(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の第1実施形態に係る洗浄機構及び洗浄ブロー装置について、図面を参照して説明する。なお、本実施形態では、洗浄機構が洗浄ブロー装置に適用された構成を一例として挙げるとともに、当該構成の中で洗浄機構を説明する。
【0025】
図1乃至
図3に示すように、洗浄ブロー装置10は、筐体12を備えている。筐体12の内部には、所定の容積を有する空間部14が形成されている。当該空間部14には、下記に示す洗浄室16、エアブロー発生室18、接続流路20、洗浄液排水室22、ミスト除去室24等の複数の部屋及び流路が連通可能に形成されている。
【0026】
(洗浄室)
先ず、洗浄室16について説明する。
【0027】
空間部14の一部の領域には、洗浄室16が形成されている。洗浄室16の内部には、例えば、ワークWを把持する把持部26と、ワークWに洗浄液を供給するための洗浄機構と、が収容されている。
【0028】
ワークWとは、洗浄対象物であり、一例として自動車の部品等が該当する。洗浄室16では、ワークWが洗浄液等によって洗浄され、例えばワークWの表面、鋳物中子孔の内部及びネジ穴の内部等に残留した切粉あるいは切削油等の異物が除去される。
【0029】
把持部26は、例えば、ワークWを固定するための治具である。治具は、所定の把持機構を有しており、ワークWを固定しあるいはワークWの固定を解除することが可能である。治具は、所定の回転軸(図示省略)の軸回りに回転可能に構成されており、ワークWを把持した状態でワークWを回転軸の軸回りに回転させることができる。
【0030】
洗浄機構は、ワークWに対して洗浄液を噴射する複数の洗浄ノズル30と、洗浄ノズル30に洗浄液を供給する洗浄ヘッダ28と、を有している。洗浄ヘッダ28は、例えば、洗浄室16の壁に固定されている固定式のものと、軸方向に可動する可動式のものと、がある。また、洗浄ヘッダ28は、例えば、洗浄室16の内部に配置された構成と、洗浄室16あるいは筐体12の外部に配置された構成と、がある。
【0031】
ここで、
図4及び
図5に示すように、洗浄ヘッダ28には、複数の洗浄ノズル30が設けられている。また、洗浄ヘッダ28の内部には、洗浄ノズル30に連通する流通空間部90が形成されている。流通空間部90には、洗浄液が流通する。
【0032】
洗浄ヘッダ28には、例えば、流通空間部90と連通し洗浄液が流通空間部90に流入する洗浄液流入管92と、流通空間部90と連通し流通空間部90から排水された洗浄液が流入する洗浄液排水管94と、が接続されている。
【0033】
ここで、洗浄液流入管92には、洗浄液の流入用バルブ96が設けられている。また、洗浄液排水管94には、洗浄液の排水用バルブ98が設けられている。
【0034】
また、洗浄液流入管92及び洗浄液排水管94は、洗浄ヘッダ28に1本の管状部材を接続し、途中で分岐させる構成も可能である。この構成では、1本の管状部材の分岐点に切替バルブ等を設け、制御部80で切替バルブ等の動作を制御してもよい。
【0035】
なお、本実施形態の「排水用バルブ98」は、本発明の「排水弁」の一実施態様である。
【0036】
流入用バルブ96及び排水用バルブ98は、洗浄室16の外部、さらに好ましくは筐体12の外部に配置されていることが好ましい。流入用バルブ96及び排水用バルブ98は筐体12の内部に配置する構成も可能であるが、これらが筐体12の外部に配置されることにより、洗浄室16でワークWを洗浄するときあるいはワークWに対してエアを吹き付けるときに、流入用バルブ96及び排水用バルブ98が洗浄あるいはエアブローの妨げになることがなく、同時に洗浄室16及び筐体12の小型化が可能になる。
【0037】
なお、洗浄ヘッダ28を洗浄室16の外部、さらに好ましくは筐体12の外部に配置されている構成を採用してもよい。洗浄ヘッダ28が洗浄室16あるいは筐体12の内部に配置されている構成も可能であるが、洗浄ヘッダ28が洗浄室16あるいは筐体12の外部に配置されることにより、洗浄室16あるいは筐体12の小型化が可能になる。
【0038】
特に、洗浄ヘッダ28が洗浄室16の外部に配置されている構成では、洗浄ノズル30の少なくとも一部(例えば、先端部など)だけが洗浄室16の内部側に位置し、ワークWに対する洗浄液の噴射が可能になる。
【0039】
図3に示すように、流入用バルブ96及び排水用バルブ98の開閉動作は、制御部80により制御されることが好ましい。
【0040】
特に、制御部80は、ワークWに対して洗浄液を噴射して洗浄する洗浄工程の終了後から、次に実行されるワークWに対してエアブローを当てることによりワークWに付着した水分を除去するエアブロー工程、が開始するまでの間に、流通空間部90に残留した洗浄液L(
