特許第6143723号(P6143723)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6143723ポインティングデバイスの取付構造、およびポインティングデバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6143723
(24)【登録日】2017年5月19日
(45)【発行日】2017年6月7日
(54)【発明の名称】ポインティングデバイスの取付構造、およびポインティングデバイス
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/0338 20130101AFI20170529BHJP
   G06F 1/16 20060101ALI20170529BHJP
【FI】
   G06F3/0338 411
   G06F1/16 312E
   G06F1/16 312U
【請求項の数】7
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-199467(P2014-199467)
(22)【出願日】2014年9月29日
(65)【公開番号】特開2016-71567(P2016-71567A)
(43)【公開日】2016年5月9日
【審査請求日】2016年4月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】000114215
【氏名又は名称】ミネベアミツミ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106378
【弁理士】
【氏名又は名称】宮川 宏一
(72)【発明者】
【氏名】森 公生
【審査官】 梅岡 信幸
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−208870(JP,A)
【文献】 特開2014−106932(JP,A)
【文献】 特開2012−181827(JP,A)
【文献】 特開平07−235240(JP,A)
【文献】 特開2000−242417(JP,A)
【文献】 特開2001−108541(JP,A)
【文献】 特開2011−081669(JP,A)
【文献】 特開2014−153968(JP,A)
【文献】 米国特許第06448957(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/033−3/039
G06F 1/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
突起部及び基材固定用突起部が形成されたフレームと、ポインティングスティックが取り付けられた支持部材と、基材とを備え、
前記フレームが前記突起部を介して前記支持部材に、前記基材固定用突起部を介して前記基材に、それぞれ固定され
前記基材には、前記支持部材が前記基材に干渉しないようにする逃げ部が形成され、
前記逃げ部は、前記支持部材の外側縁部よりも大きい基材開口部であり、
前記支持部材は、前記基材開口部内に収められていることを特徴とするポインティングデバイスの取付構造。
【請求項2】
前記支持部材に、前記突起部が貫通する貫通孔が形成されたことを特徴とする請求項1に記載のポインティングデバイスの取付構造。
【請求項3】
前記突起部に段部が形成されていることを特徴とする請求項1また2に記載のポインティングデバイスの取付構造。
【請求項4】
前記突起部に先端部が形成されていて、前記先端部を溶着で固定されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載のポインティングデバイスの取付構造。
【請求項5】
前記支持部材の貫通孔にはC面取り部が形成されていることを特徴とする請求項に記載のポインティングデバイスの取付構造。
【請求項6】
前記突起部の先端は前記支持部材の底面よりはみ出していないことを特徴とする請求項5に記載のポインティングデバイスの取付構造。
【請求項7】
支持部材にポインティングスティックが取り付けられたポインティングデバイスにおいて、前記支持部材には前記ポインティングデバイスと結合されるフレームに形成された突起部を挿入可能な貫通孔が形成されているとともに前記貫通孔にはC面取り部が形成され
前記フレームには、前記突起部とは別に基材を固定するための基材固定用突起部が備わり、前記基材が前記基材固定用突起部の先端に固定され、かつ前記基材には、前記支持部材が前記基材に干渉しないようにする逃げ部が形成され
前記逃げ部は、前記支持部材の外側縁部よりも大きい基材開口部であり、
前記支持部材は、前記基材開口部内に収められていることを特徴とするポンティングデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作部の傾倒操作によりカーソル操作が可能なポインティングスティックを備えたポインティングデバイスの取付構造に関し、特にノート型コンピュータ(ノートパソコン)やゲーム機などに用いられるポインティングデバイスの取付構造、およびポインティングデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
