特許第6143793号(P6143793)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6143793
(24)【登録日】2017年5月19日
(45)【発行日】2017年6月7日
(54)【発明の名称】アクティビティの識別
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/01 20060101AFI20170529BHJP
   G06M 3/00 20060101ALI20170529BHJP
   A61B 5/22 20060101ALI20170529BHJP
【FI】
   G06F3/01 510
   G06F3/01 570
   G06M3/00 L
   A61B5/22 B
【請求項の数】20
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2014-553412(P2014-553412)
(86)(22)【出願日】2013年1月17日
(65)【公表番号】特表2015-507811(P2015-507811A)
(43)【公表日】2015年3月12日
(86)【国際出願番号】US2013021952
(87)【国際公開番号】WO2013109762
(87)【国際公開日】20130725
【審査請求日】2014年8月25日
(31)【優先権主張番号】61/588,012
(32)【優先日】2012年1月18日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】13/353,267
(32)【優先日】2012年1月18日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514144250
【氏名又は名称】ナイキ イノベイト シーブイ
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】特許業務法人 信栄特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ウィスト,アーロン,ビー
(72)【発明者】
【氏名】シュミット,マイケル
(72)【発明者】
【氏名】クランクソン,クワミナ
【審査官】 原 秀人
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−017525(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/146811(WO,A1)
【文献】 特表2004−500949(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/129221(WO,A1)
【文献】 特開2002−165769(JP,A)
【文献】 南川 敦宣 外2名,情報利得を基にした移動状態推定システムによる携帯電話搭載型消費カロリー計測システム,情報処理学会論文誌 論文誌ジャーナル,日本,一般社団法人情報処理学会,2011年 1月15日,Vol.52 No.2,pp. 866-876
【文献】 山本 哲也,ウェアラブルコンピューティングのための手足を使った状況依存コマンド入力手法,インタラクション2011予稿集 [online],日本,一般社団法人情報処理学会,2013年 5月30日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/01
A61B 5/22
G06M 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの1つ以上の運動動作を示す第1のデータセットを少なくとも1つのセンサを用いて捕捉するステップと、
前記捕捉された運動動作をアクティビティとして分類するステップと、
前記捕捉された運動動作に対応する前記センサの出力を表示するインタフェースであって、前記ユーザが前記アクティビティを再分類することを可能にする第1のインタフェース要素を含むインタフェースを設けるステップと、
前記分類されたアクティビティに対応するアクティビティ因子を決定するステップと、
前記センサから、ユーザによる少なくとも一つのジェスチャを示す第2のデータセットを受け取るステップであって、前記少なくとも一つのジェスチャは、前記第1のインタフェース要素上での選択を示す入力操作となる、ステップと、
プロセッサにて前記アクティビティ因子に前記アクティビティの継続時間を掛け合わせることによりエネルギー消費ポイント値を算出するステップとを含む、方法。
【請求項2】
前記少なくとも1つのセンサを用いて捕捉された前記ユーザの前記運動動作に基づいてテンプレートを作成するステップを含むさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記少なくとも一つのセンサが加速度計を含む請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記決定されたアクティビティ因子が前記再分類されたアクティビティに基づいている請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記アクティビティ因子に対応した前記分類されたアクティビティが、ランニング、ウォーキング、及び自転車走行の少なくとも1つを含む請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記インタフェースが、前記少なくとも1つのセンサを含まない携帯デバイスに設けられている請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記インタフェースが、前記少なくとも1つのセンサを含まないコンピュータデバイスに設けられている請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記インタフェースが手首装着型デバイスに設けられている請求項1に記載の方法。
【請求項9】
ユーザの1つ以上の運動動作を、少なくとも1つの多軸加速度計を用いて捕捉するステップと、
前記捕捉された運動動作をアクティビティとして分類するステップと、
前記捕捉された運動動作に対応する多軸加速度計の出力を表示するインタフェースであって、前記ユーザが前記アクティビティを再分類することを可能にする第1のインタフェース要素を含むインタフェースを設けるステップと、
前記少なくとも一つの多軸加速度計から、ユーザによる少なくとも一つのジェスチャを示すデータセットを受け取るステップであって、前記少なくとも一つのジェスチャは、前記第1のインタフェース要素上での選択を示す入力操作となる、ステップと、
前記分類されたアクティビティに対応するアクティビティ因子を決定するステップと、
プロセッサにて前記アクティビティ因子に前記アクティビティの継続時間を掛け合わせることによりエネルギー消費ポイント値を算出するステップとを含む、方法。
【請求項10】
前記少なくとも1つの多軸加速度計を用いて捕捉された前記ユーザの前記運動動作に基づいてテンプレートを作成するステップを含むさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記アクティビティ因子に対応した前記分類されたアクティビティが、ランニング、ウォーキング、及び自転車走行の少なくとも1つを含む請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記インタフェースが、前記多軸加速度計を含まない携帯デバイスに設けられている請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記インタフェースが、前記多軸加速度計を含まないコンピュータデバイスに設けられている請求項9に記載の方法。
【請求項14】
前記インタフェースが手首装着型デバイスに設けられている請求項9に記載の方法。
【請求項15】
プロセッサと、
前記プロセッサに通信的に接続され、且つ、命令が実行されるときに記憶するメモリと、
を備えた装置であって、前記メモリが、前記装置に、
一つ以上のユーザの運動動作をアクティビティとして分類させ、
前記一つ以上の運動動作に対応するデータを表示するインタフェースであって、ユーザによるジェスチャを少なくとも一つ認識することに基づいて、ユーザの前記一つ以上の運動動作をアクティビティとして再分類することを可能にする第1のインタフェース要素を含むインタフェースを設けさせ、
前記分類されたアクティビティに対応するアクティビティ因子を決定させ、
前記アクティビティ因子に前記アクティビティの継続時間を掛け合わせることによりエネルギー消費ポイント値を算出させる、装置。
【請求項16】
前記一つ以上の運動動作がセンサを用いて捕捉される請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記センサが加速度計を含む請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記加速度計が多軸加速度計を含む請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記インタフェースが入力ボタン及びランプの列を含む請求項15に記載の装置。
【請求項20】
