(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0057】
以下、添付の図面を参照して本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施することができるように本発明の実施例について詳細に説明する。しかし、本発明は、様々な相異する形態に実現されてもよく、ここで説明する実施例に限定されない。また、図面において本発明を明確に説明するために説明と関係のない部分は省略しており、明細書全体にわたり類似の部分に対しては類似の図面符号を付けた。
【0058】
本発明の明細書全体において、ある部分が他の部分と「接続」されているとする場合、これは、「直接接続」されている場合だけでなく、その間に他の素子を挟んで「電気的に接続」されている場合をも含む。
【0059】
図1は本発明による交流電源を使用するLED発光装置の構成図である。
【0060】
図1に示すように、本発明によるLED発光装置は、交流電源10と、整流部20と、複数のLED31〜34を含む発光素子部30と、複数のLED31〜34のカソード端子にドレイン端子が接続される複数のスイッチ41〜44を含むスイッチ部40と、一端は前のスイッチのソース端子に接続され、他端は次のスイッチのソース端子に接続される複数の抵抗R1〜R4を含む第1抵抗部50と、複数の抵抗R1〜R4の一端とスイッチの接続ノードそれぞれで電流I1〜I4を検知し、検知した電流と基準電流とを比較して、その差に対応する電圧Vc1〜Vc4を複数のスイッチ41〜44のゲート端子に出力する第1スイッチ制御部100と、を含む。
【0061】
交流電源10は、LED発光装置の入力電源であって、基本周波数に応じて大きさと方向が変化する特性を有する。
【0062】
整流部20は、入力交流電源を整流して、整流された交流電圧の形態を有する駆動電圧(Vin)に変換することができる。
【0063】
例えば、整流部20は、正弦波形の交流電源を全波整流またはブリッジ整流する回路からなることができる。
【0064】
発光素子部30の複数のLED31〜34は、整流部20の出力端に直列に接続されて、駆動電圧(Vin)が増加するにつれて順に発光し、駆動電圧(Vin)が減少するにつれて順に非発光する。
【0065】
図1には、説明の便宜上、発光素子部30が4個のLED31〜34を含むことを示しているが、発光素子部30において、LEDの個数はこれに限定されない。
【0066】
また、第1〜第4LED31〜34それぞれは、少なくとも一つ以上の直列に接続されたLEDであってもよく、同一極性が互いに接続された(すなわち、並列に接続された)複数のLEDからなってもよい。
【0067】
スイッチ部40に含まれる複数のスイッチ41〜44は、MOSFET(Metal‐oxide Semiconductor Field‐Effect Transistor)であって、複数のスイッチ41〜44それぞれのドレイン端子は、複数のLED31〜34それぞれのカソード端子に接続されており、複数のスイッチ41〜44それぞれのゲート端子は第1スイッチ制御部100と接続されており、複数のスイッチ41〜44それぞれのソース端子は、複数の抵抗R1〜R4それぞれの一端と接続されている。
【0068】
この際、第1抵抗部50に含まれる複数の抵抗R1〜R4は、互いに直列に接続されており、第4抵抗R4の他端は、接地端子に接続されている。
【0069】
より具体的に、第1抵抗R1の一端は、第1スイッチ41のソース端子に接続されており、第1抵抗R1の他端は、第2抵抗R2と第2スイッチ42の接続ノードに接続されている。第2抵抗R2の一端は、第1抵抗R1と第2スイッチ42の接続ノードに接続されており、第2抵抗R2の他端は、第3抵抗R3と第3スイッチ43の接続ノードに接続されている。第3抵抗R3の一端は、第2抵抗R2と第3スイッチ43の接続ノードに接続されており、第3抵抗R3の他端は、第4抵抗R4と第4スイッチ44の接続ノードに接続されている。最後の抵抗である第4抵抗R4の一端は、第3抵抗R3と第4スイッチ44の接続ノードに接続されており、第4抵抗R4の他端は、接地端子に接続されている。
【0070】
かかる第1抵抗部50に含まれる複数の抵抗R1〜R4の接続関係により、第1スイッチ41を介して第1抵抗部50に入力される電流は、第1抵抗R1、第2抵抗R2、第3抵抗R3および第4抵抗R4を介して接地端子に流れる。第2スイッチ42を介して第1抵抗部50に入力される電流は、第2抵抗R2、第3抵抗R3および第4抵抗を介して接地端子に流れる。第3スイッチ43を介して第1抵抗部50に入力される電流は、第3抵抗R3および第4抵抗R4を介して接地端子に流れる。第4スイッチ44を介して第1抵抗部50に入力される電流は、第4抵抗R4を介して接地端子に流れる。
【0071】
第1スイッチ制御部100は、複数の抵抗R1〜R4それぞれの一端と接続されて、複数のスイッチ41〜44に流れる電流を検知する。第1抵抗部50によって検知される電流の大きさは、第1抵抗部50に含まれる複数の抵抗R1〜R4の値が変化するにつれて変わることができる。
【0072】
より具体的に、第1電流I1は、第1抵抗R1、第2抵抗R2、第3抵抗R3および第4抵抗R4を介して検知される電流であり、第2電流I2は、第2抵抗R2、第3抵抗R3および第4抵抗R4を介して検知される電流であり、第3電流I3は、第3抵抗R3および第4抵抗R4を介して検知される電流であり、第4電流I4は、第4抵抗R4を介して検知される電流である。
【0073】
第1スイッチ制御部100は、第1電流I1〜第4電流I4を検知し、検知された電流と基準電流とを比較して、その差に対応する電圧Vc1〜Vc4を各スイッチ41〜44のゲート端子に出力する。かかる第1スイッチ制御部100の構成および動作については、
図2を参照して説明する。
【0074】
図2は
図1の第1スイッチ制御部の構成図である。
【0075】
図2に示すように、第1スイッチ制御部100は、第1基準電圧生成部110と、第1複数のスイッチ制御信号生成部120と、を含む。
【0076】
第1基準電圧生成部110は、設定された基準電流Irefを基準電圧Vrefとして生成して、第1複数のスイッチ制御信号生成部120にそれぞれ出力する。
【0077】
より具体的に、第1基準電圧生成部110は、設定された基準電流Irefを基準電圧Vrefに変換する利得が1である演算器OP1、OP2、OP3、OP4を含む。演算器OP1、OP2、OP3、OP4から出力される基準電圧Vrefは、第1〜第4スイッチ制御信号生成部121〜124にそれぞれ出力される。
【0078】
本実施例では、第1基準電圧生成部110が、第1複数のスイッチ制御信号生成部120に入力される基準電圧を同一の基準電圧として生成して出力することで、第1抵抗部50に含まれる抵抗値をより容易に選定することができる。
【0079】
第1〜第4スイッチ制御信号生成部121〜124は、その構成および動作が同一であるため、第1スイッチ制御信号生成部121を代表として説明する。
【0080】
第1スイッチ制御信号生成部121は、第1抵抗R1の一端で検知された検知電流I1に対応する電圧V1と基準電圧Vrefとを比較して、その差に対応するゲート入力電圧Vc1を第1スイッチ41のゲート端子に出力する。これにより、ゲート入力電圧Vc1により第1スイッチ41を介して流れる電流の大きさが制御されることで、第1スイッチ41のターンオン(Turn‐On)/ターンオフ(Turn‐Off)状態が決定される。
【0081】
これにより、本実施例では、第1スイッチ制御部100を用いて複数のスイッチ41〜44に流れる電流が設定された基準電流を超えないように制御することができ、駆動電圧(Vin)の大きさの変化に関係なく複数のLEDに一定の電流が流れるように制御することができる。
【0082】
より具体的に、第1スイッチ制御信号生成部121は、負帰還ループを有する演算器OP5と、入力インピーダンスZ1と、フィードバックインピーダンスZ2と、を含む。
【0083】
入力インピーダンスZ1は、演算器OP5の負(−)端子に接続されており、フィードバックインピーダンスZ2は、演算器OP5の出力端と負端子の間に接続されている。入力インピーダンスZ1とフィードバックインピーダンスZ2の値に応じて演算器OP5の利得(Gain)が決定される。
【0084】
本実施例では、入力インピーダンスZ1に比べてフィードバックインピーダンスZ2を相対的に大きく設定する。入力インピーダンスZ1に比べてフィードバックインピーダンスZ2が相対的に大きく設定されると、演算器OP5の利得が大きくなり、演算器OP5の応答速度が速くなって、演算器OP5の安定化特性を高めることができる。
【0085】
検知電流I1は、入力インピーダンスZ1を介して第1電圧V1として演算器OP5に入力される。
【0086】
演算器OP5は、負端子に入力される第1電圧V1と正(+)端子に入力される基準電圧Vrefとを比較して、その差に対応する第1ゲート入力電圧Vc1を第1スイッチ41のゲート端子に出力する。
【0087】
これにより、第1スイッチ41のゲート端子とソース端子との間のVGS電圧が第1ゲート入力電圧Vc1によって可変し、VGS電圧に応じて第1スイッチ41のターンオン/ターンオフ状態が決定される。より具体的に、第1ゲート入力電圧Vc1が大きくなるほどVGS電圧は徐々に大きくなり、VGS電圧が徐々に大きくなるほどRds(ON)抵抗が小さくなって、第1スイッチ41がターンオン状態となる。これとは反対に、第1ゲート入力電圧Vc1が小さくなるほどVGS電圧は徐々に小さくなり、VGS電圧が徐々に小さくなるほどRds(ON)抵抗が大きくなって、第1スイッチ41がターンオフ状態となる。
【0088】
前記構成を有する本発明によるLED発光装置の動作については、下記
図3および
図4を参照して説明する。
【0089】
図3は本発明によるLEDの駆動電圧および駆動電流を示す図であり、
図4は本発明によるLED駆動電流による複数のスイッチの電流の流れを示す図である。
【0090】
動作する前に、複数のスイッチ41〜44は、ターンオン状態であり、電流をシンク(sink)していると仮定する。
【0091】
