(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6143197
(24)【登録日】2017年5月19日
(45)【発行日】2017年6月7日
(54)【発明の名称】負熱膨張性材料
(51)【国際特許分類】
C01G 53/00 20060101AFI20170529BHJP
C08L 101/00 20060101ALI20170529BHJP
C08K 3/22 20060101ALI20170529BHJP
【FI】
C01G53/00 A
C08L101/00
C08K3/22
【請求項の数】4
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2014-531487(P2014-531487)
(86)(22)【出願日】2013年7月23日
(86)【国際出願番号】JP2013004479
(87)【国際公開番号】WO2014030293
(87)【国際公開日】20140227
【審査請求日】2016年5月25日
(31)【優先権主張番号】特願2012-182477(P2012-182477)
(32)【優先日】2012年8月21日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】304021417
【氏名又は名称】国立大学法人東京工業大学
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(74)【代理人】
【識別番号】100109047
【弁理士】
【氏名又は名称】村田 雄祐
(74)【代理人】
【識別番号】100109081
【弁理士】
【氏名又は名称】三木 友由
(74)【代理人】
【識別番号】100133215
【弁理士】
【氏名又は名称】真家 大樹
(72)【発明者】
【氏名】東 正樹
(72)【発明者】
【氏名】岡 研吾
(72)【発明者】
【氏名】坂口 智可
(72)【発明者】
【氏名】奈部谷 光一郎
(72)【発明者】
【氏名】村松 裕也
【審査官】
壷内 信吾
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2006/028005(WO,A1)
【文献】
特開2007−194429(JP,A)
【文献】
特開2012−056830(JP,A)
【文献】
国際公開第2010/101153(WO,A1)
【文献】
特開2010−029990(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C01G25/00−47/00,49/10−99/00
CAplus/REGISTRY(STN)
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
負の熱膨張性を有する負熱膨張性材料であって、
下記一般式(1)で表される化合物を含むことを特徴とする負熱膨張性材料。
BiNi1−xMxO3・・・(1)
(1)式中、MはAl,V,Cr,Mn,Fe,Co,Gaからなる群より選ばれる金属元素である。また、xは0.02≦x≦0.50を満たす。
【請求項2】
MがAl,Fe,Cr,Gaからなる群より選ばれる請求項1に記載の負熱膨張性材料。
【請求項3】
Biの一部がRでさらに置換された下記一般式(2)で表される化合物を含む請求項1または2に記載の負熱膨張性材料。
Bi1−yRyNi1−xMxO3・・・(2)
(2)式中、RはLa、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Yからなる群より選ばれる金属元素である。また、yは0<y<0.05を満たす。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の負熱膨張性材料と樹脂材料とを混合した複合体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、負の熱膨張性を有する材料に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、LSI製造などのナノテクノロジーの発展に伴い、熱膨張による位置決めの狂いが問題になっている。この問題に対処するため、温めると縮む性質、すなわち負の熱膨張性を有する材料が樹脂に分散されたゼロ膨張材料の開発が進められている。
【0003】
従来、負の熱膨張性を有する材料としては、ペロブスカイト構造を有するBiNiO
3のうち、Biの一部をLaで置換したBi
1−yLa
yNiO
3で表される負熱膨張性材料が既存材料の3倍もの負の熱膨張を示し、多くの樹脂の熱膨張係数(たとえば、数10〜100ppm/℃)に見合った負の熱膨張係数を有することが発見されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】SPring−8 利用者情報/2011年11月 P.261
