特許第6143395号(P6143395)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6143395
(24)【登録日】2017年5月19日
(45)【発行日】2017年6月7日
(54)【発明の名称】水素水機
(51)【国際特許分類】
   C02F 1/68 20060101AFI20170529BHJP
   B01F 1/00 20060101ALI20170529BHJP
   B01F 3/04 20060101ALI20170529BHJP
   B01F 5/08 20060101ALI20170529BHJP
   B01F 5/10 20060101ALI20170529BHJP
   C01B 3/00 20060101ALI20170529BHJP
【FI】
   C02F1/68 520B
   B01F1/00 A
   B01F3/04 Z
   B01F5/08
   B01F5/10
   C01B3/00 Z
   C02F1/68 510B
   C02F1/68 530A
【請求項の数】3
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2016-103118(P2016-103118)
(22)【出願日】2016年5月24日
【審査請求日】2016年5月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】516152963
【氏名又は名称】巫 錦滄
(74)【代理人】
【識別番号】110001151
【氏名又は名称】あいわ特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】巫 錦滄
【審査官】 神田 和輝
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−237996(JP,A)
【文献】 特開2011−152513(JP,A)
【文献】 特開2011−218308(JP,A)
【文献】 特開2011−218343(JP,A)
【文献】 特開2011−240218(JP,A)
【文献】 特表2013−529130(JP,A)
【文献】 国際公開第2009/008046(WO,A1)
【文献】 韓国登録特許第10−1370129(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01F 1/00−5/26
C02F 1/68
C02F 1/70−1/78
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水素発生器と水供給器と混合装置を備える水素水機であって、
前記水素発生器は、水素を発生する水素源、及び前記水素源に連結して水素を出力させる水素送出管を備え、
前記水供給器は、水をおさめる供給源、及び前記供給源に連結して水を出力させる水送出管を備え、
前記混合装置は、前記水素送出管と前記水送出管にそれぞれ連結される混流管、前記混流管に連結する加圧器、前記加圧器に連結する混合器、及び前記混合器に連結し混合器で混合された後の水を出力する出力管を備え、前記混流管内部には混合通路を形成し、前記水素送出管からの水素と前記水送出管からの水は混合通路内で混ぜ合わされて水素混合水となり、前記水素混合水は前記加圧器で加圧されて水素が水中に溶け込み、前記混合器により霧化されて、水中に溶け込んだ水素の溶け込み量が増加した水素水となり、こうして作り出された水素水が前記出力管から出力され、
前記水送出管と前記出力管との間が回流管で連結され、前記回流管に霧化器が設けられ、前記出力管から出力される水素水の一部が前記回流管を経て霧状化されて前記水送出管内にリターンすることを特徴とする水素水機。
【請求項2】
前記回流管の内径は前記出力管の内径より小さいことを特徴とする請求項1に記載の水素水機。
【請求項3】
前記混合器は、前記混流管と連続する管に間隔をあけて設置する少なくとも二つの混合ユニットを備え、前記混合ユニットそれぞれに連結通路を形成し、前記連結通路の内径は前記混流管の内径より小さいことを特徴とする請求項1に記載の水素水機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水素と液体を混合する水素水機に関する。
【背景技術】
【0002】
ここ数年、人々の健康意識が高まり、多くの研究がなされる中、体重の60%を占める体内の水は、酸素と各種栄養成分を身体全体に運び、老廃物を対外に排出するため、体内環境のバランスを保つことが重要であると認識されている。そこで、人体に有益な気体元素(水素元素等)と水を混合し、飲用可能な健康水を作り出す者が現れた。
【0003】
水素を含む飲用水については一部研究で次のように認識されている。「水素は最も豊富な元素であり、物質の質量の約75%を占め、人体を構成する元素のうち水素が63%を占める。身体の三大栄養素の成分にはすべて水素が含まれ、水素は身体の主成分だけでなく、細胞を形成する蛋白質及び熱量源である炭水化物等の重要成分の主構成物質である。よって、水素を含む飲用水は人体の健康に役立つ。」このため、水素水を生成する水素水機が市場に出現した。
【0004】
図1に示すとおり、従来の水素水機1は、水素送出管11、飲用水送出管12、水素送出管11と飲用水送出管12にそれぞれ連結する混合装置13、及び飲用水送出管12に設ける加圧器14を備える。混合装置13はT字型の三叉管状であり、三つの端部を有する。混合装置13の第一端は水素送出管11に連結し、第二端は飲用水送出管12に連結し、第三端は水素水混合出力端に連結する。
