特許第6143342号(P6143342)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6143342
(24)【登録日】2017年5月19日
(45)【発行日】2017年6月7日
(54)【発明の名称】ねじキャップ付き容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 41/04 20060101AFI20170529BHJP
【FI】
   B65D41/04 300
【請求項の数】6
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-115911(P2013-115911)
(22)【出願日】2013年5月31日
(65)【公開番号】特開2014-234184(P2014-234184A)
(43)【公開日】2014年12月15日
【審査請求日】2015年11月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006909
【氏名又は名称】株式会社吉野工業所
(74)【代理人】
【識別番号】100186358
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 信人
(74)【代理人】
【識別番号】100191145
【弁理士】
【氏名又は名称】佐野 整博
(72)【発明者】
【氏名】宮入 圭介
【審査官】 吉澤 秀明
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−072793(JP,A)
【文献】 実開昭61−193047(JP,U)
【文献】 特開2006−193202(JP,A)
【文献】 特開2004−042947(JP,A)
【文献】 実開昭53−030450(JP,U)
【文献】 米国特許第04664273(US,A)
【文献】 米国特許第05662233(US,A)
【文献】 特開昭50−047791(JP,A)
【文献】 特公昭48−022780(JP,B1)
【文献】 実公昭43−005739(JP,Y1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 41/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
口部外周にねじ部が形成された容器と、該ねじ部に螺合するねじ部を内周に形成した環状壁を有するキャップとからなるねじキャップ付き容器であって、
口部外周のねじ部の下端部付近にねじ溝を横切る一つの突出リブが設けられ、
突出リブを有する前記ねじ溝に螺合する環状壁内周のねじ部の下端部付近のねじ山には、凸部または凹部、もしくは凸部に続いて凹部が設けられた凹凸部が設けられ、
環状壁には、当該凸部または凹部、もしくは凹凸部に対応する所定範囲にわたって弾性変形部が形成されていることを特徴とするねじキャップ付き容器。
【請求項2】
弾性変形部は、薄肉に形成された変形薄肉部であることを特徴とする請求項1記載のねじキャップ付き容器。
【請求項3】
変形薄肉部は、環状壁の外周面に設けられた減肉凹部によって形成されていることを特徴とする請求項2記載のねじキャップ付き容器。
【請求項4】
環状壁内周のねじ山の下端部付近に設けられた凸部または凹部は、ねじ山に沿って間隔を置いて複数形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のねじキャップ付き容器。
【請求項5】
容器の口部外周およびねじキャップの環状壁内周に形成されたねじ部は、多条ねじであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のねじキャップ付き容器。
【請求項6】
容器の口部外周に形成されたねじ部は、容器本体の口筒部に装着された注出中栓に設けられたものであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のねじキャップ付き容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、口部に螺合するねじキャップを具えた容器に関し、とくにねじを適正位置に確実に締め込み、ねじのゆるみを防止することができるねじキャップ付き容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、容器本体の口筒部や、容器本体の口筒部に嵌合された注出中栓等の、容器口部に設けられた雄ねじ部に螺合締結する雌ねじ部を有するねじキャップは多くの容器で用いられている。
