(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6143316
(24)【登録日】2017年5月19日
(45)【発行日】2017年6月7日
(54)【発明の名称】布製おしぼり香り付け装置、布製おしぼり製造装置及び布製おしぼり製造方法
(51)【国際特許分類】
A47K 7/00 20060101AFI20170529BHJP
【FI】
A47K7/00 102
【請求項の数】8
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-230771(P2016-230771)
(22)【出願日】2016年11月29日
【審査請求日】2017年1月31日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】505007825
【氏名又は名称】FSX株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112427
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 芳洋
(72)【発明者】
【氏名】犬塚 勉
(72)【発明者】
【氏名】紺野 善晴
【審査官】
家田 政明
(56)【参考文献】
【文献】
実開昭50−019671(JP,U)
【文献】
特開平03−099620(JP,A)
【文献】
実開昭59−097697(JP,U)
【文献】
実開昭49−010776(JP,U)
【文献】
特許第5877925(JP,B1)
【文献】
特開2005−095273(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47K 7/00−7/08
A47K 10/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1下部コンベアと、
前記第1下部コンベアの下流側端部に形成される下部コンベア接続部に上流側端部を位置させて配置された第2下部コンベアと、
前記第1下部コンベアの上側に配置された第1上部コンベアと、
前記第1上部コンベアの下流側端部であって、前記下部コンベア接続部の上部よりも上流側又は下流側に設けられた上部コンベア接続部に上流側端部を位置させて配置された第2上部コンベアと、
前記下部コンベア接続部及び前記上部コンベア接続部の少なくとも一方に設けられた香料液を噴出する香料液ノズルと、
前記第1下部コンベア及び前記第2下部コンベアと、前記第1上部コンベア及び前記第2上部コンベアとにより折り畳まれたおしぼりタオルを挟んだ状態で搬送する際に、前記おしぼりタオルの位置を検出するセンサと、
前記センサにより検出された前記おしぼりタオルの位置を用いて、前記香料液ノズルから香料液を噴出させるタイミングを制御する香料液噴出制御部と、
を備え、
前記香料液ノズルは、異なる香りの前記香料液をそれぞれ貯蔵する複数の前記香料液タンク中から選択された前記香料液タンクに接続されることを特徴とする布製おしぼり香り付け装置。
【請求項2】
前記第1上部コンベア及び前記第2上部コンベアの上下方向の位置を変更する上下位置変更機構を備えることを特徴とする請求項1記載の布製おしぼり香り付け装置。
【請求項3】
前記第1下部コンベア、前記第2下部コンベア、前記第1上部コンベア及び前記第2上部コンベアは、それぞれ上流端プーリー、下流端プーリー及び前記上流端プーリーと前記下流端プーリーに掛け渡された複数本のベルトを備えることを特徴とする請求項1または2記載の布製おしぼり香り付け装置。
【請求項4】
前記香料液噴出制御部は、更に前記香料液ノズルから噴出される前記香料液の噴出量及び噴出時間の少なくとも一方を制御することを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の布製おしぼり香り付け装置。
【請求項5】
前記香料液には、アロマオイルが含まれることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の布製おしぼり香り付け装置。