さらに、ワイヤレストランシーバを備えている請求項15に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2012年1月18日に出願された、米国特許出願13/353,267号の一部継続出願であり、2012年1月18日に出願された米国仮特許出願61/588,012号の優先権を主張する。前記出願の全てが参照により本出願に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
多くの人々が身体の健康の重要性を認識しているが、彼らの多くが、規則的なエクササイズ(運動)プログラムを維持するために必要な動機付けを見出すことが難しいと感じている。連続的に繰り返す運動(例えば、ランニング、ウォーキング及び自転車走行)を含むエクササイズ計画を維持することが特に困難と感じている人々もいる。
【0003】
さらに、個人は、エクササイズを作業又は雑用とみなして、彼らの日常生活の楽しめる部分とは切り離す場合がある。アスレチック活動(アクティビティ)とその他の活動とのこのような明確な分離が、個人が得られるかもしれないエクササイズへの動機付けの量を減らすことになる。また、個人がアスレチック活動することの奨励に向けられたアスレチック活動のサービス及びシステムが、1以上の特定のアクティビティに注目しすぎて、個人の関心が無視される場合もあろう。これは、アスレチック活動に参加し、又はアスレチック活動のサービス及びシステムを利用することに対するユーザの関心をさらに減じることになろう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、これら及びその他の欠点に対処するための改良されたシステム及び方法が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の幾つかの態様の基本的理解をもたらすために、以下に簡単な概要を示す。この概要は、本発明に関する広範囲な概要ではない。以下の概要は、本発明の幾つかの概念を、以下の説明への導入部として簡単な形式で示しているに過ぎない。
【0006】
本発明の態様は、アクティビティポイント及びエネルギー消費値の算出に関する。幾つかの実施形態において、1以上の装置が、ユーザのアクティビティをモニタするために、加速度計及び/又はその他のセンサを用い得る。ユーザは、これらの装置、携帯電話、コンピュータ装置、又は別の装置の1つを介してアクティビティを識別し得る。アクティビティポイント又はエネルギー消費値が、センサから受信されたデータ、及び、ユーザにより提供された識別から算出される。
【0007】
幾つかの実施形態において、本発明は、コンピュータ可読媒体にて部分的に又は完全に実施でき、これは例えば、コンピュータ実行可能な命令又はモジュールを格納することにより、又は、コンピュータ可読のデータ構造を利用することにより行われる。
【0008】
もちろん、上述の実施形態の方法及びシステムは、その他のさらなる要素、ステップ、コンピュータ実行可能な命令、又は、コンピュータ可読のデータ構造も含み得る。
【0009】
本発明のこれら及びその他の実施形態の詳細を、添付の図面及び下記の説明に記載する。本発明のその他の特徴及び利点は、説明及び図面から、及び、特許請求の範囲から明らかになろう。
【0010】
本開示を、添付図面にて、限定することなく例として示す。図面において、類似の参照番号は類似の要素を示す。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1A】例示的な実施形態による、パーソナルトレーニングを提供するためのシステムの例であり、アスレチック活動をモニタするように構成されたネットワークの例を示す。
図1B】例示的な実施形態による、パーソナルトレーニングを提供するためのシステムの例であり、例示的な実施形態実施形態によるコンピューティングデバイスの例を示す。
【0012】
図2A】例示的な実施形態による、ユーザにより装着され得るセンサ組立体の例を示す。
図2B】例示的な実施形態による、ユーザにより装着され得るセンサ組立体の例を示す。
【0013】
図3】本発明の実施形態による、エネルギー消費を算出する方法を示す。
【0014】
図4】本発明の実施形態による、アクティビティ因子を調整するために用いられ得るグラフィカルユーザインタフェースを示す。
【0015】
図5】本発明の実施形態による、例示的なアクティビティ追跡インタフェースを示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下の様々な実施形態の説明において、本明細書の一部を形成している添付図面を参照する。これらの添付図面において、本開示を実施し得る様々な実施形態が、例として示されている。その他の実施形態も用い得ること、そして、構造及び機能の変更を本開示の範囲及び精神から逸脱せずに行い得ることが理解されよう。また、本開示内の見出しが、本開示の態様を限定するものと見なされるべきではない。本開示の利益を享受する当業者は、例示的な実施形態が例示的な見出しに限定されないことを理解するであろう。
1.パーソナルトレーニングシステムの例
A.コンピューティングデバイスの例
【0017】
図1Aは、例示的な実施形態によるパーソナルトレーニングシステム100を示す。
例示的なシステム100は、1以上の電子デバイス、例えば、コンピュータ102を含み得る。コンピュータ102は、モバイル端末(例えば、電話、音楽プレーヤ、タブレット、ネットブック、又は、任意の携帯デバイス)を含み得る。その他の実施形態において、コンピュータ102は、セットトップボックス(STB)、デスクトップコンピュータ、デジタルビデオレコーダ(DVR)、コンピュータサーバ、及び/又は、その他の任意の所望のコンピューティングデバイスを含み得る。幾つかの構成において、コンピュータ102は、ゲーム用コンソール(ゲーム機)、例えば、Microsoft(登録商標)のXBOX、Sony(登録商標)のPlaystation、及び/又は、Nintendo(登録商標)のWiiゲーム用コンソールを含み得る。当業者は、これらが単に説明のための例示的なコンソールに過ぎず、本開示がいずれのコンソール又は装置にも限定されないことを理解するであろう。
【0018】
図1Bを参照すると、コンピュータ102はコンピューティングユニット104を含むことができ、コンピューティングユニット104は、少なくとも1つの処理ユニット106を含み得る。処理ユニット106は、ソフトウェア命令を実行するための任意のタイプの処理装置(例えば、マイクロプロセッサ装置など)であり得る。コンピュータ102は、様々な非一時的なコンピュータ読取可能媒体、例えば、メモリ108を含み得る。メモリ108は、限定はしないが、ランダムアクセスメモリ(RAM)(例えばRAM110)、及び/又は、読取専用メモリ(ROM)(例えばROM112)を含み得る。メモリ108は、電子的に消去可能なプログラマブル読取専用メモリ(EEPROM)、フラッシュメモリ、或いは、その他のメモリ技術、CD−ROM、デジタル多用途ディスク(DVD)、若しくは、その他の光ディスクストレージ、磁気ストレージデバイス、又は、所望の情報を記憶するために使用でき且つコンピュータ102によりアクセス可能な任意のその他の媒体のいずれをも含み得る。
【0019】
処理ユニット106及びシステムメモリ108は、バス114又は交互通信構造を介して1以上の周辺機器に直接的又は間接的に接続され得る。例えば、処理ユニット106又はシステムメモリ108は、追加のメモリストレージ(例えば、ハードディスクドライブ116、リムーバブル磁気ディスクドライブ、光ディスクドライブ118、及びフラッシュメモリカード)に直接的又は間接的に接続され得る。また、処理ユニット106及びシステムメモリ108は、1以上の入力装置120及び1以上の出力装置122に直接的又は間接的に接続され得る。出力装置122は、例えば、ディスプレイ装置136、テレビ、プリンタ、ステレオ、又はスピーカを含み得る。幾つかの実施形態において、1以上のディスプレイ装置をアイウェア(眼鏡類)に組み込み得る。アイウェアに組み込まれたディスプレイ装置は、ユーザにフィードバックを提供し得る。1以上のディスプレイ装置を組み込んだアイウェアは、携帯用ディスプレイシステムも提供し得る。入力装置120は、例えば、キーボード、タッチスクリーン、リモートコントロールパッド、ポインティングデバイス(例えば、マウス、タッチパッド、スタイラス、トラックボール、若しくはジョイスティック)、スキャナ、カメラ、又はマイクロホンを含み得る。これに関連して、入力装置120は、ユーザ(例えば、図1Aに示されているユーザ124)の運動動作を、感知、検出及び/又は測定するよう構成された1以上のセンサを含み得る。
【0020】