ねじキャップは何度でも開閉することができるという便利性を有するが、容器の密封状態を保つためには、適正位置まで確実に締め込まれるとともに、緩むことがないように安定した締結状態を維持することが求められる。
【0003】
とくに、多条ねじは、少ない回動角度で開閉することができるとともに、負荷が多数のねじにバランスよく配分されて使い勝手がよいという長所を有する反面、リード角が大きくなるので緩みやすいという欠点がある。
ねじの緩みを防止する従来技術として、瓶口部の雄ネジ部のネジ山下側面に突起を形成し、瓶口部頂面に被覆された緩衝部材が蓋体天板に接触する位置で、該突起が蓋体の雌ネジ部のネジ山上側面を押圧するようにした蓋体弛み防止構造が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実願平1−47535号(実開平2−138147号)のマイクロフィルム
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1記載の蓋体弛み防止構造では締結完了を判断することが困難であり、また、蓋体を締め込む際に突起によってネジ山を大きく変形させるため、緩衝部材を押圧して容器を密閉する適正位置まで締め込むために大きな力を必要とするとともに、何度も締結を繰り返すうちにネジ山に摩耗やへたりが生じて緩みやすくなってしまうという問題があった。
【0006】
本発明は、上記問題を解決することを課題とし、ねじの適正位置への締め込みが完了したことを容易に確認することができるとともに、締結後は緩みが生じないようにした耐久性のあるねじキャップ付き容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記の課題を解決するため、ねじキャップ付き容器として、口部外周にねじ部が形成された容器と、該ねじ部に螺合するねじ部を内周に形成した環状壁を有するキャップとからなるねじキャップ付き容器であって、口部外周のねじ部の下端部付近にねじ溝を横切る一つの突出リブが設けられ、突出リブを有する前記ねじ溝に螺合する環状壁内周のねじ部の下端部付近のねじ山には、凸部または凹部、もしくは凸部に続いて凹部が設けられた凹凸部が設けられ、環状壁には、当該凸部または凹部、もしくは凹凸部に対応する所定範囲にわたって弾性変形部が形成されていることを特徴とする構成を採用する。
【0008】
ねじキャップ付き容器の具体的実施形態として、弾性変形部は、薄肉に形成された変形薄肉部であることを特徴とする構成、該変形薄肉部は、環状壁の外周面に設けられた減肉凹部によって形成されていることを特徴とする構成、また、環状壁内周のねじ山の下端部付近に設けられた凸部または凹部は、ねじ山に沿って間隔を置いて複数形成されていることを特徴とする構成、さらに、容器の口部外周およびねじキャップの環状壁内周に形成されたねじ部は、多条ねじであることを特徴とする構成、容器の口部外周に形成されたねじ部は、容器本体の口筒部に装着された注出中栓に設けられたものであることを特徴とする構成を採用する。
【発明の効果】
【0009】
本発明のねじキャップ付き容器は、口部外周のねじ部の下端部付近にねじ溝を横切る突出リブが設けられ、突出リブを有する前記ねじ溝に螺合する環状壁内周のねじ部のねじ山の下端部付近には、凸部または凹部、もしくは凹凸部が設けられているので、ねじ溝の突出リブが凸部を乗り越える際、または凹部に嵌合する際のクリック感によって、使用者がキャップのねじの締結完了を認識することができるとともに、ねじの緩みを防止することができる。
しかも、キャップの環状壁には、凸部または凹部、もしくは凹凸部に対応する所定範囲にわたって弾性変形部が形成されているので、ねじ山の凸部、または凹部より先端側のねじ山がねじ溝の突出リブに乗りあげる際に、当該弾性変形部が外側に撓み、突出リブを乗り越えると元の位置に復元するように変形して、ねじ山を摩耗したり変形させたりしないから、ねじ山がへたるようなことがなく耐久性および密封性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の第1実施例のねじキャップと注出中栓の一部を破断した斜視図