図2に示すとおり、使用時には、飲用水送出管12を通過する飲用水が加圧器14により圧力を加えられて混合装置13に送られ、それと同時に水素も水素送出管11を通過して混合装置13に送られる。その後、飲用水と水素は混合装置13内で混合されて水素を含む飲用水が作り出され、水素を含む飲用水はさらに、混合装置13の出力端より送り出されて飲用として供給される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、実際に使用してみると、上記従来の水素水機1は水素と水を混合状態にすることはできるが、混合装置13での水素と水が相互に接触し混合される時間が短いため、製造後の飲用水中の水素含量を効果的に高めることができない。また、飲用水と水素を混合する時間が足りない故、飲用水中の水素を水中に溶かす時間が短く、水素が水と分離しやすくなり、飲用水中の水素含量が急速に低下してしまう。特に水素を含む飲用水は放置する時間が長ければ長いほど水素含量が大幅に減少するため、水素を含む飲用水は製造後すぐに飲み終わらなければならず、さもなくば水素含量が大幅に減少してしまう。
従って、体積を大幅に増加させないという条件のもと、水素と水の混合効果を高めて、飲用水中の水素含量を高め、送り出した後の飲用水の水素濃度を安定させる(すなわち、生成後の飲用水中の水素の分離速度を低下させる)ことが目標となっている。
本発明が解決しようとする課題は、水と水素の混合効果を効果的に高め、水中に溶ける水素の維持時間を延ばす水素水機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、水素発生器と水供給器と混合装置を備える水素水機に関し、前記水素発生器は、水素を発生する水素源、及び前記水素源に連結して水素を出力させる水素送出管を備え、前記水供給器は、水をおさめる供給源、及び前記供給源に連結して水を出力させる水送出管を備え、前記混合装置は、前記水素送出管と前記水送出管にそれぞれ連結される混流管、前記混流管に連結する加圧器、前記加圧器に連結する混合器、及び前記混合器に連結し混合器で混合された後の水を出力する出力管を備え、前記混流管内部には混合通路を形成し、前記水素送出管からの水素と前記水送出管からの水は混合通路内で混ぜ合わされて水素混合水となり、前記水素混合水は前記加圧器で加圧されて水素が水中に溶け込み、前記混合器により霧化されて、水中に溶け込んだ水素の溶け込み量が増加した水素水となり、こうして作り出された水素水が前記出力管から出力され、前記水送出管と前記出力管との間が回流管で連結され、前記回流管に霧化器が設けられ、前記出力管から出力される前記水素水の一部が前記回流管を経て霧状化されて前記水送出管内にリターンする。
【0007】
前記回流管の内径は前記出力管の内径より小さくてもよい。
前記混合器は前記混流管と連続する管に間隔をあけて設置する少なくとも二つの混合ユニットを備え、前記混合ユニットそれぞれに連結通路を形成し、前記連結通路の内径は前記混流管の内径より小さいことがある
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、混合器による霧化によって、水中に溶け込んだ水素の溶け込み量を増加させると共に、混合装置と水供給器間に設けられた回流管によって、混合装置の出力管を流れる混合生成された水素水の一部が再び水送出管に流れ込み、水送出管を流れてきた水をその水素水と混合させた後、さらに混合装置内に送って水素と混合させるという循環作業が繰り返されるため、水と水素の接触時間を大幅に増加でき、水素水中の水素含量を効果的に高め、それと同時に、水中に溶けた水素の停留時間を延ばしてより優れた混合効果を実現する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】従来の水素水機の模式図である。
図2】従来の水素水機の混合装置を示す断面図である。
図3参考例を示す水素水機の斜視図である。
図4参考例を示す水素水機の断面図である。
図5参考例を示す水素水機の作動状態における断面図である。
図6】本発明の実施例を示す水素水機の断面図である。
図7】本発明の実施例を示す水素水機の混合装置の拡大断面図である。
図8】本発明の実施例を示す水素水機の作動状態における断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
図3図5は、参考例を示す。
図3に示すように、水素水機3は、水素発生器31、水供給器32、水素発生器31と水供給器32それぞれに連結する混合装置33、混合装置33と水供給器32間に連結する回流管34を備える。
水素発生器31は、水素を発生させる水素源311及び水素源311に連結し水素を出力する水素送出管312を備える。また、水供給器32は、水をおさめる供給源321及び供給源321に連結して水を出力させる水送出管322を備える。
【0011】
図4に示すとおり、混合装置33は、水素送出管312と水送出管322に連結する混流管331、混流管331に連結する加圧器332(簡単に図示)、加圧器332に連結する混合器333、及び混合器333に連結し混合器333で混合された水を出力する出力管334を備える。
混流管331内部には混合通路3311が形成され、水素送出管312を通過した水素と水送出管322を通過した水は混合通路3311内で混ぜ合わされて水素混合水となる。その後、加圧器332で加圧された水素混合水は、水素が水中に溶け込む。最後に混合器333によって霧化することで、水中に溶け込んだ水素の安定度を向上させる。こうして作り出された水素水は出力管334を経て出力される。