再び図1Aを参照すると、画像捕捉(取り込み)装置126及び/又はセンサ128が、ユーザ124の運動動作の検出及び/又は測定に利用され得る。一実施形態において、画像捕捉装置126又はセンサ128から得られたデータが運動動作を直接的に検出でき、従って、画像捕捉装置126又はセンサ128から得られたデータは運動パラメータに直接的に関連付けられ得る。しかし、その他の実施形態において、画像捕捉装置126及び/又はセンサ128からのデータを互いに組み合せて用い、或いは、その他のセンサと共に用いて、動作を検出及び/又は測定することも可能である。こうして、所定の測定を、2つ以上の装置から得られたデータの組み合わせにより判断し得る。画像捕捉装置126及び/又はセンサ128は、1以上のセンサ(加速度計、ジャイロスコープ、位置決定装置(例えば、GPS)、光センサ、温度センサ(周囲温度及び/又は体温を含む)、心拍数モニタ、画像捕捉センサ、湿度センサを含むがそれに限定されない)、及び/又はこれらの組み合わせを含むことができ、或いは、これらのセンサに動作的に接続され得る。例示的なセンサ126,128の使用例を、以下に、「センサの例」と題する章1のCにて記載する。コンピュータ102は、また、タッチスクリーン又は画像捕捉装置も使用し得る。これは、ユーザがグラフィカルユーザインタフェースからの選択をするためにどこを指し示しているかを判断するためである。1以上の実施形態は、1以上の有線及び/又は無線技術を、単独で、又は組み合わせて利用し得る。無線技術の例は、Bluetooth(登録商標)技術、Bluetooth(登録商標)低エネルギー技術、及び/又は、ANT技術を含む。
B.ネットワークの例
【0021】
コンピュータ102、コンピューティングユニット104、及び/又はその他の任意の電子デバイスが、1以上のネットワークインタフェース(例えば、インタフェース130(図1Bに示す))に、ネットワーク(例えばネットワーク132)との通信のために直接的又は間接的に接続され得る。図1Bの例において、ネットワークインタフェース130は、ネットワークアダプタ又はネットワークインタフェースカード(NIC)を含むことができ、これらのアダプタは、コンピューティングユニット104からのデータ及び制御信号を、1以上の通信プロトコル(例えば、伝送制御プロトコル(TCP)、インターネットプロトコル(IP)、及び、ユーザデータグラムプロトコル(UDP))に従ってネットワークメッセージに変換するよう構成されている。これらのプロトコルは当分野で周知であり、従って、本明細書にて、より詳細に論じない。インタフェース130は、ネットワーク接続のための任意の適切な接続エージェント(例えば、ワイヤレストランシーバ、電力線アダプタ、モデム、又は、イーサネット接続を含む)を使用し得る。しかし、ネットワーク132は、任意のタイプのトポロジ(例えば、インターネット、イントラネット、クラウド、LANなど)の単独使用又は組み合わせによる任意の1以上の情報配信ネットワークであってもよい。ネットワーク132は、ケーブル、ファイバ、衛星、電話、携帯電話、無線などの任意の1以上であり得る。ネットワークは当分野で公知であり、従って、本明細書において、より詳細には論じない。ネットワーク132は多様な構成であってよく、例えば、1以上の有線又は無線の通信チャンネルを有して、1以上の場所(例えば、学校、会社、家庭、消費者住居、ネットワークリソースなど)を、1以上のリモートサーバ134に、又は、その他のコンピュータ(例えば、コンピュータ102に類似した若しくは同一の)に接続する。実際、システム100は、各コンポーネントの2つ以上のインスタンス(例えば、2つ以上のコンピュータ102、2つ以上のディスプレイ136など)を含み得る。
【0022】
コンピュータ102、又は、ネットワーク132内のその他の電子デバイスが携帯型であるか又は固定位置にあるかに関わらず、以上に詳細に列挙した入力装置、出力装置、及び周辺記憶装置に加え、コンピューティング装置を、その他の様々な周辺装置(入力、出力及び記憶機能を実行し得る装置、又は、これらの装置の幾つかの組合せを含む)に、直接的に、又はネットワーク132を介して接続し得る。幾つかの実施形態において、単一の装置が、図1Aに示した1以上のコンポーネントを統合し得る。例えば、単一の装置が、コンピュータ102、画像捕捉装置126、センサ128、ディスプレイ136、及び/又は、追加のコンポーネントを含み得る。一実施形態において、センサ装置138が、ディスプレイ136、画像捕捉装置126、及び1以上のセンサ128を有するモバイル端末を含み得る。さらに、別の実施形態において、画像捕捉装置126、及び/又はセンサ128は、メディア装置(例えば、ゲーム又はメディアシステムを含む)に動作的に接続されるように構成された周辺機器であり得る。従って、上記の内容から、本開示が静的なシステム及び方法に限定されないことが理解されよう。むしろ、幾つかの実施形態は、ほぼどのような位置にいるユーザ124によっても実行され得る。
C.センサの例
【0023】
コンピュータ102及び/又はその他の装置は、ユーザ124の少なくとも1つのフィットネスパラメータの検出及び/又は監視をするように構成された1以上のセンサ126,128を含み得る。センサ126及び/又はセンサ128は、加速度計、ジャイロスコープ、位置決定装置(例えば、GPS)、光センサ、温度センサ(周囲温度及び/又は体温を含む)、睡眠パターンセンサ、心拍数モニタ、画像捕捉センサ、湿度センサ、及び/又はこれらの組み合わせを含み得るが、これらに限定されない。ネットワーク132及び/又はコンピュータ102は、システム100の1以上の電子装置(例えば、ディスプレイ136、画像捕捉装置126(例えば、1以上のビデオカメラ)、及び、センサ128(赤外線(IR)装置であり得る)を含む)と通信し得る。一実施形態において、センサ128は、IRトランシーバを含み得る。例えば、センサ126及び/又はセンサ128は、波形を、ユーザ124への方向を含む環境に送信して「反射」(“reflection”)を受信するか、或いは、これらの放出された波形の変化を検出し得る。さらに別の実施形態において、画像捕捉装置126及び/又はセンサ128は、その他の無線信号、例えば、レーダ情報、ソナー情報、及び/又は可聴(音声)情報を送信及び/又は受信するよう構成され得る。当業者は、複数の異なるデータスペクトルに対応する信号が、様々な実施形態に従って利用され得ることを容易に理解するであろう。これに関し、センサ126及び/又はセンサ128は、外部源(例えば、システム100以外)から放出された波形を検出し得る。例えば、センサ126及び/又はセンサ128は、ユーザ124及び/又は周囲環境から放出されている熱を検出し得る。こうして、画像捕捉装置126及び/又はセンサ128は、1以上のサーマルイメージング装置を含み得る。一実施形態において、画像捕捉装置126及び/又はセンサ128は、領域現象論を実施するよう構成されたIR装置を備え得る。非限定的な例として、領域現象論を実施するように構成された画像捕捉装置が、フリアーシステムズ社(Flir Systems, Inc.)(オレゴン州ポートランド)から市販されている。画像捕捉装置126及びセンサ128、並びにディスプレイ136が、コンピュータ102と直接的に(無線又は有線で)通信しているように示されているが、当業者は、任意のデバイスがネットワーク132と直接的に通信(無線又は有線で)し得ることを理解するであろう。
1.多目的電子デバイス
【0024】
ユーザ124は、知覚装置138,140,142,及び/又は144を含む任意の個数の電子装置を、保持、携帯、及び/又は着用し得る。幾つかの実施形態において、1以上の装置138,140,142,144が、フィットネス又は運動目的のために特別に製造されなくてもよい。実際、本開示の態様は、運動データを収集、検出、及び/又は測定するための複数の装置(それらの一部はフィットネス装置ではない)からのデータの利用に関連している。一実施形態において、装置138は、携帯電子装置(例えば、電話又はデジタル音楽プレーヤ)を含み得、これらは、アップル社(Apple, Inc.)(カリフォルニア州クパチーノ)から入手可能なブランドデバイス(例えば、IPOD(登録商標)、IPAD(登録商標)、若しくはiPhone(登録商標))、又は、マイクロソフト社(Microsoft)(ワシントン州レッドモンド)から入手可能なZune(登録商標)若しくはMicrosoft(登録商標)Windowsデバイスを含む。当分野で知られているように、デジタルメディアプレーヤは、コンピュータ用の出力装置(例えば、音声ファイルから音楽を出力し、又は、画像ファイルから画像を出力する)と、記憶装置との両方の機能を果たすことができる。一実施形態において、装置138はコンピュータ102であってよく、しかし、その他の実施形態においては、コンピュータ102は装置138とは完全に別個であり得る。装置138が所定の出力を提供するように構成されているかどうかに関係なく、装置138は、知覚情報を受信するための入力装置として機能し得る。装置138,140,142,及び/又は144は、1以上のセンサを含み得、これらは、加速度計、ジャイロスコープ、位置決定装置(例えば、GPS)、光センサ、温度センサ(周囲温度及び/又は体温を含む)、心拍数モニタ、画像捕捉センサ、湿度センサ、及び/又はこれらの組み合わせを含むがこれらに限定されない。幾つかの実施形態において、センサは受動的であってよく、例えば、特に、画像捕捉装置126及び/又はセンサ128により検出され得る反射材料などであってよい。幾つかの実施形態において、センサ144は、衣料、例えば、運動用衣類に組み込まれ得る。例えば、ユーザ124は、1以上のオンボディセンサ144a−144bを装着し得る。センサ144は、ユーザ124の衣服に組み込まれても、及び/又は、ユーザ124の身体の所望の任意の位置に配置されてもよい。センサ144は、(例えば、無線で)コンピュータ102、センサ128,138,140,及び142、並びに/又はカメラ126と通信し得る。対話型ゲーム用衣料の例が、2002年10月30日に出願された米国特許出願第10/286,396号(米国特許公報第2004/0087366号として公開されている)に記載されており、この出願の内容の全てが、あらゆる非限定的な目的で参照により本明細書に組み込まれる。幾つかの実施形態において、受動的検出面が、例えば画像捕捉装置126及び/又はセンサ128により放出される赤外光の波形を反射し得る。一実施形態において、ユーザの124衣料に配置された受動センサが、波形を反射し得る、ガラス又はその他の透明又は半透明の面でつくられたほぼ球形の構造を含み得る。様々な種類(class)の衣料を用いてもよく、この場合、所与の種類の衣料が、適切に着用されたときにユーザ124の身体の特定部分付近に配置されるように構成された特定のセンサを有する。例えば、ゴルフ衣料が、第1の構成で衣服上に配置された1以上のセンサを含むことができ、サッカー衣料が、第2の構成で衣服上に配置された1以上のセンサを含み得る。
