(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ガスタービンのホイールスペースにおける異常を監視および診断するためのコンピュータ実施方法であって、前記方法はユーザインターフェースおよびメモリデバイスに結合されたコンピュータデバイスを使用して実現され、前記方法は、
前記メモリデバイスに複数のルールセット(280)を格納するステップであって、前記ルールセット(280)は、前記ホイールスペースに関し、前記ルールセット(280)は、リアルタイムデータ入力に関するリアルタイムデータ出力の関係式として表される少なくとも1つのルールを含み、前記関係式は、前記ホイールスペースの温度に対して固有である、格納するステップと、
前記ガスタービンの燃焼処理からの高温ガス、前記ガスタービンの軸流圧縮機からのブリード冷却空気、およびロータ風損効果の少なくとも1つに含まれる熱を表す入力を受信するステップと、
前記ホイールスペース温度に対する初期推定ベースラインが、前記燃焼処理からの高温ガスの温度とロータ風損効果との少なくとも1つを使用して補償される前記軸流圧縮機のブリード冷却空気の温度に等しくなるよう設定するステップと、
前記ガスタービンと関連する状態監視システムからのリアルタイムおよび履歴データを受信するステップであって、前記データ入力は、前記ホイールスペースに熱をもたらす源に関する、受信するステップと、
前記ホイールスペースの温度に関する前記入力を使用して、ホイールスペース温度値を推定するステップと、
を含む、方法。
前記軸流圧縮機のポリトロープ効率および前記軸流圧縮機のブリード冷却空気温度を使用して、前記推定されたホイールスペース温度をオンラインで決定するステップをさらに含む、請求項1または2に記載の方法。
前記ルールセット(280)が、前記ホイールスペース内の熱源に関する前記入力を使用して、推定されたホイールスペース温度値を決定するよう構成される、請求項4に記載のシステム。
前記推定されたホイールスペース温度が、前記軸流圧縮機のポリトロープ効率および前記軸流圧縮機ブリード冷却空気温度を使用して、オンラインで決定される、請求項5に記載のシステム。
【発明を実施するための形態】
【0010】
さまざまな実施形態の具体的な特徴を、一部の図面では示し、他の図面では示さない可能性があるが、これは単に便宜上のものである。任意の図面の任意の特徴は、他の任意の図面の任意の特徴と組み合わせて参照および/または請求することができる。
【0011】
以下の詳細な説明は、例示により本発明の実施形態を示し、限定するためのものではない。本発明は、工業、商用、および住宅用の用途における装置動作を監視する分析的および組織的実施形態に対する一般的な用途を有することを意図する。
【0012】
ガスタービンの正常性監視は、メンテナンスコストおよび停止期間を減らすために重要である。ガスタービンの低圧タービン(パワータービン)におけるホイールスペース温度は、監視するのに重要な信号である。高温ガス経路にさらされるため、ホイールスペースは、熱ストレスからの疲労/クリープ故障に対して脆弱である可能性がある。ホイールスペース温度を推定することは、ホイールスペース温度の一因となる温度の源を知り、それを監視し、より良好に推定する方法を示すことが必要となる。ホイールスペースにおける熱源を知ることにより、機械の冷却システムの状態をより理解し、ホイールスペース領域における不適切な温度特性および過度な温度を強調することができる。さらに、この推定されたホイールスペース温度を、実際に測定されたホイールスペース温度と比較することによって、この差に基づく報知と、トラブルシューティング動作の定義とを考案することができる。以下で説明するホイールスペース温度算出方法は、ガスタービンの互いに異なる構成部品をリンクし、例えば、過度のホイールスペース温度などの欠陥源を識別することを容易にする。ホイールスペース温度をオンライン推定し、および工学ルールを生成して、遮断および/または長期間のシャットダウン周期を防止し、有効なトラブルシューティングを提供する方法を本明細書で説明する。
【0013】
ガスタービンエンジンにおけるホイールスペース温度に影響する可能性のある熱源には、取り込まれる可能性のある燃焼過程からの高温ガス、軸流圧縮機のブリード(冷却)空気、およびロータからの風による影響がある。ブリード温度は、ホイールスペース温度に対するベースラインとして最初に使用され、それを推定するための他の影響を補償する。ブリード温度は、機械の性能を監視するために使用される熱力学的シミュレーションソフトウェアを使用して、オンラインで算出される。このことは、軸流圧縮機のポリトロープ効率を算出し、次いで、ブリード温度(ブリードが抽出された場合の気温)を抽出することによって行われる。ホイールスペース温度とブリード(冷却)温度との差は、一定ではなく、流路温度に左右される。ガスタービンエンジンによっては、タービン排気温度は、直接測定される流路温度のみであり、ホイールスペース温度を推定するために本明細書で使用される。一方でのブリード温度を超えるホイールスペース温度と、他方でのブリード温度を超える排気温度との間には、線形関係がある。ルールが最初に作動した場合、この曲線の勾配は、適切な期間にわたって算出および平均化される。次いで、このことを用いて、以下でより詳細に説明するように、測定した排気温度と計算したブリード温度とを使用して、ホイールスペース温度を算出する。
【0014】