【請求項6】
前記アロマオイルは、シトラス、ペパーミント、ラベンダー、シトラール、クロモジ、ニオイコブシ、ヒノキ、スギ、モミ、ヒメコマツの何れかの香りを有することを特徴とする請求項5記載の布製おしぼり香り付け装置。
【請求項7】
請求項1〜6の何れか一項に記載の布製おしぼり香り付け装置と、
前記布製おしぼり香り付け装置により香りを付けた前記おしぼりタオルを包装する布製おしぼり包装機と
を備えることを特徴とする布製おしぼり製造装置。
【請求項8】
請求項1〜6の何れか一項に記載の布製おしぼり香り付け装置により前記おしぼりタオルに香りを付ける工程と、
香りを付けた前記おしぼりタオルを包装する工程と
を含むことを特徴とする布製おしぼり製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、布製のおしぼりに香りを付ける布製おしぼり香り付け装置、布製おしぼり製造装置及び布製おしぼり製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
布製のおしぼりは、おしぼりタオルを洗濯した後に一度乾燥させ、検品を行った後に薬液を含浸させ、プレス機を用いて脱水した後におしぼりの形に折り畳み、包装機により包装を行うことにより製造している。ところで香りの付いた布製のおしぼりを製造する場合には、例えば、シトラス、ペパーミント、ラベンダー等のアロマオイルを香料として含んだ薬液をおしぼりタオルに含浸させることにより、それぞれの香りの付いた布製のおしぼりを製造することができる。この場合には薬液を貯留する薬液タンク内に香料を投入して薬液に香料を混合し、おしぼりタオルを投入しておしぼりタオルに香料を含んだ薬液を含浸させ、プレス機により脱水する方法が考えられる。なお紙製のおしぼりに香りを付ける装置は、特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5877925号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述の方法を用いて香りの付いた布製のおしぼりを製造する場合には、薬液タンクやプレス機に香料が付着するため、香料の種類を切替える毎に香料が付着した薬液タンクやプレス機を洗浄する必要が生じる。この場合、香りが残らなくなるまで薬液タンクやプレス機を洗浄する必要があるため、洗浄を行うのに手間と時間が掛かることから、香りの異なる多種類の香り付き布製おしぼりを容易に製造することは困難であった。
【0005】
本発明の目的は、香りの異なる多種類の香り付き布製おしぼりを容易に製造することができる布製おしぼり香り付け装置、布製おしぼり製造装置及び布製おしぼり製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の布製おしぼり香り付け装置は、第1下部コンベアと、前記第1下部コンベアの下流側端部に形成される下部コンベア接続部に上流側端部を位置させて配置された第2下部コンベアと、前記第1下部コンベアの上側に配置された第1上部コンベアと、前記第1上部コンベアの下流側端部であって、前記下部コンベア接続部の上部よりも上流側又は下流側に設けられた上部コンベア接続部に上流側端部を位置させて配置された第2上部コンベアと、前記下部コンベア接続部及び前記上部コンベア接続部の少なくとも一方に設けられた香料液を噴出する香料液ノズルと、前記第1下部コンベア及び前記第2下部コンベアと、前記第1上部コンベア及び前記第2上部コンベアとにより折り畳まれたおしぼりタオルを挟んだ状態で搬送する際に、前記おしぼりタオルの位置を検出するセンサと、前記センサにより検出された前記おしぼりタオルの位置を用いて、前記香料液ノズルから香料液を噴出させるタイミングを制御する香料液噴出制御部と、を
備え、前記香料液ノズルは、異なる香りの前記香料液をそれぞれ貯蔵する複数の前記香料液タンク中から選択された前記香料液タンクに接続されることを特徴とする。
【0007】
本発明の布製おしぼり香り付け装置は、前記第1上部コンベア及び前記第2上部コンベアの上下方向の位置を変更する上下位置変更機構を備えることを特徴とする。