【0025】
装置138〜144は、直接的に、又は、ネットワーク132などのネットワークを介して相互に通信し得る。1以上の装置138〜144間の通信がコンピュータ102を介して行われ得る。例えば、装置138〜144の2つ以上が、コンピュータ102のバス114に動作的に接続された周辺機器であり得る。さらに別の実施形態において、第1の装置(例えば装置138)は、第1のコンピュータ(例えばコンピュータ102)、及び、別の装置(例えば装置142)と通信し得る。しかし、装置142は、コンピュータ102に接続するようには構成されなくてもよいが、装置138とは通信し得る。当業者は、その他の構成が可能であることを理解するであろう。
【0026】
例示的な実施形態の幾つかの実施は、多様な機能が可能であるように意図されたコンピューティングデバイス(例えば、デスクトップ又はラップトップパーソナルコンピュータ)を交互に又は追加的に用い得る。これらのコンピューティングデバイスは、周辺機器又は追加のコンポーネントの任意の組み合わせを必要に応じて有し得る。また、図1Bに示したコンポーネントが、サーバ134、その他のコンピュータ、機器などに含まれてもよい。
2.衣料/アクセサリセンサの例
【0027】
幾つかの実施形態において、知覚装置138,140,142,及び/又は144は、ユーザ124の衣服又はアクセサリ(腕時計、アームバンド、リストバンド、ネックレス、シャツ、靴などを含む)内に形成されるか、或いは、その他の方法で、これらの衣服又はアクセサリに関連付けられ得る。靴取付け型(shoe-mounted)装置、及び、手首装着型の装置(それぞれ、装置140及び装置142)の例を、このすぐ後に説明するが、これらは実施形態の例に過ぎず、本開示がこれらの例に限定されてはならない。
i 靴取付け型装置
【0028】
幾つかの実施形態において、知覚装置140は、1以上のセンサ(加速度計、位置検出コンポーネント(例えば、GPS)、及び/又は力センサシステムなどを含むがこれに限定されない)を含み得る履物を含み得る。図2Aは、センサシステム202の実施形態の一例を示している。幾つかの実施形態において、システム202はセンサ組立体204を含み得る。組立体204は、1以上のセンサ(例えば、加速度計、位置決定コンポーネント、及び/又は力センサなど)を含み得る。図示されている実施形態において、組立体204は複数のセンサを組み込みこんでおり、これは、力感応抵抗器(FSR)センサ206を含み得る。さらなるその他の実施形態においては、その他のセンサが用いられ得る。ポート208が、靴のソール構造物209内に配置され得る。ポート208は、選択的に、電子モジュール210(ハウジング211にあり得る)、及び、FSRセンサ206をポート208に接続している複数のリード212に連通するように設けられ得る。ポート208及び電子モジュール210は、接続及び通信のための相補的インタフェース214,216を含む。
【0029】
幾つかの実施形態において、図2Aに示されている少なくとも1つの力感応抵抗器(FSR)センサ206が、第1及び第2の電極又は電気接点218,220と、電極218と電極220との間に配置された、電極218と220を電気的に接続させるための力感応抵抗材料222とを含み得る。圧力が力感応材料222に加えられると、力感応材料222の抵抗率及び/又は電導率が変化し、これが、電極218,220間の電位を変化させる。抵抗の変化は、センサ216に加えられる力を検出するセンサシステム202により検出できる。力感応抵抗材料222は、その抵抗を圧力下で様々な方法で変化させ得る。例えば、力感応材料222は、以下にさらに詳細に説明するように、材料が圧縮されたときに低減する内部抵抗を有し得る(これは、量子トンネル複合材料に類似している)。この材料をさらに圧縮すると、さらに抵抗を低減でき、定量的測定、及び、バイナリ(オン/オフ)測定を可能にする。幾つかの状況において、このタイプの力感応抵抗挙動は「体積ベースの抵抗」(“volume-based resistance”)と記載される場合があり、また、この挙動を示す材料が「スマート材料」(“smart materials”)と称されることもある。別の例として、材料222は、表面対表面(surface-to-surface)の接触の程度を変化させることにより抵抗を変化させ得る。これは複数の方法により達成でき、例えば、圧縮されていない状態で表面抵抗を上昇させるマイクロプロジェクションを表面上に使用する方法(マイクロプロジェクションが圧縮されると表面抵抗が減少する)、又は、別の電極との表面対表面の接触を増大させるように変形されることができる柔軟な電極を使用する方法である。この表面抵抗は、材料222と電極218,220,222との間の抵抗、及び/又は、複数層材料222の導電層(例えば、カーボン/グラファイト)と力感応層(例えば、半導体)との間の表面抵抗であり得る。圧縮が大きいほど、表面対表面の接触が大きくなり、その結果、抵抗が低くなり、定量的測定が可能になる。幾つかの状況において、このタイプの力感応抵抗挙動は、「接触ベースの抵抗」(“contact-based resistance”)と記載され得る。力感応抵抗材料222が、本文中に定義されるように、ドープ又はノンドープの半導体材料であり得、又はこれを含み得ることが理解されよう。
【0030】
FSRセンサ216の電極218,220は、任意の導電性材料(金属、カーボン/グラファイトファイバ、又は複合体、その他の導電性複合体、導電性ポリマ、若しくは、導電性材料を含むポリマ、導電性セラミクス、ドープ半導体、又はその他の導電性材料を含む)から形成されることができる。リード212は、電極218,220に、任意の適切な方法(溶接、はんだ付け、ろう付け、接着接合、締結具、又は、その他の任意の一体的若しくは非一体的な接合方法を含む)により接続されることができる。或いは、電極218,220、及び、関連するリード212を、同一材料から成る単一の材料片から形成し得る。
ii.手首装着型装置
【0031】
図2Bに示されているように、装置226(図1Aに示した知覚装置142に類似しているか又は知覚装置142であり得る)は、ユーザ124により、手首、腕、足首などの周りなどに装着されるように構成され得る。装置226は、ユーザの運動動作(ユーザ124の一日中のアクティビティ(活動)を含む)をモニタし得る。この点に関し、装置組立体226は、運動動作をユーザ124のコンピュータ102との相互作用中に検出でき、且つ/又は、コンピュータ102とは独立に動作し得る。例えば、一実施形態において、装置226は、一日中(all-day)のアクティビティモニタであり得、ユーザの、コンピュータ102との近接度及び相互作用に関係なくアクティビティを測定する。装置226は、ネットワーク132、及び/又は、その他の装置(例えば、装置138及び/又は140)と直接的に通信し得る。その他の実施形態において、装置226から得られた運動データは、コンピュータ102により実行される決定(例えば、どのエクササイズプログラムがユーザ124に提示されるかに関する決定)に利用され得る。一実施形態において、装置226は、また、モバイル装置(例えば、ユーザ124に関連付けられた装置138)、又は、フィットネス若しくは健康関連のテーマが専用のサイトなどのリモートウェブサイトと無線で相互作用し得る。予め決められた或る時点で、ユーザはデータを装置226から別の場所に転送することを希望し得る。
【0032】
図2Bに示されているように、装置226は、入力機構(例えば、装置226の操作を補助する押し下げ可能な入力ボタン228)を含み得る。入力ボタン228は、コントローラ230、及び/又は、その他の任意の電子コンポーネント(例えば、図1Bに示したコンピュータ102に関して論じた要素の1以上)に動作可能に接続され得る。コントローラ230は、埋め込まれるか、又はその他の方法でハウジング232の一部であり得る。ハウジング232は、弾性のコンポーネントを含む1以上の材料から形成されることができ、且つ、1以上のディスプレイ、例えば、ディスプレイ234を備えている。ディスプレイは、装置226の照光可能(illuminable)な部分と見なされ得る。ディスプレイ234は、一連の個々の発光素子又は発光部材、例えば、例示的な実施形態におけるLEDランプ(light)234を含み得る。LEDランプ234は列(array)の形態で形成されることができ、且つ、コントローラ230に動作可能に接続され得る。装置226はインジケータシステム236を含むことができ、インジケータシステム236を、ディスプレイ234全体の一部又は構成要素と見なしてもよい。インジケータシステム236が、画素部材235を有し得るディスプレイ234と関連して、又、はディスプレイ234とは完全に別個に動作及び照光できることが理解されよう。また、インジケータシステム236は、複数のさらなる発光素子又は発光部材238も含むことができ、これらは、例示的な実施形態においてLEDランプの形態であってもよい。幾つかの実施形態において、インジケータシステムは、ゴールの視覚的表示を提供し得る。これは、例えば、発光部材238の一部を照光させて、1以上のゴールに向けた達成を示すことによる。
