特許第6143877号(P6143877)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許61438772−アリールセレナゾール化合物及びその薬剤組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6143877
(24)【登録日】2017年5月19日
(45)【発行日】2017年6月7日
(54)【発明の名称】2−アリールセレナゾール化合物及びその薬剤組成物
(51)【国際特許分類】
   C07D 293/06 20060101AFI20170529BHJP
   C07D 421/10 20060101ALI20170529BHJP
   C07D 421/12 20060101ALI20170529BHJP
   C07D 495/04 20060101ALI20170529BHJP
   A61K 31/41 20060101ALI20170529BHJP
   A61K 31/4365 20060101ALI20170529BHJP
   A61K 31/4439 20060101ALI20170529BHJP
   A61K 31/496 20060101ALI20170529BHJP
   A61K 31/5377 20060101ALI20170529BHJP
   A61P 13/12 20060101ALI20170529BHJP
   A61P 19/06 20060101ALI20170529BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20170529BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20170529BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20170529BHJP
【FI】
   C07D293/06CSP
   C07D421/10
   C07D421/12
   C07D495/04 105A
   A61K31/41
   A61K31/4365
   A61K31/4439
   A61K31/496
   A61K31/5377
   A61P13/12
   A61P19/06
   A61P25/00
   A61P29/00
   A61P43/00 111
【請求項の数】13
【全頁数】45
(21)【出願番号】特願2015-544335(P2015-544335)
(86)(22)【出願日】2013年11月24日
(65)【公表番号】特表2016-500115(P2016-500115A)
(43)【公表日】2016年1月7日
(86)【国際出願番号】CN2013087736
(87)【国際公開番号】WO2014082548
(87)【国際公開日】20140605
【審査請求日】2015年7月16日
(31)【優先権主張番号】201210504310.8
(32)【優先日】2012年11月30日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】515146648
【氏名又は名称】▲鎮▼江新元素医▲薬▼科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】ATOM BIOSCIENCE AND PHARMACEUTICAL CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100105050
【弁理士】
【氏名又は名称】鷲田 公一
(72)【発明者】
【氏名】史▲東▼方
(72)【発明者】
【氏名】▲伝長▼金
(72)【発明者】
【氏名】▲呉▼捷
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼俊
【審査官】 清水 紀子
(56)【参考文献】
【文献】 中国特許出願公開第103130744(CN,A)
【文献】 国際公開第2011/105643(WO,A1)
【文献】 国際公開第92/009279(WO,A1)
【文献】 特開2002−105067(JP,A)
【文献】 国際公開第2007/043457(WO,A1)
【文献】 ATTANASI O. A. et al.,Euro. J. Org. Chem.,2002年,Vol.14,p.2323-30
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
A61K 31/33−31/554
A61P 1/00−43/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)で示す2-アリールセレナゾール化合物又はその薬学的に許容可能な塩:
【化1】
ただし、
Xは、C1-2アルキル基又はC1-2置換アルキル基から選ばれたものであり、
Yは、-COORa又は-CONHRaから選ばれたものであり、
R1は、ハロゲン、-CN、C1-2アルキル基、C1-2置換アルキル基、C1-3アルコキシ基又はC1-3置換アルコキシ基から選ばれたものであり、
R2は、存在しないか、D、ハロゲン、C1-2アルキル基、C1-2置換アルキル基、C1-3アルコキシ基又はC1-3置換アルコキシ基から選ばれたものであり、
R3は、-(CH2)n-O-Rb、-(CH2)n-S-Rb、-C(O)Rb、-NRcRd、-S(O)CHRcRd、-S(O)2CHRcRd、-(CH2)nC(O)NRcRd、アリール基、置換アリール基、複素環基、又は置換複素環基から選ばれたものであり、
nは0-2であり、
Raは、H、C1-6アルキル基又はC1-6置換アルキル基から選ばれたものであり、
Rbは、H、メチル、エチル、プロピル、2-プロピル、n-ブチル、t-ブチル、ペンチル、C1-8置換アルキル基、アリール基、置換アリール基、複素環基、置換複素環基、ヘテロアリール又は置換ヘテロアリールから選ばれたものであり、
RcとRdはそれぞれ独立に、H、C1-8アルキル基又はC1-8置換アルキル基から選ばれたものであり、又はRcとRdを環化してシクロアルキル基、置換シクロアルキル基、複素環基又は置換複素環基を形成し、
X、Y、R1、R2、R3、Ra、Rb、Rc又はRdでの置換基は、D、-OH、-CN、-NH2、アシル基、アミド基、ハロゲン、C1-4アルキル基、C1-4ハロアルキル基、C1-4重水素化アルキル基、C1-2アルコキシ基又はC1-2アルキルアミノ基の中の1種又は数種から選ばれたものである化合物。
【請求項2】
該化合物は、式(II)で示す化合物又はその薬学的に許容可能な塩:
【化2】
である請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
Xは、-CH3、-CH2CH3、-CH2OH又は-CF3である請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項4】
RaはH、C1-3アルキル基又はC1-3置換アルキル基である請求項3に記載の化合物。
【請求項5】
R1は、ハロゲン、-CN、-CH3、-CH2CH3、-CHF2、-CF3、-OCHF2又は-OCF3から選ばれたものである請求項4に記載の化合物。
【請求項6】
R2は、存在しないか又はDから選ばれたものである請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
該化合物は、式(III)で示す化合物又はその薬学的に許容可能な塩:
【化3】
である請求項6に記載の化合物。
【請求項8】