整流部20により整流された駆動電圧(Vin)は、単方向のリップル電圧の形態を有する。かかる駆動電圧(Vin)は、複数のLED31〜34に提供される。駆動電圧(Vin)が増加するにつれて、複数のLED31〜34は順に発光することができる。
【0092】
より具体的に、駆動電圧(Vin)が複数のLED31〜34のうち第1LED31の順方向電圧Vf1より低い区間(t0〜t1時点)では、すべてのLED31〜34が非発光になる。
【0093】
しかし、駆動電圧(Vin)が、複数のLED31〜34のうち第1LED31の順方向電圧Vf1以上になると(t1時点)、第1LED31に電流が流れて発光する。この際、
図4のt1時点のように、第1スイッチ41には徐々に上昇する電流が流れ、第1抵抗R1の一端で検知された第1電流I1は上昇する。
【0094】
駆動電圧(Vin)が複数のLED31〜34のうち第1LED31および第2LED32の順方向電圧Vf2以上になると(t2時点)、第1LED31および第2LED32に電流が流れて発光する。この際、第2LED32が発光するにつれて第2電流I2が増加することで、第1抵抗R1の一端で検知される第1電流I1が増加する。
【0095】
したがって、第1スイッチ制御部100の第1スイッチ制御信号生成部121は、第1電流I1に対応する第1電圧V1と基準電圧Vrefとを比較して、その差に対応する第1ゲート入力電圧Vc1を第1スイッチ41のゲート端子に出力する。第1ゲート入力電圧Vc1は、第1電流I1が増加するにつれて減少するため、第1スイッチ41に流れる電流は、
図4のt2時点のように徐々に減少する。電流が減少してから第1スイッチ41に電流が流れなくなると、第1スイッチ41はターンオフされる。すなわち、第1スイッチ41は、第2スイッチ42〜第4スイッチ44に流れる電流の和が基準電流Iref以上の場合には、ターンオフ状態を維持する。
【0096】
この際、
図4のt2時点では、第2LED32が発光するにつれて第2スイッチ42には徐々に上昇する電流が流れる。
【0097】
このように、本発明の第1実施例では、
図4のt2時点のように第1スイッチ41の電流が徐々に減少する際に、第2スイッチ42の電流が徐々に増加することができる。本発明の第1実施例では、第1スイッチ41の電流下降区間と第2スイッチ42の電流上昇区間が重なるように制御することができる。
【0098】
駆動電圧(Vin)が、複数のLED31〜34のうち第1〜第3LED31〜33の順方向電圧Vf3以上になると(t3時点)、第1〜第3LED31〜33に電流が流れて発光する。この際、第2抵抗R2の一端で検知される第2電流I2は、第3LED33が発光するにつれて増加する。
【0099】
したがって、第1スイッチ制御部100の第2スイッチ制御信号生成部122は、第2電流I2に対応する第2電圧V2と基準電圧Vrefとを比較して、その差に対応する第2ゲート入力電圧Vc2を第2スイッチ42のゲート端子に出力する。第2ゲート入力電圧Vc2は、第2電流I2が増加するにつれて減少するため、第2スイッチ42に流れる電流は、
図4のt3時点のように徐々に減少する。電流が減少してから第2スイッチ42に電流が流れなくなると、第2スイッチ42はターンオフされる。すなわち、第2スイッチ42は、第3スイッチ43および第4スイッチ44に流れる電流の和が基準電流Iref以上の場合には、ターンオフ状態を維持する。
【0100】
この際、
図4のt3時点では、第3LED33が発光するにつれて第3スイッチ43には徐々に上昇する電流が流れる。
【0101】
図4のt3時点のように、本実施例では、第2スイッチ42の電流が徐々に減少する際に、第3スイッチ43の電流が徐々に増加することがある。すなわち、第2スイッチ42の電流下降区間と第3スイッチ43の電流上昇区間が重なるように制御することができる。
【0102】
駆動電圧(Vin)がさらに増加して、複数のLED31〜34のうち第1〜第4LED31〜34の順方向電圧Vf4以上になると(t4時点)、第1〜第4LED31〜34に電流が流れて発光する。この際、第3抵抗R3の一端で検知される第3電流I3は、第4LED34が発光するにつれて増加する。
【0103】
したがって、第1スイッチ制御部100の第3スイッチ制御信号生成部123は、第3電流I3に対応する第3電圧V3と基準電圧Vrefとを比較して、その差に対応する第3ゲート入力電圧Vc3を第3スイッチ43のゲート端子に出力する。第3ゲート入力電圧Vc3は、第3電流I3が増加するにつれて減少するため、第3スイッチ43に流れる電流は、
図4のt4時点のように徐々に減少する。電流が減少してから第3スイッチ43に電流が流れなくなると、第3スイッチ43はターンオフされる。すなわち、第3スイッチ43は、第4スイッチ44に流れる電流が基準電流Iref以上の場合には、ターンオフ状態を維持する。
【0104】
この際、
図4のt4時点では、第4LED34が発光するにつれて第4スイッチ44には徐々に上昇する電流が流れる。
【0105】
図4のt4時点のように、本実施例では、第3スイッチ43の電流が徐々に減少する際に、第4スイッチ44の電流が徐々に増加することができる。これにより、第3スイッチ43の電流下降区間と第4スイッチ44の電流上昇区間が重なるように制御することができる。
【0106】
駆動電圧(Vin)が順方向電圧Vf4以上の区間(t4〜t5)において、第1スイッチ制御部100の第4スイッチ制御信号生成部124は、第4電流I4に対応する第4電圧V4と基準電圧Vrefとを比較して、その差に対応する第4ゲート入力電圧Vc4を第4スイッチ44のゲート端子に出力する。この際、本発明の第1実施例では、第4ゲート入力電圧Vc4が、常に第4スイッチ44の閾値電圧(Vth)以上になるように制御する。したがって、駆動電圧(Vin)が順方向電圧Vf4以上の区間では、第4スイッチ44はターンオン状態を維持する。
【0107】
前記のように、駆動電圧(Vin)が上昇する区間において、第1スイッチ制御部100は、いずれか一つの抵抗の後段に接続される抵抗で検知された電流の和が基準電流以上の場合には、いずれか一つの抵抗に接続されたスイッチがターンオフされるように制御する。これにより、複数のスイッチ41〜44の電流上昇区間と電流下降区間が重なるように制御することができる。
【0108】
以降の駆動電圧(Vin)減少区間(t5〜t8)において、第1スイッチ制御部100の動作は、上記のt1〜t4の動作の逆順に行われる。
【0109】
したがって、駆動電圧(Vin)が順方向電圧Vf4以下になるt5時点における動作を代表として説明する。
【0110】
駆動電圧(Vin)が順方向電圧Vf4以下になると(t5時点)、第4LED34が非発光して第4電流I4が減少し、第4電流I4が減少するにつれて第3抵抗R3で検知される第3電流I3が減少する。
【0111】
したがって、第1スイッチ制御部100の第3スイッチ制御信号生成部123は、第3電流I3に対応する第3電圧V3と基準電圧Vrefとを比較して、その差に対応する第3ゲート入力電圧Vc3を第3スイッチ43のゲート端子に出力する。第3ゲート入力電圧Vc3は、第3電流I3が減少するにつれて増加するため、第3スイッチ43に流れる電流は、
図4のt5時点のように徐々に増加する。すなわち、第3スイッチ43は、第4スイッチ44に流れる電流が基準電流Iref未満の場合には、ターンオン状態となる。すなわち、第3スイッチ43は、第4スイッチ44に流れる電流が基準電流Iref未満の場合には、ターンオン状態を維持する。
【0112】
この際、
図4のt5時点では、第4LED34が非発光するにつれて第4スイッチ44には徐々に減少する電流が流れ、これと同時に、第3スイッチ43には徐々に増加する電流が流れる。すなわち、第4スイッチ44の電流下降区間と第3スイッチ43の電流上昇区間が重なるように制御することができる。
【0113】
前記のように、駆動電圧(Vin)が減少する区間において、第1スイッチ制御部100は、いずれか一つの抵抗の後段に接続される抵抗で検知された電流の和が基準電流未満の場合には、いずれか一つの抵抗に接続されたスイッチがターンオンされるように制御する。これにより、複数のスイッチ41〜44の電流上昇区間と電流下降区間が重なるように制御することができる。
【0114】
このように、本実施例では、互いに直列に接続された複数のLED31〜34を順に発光駆動して、
図3に示すように交流電圧のような正弦波に近似するLED駆動電流を提供することで、LED発光効率の偏差を低減することができ、力率および全高調波歪(THD)などの問題を解決することができる。
【0115】
また、本実施例では、第1スイッチ制御部100が、いずれか一つのスイッチのターンオン/ターンオフを制御するために、いずれか一つのスイッチの後段に接続されたスイッチに流れる電流を反映することで、多段に駆動するスイッチの電流上昇区間および電流下降区間が重なるように制御することができる。
【0116】
また、本実施例では、スイッチの電流上昇区間と電流下降区間が重なるように制御することで、スイッチのターンオン/ターンオフの際にLED駆動電流に生じる過電流またはディープを防止することができる。
【0117】
さらに、本実施例では、LED駆動電流に生じる過電流またはディープのようなノイズを除去することで、照明規格で要求するEMI(Electro Magnetic Interference)特性を満足することができる。
【0118】
図5は本発明の実施例による交流電源を使用するLED発光装置の構成図である。
【0119】
図5に示すように、本実施例によるLED発光装置は、交流電源10と、整流部20と、複数のLED31〜34を含む発光素子部30と、複数のLED31〜34のカソード端子にドレイン端子が接続される複数のスイッチ41〜44を含むスイッチ部40と、一端は複数のスイッチ41〜44それぞれのソース端子に接続され、他端は接地端子に接続される複数の抵抗R5〜R8を含む第2抵抗部60と、複数の抵抗R5〜R8それぞれの一端で電流を検知し、検知された電流I5〜I8と基準電流とを比較して、その差に対応する電圧Vc5〜Vc8を複数のスイッチ41〜44それぞれのゲート端子に出力する第2スイッチ制御部200と、を含む。
【0120】