図2】本発明の第1実施例の注出中栓を示す図であり、(a)は注出中栓の上面図、(b)は容器本体の口筒部に装着した注出中栓の正面一部断面図
図3】本発明の第1実施例のねじキャップを示す図であり、(a)は正面一部断面図、(b)は下面図
図4】本発明の第2実施例のねじキャップを示す図であり、(a)は正面一部断面図、(b)は下面図
図5】本発明の第3実施例のねじキャップを示す図であり、(a)は正面一部断面図、(b)は下面図
図6】本発明の第4実施例のねじキャップの下面図
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、本発明のねじキャップ付き容器について、実施例を示した図面を参照して説明する。
【実施例1】
【0012】
図1〜3において、Aは容器本体、Bは注出中栓、Cはねじキャップである。
容器本体Aの口筒部1には、外周面に環状の係合凸条2が設けられ、係合凸条2と、係合凸条2より先端側の天面筒部3が、注出中栓Bの下部に嵌合係止して注出中栓Bを口筒部1に装着している。
【0013】
図1,2に示すように、注出中栓Bは上端から注出口を形成するノズル部5、キャップCと螺合する雄ねじ部7、容器本体Aを嵌合係止する嵌合筒部8とからなる。
ノズル部5は、先端に内容物の注出口を形成する注出筒部6が設けられ、注出筒部6の先端には、注出口に連通し先端に向けて末広がりの内周面を形成する内周テーパ面10、および外周にラッパ状湾曲部11が形成されている。
【0014】
雄ねじ部7には、三条ねじが形成されており、ねじ山16a,16b.16cおよびねじ溝17a,17b,17cが形成されている。
雄ねじ部7の下部には、ねじ溝17a,17b,17cの下端部近傍を横切る突出リブ18a,18b,18cがねじ山16a,16b.16cの山中腹から下方に延びるように形成されている。
【0015】
雄ねじ部7の下端にはフランジ状に張り出す上壁20が連設され、上壁20の下面には外周面を形成する外筒21およびその内周側に内筒22が垂設されて、嵌合筒部8を形成している。
外筒21の内周面と内筒22の外周面との間に、容器本体Aの天面筒部3が嵌合挟持される環状の嵌合溝23が設けられ、外筒21の内周面下部には、容器本体Aの係合凸条2に嵌合する係合凹条24が形成されている。
また、外筒21の下端部付近には、容器を使用した後に注出中栓Bを容器本体Aから分別廃棄するための分離機構が設けられ、外周面に分離タブ25が連設されている。
【0016】
図3に示すように、ねじキャップCは、頂壁30と、頂壁30の外縁から垂設され外周面を形成する外周壁31と、外周壁31の内側に垂設された環状壁32とからなる。
頂壁30の下面中央付近には、注出中栓Bのノズル部5の注出口に嵌入される栓体35が設けられている。
環状壁32の内周面には、注出中栓Bの雄ねじ部7に螺合する3条ねじの雌ねじ部36が設けられ、ねじ山37a,37b,37cおよびねじ溝38a,38b,38cが形成されている。
【0017】
雌ねじ部36のねじ山37a,37b,37cの下端部付近には、注出中栓Bの突出リブ18a,18b,18cを乗り越えることによって、雄ねじ部7と雌ねじ部36の締結が完了する位置に凸部40a,40b,40cが設けられている。
環状壁32の外周面には、凸部40a,40b,40cが設けられた周方向位置をほぼ中央とする周方向所定範囲および下端からの所定高さ範囲にわたって減肉凹部41a,41b,41cが設けられ、凸部40a,40b,40cが突出リブ18a,18b,18cを乗り越えることを可能とする変形薄肉部42a,42b,42cが形成されている。
減肉凹部41の当該周方向所定範囲および所定高さ範囲は、環状壁32を形成する材料の強度や弾性係数などによって適宜決定される。
【0018】
本実施例では、雄ねじ部7を設けた注出中栓Bを容器本体Aの口筒部1に嵌合装着した容器を用いたが、容器本体Aの口筒部1に直接雄ねじ部を形成した容器を用いてもよいことはもちろんである。