R3は、-ORb、-SRb、-C(O)Rb、-NRcRd、-S(O)CHRcRd、-S(O)2CHRcRd、-C(O)NRcRd、フェニル、置換フェニル、ピリジル基、置換ピリジル基、ナフチル基、置換ナフチル基、フェノキシ、置換フェノキシ、フェニルチオ基、置換フェニルチオ基、モルホリノ、置換モルホリノ、N-エチルモルホリン、置換N-エチルモルホリン、ピペラジニル基、置換ピペラジニル基、テトラヒドロチオフェンピリジル基、ベンジルスルホン基又は置換ベンジルスルホン基から選ばれたものであり、
Rbはメチル、エチル、プロピル、2-プロピル、n-ブチル、t-ブチル、ペンチル、C1-8置換アルキル基、フェニル又は置換フェニルであり、Rc又はRdはそれぞれ独立には、H、C1-8アルキル基又はC1-8置換アルキル基から選ばれたものであり、又はRcとRdを環化してシクロアルキル基、置換シクロアルキル基、複素環基又は置換複素環基を形成し、
前記置換基は、D、-OH、-NH2、-CN、アシル基、ハロゲン、C1-4アルキル基、C1-4ハロアルキル基、C1-4重水素化アルキル基又はC1-2アルコキシ基中の中の1種又は数種から選ばれたものである請求項4、5、6又は7に記載の化合物。
【請求項9】
R3は、-ORb、-SRb、-C(O)Rb、-NRcRd、-S(O)2CHRcRd、-C(O)NRcRd、フェニル、置換フェニル、ピリジル基、置換ピリジル基、ナフチル基、置換ナフチル基、フェニルチオ基、置換フェニルチオ基、フェノキシ、置換フェノキシ、モルホリノ、ピペラジニル基、置換ピペラジニル基又はテトラヒドロチオフェンピリジル基から選ばれたものであり、
Rbはメチル、エチル、プロピル、2-プロピル、n-ブチル、t-ブチル、ペンチル、C1-8置換アルキル基、フェニル又は置換フェニルであり、Rc又はRdはそれぞれ独立には、H、C1-8アルキル基又はC1-8置換アルキル基から選ばれたものであり、又はRcとRdを環化してシクロアルキル基、置換シクロアルキル基、複素環基又は置換複素環基を形成し、
前記置換基は、D、-OH、-CN、-NH2、-F、-Cl、-Br、-CH3、-CH2CH3、-CHDCH2D、-CF3、-OCH3又は-OCH2CH3の中の1種又は数種から選ばれたものである請求項8に記載の化合物。
【請求項10】
以下の化合物又はその薬学的に許容可能な塩:
2-(3-シアノ-4-エトキシフェニル)-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸、
2-(3-シアノ-4-イソプロポキシフェニル)-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸、
2-[3-シアノ-4-(3-メチル-ブトキシ)フェニル]-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸、
2-[3-シアノ-4-(シクロヘキシルメトキシ基)フェニル]-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸、
2-[3-シアノ-4-(フェニルメトキシ)フェニル]-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸、
2-[3-シアノ-4-(シクロプロピルメトキシ基)フェニル]-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸、
2-(2-シアノ-ジフェニル-4-イル)-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸、
2-(2-シアノ-3',4'-ジメトキシジフェニル-4-イル)-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸、
2-(2-シアノ-3'-フッ素-4'-メトキシジフェニル-4-イル)-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸、
2-(2-シアノ-3',4',5'-トリメトキシジフェニル-4-イル)-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸、
2-(2-シアノ-4'-メトキシジフェニル-4-イル)-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸、
2-(2-シアノ-3'-メトキシジフェニル-4-イル)-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸、
2-(2-シアノ-3'-トリフルオロメトキシジフェニル-4-イル)-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸、
2-(2-シアノ-4'-クロロジフェニル-4-イル)-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸、
2-(2-シアノ-3',4'-二フルオロジフェニル-4-イル)-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸、
2-(2-シアノ-2',3',4',5',6'-五重水素化ジフェニル-4-イル)-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸、
2-(2-シアノ-2'-メトキシジフェニル-4-イル)-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸、
2-(2-シアノ-2',4'-ジメトキシジフェニル-4-イル)-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸、
2-[3-シアノ-4-(1-ナフチル)-フェニル]-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸、
2-[3-シアノ-4-(4-ピリジル)-ベンゼン-4-イル]-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸、
2-[3-シアノ-4-(3-ピリジル)-ベンゼン-4-イル]-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸、
2-[2-シアノ-4'-(1,2-重水素化エチル)-ジフェニル-4-イル]-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸、
2-(2-シアノ-6-重水素化ジフェニル-4-イル)-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸、
2-(3-シアノ-4-イソプロピルチオフェニル)-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸、
2-(3-シアノ-4-イソブチルチオフェニル)-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸、
2-[3-シアノ-4-(4-クロロベンゼンチオ)-フェニル]-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸、
2-[3-シアノ-4-(3-トリフルオロメチルフェニルチオ基)-フェニル]-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸、
2-[3-シアノ-4-(2-ピリジルチオ)-フェニル]-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸、
2-(3-シアノ-4-ベンジルチオ-フェニル)-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸、
2-(3-シアノ-4-イソプロピルスルホン-フェニル)-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸、
