特許第6143315号(P6143315)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6143315
(24)【登録日】2017年5月19日
(45)【発行日】2017年6月7日
(54)【発明の名称】幕式水路
(51)【国際特許分類】
   F03B 13/26 20060101AFI20170529BHJP
【FI】
   F03B13/26
【請求項の数】12
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2016-159847(P2016-159847)
(22)【出願日】2016年8月17日
【審査請求日】2016年11月15日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】594126377
【氏名又は名称】土橋 義英
(72)【発明者】
【氏名】土橋 義英
【審査官】 北川 大地
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭55−112876(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0109712(US,A1)
【文献】 特開昭55−160173(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F03B 13/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
海底より起立させた複数以上の柱の間に幕を張ることで壁を形成し、その壁を2列設けることで水路を作り、海流の流出口を流入口より狭くし、壁を形成する柱の対面方向の柱との間をケーブルで連結し、海流の流出口に海流発電機を設けた幕式水路。
【請求項2】
海底より起立する柱にレールを設け、柱の間に張られた幕をレールにより開閉可能にした請求項1記載の幕式水路。
【請求項3】
海底より起立する柱にベルトを設け、柱の間に張られた幕をベルトにより開閉可能にした請求項1記載の幕式水路。
【請求項4】
二本の柱の間に張る幕を、一つながりの幕ではなく、多数の幕を連結器で連結することで構成した請求項1記載の幕式水路。
【請求項5】
幕と幕を連結した際にできる隙間を幕の折り返し部分をもって塞いだ請求項記載の幕式水路。
【請求項6】
幕と幕を連結した際にできる隙間を塞ぐためのカバーを幕に取り付けた請求項記載の幕式水路。
【請求項7】
路の中に柱を設置し、その柱と、幕を張った柱をケーブルで連結した請求項1記載の幕式水路。
【請求項8】
ケーブルの両端にランナーを設け、それぞれのランナーを、異なる柱に設けられたレールに落とし込んだ請求項1記載の幕式水路。
【請求項9】
路の入り口において、柱と柱の間を網状にケーブルで連結した請求項1記載の幕式水路。
【請求項10】
路の入り口付近の海底に気泡発生装置を設置した請求項1記載の幕式水路。
【請求項11】
同一のレールに入れるランナー同士をランナー連結ケーブルで連結した請求項記載の幕式水路。
【請求項12】
幕の最下端に接地板を設けた請求項1記載の幕式水路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は海流で発電する発電機のために、海流の速度を増速させる幕式水路に関する物である。
【背景技術】
【0002】
海水の密度は空気の約1000倍あり、エネルギーで換算すれば海流の秒速1mは風速の秒速10mに相当する。ただし、そのような発電に適した早い海流の海域というのはかなり限られている。我が国においては黒潮を利用する海流発電があるが、その流れは年月によって蛇行し、必ずしも一定の海域を流れ続けるものではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
