(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施の形態1に係る炊飯器100の全体斜視図である。
【
図2】実施の形態1に係る炊飯器100の平面図である。
【
図3】実施の形態1に係る炊飯器100の縦断面図である。
【
図4】実施の形態1に係る炊飯器100の基板ユニット40の斜視図である。
【
図5】実施の形態1に係る炊飯器100の基板ユニット40の外形図である。
【
図6】実施の形態1に係る炊飯器100の取付穴42a及び爪部44aを示す図である。
【
図7】実施の形態2に係る炊飯器100の取付穴42a及び爪部44aを示す図である。
【
図8】実施の形態3に係る炊飯器100の取付穴42a及び爪部44aを示す図である。
【
図9】実施の形態4に係る炊飯器100の取付穴42a及び爪部44aを示す図である。
【
図10】実施の形態5に係る炊飯器100の爪部44aの対を成す突出部44a1の方向を示す図である。
【
図11】実施の形態6に係る炊飯器100の爪部44aの対を成す突出部44a1の方向を示す図である。
【
図12】実施の形態7に係る炊飯器100の取付穴42a及び爪部44aを示す図である。
【
図13】実施の形態8に係る炊飯器100の爪部44aを示す図である。
【
図14】実施の形態9に係る炊飯器100の取付穴42aを示す図である。
【
図15】実施の形態10に係る炊飯器100の取付穴42aを示す図である。
【
図16】比較例に係る炊飯器の爪部の一例を示す図である。
【
図17】比較例に係る炊飯器の爪部のその他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態に係る炊飯器100を説明する。なお、以下に示す図面の形態によって本発明が限定されるものではない。なお、以下の説明において、理解を容易にするために位置を表す用語(例えば「上」、「下」など)を適宜用いるが、これは説明のためのものであって、これらの用語は本願発明を限定するものではない。
【0011】
実施の形態1.
図1は実施の形態1に係る炊飯器100の全体斜視図である。
図2は実施の形態1に係る炊飯器100の平面図である。
図3は実施の形態1に係る炊飯器100の縦断面図である。
図4は実施の形態1に係る炊飯器100の基板ユニット40の斜視図である。
図5は実施の形態1に係る炊飯器100の基板ユニット40の外形図である。
【0012】
図1に示されるように、炊飯器100は、本体1と、本体1の上部に開閉自在に取り付けられる蓋体4と、を備える。蓋体4の前面には、蓋開閉ボタン5が設けられる。
図1,
図2に示されるように、蓋体4の上面には、複数の操作部2及び透過部10が設けられる。透過部10は、この部分を通して蓋体4の内部を視認できるように、少なくとも蓋体4の一部が透明になっている。このため、使用者は、透過部10を介して、透過部10の下に設けられた表示部(図示省略)を確認することができる。
【0013】
図3に示されるように、本体1は、内鍋3が設置されるように上面が開口しており、この開口に内鍋3が設置される。内鍋3の底面の下方には、内鍋3の温度を検知する温度センサ13と、内鍋3を誘導加熱する誘導加熱コイル12と、が設けられる。温度センサ13は、例えばサーミスタで構成される。
【0014】
本体1の背面側には、温度センサ13の検知温度等に基づいて誘導加熱コイル12の火力を制御する制御基板20が設けられる。本体1の前面側には、内鍋3の内部の被加熱物が加熱されて発生した蒸気を回収する蒸気回収タンク21が設けられる。
【0015】
蓋体4には、内蓋8が着脱自在に装着されている。内蓋8の外周部には、蓋体4が閉じられたときに、内鍋3の上部開口を密閉状態にする蓋パッキン8aが取り付けられている。蓋体4には基板ユニット40が設けられている。
【0016】
図4に示されるように、基板ユニット40は、基板42と、液晶表示素子43と、液晶取付部材44と、操作部45と、を備える。液晶取付部材44は樹脂で成形された部材であり、複数の爪部44aを有する。操作部45は、操作部2に対応して設けられている。なお、液晶取付部材44が、本発明の樹脂成形部品に相当する。なお、本実施の形態1では、操作部2を蓋体4に設けた構成について説明したが、操作部2を本体1に設ける構成としてもよい。この場合、基板ユニット40は本体1に設ける構成となる。
【0017】
図5に示されるように、基板42には、液晶取付部材44を取り付けるための取付穴42aが複数形成されている。取付穴42aには、樹脂で成形された爪部44aが挿入される。取付穴42aには、R取りが施されている。以下、
図6を用いて詳しく説明する。なお、取付穴42aの具体的な個数は、図示されている数に限定されるものではない。
【0018】
図6は実施の形態1に係る炊飯器100の取付穴42a及び爪部44aを示す図である。取付穴42aの角部42a1にはR取りが施されている。このため、基板42のプレス時や、爪部44aを取付穴42aに取り付けるとき等に、取付穴42aの角部42a1に応力が加わっても、その応力が角部42a1に集中することを回避することができる。したがって、角部42a1を起点としてクラック等の発生を抑制することができる。なお、このR取りの半径は0.5mm程度が適当である。ここで、爪部44aは、例えば、弾性変形可能な鈎状又はくさび状の部材で構成される。取付穴42aは、爪部44aを挿入できる大きさとなっている。