2-(3-シアノ-4-モルホリノ-4-イル-フェニル)-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸、
2-[3-シアノ-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル]-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸、
2-{3-シアノ-4-(6,7-ジヒドロ--テトラヒドロ-チオフェン[3,2-c]ピリジル)-フェニル}-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸、
2-(3-シアノ-4-ジメチルアミノ-フェニル)-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸、
2-(3-塩素-4-イソブトキシフェニル)-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸、
2-(3-トリフルオロメチル-4-イソブトキシフェニル)-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸、
2-[3-シアノ-4-(イソプロピル硫化メチル)-フェニル]-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸、
2-[3-ブロモ-4-(アニリンホルミル)-フェニル]-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸、
2-(2-シアノ-4'-トリフルオロメチルジフェニル-4-イル)-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸、
2-(2-シアノ-3'-トリフルオロメチルジフェニル-4-イル)-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸、
2-(2-シアノ-2'-トリフルオロメチルジフェニル-4-イル)-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸、
2-(3-シアノ-4-イソブトキシフェニル)-4-ヒドロキシメチル-セレナゾール-5-ギ酸、
2-(3-ブロモ-4-イソブトキシフェニル)-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸、
2-(3-シアノ-4-イソプロピルチオフェニル)-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸-(2-N-アセチル)エチル、
2-(3-シアノ-4-tert-ブチルチオフェニル)-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸、
2-(3-シアノ-4-シクロヘキシルチオフェニル)-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸、
2-(3-トリフルオロメチルフェニル)-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸から選ばれたものである請求項1に記載の化合物。
【請求項11】
請求項1に記載の任意の化合物又はその薬学的に許容可能な塩を活性成分とする薬剤組成物。
【請求項12】
キサンチン酸化酵素の阻害剤薬物を調製するための、請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩の使用。
【請求項13】
前記キサンチン酸化酵素の阻害剤薬物が高尿酸症、痛風、糖尿病性腎症、炎症性疾患又は神経系疾患を予防又は治療する薬物である請求項12に記載の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は2-アリールセレナゾール化合物及びその応用に関し、具体的には、薬物化学分野に属する。本発明はこのような化合物の製造方法、これらの化合物を含有する薬剤組成物及びこれらの医療用途、特に、キサンチン酸化酵素阻害剤として痛風と高尿酸血症を治療する用途に更に関する。
【背景技術】
【0002】
痛風症(gout)は、体内のプリン代謝障害による尿酸の過剰産生により、尿酸ナトリウム塩が体内で堆積によって引き起こされる疾患である。痛風は糖尿病次の第2位の代謝疾患であり、このような疾患は既に国連で挙げられた21世紀のトップ20の慢性疾患の1つである。国内外の疫学についての研究により、人々の生活水準の向上及び人間の平均寿命の延長に従って、高尿酸血症及び痛風性疾患の病気発生率に上昇傾向があることが示されている。報告により、1990-1999の10年間には、米国の痛風性関節炎病気発生率が0.29%から0.52%に増加し(非特許文献1)、2007-2008年に行った国民健康調査において、830万の米国人は、医師の診断により、彼らが痛風を患っていることが報告され、英国とドイツは、2000-2005年間の病気発生率が1.4%である(非特許文献2)。2010年には、国内に行った3978位の40-74歳の都市人口に対する疫学研究により、25%の被調査人口が高尿酸血症を患って(非特許文献3)、且つ内陸地域の病気発生率が沿岸よりも低く、未発達地域が発達地域よりも低いことが示されている(非特許文献4)。2004年の中国疾患と健康調査センター分析レポートにより、現在、我が国の高尿酸血症患者の人数が1.2億に達し、痛風患者が7500万人を超えて、且つ各年0.97%の年間成長率で増加されているようになり、人間の生命と健康に深刻な損害が発生することが示されている。
【0003】
痛風の病気発生は体内の尿酸レベルが不断に上昇し、高尿酸血症を引き起こすことからである。尿酸レベルの過飽和に従って、尿酸ナトリウム塩に結晶化が出現し、且つ関節と軟組織等の部位に堆積する。体内の尿酸レベルが急速に変化するとともに、局所の外傷により微小な結晶のリリースを引き起こすか又は尿酸塩の結晶タンパク質コーティングに変更が発生する場合、痛風の炎症反応を引き起こし、続いて痛風が誘発する。尿酸は体内の核酸(食物での核酸を含む)におけるプリンの代謝最終生成物である。その含有量は体内核酸の分解代謝速度、腎臓の排泄機能に関連する。尿酸の生成が増加するか又は排泄が減少すると、いずれも尿酸を蓄積して高尿酸血症が出現することがある。一般的には、37℃での血清における尿酸の含有量が男性>420 μmol/L(70 mg/L)で、女性が>360 μmol/L(60 mg/L)である場合、高尿酸血症と判断する。
【0004】
また、痛風は多くの合併症を引き起こすことができる。統計によれば、90%の痛風患者は勃起不全、腎炎、結石等を引き起こすことがあり、更に慢性腎臓病と心臓病等の合併症を引き起こすことがある。50%の患者は関節の重度の変形により身体障害が発生しやすく、30%の患者は尿毒症、腎不全等の疾患を引き起こして死亡しやすい(非特許文献5)。痛風は更に高血圧、代謝症候群、高脂質血症、糖尿病、インスリン抵抗等の多種の疾患(非特許文献6,7)に関連する。
【0005】
現在、痛風を治療する薬物は、主に抗炎症薬、尿酸排泄促進薬及び尿酸生成阻害薬物がある。
【0006】
一部の抗炎症薬物、例えばコルヒチン、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDS)、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)、グルココルチコイド等は主に急性痛風性関節炎を治療することに用いられ、一時的に患者の痛みを軽減することができる。コルヒチンは常に下痢、嘔吐、腹痛性痙攣等の一般的な副作用があり、非ステロイド性類の抗炎症薬は短時間に疼痛を軽減することができるが、大部分の非ステロイド性類抗炎症薬は深刻な胃腸反応がある。副腎皮質刺激ホルモンとグルココルチコイドは非感染性炎症を阻害し、鬱血浮腫を軽減し、炎症性細胞の移動を阻害し、自己免疫レベルを低下することができ、深刻な急性痛風患者並びに全身症状を伴う患者を治療することに用いられるが、このような薬物は非常に強いリバウンド効果がある。