回転軸を持つ発電機は流体の速度によって発電量は高まり、流体の速度が2倍になれば、エネルギーはその3乗の8倍を得ることができる。海流が安定し水深が100m程度の比較的浅い海域において、当発明の水路を用いて海流の速度を早くすることにより、海流発電機に常に高出力の安定した発電をさせられる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するために、本発明の幕式水路において請求項1に係るものは、海底より起立させた複数以上の柱の間に幕を張ることで壁を形成し、その壁を2列設けることで水路を作り、海流の流出口を流入口より狭くし、壁を形成する柱の対面方向の柱との間をケーブルで連結し、海流の流出口に海流発電機を設けたものである。
【0005】
請求項に係るものは、請求項1に係るものにおいて、柱にレールを設け、柱の間に張られた幕をレールにより開閉可能にしたものである。
【0006】
請求項に係るものは、請求項1に係るものにおいて、柱にベルトを設け、柱の間に張られた幕をベルトにより開閉可能にしたものである。
【0007】
請求項に係るものは、請求項1に係るものにおいて、二本の柱の間に張る幕を、一つながりの幕ではなく、多数の幕を連結器で連結することで構成したものである。
【0008】
請求項に係るものは、請求項に係るものにおいて、幕と幕を連結した際にできる隙間を幕の折り返し部分をもって塞いだものである。
【0009】
請求項に係るものは、請求項に係るものにおいて、幕と幕を連結した際にできる隙間を塞ぐためのカバーを幕に取り付けたものである。
【0010】
請求項に係るものは、請求項1に係るものにおいて、水路の中に柱を設置し、その柱と、幕を張った柱をケーブルで連結したものである。
【0011】
請求項に係るものは、請求項1に係るものにおいて、ケーブルの両端にランナーを設け、それぞれのランナーを、異なる柱に設けられたレールに落とし込むことで、柱と柱をケーブルで連結したものである。
【0012】
請求項に係るものは、請求項1に係るものにおいて、水路の入り口において、柱と柱の間を網状にケーブルで連結したものである。
【0013】
請求項10に係るものは、請求項1に係るものにおいて、水路の入り口付近の海底に気泡発生装置を設置したものである。
【0014】
請求項11に係るものは、請求項に係るものにおいて、同一のレールに入れるランナー同士をランナー連結ケーブルで連結したものである。
【0015】
請求項12に係るものは、請求項1に係るものにおいて、幕の最下端に接地板を設けたものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、以上説明したように構成されており、以下に記載されるような効果を有する。
【0017】
請求項1に係る仕組みを用いた場合、幕を使うことで海中に安価に水路を作ることができる。通常、水路は圧力に耐えうるように台形の断面をしている。しかし海中でそのような土木工事を行うことは現実的ではない。本発明はまず海底より起立する柱の間に幕を張ることで形成した壁を2列作る。ただし、幕は海底から海面まで張るものとし、列の対面の柱と柱の間をケーブルで連結する。また、水路を形成する柱は、水路の外側の海底にケーブルを用い杭やアンカーで固定する。柱や幕を設置するには、メガフロートのような巨大浮体を海上に固定し、それを足場に作業する方が船を使うよりも効率的と思われる。幕は軽いので土塁のように自重を支えるために台形にする必要はない。これにより、海中に水路を極めて安価に設けることができる。また海流の流出口が流入口より狭くすることにより、水路を流れる海流の速度を増速させることができる。ただし、海流の流出口が流入口より狭くなるようにすると、流出口に近づくほど、導水路を形成する幕や柱に外側に押し広げようとする圧力が働く。仮に水流が2倍になったとしたら水圧は8倍になるので、流出口の柱間のケーブルは流入口の柱間のケーブルの8倍の本数を張るか、柱の間隔を8分の1にするなどの手段を講じる必要がある。そして流出口の先に海流発電機を設置すれば発電量を大きくすることができる。
【0018】
請求項に係る仕組みを用いた場合、請求項1に係る仕組みを用いた場合に加え、レールを用いることにより、柱間に容易に幕を張ることができるようになる。本発明は水深50m〜200mの深さまで水路としての幕を張ることを想定しており、そのような深海で幕の連結作業は困難を極める。なので、柱にレールを設け、レールによって幕を上から落とす方式にすれば容易に深海まで幕を張ることができる。また、幕が破損した場合に引き上げることができるので交換も容易になる。
【0019】
