特許第6143345号(P6143345)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6143345
(24)【登録日】2017年5月19日
(45)【発行日】2017年6月7日
(54)【発明の名称】シフトレバー支持装置
(51)【国際特許分類】
   B60K 20/02 20060101AFI20170529BHJP
【FI】
   B60K20/02 A
【請求項の数】1
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-144438(P2013-144438)
(22)【出願日】2013年7月10日
(65)【公開番号】特開2015-16752(P2015-16752A)
(43)【公開日】2015年1月29日
【審査請求日】2016年6月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002967
【氏名又は名称】ダイハツ工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105980
【弁理士】
【氏名又は名称】梁瀬 右司
(74)【代理人】
【識別番号】100105935
【弁理士】
【氏名又は名称】振角 正一
(72)【発明者】
【氏名】廣谷 高志
【審査官】 岡本 健太郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−122225(JP,A)
【文献】 特開平02−271035(JP,A)
【文献】 特開2000−242352(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 20/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シフトレバーがシフトレバーブラケットに対してシフト操作可能に支持されるとともに、前記シフトレバーの操作を変速機に伝えるように取り回しされたシフトケーブルを構成するアウタケーブルの端部の一部が、前記シフトレバーブラケットに設けられた開口部に挿入されるシフトレバー支持装置において、
前記開口部に挿入される前記アウタケーブルの端部に設けられたフランジと、
前記シフトレバーブラケットの外周面の前記開口部の周縁であって前記アウタケーブルの端部の挿入方向における上流側に当該外周面との間に空間をあけて突出形成された嵌挿体とを備え
前記嵌挿体と前記シフトレバーブラケットの外周面との間の空間である嵌挿部に前記フランジの一部が嵌挿することを特徴とするシフトレバー支持装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、シフトレバーブラケットに対してシフト操作可能に支持されたシフトレバーを構成するアウタケーブルの端部の一部が、シフトレバーブラケットに設けられた開口部に挿入されるシフトレバー支持装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、シフトレバーの操作を変速機に伝えるシフトケーブルを支持するシフトレバー支持装置は、たとえば半分が車両のフロア下に位置するフロアシフトレバー装置とトランスミッションとを、トランスミッションケーブルにより結合する構造を有しており、フロア下に位置するフロアシフトレバー装置のケーブルエンド取付部の開口に、大径部分の途中に小径部分を有する連結具の小径部分を嵌め込み、ケーブルエンド取付部の表裏両側に連結具の大径部分を位置させて、シフトケーブルをシフトレバー装置に締結して支持するよう構成されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−6678号公報(段落0010〜0019および図1図3参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記した従来の支持装置では、シフトケーブルがケーブルエンド取付部の開口から抜け落ちないように、嵌め込んだ連結具の小径部分と開口との隙間に抜け止めクリップを打ち込むことが考えられるが、連結具にはシフトケーブルの自重等によるテンションがかかるため、連結具の小径部分をケーブルエンド取付部の開口に嵌め込む際に、連結具を用意に位置決めできず、連結具の位置決めがなされない状態で抜け止めクリップをハンマ等で打ち込んだ場合に、シフトケーブルを誤って叩きシフトケーブルを破損してしまうおそれがある。