【0008】
本発明の布製おしぼり香り付け装置は、前記第1下部コンベア、前記第2下部コンベア、前記第1上部コンベア及び前記第2上部コンベアがそれぞれ上流端プーリー、下流端プーリー及び前記上流端プーリーと前記下流端プーリーに掛け渡された複数本のベルトを備えることを特徴とする。
【0010】
本発明の布製おしぼり香り付け装置は、前記香料液噴出制御部が更に前記香料液ノズルから噴出される前記香料液の噴出量及び噴出時間の少なくとも一方を制御することを特徴とする。
【0011】
本発明の布製おしぼり香り付け装置は、前記香料液には、アロマオイルが含まれることを特徴とする。
【0012】
本発明の布製おしぼり香り付け装置は、前記アロマオイルが、シトラス、ペパーミント、ラベンダー、シトラール、クロモジ、ニオイコブシ、ヒノキ、スギ、モミ、ヒメコマツの何れかの香りを有することを特徴とする。
【0013】
本発明の布製おしぼり製造装置は、本発明の布製おしぼり香り付け装置と、前記布製おしぼり香り付け装置により香りを付けた前記おしぼりタオルを包装する布製おしぼり包装機とを備えることを特徴とする。
【0014】
本発明の布製おしぼり製造方法は、本発明の布製おしぼり香り付け装置により前記おしぼりタオルに香りを付ける工程と、香りを付けた前記おしぼりタオルを包装する工程とを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、香りの異なる多種類の香り付き布製おしぼりを容易に製造することができる布製おしぼり香り付け装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】実施の形態に係る布製おしぼり香り付け装置を側方から視た概略図である。
【
図2】実施の形態に係る布製おしぼり香り付け装置の上部コンベア及び下部コンベアの斜視図である。
【
図3】実施の形態に係る香料液供給機構を示す図である。
【
図4】実施の形態に係る布製おしぼり香り付け装置のシステム構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態に係る布製おしぼり香り付け装置について説明する。
図1は布製おしぼり香り付け装置を側方から視た概略図、
図2は布製おしぼり香り付け装置の上部コンベア及び下部コンベアの斜視図である。
【0018】
図1及び
図2に示すように布製おしぼり香り付け装置2は、下部コンベア4と下部コンベア4の上側に配置された上部コンベア8を備えている。下部コンベア4は、第1下部コンベア5と第2下部コンベア6を備え、第2下部コンベア6は、第1下部コンベア5の下流側端部に形成される下部コンベア接続部7に上流側端部を位置させて配置されている。
【0019】
また上部コンベア8は、第1上部コンベア9と第2上部コンベア10を備え、第2上部コンベア10は第1上部コンベア9の下流側端部であって、下部コンベア接続部7の上部よりも上流側に設けられた上部コンベア接続部11に上流側端部を位置させて配置されている。
【0020】
ここで第1下部コンベア5は、上流端プーリー5a及び下流端プーリー5bと、上流端プーリー5aと下流端プーリー5bに掛け渡された複数本のベルト5cを備え、第2下部コンベア6は、上流端プーリー6a及び下流端プーリー6bと、上流端プーリー6aと下流端プーリー6bに掛け渡された複数本のベルト6cを備えている。また第1上部コンベア9は、上流端プーリー9a及び下流端プーリー9bと、上流端プーリー9aと下流端プーリー9bに掛け渡された複数本のベルト9cを備え、第2上部コンベア10は、上流端プーリー10a及び下流端プーリー10bと、上流端プーリー10aと下流端プーリー10bに掛け渡された複数本のベルト10cを備えている。
【0021】
下部コンベア接続部7には、香料液を噴出する下部香料液ノズル12が配置され、上部コンベア接続部11には、香料液を噴出する上部香料液ノズル13が配置されている。下部香料液ノズル12及び上部香料液ノズル13は、それぞれ長手方向がおしぼりタオル14の進行方向と略直交するように配置されている。下部香料液ノズル12の上側、即ち折り畳まれたおしぼりタオル14の下面に対向する位置には、おしぼりタオル14の下面に対して香料液を噴出する香料液噴出口(図示せず)が所定の間隔で複数形成されている。また上部香料液ノズル13の下側、即ち折り畳まれたおしぼりタオル14の上面に対向する位置には、おしぼりタオル14の上面に対して香料液を噴出する香料液噴出口(図示せず)が所定の間隔で複数形成されている。