例えばノートパソコンの普及に伴い、そのディスプレイ上のカーソル移動においてポインティングスティックが用いられるようになっている。このようなノートパソコンは、ディスプレイ上のカーソルを移動する際にマウスを用いる必要がないので、作業スペース上の観点から省スペース化が図られ、特に、飛行機や電車等の移動中に用いる場合に使い勝手が良いとされている。
【0003】
そして、ポインティングデバイスに検出素子を有し、この検出素子を利用することでポインティングスティックの操作量を検出するようにしたポインティングデバイスの取付構造が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−214985号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
係る特許文献1において開示されたポインティングデバイスの取付構造は、同文献の図6から明らかなように平板状の金属板からなる取付部材に検出素子及びポインティングスティックを備えたポインティングデバイスをアルミ等の金属板からなる基材に取り付け、取付部材と基材の両者を貫通する貫通孔にリベットを挿通して加締めることでポインティングデバイスを基材に固定している。そして、このように仮組み付けしたものに同文献の図1に示すハウジング(フレーム)を被せることで、ポインティングスティックを特定の操作キーの間からハウジングのスティック挿通穴を介してキーボード上側に突出させている。
【0006】
係るポインティングデバイスの取付構造によると、キーボード上面の予め厳密に規定された位置からポインティングスティックを突出させるためには、ポインティングデバイス、基材、及びハウジングの全ての部品の寸法精度を厳しく管理すると共に、ポインティングデバイスを基材に固定する際の組み付け公差及び基材にハウジングを被せて固定する際の組み付け公差を厳しく管理する必要がある。このような各部品の寸法公差や各部品間の組み付け公差を厳密に管理することは、製品自体のコストアップを招き好ましくない。
【0007】
一方、ハウジングのスティック操作部突出孔を大きくすることで、上述した各部品の寸法公差や部品同士の組み付け公差を厳密に管理することなく、ポインティングスティックをハウジングのスティック挿通孔から突出させることも可能である。しかしながら、このような構成とした場合、ポインティングスティックがハウジングのスティック挿通孔の中心軸線に対してずれてしまう虞がある。このような場合、ハウジングに配列された一部の操作キーのみに極めて近づいた状態でポインティングスティックの先端がキーボード操作面から突出するようになり、外見上見栄えが悪くなる。また、これに加えて、ポインティングスティックとハウジングの一部干渉に起因してポインティングスティック操作時に十分に傾倒させることができない向きが生じてスティック操作に支障をきたす虞もある。また、仮にこのようなずれを生じさせることなく各部品を組み付けることができたとしても、ポインティングスティックとハウジングのスティック挿通孔の間の隙間がある程度大きく形成されているため、この隙間からハウジング内部に異物が入り込んでキーボード操作に支障をきたしたり、その隙間に異物が挟まってポインティングスティックの操作が適切に行えなくなったりする虞もある。
【0008】
以上のような問題は、特に近年多く製造されている携帯に便利なかなり小型のノートパソコンであってポインティングスティックを備えるものにおいて特に顕著である。それは、このような小型のノートパソコンは、その構成上キーボードの各操作キーの間隔が狭まると共に、ポインティングスティックの配置スペースも小さくなっているためである。
【0009】
本発明の目的は、組み立てが容易でかつフレームとポインティングスティックの位置関係がずれないようにし、更には製品の低背化を実現できるようにしたポインティングデバイスの取付構造、およびポインティングデバイスを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した課題を解決するために、本発明の請求項1に記載のポインティングデバイスの取付構造は、
突起部及び基材固定用突起部が形成されたフレームと、ポインティングスティックが取り付けられた支持部材と、基材とを備え、
前記フレームが前記突起部を介して前記支持部材に、前記基材固定用突起部を介して前記基材に、それぞれ固定され
前記基材には、前記支持部材が前記基材に干渉しないようにする逃げ部が形成され、
前記逃げ部は、前記支持部材の外側縁部よりも大きい基材開口部であり、
前記支持部材は、前記基材開口部内に収められていることを特徴としている。
【0011】
また、本発明の請求項2に係るポインティングデバイスの取付構造は、請求項1に記載のポインティングデバイスの取付構造において、前記支持部材に、前記突起部が貫通する貫通孔が形成されたことを特徴としている。
【0012】
また、本発明の請求項3に係るポインティングデバイスの取付構造は、請求項1または2に記載のポインティングデバイスの取付構造において、前記突起部に段部が形成されていることを特徴としている。
【0013】
また、本発明の請求項4に係るポインティングデバイスの取付構造は、請求項1乃至3の何れか一項に記載のポインティングデバイスの取付構造において、前記突起部に先端部が形成されていて、前記先端部を溶着で固定されていることを特徴としている。