本開示の実施形態は、高いホイールスペース温度を検出することに限定されず、ホイールスペース温度と、所定のホイールスペース温度のリアルタイム判断値との差についての傾向を識別する。統計的チューニング手法が、周囲吸気口状態からのすべての環境に対する稼働中の機械で直接チューニングをすることを可能にする熱力学方程式に加えられ、機械の動作状況と相関する。
【0015】
図1は、本発明の例示的な実施形態による遠隔監視および診断システム100の模式的なブロック図である。例示的な実施形態において、診断システム100は、遠隔監視および診断センター102を備える。遠隔監視および診断センター102は、操作要素などの別々のビジネス要素によって購入および操作された複数の機器のOEMなどの要素によって操作される。例示的な実施形態において、OEMおよび操作要素は、支持装置に入り、OEMは、購入した機器に関連したサービスを操作要素に提供する。操作要素は、単一のサイトまたは複数のサイトで、購入した機器を保持し、操作する。さらに、OEMは、複数の操作要素とともに支持装置に入ることができ、それぞれの操作要素は、独自の単一のサイトまたは複数のサイトで操作する。複数のサイトはそれぞれ、同一で個別の装置、または一連の機械などの機器の複数の同一セットを備えていてもよい。さらに、少なくともいくつかの装置は、1つのサイトに対して特有であるか、またはすべてのサイトに対して特有であるとしてもよい。
【0016】
例示的な実施形態において、第1のサイト104は、1つまたは複数の処理アナライザ106、装置監視システム108、装置ローカル制御センター110、および/または監視ならびに警報パネル112を備え、それぞれが、各装置センサならびに制御装置とインターフェースして各装置の制御ならびに操作を行うよう構成される。1つまたは複数の処理アナライザ106、装置監視システム108、装置ローカル制御センター110、および/または監視ならびに警報パネル112は、ネットワーク116を通じて、高機能監視および診断システム114に通信可能に結合される。高機能監視および診断(IMAD)システム114は、さらに、他のオンサイトシステム(
図1では図示せず)および、これに限定されないが、遠隔監視および診断センター102などのオフサイトシステムと通信するよう構成される。さまざまな実施形態において、IMAD114は、例えば、専用ネットワーク118、無線リンク120、およびインターネット122を使用して、遠隔監視および診断センター102と通信するよう構成される。
【0017】
複数の他のサイトのそれぞれ、例えば、第2のサイト124および第nのサイト126は、第1のサイト104と実質的に同じとすることができるが、第1のサイト104と正確に同じであってもよいし、同じでなくてもよい。
【0018】
図2は、分散制御システム(DCS)201などのローカル工業プラント監視および診断システムのネットワークアーキテクチャ100の例示的な実施形態を示すブロック図である。工業プラントには、ガスタービン、遠心圧縮機、ギアボックス、ジェネレータ、ポンプ、モータ、ファン、および処理監視センサなどの、複数のプラント装置を備えることができ、相互接続パイプにより流れ連通で結合され、1つまたは複数の遠隔入出力(I/O)モジュールならびに相互接続ケーブルおよび/または無線通信を通じてDCS201と信号接続で結合される。例示的な実施形態において、工業プラントは、ネットワークバックボーン203を有するDCS201を備える。ネットワークバックボーン203は、ツイストペアケーブル、シールド同軸ケーブル、または光ファイバケーブルにより製造される有線データ通信経路とすることができ、または、例えば、少なくとも部分的に無線にしてもよい。DCS201はまた、ネットワークバックボーン203を通じて、プラント装置に通信可能に結合され、工業プラントサイトまたは遠隔地に設置されたプロセッサ205を備えてもよい。任意の数の機械を、ネットワークバックボーン203に動作可能に接続してもよいことが理解されよう。機械の一部は、ネットワークバックボーン203に有線接続することができ、機械の他の部分は、DCS201に通信可能に結合された無線基地局207を介してネットワークバックボーン203に無線結合することができる。無線基地局207を使用して、工業プラントから遠隔に設置された装置またはセンサなどとの、DCS201の有効通信範囲を広げることができるが、工業プラント内の1つまたは複数のシステムに相互接続される。
【0019】
DCS201は、複数の装置と関連した動作パラメータを受信ならびに表示し、自動制御信号を生成し、マニュアル制御入力を受信して、工業プラントの装置の動作を制御するよう構成してもよい。例示的な実施形態において、DCS201は、プロセッサ205を制御して、工業プラント機械のオンライン監視ならびに診断を可能にするDCS201で受信したデータを解析するよう構成されたソフトウェア・コード・セグメントを備えてもよい。データは、各機械から収集してもよく、そのような機械には、ガスタービン、遠心圧縮機、ポンプならびにモータ、関連した処理センサ、およびローカル環境センサが含まれ、そのようなローカル環境センサには、例えば、振動、地震、温度、圧力電流、電圧、周囲温度、および周囲湿度センサが含まれる。データは、ローカル診断モジュールまたは遠隔入出力モジュールによって予め処理してもよく、または未処理の形式でDCS201に送信してもよい。
【0020】