本実施例によるLED発光装置の交流電源10、整流部20、複数のLED31〜34および複数のスイッチ41〜44は、
図1から
図4を参照して上述した実施例と同一であるため、以下、説明は省略する。
【0121】
第2抵抗部60に含まれる複数の抵抗R5〜R8は、互いに並列に接続されており、複数の抵抗R5〜R8それぞれの一端は、複数のスイッチ41〜44のソース端子にそれぞれ接続され、複数の抵抗R5〜R8それぞれの他端は、接地端子に接続される。
【0122】
かかる第2抵抗部60に含まれる複数の抵抗R5〜R8の接続関係により、第1スイッチ41を介して流れる電流は、第1抵抗R5を介して接地端子に流れる。第2スイッチ42を介して流れる電流は、第2抵抗R6を介して接地端子に流れる。第3スイッチ43を介して流れる電流は、第3抵抗R7を介して接地端子に流れる。第4スイッチ44を介して流れる電流は、第4抵抗R8を介して接地端子に流れる。
【0123】
第2スイッチ制御部200は、複数の抵抗R5〜R8それぞれの一端と接続されて、複数のスイッチ41〜44に流れる電流I5〜I8を検知する。
【0124】
かかる第2スイッチ制御部200の構成および動作については、
図6を参照して説明する。
【0125】
図6は
図5の第2スイッチ制御部の構成図である。
【0126】
図6に示すように、第2スイッチ制御部200は、第2基準電圧生成部210と、第2複数のスイッチ制御信号生成部220と、を含む。
【0127】
第2基準電圧生成部210は、設定された複数の基準電流Iref1〜Iref4を複数の基準電圧Vref1〜Vref4として生成して、複数の基準電圧Vref1〜Vref4それぞれを第2複数のスイッチ制御信号生成部220に出力する。
【0128】
より具体的に、第2基準電圧生成部210は、設定された第1〜第4基準電流Iref1〜Iref4をそれぞれ第1〜第4基準電圧Vref1〜Vref4に変換する利得が1である演算器OP1、OP2、OP3、OP4を含む。演算器OP1、OP2、OP3、OP4から出力される第1〜第4基準電圧Vref1〜Vref4それぞれは、第1〜第4スイッチ制御信号生成部221〜224に出力される。
【0129】
本実施例では、第2基準電圧生成部210は、複数のスイッチ41〜44を制御するゲート入力電圧を生成するにあたり、それぞれの基準電流に対応する基準電圧を生成することで、複数のスイッチ41〜44それぞれに流れる電流を自由に設定することができる。
【0130】
第1〜第4スイッチ制御信号生成部221〜224は、その構成および動作が同一であるため、第1スイッチ制御信号生成部221を代表として説明する。
【0131】
第1スイッチ制御信号生成部221は、第1抵抗R5以外の他の抵抗R6〜R8で検知された電流I6〜I8に対応する電圧を結合する第1演算器OP5と、負帰還ループを有する第2演算器OP9と、第1入力インピーダンスZ1と、フィードバックインピーダンスZ2と、第3〜第5入力インピーダンスZ3〜Z5と、を含む。
【0132】
第1演算器OP5は、第3〜第5入力インピーダンスZ3〜Z5を介して第2〜第4抵抗R6〜R8で検知された電流I6〜I8の入力を受ける。第1演算器OP5は、第2〜第4抵抗R6〜R8で検知される電流に対応する電圧を合算して第2演算器OP9に出力する。
【0133】
入力インピーダンスZ1は、第2演算器OP9の負(−)端子に接続されており、フィードバックインピーダンスZ2は、第2演算器OP9の出力端と(−)端子との間に接続されている。入力インピーダンスZ1とフィードバックインピーダンスZ2の値に応じて第2演算器OP9の利得(Gain)が決定される。
【0134】
本実施例では、入力インピーダンスZ1に比べてフィードバックインピーダンスZ2を相対的に大きく設定する。入力インピーダンスZ1に比べてフィードバックインピーダンスZ2が相対的に大きく設定されると、第2演算器OP9の利得が大きくなり、第2演算器OP9の応答速度が速くなって、第2演算器OP9の安定化特性を高めることができる。
【0135】
検知された電流I6〜I8は、第3〜第5入力インピーダンスZ3〜Z5を介して第1電圧V1として第2演算器OP9に入力される。
【0136】
検知された電流I5は、第1入力インピーダンスZ1を介して第2電圧V2として第2演算器OP9に入力される。これにより、第2演算器OP9の負(−)端子には、第1電圧V1と第2電圧V2との和である第3電圧V3が入力される。
【0137】
第2演算器OP9は、負端子に入力される第3電圧V3と正(+)端子に入力される第1基準電圧Vref1とを比較して、その差に対応する第1ゲート入力電圧Vc5を第1スイッチ41のゲート端子に出力する。
【0138】
これにより、第1スイッチ41のゲート端子とソース端子との間のVGS電圧が第1ゲート入力電圧Vc5によって可変し、VGS電圧に応じて第1スイッチ41のターンオン(Turn‐On)/ターンオフ(Turn‐Off)状態が決定される。より具体的に、第1ゲート入力電圧Vc5が大きくなるほどVGS電圧は徐々に小さくなり、VGS電圧が徐々に小さくなるほどRds(ON)抵抗が大きくなって、第1スイッチ41はターンオフ状態となる。これとは反対に、第1ゲート入力電圧Vc5が小さくなるほどVGS電圧は徐々に大きくなり、VGS電圧が徐々に大きくなるほどRds(ON)抵抗が小さくなって、第1スイッチ41はターンオン状態となる。
【0139】
上記の構成を有する本発明の第2実施例によるLED発光装置の動作については、下記
図7および
図8を参照して説明する。
【0140】
図7は本発明の実施例によるLED駆動電圧および駆動電流を示す図であり、
図8は本発明の実施例によるLED駆動電流による複数のスイッチの電流の流れを示す図である。
【0141】
動作する前に、複数のスイッチ41〜44は、ターンオン状態であり、電流をシンクしていると仮定する。
【0142】
より具体的に、駆動電圧(Vin)が複数のLED31〜34のうち第1LED31の順方向電圧Vf1より低い区間(
図7のt0〜t1)では、すべてのLED31〜34が非発光になる。
【0143】
しかし、駆動電圧(Vin)が、複数のLED31〜34のうち第1LED31の順方向電圧Vf1以上になると(t1時点)、第1LED31に電流が流れて発光する。この際、
図8のt1時点のように、第1スイッチ41には徐々に上昇する電流が流れ、第1抵抗R5の一端で検知された第1電流I5は上昇する。
【0144】
駆動電圧(Vin)が複数のLED31〜34のうち第1LED31および第2LED32の順方向電圧Vf2以上になると(t2時点)、第1LED31および第2LED32に電流が流れて発光する。
【0145】
この際、第2抵抗R6の一端で検知される第2電流I6が増加するにつれて、第1スイッチ制御信号生成部221の第2演算器OP9の負端子に入力される電圧は増加する。
【0146】
したがって、第2スイッチ制御部200の第1スイッチ制御信号生成部221は、第1〜第4電流I5〜I8に対応する第3電圧V3と第1基準電圧Vref1とを比較して、その差に対応する第1ゲート入力電圧Vc5を第1スイッチ41のゲート端子に出力する。第1ゲート入力電圧Vc5は、第3電圧V3が増加するにつれて減少するため、第1スイッチ41に流れる電流は、
図8のt2時点のように徐々に減少する。電流が減少してから第1スイッチ41に電流が流れなくなると、第1スイッチ41はターンオフされる。すなわち、第1スイッチ41は、第2スイッチ42〜第4スイッチ44に流れる電流の和が第1基準電流Iref1以上の場合には、ターンオフ状態を維持する。
【0147】
この際、
図8のt2時点では、第2LED32が発光するにつれて第2スイッチ42には徐々に上昇する電流が流れる。
【0148】
このように、本発明の実施例では、
図8のt2時点のように第1スイッチ41の電流が徐々に減少する際に、第2スイッチ42の電流が徐々に増加することができる。本発明の実施例では、第1スイッチ41の電流下降区間と第2スイッチ42の電流上昇区間が重なるように制御することができる。
【0149】
前記
図8のt2時点のように、t3時点では、第2スイッチ42の電流下降区間と第3スイッチ43の電流上昇区間が重なり、t4時点では、第3スイッチ43の電流下降区間と第4スイッチ44の電流上昇区間が重なる。
【0150】
駆動電圧(Vin)が第1〜第4LED31〜34の順方向電圧Vf4以上の区間(t4〜t5)において、第4スイッチ制御信号生成部224は、第4スイッチ44に出力される第4ゲート入力電圧Vc8が、常に第4スイッチ44の閾値電圧(Vth)以上になるように制御する。したがって、駆動電圧(Vin)が順方向電圧Vf4以上の区間で、第4スイッチ44はターンオン状態を維持する。
【0151】
上記のように、駆動電圧(Vin)が上昇する区間において、第2スイッチ制御部200は、すべての抵抗で検知された電流が、いずれか一つのスイッチに設定された基準電流以上の場合には、いずれか一つのスイッチがターンオフされるように制御する。これにより、複数のスイッチ41〜44の電流上昇区間と電流下降区間が重なるように制御することができる。
【0152】
以降の駆動電圧(Vin)減少区間(t5〜t8)において、第2スイッチ制御部200の動作は、上記のt1〜t4動作の逆順に行われる。
【0153】
したがって、駆動電圧(Vin)が順方向電圧Vf4以下になるt5時点における動作を代表として説明する。
【0154】
駆動電圧(Vin)が順方向電圧Vf4以下になると(t5時点)、第4LED34が非発光して第4電流I8が減少し、第4電流I8が減少するにつれて第3抵抗R7で検知される第3電流I7が減少する。
【0155】
したがって、第2スイッチ制御部200の第3スイッチ制御信号生成部223は、第1〜第4電流に対応する第3電圧V3と第3基準電圧Vref3とを比較して、その差に対応する第3ゲート入力電圧Vc7を第3スイッチ43のゲート端子に出力する。第3ゲート入力電圧Vc7は、第3電圧V3が減少するにつれて増加するため、第3スイッチ43に流れる電流は、
図8のt5時点のように徐々に増加する。すなわち、第3スイッチ43は、第4スイッチ44の電流が減少することでターンオン状態を維持する。
【0156】
この際、