【0022】
また、第1下部コンベア5と第1上部コンベア9との間には、下部コンベア4と上部コンベア8とにより、折り畳まれたおしぼりタオル14を挟んだ状態で搬送する際に、おしぼりタオル14の位置を検出するセンサ16が設けられている。また下部コンベア4と上部コンベア8により搬送するおしぼりタオル14の厚さ、即ちおしぼりタオル14自体の厚さや、丸型、平型等おしぼりタオル14の折り畳み方に応じて、第1上部コンベア9及び第2上部コンベア10の上下方向の位置を変更する上下位置変更機構18を備えている。
【0023】
図3は、下部香料液ノズル12及び上部香料液ノズル13に香料液を供給する香料液供給機構20を示す図である。香料液供給機構20は、香料液の香りの種類ごとに複数用意されている。例えばシトラスの香りの香料液を供給するための第1香料液供給機構22、ペパーミントの香りの香料液を供給するための第2香料液供給機構24、ラベンダーの香りの香料液を供給するための第3香料液供給機構26がそれぞれ用意されている。
【0024】
即ち第1香料液供給機構22は、下部香料液ノズル12、上部香料液ノズル13、香料液供給管22a、バルブ22b、ポンプ22c、香料液タンク22dを備えており、第2香料液供給機構24は、下部香料液ノズル12、上部香料液ノズル13、香料液供給管24a、バルブ24b、ポンプ24c、香料液タンク24dを備えており、第3香料液供給機構26は、下部香料液ノズル12、上部香料液ノズル13、香料液供給管26a、バルブ26b、ポンプ26c、香料液タンク26dを備えている。
【0025】
従って、おしぼりタオル14に付ける香りに応じて、第1香料液供給機構22、第2香料液供給機構24及び第3香料液供給機構26の中から選択した供給機構の下部香料液ノズル12と上部香料液ノズル13とが布製おしぼり香り付け装置2の下部コンベア接続部7と上部コンベア接続部11にそれぞれ配置される。なお香料液には、シトラス、ペパーミント、ラベンダーの香りのアロマオイルを水に混合させたものを用いられる。
【0026】
また香料液供給機構20には、第1香料液供給機構22の2つのバルブ22b、第2香料液供給機構24の2つのバルブ24b、第3香料液供給機構26の2つのバルブ26bを制御する香料液供給制御部28が備えられている。香料液供給制御部28は第1香料液供給機構22の2つのバルブ22bを制御することにより下部香料液ノズル12と上部香料液ノズル13から香料液を噴出させるタイミングや噴出量を制御する。また第2香料液供給機構24の2つのバルブ24bを制御することにより下部香料液ノズル12と上部香料液ノズル13から香料液を噴出させるタイミングや噴出量を制御する。更に第3香料液供給機構26の2つのバルブ26bを制御することにより下部香料液ノズル12と上部香料液ノズル13から香料液を噴出させるタイミングや噴出量を制御する。
【0027】
図4は実施の形態に係る布製おしぼり香り付け装置のシステム構成図である。布製おしぼり香り付け装置2は、装置全体を制御する制御部30を備え、制御部30には、センサ16、香料液供給制御部28、操作部32及びコンベア駆動部34が接続されている。ここで操作部32は、おしぼりタオル14に付ける香りの種類に応じて第1香料液供給機構22、第2香料液供給機構24、第3香料液供給機構26のいずれかを選択する選択スイッチ(図示せず)、下部コンベア4及び上部コンベア8の走行速度、香料液噴出タイミング、香料液の噴出量等の設定を行う設定部を備えている。またコンベア駆動部34は、下部コンベア4及び上部コンベア8の駆動制御を行う。
【0028】