ローカル監視および診断システム(LMDS)213は、例えば、ネットワークバックボーン203を通じてDCS201ならびに他の制御システム209およびデータソースと通信するパーソナルコンピュータ(PC)などの、別々のアドオン・ハードウェア・デバイスとしてもよい。LMDS213はまた、DCS201およびまたは他の制御システム209の1つまたは複数で実行するソフトウェア・プログラム・セグメントで実施してもよい。それに応じて、LMDS213は、分散して動作してもよく、ソフトウェア・プログラム・セグメントの一部が、いくつかのプロセッサを同時に実行する。したがって、LMDS213は、DCS201および他の制御システム209の動作に完全に組み込まれる可能性がある。LMDS213は、DCS201、データソース、および他の制御システム209によって受信したデータを解析し、機械の動作正常性および/または工業プラントのグローバルビューを使用して機械を使用する処理を判断する。
【0021】
例示的な実施形態において、ネットワークアーキテクチャ100は、サーバ・グレード・コンピュータ202および1つまたは複数のクライアントシステム204を含む。サーバ・グレード・コンピュータ202はさらに、データベースサーバ206、アプリケーションサーバ208、ウェブサーバ210、ファックスサーバ212、ディレクトリサーバ214、およびメールサーバ216を含む。各データベースサーバ206、208、210、212、214、および216は、サーバ・グレード・コンピュータ202で実行するソフトウェアで実現してもよく、または、データベースサーバ206、208、210、212、214、および216の任意の組合せを、もしくはローカル・エリア・ネットワーク(LAN)(図示せず)で結合された別々のサーバ・グレード・コンピュータで、単独で、もしくは組み合わせて実現してもよい。データ・ストレージ・ユニット220は、サーバ・グレード・コンピュータ202に結合される。さらに、ワークステーション222は、システム管理者のワークステーション、ユーザのワークステーション、および/または責任者のワークステーションなどであり、ネットワークバックボーン203に結合される。あるいは、ワークステーション222は、インターネットリンク226を使用してネットワークバックボーン203に結合され、または無線基地局207などを通じて、無線接続により接続される。
【0022】
各ワークステーション222は、ウェブブラウザを有するパーソナルコンピュータとしてもよい。ワークステーションで実行する機能は、一般に、各ワークステーション222で実行されると示してあるが、そのような機能は、ネットワークバックボーン203に結合された多くのパーソナルコンピュータの1つで実行することができる。ワークステーション222は、ネットワークバックボーン203へのアクセス権を有する個人によって実行することができる異なる種類の機能の理解を容易にするためのみの別々の例示的機能と関連付けられると説明される。
【0023】
サーバ・グレード・コンピュータ202は、従業員228を含むさまざまな個人、および、例えば、サービスプロバイダ230などのサードパーティーに通信可能に接続されるよう構成される。例示的な実施形態における通信は、インターネットを使用して実行されると示されるが、任意の他のワイド・エリア・ネットワーク(WAN)型通信を他の実施形態で使用することができ、すなわち、本システムおよび処理は、インターネットを使用して実現することに限定されない。
【0024】
例示的な実施形態において、ワークステーション232を有する任意の認証された個人は、LMDS213にアクセスすることができる。少なくとも1つのクライアントシステムは、遠隔地に設置されたマネージャーワークステーション234を含んでもよい。ワークステーション222は、ウェブブラウザを有するパーソナルコンピュータで実現してもよい。また、ワークステーション222は、サーバ・グレード・コンピュータ202と通信するよう構成される。さらに、ファックスサーバ212は、電話リンク(図示せず)を使用して、クライアントシステム236を含む、遠隔設置されたクライアントシステムと通信する。ファックスサーバ212は、他のクライアントシステム228、230、および234とも通信するよう構成される。
【0025】
LMDS213のコンピュータ化されたモデリングおよび解析ツールは、以下でより詳細に記載するように、ファックスサーバ212に格納することができ、クライアントシステム204の任意の1つで要求元がアクセスすることができる。一実施形態において、クライアントシステム204は、ウェブブラウザを備えるコンピュータであり、サーバ・グレード・コンピュータ202は、インターネットを使用して、クライアントシステム204にアクセス可能である。クライアントシステム204は、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)もしくはワイド・エリア・ネットワーク(WAN)などのネットワーク、ダイアルイン接続、ケーブルモデム、および特別高速ISDN線を含む多くのインターフェースを通じてインターネットに相互接続される。クライアントシステム204は、ウェブベースの電話、携帯情報端末(PDA)、または他のウェブベースの接続可能な装置を含む、インターネットに相互接続可能な任意のデバイスとすることができる。データベースサーバ206は、以下でより詳細に記載するように、工業プラント10についての情報を格納する集中データベース240に接続される。一実施形態において、集中データベース240は、サーバ・グレード・コンピュータ202で格納され、クライアントシステム204の1つを通じて、サーバ・グレード・コンピュータ202にログインすることによって、クライアントシステム204の1つで潜在的ユーザによってアクセスすることができる。代替実施形態において、集中データベース240は、サーバ・グレード・コンピュータ202から遠隔に格納され、非集中化としてもよい。
【0026】