【0033】
締結機構240の係合を外して装置226をユーザ124の手首周囲に配置でき、次いで、締結機構240を係合位置に配置することができる。ユーザは、所望であれば装置226を常時着用できる。一実施形態において、締結機構240は、コンピュータ102及び/又は装置138,140との動作的相互作用のために、インタフェース(例えば、USBポートを含むがこれに限定されない)を備え得る。
【0034】
幾つかの実施形態において、装置226は、センサ組立体(図2Bには示さず)を備え得る。センサ組立体は、複数の様々なセンサを備え得る。例示的な実施形態において、センサ組立体は、加速度計(多軸加速度計の形態を含む)、心拍数センサ、位置決定センサ(例えば、GPSセンサ)、及び/又はその他のセンサを備えることができ、或いは、これらのセンサへの動作的接続を可能にしている。装置142のセンサから検出された運動又はパラメータが、様々な異なるパラメータ、基準、又は、生理学的特性(速度、距離、歩数、及び、エネルギー消費(例えば、カロリー)、心拍数、汗の検出、労作、酸素消費量、並びに/若しくは酸素動態を含むがこれらに限定されない)を含み得る(或いは、形成するために用いられ得る)。また、このようなパラメータは、ユーザのアクティビティに基づいてユーザにより獲得されたアクティビティポイント又はカレンシーに関して表示され得る。
II.エネルギー消費ポイントの計算
【0035】
図3は、本発明の実施形態による、エネルギー消費の値(例えばポイント)を算出するための方法を示す。幾つかの実施形態は、ユーザの身体運動を分類し得る。例えば、例示的なステップ302において、1以上のアクティビティが分類され得る。システム100は、上記のセンサの1以上から受信されたデータを、ユーザのアクティビティの分類を試みて処理し得る。例えば、システム100は、センサ信号を、選択されたアクティビティに対応する1以上の信号、又は、アクティビティ「テンプレート」(“template”)又は「シグネチャ」(“signature”)と比較し得る。幾つかの実施形態において、テンプレートは、センサをユーザに取り付けて、ユーザが様々なアクティビティを行うときに発生される信号をモニタすることにより生成され得る。幾つかの実施形態によれば、アクティビティが、ユーザ124に固有のアクティビティテンプレートに関連付けられ得る。このような一実施形態において、ユーザ124に、特定のアクティビティのためのデフォルトのテンプレートを割り当て得る(そのアクティビティに特定のテンプレートがまだ割り当てられていない場合)。こうして、ユーザ124は、アクティビティテンプレートを作成又は受信し得る(しかし、作成も受信も要求される訳ではない)。このアクティビティテンプレートは、デフォルトのテンプレートよりも正確であり得る。なぜなら、このテンプレートは、ユーザ及び/又はユーザのアクティビティに対して、より特定的であるからである。ユーザ124は、1以上の予め定義された又は未定義のアクティビティのためのテンプレートを作成する選択肢を有し得る。特定の、又は、それ以外の新規のテンプレートが、ユーザのコミュニティ間で共有されるかも知れない。共有されるテンプレートは、異なる様々なセンサに基づき得る。幾つかの実施形態において、テンプレートを、様々なセンサと共に使用するために改良又は調整し得る。例えば、靴ベースのセンサと共に使用されるために作成されたテンプレートを、手首装着型センサと共に使用するために改良(refine)し得る。
【0036】
アクティビティテンプレートは、複数の様々なセンサの1以上から得られたデータから作成され得る。例えば、センサの第1の群(例えば、センサ126及びセンサ138)を第1のアクティビティテンプレートの形成又は改良に用い得るが、センサの第2の群(例えば、センサ128及びセンサ140)は第2のアクティビティテンプレートの形成又は改良に用いられ得る。さらに別の実施形態においては、センサの第3の群、例えば、センサ128及びセンサ140(及び/又はその他のセンサ)を、ユーザ124として同じアクティビティテンプレートが形式に用いられた第2のユーザ(例えば、ユーザ124ではない)のための第1のアクティビティテンプレートの作成に用い得る。従って、幾つかの実施形態によれば、特定のセンサからのデータを、1)異なるユーザのための同一のアクティビティテンプレートのために、及び/又は、2)同一ユーザのための異なるアクティビティテンプレートのために、受信する必要がない。
【0037】
一実施形態において、手首装着型加速度計(多軸加速度計であり得る)がユーザに装着されることができ、そして、ユーザが走ったり歩いたりなどしたときの加速度計の出力に基づいた信号テンプレートが作成され得る。これらのテンプレートは、使用されているセンサの関数及び/又はセンサの位置であり得る。幾つかの実施形態において、単一の信号(又は値)が、複数の信号(又は値)を組み合わせることにより生成される。例えば、3軸加速度計の3つの出力を、合計し又はその他の方法で組み合わせて、1以上の信号を生成し得る。例示的なステップ302が、信号、複数の信号、又は、信号の組合せを1以上のテンプレートと比較することを含み得る。幾つかの実施形態において、全てのアクティビティを分類しようとする最適な方法が実行され得る。その他の実施形態において、信号、複数の信号、又は、信号の組合せがテンプレートに十分に適合しない場合には、アクティビティは未分類のままにされ得る。
【0038】
ユーザ124のアクティビティの少なくとも1つが分類された後、対応するアクティビティ因子(係数)を決定するためにステップ304が実行され得る。アクティビティ因子は、活発なランニング、中程度ペースのランニング、ゆっくりとしたウォーキング、又はその他の任意のアクティビティに対応し得る。1つのアクティビティのためのアクティビティ因子は、そのアクティビティを実行するためにほぼ必要なカロリー又はエネルギーに関連し得る。ステップ302にてアクティビティが分類されなかった場合、デフォルトのアクティビティ因子が選択又は導出され得る。幾つかの実施形態において、複数のデフォルトのアクティビティ因子が用いられ得る。アクティビティの強度、継続時間、又はその他の特性が評価されることができ、それにより、1以上のデフォルトアクティビティ因子が適用され得る。複数のアクティビティ因子が、メジアン/平均、範囲、又はその他の統計的方法により設定され得る。
【0039】
本発明の様々な実施形態において、アクティビティ因子は、エネルギー消費ポイントを算出するために用いられる。ユーザ124のアクティビティの少なくとも1つが分類された後、ステップ306において、エネルギー消費ポイントが算出され得る。エネルギー消費ポイントを用いることにより、アクティビティレベルの比較を可能にし、また、ユーザ間の協働を促進し、様々な能力を有するユーザ間の競争のために標準化し、また、その他の方法でアクティビティを奨励し得る。一実施形態において、エネルギー消費ポイントは以下のように算出される。
EEP = AF × duration (方程式1)
式中、
EEP=エネルギー消費ポイント
AF=ステップ304にて決定されたアクティビティ因子
duration=ステップ302にて分類されたアクティビティの継続時間
【0040】
ステップ306は、アクティビティをモニタするセンサを含む装置にて、及び/又は、プロセッサ(例えば、携帯電話(例えば138を参照)又はサーバ(例えば134を参照))を含む別の装置にて実行され得る。
【0041】
幾つかの実施形態において、方程式1は、アクティビティ因子及び継続時間が乗じられるスカラを含むように変更され得る。スカラは、典型的なエネルギー消費ポイントが所望の範囲内にあるように選択され得る。ポイントの範囲は、様々なゲーム又は競争に対して要求され得る。
【0042】
方程式1の変形例が、本発明のその他の実施形態において用いられ得る。幾つかの実施形態において、ユーザは、方程式、及び/又は、1以上の変数、例えばスカラなどを選択し得る。方程式は、様々なゲーム及び競争のために選択され得る。一例として、1つのグループがプレーヤ間で、適応性(fitness)に基づいたハンディキャップを設定することができ、これにより、最も適応性のあるプレーヤが、共通のアクティビティ又はアクティビティのセットをより長い時間にわたって行う場合にのみEEPを発生する。エネルギー消費ポイント競争に参加しているユーザのグループは、競争開始前に、特定の方程式又は方法に同意し得る。本発明の幾つかの実施形態において、ユーザは複数の競争に参加することができ、同一のアクティビティに関して、計算方法が異なるために異なるポイントを獲得し得る。例えば、1人のユーザが、固有の計算方法を有する2つの競争に参加し得る。このユーザは、2つのゲームに対する2つの異なるポイント合計と、それらの全エネルギー消費に対する第3のポイント合計とを獲得し得る。幾つかのポイント合計が、全ポイント合計とは別個に保持され得る。