【0007】
痛風症をより良く解決するために根本的に体内尿酸のレベルを低減する必要がある。体内の尿酸レベルの低減は主に尿酸排泄の促進と尿酸生成の減少という2つの方法で解決する。現在、体内尿酸の排泄を促進する薬物は、主にプロベネシド、スルフィンピラゾン、ベンズブロマロン等がある。このような薬は腎尿細管が尿酸に対する再吸収を阻害することができ、腎近位尿細管の尿酸塩トランスポータに作用することにより、尿酸の再吸収を阻害し、その排泄を増加することにより、体内の尿酸濃度を低下する。プロベネシドは米国のMerck会社で開発され、その主な副作用は皮疹、重度の胃腸刺激及び薬剤熱等である。1976年に市場に出現してフランスのSnaofi-Synthelabo会社により開発されたベンズブロマロン(Benzbromarone)及び1959年に市場に出現して米国のNavatris会社で開発されたスルフィンピラゾンの作用原理はプロベネシドと同じである。研究により、このような薬物の主な副作用は、患者が薬を飲む場合尿をアルカリ化する必要があり、且つ腎功能不全の患者に利用されることができないことが発見されている。また研究により、ベンズブロマロンには大きな肝毒性があり、既に大部分の欧州市場から撤退したことが報道されている(非特許文献8)。
【0008】
他種の痛風を治療する薬物は尿酸生成阻害薬である。研究により、このような薬物は主にプリン代謝過程に必要なキサンチン酸化酵素(Xanthine oxidase、XO)の活性を阻害することにより、プリンから尿酸への変換を阻害し、根本的に尿酸の生成を減少することにより、痛風を治療する作用を果たすと表す。前世紀の六十年代の市場に出現したアロプリノールはヒポキサンチンの類似物であり、キサンチン酸化酵素の競合的阻害剤である。主に腎功能不全の患者に用いられ、既に半世紀利用したが、患者は常に発熱、アレルギー性皮疹、腹痛、下痢、白血球及び血小板の減少、ひいては肝臓の損傷等の副作用を伴う。研究により、アロプリノールの代謝産物、即ちオセプリンもキサンチン酸化酵素を阻害する活性を有するが、同時にアロプリノールの毒副作用もその代謝産物、例えばオセプリンにより引き起こすことが発見されている。
【0009】
フェブキソスタット(Febuxostat)は新世代のキサンチン酸化酵素阻害剤であり、臨床的に高尿酸血症及びそれによる痛風を予防と治療することに用いられる。日本帝人会社(Teijin)は2004年初に日本で市場に出回っていることを請求し、欧州連合は2008年5月にその市場への流通を許可し、米国のFDAは2009年2月に市場への流通を許可している。フェブキソスタットはキサンチン酸化酵素の酸化状態と還元状態を阻害することができる。対照的に、アロプリノールの酸化状態キサンチン酸化酵素を阻害する能力は弱い。フェブキソスタットは主に肝臓により代謝されるが、アロプリノールの代謝と排泄は主に腎臓により行われ、アロプリノールの腎臓代謝と排泄による有害反応を良く避けることができる(非特許文献9,10)。第III相の臨床試験により、治療グループは対照グループと比べて、治療後後血漿の尿酸レベルが60 mg/Lよりも低いことが報告された。アロプリノールに敏感な患者はフェブキソスタットによく適応することができる。80〜120 mg/日のフェブキソスタットの投与量が300 mg/日のアロプリノールと比べて、更に血漿の尿酸塩レベルを効果的に低減することができる(非特許文献11)。
【0010】
今まで、キサンチン酸化酵素をターゲットとするキサンチン酸化酵素阻害剤はほとんどすべて複素環化合物であり、且つ大部分は窒素複素環芳香族化合物であり、例えばフェニルピラゾール誘導体(特許文献1,2)、2-フェニルチアゾール誘導体(特許文献3,4)、3-フェニルイソチアゾール誘導体(特許文献5)、C縮合ピリミジン誘導体(特許文献6)、2-フェニルチオフェン誘導体(特許文献7)、2-フェニルピリジン誘導体(特許文献8)、アリールトリアゾール類化合物(非特許文献12)、トリアリール蟻酸誘導体(特許文献9)等が報告されている。このような薬物により根本的に尿酸の生成を減少することができ、痛風を治療する役割を果たし、このため、このような薬物の開発が重視される。キサンチン酸化酵素ターゲットに対する研究、及びコンピュータ等に対する開発は、キサンチン酸化酵素の結晶構造を完全に解析し、薬物の作用原理を更に明確し、このような薬物の研究に必要な基礎を築いた。
【0011】
過去数十年間にキサンチン酸化酵素阻害剤の開発速度が遅くなったが、これは、高尿酸血症患者と痛風患者の割合が小さい等の原因に関連する。しかし、近年、高尿酸血症と痛風病気の発生率は増加する傾向があり、研究者は抗痛風薬に対する研究を重視するようになり、同時にキサンチン酸化還元酵素に対する研究に従って、キサンチン酸化還元酵素の活性の阻害は高尿酸血症を治療する以外、虚血/再灌流障害、特に心不全に対しても一定の効果を有し、効率的な低毒性キサンチン酸化酵素阻害剤が大きな発展潜在力と応用価値があることが見出されている。痛風のような慢性疾患に対して、キサンチン酸化酵素を作用ターゲットとする新たな薬物設計が既に幅広い注目を集めており、多種の高活性化合物が既に臨床試験に進入しているが、毒副作用が大きい等の複数の問題が存在し、より深い研究が必要とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】国際公開第98/18765号
【特許文献2】特開平10-310578号公報
【特許文献3】国際公開第96/31211号
【特許文献4】特開2002-105067号公報
【特許文献5】特許第6211815号公報
【特許文献6】国際公開第2005/121153号
【特許文献7】国際公開第2006/022375号
【特許文献8】国際公開第2006/022374号
【特許文献9】国際公開第2007/043457号
【非特許文献】
【0013】
【非特許文献1】Arthur L. Weaver. Epidemiology of gout [J]. Cleveland Clinic Journal of Medicine 2008,75(Suppl 5):S9-S12
【非特許文献2】L. Annemans, E Spaepen, M Gaskin, et al. Gout in the UK and Germany: prevalence, comorbidities, and management in general practice 2000-2005[J]. Ann Rheum Dis , 2008, 67: 960-966
【非特許文献3】Raquel Villegas, Yong bing Xiang, Qiu yin Cai, et al. Prevalence and Determinants of Hyperuricemia in Middle-Aged, Urban Chinese Men[J]. Metabolic Syndrome and Related Disorders, 2010,8(3):263-270
【非特許文献4】Hairong Nan, Qing Qiao, Yanhu Dong, et al. The prevalence of hyperuricemia in apopulation of the coastal city of Qingdao, China[J]. The Journal of Rheumatology , 2006,33(7):1346-1350.