図4参照、以下、適宜「残留洗浄液L」と称する)を洗浄液排水管94から流通空間部90あるいは洗浄ヘッダ28の外部へ排水するように排水用バルブ98の開閉動作を制御する。これにより、流通空間部90に残留した残留洗浄液Lがエアブローの力により引っ張られて洗浄ノズル30から出て、ワークWに付着することを防止できる。
【0041】
なお、制御部80は、ワークWに対して洗浄液を噴射して洗浄する洗浄工程の開始時に、洗浄液が流通空間部90に流入するように流入用バルブ96の開閉動作を制御してもよい。
【0042】
また、
図6に示すように、洗浄ヘッダとエアブローヘッダとが一体となった一体型ヘッダ29を用いた構成も適用できる。一体型ヘッダ29の内部には流通空間部90が形成されており、当該流通空間部90の所定の位置に仕切り部91が設けられ、一方が洗浄用空間部90A、他方がエアブロー用空間部90Bとして水密に区画形成されている。この構成では、エアブロー用空間部90Bに連通するエア流入管95が接続されており、エア流入管95には例えば流体制御バルブ97が接続されている。
【0043】
図6に示す構成では、洗浄用空間部90Aに残留した残留洗浄液Lが排水用バルブ98により一体型ヘッダ29の外部へ排水可能になる。
【0044】
なお、洗浄ヘッダ28をエアブローヘッダとして兼用する構成も可能である。この構成では、ワークWの洗浄時には洗浄ヘッダとして利用し、ワークWに対するエアブローの時にはエアブローヘッダとして利用することが可能である。例えば、洗浄ヘッダとして利用後、エアブローヘッダとして利用するまでの間に、流通空間部90の残留洗浄液Lがヘッダの外部に排水される。
【0045】
本実施形態の洗浄機構によれば、
図4及び
図5に示すように、流通空間部90に残留した残留洗浄液Lが排水用バルブ98により流通空間部90あるいは洗浄ヘッダ28の外部に排水される。これにより、流通空間部90に残留した残留洗浄液Lを除去できる。この結果、流通空間部90に残留した残留洗浄液Lが洗浄ノズル30から出て、洗浄後のワークWに付着することを防止できる。
【0046】
特に、洗浄液排水管94は、洗浄ヘッダ28の鉛直方向下側の部位に接続されていることが好ましい。これにより、流通空間部90に残留した残留洗浄液Lが重力の影響を受けて洗浄液排水管94に導かれ易くなり、残留洗浄液Lの排水効果が高くなる。
【0047】
洗浄室16又はその近傍には、第1切替ダンパー部32が設けられている。第1切替ダンパー部32は、ワークWの洗浄時において洗浄室16の側壁として機能するとともに、ワークWに対してエアブローを作用させる時(エアブロー工程時)にはエアブロー流路88を形成する流路壁の一部として機能する。この結果、第1切替ダンパー部32が2つの機能を兼備することになり、部品点数及び製造コストを削減でき、ひいては洗浄ブロー装置10の小型化を実現できる。
【0048】
第1切替ダンパー部32は、平板状に形成された第1切替ダンパー本体部34と、第1切替ダンパー本体部34を支持する第1切替ダンパー支持部36と、を有している。第1切替ダンパー支持部36は、回転軸40に接続されている。回転軸40が軸回りに回転することにより、第1切替ダンパー本体部34が洗浄室16の側壁として機能する位置(第1の位置)に導かれ(
図1参照)、あるいはエアブロー流路88の流路壁の一部として機能する位置(第2の位置)に導かれる(
図2参照)。
【0049】
第1切替ダンパー本体部34は、駆動源82(
図3参照)の駆動力を受けて回転軸40の軸回りに回転可能に設けられている。ここで、駆動源82は、第1切替ダンパー本体部34に対して駆動力を直接付与する構成でもよいし、あるいは第1切替ダンパー支持部36に対して駆動力を直接付与する構成でもよい。さらには、駆動源82は、回転軸40に対して駆動力を直接付与して、回転軸40を回転駆動させる構成でもよい。
【0050】
駆動源82として、例えば、エアーシリンダが用いられるが、油圧シリンダあるいはモータ、その他の駆動源を用いてもよい。
【0051】
ここで、「第1切替ダンパー部32が洗浄室16の側壁として機能する」の解釈については、第1切替ダンパー部32が洗浄室16の側壁の全部または少なくとも一部を構成するという意味である。
【0052】
詳細には、第1切替ダンパー部32の第1切替ダンパー本体部34が洗浄室16の側壁の全部または少なくとも一部を構成する。第1切替ダンパー本体部34が洗浄室16の側壁の少なくとも一部を構成する場合とは、例えば、洗浄室16の側壁に開口部が形成されており、第1切替ダンパー本体部34が当該開口部を開閉する構成が該当する。第1切替ダンパー本体部34が当該開口部を閉塞した場合には、洗浄室16の側壁に隙間が無くなり、洗浄室16に洗浄液を貯溜することができる。一方、第1切替ダンパー本体部34が当該開口部を開放した場合には、洗浄室16の側壁の開口部がそのまま露出して、洗浄室16がエアブロー流路88の一部として機能する。