また、本実施例では、凸部40に対応する環状壁32を弾性変形させるために薄肉の変形部42を形成しているが、本発明は必ずしもこのような実施形態に限定されず、凸部40が突出リブ18を乗り越えさせるための弾性変形部としては、環状壁32の凸部40に対応する部位のみを弾性変形しやすい材料を用いて二色成形するなど、種々の構造を採用することが可能である。
【0019】
次に、本実施例の使用態様と作用効果について説明する。
まず、注出中栓Bの嵌合溝23を容器本体Aの天面筒部3にあてがい、上方から打栓すると、係合凸状2が係合凹条24に嵌合して注出中栓Bを容器本体Aに装着し、図2(b)に示される容器が組み立てられる。
【0020】
ねじキャップCを注出中栓Bに上方から嵌合して回動すると、環状壁32の雌ねじ部36が注出中栓Bの雄ねじ部7に螺入し、それぞれのねじ山とねじ溝が噛み合って締結が進行していく。雌ねじ部36の凸部40の高さはわずかであるので、雄ねじ部7との螺合に支障をきたすようなことはない。
雄ねじ部7と雌ねじ部36の螺合が進み、ねじキャップCが降下していくと、栓体35が内周テーパ面10に案内されて注出口に嵌入し、容器内を密封するようになる。
【0021】
ねじの締結が完了する直前に、ねじキャップCのねじ山37の凸部40が注出中栓Bのねじ溝17を横切る突出リブ18に乗り上げるようになるが、凸部40に対応する部位の環状壁32には変形薄肉部42が形成されているので、変形薄肉部42が容易に弾性変形して凸部40は突出リブ18を乗り越えることができる。
このとき、凸部40が突出リブ18を乗り越える際の振動が、ねじキャップCを回動している使用者にクリック感を与え、使用者はねじの締結が完了したことを認識することができるので、確実に締め込むことができるとともに過剰な締め込みを防ぐことができる。
【0022】
凸部40が突出リブ18を乗り越えた後には、変形薄肉部42の変形が解消して元の形状に復元し、ねじが緩む方向に回動しようとしても凸部40が突出リブ18に係合して、不用意なねじの緩みを防止することができる。
そして、凸部40が突出リブ18に乗り上げるときには変形薄肉部42が弾性変形するので、凸部40と突出リブ18に過度な力がかからないため、凸部40と突出リブ18が摩耗したりへたったりせずに緩み止めの効果を持続することができ、耐久性を高めることができる。
【実施例2】
【0023】
次に、第1実施例の突出リブに係合する凸部を凹部に代えた第2実施例について説明する。
以下、第1実施例と同一の構成部分には同一の符号を付し、相違点を中心に説明する。
図4に示すように、本実施例では、ねじキャップBのねじ山37a,37b,37cの下端部付近には、それぞれのねじ山の頂部を切り欠くように凹部44a,44b,44cが形成されている。
凹部44(44a,44b,44c)のねじ山方向の幅は、突出リブ18の幅と同じかやや大きく、凹部44のねじ山37を切り欠く方向は、突出リブ18の方向と一致するように形成されている。
【0024】
凹部44に対応する環状壁32の外周面には、実施例1と同様、下端からの所定高さ範囲にわたって設けられた減肉凹部41によって変形薄肉部42が形成されているが、本実施例の減肉凹部41の周方向位置は、凹部44よりねじの下端部側の完全ねじ部となるねじ山37付近を中央とする周方向所定範囲に設定される。
本実施例では、突出リブ18は雌ねじ部36のねじ山37に乗り上げる高さに設定されており、ねじ山37の凹部44より下端部側の完全ねじ部付近が、突出リブ18に対して最も高く乗り上げることになるからである。
その他の構成は実施例1と同じである。
【0025】
本実施例では、ねじ山37の下端部側が突出リブ18に乗り上げるようになると、変形薄肉部42が容易に弾性変形して螺合が進み、凹部44が突出リブ18のところまでくると凹部44と突出リブ18が嵌合するようになり、変形薄肉部42が元の形状に復元してねじの緩みを防止する。
本実施例の場合は、締め込み完了位置で突出リブ18が凹部44に嵌合するので、嵌合時のクリック感によって締め込み完了を認識することができるとともに、嵌合後はねじキャップCがさらに回動することを阻止する力が働き、過剰な締め込みを防ぐことができるという効果がある。
その他の作用効果は、実施例1と同じである。
【実施例3】
【0026】