【0005】
そこで、シフトケーブルのテンションの影響を受けることなくシフトケーブルを支持できるようにするために、先にシフトレバーのインナケーブルをシフトレバーに連結した後でシフトレバーをトランスミッション側に接続する手法や、一端側がトランスミッションに接続されたシフトケーブルの他端を、半分が車両のフロア下に位置するフロアシフトレバー装置内に引き込んでインナケーブルをシフトレバーに連結し、連結具をはめ込んでからクリップを打ち込む手法などが考えられる。
【0006】
ところが、前者の手法の場合、フロア下におけるトランスミッションへのシフトケーブルの接続作業が必要になり、フロア下での作業のため、視認性が悪く狭小な作業スペースでの作業を強いられるなど、様々な制約のために作業効率が低下するという問題がある。
【0007】
また、後者の手法の場合、クリップを打ち込む際に、連結具近辺のシフトケーブルに過大な負荷がかかってケーブルの首折れが生じ、後々にケーブル切れが発生するなど、組み付け時の不具合によるシフトケーブルの品質低下を招くおそれがある。
【0008】
本発明は、シフトケーブルのテンションに影響されることなく、シフトレバーブラケットに対してシフトケーブルのアウタケーブルの端部を正確に安定して位置決めし、シフトケーブルの組み付け作業効率の向上およびシフトケーブルの品質低下の防止を図れるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記した目的を達成するために、本発明のシフトケーブル支持装置は、シフトレバーがシフトレバーブラケットに対してシフト操作可能に支持されるとともに、前記シフトレバーの操作を変速機に伝えるように取り回しされたシフトケーブルを構成するアウタケーブルの端部の一部が、前記シフトレバーブラケットに設けられた開口部に挿入されるシフトレバー支持装置において、前記開口部に挿入される前記アウタケーブルの端部に設けられたフランジと、前記シフトレバーブラケットの外周面の前記開口部の周縁であって前記アウタケーブルの端部の挿入方向における上流側に当該外周面との間に空間をあけて突出形成された嵌挿体とを備え、前記嵌挿体と前記シフトレバーブラケットの外周面との間の空間である嵌挿部に前記フランジの一部が嵌挿することを特徴としている(請求項1)。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に係る発明によれば、シフトケーブルのアウタケーブルの端部にフランジを設け、シフトレバーブラケットの外周面の開口部の周縁であってアウタケーブルの端部の挿入方向における上流側に嵌挿体を突出して形成し、嵌挿体と前記シフトレバーブラケットの外周面との間にフランジの一部が嵌挿する嵌挿部を設けたため、この嵌挿部にアウタケーブル端部のフランジを嵌挿することにより、嵌挿状態のフランジにシフトケーブルのテンションがかかっても、アウタケーブル端部のフランジを嵌挿部に嵌挿した状態に保持することができ、シフトケーブルのテンションに影響されることなくシフトレバーブラケットに対してシフトケーブルのアウタケーブルの端部を正確に安定して位置決めすることができ、その後アウタケーブル端部を固定するために、例えば従来のようなクリップの打ち込みを行う場合であっても、シフトケーブルを損傷することなく確実にクリップを打ち込むことができ、従来のようなシフトケーブルの首折れに伴う品質低下を未然に防止することが可能になる。
【0011】
また、シフトケーブルを従来のようにフロア下から引っ張ることなく、フロア下からでもシフトレバーブラケットに対してシフトケーブルを容易に組み付けることができるとともに、フランジと嵌挿部との嵌挿状態を外部から目視で容易に確認することができ、シフトケーブルの組み付け作業性の向上を図ることが可能になる。
【0012】