【0053】
また、第1切替ダンパー部32が洗浄室16の側壁の全部を構成する場合とは、例えば、第1切替ダンパー部32の第1切替ダンパー本体部34が洗浄室16の側壁全体を構成するものである。この場合、第1切替ダンパー本体部34は、第1の位置で洗浄室16の側壁として洗浄室16を水密に区画形成し、第2の位置で洗浄室16の区画形成を崩して洗浄室16の内部を開放する。
【0054】
洗浄室16又はその近傍には、排水ダンパー部42が設けられている。排水ダンパー部42は、ワークWの洗浄時において洗浄室16の底壁として機能するとともに、ワークWに対してエアブローを作用させる時にはエアブロー流路88を形成する流路壁の一部として機能する。これにより、排水ダンパー部42が2つの機能を兼備することになり、部品点数及び製造コストを削減でき、ひいては装置の小型化を実現できる。
【0055】
排水ダンパー部42は、平板状に形成された排水ダンパー本体部44と、排水ダンパー本体部44を支持する排水ダンパー支持部46と、を有している。排水ダンパー支持部46は、回転軸48に接続されている。回転軸48が軸回りに回転することにより、排水ダンパー本体部44が洗浄室16の底壁として機能する位置(第1の位置)に導かれ(
図1参照)、あるいはエアブロー流路88の流路壁の一部として機能する位置(第2の位置)に導かれる(
図2参照)。
【0056】
排水ダンパー本体部44は、駆動源84(
図3参照)の駆動力を受けて回転軸48の軸回りに回転可能に設けられている。駆動源84は、排水ダンパー本体部44に対して駆動力を直接付与する構成でもよいし、あるいは排水ダンパー支持部46に対して駆動力を直接付与する構成でもよい。さらには、駆動源84は、回転軸48に対して駆動力を直接付与して、回転軸48を回転駆動させる構成でもよい。
【0057】
駆動源84として、例えば、エアーシリンダが用いられるが、油圧シリンダあるいはモータ、その他の駆動源を用いてもよい。
【0058】
ここで、「排水ダンパー部42は、洗浄室16の底壁として機能する」の解釈については、排水ダンパー部42が洗浄室16の底壁の全部または少なくとも一部を構成するという意味である。
【0059】
詳細には、排水ダンパー部42の排水ダンパー本体部44が洗浄室16の底壁の全部または少なくとも一部を構成する。排水ダンパー本体部44が洗浄室16の底壁の少なくとも一部を構成する場合とは、例えば、洗浄室16の底壁に開口部が形成されており、排水ダンパー本体部44が当該開口部を開閉する構成が該当する。排水ダンパー本体部44が当該開口部を閉塞した場合には、洗浄室16の底壁に隙間が無くなり、洗浄室16に洗浄液を貯溜することができる。一方、排水ダンパー本体部44が当該開口部を開放した場合には、洗浄室16の底壁の開口部がそのまま露出して、洗浄室16がエアブロー流路88の一部として機能する。
【0060】
また、排水ダンパー部42が洗浄室16の底壁の全部を構成する場合とは、例えば、排水ダンパー部42の排水ダンパー本体部44が洗浄室16の底壁全体を構成するものである。この場合、排水ダンパー本体部44は、第1の位置で洗浄室16の底壁として洗浄室16を水密に区画形成し、第2の位置で洗浄室16の区画形成を崩して洗浄室16の内部を開放する。
【0061】
図1に示すように、洗浄室16には、筐体12の側壁と、第1切替ダンパー部32と、排水ダンパー部42と、により区画可能な洗浄槽38が形成され、当該洗浄槽38の内部で洗浄液を用いたワークWの洗浄が実行される。
【0062】
(エアブロー発生室)
次に、エアブロー発生室18について説明する。
【0063】
空間部14の一部の領域には、エアブロー発生室18が形成されている。エアブロー発生室18は、洗浄室16を基準としてエアブローの流れる方向における上流側の位置に形成されている。エアブロー発生室18の内部には、例えば、洗浄室16の把持部26に把持されたワークWに対してエアブローを発生させるエア供給源50が収容されている。
【0064】
なお、エア供給源50として、例えば、モータ等の駆動源(図示省略)により軸回りに回転するファン等が採用される。
【0065】
ここで、エアブロー発生室18の開口部は、水平方向に対して所定の傾斜角度だけ傾斜して設けられている。すなわち、エアブロー発生室18は、水平方向に対して所定の傾斜角度だけ傾斜したエアブロー傾斜上壁52と、エアブロー傾斜上壁52に対して略平行に形成されたエアブロー傾斜下壁54と、を有している。エアブロー傾斜上壁52及びエアブロー傾斜下壁54は、エアブロー流路88の流路壁の一部として機能する。
【0066】
具体的には、エアブロー発生室18の開口部は、ミスト除去室24側から洗浄室16側に向かって下り傾斜となるように形成されている。換言すれば、洗浄室16側を基準として、エアブロー発生室18は、洗浄室16側から離間する方向に向かって上り傾斜するように形成されている。