他の工業プラントシステムは、ネットワークバックボーン203への独立接続を通じてサーバ・グレード・コンピュータ202および/またはクライアントシステム204にアクセス可能なデータを提供することができる。対話型電子的技術マニュアルサーバ242は、各機械の構成に関する機械データに対するリクエストに応える。そのようなデータは、ポンプ曲線、モータ馬力率、絶縁クラス、ならびにフレームサイズなどの動作能力、寸法、ロータバーもしくは羽根の数、ならびに機械のフィールド変更、そのままの(as−found)、ならびに左寄せ(as−left)測定値、および機械で実施される元の設計状態に機械を戻さない修理などの機械装置のメンテナンス履歴などの設計パラメータを含むことができる。
【0027】
携帯用振動モニタ244は、LANに直接、またはワークステーション222もしくはクライアントシステム204に設けられるポートなどのコンピュータ入力ポートを通じて断続的に接続してもよい。典型的に、振動データは、ルート内で収集され、例えば、月毎や他の周期で機械の所定のリストからデータを収集する。振動データはまた、トラブルシューティング、メンテナンス、およびコミッショニング作業とともに収集してもよい。さらに、振動データは、リアルタイムで、またはほぼリアルタイムで、連続的に収集してもよい。そのようなデータは、LMDS213のアルゴリズムに対する新しいベースラインを提供することができる。処理データは、同様に、ルート毎に収集することができ、またはトラブルシューティング、メンテナンス、およびコミッショニング作業中に収集してもよい。さらに、一部の処理データは、リアルタイムで、またはほぼリアルタイムで、連続的に収集してもよい。ある種の処理パラメータは、恒久的に実行されない可能性があり、携帯用処理データコレクタ245を使用して、LMDS213にアクセス可能となるような、ワークステーション222を通じてDCS201にダウンロード可能な処理パラメータを収集してもよい。処理流体組成物アナライザおよび汚染排出アナライザなどの他の処理パラメータデータは、複数のオンラインモニタ246を通じてDCS201にもたらされてもよい。
【0028】
さまざまな機械にもたらされるか、または工業プラントでのジェネレータによって生成される電力は、各機械と関連したモータ保護リレー248によって監視してもよい。典型的に、そのようなモータ保護リレー248は、モータ制御センター(MCC)または機械を提供するスイッチギア250内の監視された装置から遠隔に設置される。さらに、モータ保護リレー248に対し、スイッチギア250はまた、例えば、スイッチヤード内の工業プラントに設置された電力供給もしくは電力配送システム(図示せず)設備または遠隔伝達ラインブレーカならびにラインパラメータをLMDS213に提供する、監視制御およびデータ収集システム(SCADA)を備えてもよい。
【0029】
図3は(
図1に示す)LMDS213で使用することができる例示的なルールセット280のブロック図である。ルールセット280は、1つまたは複数のカスタムルールの組合せ、およびカスタムルールの挙動ならびに状態を定義する一連のプロパティとすることができる。ルールおよびプロパティは、XMLストリングのフォーマットでバンドルおよび格納してもよく、ファイルに格納される場合、25文字のアルファベットキーに基づいて暗号化してもよい。ルールセット280は、1つまたは複数の入力282および1つまたは複数の出力284を含むモジュラー知識セルである。入力282は、LMDS213内の特定の位置からルールセット280にデータを導くソフトウェアポートとしてもよい。例えば、ポンプ機外振動センサからの入力は、DCS201内のハードウェア入力端に送信されてもよい。DCS201は、その端での信号をサンプリングして、そこでの信号を受信してもよい。次いで、信号は、DCS201にアクセス可能な、および/またはDCS201と一体式のメモリ内の位置で処理および格納してもよい。ルールセット280の第1の入力286は、メモリ内の位置にマップすることができ、メモリ内の位置のコンテンツは、入力としてルールセット280に利用可能である。同様に、出力288は、DCS201にアクセス可能なメモリ内の他の位置に、または他のメモリにマッピングしてもよく、メモリ内の位置は、ルールセット280の出力288を含有する。
【0030】
例示的な実施形態において、ルールセット280は、工業プラント、例えば、ガス再注入プラント、液化天然ガス(LNG)プラント、電力プラント、精製所、および化学処理工場などで動作する装置に関連する特定の問題を監視し、診断することに関する1つまたは複数のルールを含む。ルールセット280は、工業プラントで使用されるように記載されているが、ルールセット280は、任意の知識を捕捉するために適切に構築することができ、任意の分野において解決策を決定するために使用してもよい。例えば、ルールセット280は、経済行動、財務活動、気象現象、および設計過程に関連する知識を含み得る。次いで、ルールセット280を使用して、これらの分野の問題の解決策を決定することができる。ルールセット280は、1つまたは複数のソースからの知識を含み、その知識は、ルールセット280が適用される任意のシステムに送信される。知識は、入力282および出力284の指定によってルールセット280をLMDS213に適用できるように、出力284を入力282に関連付けるルールの形式で捕捉される。ルールセット280は、特定のプラント資産に固有のルールのみを含んでもよく、その特定のプラント資産と関連付けられている、可能性のある1つの問題のみを対象とすることができる。例えば、ルールセット280は、モータ、またはモータ/ポンプの組合せに適用可能なルールのみを含んでいてもよい。ルールセット280は、振動データを使用してモータ/ポンプの組合せの正常性を判断するルールのみを含むことができる。ルールセット280はまた、振動分析技術に加えて、例えばモータ/ポンプの組合せの性能計算ツールおよび/または財務計算ツールも含む診断ツール一式を使用して、モータ/ポンプの組合せの正常性を判断するルールを含んでいてもよい。