【0017】
また、本発明の請求項に係るポインティングデバイスの取付構造は、請求項に記載のポインティングデバイスの取付構造において、
前記支持部材の貫通孔にはC面取り部が形成されていることを特徴としている。
【0018】
また、本発明の請求項に係るポインティングデバイスの取付構造は、請求項に記載のポインティングデバイスの取付構造において、
前記突起部の先端は前記支持部材の底面よりはみ出していないことを特徴としている。
【0019】
また、本発明の請求項に係るポインティングデバイスは、
支持部材にポインティングスティックが取り付けられたポインティングデバイスにおいて、前記支持部材には前記ポインティングデバイスと結合されるフレームに形成された突起部を挿入可能な貫通孔が形成されているとともに前記貫通孔にはC面取り部が形成され
前記フレームには、前記突起部とは別に基材を固定するための基材固定用突起部が備わり、前記基材が前記基材固定用突起部の先端に固定され、かつ前記基材には、前記支持部材が前記基材に干渉しないようにする逃げ部が形成され
前記逃げ部は、前記支持部材の外側縁部よりも大きい基材開口部であり、
前記支持部材は、前記基材開口部内に収められていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0020】
本発明によると、組み立てが容易でかつフレームとポインティングスティックの位置関係がずれないようにし、更には製品の低背化を実現できるようにしたポインティングデバイスの取付構造、およびポインティングデバイスを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の第1の実施形態に係るポインティングデバイスの取付構造を示す断面図である。
図2図1に示したポインティングデバイスの取付構造の変形例を示す断面図である。
図3】本発明の第2の実施形態に係るポインティングデバイスの取付構造を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態に係るポインティングデバイスの取付構造1について説明する。本発明の実施形態に係るポインティングデバイスの取付構造は、ノートパソコンのキーボードの操作キーの間にポインティングスティックを備える形態に適用される。なお、以下の説明において各実施形態及びその各変形例、並びに従来技術に関する図面における各構成要素の大きさや厚み、寸法に関しては、発明の理解の容易化のために実際よりも誇張して示している。また、以下の説明において「上下」の記載については、各図面に描かれた状態の上下方向を基準としている。
【0023】
最初に第1の実施形態に係るポインティングデバイスの取付構造について説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係るポインティングデバイスの取付構造1を示す断面図である。
【0024】
第1の実施形態に係るポインティングデバイスの取付構造1は、操作部の傾倒操作によりカーソル操作が可能なポインティングスティック220を備えたポインティングデバイスの取付構造に関するものである。このポインティングデバイスの取付構造1は、フレーム100と、ポインティングスティック220が取り付けられた支持部材210と、メンブレン基板や操作キー等が配列された基材300とを備え、フレーム100は段部110dが形成された突起部110を有し、支持部材210は支持部材貫通孔211を有し、基材300は基材貫通孔320を有し、それぞれの貫通孔211、320にフレーム100の突起部110の先端を挿通し溶着で固定している。
【0025】
以下、これらの各構成要件についてより詳細に説明する。フレーム100は樹脂でできており、図1には示さないがフレーム100には、基材300に配列された多数の操作キーと干渉しないよう開口部が形成されている。そして、配列された操作キー内の隣接する一部の操作キーの間からポインティングスティック220のスティック操作部222が突出するようにフレーム100の所定位置にスティック操作部突出孔120が形成されている。フレーム100の下面のスティック操作部突出孔120の周囲には、本実施形態では例えばその周方向3箇所において突起部110が下方に向かって突出している。突起部110の長手方向所定位置には段部110dが形成され、段部110dを境に突起部110の基端側が大径かつ先端側が小径に形成されている。そして、突起部110の下方部分は後述する基材300の基材貫通孔320及び支持部材210の支持部材貫通孔211に挿通され、その突起部の先端は溶着により支持部材210の下面で固定されている(図1における溶着部110a参照)。そして、段部110dには、基材300の上面が当接している。この段部110dは、基端側を大径かつ先端側を小径にすることによって形成されると説明したが、基端側から先端側まで中心部の径を小径とし、基端側から所定の部分まで外周面にリブを設けて段部を形成してもよい。こうするとフレーム100にヒケが発生しにくくなる。溶着は、熱溶着、超音波溶着等、樹脂を加熱し固定する方法であれば特に問わない。
【0026】