香り付き布製おしぼりを製造する場合には、おしぼりタオルを洗濯した後に一度乾燥させ、検品を行った後に薬液を含浸させる。ここで薬液には、水、殺菌作用を有する塩化系薬剤、その他の布製おしぼりの抗菌、抗ウイルス剤、界面活性剤等が含まれる。その後、おしぼりタオルをプレス機を用いて脱水した後に、おしぼりの形に折り畳み布製おしぼり香り付け装置2に投入する。即ち作業員は、折り畳んだおしぼりタオル14を順次第1下部コンベア5上に置く。おしぼりタオル14は、コンベア駆動部34により駆動されている第1下部コンベア5と第1上部コンベア9との間に挟まれた状態で下流側に搬送される。おしぼりタオル14の位置は、センサ16により検出され制御部30に対して出力される。
【0029】
制御部30は、センサ16により検出されたおしぼりタオル14の位置を用いておしぼりタオル14が上部コンベア接続部11まで搬送されたタイミングで、上部香料液ノズル13から香料液を噴出させる。例えば第1香料液供給機構22が選択されている場合には、第1香料液供給機構22の上部香料液ノズル13が上部コンベア8の所定の位置に設置されていることから、上部香料液ノズル13に香料液を供給するバルブ22bを制御して上部香料液ノズル13からおしぼりタオル14に対して香料液を噴出させる。
【0030】
その後おしぼりタオル14は、第1下部コンベア5と第2上部コンベア10との間に挟まれた状態で下流側に搬送される。制御部30はセンサ16により検出されたおしぼりタオル14の位置を用いておしぼりタオル14が下部コンベア接続部7まで搬送されたタイミングで、下部香料液ノズル12から香料液を噴出させる。例えば第1香料液供給機構22が選択されている場合には、第1香料液供給機構22の下部香料液ノズル12が下部コンベア4の所定の位置に設置されていることから、下部香料液ノズル12に香料液を供給するバルブ22bを制御して上部香料液ノズル12からおしぼりタオル14に対して香料液を噴出させる。
【0031】
その後おしぼりタオル14は、第2下部コンベア6と第2上部コンベア10との間に挟まれた状態で下流側に搬送される。第2下部コンベア6の下流端まで搬送されたおしぼりタオル14は、布製おしぼり香り付け装置2の下流側に連結される布製おしぼり包装機(図示せず)に受け渡される。布製おしぼり包装機においては、ポリエチレン、ポリオレフィン、塩化ビニルなどの樹脂製のシートにより構成される包装フィルムでおしぼりタオルの包装を行い布製おしぼりが完成する。
【0032】
なお、異なる香りの布製おしぼりを製造する場合には、操作部32において他の香りの香料液を供給する他の香料液供給機構を選択すると共に、選択された香料液供給機構の下部香料液ノズル12と上部香料液ノズル13を下部コンベア4と上部コンベア8の所定の位置にそれぞれ設置する。そして上述の同様な工程を実施することにより他の香り付き布製おしぼりを製造する。
【0033】
この実施の形態の布製おしぼり香り付け装置2によれば、香りの異なる香り付き布製おしぼりを製造する場合に、薬液タンク、プレス機等を洗浄する必要がない。また複数の香料液供給機構の中から所望の香りの香料液を供給する香料液供給機構を選択し、選択された香料液供給機構の下部香料液ノズル12及び上部香料液ノズル13を下部コンベア4と上部コンベア8の所定の位置にそれぞれ設置するため、香料液の種類を切替える毎にアロマオイルが付着した香料液ノズル、香料液供給管、バルブ、ポンプ、香料液タンク等を洗浄する必要がなく、香りの異なる多種類の布製おしぼりを容易に製造することができる。
【0034】
またこの実施の形態の布製おしぼり香り付け装置2によれば、下部コンベア4と上部コンベア8とにより布製おしぼり14を挟んだ状態で下部香料液ノズル12及び上部香料液ノズル13から香料液を噴出させるため、おしぼりタオル14が位置ずれすることなく確実に香料液を付着させることができる。
【0035】
またこの実施の形態の布製おしぼり香り付け装置2によれば、下部コンベア4と上部コンベア8により搬送するおしぼりタオル14の厚さに応じて、第1上部コンベア9及び第2上部コンベア10の上下方向の位置を変更する上下位置変更機構18を備えているため、おしぼりタオル14自体の厚さが変更された場合や、丸型、平型等異なる折り畳み方のおしぼりタオル14が供給された場合においても、確実におしぼりタオル14の搬送及び香料液の付着を行うことができる。