【非特許文献5】Grobner W, Walter-Sack I. Treatment of hyperuricemia and gout[J]. Med Monatsschr Pharm. 2005, 28(5): 159-164
【非特許文献6】Terkeltaub RA. Clinical practice. Gout[J]. N Engl J Med. 2003, 349: 1647-1655
【非特許文献7】Schlesinger N, Schumacher HR Jr. Gout: can management be improved?[J]. Curr Opin Rheumatol. 2001,13: 240-244
【非特許文献8】Jansen TL, Reinders MK, van Roon EN, et al. Benzbromarone with drawn from the European market: another case of "absence of evidence is evidence of absence"?[J]. Clin Exp Rheumatol, 2004, 22 (5) :651
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【非特許文献11】Pohar S, Murphy G. Febuxostat for prevention of gout attacks [J]. Issues Emerg Health Technol. 2006,87:1-4
【非特許文献12】Nakazawa T, Miyata K, Omura K, et al. Metabolic profile of FYX-051 (4-(5-pyridin-4-yl-1H-[1,2,4] triazol-3-yl) pyridine -2-carbonitrile) in the rat, dog, monkey, and human: identification of N-glucuronides and N-glucosides[J]. Drug Metab Dispos, 2006, 34(11): 1880-1886
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、従来技術に基づいて、2-アリールセレナゾール化合物を提供することを目的とする。
【0015】
本発明は上記2-アリールセレナゾール化合物がキサンチン酸化酵素阻害剤の調製、又は高尿酸症、痛風、糖尿病性腎症、炎症性疾患、神経系疾患等を予防又は治療する薬物の調製での用途を提供することを他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の目的は以下の措施により達成することができる。
【0017】
式(I)で示す2-アリールセレナゾール化合物又はその薬学的に許容可能な塩:
【化1】
ただし、
Xは、C1-2アルキル基又はC1-2置換アルキル基から選ばれたものであり、
Yは、-COORa又は-CONHRaから選ばれたものであり、
R1は、ハロゲン、-CN、C1-2アルキル基、C1-2置換アルキル基、C1-3アルコキシ基又はC1-3置換アルコキシ基から選ばれたものであり、
R2は、H、D、ハロゲン、C1-2アルキル基、C1-2置換アルキル基、C1-3アルコキシ基又はC1-3置換アルコキシ基から選ばれたものであり、
R3は、-(CH2)n-O-Rb、-(CH2)n-S-Rb、-C(O)Rb、-NRcRd、-S(O)CHRcRd、-S(O)2CHRcRd、-(CH2)nC(O)NRcRd、アリール基、置換アリール基、複素環基、置換複素環基、ヘテロアリール又は置換ヘテロアリールから選ばれたものであり、
nは0-2であり、
Raは、H、C1-6アルキル基又はC1-6置換アルキル基から選ばれたものであり、
Rbは、H、C1-8アルキル基、C1-8置換アルキル基、アリール基、置換アリール基、複素環基、置換複素環基、ヘテロアリール又は置換ヘテロアリールから選ばれたものであり、
RcとRdはそれぞれ独立に、H、C1-8アルキル基又はC1-8置換アルキル基から選ばれたものであり、又はRcとRdを環化してシクロアルキル基、置換シクロアルキル基、複素環基又は置換複素環基を形成し、
X、Y、R1、R2、R3、Ra、Rb、Rc又はRdでの置換基は、D、-OH、-CN、-NH2、アシル基、アミド基、ハロゲン、C1-4アルキル基、C1-4ハロアルキル基、C1-4重水素化アルキル基、C1-2アルコキシ基又はC1-2アルコキシ基の中の1種又は数種から選ばれたものである。
【0018】
好ましい一実施形態において、本発明の2-アリールセレナゾール化合物は更に、式(II)で示す構造を有する化合物又はその薬学的に許容可能な塩、
【化2】
であってよい。
【0019】
好ましい一実施形態において、Xは、C1-3アルキル基又はC1-3ハロゲン又はヒドロキシで置換されたアルキル基であり、
更に、 Xは、-CH3、-CH2CH3、-CH2OH又は-CF3である。
【0020】
更に、Xは、-CH3である。
【0021】
好ましい一実施形態において、Yは-COORaであり、RaはH、C1-3アルキル基又はC1-3置換アルキル基である。
【0022】
更に、Yは-COOHである。
【0023】
好ましい一実施形態において、R1は、ハロゲン、-CN、C1-2アルキル基、C1-2ハロアルキル基、C1-2アルコキシ基又はC1-2ハロアルコキシ基から選ばれたものである。
【0024】
更に、R1は、ハロゲン、-CN、-CH3、-CH2CH3、-CHF2、-CF3、-OCHF2又は-OCF3から選ばれたものである。
【0025】
更に、R1は、Cl、Br、-CN、-CF3から選ばれたものである。
【0026】
好ましい一実施形態において、R2は、H又はDから選ばれたものである。
【0027】
好ましい一実施形態において、本発明の化合物は式(III)で示す化合物又はその薬学的に許容可能な塩、
【化3】
であってよい。
【0028】
好ましい一実施形態において、R3は、-ORb、-SRb、-C(O)Rb、-NRcRd、-S(O)CHRcRd、-S(O)2CHRcRd、-C(O)NRcRd、フェニル、置換フェニル、ピリジル基、置換ピリジル基、ナフチル基、置換ナフチル基、フェノキシ、置換フェノキシ、フェニルチオ基、置換フェニルチオ基、モルホリノ、置換モルホリノ、N-エチルモルホリン、置換N-エチルモルホリン、ピペラジニル基、置換ピペラジニル基、テトラヒドロチオフェンピリジル基、ベンジルスルホン基又は置換ベンジルスルホン基から選ばれたものであり、
更に、R3は、-ORb、-SRb、-C(O)Rb、-NRcRd、-S(O)2CHRcRd、-C(O)NRcRd、フェニル、置換フェニル、ピリジル基、置換ピリジル基、ナフチル基、置換ナフチル基、キノリル基、置換キノリル基、フェニルチオ基、置換フェニルチオ基、フェノキシ、置換フェノキシ、ピリジルチオ基、モルホリノ、ピペラジニル基、置換ピペラジニル基又はテトラヒドロチオフェンピリジル基から選ばれたものである。
【0029】
好ましい一実施形態において、RbはC1-8アルキル基、C1-8置換アルキル基、フェニル又は置換フェニルであり、Rc又はRdはそれぞれ独立に、H、C1-8アルキル基又はC1-8置換アルキル基から選ばれたものであり、又はRcとRdを環化してシクロアルキル基、置換シクロアルキル基、複素環基又は置換複素環基を形成する。
【0030】
好ましい一実施形態において、前記置換基は、D、-OH、-NH2、-CN、アシル基、ハロゲン、C1-4アルキル基、C1-4ハロアルキル基、C1-4重水素化アルキル基又はC1-2アルコキシ基の中の1種又は数種から選ばれたものである。
【0031】
更に、前記置換基は、D、-OH、-NH2、-CN、-NHCH3、-F、-Cl、-Br、-CH3、-CH2CH3、-CHDCH2D、-CF3、-OCH3又は-OCH2CH3の中の1種又は数種から選ばれたものである。
【0032】