基材300は、本実施形態の場合、金属製の板材からなり、図1には示さないが基材300の上面には、多数の操作キーが配列されている。そして、フレーム100のスティック操作部突出孔120よりも若干大径の基材開口部310が形成されている。なお、フレーム100のスティック操作部突出孔120と基材300の基材開口部310とは、組み付け状態後に同心となるように形成されている。また、基材開口部310の周囲には、上述したフレーム100の突起部110が貫通する基材貫通孔320が、本実施形態の場合、開口部周囲において周方向3箇所にわたって形成されている。
【0027】
支持部材210は、金属製の板材からできており、上面には、ポインティングスティック220が取り付けられている。支持部材210にも上述したフレーム100の突起部110が貫通する支持部材貫通孔211が3箇所形成されている。そして、これらの部品を組み付けた状態において、フレーム100の各突起部110の中心軸線と基材300の基材貫通孔320及び支持部材210の支持部材貫通孔211の各中心が一致するようになっている。
【0028】
ポインティングスティック220は、樹脂製のスティック本体221と、スティック本体221の上部に備わった樹脂又はゴム製のスティック操作部222を有し、スティック本体221の基端側にポインティングスティック220の操作量及び操作方向を検出する公知のひずみゲージ230が取り付けられている。そして、支持部材210とポインティングスティック220とひずみゲージ230で、ポインティングデバイス200を形成している。なお、この部分の構成については、例えば特許文献1や特許第5285001号公報において開示されているので、その詳細な構成の説明を省略する。
【0029】
以上の構成からも明らかなように、本実施形態の場合、ポインティングデバイス200は従来のように基材300のみに固定されているのではなく、フレーム100の各突起部110の先端に形成されて溶着部110aを介して各突起部110に接合することでフレーム100自体に固定されている。同様に基材300についてもフレーム100の各突起部110の段部110dと支持部材210に挟まれる形で突起部110を介してフレーム100に固定されている。即ち、フレーム100の各突起部110は基材300の下面にポインティングデバイス200を固定する役目も果たしている。また、突起部110の段部110dは、各部品を組み付けた状態でフレーム100と基材300との間隔を一定に保つ役目を果たしている。これによって、各部品を組み付けた状態で、フレーム100と支持部材210との間隔も常に一定に保っている。
【0030】
本発明の第1の実施形態に係るポインティングデバイスの取付構造1がこのような構成を有することで、上述した従来技術に係るポインティングデバイスの取付構造の欠点を解決することができる。具体的には、ポインティングデバイス200がフレーム100の突起部110を介してフレーム100に直接固定されているため、フレーム100、ポインティングデバイス200、及び基材300の寸法精度や各部品の組み付け公差を全て従来技術のように厳格に管理しなくても、各操作キーが上面に配列されたフレーム100のスティック操作部突出孔120の中心からポインティングスティック220をフレーム100の上面に突出させることができる。即ち、各部品の寸法公差や組み付け公差を従来のように厳格にする必要がないので、コストをかけることなくポインティングスティック220をフレーム100の規定の位置から上面に突出させることができ、見栄えの良い製品とすることができる。
【0031】
また、本実施形態に係るポインティングデバイスの取付構造1によると、ポインティングデバイス200がフレーム100の突起部110を介してフレーム100に固定されているため、各部品全ての寸法公差や組み付け公差の厳格化による製品のコストアップを避けるためにポインティングスティック220のスティック操作部222の外径よりもかなり大きなスティック操作部突出孔120をフレーム100に形成する必要がない。これによって、フレーム100のスティック操作部突出孔120とポインティングスティック220との間に必要以上に大きな隙間を生じさせなくて済む。その結果、このような隙間を介して異物がフレーム100の内部に入り込んでキーボードの動作不良を招いたりこの隙間に異物が挟まれてポインティングスティック220を正しく操作することができなくなったりする虞が生じることはない。
【0032】
また、本実施形態に係るポインティングデバイスの取付構造1によると、フレーム100の突起部110を溶着することでポインティングデバイス200と基材300もフレーム100にしっかりと固定できるので、ネジ等の締結部品を用いる必要がなく、各部品の組み付け工数を低減させることができ、製造コストを低減することが可能となる。
【0033】
続いて、上述した第1の実施形態に係るポインティングデバイスの取付構造の変形例について説明する。図2は、図1に示したポインティングデバイスの取付構造の変形例を示す断面図である。なお、上述の実施形態と同等の構成については、対応する符号を付して詳細な説明を省略する。
【0034】
この変形例に係るポインティングデバイスの取付構造1’は、上述の実施形態と異なり支持部材250の下面側(基材300との接触面の反対側)における支持部材貫通孔251の下側開口部において全周にわたってC面取り部251cが形成されている。このC面取り部251cの角度及び深さは、フレーム100の突起部110を基材300の基材貫通孔320及び支持部材250の支持部材貫通孔251を介して挿通させ突起部110の先端を支持部材250に溶着させた際に、この溶着部110bが支持部材250の下面からはみ出さない程度の寸法となっている。