【0043】
本発明の別の実施形態は、ポイント値及び/又はその他の量を計算するための別の又は追加の方程式を有し得る。これらの方程式は、測定値及び/又は計算値の微分を含み得る。時間を含む微分が、速度及び変化率を示すために用いられ得る。例えば、1つの方程式が、アクティビティポイント又はエネルギー消費ポイントが蓄積する速度を決定するために用いられ得る。別の方程式が、予め決められた時間にわたり蓄積されたアクティビティポイント又はエネルギー消費ポイントの量を決定するために用いられ得る。
【0044】
幾つかの方程式が、時間以外の変数を用い得る。例えば、幾つかの方程式が、アクティビティポイント又はエネルギー消費ポイント及び歩数の関数としての値を計算するために用いられ得る。アクティビティポイント又はエネルギー消費ポイント及びその他の変数の関数である値を計算することが、様々なアクティビティの効率を比較するために用いられ得る。例えば、1つの方程式を用いて、より速いペースで歩くことが、歩数ごとのアクティビティポイント又はエネルギー消費ポイントの蓄積をより速いペースにすると判断し得る。別の例示的な方程式は、予め決められた距離又は距離の単位ごとに、アクティビティポイント又はエネルギー消費ポイントを決定し得る。
【0045】
幾つかの方程式が、測定値又は計算値の第1及び/又は第2の微分係数を算出することにより速度及び変化率を示すために用いられ得る。例えば、方程式は、所与の時間におけるアクティビティポイント又はエネルギー消費ポイントの蓄積速度を計算又は概算するために用いられ得る。幾つかの実施形態において、アクティビティポイント又はエネルギー消費ポイントの瞬間的な蓄積速度が、ディスプレイ235又はモバイル装置の一部であるディスプレイを介してユーザに表示される。
【0046】
エネルギー消費ポイントが算出された後、算出されたポイントは、ステップ308において、合計値に組み込まれる(例えば、加算されて)。合計値は、ユーザ124(及び/又は、ユーザ124により承認された選択された個人又はグループ)が、どれだけ多くのポイントを様々な期間(例えば、日、週、及び月)にわたり獲得したかを見ることを可能にする。また、合計値は、複数の期間に関しても計算され得る。例えば、ユーザは、24時間、1週間、1ヵ月、及び1年を含む期間にわたる合計値を受け取り得る。幾つかの実施形態において、ユーザは、その他の期間を選択することも、又は、期間を非選択にすることも可能である。ユーザは、複数の期間を同時に追跡することも、また、装置の使用開始又はプログラムのスタート時からのポイント賞を追跡することも可能である。任意の所与の期間にわたる合計値が、複数のアクティビティに関して獲得されたポイントを示し得る。例えば、一日のうち、ユーザは、異なる時間帯に行ったウォーキング、ジョギング、及び全力疾走に対してポイントを受け取り得る。先に述べたように、各アクティビティに関して獲得されたポイントは、対応するアクティビティ因子の関数であり得る。
【0047】
エネルギー消費ポイントは、ユーザ124が所定期間にわたって不活動状態であったときに差し引かれる場合があり、又は、所定の基準が満たされている時に増大され得る。この特徴は全ての計算に含まれることができ、又は、様々なゲーム及び競争で用いられ得る。例えば、ステップ314において、調整基準に合致していたかどうかが決定され得る。調整基準は、所定期間にわたる不活動を含み得る。幾つかの実施形態において、ユーザが活動していた時点から単に所定の時間が経過したと判断しただけでは不活動とは判断されない。
【0048】
調整基準に合致していた場合、ステップ310においてエネルギー消費ポイントの合計値が調整される。調整は、不活動の継続時間の関数であり得る。幾つかの実施形態において、装置は、アクティビティを促進するために、ユーザ124(又は許可されたグループ/個人)に、エネルギー消費ポイントの削減(reduction)を受けることに近づいていることを警告し得る。さらに別の実施形態において、アラームが、ユーザ124(並びに/又は、その他の許可された個人及び/若しくはグループ)に、彼らがエネルギー消費ポイントの削減を受けとったことを警告する。幾つかの実施形態において、チームメイト、及び/又は、競争相手のユーザが、削減(又は削減の可能性)を通知され得る。さらなる実施形態において、教師、トレーナ、及び/又は、両親が、他人の身体活動をより容易にモニタし得る。ユーザが不活動でなかった場合には、プロセスはステップ314で終了し得る。もちろん、図3に示した方法は、様々な間隔で繰り返されることができ、また、ポイントを、異なる期間、例えば、数日間、数週間、及び数年間にわたって同時に追跡することも可能にする。
【0049】
別の態様において、装置10(例えば装置226)は、不活動又は非活動的期間に基づいてメッセージを提供し得る。装置が、予め決められた時間量にわたりユーザが非活動的(例えば低活動)状態にあったことを検出した場合、より活動的になることをユーザに思い起こさせるために、アラートメッセージがインジケータシステム又はディスプレイに配信され得る。アラートメッセージは、本明細書中に記載の方法のいずれによっても配信されることができる。低活動状態及び不活動時間の量の閾値レベルは変動する場合もあり、また、ユーザにより個々に設定可能である。
【0050】
幾つかのアレンジにおいて、ユーザの非活動又は不活動が検出されて、ユーザのアクティビティゴール達成への前進に影響を及ぼす場合もあり得る。例えば、ユーザが特定のレベルの運動、若しくは、特定の時間量にわたるタイプの運動を示さない、少なくとも閾値レベルの心拍数を示さない、所定時間量において十分な量の距離を移動しないなど、及び/又はこれらの組合せの場合に、不活動が検出され得る。ユーザがアクティビティポイントゴールに達するためにアクティビティポイントを蓄積するアレンジに関し、所定量の非活動(例えば、不活動又は座りがちの(sedentary)状態)が検出されたとき、ポイント又は値が、ユーザのアクティビティポイント又はその他のアクティビティメトリック合計から差し引かれ得る。不活動をアクティビティポイントの差引(deduction)に変換するための様々な変換率が用いられ得る。特定の例において、10分間の不活動が5ポイントの差引に対応し得る。別の例において、30分間の不活動が100ポイントの差引に対応し得る。アクティビティポイントの損失又は差引は、線形であっても、又は、非線形(例えば、指数関数的、放物線状など)であってもよい。
【0051】
ユーザの非活動時間は、不活動時間及び座りがち状態を含み得る。不活動及び座りがち時間は、異なる運動、心拍数、歩数、又はその他の閾値により定義されても、又は、同一の閾値を用いて定義されてもよい。一例において、座りがち時間は不活動閾値よりも高い閾値(例えば、より高いレベルのアクティビティを要する)を有し得る。すなわち、個人は、座りがちと見なされても、不活動とは見なされない場合がある。必要であれば、非活動閾値は、座りがち閾値、又は、より高い閾値に対応し得る。或いは、不活動閾値が座位閾値よりも大きくてもよい。また、複数の座位閾値、不活動閾値、及び/又は非活動閾値も存在し得る(例えば、これらの座位閾値及び不活動閾値の各々が、非活動閾値であり得る)。様々なポイント差引又はポイント差引率も、複数の閾値と、アクティビティがほとんどないか又は全くない(例えば非活動)レベルとの間で定義され得る。例えば、ユーザは、不活動に対して1時間ごとに50ポイント損失し、及び、座りがちアクティビティに対して1時間ごとに30ポイントを損失し得る(又はこれの逆もある)。さらに、アクティビティポイント差引は、ユーザが不活動又は座位である場合に応じて異なる時間に始動され得る。例えば、ユーザは、30分間の不活動又は45分間の座位の後にアクティビティポイントの損失を開始され得る。さらなる閾値(例えば、2つより多くの閾値)及び対応するアクティビティポイント損失率も定義され得る。
【0052】
幾つかのアレンジにおいて、非活動期間を検出するために様々なセンサも用いられ得る。先に論じたように、非活動期間は、心拍数、運動信号の振幅、歩数速度(例えば、1分/10歩よりも大)などに基づいて定義され得る。或いは、又は、さらに、不活動及び座りがち期間は、個人により行われているアクティビティの物理的位置、身体位置、身体の向き、身体姿勢、又はタイプに基づいて測定され得る。様々な身体不活動、又は、座りがちの身体位置若しくは向きの有害な作用も異なり得る。従って、30分間のもたれ姿勢(reclining)は、45分間の座位と同一の健康上のリスクを招き得る。健康上のリスクの可能性は、また、時間依存的でもあり得る。従って、特定の継続時間範囲及び特定の時間範囲にわたる非活動(例えば睡眠)は、健康リスクを招かないかも知れない。一例として、午後9時から午前9時までの7〜9時間にわたる睡眠は、有害な健康リスクを招かないかも知れず、従って、アクティビティポイント又はその他のアクティビティメトリック値の差引に影響を与えないかも知れない。実際、幾つかの例において、特定の継続時間範囲及び/又は特定の時間範囲にわたる不活動(例えば、睡眠)の欠如はユーザの健康に有害であるとみなされ得る。従って、これらの時間においては、より遅い速度でアクティビティポイントが差し引かれ得るか、又は、アクティビティポイントが蓄積され得る。
【0053】