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した負熱膨張性材料では、Biの一部を置換するために、高価な希土類元素であるLaが用いられているため、製造コストが高くなるという課題があった。希土類元素には供給が不安定であるという問題もある。また、Biの一部をLaで置換した負熱膨張性材料は温度ヒステリシスが大きいため、ゼロ膨張材料を形成する際に負熱膨張性材料の温度ヒステリシスに応じた樹脂の材料選択が必要となるという課題があった。
【0006】
本発明はこうした課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、製造コストがより安価で原料供給の不安が少ない負熱膨張性材料の提供にある。また、本発明の他の目的は、温度ヒステリシスが抑制された負熱膨張性材料の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のある態様は、負の熱膨張性を有する負熱膨張性材料であって、下記一般式(1)で表される化合物を含むことを特徴とする。
BiNi
1−xM
xO
3・・・(1)
(1)式中、Mは3価イオンとなり得る金属元素である。また、xは0.02≦x≦0.50を満たす。
【0008】
上記態様の負熱膨張性材料において、MがAl,Sc,Ti,V,Cr,Mn,Fe,Co、Ga,Nb、Ru,Rh,Inからなる群より選ばれてもよい。
【0009】
また、Biの一部がRでさらに置換された下記一般式(2)で表される化合物を含んでもよい。
Bi
1−yR
yNi
1−xM
xO
3・・・(2)
(2)式中、Rは3価イオンにのみなり得る金属元素である。また、yは0<y<0.50を満たす。この場合、RがLa、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Yなる群より選ばれてもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、製造コストがより安価で原料供給の不安が少なく、温度ヒステリシスが抑制された負熱膨張性材料が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施例1〜9の各負熱膨張性材料の平均体積の温度依存性を示すグラフである。
【
図2】実施例3、実施例10および比較例1の各負熱膨張性材料の平均体積の温度依存性を示すグラフである。
【
図3】実施例11の樹脂複合材の熱膨張率の温度依存性を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(実施形態1)
実施形態1に係る負熱膨張性材料は、母物質のBiNiO
3において、Niの一部が3価が安定な金属元素Mで置換された化合物である。具体的には、実施形態1に係る負熱膨張性材料は、下記一般式(1)で表される化合物を含む。
BiNi
1−xM
xO
3・・・(1)
(1)式中、Mは3価イオンとなり得る金属元素であり、好ましくは、3価が他の価数よりも安定な金属元素である。具体的には、MはAl,Sc,Ti,V,Cr,Mn,Fe,Co、Ga,Nb、Ru,Rh,Inからなる群より選ばれる。また、(1)式中、xは0.02≦x≦0.50を満たす。本実施形態に係る負熱膨張性材料は、所定の温度範囲(たとえば、300-390K)において−40ppm/℃以上の負の熱膨張を示す。なお、xが0.02より小さいと、十分な負の熱膨張性を得ることができない。
【0013】
上記一般式(1)で表される化合物の母物質であるBiNiO
3は、Bi
3+0.5Bi
5+0.5Ni
2+O
3という特徴的な価数状態を持つペロブスカイト酸化物である。ペロブスカイト構造では、Ni−O結合が構造の骨格を作っており、Biはその隙間を埋めている。Niの一部を3価が安定な金属元素で置換することにより、Bi
3+0.5Bi
5+0.5Ni
2+O
3という価数状態が不安定化する。この結果、昇温によってBi
3+(Ni,M)
3+O
3という価数状態への変化が生じ、Ni
2+からNi
3+への価数変化に伴ってNi−Oが収縮すると、全体の体積が収縮する。すなわち、本実施形態に係る負熱膨張性材料によって負の熱膨張が実現される。
【0014】
本実施形態の負熱膨張性材料によれば、高価な希土類元素を用いることなく、より安価で供給の不安が少ない金属元素を用いることにより、負熱膨張性材料の製造コストを低減することができる。さらに、本実施形態の負熱膨張性材料では、Biの一部をLaで置換したBi
1−yLa
yNiO
3で表される負熱膨張性材料で生じるような温度ヒステリシスを抑制することができる。
【0015】