【0035】
上記変形例に係るポインティングデバイスの取付構造1’によると、フレーム100の突起部110の先端の溶着部110bが支持部材250の支持部材貫通孔251のC面取り部251cによって形成される空間内に固着させることで、ポインティングデバイス200をフレーム100と基材300にしっかりと固定することができる。また、支持部材250の下面から溶着部110bが下方にはみ出さないので、製品の低背化を図ることができる。
【0036】
続いて、本発明の第2の実施形態に係るポインティングデバイスの取付構造2について説明する。図3は、本発明の第2の実施形態に係るポインティングデバイスの取付構造2を示す断面図である。なお、上述の実施形態及びその変形例と同等の構成については、対応する符号を付して詳細な説明を省略する。
【0037】
本発明の第2の実施形態に係るポインティングデバイスの取付構造2は、上述の第1の実施形態及びその変形例と異なり、基材500に支持部材270が干渉しないようにする逃げ部としての基材開口部510が形成されている。具体的には、基材500に支持部材270の外側縁部よりも僅かに大きい基材開口部510を設け、フレーム600の突起部610を支持部材270の支持部材貫通孔271に挿通して突起部610の先端を支持部材貫通孔271のC面取り部271cに溶着させると共に、基材500をフレーム600の突起部610とは別の基材固定用突起部650に、例えばネジ等の結合部材により(図3ではネジの頭部については図示せず)フレーム600に取り付けるようになっている。そして、フレーム600に支持部材270と基材500を取り付けた状態で、支持部材全体が基材500の基材開口部510内に収めると共に、支持部材270の下面が基材500の下面とほぼ面一となっている。なお、突起部610には、第1の実施形態及びその変形例と同様の段部610dが形成されているが、本実施形態の場合は、各部品を組み付けた状態において支持部材270の上面が段部610dに突き当たってフレーム600と支持部材270との間隔を常に一定に保つようになっている。
【0038】
このような構成をとることによって、上述の第1の実施形態及びその変形例の作用に加えて、フレーム600の上面と支持部材270の下面との間の距離を上述の第1の実施形態及びその変形例に比べて短くすることができ、製品の低背化をより効果的に実現することができる。
【0039】
以上説明したように、第1の実施形態及びその変形例においては、フレーム100のスティック操作部突出孔120の周囲の周方向3箇所において突起部110が設けられている。そして、突起部110に段部110dが形成されていることで、各部品を組み付けた状態でフレーム100と支持部材210(250)との間を常に一定の間隔に保つようにしている。また、第2の実施形態においても同様な位置に突起部610が設けられている。そして、突起部610に段部610dが形成されていることで、フレーム600と支持部材270との間を常に一定の間隔に保つようにしている。
【0040】
なお、上述の第2の実施形態においても、支持部材の支持部材貫通孔の開口部にC面取り部271cが形成されていたが、第1の実施形態のようにC面取り部を付けずに溶着部が突出していてもよい。この場合、第1の実施形態のように組み立てが容易でかつフレームとポインティングスティックの位置関係がずれない構造を得ることが出来る。
【0041】
また、上述の第1の実施形態において、フレームの突起部の先端を溶着する代わりにネジ等を突起部の下端にねじ込むことで支持部材に固定することによっても本発明の作用を発揮することは可能である。同様に上述の第1の実施形態の変形例及び第2の実施形態においてフレームの突起部の先端をC面取り部内で溶着する代わりに、C面取り部の形状合致した頭部の平坦な皿ネジを突起部の下端にねじ込むことで支持部材に固定することによっても本発明の作用を発揮することは可能である。
【0042】
なお、上述の実施形態において記載した材質、形状、寸法、個数はあくまで一例として挙げたものであり、本発明の範囲を逸脱しない限り、他の材質、形状、寸法、個数を適宜選択可能であることは言うまでもない。
【0043】
また、本実施形態においては、本発明をノート型パソコンに適応したが、必ずしもこれに限定されず、携帯型ゲーム機の操作スティックや各種装置の操作スティックなどに適用しても構わない。
【符号の説明】
【0044】
1,1’,2 ポインティングデバイスの取付構造
100 フレーム
110 突起部
110a,110b 溶着部
110d 段部
120 スティック操作部突出孔
200 ポインティングデバイス
210 支持部材
211 支持部材貫通孔
220 ポインティングスティック
221 スティック本体
222 スティック操作部
230 ひずみゲージ
250 支持部材
251 支持部材貫通孔
251c C面取り部
270 支持部材
271 支持部材貫通孔
271c C面取り部
300 基材
310 基材開口部
320 基材貫通孔
500 基材
510 基材開口部
600 フレーム
610 突起部
610c 溶着部
610d 段部
650 基材固定用突起部
図1
図2
図3