図8のt5時点では、第4LED34が非発光するにつれて第4スイッチ44には徐々に減少する電流が流れ、これと同時に、第3スイッチ43には徐々に増加する電流が流れる。すなわち、第4スイッチ44の電流下降区間と第3スイッチ43の電流上昇区間が重なるように制御することができる。
【0157】
上記のように、駆動電圧(Vin)が減少する区間において、第2スイッチ制御部200は、すべての抵抗で検知された電流の和が当該スイッチの基準電流未満の場合には、当該スイッチがターンオンされるように制御する。これにより、複数のスイッチ41〜44の電流上昇区間と電流下降区間が重なるように制御することができる。
【0158】
このように、本発明の実施例では、互いに直列に接続された複数のLED31〜34を順に発光駆動して、
図7に示すように交流電圧のような正弦波に近似するLED駆動電流を提供することで、LED発光効率の偏差を低減することができ、力率および全高調波歪(THD)などの問題を解決することができる。
【0159】
また、本発明の実施例では、第2スイッチ制御部200が、いずれか一つのスイッチに流れる電流を制御するために、すべての他のスイッチに流れる電流を反映することで、多段に駆動するスイッチの電流上昇区間および電流下降区間が重なるように制御することができる。
【0160】
また、本発明の実施例では、スイッチの電流上昇区間と電流下降区間が重なるように制御することで、スイッチのターンオン/ターンオフの際にLED駆動電流に生じる過電流またはディープを防止することができる。
【0161】
さらに、本発明の実施例では、LED駆動電流に生じる過電流またはディープのようなノイズを除去することで、照明規格で要求するEMI特性を満足することができる。
【0162】
図9は本発明の他の実施例によるLED発光装置の構成図である。
【0163】
図9に示すように、LED発光装置は、交流電源10と、整流部20と、複数のLED31〜34を含む発光素子部30と、複数のLED31〜34のカソード端子にドレイン端子が接続される複数のスイッチ41〜44を含むスイッチ部40と、一端は前のスイッチのソース端子に接続され、他端は次のスイッチのソース端子に接続される複数の抵抗R1〜R4を含む抵抗部50と、複数の抵抗R1〜R4の一端とスイッチの接続ノードそれぞれで電流I1〜I4を検知し、検知された電流と基準電流とを比較して、その差に対応する電圧Vc1〜Vc4を複数のスイッチ41〜44のゲート端子に出力するスイッチ制御部100Aと、を含む。
【0164】
交流電源10は、LED発光装置の入力電源であって、基本周波数に応じて大きさと方向が変化する特性を有する。
【0165】
整流部20は、入力交流電源を整流して、整流された電圧の形態を有する駆動電圧(Vin)に変換することができる。例えば、整流部20は、正弦波形の交流電源を全波整流またはブリッジ整流する回路からなることができる。
【0166】
整流部20から出力される整流電圧は、交流電源10の大きさが変化するにつれて可変することができる。通常、交流電源10の実効電圧を220Vと仮定すると、以下では、整流部20から出力される整流電圧の実効電圧が220Vである整流電圧を「基準整流電圧」とし、実効電圧が220Vを超えた整流電圧を「上昇整流電圧」とし、実効電圧が220V未満の整流電圧を「下降整流電圧」とする(
図11の および
図12の参照)。
【0167】
発光素子部30の複数のLED31〜34は、整流部20の出力端に直列に接続されて、整流電圧が増加するにつれて順に発光し、整流電圧が減少するにつれて順に非発光になる。
【0168】
図9には、説明の便宜上、発光素子部30が4個のLED31〜34を含むことを示しているが、発光素子部30において、LEDの個数はこれに限定されない。
【0169】
また、第1〜第4LED31〜34それぞれは、少なくとも一つ以上の直列に接続されたLEDであってもよく、同一極性が互いに接続された(すなわち、並列に接続された)複数のLEDからなってもよい。
【0170】
スイッチ部40に含まれる複数のスイッチ41〜44は、MOSFET(Metal‐oxide Semiconductor Field‐Effect Transistor)であって、複数のスイッチ41〜44それぞれのドレイン端子は、複数のLED31〜34それぞれのカソード端子に接続されており、複数のスイッチ41〜44それぞれのゲート端子はスイッチ制御部100Aと接続されており、複数のスイッチ41〜44それぞれのソース端子は、複数の抵抗R1〜R4それぞれの一端と接続されている。
【0171】
この際、抵抗部50に含まれる複数の抵抗R1〜R4は、互いに直列に接続されており、最後の抵抗である第4抵抗R4の他端は、接地端子に接続されている。
【0172】
本発明の実施例において、最後の抵抗は、直列に接続された複数のLED31〜34のうち整流部20と最も遠く離隔して接続されたLED34に接続したスイッチ44のソース端子に一端が接続される抵抗である。
【0173】
より具体的に、第1抵抗R1の一端は、第1スイッチ41のソース端子に接続されており、第1抵抗R1の他端は、第2抵抗R2と第2スイッチ42の接続ノードに接続されている。第2抵抗R2の一端は、第1抵抗R1と第2スイッチ42の接続ノードに接続されており、第2抵抗R2の他端は、第3抵抗R3と第3スイッチ43の接続ノードに接続されている。第3抵抗R3の一端は、第2抵抗R2と第3スイッチ43の接続ノードに接続されており、第3抵抗R3の他端は、第4抵抗R4と第4スイッチ44の接続ノードに接続されている。最後の抵抗である第4抵抗R4の一端は、第3抵抗R3と第4スイッチ44の接続ノードに接続されており、第4抵抗R4の他端は、接地端子に接続されている。
【0174】
かかる抵抗部50に含まれる複数の抵抗R1〜R4の接続関係により、第1スイッチ41を介して抵抗部50に入力される電流は、第1抵抗R1、第2抵抗R2、第3抵抗R3および第4抵抗R4を介して接地端子に流れる。第2スイッチ42を介して抵抗部50に入力される電流は、第2抵抗R2、第3抵抗R3および第4抵抗を介して接地端子に流れる。第3スイッチ43を介して抵抗部50に入力される電流は、第3抵抗R3および第4抵抗R4を介して接地端子に流れる。第4スイッチ44を介して抵抗部50に入力される電流は、第4抵抗R4を介して接地端子に流れる。
【0175】
スイッチ制御部100Aは、複数の抵抗R1〜R4それぞれの一端と接続されて、複数のスイッチ41〜44に流れる電流を検知する。抵抗部50によって検知される電流I1〜I4の大きさは、抵抗部50に含まれる複数の抵抗R1〜R4の値が変化するにつれて変わることができる。
【0176】
より具体的に、第1電流I1は、第1抵抗R1、第2抵抗R2、第3抵抗R3および第4抵抗R4を介して検知される電流であり、第2電流I2は、第2抵抗R2、第3抵抗R3および第4抵抗R4を介して検知される電流であり、第3電流I3は、第3抵抗R3および第4抵抗R4を介して検知される電流であり、第4電流I4は、第4抵抗R4を介して検知される電流である。
【0177】
スイッチ制御部100Aは、第1〜第4電流I1〜I4を検知し、検知された電流と基準電流とを比較して、その差に対応する電圧Vc1〜Vc4を各スイッチ41〜44のゲート端子に出力する。かかるスイッチ制御部100Aの構成および動作については、
図10から
図13を参照して説明する。
【0178】
図10は
図9のスイッチ制御部の構成図であり、
図11の(a)は基準整流電圧に対して増加した上昇整流電圧を示し、
図11の(b)は基準駆動電流および上昇整流電圧による下降駆動電流を示す。
図12の(a)は基準整流電圧に対して減少した下降整流電圧を示し、(b)は基準駆動電流および下降整流電圧による上昇駆動電流を示す。
【0179】
図10に示すように、スイッチ制御部100Aは、電圧変化量検出部130と、基準電圧生成部110Aと、スイッチ制御信号生成部120Aと、を含む。
【0180】
電圧変化量検出部130は、差動増幅器OP1を用いて整流部20の出力端aと接地端子bとの間に入力される電圧と基準整流電圧との電圧変化量を検出する。
【0181】
この際、電圧変化量検出部130は、差動増幅器OP1の出力端とキャパシタとを分離するためのダイオードDと、差動増幅器OP1の出力の変化量を平均化、すなわち、DCに変換して制御するキャパシタCと、をさらに含むことができる。
【0182】
通常、交流電源10の実効電圧を220Vと仮定すると、交流電源の電圧の大きさは220Vより大きいか小さく変化することができる。したがって、本発明の実施例において、電圧変化量検出部130は、差動増幅器OP1を用いて基準LED駆動電圧に対する交流電圧の電圧変化量を検出する。
【0183】
基準電圧生成部110Aは、演算器OP2を用いて電圧変化量検出部130から出力される電圧変化量と設定された第1基準電流Iref1とを比較して、電圧変化量が反映された第2基準電流Iref2を出力する。
【0184】
図11の(a)における上昇整流電圧のように電圧変化量が増加した場合、基準電圧生成部110Aは、第1基準電流Iref1から電圧変化量に対応する電流だけ減少した第2基準電流Iref2を出力する。
【0185】
また、
図12の(a)における下降整流電圧のように電圧変化量が減少した場合、基準電圧生成部110Aは、第1基準電流Iref1から電圧変化量に対応する電流だけ増加した第2基準電流Iref2を出力する。
【0186】
このように、本発明では、交流電源(または整流電圧)の可変特性を考慮して、複数のスイッチ41〜44の制御に適用される第2基準電流Iref2の大きさを変更することができる。
【0187】
次に、基準電圧生成部110Aは、演算器OP3〜OP6を用いて第2基準電流に対応する基準電圧を生成して、スイッチ制御信号生成部120Aにそれぞれ出力する。本発明では、基準電圧生成部110Aが一つの基準電圧を生成してスイッチ制御信号生成部120Aに出力することで、抵抗部50に含まれる抵抗値をより容易に選定することができる。
【0188】
スイッチ制御信号生成部120Aは、第1〜第4スイッチ制御信号生成部121〜124を含み、第1〜第4スイッチ制御信号生成部121〜124は、その構成および動作が同一であるため、第1スイッチ制御信号生成部121を代表として説明する。
【0189】