【0067】
また、エアブロー傾斜上壁52は、ミスト除去室24側から洗浄室16側に向かって下り傾斜となるように形成されている。換言すれば、エアブロー傾斜上壁52は、洗浄室16側を基準として、洗浄室16側から離間する方向に沿って上り傾斜するように形成されている。
【0068】
エアブロー傾斜下壁54に上記エア供給源50が設置された状態では、エア供給源50の回転中心となる回転軸51も水平方向に対して所定の傾斜角度だけ傾斜する。このため、エア供給源50によって発生したエアブローが把持部26で把持されているワークWに対して集中的に当てられ、ブロー効果を高めることができる。
【0069】
上記エア供給源50によって発生したエアブローは、エアブロー傾斜上壁52に沿ってワークW側へ流れていくため、エアブロー傾斜上壁52が傾斜していることにより、ワークWに当るエアブローの流量が増大する。これにより、ワークWに対するブロー効果を高めることができる。
【0070】
また、エアブロー発生室18は、上述した通り、水平方向に対して所定の傾斜角度だけ傾斜して設けられているため、洗浄室16で洗浄に使用される洗浄液が洗浄室16の洗浄槽38から溢れ出した場合等において、洗浄液のエアブロー発生室18に対する浸入を阻止する。すなわち、洗浄液がエアブロー発生室18に浸入する場合にはエアブロー傾斜下壁54を上っていく必要があるが、重力の影響を受けて、洗浄液が落下する。このため、洗浄液がエアブロー発生室18に浸入し難くなるとともに、たとえエアブロー発生室18に洗浄液が浸入した場合でも、エアブロー発生室18の外部へ容易に排水することができる。
【0071】
(接続流路)
次に、接続流路20について説明する。
【0072】
また、空間部14の一部の領域には、接続流路20が設けられている。接続流路20は、エアブロー発生室18と洗浄室16とを接続するとともに、エアブローが流通するためのエアブロー流路88として機能する。接続流路20は、洗浄室16を基準として、エアブローの流れる方向の上流側に位置している。
【0073】
接続流路20又はその近傍には、第2切替ダンパー部56が設けられている。第2切替ダンパー部56は、
図1に示すように、ワークWの洗浄時において、第1の位置で洗浄液のエアブロー発生室18への浸入を阻止するための浸入防止壁として機能する。また、第2切替ダンパー部56は、
図2に示すように、ワークWに対してエアブローを作用させる時において、第2の位置でエアブロー流路88を形成する流路壁の一部として機能する。これにより、第2切替ダンパー部56が2つの機能を兼備することになり、部品点数及び製造コストを削減でき、ひいては装置の小型化を実現できる。
【0074】
第2切替ダンパー部56は、例えば、平板状に形成された第2切替ダンパー本体部58と、錘部59と、を有している。
【0075】
第2切替ダンパー本体部58は、回転軸60に接続されている。回転軸60が軸回りに回転することにより、第2切替ダンパー本体部58がエアブロー発生室18の開口部の少なくとも一部を遮る浸入防止壁として機能する位置(第1の位置)に導かれ(
図1参照)、あるいはエアブロー流路88の流路壁の一部として機能する位置(第2の位置)に導かれる(
図2参照)。
【0076】
錘部59は、第2切替ダンパー本体部58がエア供給源50によって発生したエアブローの風圧を受けない状態で、第2切替ダンパー本体部58が第1の位置で常に停止するようにするためのウエイトバランサとして機能する。
【0077】
第2切替ダンパー本体部58は、ワークWに対してエアブローを作用させる時においてエア供給源50によって発生したエアブローの風圧を受けて錘部59の重力に対抗しながら回転軸60の軸回りに回転する。換言すれば、エア供給源50によって発生したエアブローの風圧を利用して、第2切替ダンパー本体部58が第1の位置から第2の位置へ移動する。これにより、第2切替ダンパー本体部58を駆動するための駆動源を別途設ける必要がなくなり、部品点数及び製造コストの削減を図り、装置を小型化できる。
【0078】
なお、第2切替ダンパー本体部58は、ワークWの洗浄時等のようにエアブローの風圧を受けていない時には、錘部59の自重の作用により回転軸60の軸回りに回転し第2の位置から第1の位置に移動する。そして、第2切替ダンパー本体部58は、第1の位置でエアブロー発生室18への浸入防止壁として機能する。
【0079】
当然ながら、第2切替ダンパー部56は、第1切替ダンパー部32の構成と同様に構成されていてもよい。この場合には、駆動源を別途設ける構成になるため、第2切替ダンパー部56の回転駆動に関する自動制御が可能になる。
【0080】