請求項に係る仕組みを用いた場合、請求項1に係る仕組みを用いた場合に加え、ベルトにより柱間に容易に幕を張ることができるようになる。効果は請求項と同じである。
【0020】
請求項に係る仕組みを用いた場合、請求項1に係る仕組みを用いた場合に加え、二本の柱の間に張る幕を、一つながりの幕ではなく、多数の幕を連結器で連結し、水路の壁として用いたものである。先述したように本発明は、水深200mの深さまで水路としての幕を張ることを想定しており、柱間の長さを100mとしたなら、幅100m長さ200mの幕が必要になる。そのような幕を用意するのはかなり大変なことである。それに万が一、運用中に幕が水圧で破れた場合、そこから破れがどんどん広がってしまい、取り換えるにしても、すべて取り換えなければならなくなる。連結器を用いて幕を連結した場合、その区間より破れが広がるとこはなく、しかも取り換えるのは破れた区間のみでよい。
【0021】
請求項に係る仕組みを用いた場合、請求項に係る仕組みを用いた場合に加え、幕と幕を連結した際にできる隙間を、上側の幕の折り返し部分をもって塞いだものである。幕の下端を上に折りまげ、折った部分に穴をあけ、連結器を取り付け、上に折り曲げた幕を下に垂らし連結部分を隠す。連結部分の隙間を塞ぐことにより増速させる場合、海流が外に漏れないため効率低下が防げる。
【0022】
請求項に係る仕組みを用いた場合、請求項に係る仕組みを用いた場合に加え、幕と幕を連結した際にできる隙間を、カバーをもって塞いだものである。効果は請求項と同じである。
【0023】
請求項に係る仕組みを用いた場合、請求項1に係る仕組みを用いた場合に加え、水路の間隔が広すぎる場合に中継としての柱を設置することで、柱間に張るケーブルの必要強度を抑えることができる。特に海流の流入口は1kmを超えることも想定されるので、柱間を短くした方がケーブルを張りやすい。
【0024】
請求項に係る仕組みを用いた場合、請求項1に係る仕組みを用いた場合に加え、ケーブルの両端にランナーを設け、それぞれのランナーを、柱に設けられたレールに落とし込んだものである。本発明は水深50m〜200mを想定したもので、そのような深海において柱の間をケーブルで連結するのは非常に困難である。そこで、柱にレールを設け、向い合った柱のそれぞれのレールにランナーを落とし込んでいけば、容易に柱の間にケーブルを張ることができる。車輪を用いる場合と比べレールの隙間をランナーで埋めることができるので、レール内に貝などの付着物がつかず、万が一引きあげる事態が発生した場合作業がスムーズになる。もちろん車輪を使っても差支えないし、逆に請求項でランナーを使っても差支えない。ランナーという語句はカーテンとカーテンレールを繋ぐ部品のことであるが、構造が似ているため、当発明においてもレールに落とし込む部品をランナーと呼称する。
【0025】
請求項に係る仕組みを用いた場合、請求項1に係る仕組みを用いた場合に加え、流入口網状にケーブルで連結することにより、大型の海洋生物の侵入をブロックする。
【0026】
請求項10に係る仕組みを用いた場合、請求項1に係る仕組みを用いた場合に加え、水路の入り口付近の海底に設置した気泡発生装置により、泡の壁をつくり大型の海洋生物が近寄らないようにする。請求項と違い大型の海洋生物が放つ音波を反射するので、障害物と認識させ接近を未然に防ぐことができる。
【0027】
請求項11に係る仕組みを用いた場合、請求項に係る仕組みを用いた場合に加え、同一のレールに入れるランナー同士をランナー連結ケーブルで連結したものである。ランナーを連結せずにレールに落とし込むと、引きあげることが非常に困難になる。ランナー同士をランナー連結ケーブルで連結しておけば、数珠つなぎに引っ張り上げることができる。万が一柱間のケーブルが切断したときの修理において有効である。
【0028】
請求項12に係る仕組みを用いた場合、請求項1に係る仕組みを用いた場合に加え、幕の最下端に接地板を設けたものである。接地板は海底と接地する板であり、着底時に海底にめり込ませ、海底に隙間を作らせないものである。もし海底との間に隙間があると、その部分から海流が吹き出し、海底が削れ、隙間がどんどん拡大してしまう。陸上であればシートパイルを打ち込むこともできるが水深100m以上ともなれば困難を伴う。そこで、幕の一番下に先端の鋭い板を設けて海底に着底させるようにする。もし柱の間の海底が水平でないのなら、接地板もその角度に合わせて作成する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】発明を実施するための形態を示す斜視図である。