或いは、又は、さらに、アクティビティメトリック値(例えばアクティビティポイント)が減じられ得る量は、一日のうちの時刻、ユーザの位置、ユーザの身体位置、不活動のレベルなどに基づいて決定され得る。例えば、ユーザは、夕方の時間帯よりも午後の時間帯において、アクティビティメトリック値を、より多く、且つ/又はより速い速度で損失し得る。別の例において、ユーザがジムにいる場合、ユーザは、アクティビティポイント又はその他のアクティビティメトリック値を、ユーザが家に居る場合よりも少なく、又は、より遅い速度でそのメトリック値を損失するであろう。
【0054】
非活動的アクティビティ(例えば、活動と見なすべき運動に要求されるレベルを下回るアクティビティ)のタイプの相違を考慮するために、システムは、物理的な身体の位置又は向き(例えば、眠っている、もたれ姿勢、座っている、及び、起立している、を含む)のそれぞれを区別し得る。様々な物理的身体位置及び向きの区別は、センサをユーザの身体の異なる位置に配置して、各身体部分の個々の位置を検出することを含み得る。そして、ユーザの物理的身体位置が、身体部分の互いに対する相対位置に基づいて判断され得る。例えば、膝位置のセンサが、腰部又は胸部のセンサの第1の閾値距離内にあるとき、システムは、ユーザが座っていると判断し得る。膝位置センサが第1閾値距離の外部にある場合、システムは、ユーザが起立していると判断し得る。上記の例において、システムは、距離の一部、例えば、鉛直方向距離を用い得る。鉛直方向距離のみを、或いは、絶対距離(例えば、2つのセンサ間の真直線距離)と組み合わせて用いることにより、システムは、さらに、ユーザが横たわっているときと起立しているときとを区別し得る。例えば、横たわっている(臥位)姿勢は、膝位置センサと胸部又は腰部センサとの間の非常に短い鉛直方向距離に対応し得る(絶対距離は、より大きいであろうけれども)。起立姿勢は、膝位置センサと腰部又は胸部センサとの間の、より大きい鉛直方向距離に対応し得る(類似の絶対距離を示すかもしれないが)。その他の例において、様々なセンサにより形成される角度が、個人の体位を判断するために用いられ得る。さらに、又は、或いは、ユーザの様々な身体部分の位置が、加速度計又は運動データと連携して評価されることができ、これにより、ユーザが運動を、又は、特定レベルの運動(例えば、それより大きい又は少ない)をしているかどうかが判断される。
【0055】
アクティビティポイントの差引に加えて、システムは、不活動を警告して、活動的なライフスタイルをユーザに奨励する場合がある。一例として、システムは、ユーザに、特定の不活動量(例えば、2分、5分、30分、及び1時間など)の後にメッセージ又はインジケータを、装置(例えば、本明細書中に記載したウェアラブルデバイスアセンブリ)に表示することにより警告し得る。不活動時間の量は、非連続時間にわたり加算されていってもよい。或いは、又は、さらに、連続的な不活動時間量を追跡し得る。例えば、ユーザが、午前10時15分から午前11時まで不活動であり、そして午後2時0分から午後2時30分まで再び不活動である場合、非活動的な時間の合計は1時間15分であり得る。不活動を伝えるメッセージ又はインジケータが、アクティビティポイントが差し引かれる前に警告として提示され得る。例えば、メッセージは、ユーザが特定の時間量(例えば、30分、5分、10秒、30秒、1時間、2時間など)内に充分なアクティビティレベルを示さない場合にX量のアクティビティポイントが差し引かれるであろうと示し得る。したがって、装置は、ユーザの非活動の量を決定するために、非活動タイマーを含み得る。さらに、メッセージは、不活動によりもたらされる何らかの危険性にユーザが対処するために実行すべきアクティビティのタイプに関して提案し得る。例えば、システムは、ユーザが10分あたり1マイルのペースで1時間歩くこと提案し得る。ユーザが、検出された不活動時間量のリスク又は負の影響を抑制又は考慮した場合、称賛メッセージ又はその他の表示が与えられ得る。
【0056】
ユーザが特定の時間量内で座りがち又は非活動モードに戻ったならば、座りがち又は非活動モードから抜け出すようにとの警告、ポイントの差引、及び/又は他の通知が提示供され得る。例えば、ユーザが10分間にわたり、座りがち又は非活動状態を脱するのに十分なレベルの活動を行い又は示すとする。しかし、装置又はシステムは、1時間、2時間、3時間などの期間に関するさらなる警告を回避するために、少なくとも30分のアクティビティを要求し得る。例えば、警告は、ユーザが、十分な時間量にわたるアクティビティ、若しくは、十分なレベルのアクティビティ、又はこれらの組合せを示さなかったことを示し得る。また、短い時間量(例えば、閾値時間量)内に複数の座りがち期間があれば、より高い、又は追加のレベルのアクティビティが、座りがちにより生じ得る影響(健康上のリスクなどを含む)を抑制するために要求され得る。特定の例において、ユーザは、ポイントの差引を中止させるために、より高いレベルのアクティビティを行うように要求され得る。
【0057】
装置又はその他のシステムは、さらに、健康上の負の作用が生じ得る前に許容される非活動期間についてユーザに通知し得る。一例として、装置又はシステムは、潜在的な健康上のリスクが発現し始め得る前の許容され得る残りの非活動時間量を示すカウントダウンを含み得る。許容可能な非活動的期間の量は、実行されたアクティビティの量に基づいて得られ又は蓄積され得る。従って、装置は、特定量の非活動的時間(例えば、1時間のテレビ視聴)を得るために実行され得るアクティビティのタイプ及び/又は継続時間に関する提案又は勧告も提供し得る。様々なタイプの非活動又は座りがちのアクティビティの結果、様々なタイプ又は量のアクティビティが必要となろう。例えば、1時間もたれ姿勢だった場合、1時間座っていた場合よりも激しいか又は長時間のエクササイズ又はアクティビティが要求され得る。別の例として、編み物をしながら1時間座っていた場合、テレビを観ながら1時間座っていた場合よりも激しくなく又はより少ない量のエクササイズが要求され得る。1以上のアレンジによれば、勧告が、経験的データ及び/又は予め定められたプログラム、並びにデータテーブル(アクティビティのタイプ及び/又は継続時間、並びに、対応する許容可能な非活動の量を特定する)に基づいて発生され得る。
【0058】
本発明の装置又はアクティビティ追跡システムは、さらに、履歴記録に基づいたアクティビティを推奨し得る。例えば、装置又は追跡システムは、過去にユーザが行ったアクティビティを判断して、これらのタイプのアクティビティに基づいた勧告を発生し得る。さらに、又は、或いは、装置又は追跡システムは、ユーザが過去に行った特定のトレーニングに関する勧告を発生し得る。例えば、ユーザは、2時間のテレビ視聴に対して500キロカロリーに相当するアクティビティを行うことが必要であろう。このような場合、本発明のシステムは、ユーザが過去に実行した、500キロカロリー燃焼した特定のトレーニングを推奨し得る。履歴上のアクティビティタイプと特定の履歴的トレーニングとの組合せは、勧告の生成に用いられ得る。一例として、本発明のシステムは、ユーザが過去に実行した2つのトレーニングのうちの一方を、ユーザがより好むと思われるトレーニングのタイプに基づいて推奨し得る。この好みは、ユーザが実行した各タイプのトレーニングの回数に基づいて判断され得る。また、トレーニング又はアクティビティのタイプは、場所及び時間に基づいても推奨され得る。例えば、ユーザが特定のタイプのアクティビティ又は特定のトレーニングルーチンを同一の場所及び/又は同一の時間に以前に実行しているならば、システムは、そのタイプのアクティビティ又はトレーニングルーチンを推奨し得る。その他の推奨アルゴリズム及び因子も用いられ得る。
【0059】
システム100は、エネルギー消費ポイントをソーシャルネットワークウェブサイトに送信するように構成され得る。ユーザは、所望の時間間隔(例えば、日、週、月、年などによるランク)にわたる総ポイント数に基づいてランク付けされ得る。
【0060】
図4は、本発明の実施形態によるアクティビティ因子を調整するために用いられ得るグラフィカルユーザインタフェースを示す。時刻が軸402に沿って示され、センサ出力又はセンサからの出力の組合せの大きさが軸404に沿って示されている。インタフェースは、ユーザが何等かのアクティビティを9:00〜9:30の間に行ったことを示す。要素406は、アクティビティにデフォルト分類が与えられたことを示す。ドロップダウン要素408a,408b及び408cが、ランニング、ウォーキング及びエリプティカルをそれぞれ選択するための選択肢を提供する。要素408a,408b及び408cにて提供される選択肢は、上記のステップ302にて識別されたアクティビティに最も近いアクティビティであり得る。ユーザは、グラフィカルユーザインタフェース要素(例えば、適切なアクティビティを選択するためのチェックボックス410)を用い得る。期間を選択するためにカーソル412が用いられ得る。
【0061】