【0012】
また、水供給器32の水送出管322と混合装置33の出力管334との間を回流管34で連結しているため、出力管334から出力される水素水の一部は回流管34を経て水送出管322内にリターンする。
回流管34の水素水回流量は、回流管34の内径を出力管334の内径より小さくすることでコントロールする。図4に示すように、約3分の1の水素水をリターンするよう設定したいなら、回流管34の内径を出力管334の3分の1とする。
【0013】
図5に示すとおり、参考例では、水送出管322によって水が送り出され、水素送出管312によって水素が送り出される。加圧器332の加圧動作によって混流管331内にはサイフォン作用が生じて水と水素が同時に混流管331に入り、最初の段階での水素混合水が形成され、水と水素の最初の接触という目的が達成される。加圧器332による持続的な加圧で、水素は初めて水中に溶け込む。その後、水素混合水は混合装置33の混合器333内に送られ、さらに高圧霧化により水素の溶け込み量が高まる。これにより水素を多量に含んだ水素水が得られ、使用者は、出力管334から送り出された水素水を十分に使用することができる。
【0014】
回流管34は水送出管322に連結されており、さらに加圧器332によって混流管331中にサイフォン作用を生じさせることで、出力管334で得られた水素水の一部は再び水送出管322にリターンする。これにより、水送出管322が元々送り出した水と一緒に混流管331に送られて水素と混合しやすくなる。前述のリターンした水素水が継続的に循環作用を起こすため、水素と水の混合時間は大幅に増加され、水素水の水素含量を効果的に高め、さらに、水素を水素水中に留める時間をさらに長くし、水素水出力後の濃度をより安定したものとする。
【0015】
図6図8は、本発明の実施例を示す。
図6に示すように、水素水機3は、水素発生器31、水供給器32、混合装置33、及び回流管34を備える。その構成要素の細部、動作は参考例と同様なので、ここでは説明を省く。
実施例では、図7に示すように、混合器333は、間隔をあけて混流管331と連続する管上に設置される少なくとも二つの混合ユニット3331を備える。図に示す例は、二つの混合ユニット3331を備える。各混合ユニット3331には連結通路3332を形成し、連結通路3332の内径は混流管331の内径よりも小さくする。また、混合効果を高めるために、回流管34上に適時に霧化器35を設置することも可能であり、回流管34にリターンされた水素水を霧化した後、水送出管322箇所に送り、後続のステップで循環混合させる。
【0016】
図7及び図8に示すように、実施時、混流管331中の水素と水が加圧器332の加圧動作により混合器333に送られる時、連結通路3332の内径が混流管331の内径より小さい故、水と水素を最初に混合した水素混合水はいずれか一つの混合ユニット3331から噴出される。これにより連結通路3332を通過する水素混合水は霧化されて水素水となる。また、水素が充満し尚且つ加圧器332で継続的に圧力を加える管路環境において、高圧下で水素が水中に溶ける効果を高め、霧化ステップでも水中に溶ける水素の量が向上することで、水素と水の混合効果を大幅にアップできる。
【0017】
水素水は、いずれか一つの混合ユニット3331を通過した後、すぐに別の混合ユニット3331による継続的圧力を受けて霧化、混合される。これにより、水素水の水素含有濃度と混合作用時間をより高め、水素と水を混合させて高濃度水素水を作り出す。
その後、水素水は出力管334より出力されて飲用水として供給されるが、水素水の一部は再び回流管34に流れる。その水素水は、回流管34に設置した霧化器35によって再び加圧されて霧化される。これにより、水素の溶け込み量がより増加するため、水と水素の溶解率はさらに高まり、水素が水中に留まる時間が延び、安定的に出力された飲用水は、水素濃度のより高い飲用水となる。
【0018】
以上は本発明の実施例の説明であって、これによって本発明の権利範囲を制約するものではなく、特許請求の範囲を逸脱しない変更や修飾はすべて本発明の権利範囲内に属するものとする。
【符号の説明】
【0019】
3 水素水機
31 水素発生器
311 水素源
312 水素送出管
32 水供給器
321 供給源
322 水送出管
33 混合装置
34 回流管
35 霧化器
331 混流管
332 加圧器
333 混合器
334 出力管
3311 混合通路
3331 混合ユニット
3332 連結通路
【要約】
【課題】水と水素の混合効果を高め、水中に溶ける水素の維持時間を延ばす水素水機を提供すること。
【解決手段】水素源311及び水素送出管312を有する水素発生器31と、水の供給源321及び水送出管322を有する水供給器32と、水素送出管312と水送出管322に連結される混流管331、混流管331に連結する加圧器332、加圧器332に連結する混合器333、混合器333に連結した出力管334を有する混合装置33と、水送出管322と出力管334を連結する回流管34とを備え、混流管331内部で水素と水が混合されて水素混合水となり、水素混合水は加圧器332で加圧されて水素が水中に溶け込み、混合器333により霧化されて水素の溶け込み量が増加し、こうして作り出された水素水は出力管334を経て出力され、出力管334から出力される水素水の一部が回流管34を経て水送出管322内にリターンする。
【選択図】図3
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8