さらに、シフトケーブルのテンションを利用して、フランジを嵌挿部に嵌挿したときに、フランジをシフトレバーブラケットの開口部周縁に押し付け付勢できるように嵌挿部の形成位置を設定することにより、フランジの嵌挿部への嵌挿作業をより一層容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明に係るシフトケーブル支持装置の一実施形態の分解斜視図である。
図2図1のシフトレバーブラケットの拡大斜視図である。
図3図1のシフトケーブル端部の拡大斜視図である。
図4図1の一部ある状態における斜視図である。
図5】(a)〜(c)は図1の連結具のフランジの嵌挿部への嵌挿途中におけるそれぞれ異なる状態の一部切断側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
つぎに、本発明の一実施形態について、図1ないし図5を参照して説明する。
【0015】
図1に示すように、シフトレバー1が樹脂成形されたシフトレバーブラケット2に対してシフト操作可能に支持されてフロアシフトレバー装置3が構成され、シフトレバーブラケット2の下半分は車両のフロア下に配置され、フロア下においてシフトレバー1の操作が変速機に伝えられるように取り回しされたシフトケーブル5の一方端部がフロア下で変速機(図示省略)に接続されるとともに、他方端部がシフトレバーブラケット2内においてシフトレバーに1に連結される。
【0016】
このとき、図2に示すように、シフトレバーブラケット2の下部後側には円形の開口部7が形成され、この開口部7にシフトケーブル5を構成するアウタケーブル5aの他方端部が挿入され、アウタケーブル5a内に摺動自在に収容されたインナケーブル5bがシフトレバーブラケット2内に導入されて、シフトケーブル5のインナケーブル5bの先端に取り付けられた接続具5cがシフトレバー1の下端の所定箇所に連結される。
【0017】
また、シフトケーブル5のアウタケーブル5aの他方端部側には連結具9が取り付けられ、この連結具9がシフトレバーブラケット2の開口部7に係合されることにより、シフトケーブル5がその他方端部をシフトレバーブラケット2内に挿入された状態に保持される。
【0018】
ところで、上記した連結具9は、シフトケーブル5のアウタケーブル5aの他方端部に取り付けられた短円筒体9aと、この短円筒体9aのシフトレバー装置3側の端面に一体的に設けられた短円筒体9aよりも大径でかつ開口部7よりも小径のリング状の係止部9bと、短円筒体9aの係止部9bと反対側(トランスミッション側)の端面に一体的に設けられた開口部7よりも大径のフランジ9cとにより構成されている。
【0019】
ここで、図3に示すように、連結具9のフランジ9cは、2つの半円を2本の平行線でつないだ長円形を、両半円を挟む線対称の位置で半分に切断した形状を有しており、上記したように、フランジ9cの半円形部分の径は開口部7よりも大きいため、図4に示すように、シフトケーブル5の他方端部をシフトレバーブラケット2内に挿入する際に、連結具9のフランジ9cがシフトレバーブラケット2の開口部7を通り抜けることはなく、短円筒部9aおよび係止部9bだけが開口部7を通り抜けてシフトレバーブラケット2内に挿入されるようになっている。
【0020】
さらに、シフトケーブル5のインナケーブル5bは複数の細いケーブルを束ねて形成され、アウタケーブル5aは、複数の細いケーブルがインナケーブル5bの周囲を螺旋状に取り巻くように巻回されて形成されるため、シフトケーブル5の自重やシフトケーブル5をフロア下に取り回しするときに湾曲されることに伴う所定方向へのテンションが、シフトケーブル5の他方端部側にかかるため、シフトケーブル5の他方端部をシフトレバーブラケット2内に挿入して連結具9を開口部7に係合させるには、連結具9を正確に安定して位置決めすることが重要となる。
【0021】
そこで、例えばシフトケーブル5の他方端部において下向きにテンションがかかる場合を例にとると、図2に示すように、シフトレバーブラケット2の下部外周面の開口部7の下側付近に、上方から見た平面視でコ字状の嵌挿体11を一体的に突出して形成する。このとき、嵌挿体11の上面が、側面視でシフトレバーブラケット2の下部外周面の開口部7の内周面下端と同一面をなすように嵌挿体11を形成する。そして、この嵌挿11とシフトレバーブラケット2の下部外周面との間の空間である嵌挿部11aに連結具9のフランジ9cの矩形状の下端部を嵌挿させることにより、連結具9の位置決めを行うようにする。