【0036】
またこの実施の形態の布製おしぼり香り付け装置2によれば、第1下部コンベア5、第2下部コンベア6、第1上部コンベア9、第2上部コンベア10が上流端プーリー及び下流端プーリーと、上流端プーリーと下流端プーリーに掛け渡された複数本のベルトにより構成されているため、第1下部コンベア5、第2下部コンベア6、第1上部コンベア9、第2上部コンベア10への香料液の付着量を少なくすることができ、香りの異なる香り付き布製おしぼりを製造する場合に、第1下部コンベア5、第2下部コンベア6、第1上部コンベア9、第2上部コンベア10の洗浄をきわめて容易に行うことができる。
【0037】
またこの実施の形態の布製おしぼり香り付け装置2によれば、第1下部コンベア5と第2下部コンベア6の間に下部香料液ノズル12を配置すると共に、第1上部コンベア9と第2上部コンベア10の間に上部香料液ノズル13を配置しているため、おしぼりタオル14に近接した位置において下部香料液ノズル12及び上部香料液ノズル13から香料液を噴出させることができる。従って余分な香料液の噴出を抑制させながらおしぼりタオル14に確実に香料液を付着させることができる。
【0038】
なおこの実施の形態においては、第2上部コンベア10は第1上部コンベア9の下流側端部であって、下部コンベア接続部7の上部よりも上流側に設けられた上部コンベア接続部11に上流側端部を位置させて配置されているが、第1上部コンベア9の下流側端部であって、下部コンベア接続部7の上部よりも下流側に設けられた上部コンベア接続部11に上流側端部を位置させて配置するようにしてもよい。
【0039】
またこの実施の形態においては、下部香料液ノズル12及び上部香料液ノズル13を備えているが、下部香料液ノズル12、上部香料液ノズル13のいずれか一方でもよい。
【0040】
またこの実施の形態においては、香料液噴出制御部28が下部香料液ノズル12、及び上部香料液ノズル13から噴出される香料液の噴出量及び噴出時間の少なくとも一方を制御するようにしてもよい。
【0041】
またこの実施の形態においては、香料液噴出制御部28が下部香料液ノズル12及び上部香料液ノズル13から噴出される香料液の噴出量を異ならせるように制御してもよい。
【0042】
またこの実施の形態においては、香料液として、シトラス、ペパーミント、ラベンダーの香りのアロマオイルを水に混合させたものを用いているが、その他、シトラール、クロモジ、ニオイコブシ、ヒノキ、スギ、モミ、ヒメコマツ等の香りのアロマオイルを水に混合させたものを用いてもよい。
【符号の説明】
【0043】
2…布製おしぼり香り付け装置、4…下部コンベア、5…第1下部コンベア、6…第2下部コンベア、7…下部コンベア接続部、8…、上部コンベア、9…第1上部コンベア、10…第2上部コンベア、11…上部コンベア接続部、12…下部香料液ノズル、13…上部香料液ノズル、14…おしぼりタオル、16…センサ、18…上下位置変更機構、20…香料液供給機構、22…第1香料液供給機構、24…第2香料液供給機構、26…第3香料液供給機構、28…香料液供給制御部、30…制御部、32…操作部、34…コンベア駆動部
【要約】 (修正有)
【課題】香りの異なる多種類の香り付き布製おしぼりを容易に製造することができる布製おしぼり香り付け装置を提供する。
【解決手段】第1下部コンベアと、第1下部コンベアの下流側端部に形成される下部コンベア接続部に上流側端部が配置された第2下部コンベアと、第1下部コンベアの上側に配置された第1上部コンベアと、第1上部コンベアの下流側端部であって上部コンベア接続部に上流側端部が配置された第2上部コンベアと、下部コンベア及び上部コンベア接続部の少なくとも一方に設けられた香料液を噴出する香料液ノズルと、第1下部コンベア及び第2下部コンベアと、第1上部コンベア及び第2上部コンベアとにより折り畳まれたおしぼりタオルを挟んだ状態で搬送する際におしぼりタオルの位置を検出するセンサと、検出されたおしぼりタオルの位置を用いて、香料液ノズルから香料液を噴出させるタイミングを制御する香料液噴出制御部とを備える。
【選択図】
図1