接続流路20は、エア供給源50によって発生したエアブローを把持部26に把持されたワークWに対して導くための接続傾斜壁62を有している。接続傾斜壁62は、エアブロー発生室18側から洗浄室16側に向かって下り傾斜となるように形成されている。換言すれば、接続傾斜壁62は、洗浄室16側を基準として、洗浄室16側から離間する方向に沿って上り傾斜するように形成されている。これにより、エア供給源50によって発生したエアブローは、接続傾斜壁62に沿ってワークW側へ流れていくため、接続傾斜壁62が傾斜していることにより、ワークWに当るエアブローの流量が増大する。この結果、ワークWに対するブロー効果が高くなる。
【0081】
ここで、
図1に示すように、ワークWの洗浄時には、第1切替ダンパー本体部34が洗浄室16の側壁として機能する位置(第1の位置)に導かれ、第2切替ダンパー本体部58がエアブロー発生室18への浸入防止壁として機能する位置(第1の位置)に導かれる。これにより、洗浄室16でワークWの洗浄が実行されている時に、洗浄室16から溢れ出た洗浄液等がエアブロー発生室18に浸入することを防止できる。
【0082】
一方、
図2に示すように、ワークWに対してエアブローを作用させる時には、第1切替ダンパー本体部34は、略水平となるように接続流路側に倒れ、エアブロー流路88の流路壁の一部として機能する位置(第2の位置)に導かれる。また、第2切替ダンパー本体部58も同様にして、略水平となるように接続流路側に倒れ、エアブロー流路88の流路壁の一部として機能する位置(第2の位置)に導かれる。
【0083】
このとき、第1切替ダンパー本体部34の先端部と第2切替ダンパー本体部58の先端部とが所定の領域にわたって重ね合わされた状態になり、接続流路20の流路壁に隙間が形成されないように両者が接続された状態になる。
【0084】
ここで、接続流路内部のエアブロー流路88の開口部21の面積がエアブロー発生室18側から洗浄室16側に向かって絞られるようにして構成されている。換言すれば、接続流路内部のエアブロー流路88の洗浄室16側の開口部21の開口面積がエアブロー発生室18側の開口面積よりも小さくなるように設定されている。このため、接続流路内部のエアブロー流路88のエアブロー発生室18側におけるエアブローの流速が洗浄室16側におけるエアブローの流速よりも速くなる。これにより、高流速のエアブローがワークWに当ることになり、ワークWの表面に付着していた残留水分(例えば、洗浄液等)の除去性能が高くなる。この結果、ワークWに対するブロー効果が高くなる。
【0085】
なお、接続流路内部のエアブロー流路88の開口面積とは、エアブロー工程時に第1切替ダンパー部32と第2切替ダンパー部56と筐体12とによって接続流路20の内部に区画形成されるエアブロー流路88の開口部の面積を意味する。
【0086】
(洗浄液排水室)
次に、洗浄液排水室22について説明する。
【0087】
空間部14の一部の領域には、洗浄液排水室22が形成されている。洗浄液排水室22は、主として洗浄室16で洗浄に使用された洗浄液等を排水するための部屋として機能すると同時に、洗浄室16とミスト除去室24とを接続する。そして、洗浄液排水室22は、エアブローが流通するためのエアブロー流路88として機能する。
【0088】
洗浄液排水室22には、洗浄液を貯溜あるいは回収するためのタンク部62が設けられている。
【0089】
洗浄液排水室22は、洗浄室16を基準としてエアブローの流れる方向における下流側の位置に形成されている。
【0090】
洗浄液排水室22には、第3切替ダンパー部64が設けられている。第3切替ダンパー部64は、
図1に示すように、洗浄室16からの洗浄液の排水時等において洗浄液がミスト除去室24へ浸入することを阻止するための浸入防止壁として機能する。また、第3切替ダンパー部64は、
図2に示すように、ワークWに対してエアブローを作用させる時においてエアブロー流路88を形成する流路壁の一部として機能する。これにより、第3切替ダンパー部64が2つの機能を兼備することになり、部品点数及び製造コストを削減でき、ひいては装置の小型化を実現できる。
【0091】
第3切替ダンパー部64は、平板状に形成された第3切替ダンパー本体部66と、第3切替ダンパー本体部66を支持する第3切替ダンパー支持部68と、を有している。第3切替ダンパー支持部68は、回転軸70に接続されている。回転軸70が軸回りに回転することにより、第3切替ダンパー本体部66がワークWの洗浄液の排水時等において洗浄液がミスト除去室24へ浸入することを阻止するための浸入防止壁として機能する位置(第1の位置)に導かれ(
図1参照)、あるいはエアブロー流路88の流路壁の一部として機能する位置(第2の位置)に導かれる(
図2参照)。
【0092】
第3切替ダンパー本体部66は、駆動源86(