【0022】
すなわち、嵌挿部11aに連結具9のフランジ9cを挿入したときに、シフトケーブル5の他方端部にかかる下向きのテンションにより、フランジ9cの上端部が下端部を支点にシフトレバーブラケット2に向って回動され、フランジ9cが開口部7の周縁のシフトレバーブラケット2の外側面に押し付けられるため、嵌挿部11aにフランジ9cを挿入して連結具9を開口部7に係合させることにより、作業者が連結具9に対して何ら外力(押し付け力)を加えなくても、シフトケーブル5の他方端部にかかるテンションによりフランジ9cを開口部7の周縁に押し付けることができ、連結具9を正確に安定して位置決めすることができる。なお、シフトケーブル5の他方端部にかかるテンションの向きが容易に認識できるように、シフトケーブル5のインナケーブル5bの先端に取り付けられた接続具5cに、テンションの向きと反対側に突起5dなどの目印を設けておくのが望ましい。
【0023】
ところで、連結具9の短円筒部9a、係止部9b、フランジ9cおよび開口部7の寸法設定は、次のように行うのが好ましい。
【0024】
図5(a)〜(c)に示すように、短円筒部9aの上端からフランジ9cの円弧状の上端までの寸法をL1、短円筒部9aの直径をL2、短円筒部9aの下端からフランジ9cの矩形状の下端までの寸法をL3、係止部9bの直径をL4、円形の開口部7の径をMとする。図5(a)に示すように、シフトレバーブラケット2の下部外周面の開口部7にシフトケーブル5の他方端部を挿入するときに、連結具9の係止部9bおよび短円筒部9aを開口部7に挿通できるように、係止部9bの直径L4を開口部7の径Mよりも小さく(M>L4)設定する。
【0025】
そして、図5(b)に示すように、開口部7の内側上面に短円筒部9aの上面が摺接させつつシフトケーブル5の他方端部をシフトレバーブラケット2内に押し込んだときに、フランジ9cの下端が嵌挿体11の後面に当接して閊えることによって、シフトケーブル5をそれ以上シフトレバーブラケット2内に押し込むことができなくなるという事態が生じないように、短円筒部9aの直径L2と短円筒部9aの下端からフランジ9cの矩形状の下端までの寸法L3と合算した値(L2+L3)が、開口部7の径Mと同じか少し小さく(L2+L3≦M)なるように設定する。
【0026】
さらに、図5(b)に示すように、フランジ9cの下端が嵌挿部11に閊えることなく、嵌挿体11の上面をフランジ9cの下端面が摺接しつつシフトケーブル5の他方端部をシフトレバーブラケット2内に押し込み、同図(c)に示すように、嵌挿部11aに連結具9のフランジ9cの下端部が嵌挿したときに、シフトケーブル5の他方端部にかかる下向きのテンションにより、フランジ9cの上端がシフトレバーブラケット2の外側面の開口部7の周縁上部に当接することで、フランジ9cの開口部7内への入り込みを阻止するとともに、短円筒部9aの下端が開口部7の下端内周に当接した状態になるように、短円筒部9aの上端からフランジ9cの円弧状の上端までの寸法L1と短円筒部9aの直径L2とを合算した値(L1+L2)が、開口部7の径Mと同じか少し大きく(L1+L2≧M)なるように設定する。
【0027】
このように、連結具9の短円筒部9a、係止部9b、フランジ9cおよび開口部7の寸法設定を行うことにより、嵌挿体11とシフトレバーブラケット2の下部外周面との間の嵌挿部11aに、連結具9のフランジ9cの矩形状の下端部を嵌挿させ、シフトケーブル5の他方端部にかかるテンションを利用して連結具9の位置決めを行うことができる。
【0028】
そして、位置決め後の連結具9を固定するために、側面視が若干撓んだ形状を有するコ字状クリップ13を、シフトレバーブラケット2内に突出した連結具9の小径部分である短円筒部9aにハンマ等により打ち込んで嵌着し、係止部9bと開口部7の周縁のシフトレバーブラケット2の内周面との間にクリップ13を介挿することにより、シフトケーブル5が連結具9ごと開口部7から抜け落ちないように連結具9を支持する。
【0029】