軸402に沿って移動するように構成されたブロック要素414及び416をスライド移動させることにより期間が選択され得る。ユーザにより提供される入力は、幾つかの実施形態において概算値と見なされることができ、ユーザ装着デバイス、コンピュータデバイス、又はその他の幾つかのデバイスが、実際の開始及び/又は停止時刻を決定し得る。例えば、ユーザは、彼又は彼女がアクティビティを9:00に開始したと認識し得る。そして、デバイスは、センサデータ、センサデータから導出されたデータ、又は、その他の分析データを用いて、ユーザが実際には9:02に開始したと決定し得る。アクティビティ及びエネルギー消費ポイントの計算値が、決定された開始時刻を用いて決定され得る。ブロック要素414及び416をスライドさせることは、また、信頼範囲を確立するためにユーザにより設定される幅を含み得る。例えば、ユーザはスライドブロック要素414を、彼又は彼女がアクティビティをその間に開始したと確信している10分の間隔にわたるように設定し得る。アルゴリズムが、その間隔内で開始時間を決定(判断)しようとし得る。終了時間も同様の方法で決定され得る。別の実施形態は、スライドブロック要素414を用いて特定された開始時間スパンの始まり、中頃、又は終了と、スライドブロック要素416を用いて特定された停止時間スパンの始まり、中頃、又は終了とを使用し得る。さらに別の実施形態は、最も可能性の高い開始時間及び停止時間を決定し得る。これは、開始時間及び停止時間を決定するため、センサデータ、センサデータから導出されたデータ、及び又はその他の様々な分析データを、スライドブロック要素414及び416の各々を用いて特定された期間の始まり、中頃、又は終了と共に分析することにより行われ得る。
【0062】
図4に示したグラフィカルユーザインタフェースは、ユーザが既知のアクティビティをより正確に分類することを可能にする。幾つかの実施形態において、ユーザが利用可能な選択肢は、実行されそうなアクティビティに限定されている。利用可能な選択肢を限定することにより、ゲーム及び競争の完全性を高めることができる。幾つかの実施形態において、ユーザは、システムにより支持されている任意のアクティビティを選択することができる。さらに別の実施形態において、ユーザは新規のアクティビティを作成でき、これらは、表示されるセンサ出力に対応するであろう。例えば、追加のアクティビティが、可能性のあるアクティビティ、及びウェブサイトにホストされた対応するアクティビティ因子のリストから選択され得る。
【0063】
最初からアクティビティを分類しようとせずにアクティビティ因子を調整するための別のグラフィカルユーザインタフェースも用いられ得る。例えば、ネスト式メニュー構造を用いて、ユーザが全ての可能なアクティビティから選択することを可能にし得る。ネスト式構造は、カテゴリ、サブカテゴリなどを含み得る。例えば、ランニングカテゴリは、ジョギング、ランニング、及び全力疾走のサブカテゴリを含むことができる。幾つかのネスト式メニュー構造は、カテゴリ及びサブカテゴリを、実行されそうなアクティビティが最初に認識されるか又はその他の目立つ位置にあるように配置し得る。アクティビティは、例えば、ユーザの履歴、プロフィール、及び、上記のステップ302にて識別されたものに最も近いアクティビティなどの因子を考慮することにより識別され得る。また、幾つかのグラフィカルユーザインタフェースは、ユーザがアクティビティにラベルを付けることを可能にする。ラベルの使用は、後にアクティビティを整理及び検索することを容易にする。
【0064】
本発明の幾つかの実施形態において、メニュー構造の一部であるアクティビティは、アクティビティ因子にリンクされている。このリンクは、ルックアップテーブル又はその他の機構(アクティビティ因子に関連付けるために用いられ、且つ、ユーザにより装着されているデバイスに格納され得る)、コンピュータデバイス及び/又はモバイル機器を介し得る。複数のアクティビティが同一のアクティビティ因子を有し得、幾つかのアクティビティに、デフォルトのアクティビティ因子が割り当てられ得る。
【0065】
図4に示したグラフィカルユーザインタフェースは、ユーザに提示されることができ、ユーザは、コンピュータのローカルアプリケーションを用いてウェブサイトにアクセスするか、又はその他の何らかのデバイスを使用する。携帯機器、例えば、手首装着型装置又は携帯電話もまた、ユーザが、アクティビティを再分類するか又はデフォルト分類を無効にすることを可能にし得る。幾つかの実施形態において、デバイスのフォームファクタが、異なるインタフェース、及び、調整をするための異なる機構をもたらすことになろう。
【0066】
一実施形態において、ユーザ124が、装着型装置、すなわち手首装着センサを通して、ユーザが行おうとしているか又はちょうど今完了したアクティビティ、例えば、ランニング、ウォーキング、又は自転車走行に関する情報を提供し得る。入力ボタン(例えば図2Bに示されているボタン228)をダブルタップするか又はその他の何らかの選択又はジェスチャを行った後にメニューが提示され得る。ジェスチャは加速度計により検出され得る。メニューはディスプレイ(例えば、これもまた図2Bに示されているディスプレイ234)上に表示され得る。メニューは、ユーザがボタンを選択する、ジェスチャを行う、又は、その他の何らかの入力を提供することに対応して、様々なスクリーンを介して循環し得る。別の実施形態において、ユーザ124は、このような情報を、コンピュータ100のユーザインタフェーススクリーン、又は、携帯デバイス(例えば携帯電話)で見つけられるモバイルアプリケーションを通して入力し得る。イベントに関する情報は、アクティビティの開始よりも前に入力されても、又は、それよりもずっと遅い時間及び/又は日に入力されてもよい。幾つかの実施形態において、ユーザは、アクティビティを、手首装着型装置などの装置にて識別することができ、装置は、アクティビティがいつ終了したかを判断し得る。装置は、センサをモニタして、識別されたアクティビティが終了したことを、アクティビティの検出又はアクティビティの特性の検出がないことに基づいて判断し得る。ユーザ124は、終了したばかりのアクティビティの確認を催促され得る。音、振動、又は、ディスプレイ(例えばユーザインタフェース画面)が、ユーザに、終了したばかりのアクティビティに関する情報を確認するように警告し得る。この情報は、アクティビティが終了した(すなわち、5キロメートルのランニングが完了した)ことの検証を含み得る。また、催促は、ユーザに次のアクティビティを識別するためにも用いられ得る。次のアクティビティの開始は、その前のアクティビティの終了に対応するであろう。ユーザが、アクティビティが終了したことを着用デバイスにて認識していない場合、ユーザは、コンピュータ装置にデータを同期又は分析させるときを遅らせるように催促され得る。アクティビティの終了はオープンエンドにフラグされることができ、メッセージ又はメニュー選択は、ユーザに、終了時間を知らせるように催促し得る。
【0067】
図5は、例示的なアクティビティ追跡インタフェースを示す。このインタフェースにおいて、アクティビティタイプを用いて、実行されたアクティビティを本開示の態様に従って分類又は区分けし得る。例えば、図5において、各円弧状部分1260la,1260lb、及び1260lcは、異なるアクティビティに対応し得る。円弧状部分1260la,1260lb、及び1260lcの各々の埋められた部分は、一日のうちの、アクティビティが実行された時間に対応し得る。ユーザ、例えばユーザ124は、表示されたアクティビティが実行されたことを確認することができ、且つ/又は、表示されたアクティビティに任意の適切な変更又は編集を行い得る。
【0068】
一実施形態において、アクティビティ及び収集された関連するセンサデータのユーザの確認に基づいて、信号テンプレートが生成され得る。生成されたテンプレートは、このユーザのために、識別されたアクティビティに対してデフォルトテンプレートの代わりに用いられ得る。別の実施形態において、デフォルトテンプレートが、受信されたユーザ確認に基づいて更新され得る。
結論
【0069】
本明細書に記載された1以上の特徴を有するアクティビティ環境の提供は、ユーザに、アスレチック活動への取り組みと彼らのフィットネスの向上を促進し、やる気にさせるような経験をもたらすであろう。さらに、ユーザは、社会的コミュニティと関わり合い、ポイントチャレンジに参加するように互いに挑戦し得る。
【0070】
本発明の実施形態の態様を、例示的な実施形態に関して記載してきた。当業者は、本開示に鑑みて、添付の特許請求項及びその精神の範囲内で修正及び変更を行うであろう。例えば、当業者は、例示的な図面に示されたステップを、記載されている順序とは異なる順序で行うこと、そして、例示された1以上のステップが実施形態の態様に従って選択可能であり得ることを理解するであろう。
【符号の説明】
【0071】
100 パーソナルトレーニングシステム
102 コンピュータ
104 コンピューティングユニット
114 バス
124 ユーザ
126 装置
128 センサ
132 ネットワーク
134 サーバ
136 ディスプレイ
138 知覚装置
140 知覚装置
142 知覚装置
144 知覚装置
202 センサシステム
204 センサ組立体
206 力感応抵抗器センサ
208 ポート
209 靴のソール構造物
210 電子モジュール
214 インタフェース
216 インタフェース
218 電極
222 力感応材料
226 装置
228 入力ボタン
230 コントローラ
232 ハウジング
234 ディスプレイ
236 インジケータシステム
238 発光部材
402 軸
404 軸
408a ドロップダウン要素
408b ドロップダウン要素
408c ドロップダウン要素
412 カーソル
414 スライドブロック要素
416 スライドブロック要素
410 チェックボックス
図1A
図1B
図2A
図2B
図3
図4
図5