好ましい他の実施形態において、R3は、-OCH2CH3、-OCH(CH3)2、-OCH2CH(CH3)2、-OCH2CH2CH(CH3)2、-OCH2C6H11、-OCH2C3H5、-SCH(CH3)2、-SCH2CH(CH3)2、-S(O)2CH(CH3)2、-CH2SCH(CH3)2、-N(CH3)2、フェニル、モノメトキシ基フェニル、ジメトキシフェニル、トリメトキシ基フェニル、メトキシ基フルオロフェニル、トリフルオロメトキシ基フェニル、クロロフェニル、ジフルオロフェニル、五重水素フェニル、メチルピペラジニルフェニル、アニリンホルミル基、ベンジルスルフヒドリル基、ベンジルオキシ基、ナフチル基、ピリジル基、ピリジンチオフェノール基、二重水素化エチルピリジル基、フェニルチオ基、クロロフェニルチオ基、トリフルオロメチルフェニル、トリフルオロメチルフェニルチオ基、モルホリノ、メチルピペラジニル基、又はテトラヒドロチオフェンピリジル基から選ばれたものである。
【0033】
本発明の2-アリールセレナゾール化合物は、更に、以下の化合物又はその薬学的に許容可能な塩から選ばれたものである:
2-(3-シアノ-4-エトキシフェニル)-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸
2-(3-シアノ-4-イソプロポキシフェニル)-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸、
2-[3-シアノ-4-(3-メチル-ブトキシ)フェニル]-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸、
2-[3-シアノ-4-(シクロヘキシルメトキシ基)フェニル]-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸、
2-[3-シアノ-4-(フェニルメトキシ)フェニル]-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸、
2-[3-シアノ-4-(シクロプロピルメトキシ基)フェニル]-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸、
2-(2-シアノ-ジフェニル-4-イル)-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸、
2-(2-シアノ-3',4'-ジメトキシジフェニル-4-イル)-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸、
2-(2-シアノ-3'-フッ素-4'-メトキシジフェニル-4-イル)-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸、
2-(2-シアノ-3',4',5'-トリメトキシジフェニル-4-イル)-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸、
2-(2-シアノ-4'-メトキシジフェニル-4-イル)-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸、
2-(2-シアノ-3'-メトキシジフェニル-4-イル)-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸、
2-(2-シアノ-3'-トリフルオロメトキシジフェニル-4-イル)-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸、
2-(2-シアノ-4'-クロロジフェニル-4-イル)-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸、
2-(2-シアノ-3',4'-二フルオロジフェニル-4-イル)-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸、
2-(2-シアノ-2',3',4',5',6'-五重水素化ジフェニル-4-イル)-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸、
2-(2-シアノ-2'-メトキシジフェニル-4-イル)-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸、
2-(2-シアノ-2',4'-ジメトキシジフェニル-4-イル)-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸、
2-[3-シアノ-4-(1-ナフチル)-フェニル]-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸、
2-[3-シアノ-4-(4-ピリジル)-ベンゼン-4-イル]-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸、
2-[3-シアノ-4-(3-ピリジル)-ベンゼン-4-イル]-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸、
2-[2-シアノ-4'-(1,2-重水素化エチル)-ジフェニル-4-イル]-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸、
2-(2-シアノ-6-重水素化ジフェニル-4-イル)-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸、
2-(3-シアノ-4-イソプロピルチオフェニル)-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸、
2-(3-シアノ-4-イソブチルチオフェニル)-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸、
2-[3-シアノ-4-(4-クロロベンゼンチオ)-フェニル]-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸、
2-[3-シアノ-4-(3-トリフルオロメチルフェニルチオ基)-フェニル]-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸、
2-[3-シアノ-4-(2-ピリジルチオ)-フェニル]-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸、
2-(3-シアノ-4-ベンジルチオ-フェニル)-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸、
2-(3-シアノ-4-イソプロピルスルホン-フェニル)-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸、
2-(3-シアノ-4-モルホリノ-4-イル-フェニル)-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸、
2-[3-シアノ-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル]-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸、
2-{3-シアノ-4-(6,7-ジヒドロ--テトラヒドロ-チオフェン[3,2-c]ピリジル)-フェニル}-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸、
2-(3-シアノ-4-ジメチルアミノ-フェニル)-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸、
2-(3-塩素-4-イソブトキシフェニル)-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸、
2-(3-トリフルオロメチル-4-イソブトキシフェニル)-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸、
2-[3-シアノ-4-(イソプロピル硫化メチル)-フェニル]-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸、