図2】発明を実施するための形態を示す水路内のケーブルを省いた斜視図である。
図3】発明を実施するための形態を示すケーブルを省いた斜視図である。
図4】発明を実施するための形態を示す上面図である。
図5】発明を実施するための形態を示す側面図である。
図6】実施例1を示す斜視図である。
図7】実施例2を示す正面図である。
図8】実施例2を示す正面図である。
図9】実施例3を示す斜視図である。
図10】実施例4を示す斜視図である。
図11】実施例4を示す斜視図である。
図12】実施例5を示す斜視図である。
図13】実施例6を示す斜視図である。
図14】実施例7を示す斜視図である。
図15】実施例7を示す斜視図である。
図16】実施例7を示す斜視図である。
図17】実施例8を示す断面図である。
図18】実施例9を示す斜視図である。
図19】実施例10を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明を実施するための形態を図1図5に基づいて説明する。図1は発明を実施するための形態を示す斜視図である。海底より海面上まで起立させた柱(2a)を2列作り、柱の間に幕を張り水路を作る。水路の中央部に柱(2b)を1列作り、幕を張った列の柱(2a)と水路の中の列の柱(2b)とケーブル(4)で連結し、水路の外側の海底に打ち込んだ杭(3)にもケーブル(4)で連結する。海流の方向の圧力に対応するため列の先頭の柱(2b)は前方の海底に打ち込んだ杭(3)にケーブル(4)で固定する。海流の流出口は流入口より狭くする。上記の施策を講じることにより、海流は流出口より増速されて流出するので、流出口の先に海流発電機を設置すれば恒常的に発電量を増幅することが出来る。図2は水路内のケーブル(4)を省いた図でケーブル(4)の連結構造を分かりやすくしたものである。図3はケーブル(4)をすべて省いた図である。図4図1の上面図である。図5図1の側面図である。幕(1)を海面(6)から海底(5)まで張り、海底部には接地板(26)を設けることにより、流れ込んだ海流がなるべく途中で漏れ出さないようにする。
【0031】
実施例1を図6を基に説明する。図6は本発明の最も簡単な実施例である。海底より海面上まで起立させた柱(2a)を2列作り、柱の間に幕を張り水路を作る。幕を張った列の柱(2a)はそれぞれ対面の柱(2a)とケーブルで(4)連結する。海流の流出口を流入口より狭くし、海流の流入角度が水路の中心線と常に同じである場合、水圧は常に水路を押し広げるようにかかるので、水路の外側に張るケーブル(4)は不要になる。
【0032】
実施例2を図7および図8を基に説明する。横長の幕を縦にいくつも連結することにより、巨大な縦に長い幕を作るものである。そのために図7において、幕(1)の上辺と下辺に穴(10)を多数設ける。左右に車輪(7)を備えたロッド(8)と幕(1)を多数の連結器(9)で連結する。そして図8において図7の幕をいくつも縦に連結する。一番上のロッド(8)の両端にはレールに落ち込まないように車輪(7)の代わりにストッパー(11)を設ける。ロッド(8)は強度さえ確保できればケーブルを用いても構わない。また、車輪(7)の代わりにランナーを用いても構わない。もちろん、幕(1)を縦方向だけではなく横方向にも連結しても構わない。
【0033】
実施例3を図9を基に説明する。幕(1)とロッド(8)を連結するための連結器(9)の斜視図である。連結ベース金具(14)の上下にU字金具(13)をナット(12b)で留める。連結ベース金具(14)の中央にある穴はロッド(8)を入れるための穴である。ヒンジ部(15)により開閉ができ、ナット(12a)によって締める。ヒンジ部(15)を用いているのは、連結作業時に部品を海中に落下させないためである。U時金具(13)は落下防止にチェーンを連結ベース金具(14)との間に装着してもよい。
【0034】