次に、第1実施例の突出リブに係合する凸部に代えて、凸部に続いて凹部を具えた凹凸部を設けた第3実施例について説明する。
以下、第1実施例と同一の構成部分には同一の符号を付し、相違点を中心に説明する。
図5に示すように、本実施例では、ねじキャップBのねじ山37a,37b,37cの下端部付近には、それぞれ下方からまず凸部145a,145b,145cが形成され、それに続いて凹部245a,245b,245cが形成された凹凸部45a,45b,45cが形成されている。
【0027】
凸部145(145a,145b,145c)と凹部245(245a,245b,245c)の形状や作用効果は、それぞれ実施例1の凸部40、実施例2の凹部44と同じであり、減肉凹部41の周方向位置は、凸部145が設けられた周方向位置をほぼ中央とする位置に配置される。
その他の構成は実施例1と同様であり、本実施例の凹凸部45は、凸部145が締め込み完了を認識させるクリック感を強めるとともに、凹部245が突出リブ18に嵌合してねじキャップCのさらなる回動を阻止し過剰な締め込みを防止するという作用効果を奏し、実施例1と実施例2の長所を合わせもっている。
【実施例4】
【0028】
次に、第1実施例の突出リブに係合する凸部を複数設けた第4実施例について説明する。
以下、第1実施例と同一の構成部分には同一の符号を付し、相違点を中心に説明する。
図6に示すように、ねじキャップBのねじ山37a,37b,37c上にそれぞれ設けられた凸部50a,50b,50cは、各ねじ山37a,37b,37cに沿って、その下端部付近から間隔を置いて複数形成され、本実施例ではそれぞれ4つの凸部が形成されている。
【0029】
この複数の凸部50(50a,50b,50c)は、それぞれ突出リブ18が嵌合することができる程度の間隔を置いて配置されている。
複数の凸部50に対応する減肉凹部41の周方向位置は、複数の凸部50のうち下端部側の凸部50を略中央とするように設定することが好ましく、本実施例では、下端部側から2番目の凸部50を減肉凹部41の中央位置としたが、これに限定されるものではない。
その他の構成は、第1実施例と同じである。
なお、本実施例では、実施例1の凸部40をそれぞれ複数設けた複数の凸部50としたが、実施例2の凹部44をそれぞれ複数設けて、複数の凹部とすることも可能である。
【0030】
ねじの締め込み位置は、成形上の精度誤差や使用頻度に起因してバラツキが出ることがあるが、本実施例のように各ねじ山37に複数の凸部50を設ければ、各ねじ山37の最下端に設けられた凸部50が、ねじの締め込み過程で最初に突出リブ18を乗り越えても締め込み度合いが足りないときには、さらに次の(上方の)凸部50が突出リブ18を乗り越えるところまで締め込むことによって締め込みを確実にし、締め込み強度や密封性を安定したものにすることができるとともに、さらに上方の凸部50によって過剰な締め込みを防止することができる。
【産業上の利用可能性】
【0031】
本発明のねじキャップ付き容器は、締結完了を容易に確認することができるとともに、開閉頻度の高いものでも確実に緩みを防止することができるので、高い密封性を必要とする容器などに広く利用可能である。
【符号の説明】
【0032】
A 容器本体
B 注出中栓
C ねじキャップ
1 口筒部
2 係合凸条
3 天面筒部
5 ノズル部
6 注出筒部
7 雄ねじ部
8 嵌合筒部
10 内周テーパ面
11 ラッパ状湾曲部
16(16a,16b.16c) ねじ山
17(17a,17b,17c) ねじ溝
18(18a,18b,18c) 突出リブ
20 上壁
21 外筒
22 内筒
23 嵌合溝
24 係合凹条
25 分離タブ
30 頂壁
31 外周壁
32 環状壁
35 栓体
36 雌ねじ部
37(37a,37b,37c) ねじ山
38(38a,38b,38c) ねじ溝
40(40a,40b,40c) 凸部
41(41a,41b,41c) 減肉凹部
42(42a,42b,42c) 変形薄肉部(弾性変形部)
44(44a,44b,44c) 凹部
45(45a,45b,45c) 凹凸部
50(50a,50b,50c) 複数の凸部
145(145a,145b,145c) 凸部
245(245a,245b,245c) 凹部
図1
図2
図3
図4
図5
図6