第1スイッチ制御信号生成部121は、第1抵抗R1の一端で検知された検知電流I1に対応する電圧V1と基準電圧Vrefとを比較して、その差に対応するゲート入力電圧Vc1を第1スイッチ41のゲート端子に出力する。これにより、ゲート入力電圧Vc1により第1スイッチVc1を介して流れる電流の大きさが制御されることで、第1スイッチ41のターンオン(Turn−On)/ターンオフ(Turn−Off)状態が決定される。
【0190】
より具体的に、第1スイッチ制御信号生成部121は、負帰還ループを有する演算器OP7と、入力インピーダンスZ7と、フィードバックインピーダンスZ8と、を含む。
【0191】
入力インピーダンスZ7は、演算器OP7の負(−)端子に接続されており、フィードバックインピーダンスZ8は、演算器OP7の出力端と負端子との間に接続されている。
【0192】
本実施例では、入力インピーダンスZ7に比べてフィードバックインピーダンスZ8を相対的に大きく設定して、演算器OP7の利得(Gain)を高めることができる。また、演算器OP7の利得が高くなるにつれて演算器OP7の応答速度が速くなり、演算器OP7の安定化特性を高めることができる。
【0193】
演算器OP7は、負端子に入力される検知電流I1に対応する電圧V1と正端子に入力される基準電圧Vrefとを比較して、その差に対応する第1ゲート入力電圧Vc1を第1スイッチ41のゲート端子に出力する。
【0194】
ゲート端子に入力される第1ゲート入力電圧Vc1により、第1スイッチ41のゲート端子とソース端子との間のVGS電圧が可変し、VGS電圧に応じて第1スイッチ41のターンオン/ターンオフ状態が決定される。より具体的に、第1ゲート入力電圧Vc1が大きくなるほどVGS電圧は徐々に大きくなり、VGS電圧が徐々に大きくなるほどRds(ON)抵抗が小さくなって、第1スイッチ41はターンオン状態となる。これとは反対に、第1ゲート入力電圧Vc1が小さくなるほどVGS電圧は徐々に小さくなり、VGS電圧が徐々に小さくなるほどRds(ON)抵抗が大きくなって、第1スイッチ41はターンオフ状態となる。
【0195】
前記スイッチ制御部100Aの動作をまとめると、次のとおりである。
【0196】
整流部20から出力される電圧が上昇整流電圧の場合には、基準電圧生成部110Aは、下降調整される基準電圧Vrefを出力し、複数のスイッチ制御信号生成部121〜124は、下降調整される基準電圧Vrefに応じて各スイッチに流れる電流が減少するようにゲート入力電圧Vc1〜Vc4を出力する。
【0197】
これにより、
図11の(b)に示すように、第1〜第3LED31〜33に流れるLED駆動電流(下降LED駆動電流)は、基準LED駆動電流に比べて低く調整される。
【0198】
これとは反対に、整流部20から出力される電圧が下降整流電圧の場合には、基準電圧生成部110Aは、上昇調整される基準電圧Vrefを出力し、複数のスイッチ制御信号生成部121〜124は、上昇調整される基準電圧Vrefに応じて各スイッチに流れる電流が増加するようにゲート入力電圧Vc1〜Vc4を出力する。
【0199】
これにより、
図12の(b)に示すように、第1〜第3LED31〜33に流れるLED駆動電流(上昇LED駆動電流)は、基準LED駆動電流に比べて高く調整される。
【0200】
このように、本発明の実施例では、交流電源の実効電圧が可変するにつれて各LEDに流れる電流を制御することで、全体のLEDに流れる電流が、交流電源の可変特性に関係なく、常に一定に維持されるように制御することができる。
【0201】
上記の構成を有する本発明の実施例によるLED発光装置の動作については、
図13を参照してより具体的に説明する。
【0202】
図13は本発明の実施例によるLED駆動電流と複数のスイッチの電流の流れの接続関係を示す図である。
【0203】
動作する前に、複数のスイッチ41〜44は、ターンオン状態であり、電流をシンク(Sink)していると仮定する。また、上昇LED駆動電流、下降LED駆動電流および基準LED駆動電流による複数のスイッチ41〜44の電流の流れにおいて、複数のスイッチ41〜44に、時間的に、より速く電流が流れるかより遅く電流が流れるかの差があるだけであって、スイッチに電流を流す駆動動作は同一である。したがって、
図5におけるLED駆動電流は、上昇LED駆動電流、下降LED駆動電流および基準LED駆動電流のうちいずれか一つの駆動電流であってもよい。
【0204】
図13に示すように、整流電圧が複数のLED31〜34のうち第1LED31の順方向電圧Vf1より低い区間(t0〜t1時点)では、すべてのLED31〜34が非発光になる。
【0205】
しかし、整流電圧が複数のLED31〜34のうち第1LED31の順方向電圧Vf1以上になると(t1時点)、第1LED31に電流が流れて発光する。この際、
図13のt1時点のように、第1スイッチ41には徐々に上昇する電流が流れて、第1抵抗R1の一端で検知された第1電流I1は上昇する。
【0206】
整流電圧が複数のLED31〜34のうち第1LED31および第2LED32の順方向電圧Vf2以上になると(t2時点)、第1LED31および第2LED32に電流が流れて発光する。この際、第2LED32が発光するにつれて第2電流I2が増加することで、第1抵抗R1の一端で検知される第1電流I1が増加する。
【0207】
したがって、スイッチ制御部100Aの第1スイッチ制御信号生成部121は、第1電流I1に対応する第1電圧V1と基準電圧Vrefとを比較して、その差に対応する第1ゲート入力電圧Vc1を第1スイッチ41のゲート端子に出力する。第1ゲート入力電圧Vc1は、第1電流I1が増加するにつれて減少するため、第1スイッチ41に流れる電流は、
図13のt2時点のように徐々に減少する。電流が減少してから第1スイッチ41に電流が流れなくなると、第1スイッチ41はターンオフされる。すなわち、第1スイッチ41は、第2スイッチ42〜第4スイッチ44に流れる電流の和が第2基準電流Iref2以上の場合には、ターンオフ状態を維持する。
【0208】
この際、
図13のt2時点では、第2LED32が発光するにつれて第2スイッチ42には徐々に上昇する電流が流れる。
【0209】
このように、本発明の実施例では、
図13のt2時点のように第1スイッチ41の電流が徐々に減少する際に、第2スイッチ42の電流が徐々に増加することができる。本発明の実施例では、第1スイッチ41の電流下降区間と第2スイッチ42の電流上昇区間が重なるように制御することができる。
【0210】
整流電圧が複数のLED31〜34のうち第1〜第3LED31〜33の順方向電圧Vf3以上になると(t3時点)、第1〜第3LED31〜33に電流が流れて発光する。この際、第2抵抗R2の一端で検知される第2電流I2は、第3LED33が発光するにつれて増加する。
【0211】
したがって、スイッチ制御部100Aの第2スイッチ制御信号生成部122は、第2電流I2に対応する第2電圧V2と基準電圧Vrefとを比較して、その差に対応する第2ゲート入力電圧Vc2を第2スイッチ42のゲート端子に出力する。第2ゲート入力電圧Vc2は、第2電流I2が増加するにつれて減少するため、第2スイッチ42に流れる電流は、
図13のt3時点のように徐々に減少する。電流が減少してから第2スイッチ42に電流が流れなくなると、第2スイッチ42はターンオフされる。すなわち、第2スイッチ42は、第3スイッチ43および第4スイッチ44に流れる電流の和が第2基準電流Iref2以上の場合には、ターンオフ状態を維持する。
【0212】
この際、
図13のt3時点では、第3LED33が発光するにつれて第3スイッチ43には徐々に上昇する電流が流れる。
【0213】
図13のt3時点のように、本発明の実施例では、第2スイッチ42の電流が徐々に減少する際に、第3スイッチ43の電流が徐々に増加することができる。すなわち、第2スイッチ42の電流下降区間と第3スイッチ43の電流上昇区間が重なるように制御することができる。
【0214】
整流電圧がさらに増加して、複数のLED31〜34のうち第1〜第4LED31〜34の順方向電圧Vf4以上になると(t4時点)、第1〜第4LED31〜34に電流が流れて発光する。この際、第3抵抗R3の一端で検知される第3電流I3は、第4LED34が発光するにつれて増加する。
【0215】
したがって、スイッチ制御部100Aの第3スイッチ制御信号生成部123は、第3電流I3に対応する第3電圧V3と基準電圧Vrefとを比較して、その差に対応する第3ゲート入力電圧Vc3を第3スイッチ43のゲート端子に出力する。第3ゲート入力電圧Vc3は、第3電流I3が増加するにつれて減少するため、第3スイッチ43に流れる電流は、
図13のt4時点のように徐々に減少する。電流が減少してから第3スイッチ43に電流が流れなくなると、第3スイッチ43はターンオフされる。すなわち、第3スイッチ43は、第4スイッチ44に流れる電流が第2基準電流Iref2以上の場合には、ターンオフ状態を維持する。
【0216】
この際、
図13のt4時点では、第4LED34が発光するにつれて第4スイッチ44には徐々に上昇する電流が流れる。
【0217】
図13のt4時点のように、本発明の実施例では、第3スイッチ43の電流が徐々に減少する際に、第4スイッチ44の電流が徐々に増加することができる。これにより、第3スイッチ43の電流下降区間と第4スイッチ44の電流上昇区間が重なるように制御することができる。
【0218】
整流電圧が順方向電圧Vf4以上の区間(t4〜t5)において、スイッチ制御部100Aの第4スイッチ制御信号生成部124は、第4電流I4に対応する第4電圧V4と基準電圧Vrefとを比較して、その差に対応する第4ゲート入力電圧Vc4を第4スイッチ44のゲート端子に出力する。この際、本発明の実施例では、第4ゲート入力電圧Vc4が、常に第4スイッチ44の閾値電圧(Vth)以上になるように制御する。したがって、整流電圧が順方向電圧Vf4以上の区間では、第4スイッチ44はターンオン状態を維持する。
【0219】
前記のように、整流電圧が上昇する区間において、スイッチ制御部100Aは、いずれか一つの抵抗の後段に接続される抵抗で検知された電流の和が基準電流以上の場合には、いずれか一つの抵抗に接続されたスイッチがターンオフされるように制御する。これにより、複数のスイッチ41〜44の電流上昇区間と電流下降区間が重なるように制御することができる。