2-[3-ブロモ-4-(アニリンホルミル)-フェニル]-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸、
2-(2-シアノ-4'-トリフルオロメチルジフェニル-4-イル)-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸、
2-(2-シアノ-3'-トリフルオロメチルジフェニル-4-イル)-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸
2-(2-シアノ-2'-トリフルオロメチルジフェニル-4-イル)-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸
2-(3-シアノ-4-イソブトキシフェニル)-4-ヒドロキシメチル-セレナゾール-5-ギ酸、
2-(3-ブロモ-4-イソブトキシフェニル)-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸、
2-(3-シアノ-4-イソプロピルチオフェニル)-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸-(2-N-アセチル)エチル、
2-(3-シアノ-4-tert-ブチルチオフェニル)-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸、
2-(3-シアノ-4-シクロヘキシルチオフェニル)-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸、
2-(3-トリフルオロメチルフェニル)-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸。
【0034】
本発明の化合物2-(3-シアノ-4-イソプロピルチオフェニル)-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸-(2-N-アセチル)エチルは、2-(3-シアノ-4-イソプロピルチオフェニル)-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸の可能なプロドラッグ(Prodrug)である。
【0035】
本発明の化合物の数種の合成経路は以下のとおりである。
【0036】
合成経路一:
【化4】
【0037】
合成経路二:
【化5】
【0038】
本発明の化合物は上記又は上記の製造方法に類似する方法で製造して得られ、置換基と置換基の位置に応じて相応の原料を選択すれば良い。特別な方法で製造するものは実施例において具体的に説明する。
【0039】
特に明記しない限り、以下の請求の範囲と明細書に利用された技術用語は以下の意味を有する。
【0040】
「水素」とは、軽水素(1H)であり、水素元素の主な安定同位体である。
【0041】
「重水素」とは、水素の安定な形態同位体であり、ジュウテリウムとも呼ばれ、その元素符号はDである。
【0042】
「アルキル基」は、1-20個の炭素原子の飽和の脂肪族炭化水素を表し、直鎖と分枝鎖状基(本明細書に及ばれた数値範囲、例えば「1-20」とは、該基、ここでアルキル基が、20個の炭素原子まで、1つの炭素原子、2つの炭素原子、3つの炭素原子等を含むことができる)を含む。1-4個の炭素原子を含むアルキル基は低級アルキル基と呼ばれる。低級アルキル基には置換基がない場合、未置換の低級アルキル基と呼ばれる。より好ましくは、アルキル基が1-10個の炭素原子を有する中型のアルキル基であり、例えばメチル、エチル、プロピル、2-プロピル、n-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、アミル等である。好ましくは、アルキル基が1-4個の炭素原子を有する低級アルキル基であり、例えばメチル、エチル、プロピル、2-プロピル、n-ブチル、イソブチル又はtert-ブチル等である。アルキル基は置換されたもの又は置換されないものであってよい。
【0043】
本発明における「シクロアルキル基」はすべて炭素の単環又は縮合環(「縮合」環はシステムにおける各環がシステムにおける他の環と隣接する一対の炭素原子を共有すると意味する)基を表し、その中の1つ又は複数の環は完全に接続されたπ電子システムを有しなく、一般的に3-10個の炭素原子を有し、シクロアルキル基の実施例(これらに限定されない)はシクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロペンテン、シクロヘキサン、アダマンタン、シクロヘキサジエン、シクロヘプタン及びシクロヘプタトリエンである。シクロアルキル基は置換されたもの又は置換されないものであってよい。
【0044】
本発明における「複素環基」は、「飽和複素環」と「ヘテロアリール」を含む。「飽和複素環」は少なくとも1つのヘテロ原子を含有する単環又は縮合の飽和環(「縮合」環はシステムにおける各環はシステムにおける他の環と隣接する一対の炭素原子を共有すると意味する)基を表し、1つ又は複数の環は完全に接続されたπ電子システムを有しなく、一般的に3-10個の炭素原子を有する。本発明における「ヘテロアリール」は5〜12個の環原子の単環又は縮合環基を表し、1つ、2つ、3つ又は4つのN、O又はSから選ばれた環ヘテロ原子を含有し、他の環原子はCであり、また、完全に共役するπ電子システムを有する。未置換のヘテロアリールの非限定的な実施例はピロール、フラン、チオフェン、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、ピラゾール、ピリミジン、キノリン、イソキノリン、プリン、テトラゾール、トリアジン及びカルバゾールを含む。ヘテロアリールは置換されたもの又は置換されないものであってよい。
【0045】
本発明における「アリール基」は6〜12個の炭素原子のフルカーボン単環又は縮合多環基を表し、完全に共役するπ電子システムを有する。アリール基の非限定的な実施例はフェニル、ナフチル基及びアントリル基を有する。アリール基は置換されたもの又は置換されないものであってよい。
【0046】
「ヒドロキシ」は-OH基を表す。
【0047】
「アルコキシ基」は-O-(未置換のアルキル基)と-O-(未置換のシクロアルキル基)基を表し、更に-O-(未置換のアルキル基)を表す。代表的な実施例はメトキシ基、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、シクロプロピルオキシ、シクロブトキシ、シクロペントキシ、シクロヘキシルオキシ等を含むが、これらに限定されない。
【0048】
「フェニル」はベンゼン環
【化6】
におけるいずれかのポイントが他の基と接続する基を表す。
【0049】
「フェニルチオ基」は-S-フェニル基を表す。
【0050】
「フェノキシ」は-O-フェニル基を表す。
【0051】
「アルキル基カルボニル基」は(未置換のアルキル基)-C(=O)-及び(未置換のシクロアルキル基)-C(=O)-基を表し、更に前の者と指す。
【0052】
「ハロゲン」はフッ素、塩素、臭素又はヨウ素を表し、好ましくはフッ素、塩素又は臭素を表す。
【0053】
「シアノ」は-CN基を表す。
【0054】
「ニトロ基」は-NO2基を表す。
【0055】
「アシル基」は-C(O)Q基を表し、Qは水素(即ちホルミル)であってよく、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールアミノ基等、例えばアセチル、プロピオニル、ホルミルアニリン、ベンゾイル等であってもよい。
【0056】
「アミノ」は-NH2基を表す。
【0057】
「アルキル基アミノ」は-NH-アルキル基を表す。
【0058】
「重水素化アルキル基」はアルキル基の中の1つ又は複数の水素が重水素で置換された基を表す。
【0059】
「ナフチル基」はナフタレン環
【化7】
における任意のポイントが他の基と接続された基を表す。
【0060】
「ピリジル基」はピリジン環
【化8】
における2-6ポイントの中のいずれかのポイントが他の基と接続された基を表す。
【0061】
「ピリジルチオ基」は-S-ピリジルを表す。
【0062】
「モルホリノ」はモルホリン環