【0031】
動作中、ルールセット280は、入力282と出力284との間の関係を入力するようユーザに要求するソフトウェア開発ツールで作成される。入力282は、例えばデジタル信号、アナログ信号、波形、処理済み信号、手動入力されたパラメータならびに/もしくは構成パラメータ、および他のルールセットからの出力を表すデータを受信することができる。ルールセット280内のルールは、論理的ルール、数値アルゴリズム、波形および信号処理技術の適用、エキスパートシステムならびに人工知能アルゴリズム、統計ツール、および出力284を入力282に関連付けることができる他の任意の表現を含んでもよい。出力284は、各出力284を受信するよう確保され、構成されるメモリ内のそれぞれの位置にマッピングすることができる。次いでLMDS213およびDCS201は、メモリ内の位置を使用して、LMDS213およびDCS201が実行するようにプログラミングされている任意の監視および/または制御機能を実現することができる。ルールセット280のルールは、LMDS213およびDCS201から独立して動作するが、入力282は、直接または介入装置を介して間接的にルールセット280に提供され、出力284は、直接または介入装置を介して間接的にルールセット280に提供され得る。
【0032】
ルールセット280の作成中、本分野の専門家は、1つまたは複数のルールをプログラミングすることによって、開発ツールを使用して固有の資産に特有の分野の知識を公表する。ルールの符号化が必要ないように、出力284と入力282との間の関係の表現を作成することによって、ルールが作成される。オペランドは、図式解法を使用して、例えば、開発ツールに構築されたグラフィカル・ユーザ・インターフェース上においてドラッグ・アンド・ドロップを使用して、オペランドのライブラリから選択することができる。オペランドのグラフ表現は、画面表示(図示せず)のライブラリ部分から選択され、ルール作成部分にドラッグ・アンド・ドロップすることができる。入力282とオペランドとの間の関係は、論理的な表示様式に配列され、ユーザは、必要に応じて、特定のオペランドおよび選択された入力282のうちの特定のものに基づいて、定数などの値を入力するよう要求される。専門家の知識を捕捉するのに必要なだけのルールが作成される。したがって、ルールセット280は、ルールセット280の特定の分野における顧客要件および技術の状態に基づいて頑強な1組の診断ならびに/もしくは監視ルール、または相対的にあまり頑強ではない1組の診断ならびに/もしくは監視ルールを含む可能性がある。開発ツールは、開発中、ルールセット280のテストのためのリソースを提供して、入力282のさまざまな組合せおよび値が出力284で予想された出力を確実に生成するようにする。
【0033】
一実施形態において、ホイールスペース温度ルールセットは、ガスタービンエンジンの動作状態に関して、期待されるホイールスペース温度を計算するよう構成される。ホイールスペース温度ルールセットの利点は、異なるGT構成要素と圧縮機性能をリンクして、期待されるホイールスペース温度の上限ならびに下限を予測する、予測的ならびに適合可能な閾値である。
【0034】
図4は、本開示の例示的な実施形態による(
図1に部分的に示す)ガスタービンエンジン401のホイールスペース冷却システム400のアーキテクチャを示す側面図である。圧縮機402は、高圧空気を、ガスタービンエンジン401の構成部品にもたらす。例示的な実施形態において、第1のホイールスペース前方領域403は、圧縮機排気部分404からの空気によってのみ冷却される。第1のホイールスペース後方領域406は、圧縮機排気部分404からの空気と、圧縮機排気部分404から上段の圧縮機段408、例えば、これに限定されないが、11段の圧縮機402からの空気とで冷却される。第2のホイールスペース前方領域410および第2のホイールスペース後方領域412は、上段の圧縮機段408からの空気で冷却される。
【0035】
ガスタービンエンジン401の低圧タービン内のホイールスペース温度は、例えば、第1のホイールスペース前方領域403内に配置された第1の熱電対414ならびに第2の熱電対416および第2のホイールスペース後方領域412内に配置された第3の熱電対418ならびに第4の熱電対420によって監視される。各スペースに対する2つの熱電対は、空洞内部の空気温度についての情報をもたらす。
【0036】
圧縮機排気部分404からの空気の温度(CDT)は、センサで監視され、ホイールスペース温度と直接比較することができ、直接測定することができない上段の圧縮機段408の温度が、圧縮機の動作状態を判断する相関関係において評価される。
【0037】
ガスタービンエンジン401に対して定義されたルールは、ホイールスペース温度に対して期待される値を提供することに基づき、そのような値を測定値と比較する。異常に対するルールによって提供される助言は、ガスタービンエンジン401に依存しない所定の量より多いために測定値が期待値と異なる場合に出力される。所定の量は、代わりに、パッケージ設定、冷却間隔、実行間隔、ガスタービンエンジン401に取り付けられたパックに関連し、そのすべてが、ガスタービンエンジン401に適用するルールの最初の期間で定義されるベース値に影響する可能性がある。