【0220】
以降の整流電圧減少区間(t5〜t8)において、スイッチ制御部100Aの動作は、上記のt1〜t4動作の逆順に行われる。
【0221】
したがって、整流電圧が順方向電圧Vf4以下になるt5時点における動作を代表として説明する。
【0222】
整流電圧が順方向電圧Vf4以下になると(t5時点)、第4LED34は非発光して第4電流I4が減少し、第4電流I4が減少するにつれて第3抵抗R3で検知される第3電流I3が減少する。
【0223】
したがって、スイッチ制御部100Aの第3スイッチ制御信号生成部123は、第3電流I3に対応する第3電圧V3と基準電圧Vrefとを比較して、その差に対応する第3ゲート入力電圧Vc3を第3スイッチ43のゲート端子に出力する。第3ゲート入力電圧Vc3は、第3電流I3が減少するにつれて増加するため、第3スイッチ43に流れる電流は、
図13のt5時点のように徐々に増加する。すなわち、第3スイッチ43は、第4スイッチ44に流れる電流が基準電流Iref未満の場合には、ターンオン状態となる。すなわち、第3スイッチ43は、第4スイッチ44に流れる電流が第2基準電流(Iref1)未満の場合には、ターンオン状態を維持する。
【0224】
この際、
図13のt5時点では、第4LED34が非発光するにつれて第4スイッチ44には徐々に減少する電流が流れ、これと同時に、第3スイッチ43には徐々に増加する電流が流れる。すなわち、第4スイッチ44の電流下降区間と第3スイッチ43の電流上昇区間が重なるように制御することができる。
【0225】
前記のように、整流電圧が減少する区間において、スイッチ制御部100Aは、いずれか一つの抵抗の後段に接続される抵抗で検知された電流の和が基準電流未満の場合には、いずれか一つの抵抗に接続されたスイッチがターンオンされるように制御する。これにより、複数のスイッチ41〜44の電流上昇区間と電流下降区間が重なるように制御することができる。
【0226】
このように、本発明の他の実施例では、互いに直列に接続された複数のLED31〜34を順に発光駆動して、
図11の(b)および
図12の(b)に示すように、交流電圧のような正弦波に近似するLED駆動電流を提供することで、LED発光効率の偏差を低減することができ、力率および全高調波歪(THD)などの問題を解決することができる。
【0227】
また、本発明の他の実施例では、スイッチ制御部が、いずれか一つのスイッチのターンオン/ターンオフを制御するために、いずれか一つのスイッチの後段に接続されたスイッチに流れる電流を反映することで、多段に駆動するスイッチの電流上昇区間および電流下降区間が重なるように制御することができる。
【0228】
また、本発明の他の実施例では、スイッチの電流上昇区間と電流下降区間が重なるように制御することで、スイッチのターンオン/ターンオフの際にLED駆動電流に生じる過電流またはディープを防止することができる。
【0229】
また、本発明の他の実施例では、LED駆動電流に生じる過電流またはディープのようなノイズを除去することで、照明規格で要求するEMI(Electro Magnetic Interference)特性を満足することができる。
【0230】
また、本発明の他の実施例では、交流電源が基準交流電源に比べてその大きさが上昇または下降変化する問題が生じても、電圧変化量に応じてLEDに流れる電流を可変制御することで、全体のLEDに流れる電流が一定に維持されることができる。
【0231】
図14は本発明の他の実施例による位相制御方式の調光器に適用されるLED発光装置の構成図である。
図15は
図14のLED発光装置における交流電源の出力電圧、交流調光器の出力電圧および整流部の出力電圧を示す図である。
【0232】
図14に示すように、本発明の他の実施例によるLED発光装置400は、位相制御方式の調光器80から出力される電圧を用いて、複数のLED31〜34の駆動を制御する。
【0233】
まず、調光器80の構成について説明すると、調光器80は、交流電源10と、交流調光器(AC‐Dimmer)12と、を含む。交流電源10は、
図15に示すようにLED発光装置の入力電源であって、基本周波数に応じて大きさと方向が変化する電圧を出力する。
【0234】
交流調光器12は、トライアックスイッチを用いた位相制御方式の調光手段であって、入力される明るさ制御信号に応じて、交流電源10から入力される電圧の位相のうち一部の位相のみを出力する。より具体的に、交流調光器12に入力される明るさ制御信号を50%としたときに、
図15に示すように、交流調光器12は、交流電源10の出力電圧のうち50%の位相のみを出力する。
【0235】
この際、交流調光器12がリーディングエッジ(leading edge)タイプの場合、交流調光器12は、交流電源10の出力位相のうち上昇区間に対応する50%の電圧を出力し、交流調光器12がトレーリングエッジ(trailing edge)タイプの場合には、交流電源10の出力位相のうち下降区間に対応する50%の電圧を出力する。
図14には、調光器80が交流電源10が含むことを示しているが、調光器80は、一つの交流調光器12からなってもよい。
【0236】
このように、明るさ制御信号によって位相が制御された調光器80の出力信号は、本発明の実施例によるLED発光装置400に入力される。
【0237】
また、
図14を参照すると、LED発光装置400は、調光器80から出力される電圧を整流する整流部20と、複数のLED31〜34を含む発光素子部30と、複数のLED31〜34のカソード端子にドレイン端子が接続される複数のスイッチ41〜44を含むスイッチ部40と、一端は前のスイッチのソース端子に接続され、他端は次のスイッチのソース端子に接続される複数の抵抗R1〜R4を含む抵抗部50と、整流部20と複数のLED31〜34との間に接続されて整流部20から出力される電圧に応じて電流を消費する電流消費部70と、複数の抵抗R1〜R4の一端とスイッチの接続ノードそれぞれで電流I1〜I4を検知し、検知された電流と基準電流とを比較して、その差に対応する電圧Vc1〜Vc4、Vaを複数のスイッチ41〜44および電流消費部70のスイッチ71に出力するスイッチ制御部100Bと、を含む。
【0238】
整流部20は、調光器80から出力される入力交流電圧を整流して、
図15のような整流電圧に変換して出力する。例えば、整流部20は、正弦波形の交流電圧を全波整流またはブリッジ整流する回路からなることができる。
【0239】
発光素子部30の複数のLED31〜34は、整流部20の出力端に直列に接続されて、整流電圧が増加するにつれて順に発光し、整流電圧が減少するにつれて順に非発光する。
【0240】
図14には、説明の便宜上、発光素子部30が4個のLED31〜34を含むことを示しているが、発光素子部30において、LEDの個数はこれに限定されない。
【0241】
また、第1〜第4LED31〜34それぞれは、少なくとも一つ以上の直列に接続されたLEDであってもよく、同一極性が互いに接続された(すなわち、並列に接続された)複数のLEDからなってもよい。
【0242】
スイッチ部40に含まれる複数のスイッチ41〜44は、MOSFET(Metal‐oxide Semiconductor Field‐Effect Transistor)であって、複数のスイッチ41〜44それぞれのドレイン端子は、複数のLED31〜34それぞれのカソード端子に接続されており、複数のスイッチ41〜44それぞれのゲート端子は、スイッチ制御部100Bと接続されており、複数のスイッチ41〜44それぞれのソース端子は、複数の抵抗R1〜R4それぞれの一端と接続されている。複数のスイッチ41〜44のターンオン(Turn‐On)/ターンオフ(Turn‐Off)は、スイッチ制御部100Bからそれぞれのゲート端子に入力される信号に応じて決定される。
【0243】
抵抗部50に含まれる複数の抵抗R1〜R4は互いに直列に接続されており、最後の抵抗である第4抵抗R4の他端は、接地端子に接続されている。
【0244】
本発明の実施例において、最後の抵抗は、直列に接続された複数のLED31〜34のうち整流部20と最も遠く離隔して接続されたLED34に接続したスイッチ44のソース端子に一端が接続される抵抗である。
【0245】
より具体的に、第1抵抗R1の一端は、第1スイッチ41のソース端子に接続されており、第1抵抗R1の他端は、第2抵抗R2と第2スイッチ42の接続ノードに接続されている。第2抵抗R2の一端は、第1抵抗R1と第2スイッチ42の接続ノードに接続されており、第2抵抗R2の他端は、第3抵抗R3と第3スイッチ43の接続ノードに接続されている。第3抵抗R3の一端は、第2抵抗R2と第3スイッチ43の接続ノードに接続されており、第3抵抗R3の他端は、第4抵抗R4と第4スイッチ44の接続ノードに接続されている。最後の抵抗である第4抵抗R4の一端は、第3抵抗R3と第4スイッチ44の接続ノードに接続されており、第4抵抗R4の他端は、接地端子に接続されている。
【0246】
電流消費部70は、整流部20の出力端と抵抗部50の第1抵抗R1の一端との間に接続される。電流消費部70は、抵抗Raと、スイッチ71と、を含む。
【0247】
抵抗Raは、整流部20からスイッチ71に流れる電流を制限するための手段であって、抵抗Raの一端は、整流部20の出力端に接続され、他端は、スイッチ71のドレイン端子に接続されている。スイッチ71はMOSFETであって、スイッチ71のソース端子は、第1スイッチ41のソース端子に接続されており、スイッチ71のゲート端子は、スイッチ制御部100Bと接続されている。より具体的に、スイッチ71のソース端子と第1スイッチ41のソース端子の接続ノードは、第1抵抗R1の一端に接続されている。スイッチ71のターンオン/ターンオフは、スイッチ制御部100Bからゲート端子に入力される信号に応じて決定される。
【0248】