したがって、上記した実施形態によれば、シフトケーブル5のアウタケーブル5aの他方端部にフランジ9cを有する連結具9を設け、シフトレバーブラケット2の外周面の開口部7の下端に嵌挿体11を形成したため、この嵌挿体11とシフトレバーブラケット2の外周面との間の嵌挿部11aに連結具9のフランジ9cを嵌挿することにより、嵌挿状態のフランジ9cにシフトケーブル5のテンションがかかっても、連結具9のフランジ9cを嵌挿部11aに嵌挿した状態に保持することができ、シフトケーブル2のテンションに影響されることなくシフトレバーブラケット2に対してシフトケーブル5の連結具9を正確に安定して位置決めすることができ、その後連結具9を固定するためにクリップ13の打ち込みを行う場合であっても、シフトケーブル5を損傷することなく確実にクリップ13を打ち込むことができ、従来のようなシフトケーブル5の首折れに伴う品質低下を未然に防止することが可能になる。
【0030】
また、シフトケーブル5を従来のようにフロア下から引っ張ることなく、フロア下からでもシフトレバーブラケット2に対してシフトケーブル5を容易に組み付けることができるとともに、フランジ9cと嵌挿部11aとの嵌挿状態を外部から目視で容易に確認することができ、シフトケーブル5の組み付け作業性の向上を図ることが可能になる。
【0031】
さらに、シフトケーブル5の他方端部にかかる例えば下向きのテンションを利用し、連結具9のフランジ9cを嵌挿部11aに嵌挿したときに、フランジ9cをシフトレバーブラケット2の外周面の開口部7周縁に押し付け付勢できるように、嵌挿体11を開口部7の下端付近に形成することにより、フランジ9cの嵌挿部11aへの嵌挿作業をより一層容易に行うことができる。
【0032】
また、短円筒部9aの上端からフランジ9cの円弧状の上端までの寸法L1、短円筒部9aの直径L2、短円筒部9aの下端からフランジ9cの矩形状の下端までの寸法L3、係止部9bの直径L4、および、円形の開口部7の径Mが、上記したように、
(L2+L3)≦M≦(L1+L2)
となるように設定することで、嵌挿体11とシフトレバーブラケット2の下部外周面との間の嵌挿部11aに、連結具9のフランジ9cの矩形状の下端部を嵌挿させ、シフトケーブル5の他方端部にかかるテンションを利用して連結具9の位置決めを行うことができる。さらに、このような寸法設定をすることにより、連結具9を開口部7に挿入する際に連結具9の中心軸が開口部7に対して少々傾斜していても、連結具9を開口部7に挿入することができる。
【0033】
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行なうことが可能であり、例えばアウタケーブル5aの端部に、少なくともフランジ9cを備えるものであればよい。
【0034】
また、上記した実施形態では、シフトケーブル5の他方端部に下向きのテンションがかかるときに、嵌挿体11をシフトレバーブラケット2の開口部7の下端付近に形成するようにした場合について説明したが、シフトケーブル5の他方端部に上向きのテンションがかかるときには、嵌挿体11をシフトレバーブラケット2の開口部7の上端付近に形成すればよく、要するにシフトケーブル5の他方端部にかかるテンションの向きに応じて嵌挿体11の形成位置を設定すればよい。
【0035】
また、上記した実施形態では、コ字状の嵌挿体11とシフトレバーブラケット2の外周面との間に嵌挿部11aを形成し、嵌挿状態におけるフランジ9cの下端が嵌挿体11の下方に突出する構成とした場合について説明したが、例えば直方体状の嵌挿体の1つの長辺に凹状の窪みから成る嵌挿部を形成し、嵌挿状態におけるフランジ9cの下端が嵌挿体の下方に突出しない構成であってもよい。
【0036】
また、上記した実施形態では、連結具9のフランジ9cを、2つの半円形を2本の平行線でつないだ長円形を両半円形の真ん中で半分に切断した形状とした場合について説明したが、フランジの形状はこれに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0037】
1 …シフトレバー
2 …シフトレバーブラケット
5 …シフトケーブル
5a …アウタケーブル
7 …開口部
9c …フランジ
11a …嵌挿部
図1
図2
図3
図4
図5