本実施の形態の負熱膨張性材料をエンジニアリングプラスチックなどの樹脂材料中に分散させ、樹脂材料の熱膨張が負熱膨張性材料の負の熱膨張で相殺するように材料の選択や各成分の含有量を設定することにより、ゼロ熱膨張材料を得ることができる。
【0016】
(負熱膨張性材料の作製方法)
上記一般式(1)で表される化合物の作製方法は特に限定されないが、各金属元素が均一に固溶した複合金属酸化物を合成して任意の形状に成形できる方法であると好ましい。例えば、Bi、M、Niの各酸化物を目的物と同じモル比で混合して高圧(例えば2GPa以上)を付与しながら焼結すると、各金属元素が均一に固溶した複合金属酸化物が得られる。得られた酸化物を粉砕してから、成形して前記焼結の温度以下で焼き固めると、上記一般式(1)で表される化合物からなる熱膨張抑制部材が得られる。この他、本実施の形態に係る負熱膨張性材料は、上述した作製方法に限られず、スパッタ法、化学溶液法、レーザアブレ−ション法などによる、単結晶基板上の薄膜育成によっても作製することができる。
【0017】
(実施形態2)
実施形態2に係る負熱膨張性材料は、母物質のBiNiO
3において、実施形態1と同様にNiの一部が3価イオンとなり得る金属元素Mで置換され、かつ、Biの一部が3価のみを取り得る金属元素Rで置換された化合物である。具体的には、実施形態2に係る負熱膨張性材料は、下記一般式(2)で表される化合物を含む。
Bi
1−yR
yNi
1−xM
xO
3・・・(2)
(2)式中、Mは3価イオンとなり得る金属元素であり、好ましくは、3価が他の価数よりも安定な金属元素である。具体的には、MはAl,Sc,Ti,V,Cr,Mn,Fe,Co、Ga,Nb、Ru,Rh,Inからなる群より選ばれる。xは0.02≦x≦0.50を満たす。Rは3価イオンにのみなり得る金属元素である。RはLa、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Yなる群より選ばれる。また、yは0<y<0.05を満たす。本実施形態に係る負熱膨張性材料は、金属元素Rの含有量を低減しつつ、実施形態1と同様に負の熱膨張を示す。さらに、本実施形態では、MおよびRの比率を調節することにより、負の熱膨張を示す温度領域をBiの一部のみを置換した場合と、Niの一部のみを置換した場合との間の温度領域に設定することができる。また、本実施の形態では、負の熱膨張を示す温度領域を、Biの一部のみを置換した場合と、Niの一部のみを置換した場合に比べて、広げることができる。このため、ゼロ熱膨張材料を作製する際に、樹脂材料の選択の幅を広げたり、より幅広い温度範囲でゼロ膨張を実現できるといった効果を奏する。
【0018】
(実施形態3)
実施形態3に係る負熱膨張性複合体は、上述したいずれかの実施形態の負熱膨張性材料と樹脂材料とを混合した複合体である。樹脂材料は特に限定されないが、たとえば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネートなどが挙げられる。負熱膨張性材料と樹脂材料との混合比(体積比)は、使用する負熱膨張性材料および樹脂材料の熱膨張係数にもよるが、たとえば、5:95〜80:20である。本実施形態によれば、樹脂材料の正の熱膨張が負熱膨張性材料の負の熱膨張によって相殺されることにより、温度変化に対する寸法変化の割合が小さい材料が提供される。
【実施例】
【0019】
以下、本発明の実施例を説明するが、これら実施例は、本発明を好適に説明するための例示に過ぎず、なんら本発明を限定するものではない。
【0020】
(実施例1:BiNi
1−xM
xO
3(M=Al、x=0.05))
Bi
2O
3(3.7040g)、Ni(0.9822g)、Al(NO
3)
3・9H
2O(0.3139g)を35%硝酸溶液50mlに溶解し、スターラーで撹拌しながら蒸発乾固させた。得られた粉体を空気中で750℃で熱処理し、酸化物の混合粉とした後、酸化剤として働く過塩素酸カリウムを20質量%混ぜ込み、金カプセルに封入した。このカプセルを高圧合成装置を用いて、6万気圧、1000℃の条件下で30分間処理した。得られた試料を水洗して塩化カリウムを除去して負熱膨張性材料を得た。
【0021】
(実施例2:BiNi
1−xM
xO
3(M=Al、x=0.10))
Niを0.8169gを用い、Al(NO
3)
3・9H
2Oを0.6278g用いて、Alの比率xを0.10としたことを除いて、実施例1と同様な手順にて負熱膨張性材料を得た。
【0022】
(実施例3:BiNi
1−xM
xO
3(M=Ga、x=0.05))
Al(NO
3)
3・9H
2Oに代えてGa
2O
3を0.0798g用いて、Gaの比率xを0.05としたことを除いて、実施例1と同様な手順にて負熱膨張性材料を得た。
【0023】
(実施例4:BiNi
1−xM
xO
3(M=Ga、x=0.10))
Niを0.9068gを用い、Al(NO