スイッチ部40、抵抗部50および電流消費部70の接続関係により、電流消費部70のスイッチ71を介して抵抗部50に入力される電流と第1スイッチ41を介して抵抗部50に入力される電流は、第1抵抗R1、第2抵抗R2、第3抵抗R3および第4抵抗R4を介して接地端子に流れる。第2スイッチ42を介して抵抗部50に入力される電流は、第2抵抗R2、第3抵抗R3および第4抵抗を介して接地端子に流れる。第3スイッチ43を介して抵抗部50に入力される電流は、第3抵抗R3および第4抵抗R4を介して接地端子に流れる。第4スイッチ44を介して抵抗部50に入力される電流は、第4抵抗R4を介して接地端子に流れる。
【0249】
スイッチ制御部100Bは、複数の抵抗R1〜R4それぞれの一端と接続されて、電流消費部70のスイッチ71および複数のスイッチ41〜44に流れる電流を検知する。抵抗部50によって検知される電流I1〜I4の大きさは、抵抗部50に含まれる複数の抵抗R1〜R4の値が変化するにつれて変わることができる。
【0250】
より具体的に、第1電流I1は、第1抵抗R1、第2抵抗R2、第3抵抗R3および第4抵抗R4を介して検知される電流であり、第2電流I2は、第2抵抗R2、第3抵抗R3および第4抵抗R4を介して検知される電流であり、第3電流I3は、第3抵抗R3および第4抵抗R4を介して検知される電流であり、第4電流I4は、第4抵抗R4を介して検知される電流である。
【0251】
スイッチ制御部100Bは、第1〜第4電流I1〜I4を検知し、検知された電流と基準電流とを比較して、その差に対応する電圧Vc1〜Vc4、Vaを各スイッチ41〜44、71のゲート端子に出力する。かかるスイッチ制御部100Bの構成および動作については、
図16を参照して説明する。
【0252】
図16は
図14のスイッチ制御部の構成図である。
【0253】
図16に示すように、スイッチ制御部100Bは、基準電圧生成部110Bと、スイッチ制御信号生成部120Bと、を含む。
【0254】
基準電圧生成部110Bは、設定された基準電流Irefを基準電圧Vrefとして生成して、スイッチ制御信号生成部120Bに出力する。
【0255】
より具体的に、基準電圧生成部110Bは、設定された基準電流Irefを基準電圧Vrefに変換する利得が「1」である演算器OP1、OP2、OP3、OP4、OP5を含む。演算器OP1、OP2、OP3、OP4、OP5から出力される基準電圧Vrefは、第1〜第5スイッチ制御信号生成部121〜125にそれぞれ出力される。
【0256】
本発明の実施例では、基準電圧生成部110Bが、第1〜第5スイッチ制御信号生成部121〜125に入力される基準電圧を同一の基準電圧として生成して出力することで、第1抵抗部50に含まれる抵抗値をより容易に選定することができる。
【0257】
図16には、基準電圧生成部110Bが一つの基準電圧を生成することを示しているが、基準電圧生成部110Bは、第1〜第5スイッチ制御信号生成部121〜125に、互いに異なる基準電圧を生成して出力してもよい。
【0258】
第1スイッチ制御信号生成部121は、第1電流I1と基準電圧Vrefとを比較して、その差に対応する電圧Vaを電流消費部70のスイッチ71のゲート端子に出力する。
【0259】
第2スイッチ制御信号生成部122は、第1電流I1と基準電圧Vrefとを比較して、その差に対応する電圧Vc1を第1スイッチ41のゲート端子に出力する。
【0260】
第3スイッチ制御信号生成部123は、第2電流I2と基準電圧Vrefとを比較して、その差に対応する電圧Vc2を第2スイッチ42のゲート端子に出力する。
【0261】
第4スイッチ制御信号生成部124は、第3電流I3と基準電圧Vrefとを比較して、その差に対応する電圧Vc3を第3スイッチ43のゲート端子に出力する。
【0262】
第5スイッチ制御信号生成部125は、第4電流I4と基準電圧Vrefとを比較して、その差に対応する電圧Vc4を第4スイッチ44のゲート端子に出力する。
【0263】
これにより、ゲート入力電圧Va、Vc1〜Vc4により各スイッチに流れる電流の大きさが制御されることで、スイッチ71および第1〜第4スイッチ41〜44のターンオン/ターンオフ状態が決定される。
【0264】
これにより、本発明の実施例では、スイッチ制御部100Bを用いて、スイッチ71および複数のスイッチ41〜44に流れる電流が設定された基準電流を超えないように制御することができ、整流部20から出力される整流電圧の大きさの変化に関係なく、複数のLED31〜34に一定の電流が流れるように制御することができる。
【0265】
第1〜第5スイッチ制御信号生成部121〜125は、その構成および動作が同一であるため、第1スイッチ制御信号生成部121を代表として、スイッチ制御信号生成部の構成について説明する。
【0266】
第1スイッチ制御信号生成部121は、第1抵抗R1の一端で検知された検知電流I1に対応する電圧V1と基準電圧Vrefとを比較して、その差に対応するゲート入力電圧Vc1をスイッチ71のゲート端子に出力する。これにより、ゲート入力電圧Vc1により第1スイッチVc1を介して流れる電流の大きさが制御されることで、第1スイッチ41のターンオン/ターンオフ状態が決定される。
【0267】
より具体的に、第1スイッチ制御信号生成部121は、負帰還ループを有する演算器OP6と、入力インピーダンスZ1と、フィードバックインピーダンスZ2と、を含む。
【0268】
入力インピーダンスZ1は、演算器OP6の負(−)端子に接続されており、フィードバックインピーダンスZ2は、演算器OP6の出力端と負端子との間に接続されている。
【0269】
本発明の実施例では、入力インピーダンスZ1に比べてフィードバックインピーダンスZ2を相対的に大きく設定して、演算器OP6の利得(Gain)を高めることができる。また、演算器OP6の利得が高くなるにつれて演算器OP6の応答速度が速くなり、演算器OP6の安定化特性を高めることができる。
【0270】
演算器OP6は、負端子に入力される検知電流I1に対応する電圧V1と正(+)端子に入力される基準電圧Vrefとを比較して、その差に対応するゲート入力電圧Vaをスイッチ71のゲート端子に出力する。
【0271】
ゲート端子に入力されるゲート入力電圧Vaにより、スイッチ71のゲート端子とソース端子との間のVGS電圧が可変し、VGS電圧に応じてスイッチ71のターンオン/ターンオフ状態が決定される。より具体的に、ゲート入力電圧Vaが大きくなるほどVGS電圧は徐々に大きくなり、VGS電圧が徐々に大きくなるほどRds(ON)抵抗が小さくなって、スイッチ71はターンオン状態となる。これとは反対に、ゲート入力電圧Vaが小さくなるほどVGS電圧は徐々に小さくなり、VGS電圧が徐々に小さくなるほどRds(ON)抵抗が大きくなって、スイッチ71はターンオフ状態となる。
【0272】
上記の構成を有する本発明の他の実施例によるLED発光装置の動作については、下記
図17および
図18を参照して説明する。
【0273】
図17は本発明の他の実施例による整流部の出力電圧、LED駆動電流および入力電流を示す図であり、
図18は本発明の他の実施例による入力電流による複数のスイッチの電流の流れを示す図である。
【0274】
図17および
図18には、調光器80がリーディングエッジタイプで、且つ調光器80の明るさ制御信号が50%の場合に、かかる調光器80から入力される交流電圧を整流した整流部20の出力電圧を示している。
【0275】
LED駆動電流は、
図14のノードBで測定された電流値として複数のLED31〜34に流れる電流を示し、入力電流は、
図14のノードAで測定された電流値として整流電圧によるLED発光装置に流れる電流を示す。
【0276】
動作する前に、複数のスイッチ41〜44は、ターンオン状態であり、電流をシンク(Sink)していると仮定する。
【0277】
図17に示すように、整流電圧が複数のLED31〜34のうち第1LED31の順方向電圧Vf1より低い区間(t0〜t1時点)では、すべてのLED31〜34が非発光する。したがって、t0〜t1区間において、ノードBのLED駆動電流は略0mAである。
【0278】
しかし、本発明の実施例において、整流部20と複数のLED31〜34との間に位置する電流消費部70のスイッチ71を介して電流が流れる。これにより、
図18のt0時点のように、スイッチ71には徐々に上昇する電流が流れて、第1抵抗R1の一端で検知された第1電流I1は上昇する。
【0279】
したがって、スイッチ制御部100Bの第1スイッチ制御信号生成部121は、第1電流I1に対応する電圧V1と基準電圧Vrefとを比較して、その差に対応する電圧Vaをスイッチ71のゲート端子に出力する。これにより、電流消費部70のスイッチ71を介して流れる電流は定電流制御される。
【0280】
このように、本発明の実施例では、整流部20の出力電圧が低くて、すべてのLED31〜34が非発光する区間(t0〜t1)において、電流消費部70を介して電流が流れるように制御することで、交流電源の全周期にわたりLED発光装置に連続した電流が流れて、LED発光装置のインピーダンスを調光器の負荷特性に適合するようにすることができる。したがって、本発明の実施例によるLED発光装置は、従来、調光装置に使用される白熱灯およびハロゲンを代替することができる。
【0281】
また、すべてのLED31〜34が非発光する区間(t0〜t1)は、全体のLED駆動区間の最大10%以下であり、この区間(t0〜t1)において、電流の大きさは全体の動作区間のうち最も低いため、本発明の実施例では、電流消費部70を介して消費される平均消費電力が低くなる特徴がある。
【0282】
整流電圧が複数のLED31〜34のうち第1LED31の順方向電圧Vf1以上になると(t1時点)、第1LED31に電流が流れて発光する。この際、
図18のt1時点のように、スイッチ71には連続して電流が流れ、第1スイッチ41には徐々に上昇する電流が流れる。
【0283】
この際、第1スイッチ制御信号生成部121および第2スイッチ制御信号生成部122は、第1抵抗R1の一端で検知された第1電流I1に対応する電圧V1と基準電圧Vrefとを比較して、その差に対応する電圧Va、Vc1をスイッチ71および第1スイッチ41のゲート端子に出力する。これにより、スイッチ71および第1スイッチ41を介して流れる電流は定電流制御される。
【0284】