【0019】
このように、取付穴42aの角部42a1にはR取りが施されているため、爪部44aの両側面と取付穴42aとの間にはクリアランス(隙間)が必要となる。液晶取付部材44が動くと液晶表示素子43が動くため、液晶取付部材44は基板42に強固に取り付けられることが望ましい。
【0020】
そこで、爪部44aの両側面に突出部44a1を設けている。突出部44a1の突出量は、取付穴42aの角部42a1のR取りの半径相当が望ましい。これにより、爪部44aの側面と取付穴42aの内面とが当接し、爪部44aがR取りの曲線部に乗り上げることなく、爪部44aを取付穴42aに確実に引っ掛けることができる。このように、爪部44aに突出部44a1を設けることで、がたつきを抑制することが出来る。
【0021】
図16は比較例に係る炊飯器の爪部144aの一例を示す図である。
図17は比較例に係る炊飯器の爪部144aのその他の例を示す図である。
【0022】
ここで、
図16に示されるように、基板142の取付穴142aの角部142a1を直角にすることも考えられる。この場合には、先端の尖った爪部144aを基板142の取付穴142aに挿入し、爪部144aの上端に設けられた平面部を基板142の裏面に引っ掛ける。こうして、爪部144aが基板142に取り付けられる。このような従来の樹脂成形部品の取付構造では、基板142作製のプレス時や、樹脂成形部品を基板142の取付穴142aに取り付けるとき等に、取付穴142aの角部142a1に無理な応力が加わって、角部142a1を起点としてクラック等が生じる場合がある。また、基板ユニット40が搭載された製品(例えば炊飯器)においても、炊飯器内に設けられる操作部が操作されるときに加わる力や、炊飯時の加熱により生じた熱が基板142に与える熱衝撃に起因する同様の不具合が発生する場合がある。
【0023】
また、
図17に示されるように、円錐形の割りピン形状である爪部144aを、基板(図示省略)に形成された円形状の取付穴142aに挿入し、爪部144aの上端に設けられた平面部を、基板142の裏面に引っ掛けることで支持される。このような従来の樹脂成形部品の取付構造のその他の例では、取付穴142aに角部が形成されていないため、そこを起点としてクラック等を生じにくいが、樹脂成形部品の爪部144aの構造が複雑で、基板上のスペースが必要になってしまう。
【0024】
これに対して、本実施の形態1に係る基板ユニット40は、取付穴42aが形成された基板42と、爪部44aを有し、爪部44aが取付穴42aに挿入されることで基板42に取り付けられる液晶取付部材44と、を備え、基板42の取付穴42aの角部42a1にはR取りが施されている。このため、液晶取付部材44の爪部44aが取付穴42aに挿入されても、取付穴42aの角部42a1に応力が集中してクラックが生じることを抑制できる。したがって、基板42に応力が加わることによる影響を低減できる。
【0025】
また、本実施の形態1の基板ユニット40が炊飯器100に搭載された場合でも、基板ユニット40が上述の構成を備えているため、蓋体4内に設けられる操作部45が操作されるときに基板42に加わる力や、炊飯時の加熱により生じた熱が基板42に与える熱衝撃に起因する不具合を低減することができる。
【0026】
また、爪部44aの両側には突出部44a1が設けられているため、取付穴42aと爪部44aとの間の隙間を埋めることができる。したがって、爪部44aのがたつきを抑制し、確実に爪部44aと取付穴42aとを係合させることができる。
【0027】
実施の形態2.
図7は実施の形態2に係る炊飯器100の取付穴42a及び爪部44aを示す図である。
図7に示されるように、本実施の形態2においては、実施の形態1とは異なり、取付穴42aの角部42a1にC面取りが施されている。このため、従来のように、取付穴42aの角部42a1を直角とした場合に比べ、応力の集中を抑制し、角部42a1を起点とするクラック等の発生を抑制することができる。したがって、基板42に応力が加わることによる影響を低減できる。
【0028】
実施の形態3.
図8は実施の形態3に係る炊飯器100の取付穴42a及び爪部44aを示す図である。
図8に示されるように、本実施の形態3においては、実施の形態1とは異なり、爪部44aの片側面のみに突出部44a1が設けられている。このため、爪部44aの金型の構造が簡素となり、金型の信頼性を向上させることができ、安価な製品を得ることができる。
【0029】
実施の形態4.
図9は実施の形態4に係る炊飯器100の取付穴42a及び爪部44aを示す図である。
図9に示されるように、本実施の形態4においては、実施の形態3とは異なり、取付穴42aの角部42a1にC面取りが施されている。このため、従来のように、取付穴42aの角部42a1を直角とした場合に比べ、応力の集中を抑制し、角部42a1を起点とするクラック等の発生を抑制することができる。
【0030】
実施の形態5.