実施例4を図10および図11を基に説明する。幕(1)の上辺と下辺に穴(10)を多数設ける。左右に車輪(7)を備えたロッド(8)と幕(1)を実施例3で示した連結器(9)を用いて連結する。また、水路の内側方向の幕(1)の下部には幕の折り返し部分(17)を作る。図11において幕の折り返し部分(17)で連結部分の隙間を覆っている実施例を示す。柱の間隔が広くロッド(8)を用いることが困難であるならば、代わりにケーブルを用いてもよいし、ロッド(8)を用いずに幕(1)同士を直接連結してもよい。
【0035】
実施例5を図12を基に説明する。幕の折り返し部分(17)の代わりにカバー(25)を用いたもので、効果は実施例4と同じである。
【0036】
実施例6を図13を基に説明する。幕の巻軸(20)に巻きつけた幕(1)をベルト(18)によって幕(1)を海底深くまで張ることができる。柱(2a)に取り付けられたベルト(18)は両端のベルトの軸(21)により回転し、ベルト(18)表面に設けられた突起(19)は幕(1)に設けられた穴にかみ合うことで幕(1)のたわみを抑える仕組みである。
【0037】
実施例7を図14図16を基に説明する。図17は柱間に張るケーブル(4)の一端の拡大図である。ランナー(22a)にケーブル固定部(23)を設けケーブル(4)を固定する。図15はケーブル(4)の両端にランナー(22a)が設けられていることを示す図である。図16はレール(24)にランナー(22a)を差し込んだことを示す図である。ちなみにレール(24)は柱(2b)に備えられるものである。
【0038】
実施例8を図17を基に説明する。柱(2b)の断面図である。柱(2b)にレール(24)を設け、レール(24)にはケーブル(4)を備えたランナー(22a)とケーブル(4)がないランナー(22b)を入れている。ケーブル(4)なしのランナー(22b)はナンナー(22a)を分割したものである。揺れる船上から数10mの長さのランナー(22a)をレール(24)に差し込むのは難しいため、適当な長さに分割した方が差し込みやすい
【0039】
実施例9を図18を基に説明する。ケーブル(4)を備えたランナー(22a)とケーブルがないランナー(22b)をランナー連結ケーブル(27)で連結したものである。同一のレール(24)に落とし込むランナーをランナー連結ケーブル(27)で連結することによって、後々引き上げることもでき、メンテナンス性を高めたものである。
【0040】
実施例10を図19を基に説明する。実施例2もしくは実施例4の幕(1)の最下部に接地板(26)を設けたものである。接地板(26)の下部は鋭利にし、自身の重量によって海底に突き刺さるようにする。もし、幕(1)だけの場合。隙間を完全に塞ぐことが難しく、隙間があるとそこから海流が噴出し、海底をどんどん削ってしまい、海流の増速効率が落ちるばかりか柱が倒壊する可能性も出てきてしまう。接地板(26)は柱間の地形に応じて形状を決める。
【符号の説明】
【0041】
1 幕
2a 柱
2b 柱
3 杭
4 ケーブル
5 海底
6 海面
7 車輪
8 ロッド
9 連結器
10 穴
11 ストッパー
12a ナット
12b ナット
13 U字金具
14 連結ベース金具
15 ヒンジ部
16 ボルト
17 幕の折り返し部分
18 ベルト
19 突起
20 巻軸
21 ベルトの軸
22a ランナー
22b ランナー
23 ケーブル固定部
24 レール
25 カバー
26 接地版
27 ランナー連結ケーブル
【要約】
【課題】 海水の密度は空気の約1000倍あり、エネルギーで換算すれば海流の秒速1mは風速の秒速10mに相当する。ただし、そのような発電に適した早い海流の海域というのはかなり限られている。我が国においては黒潮を利用する海流発電があるが、その流れは年月によって蛇行し、必ずしも一定の海域を流れ続けるものではない。
【解決手段】 海流が安定し水深が100m程度の比較的浅い海域において、当発明の水路を用いて海流の速度を早くすることにより、海流発電機に常に高出力の安定した発電をさせられる。そのために、海底より起立させた複数以上の柱の間に幕を張ることで壁を形成し、その壁を2列設けることで水路を作り、壁を形成する柱の対面方向の柱との間をケーブルで連結することを特徴とするものである。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19