータファイルを複数のパケットデータに分割し、分割したパケットデータそれぞれにシーケンス番号等の識別情報を付与する。また、配信部112は、その分割した複数のパケットデータから構成されるデータファイルの先頭に、空のパケットデータを付与する(ステップS43)。
【0098】
続いて、配信部112は、空のパケットデータが付与されたデータファイルを受信装置200−1〜200−nへ配信する(ステップS44)。ここで、配信されるデータファイルの構造は、第2の実施の形態で説明したものと同じものである。
【0099】
配信部112がデータファイルを配信した後、受信部120は、あらかじめ設定された時間が経過した後(ステップS45)、受信装置200−1〜200−nからの受信完了通知を受信したかどうかを判別する(ステップS46)。ここで、このあらかじめ設定された時間は、第1の実施の形態で説明したものと同じである。
【0100】
ステップS46にて、受信装置200−1〜200−nからの受信完了通知を受信した場合、処理は終了する。
【0101】
一方、ステップS46にて、受信装置200−1〜200−nからの受信完了通知を受信していない場合、配信部112は、配信したデータファイルのみ、つまり空のパケットデータが付与されていないデータファイルを受信装置200−1〜200−nへ再配信し、受信部120が受信完了通知を受信するまで、ステップS44〜S46の処理を繰り返す。
【0102】
また、本形態における通信方法のうち、
図13に示した受信装置200−1〜200−nの処理は、第1の実施の形態で説明したものと同じである。
【0103】
このように、第3の実施の形態においては、UDPのプロトコルを用いてデータファイルを配信するマルチキャスト通信において、配信されたデータファイルを確実に受信装置へ届かせることができる。
【0104】
上述した配信装置100〜102、受信装置200−1〜200−n,201−1〜201−nそれぞれに設けられた各構成要素が行う処理は、目的に応じてそれぞれ作製された論理回路で行うようにしても良い。また、処理内容を手順として記述したコンピュータプログラム(以下、プログラムと称する)を配信装置100〜102、受信装置200−1〜200−n,201−1〜201−nそれぞれにて読取可能な記録媒体に記録し、この記録媒体に記録されたプログラムを配信装置100〜102、受信装置200−1〜200−n,201−1〜201−nそれぞれに読み込ませ、実行するものであっても良い。配信装置100〜102、受信装置200−1〜200−n,201−1〜201−nそれぞれにて読取可能な記録媒体とは、フロッピー(登録商標)ディスク、光磁気ディスク、DVD、CDなどの移設可能な記録媒体の他、配信装置100〜102、受信装置200−1〜200−n,201−1〜201−nそれぞれに内蔵されたROM、RAM等のメモリやHDD等を指す。この記録媒体に記録されたプログラムは、配信装置100〜102、受信装置200−1〜200−n,201−1〜201−nそれぞれに設けられたCPU(不図示)にて読み込まれ、CPUの制御によって、上述したものと同様の処理が行われる。ここで、CPUは、プログラムが記録された記録媒体から読み込まれたプログラムを実行するコンピュータとして動作するものである。