3)
3・9H
2Oに代えてGa
2O
3を0.1596g用いて、Gaの比率xを0.10としたことを除いて、実施例1と同様な手順にて負熱膨張性材料を得た。
【0024】
(実施例5:BiNi
1−xM
xO
3(M=Cr、x=0.05))
Al(NO
3)
3・9H
2Oに代えてCr
2O
3を0.06490g用いて、Crの比率xを0.05としたことを除いて、実施例1と同様な手順にて負熱膨張性材料を得た。
【0025】
(実施例6:BiNi
1−xM
xO
3(M=Fe、x=0.05))
Al(NO
3)
3・9H
2Oに代えてFe(NO
3)
3・9H
2Oを0.3269g用いて、Feの比率xを0.05としたことを除いて、実施例1と同様な手順にて負熱膨張性材料を得た。
【0026】
(実施例7:BiNi
1−xM
xO
3(M=Fe、x=0.10))
Niを0.9068g用い、Al(NO
3)
3・9H
2Oに代えてFe(NO
3)
3・9H
2Oを0.6538g用いて、Feの比率xを0.10としたことを除いて、実施例1と同様な手順にて負熱膨張性材料を得た。
【0027】
(実施例8:BiNi
1−xM
xO
3(M=Fe、x=0.15))
Niを0.8788g用い、Al(NO
3)
3・9H
2Oに代えてFe(NO
3)
3・9H
2Oを0.9807g用いて、Feの比率xを0.15としたことを除いて、実施例1と同様な手順にて負熱膨張性材料を得た。
【0028】
(実施例9:BiNi
1−xM
xO
3(M=Co、x=0.05))
Al(NO
3)
3・9H
2Oに代えてCo(NO
3)
2・6H
2Oを0.2399g用いて、Coの比率xを0.05としたことを除いて、実施例1と同様な手順にて負熱膨張性材料を得た。
【0029】
(実施例10:Bi
1−yR
yNi
1−xM
xO
3(R=La、y=0.05、M=Ga、x=0.05))
Al(NO
3)
3・9H
2Oに代えてGa
2O
3を0.0808g用いて、Gaの比率xを0.05とし、さらに、Bi
2O
3を3.8170gとし、La
2O
3(0.1405g)を用いて、Laの比率yを0.05としたことを除いて、実施例1と同様な手順にて負熱膨張性材料を得た。
【0030】
(比較例1:Bi
1−yR
yNiO
3(R=La、y=0.05))
Bi
2O
3を3.8402gとし、La
2O
3(0.1413g)を用いてLaの比率yを0.05し、かつ、Ni(1.0185g)を用いて、Mを用いない点を除いて、実施例1と同様な手順にて負熱膨張性材料を得た。
【0031】
実施例1〜10、比較例1の各負熱膨張性材料について、粉末X線回折装置(ブルカー社製D8 ADVANCE)により温度を変えながら格子定数を見積もり、単位胞当たりの平均体積を算出した。
図1に、実施例1〜9の各負熱膨張性材料の平均体積の温度依存性を示す。また、
図2に、実施例3、実施例10および比較例1の各負熱膨張性材料の平均体積の温度依存性を示す。表1に実施例1〜10、比較例1の各負熱膨張性材料の線熱膨張係数を示す。
【表1】
【0032】
図1および
図2に示すように、実施例1〜10では、Niの一部を3価イオンとなり得る金属元素Mで置換することにより、比較例1のように希土類元素であるLaを用いずに、あるいはLaの量を減らした状態で、比較例1と同様に負の熱膨張を起こすことを確認した。さらに、実施例7、9では、比較例1と比べて温度ヒステリシスが小さくなることが確認された。
【0033】
また、BiおよびNiの一部を同時置換した実施例10では、負の熱膨張を示す温度領域がBiの一部のみをLaで置換した比較例1と、Niの一部のみをGaで置換した実施例3の負の熱膨張を示す温度領域の間に位置することが確認された。BiおよびNiをともに置換し、MおよびRの比率を調節することにより、負の熱膨張を示す温度領域を所望の領域に設定できることが示唆された。また、比較例1では、負の熱膨張の温度ヒステリシスが30Kであるのに対して、実施例9では、負の熱膨張の温度ヒステリシスが15Kに減少すること確認された。
【0034】
(実施例11)
実施例8の負熱膨張性材料と、ビスフェノール型のエポキシ樹脂(ナミックス社製)とを体積比20:80にて混合し、樹脂複合体を作製した。この樹脂複合体の熱膨張率の温度依存性を歪みゲージを用いて計測した。
図3に、実施例11の樹脂複合材の熱膨張率の温度依存性を示す。エポキシ樹脂単体の熱膨張係数は80ppm/Kである。これに対して、実施例11の樹脂複合材では、室温近傍での熱膨張係数は−8.4ppm/Kであり、負の値を示すことが確認された。このことから、負熱膨張性材料の添加量を17体積%にすれば、熱膨張がゼロになると推察される。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明は、負の熱膨張性を有する材料に利用可能である。