図3参照)の駆動力を受けて回転軸70の軸回りに回転可能に設けられている。駆動源86は、第3切替ダンパー本体部66に対して駆動力を直接付与する構成でもよいし、あるいは第3切替ダンパー支持部68に対して駆動力を直接付与する構成でもよい。さらには、駆動源86は、回転軸70に対して駆動力を直接付与して、回転軸70を回転駆動させる構成でもよい。
【0093】
駆動源86として、例えば、エアーシリンダが用いられるが、油圧シリンダあるいはモータ、その他の駆動源を用いてもよい。
【0094】
ここで、
図1に示すように、ワークWの洗浄時には、排水ダンパー本体部44が洗浄室16の底壁として機能する位置(第1の位置)に導かれ、第3切替ダンパー本体部66が洗浄液のミスト除去室24への浸入防止壁として機能する傾斜した位置(第1の位置)に導かれる。これにより、洗浄室16においてワークWの洗浄で使用された洗浄液が洗浄室16から排水される時に、洗浄液が第3切替ダンパー本体部66に衝突することによって洗浄液の流れる勢いが打ち消され、洗浄液がミスト除去室24に浸入することを防止できる。
【0095】
一方、
図2に示すように、ワークWに対してエアブローを作用させる時には、第3切替ダンパー本体部66が略水平になるように倒れ、洗浄液排水室22に形成されるエアブロー流路88の流路壁の一部として機能する位置(第2の位置)に導かれる。また、排水ダンパー本体部44は、洗浄室16の底壁を開放する位置(第2の位置)に導かれる。
【0096】
このとき、
図2に示すように、第3切替ダンパー本体部66の先端部と排水ダンパー本体部44の先端部とが近接する位置に留まり、洗浄液排水室22の流路壁に大きな隙間が形成されないように設定されている。これにより、排水ダンパー本体部44から第3切替ダンパー本体部66にわたってエア流路88の1つの流路壁が形成される。
【0097】
(ミスト除去室)
次に、ミスト除去室24について説明する。
【0098】
空間部14の一部の領域には、ミスト除去室24が形成されている。また、ミスト除去室24は、洗浄室16あるいは洗浄液排水室22を基準としてエアブローの流れる方向における下流側の位置に形成されている。
【0099】
ミスト除去室24は、洗浄液排水室22とエアブロー発生室18との間に設けられており、洗浄室16を通過したエアブローが洗浄液排水室22を経てミスト除去室25に進入する。そして、ミスト除去室24を通過したエアブローがエアブロー発生室18に進入する。
【0100】
ミスト除去室24には、空間部14を流れるエアブローに含まれる液体の微粒子(ミストと定義する)を当該エアブロー中から分離除去するミスト除去装置72が収容されている。ミスト除去装置72を設けたことにより、気流中のミストが除去されるため、エア供給源50及び把持部26に把持されているワークWに対してミストが付着して汚染されることを防止できる。
【0101】
ミスト除去装置72は、エアブローが通過するように、ミスト除去室内部のエアブロー流路88を塞ぐように設置されている。ミスト除去装置72のミストを捕捉する捕捉面73は、ミスト除去室24の開口部25における開口面25Aに対して傾斜するようにして設けられている。換言すれば、ミスト除去装置72の捕捉面73が、ミスト除去室24の開口部25における開口面25Aに対して平行ではなく、所定の傾斜角度だけ傾斜している。このため、エアブローのミスト除去装置72に対する接触面積(あるいは接触領域)が大きくなる。これにより、ミスト除去装置72におけるミストの捕捉効果が高くなり、ミスト除去装置72を通過したエアブローにミストがほとんど含まれない。この結果、エア供給源50及びワークWにミストが付着して汚染されることを防止できる。
【0102】
ミスト除去室24の開口部25における開口面25Aとは、洗浄時あるいはエアブロー時に限られず、ミスト除去装置72の設計により決定される開口部を断面方向に切断したときの開口面を意味する。
【0103】
なお、ミスト除去装置72として、例えば昭和電機(株)製「ミストレーサ」が用いられる。
【0104】
ここで、ミスト除去室24は、洗浄室16側あるいは洗浄液排水室22側に向かって下り傾斜した傾斜底部74を有している。換言すれば、洗浄室16側あるいは洗浄液排水室22側を基準にすると、傾斜底部74は、洗浄室16側あるいは洗浄液排水室22側から離れていく方向に向かって上り傾斜している。このため、洗浄室16側あるいは洗浄液排水室22側の洗浄液が重力の影響を受けてミスト除去室24の内部側に浸入し難くなる。これにより、ミスト除去室24及びミスト除去装置72がミストにより汚染されることを抑制できる。
【0105】