次に、整流電圧が複数のLED31〜34のうち第1LED31および第2LED32の順方向電圧Vf2以上になると(t2時点)、第1LED31および第2LED32に電流が流れて発光する。この際、第2LED32が発光するにつれて第2電流I2が増加することで、第1抵抗R1の一端で検知される第1電流I1が増加する。
【0285】
したがって、スイッチ制御部100Bの第1スイッチ制御信号生成部121および第2スイッチ制御信号生成部122は、第1電流I1に対応する第1電圧V1と基準電圧Vrefとを比較して、その差に対応するゲート入力電圧Va、Vc1をスイッチ71および第1スイッチ41のゲート端子に出力する。スイッチ71および第1ゲート入力電圧Vc1は、第1電流I1が増加するにつれて減少するため、スイッチ71および第1スイッチ41に流れる電流は、
図18のt2時点のように徐々に減少する。電流が減少してからスイッチ71および第1スイッチ41に電流が流れなくなると、スイッチ71および第1スイッチ41はターンオフされる。すなわち、スイッチ71および第1スイッチ41は、第2スイッチ42〜第4スイッチ44に流れる電流の和が基準電流Iref以上の場合には、ターンオフ状態を維持する。
【0286】
この際、
図18のt2時点では、第2LED32が発光するにつれて第2スイッチ42には徐々に上昇する電流が流れる。
【0287】
このように、本発明の実施例では、
図18のt2時点のようにスイッチ71および第1スイッチ41の電流が徐々に減少する際に、第2スイッチ42の電流が徐々に増加することができる。本発明の実施例では、スイッチ71および第1スイッチ41の電流下降区間と第2スイッチ42の電流上昇区間が重なるように制御することができる。
【0288】
整流電圧が複数のLED31〜34のうち第1〜第3LED31〜33の順方向電圧Vf3以上になると(t3時点)、第1〜第3LED31〜33に電流が流れて発光する。この際、第2抵抗R2の一端で検知される第2電流I2は、第3LED33が発光するにつれて増加する。
【0289】
したがって、スイッチ制御部100Bの第3スイッチ制御信号生成部123は、第2電流I2に対応する第2電圧V2と基準電圧Vrefとを比較して、その差に対応する第2ゲート入力電圧Vc2を第2スイッチ42のゲート端子に出力する。第2ゲート入力電圧Vc2は、第2電流I2が増加するにつれて減少するため、第2スイッチ42に流れる電流は、
図18のt3時点のように徐々に減少する。電流が減少してから第2スイッチ42に電流が流れなくなると、第2スイッチ42はターンオフされる。すなわち、第2スイッチ42は、第3スイッチ43および第4スイッチ44に流れる電流の和が基準電流Iref以上の場合には、ターンオフ状態を維持する。
【0290】
この際、
図18のt3時点では、第3LED33が発光するにつれて第3スイッチ43には徐々に上昇する電流が流れる。
【0291】
図18のt3時点のように、本発明の実施例では、第2スイッチ42の電流が徐々に減少する際に、第3スイッチ43の電流が徐々に増加することができる。すなわち、第2スイッチ42の電流下降区間と第3スイッチ43の電流上昇区間が重なるように制御することができる。
【0292】
整流電圧がさらに増加して、複数のLED31〜34のうち第1〜第4LED31〜34の順方向電圧Vf4以上になると(t4時点)、第1〜第4LED31〜34に電流が流れて発光する。この際、第3抵抗R3の一端で検知される第3電流I3は、第4LED34が発光するにつれて増加する。
【0293】
したがって、スイッチ制御部100Bの第4スイッチ制御信号生成部124は、第3電流I3に対応する第3電圧V3と基準電圧Vrefとを比較して、その差に対応する第3ゲート入力電圧Vc3を第3スイッチ43のゲート端子に出力する。第3ゲート入力電圧Vc3は、第3電流I3が増加するにつれて減少するため、第3スイッチ43に流れる電流は、
図18のt4時点のように徐々に減少する。電流が減少してから第3スイッチ43に電流が流れなくなると、第3スイッチ43はターンオフされる。すなわち、第3スイッチ43は、第4スイッチ44に流れる電流が基準電流Iref以上の場合には、ターンオフ状態を維持する。
【0294】
この際、
図18のt4時点では、第4LED34が発光するにつれて第4スイッチ44には徐々に上昇する電流が流れる。
【0295】
図18のt4時点のように、本発明の実施例では、第3スイッチ43の電流が徐々に減少する際に、第4スイッチ44の電流が徐々に増加することができる。これにより、第3スイッチ43の電流下降区間と第4スイッチ44の電流上昇区間が重なるように制御することができる。
【0296】
整流電圧が順方向電圧Vf4以上の区間(t4〜t5)において、スイッチ制御部100Bの第5スイッチ制御信号生成部125は、第4電流I4に対応する第4電圧V4と基準電圧Vrefとを比較して、その差に対応する第4ゲート入力電圧Vc4を第4スイッチ44のゲート端子に出力する。この際、本発明の実施例では、第4ゲート入力電圧Vc4が、常に第4スイッチ44の閾値電圧(Vth)以上になるように制御する。したがって、整流電圧が順方向電圧Vf4以上の区間では、第4スイッチ44はターンオン状態を維持する。
【0297】
前記のように、整流電圧が上昇する区間において、スイッチ制御部100Bは、いずれか一つの抵抗の後段に接続される抵抗で検知された電流の和が基準電流以上の場合には、いずれか一つの抵抗に接続されたスイッチがターンオフされるように制御する。これにより、スイッチ71および複数のスイッチ41〜44の電流上昇区間と電流下降区間が重なるように制御することができる。
【0298】
図17および
図18には、調光器80の出力電圧に対して整流電圧が上昇する区間のみが存在することを示しているが、整流電圧が減少する区間において、スイッチ制御部100Bの動作は、上記のt1〜t4区間の逆順であるため、本発明の実施例は、調光器80がトレーリングエッジタイプの場合にも適用することができる。
【0299】
以降の整流電圧減少区間(t5〜t8)において、スイッチ制御部100Bの動作は、上記のt1〜t4動作の逆順に行われる。
【0300】
例えば、整流電圧が順方向電圧Vf4以下になる時点(図示せず)における動作について説明すると、次のとおりである。
【0301】
整流電圧が順方向電圧Vf4以下になると、第4LED34が非発光するにつれて第4電流I4が減少し、第4電流I4が減少するにつれて第3抵抗R3で検知される第3電流I3が減少する。
【0302】
したがって、スイッチ制御部100Bの第4スイッチ制御信号生成部124は、第3電流I3に対応する第3電圧V3と基準電圧Vrefとを比較して、その差に対応する第3ゲート入力電圧Vc3を第3スイッチ43のゲート端子に出力する。第3ゲート入力電圧Vc3は、第3電流I3が減少するにつれて増加するため、第3スイッチ43に流れる電流は徐々に増加する。すなわち、第3スイッチ43は、第4スイッチ44に流れる電流が基準電流Iref未満の場合には、ターンオン状態となる。すなわち、第3スイッチ43は、第4スイッチ44に流れる電流が基準電流Iref未満の場合には、ターンオン状態を維持する。
【0303】
この際、整流電圧が順方向電圧Vf4以下になる時点では、第4LED34が非発光するにつれて第4スイッチ44には徐々に減少する電流が流れ、これと同時に、第3スイッチ43には徐々に増加する電流が流れる。すなわち、第4スイッチ44の電流下降区間と第3スイッチ43の電流上昇区間が重なるように制御することができる。
【0304】
上記のように、整流電圧が減少する区間において、スイッチ制御部100Bは、いずれか一つの抵抗の後段に接続される抵抗で検知された電流の和が基準電流未満の場合には、いずれか一つの抵抗に接続されたスイッチがターンオンされるように制御する。これにより、複数のスイッチ41〜44の電流上昇区間と電流下降区間が重なるように制御することができる。
【0305】
このように、本発明の他の実施例では、整流部20の出力電圧が低くて、すべてのLEDが非発光する区間でもLED発光装置に電流が流れるように制御することで、LED発光装置のインピーダンスが調光器の負荷条件を満足することができる。これにより、本発明の実施例によるLED発光装置は、従来の調光装置の白熱灯およびハロゲンを容易に代替することができる。
【0306】
また、本発明の他の実施例では、整流電圧を用いて、互いに直列に接続された複数のLED31〜34を順に発光駆動して、交流電源のような正弦波に近似するLED駆動電流を提供することで、LED発光効率の偏差を低減することができ、力率および全高調波歪(THD)などの問題を解決することができる。
【0307】
本発明の他の実施例では、スイッチ制御部が、いずれか一つのスイッチのターンオン/ターンオフを制御するために、いずれか一つのスイッチの後段に接続されたスイッチに流れる電流を反映することで、多段に駆動するスイッチの電流上昇区間および電流下降区間が重なるように制御することができる。
【0308】
本発明の他の実施例では、スイッチの電流上昇区間と電流下降区間が重なるように制御することで、スイッチのターンオン/ターンオフの際に、LED駆動電流に生じる過電流またはディープを防止することができる。
【0309】
さらに、本発明の他の実施例では、LED駆動電流に生じる過電流またはディープのようなノイズを除去することで、照明規格で要求するEMI(Electro Magnetic Interference)特性を満足することができる。
【0310】
以上の本発明の説明は例示のためのものであって、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者であれば、本発明の技術的思想や必須の特徴を変更しなくても他の具体的な形態に容易に変形することができることを理解することができる。したがって、上述の実施例は、すべての面において例示的なものであって、限定的なものではないと理解すべきである。例えば、単一型に説明されている各構成要素は、分散して実施されてもよく、同様に、分散したものと説明されている構成要素もまた結合した形態に実施されてもよい。
【0311】
本発明の範囲は、前記詳細な説明より後述する特許請求範囲によって定義され、特許請求の範囲の意味および範囲、またその均等概念から導出されるすべての変更または変形された形態が本発明の範囲に含まれると解釈すべきである。