【0038】
圧縮機ブリード温度の計算
ホイールスペース温度を、評価された上段の圧縮機段408にリンクするために、以下の相関関係を使用する。そのような相関関係は、異なる段を通じて一定であると仮定される圧縮機のポリトロープ効率に関し、各時のステップでの圧縮処理に沿って空気温度の評価を可能にする。
【0039】
そのような相関関係に対する入力は、T2:圧縮機吸気口温度(監視される)、T3:圧縮機排気口温度(監視される)、P2:圧縮機吸気口圧力(監視される)、およびP3:圧縮機排気口圧力(監視される)である。
【0040】
相関関係は、第2のホイールスペース温度と比較されるブリード圧力および温度を出力する。
【0041】
抽出圧力は、圧縮機排気圧力(P3)の関数として評価される。
【0042】
【数1】
ここで、f
P11(T)は、表1にまとめられる係数を有する圧縮機吸気口温度の三次多項式関数である。
【0044】
【数2】
として評価することができ、ここで、γ(T)およびf(T)は、表1における係数によって定義される三次多項式関数によって表される。
【0045】
【表1】
最後に、上段(例えば、11段)の空気温度を
【0046】
【数3】
として計算することができ、ここで、
【0049】
異なる機械に対するデータの解析は、単純ΔTベース相関関係が十分に正確でないことを示す。データは、ホイールスペース温度と、上段(例えば、11段)の空気温度ブリード温度との間の大きな変動を示す。
【0050】
流路温度を考慮する。例えば、ガスタービンエンジン401内の流路温度測定値のみが、タービン出口温度(T5)である。第2のホイールスペース前方領域410および第2のホイールスペース後方領域412の温度は、タービン出口温度(T5)に密接に左右されるよう観測される。
【0051】
相関関係におけるそのような効果は有益であるため、定数θが導入され、
【0053】
θに対する値は、各ガスタービンエンジンに対して定義され、機械の種類に対する特性値を有する。θ値が、第2のホイールスペースの前側と後側とに対して設定されると、予想されるホイールスペース温度が、前側に対して、
TTWS2
fwd=T11+θ
fwd(T5−T11) (6)
として評価され、後側に対して、
TTWS2
aft=T11+θ
aft(T5−T11) (7)
として評価される。
【0054】
本システムによって取得または推測される信号に基づくホイールスペース温度に対する値は、期待値および閾値とともに以下に記載される。
【0055】
第1のホイールスペース前方温度は、圧縮機吐出温度(T3)に強く関連する。単純だが依然として信頼できる相関関係は、2つの間の一定の温度差を設定することである。そのような差は、その値が0から60℃の範囲にあると仮定することが可能である場合でも、機械の1つの特性である。標準的な機械は、約40から60℃の通常のベースライン温度差を有し、一方、他の機械は、約10から15℃のより低い温度差を有する可能性がある。ベースライン温度差が固定されると、ホイールスペース温度は、約±15℃を大きく超えることはないと考えられる。
【0056】
第1のホイールスペース後方冷却は、圧縮機排気および上段圧縮機段空気、例えば、11段目空気の組合せからもたらされる。両方の温度を測定されたホイールスペース温度と比較すると、タービン出口温度についての比較的大きな依存度を示す。
【0057】
一実施形態において、圧縮機排気と上段圧縮機段気流の両方がホイールスペース温度に影響するため、その2つの平均は、
【0058】
【数7】
で比較のために使用され、ここで、T11は、上記したステップに続いて評価され、T3は、圧縮機吐出温度の測定値である。(T5−Tmix)での(TTWS1AFT−Tmix)の線形依存度が存在する。さまざまな実施形態において、圧縮機排気と、上段の圧縮機段気流との他の組合せを比較に使用する。例えば、他の1つの流れ、または他の複数の流れに関して重み付けされる可能性のあるそれぞれはまた、圧縮機排気と上段の圧縮機段気流と組み合わされる可能性がある。
【0059】
したがって、以下のステップは、
TTWS2
aft=T
mix+θ(T5−T
mix) (9)
として、一定と仮定することができ、ホイールスペース温度を評価するために使用されるθ比率を評価することである。
【0060】
他の実施形態において、T
mixに対する質量流平均値を使用することができる。
【0061】
前方および後方の第2のホイールスペースの冷却源は、例えば、圧縮機の11段目のブリード空気である。冷却気流に対する温度は、上記した手順に従って、圧縮機の吸気口部分および排気口部分での圧力および温度の測定値から評価される。
【0062】
ホイールスペース温度は、定数θを導入することによって評価することができ、θは、ホイールスペース温度の正確な予測を可能にする。
【0063】
ある場合では、θは定数であり、θ
fwd=0.289およびθ
aft=0.345になるよう決定される。そのような定数を使用して、約±10℃のエラーを含むホイールスペース温度を予測することが可能である。
【0064】
第2のホイールスペース温度および第1のホイールスペース後方温度に対するルールは、タービン出口温度を判断するために決定され、すべての場合において、約±15℃未満の予測内でエラーの可能性がある。第1のホイールスペース前方温度は、評価される他のパラメータに対する必要性がなくとも、圧縮機吐出温度と相関する。上記したすべてのルールは、期待値および機械依存設定を考慮する。各ルールの定義は、特定パラメータが、監視された結果に従って設定されるキャリブレーション期間によって先行される。