ミスト除去室24の内壁には、当該ミスト除去室24の内壁に付着した汚れを除去するための洗浄部76が設けられている。洗浄部76は、例えば、洗浄ノズル78を有しており、所定のタイミングで洗浄ノズル78から洗浄液が噴射する。洗浄ノズル78から噴射された洗浄液がミスト除去室24の内壁に勢い良く当り、ミスト除去室24の内壁が洗浄され、ミスト除去室24がクリーンな状態で維持される。この結果、ミスト洗浄室24を流れるエアブローにミストが再度付着することを防止でき、ひいては、ミストを含むエアブローがワークWに接触して汚染することを防止できる。
【0106】
(制御システム)
次に、制御システムについて説明する。
【0107】
図3に示すように、洗浄ブロー装置10の動作は、制御部80により制御される。具体的には、洗浄工程及びエアブロー工程を実行するためのプログラムが制御部80のROM80Bに格納されており、CPU80Aによりプログラムが実行される。また、制御部80には、一例として、第1切替ダンパー部32、排水ダンパー部42及び第3切替ダンパー部64の各駆動源82、84、86、エア供給源50等が電気的に接続されている。
【0108】
次に、本実施形態の洗浄ブロー装置10の作用及び効果について説明する。説明の便宜上、ワークWの洗浄工程とワークWのエアブロー工程とにわけて説明する。
【0109】
(洗浄工程)
図1に示すように、ワークWの洗浄工程では、洗浄室16の把持部26にワークWが把持されて洗浄される。このとき、第1切替ダンパー本体部34が第1の位置で停止して洗浄室16の側壁として機能し、第2切替ダンパー本体部58が第1の位置で停止してエアブロー発生室18への洗浄液等の浸入防止壁として機能する。さらに、排水ダンパー本体部44が第1の位置で停止して洗浄室16の底壁として機能し、第3切替ダンパー本体部66が第1の位置で停止してミスト除去室24への洗浄液等の浸入防止壁として機能する。
【0110】
洗浄室16では、筐体12の内壁と第1切替ダンパー本体部34と排水ダンパー本体部44とで区画形成された洗浄槽38の内部で、把持部26により把持されたワークWに対して洗浄ノズル30から洗浄液が噴射され、洗浄工程が実行される。このとき、所定量の洗浄液が洗浄槽38に貯溜する。
【0111】
ここで、ワークWの洗浄工程では洗浄液が洗浄槽38から溢れ出ることがあるが、第2切替ダンパー本体部58が第1の位置で停止して浸入防止壁としてブロー室18の開口部の少なくとも一部を遮断しているため、洗浄液がブロー室18へ浸入することを防止できる。
【0112】
また、第3切替ダンパー本体部66が第1の位置で停止して浸入防止壁としてミスト除去室24の開口部の少なくとも一部を遮断しているため、洗浄液がミスト除去室24へ浸入することを防止できる。
【0113】
このようにして、ワークWが洗浄され、次の工程であるエアブロー工程に移行する。
【0114】
(エアブロー工程)
図2に示すように、ワークWのエアブロー工程では、第1切替ダンパー本体部34が第2の位置に移動して、洗浄室16の側壁を開放するとともに、エアブロー流路88の流路壁の一部として機能する。また、第2切替ダンパー本体部58が第2の位置に移動してエアブロー流路88の流路壁の一部として機能する。このとき、第1切替ダンパー本体部34の先端部と第2切替ダンパー本体部58の先端部とが重なり合い、連続した1つの流路壁が形成される。
【0115】
また、排水ダンパー本体部44が第2の位置に移動して、洗浄室16の底壁を開放するとともに、エアブロー流路88の流路壁の一部として機能する。また、第3切替ダンパー本体部66が第2の位置に移動してエアブロー流路88の流路壁の一部として機能する。このとき、排水ダンパー本体部44の先端部と第3切替ダンパー本体部66の先端部とが相互に近接し、洗浄液排水室22の内部で連続した1つの流路壁が形成される。
【0116】
このようにして、エアブロー発生室18、接続流路20、洗浄室16、洗浄液排水室22及びミスト除去室24からなる1つの閉じた循環流路であるエアブロー流路88が形成される。このエアブロー流路88には、エア供給源50から発生したエアブローが気流となって循環する。
【0117】
エアブロー工程では、エアブロー発生室18のエア供給源50によって発生したエアブローが接続流路20を通って洗浄室16に進入する。洗浄室16では把持部26で把持されたワークWに対してエアブローが当る。これにより、ワークWの表面から洗浄液等の水分が飛散する。
【0118】
その後、エアブローは、洗浄室16から洗浄液排水室22を通ってミスト除去室24に進入する。ミスト除去室24に進入したエアブローはミスト除去装置72を通過する。このとき、エアブローに含まれる液体の微粒子(ミスト)がミスト除去装置72によって捕捉される。このため、ミスト除去装置72を通過したエアブローにはミストが含まれていない。そのミストが含まれていないエアブローは、ミスト除去室24からエアブロー発生室18に流れ、再度、洗浄室16に向かって流れ、ワークWに当たってその表面から洗浄液を飛散させる。その後、エアブローが洗浄液排水室22を通ってミスト除去室24に進入し、ミスト除去装置72によってエアブローに含まれるミストが取り除かれる。以後、これが繰り返される。
【0119】
以上のように、本実施形態の洗浄ブロー装置10によれば、単一の筐体12の空間部14に、主として洗浄室16、エアブロー発生室18及びミスト除去室24が形成されているため、各部屋を別々の装置で構成する場合に比較して、洗浄ブロー装置10の設置スペースが小さくなる。
【0120】
特に、洗浄ブロー装置10の洗浄ヘッダ28の流通空間部90に残留した残留洗浄液Lが排水用バルブ98により流通空間部90あるいは洗浄ヘッダ28の外部に排水される。これにより、流通空間部90に残留した残留洗浄液Lを除去できる。この結果、流通空間部90に残留した残留洗浄液Lが洗浄ノズルから出て、洗浄後のワークWに付着することを防止できる。
【0121】
また、洗浄ブロー装置10の排水用バルブ98の開閉動作を制御する制御部80を設けたことにより、排水用バルブ98の開閉動作の自動制御が可能になる。例えば、ワークWに対して洗浄液を噴射して洗浄する洗浄工程の終了後から次に実行されるワークWに対してエアブローを当てることによりワークWに付着した水分を除去するエアブロー工程が開始するまでの間に、制御部80により排水用バルブ98の開閉動作を制御して流通空間部90に残留した残留洗浄液Lを流通空間部90あるいは洗浄ヘッダ28の外部へ排水することができる。これにより、流通空間部90に残留した残留洗浄液Lがエアブローの力により引っ張られて洗浄ノズル30から出て、ワークWに付着することを防止できる。
【0122】
さらに、洗浄ブロー装置10の排水用バルブ98が筐体12の外部に設けられていることにより、排水用バルブ98が洗浄室16の内部にてワークWの洗浄時に干渉することがない。このため、ワークWに対する洗浄機能を損なうことなく、洗浄ブロー装置10の筐体12あるいは洗浄室16の小型化を実現できる。
【0123】
次に、本発明の第1実施形態に係る洗浄装置について説明する。なお、洗浄ブロー装置の構成と重複する構成には同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0124】
第1実施形態の洗浄装置には、本発明の洗浄機構が適用されている。洗浄装置は、ワークを洗浄するための装置であり、ワークの水切り機能を備えていない。
【0125】
図7に示すように、洗浄装置100は、洗浄室16と、洗浄液排水室22と、ワークWに対して洗浄液を供給するための洗浄機構と、を有している。
【0126】
洗浄機構は、洗浄室16の内部又は外部に設けられている。洗浄機構は、ワークWに対して洗浄液を噴射する複数の洗浄ノズル30と、洗浄ノズル30に洗浄液を供給する洗浄ヘッダ28と、を有している。
【0127】
洗浄ヘッダ28の詳細な構成については、上記に説明した通りであるため、省略する。
【0128】
洗浄ヘッダ28は、洗浄室16の内部又は外部に配置されている。洗浄ヘッダ28が洗浄室16の外部に配置されている構成では、洗浄ノズル30の少なくとも一部だけが洗浄室16の内部に位置し、ワークWに洗浄液を噴射可能に構成されている。
【0129】
本実施形態の洗浄装置100によれば、洗浄ヘッダ28の流通空間部90に残留した残留洗浄液Lが排水用バルブ98により流通空間部90あるいは洗浄ヘッダ28の外部に排水される。これにより、流通空間部90に残留した残留洗浄液Lを除去できる。この結果、流通空間部90に残留した残留洗浄液Lが洗浄ノズル30から出て、洗浄後のワークWに付着することを防止できる。
【0130】
また、洗浄装置100の排水用バルブ98の開閉動作を制御する制御部80を設けたことにより、排水用バルブ98の開閉動作の自動制御が可能になる。例えば、ワークWに対して洗浄液を噴射して洗浄する洗浄工程の終了後から次の洗浄工程の開始前までの間に、制御部80により排水用バルブ98の開閉動作を制御して流通空間部90に残留した残留洗浄液Lを流通空間部90あるいは洗浄ヘッダ28の外部へ排水することができる。このため、洗浄装置100の洗浄工程に支障が出ない適切なタイミングで流通空間部90に残留した残留洗浄液Lを排水でき、洗浄終了後のワークWに対して残留洗浄液Lが付着することを防止できる。
【0131】
さらに、洗浄装置100の排水用バルブ98が筐体12の外部に設けられていることにより、排水用バルブ98が洗浄室16の内部にてワークWの洗浄時に干渉することがない。このため、ワークWに対する洗浄機能を損なうことなく、洗浄ブロー装置10の筐体12あるいは洗浄室16の小型化を実現できる。
【0132】
なお、以上で説明した各実施形態は、本発明を説明するための例示に過ぎず、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々変更を加え得ることが可能である。