図10は実施の形態5に係る炊飯器100の爪部44aの対を成す突出部44a1の方向を示す図である。
図10に示されるように、本実施の形態5は、突出部44a1が片側である場合における、がたつきを抑制する構造である。具体的には、対を成す角部42a1の外側と外側の辺に爪部44aの突出部44a1を当接させる。例えば、
図10(a)の取付穴42aが、
図5の紙面奥側の左の取付穴42aに相当し、
図10(b)の取付穴42aが、
図5の紙面奥側の右の取付穴42aに相当する。一対の爪部44aのそれぞれの突出部44a1が設けられる面の反対側の面が対向するように構成される。こうして、基板42と液晶表示素子43のがたつき方向の隙間を埋めることができ、液晶表示素子43のがたつきを抑制することができる。
【0031】
実施の形態6.
図11は実施の形態6に係る炊飯器100の爪部44aの対を成す突出部44a1の方向を示す図である。
図11に示されるように、本実施の形態6は、突出部44a1が片側である場合における、がたつきを抑制する構造である。具体的には、対を成す取付穴42aの内側と内側の辺に爪部44aの突出部44a1を当接させる。例えば、
図11(a)の取付穴42aが、
図5の紙面奥側の左の取付穴42aに相当し、
図11(b)の取付穴42aが、
図5の紙面奥側の右の取付穴42aに相当する。一対の爪部44aのそれぞれの突出部44a1が設けられる面が対向するように構成される。こうして、基板42と爪部44aのがたつき方向の隙間を埋めることができ、爪部44aのがたつきを抑制することができる。
【0032】
実施の形態7.
図12は実施の形態7に係る炊飯器100の取付穴42a及び爪部44aを示す図である。
図12に示されるように、突出部44a1には、爪部44aの先端に向けて爪幅が小さくなるように傾斜面44a2が形成されている。傾斜面44a2は、突出部44a1の先端に向かうにしたがって幅が狭まるように形成されている。こうして、爪部44aの先端を取付穴42aに挿入し易くなる。なお、傾斜面44a2は、図示のような直線の形状でもよく、曲線の形状であってもよい。
【0033】
なお、
図12に示されるように、爪部44aに形成される傾斜面44a2の最も基端側の部位が、基板42の表面(一般的には部品面と呼ばれる)よりも
図12の紙面下側となるように構成することが望ましい。傾斜面44a2の最も基端側の部位は、液晶取付部材44が基板42に取り付けられた状態で、基板42の表面よりも先端側に位置しているので、突出部44a1の垂直部分が取付穴42aの穴縁に当接する。このように構成すれば、傾斜面44a2の長さを大きくすることができ、傾斜角度を緩くすることができる。このため、爪部44aの先端を挿入し易くするとともに、基板42と爪部44aとのがたつきが生じにくくなる。
【0034】
実施の形態8.
図13は実施の形態8に係る炊飯器100の爪部44aを示す図である。
図13に示されるように、本実施の形態8においては、基板42にガイド穴42bを形成している。液晶取付部材44には、ガイド穴42bに挿入されるガイド部(図示省略)が設けられる。ガイド部は、例えば棒状の部材で構成される。ガイド穴42bにガイド部が挿入されることで、取付穴42aに爪部44aを挿入するとき、取付穴42aと爪部44aとの間に形成された隙間を考慮する必要がなく、液晶取付部材44の位置決めをすることができる。そして、位置決めされた状態で、取付穴42aに爪部44aが挿入されるため、基板42と爪部44aとの間のがたつきを抑制することができる。
【0035】
実施の形態9.
図14は実施の形態9に係る炊飯器100の取付穴42aを示す図である。
図14に示されるように、本実施の形態9においては、実施の形態1とは異なり、取付穴42aの角部42a1のR取りを、爪部44aの平面部側のみに施したものである。ここで、爪部44aの平面部側とは、爪部44aを平面視した状態で、爪部44aの係止部突出方向を意味している。これは、応力が加わる部分が爪部44aの平面部の先端付近に集中するためである。こうして、基板の金型の構造を簡素なものとすることができ、信頼性の向上した金型とすることができる。
【0036】
実施の形態10.
図15は実施の形態10に係る炊飯器100の取付穴42aを示す図である。
図15に示されるように、実施の形態10は、取付穴42aの角部42a1を切り欠いて曲面が施されるようにしたものである。こうして、角部42a1への応力の集中を分散することができる。
【0037】
なお、各実施の形態においては、基板ユニット40が炊飯器100に搭載される例について説明したが、基板ユニット40が他の製品に搭載されていてもよい。
【0038】
また、各実施の形態においては、樹脂成形部品として液晶取付部材44を例に説明したが、これに限定されず、取付穴42aに取り付けられる樹脂成形部品であればよい。
【0039】
また、各実施の形態においては、蒸気回収タンク21が設けられる炊飯器100について説明したが、蒸気回収タンク21が設けられない炊飯器100にも適用することができる。