【0065】
図5は、本開示の例示的な実施形態による、所定の範囲を超過したエンジンホイールスペース温度に対する助言を決定する方法500を示すフローダイアグラムである。例示的な実施形態において、方法500は、メモリデバイスに複数のルールセットを格納すること502を含み、ルールセットは、ホイールスペースに関し、ルールセットは、入力されたリアルタイムデータに関して出力されたリアルタイムデータの関係式として表される少なくとも1つのルールを含み、関係式は、ホイールスペースの温度に固有であり、方法500はさらに、ガスタービンと関連した状態監視システムからのリアルタイムおよび履歴データ入力を受信すること504を含み、データ入力は、熱をホイールスペースにもたらす源に関し、方法500はさらに、ホイールスペースの温度に関する入力を使用してホイールスペース温度値を推定すること506を含む。
【0066】
本図で示す論理フローは、望ましい結果を実現するために、示した特定の順序、または連続的な順序である必要はない。さらに、記載したフローから他のステップを提供することもでき、またはステップを削除することもでき、さらに、他の要素を、記載したシステムに追加または除去することもできる。したがって、その他の実施形態も、添付の特許請求の範囲の範囲内である。
【0067】
特に詳細に説明した上記実施形態は、単なる例示または起こり得る実施形態であり、他の多くの組合せ、追加、または代替を含んでもよいことが理解されよう。
【0068】
さらに、構成要素の特定の名前、用語の大文字使用、属性、データ構造、または他の任意のプログラミングもしくは構造上の態様は、強制的なものでも重要なものでもなく、本発明またはその特徴を実現するメカニズムは、異なる名前、フォーマット、またはプロトコルを有してもよい。さらに、本システムは、説明したように、ハードウェアとソフトウェアとの組合せを介して、または全体をハードウェア要素で実現してもよい。また、本明細書に記載のさまざまなシステム構成要素間の機能の特定の分割は一例に過ぎず、強制的なものではなく、単一のシステム構成要素によって実行される機能を複数の構成要素で代わりに実行してもよく、複数の構成要素で実行される機能を単一の構成要素で代わりに実行してもよい。
【0069】
上記の一部は、情報についての動作のアルゴリズムおよび記号表現についての特徴を提示する。これらのアルゴリズム記述および表現は、データ処理技術における当業者によって使用され、他の当業者にその作業の内容を最も効果的に伝えることができる。これらの動作は、機能的または論理的に説明したが、コンピュータプログラムによって実現されることが理解される。さらに、一般性を失うことなく、これらの動作の編成をモジュールとしてまたは機能名によって言及することは、時に好都合であることも分かっている。
【0070】
上記の説明から明らかなように、別段の記載がない限り、本記述を通じて、「処理する」「算出する」「計算する」「判断する」「表示する」または「提供する」などの用語を使用した記述は、コンピュータシステム、または同様の電子計算機の動作ならびに処理に関し、コンピュータシステムのメモリもしくはレジスタ、または他のそのような情報ストレージ、転送もしくは表示デバイス内の物理的(電子的)な量として表されるデータを操作および変換することが理解される。
【0071】
本開示は、さまざまな特定の実施形態について記載してきたが、本開示は、特許請求の範囲の主旨および範囲内での変更を行うことができることが理解されよう。
【0072】
本明細書で使用される場合、プロセッサという用語は、中央処理装置、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、縮小命令セット回路(RISC)、特定用途向け集積回路(ASIC)、論理回路、および本明細書で説明した機能を実行することができる任意の他の回路もしくはプロセッサに関する。
【0073】
本明細書で使用される場合、「ソフトウェア」および「ファームウェア」は交換可能であり、RAMメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、および不揮発性RAM(NVRAM)メモリを含む、プロセッサ205が実行するメモリ内に格納された任意のコンピュータプログラムを含む。上記のメモリの種類は単なる例であり、したがって、コンピュータプログラムのストレージのために使用可能なメモリの種類について限定するものではない。
【0074】
上記明細書に基づいて理解されるであろうように、本開示の上記実施形態は、コンピュータソフトウェア、ファームウェア、ハードウェアまたはその任意の組合せもしくはサブセットを含むコンピュータプログラミングまたはエンジニアリング技術を使用して実現することができ、技術的効果は、(a)複数のルールセットをメモリデバイスに格納するステップと、ここで、ルールセットは、ホイールスペースに関し、リアルタイムデータ入力に関するリアルタイムデータ出力の関係式として表される少なくとも1つのルールを含み、関係式は、ホイールスペースの温度に固有であり、(b)ガスタービンと関連した状態監視システムからのリアルタイムならびに履歴データ入力を受信するステップと、ここで、データ入力は、ホイールスペースに熱をもたらす源に関し、(c)ホイールスペースの温度に関する入力を使用してホイールスペース温度値を推定するステップと、(d)推定したホイールスペース温度と、実際に測定したホイールスペース温度とを比較するステップと、(e)比較結果を使用して助言メッセージを生成するステップと、ここで助言メッセージは、ホイールスペース温度に関するトラブルシューティング動作を含み、(f)ガスタービンの燃焼処理からの高温ガス、ガスタービンの軸流圧縮機からのブリード冷却空気、およびロータ風損効果の少なくとも1つに含まれる熱を表す入力を受信するステップと、(g)ホイールスペース温度に対する初期推定ベースラインが、軸流圧縮機ブリード冷却空気の温度に等しく、ホイールスペースへの他の熱源を使用して補償されるよう設定するステップと、(h)ホイールスペース温度に対する初期推定ベースラインが、燃焼処理からの高温ガスの温度およびロータ風損効果の少なくとも1つを使用して補償された軸流圧縮機ブリード冷却空気の温度に等しくなるよう設定するステップと、(i)ガスタービンの性能についての熱力学的シミュレーションを使用して推定されたホイールスペース温度をオンラインで決定するステップと、(j)軸流圧縮機のポリトロープ効率および軸流圧縮機ブリード冷却空気温度を使用して、推定されたホイールスペース温度をオンラインで決定するステップと、(k)ホイールスペース温度と軸流圧縮機ブリード冷却空気温度との間の線形関係の勾配を判断するステップと、(l)タービン排気の温度と、軸流圧縮機ブリード冷却空気温度との間の線形関係の勾配を決定するステップと、(m)選択可能な期間にわたって勾配を反復的に平均化するステップと、を含む。任意のそのような結果としてのプログラムは、コンピュータ読取可能コード手段を有し、1つまたは複数のコンピュータ読取可能メディア内に実現または提供され得、それにより、本開示の説明した実施形態により、コンピュータプログラム製品、すなわち、工業製品を生成する。コンピュータ読取可能メディアは、例えば、これらに限定されないが、固定(ハード)ドライブ、ディスケット、光学ディスク、磁気テープ、リードオンリーメモリ(ROM)などの半導体メモリ、および/またはインターネットもしくは他の通信ネットワークもしくはリンクなどの任意の送受信メディアとすることができる。コンピュータコードを含有する工業製品は、1つのメディアから直接コードを実行することによって、あるメディアから他のメディアにコードをコピーすることによって、またはネットワーク上でコードを伝送することによって、作成および/または使用することができる。
【0075】
この明細書に記載された多くの機能ユニットは、モジュールとして名前付けされており、より詳しくは、独立した実装態様であることを強調する。例えば、あるモジュールは、カスタム超大規模集積(VLSI)回路もしくはゲートアレイ、論理チップ、トランジスタ、もしくは他の個別部品などの既製の半導体を備えるハードウェア回路として実現してもよい。あるモジュールはまた、フィールド・プログラマブル・ゲートアレイ(FPGA)、プログラマブル・アレイ・ロジック、またはプログラマブル・ロジック・デバイス(PLD)などのプログラマブル・ハードウェア・デバイスで実現してもよい。
【0076】
モジュールはまた、さまざまな種類のプロセッサによって実行されるソフトウェアで実現してもよい。実行可能コードの識別されたモジュールは、例えば、コンピュータ命令の1つまたは複数の物理的もしくは論理的ブロックを備えることができ、例えば、オブジェクト、プロシージャ、または関数として編成してもよい。それにもかかわらず、識別されたモジュールの実行可能ファイルは、物理的に一緒に設置される必要はないが、論理的に一緒に組み合わされた場合、モジュールを備え、モジュールに対して記載した目的を実現する異なる位置に格納される異種命令を備えてもよい。
【0077】
実行可能コードのモジュールは、単一の命令または複数の命令とすることができ、さまざまな異なるコードセグメント上に、異なるプログラム間に、およびさまざまなメモリデバイスにわたって分散することもできる。同様に、動作データは、本明細書では、モジュール内で識別され、図示されており、任意の適切な形式で実現することができ、任意の適切な種類のデータ構造内で編成することができる。動作データは、単一のデータセットとして収集してもよく、または異なるストレージデバイス上を含む異なる位置上に分散してもよく、少なくとも部分的に、単にシステムまたはネットワークの電気信号として存在してもよい。
【0078】
ルールモジュールを含む方法およびオンラインホイールスペース温度監視システムの上記実施形態は、有効な動作上の助言およびトラブルシューティング動作を提供するための低コストで信頼できる手段を提供する。さらに、本システムは、より正確で、誤警報を発しにくい。より具体的には、本明細書に記載の方法およびシステムは、既知のシステムよりもはるかに早い段階で構成部品の故障を予測し、停止時間を短縮し、トリップを防止することを著しく容易にすることができる。さらに、上記の方法およびシステムは、現場担当者が機器のシャットダウンに対する準備をし、計画することを可能にする初期段階で異常を予測することを容易にする。結果として、本明細書に記載の方法およびシステムは、低コストでおよび信頼性のある方法でガスタービンおよびその他の装置を操作することを容易にする。
【0079】
本明細書は最良の形態を含む本発明を開示するため、および、あらゆるデバイスまたはシステムを製作し、ならびに使用し、およびあらゆる組込方法を実行することを含む任意の当業者が本発明を実施することを可能にするための例を用いる。開示の特許可能な範囲は、特許請求の範囲によって定義され、当業者が想到するその他の実施例を含むことができる。このような他の実施例は、特許請求の範囲の文言との差がない構造要素を有する場合、または特許請求の範囲の文言との実質的な差がない等価の構造要素を含む場合、特許請求の範囲内にある。