【化9】
における2-6ポイントでのいずれかのポイント(N-を含む)は他の基と接続された基を表す。
【0063】
「ピペラジニル基」はピペラジン環
【化10】
におけるいずれかのポイント(N-を含む)が他の基と接続された基を表す。
【0064】
「ベンジルスルホン基」はベンジルスルホン
【化11】
における(CH3-)が他の基と接続された基を表す。
【0065】
「テトラヒドロチオフェンピリジル基」はテトラヒドロチオフェンピリジン環
【化12】
における任意の他の基と接続可能なポイント(N-を含む)が他の基と接続された基である。
【0066】
本発明における「C3-8シクロアルキル基で置換されたC1-8アルコキシ基」類基における「C3-8」と「C1-8」はその隣接する基の炭素原子数を限定するためのものだけであり、基全体の炭素原子数ではない。
【0067】
「薬学的に許容可能な塩」は式(I)又は式(II)を含む化合物が有機酸又は無機酸と形成された塩であり、親化合物の生物学的有効性及び性質を保留する塩を表す。このような塩は以下のとおりである。
【0068】
(1)酸と形成された塩であり、親化合物の遊離塩基が無機酸又は有機酸と反応して得られ、無機酸は例えば(これらに限定されない)塩酸、臭化水素酸、硝酸、リン酸、メタリン酸、硫酸、亜硫酸及び過塩素酸等があり、有機酸は例えば(これらに限定されない)酢酸、プロピオン酸、アクリル酸、シュウ酸、(D)又は(L)リンゴ酸、フマル酸、マレイン酸、ヒドロキシ安息香酸、γ-ヒドロキシブチル酸、メトキシ基安息香酸、フタル酸、メシル酸、エタンスルホン酸、ナフタレン-1-スルホン酸、ナフタレン-2-スルホン酸、p-トルエンスルホン酸、サリチル酸、酒石酸、クエン酸、乳酸、マンデル酸、コハク酸又はマロン酸等がある。
【0069】
(2)親化合物に存在する酸性プロトンが金属イオンで置換されるか又は有機塩基と錯体化合して生成した塩であり、金属イオンは例えばアルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン又はアルミイオンがあり、有機塩基は例えばエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トロメタミン、N-メチルグルコサミン等がある。
【0070】
「医薬組成物」とは、ここで記述された1種又は多種の化合物又はこれらの薬学的に許容可能な塩及びプロドラッグと他の化学成分であり、例えば薬学的に許容可能なキャリアと賦形剤の混合物がある。医薬組成物の目的は化合物が生物体に対する供給を促進することである。
【0071】
「プロドラッグ」とは、生物体内に変換した後薬理作用を有する化合物である。プロドラッグは自身が生物学的活性がないか又は活性が低いが、体内代謝後、活性がある物質に変換するものであり、この過程の目的は薬物の生物学的利用能を増加し、標的化を強化し、薬物の毒性と副作用を低減することである。
【0072】
本発明は、本発明の中のいずれの前記化合物又はその薬学的に許容可能な塩を活性成分として含む薬剤組成物を提供する。
【0073】
本発明の化合物又はその薬学的に許容可能な塩はキサンチン酸化酵素阻害剤の薬物の製造に応用することができる。
【0074】
本発明の化合物又はその薬学的に許容可能な塩は高尿酸症、痛風、糖尿病性腎症、炎症性疾患、神経系疾患を予防又は治療する薬物の製造に応用することができる。
【発明を実施するための形態】
【0075】
当業者がより明確に本発明を理解と実施するために、以下の調製例と実施例を提供する。これらは本発明の範囲を限定するためのものと解釈すべきではなく、ただその例示と代表的なものである。
【0076】
合成実施例
実施例1
2-(3-シアノ-4-エトキシフェニル)-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸(6)の合成
【化13】
【0077】
ステップA:氷水浴及び窒素ガスの保護で無水エタノール(540 mL)を3〜4時間内にセレン粉末(50.0 g、0.633 mol)と水素化ホウ素ナトリウム(26.4 g、0.698 mol)の混合物に滴下し、添加し終わった後、室温に昇温し、続いて1時間撹拌する。そして、含p-ヒドロキシベンゾニトリル(18.84 g、0.158 mol)を含むピリジン溶液(126 mL)を添加し、還流するまで昇温し、更に、2M塩酸溶液(320 mL)をゆっくりと滴下し、滴下時間が4時間以上であり、添加し終わった後、還流下で一晩撹拌する。TLC分析により反応終了を確認する。大部分のエタノールを減圧下で蒸発させ、水(400 mL)を添加して希釈し、酢酸エチルで(200 mL×2)抽出し、合わせた有機相はは2M塩酸(100 mL)で洗浄し、そして、飽和食塩水(100 mL)で洗浄し、溶剤を減圧下で蒸発させ、得られた製品が石油エーテル/酢酸エチルで再結晶し、p-ヒドロキシセレノベンズアミド(1)(25.0 g)を取得し、収率:79.1%である。
【0078】
ステップB:化合物1(25.0 g、0.125 mol)及び2-クロロアセチル酢酸エチル(24.7 g、0.150 mol)を無水エタノール(500 mL)に添加し、昇温還流して3時間撹拌する。TLC分析により反応終了を確認する。反応液を室温まで冷却し、減圧濾過し、濾過ケーキを収集し、乾燥させ、2-(4-ヒドロキシフェニル)-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸エチル(2)(32.7 g)を取得し、収率:84.3%である。
【0079】
1H NMR (DMSO-d6,400MHz) δ 7.81 (dd,J = 2.0,6.8 Hz,2H),6.87 (dd,J = 2.0,6.8 Hz,2H),4.26 (q,J = 6.8 Hz,2H),2.64 (s,3H),1.28 (t,J = 6.8 Hz,3H)。
【0080】
ステップC:化合物2(17.6 g、56.7 mmol)とヘキサメチレンテトラミン(HMTA)(9.8 g、69.9 mmol)をトリフルオロ酢酸(85 mL)に添加し、反応液を85℃に昇温し42時間撹拌し、TLC分析により反応終了を確認する。大部分の溶剤を減圧下で蒸発させ、そして、水(300 mL)を滴下添加して、60分間撹拌した後濾過し、濾過ケーキを酢酸エチル(200 mL)で溶解し、残留水を固液分離で除去し、無水硫酸ナトリウムを乾燥させる。溶剤を減圧下で蒸発させ、得られた産物をシリカゲルカラム(200〜300メッシュのシリカゲル、酢酸エチル/石油エーテル=1/8で溶出する)分離精製し、2-(3-ホルミル基-4-ヒドロキシフェニル)-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸エチル(3)(8.7 g)を取得し、収率:45.3%である。
【0081】
ステップD:化合物3(8.7 g、25.7 mmol)、塩酸ヒドロキシルアミン(2.6 g、37.4 mmol)及びギ酸ナトリウム(2.5 g、36.7 mmol)をギ酸(90 mL)に添加し、得られた溶液を昇温還流して42時間撹拌し、TLC分析により反応終了を確認する。反応液を室温まで冷却し、水(270 mL)を滴下添加して、大量の固体を析出し、そして、更に0-5℃まで冷却し、30分間撹拌し、濾過し、濾過ケーキを大量の水で洗浄し、真空乾燥させて淡黄色固体を取得する。該固体を石油エーテル/酢酸エチルで再結晶し、2-(3-シアノ-4-ヒドロキシフェニル)-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸エチル(4)(7.0 g)を取得し、収率:81.2%である。
【0082】
ステップE:化合物4(70 mg、0.209 mmol)をDMF(5 mL)に溶解し、ヨウ化カリウム(7 mg、0.042 mmol)、無水炭酸カリウム(34.7 mg、0.251 mmol)及びブロモエタン(32 mg、0.293 mmol)を添加し、得られた混合物を70℃で一晩撹拌する。室温まで冷却し、水を添加して希釈し、濾過し、濾過ケーキをシリカゲルカラム(200〜300メッシュのシリカゲル、酢酸エチル/石油エーテル=1/20で溶出する)で精製し、2-(3-シアノ-4-エトキシフェニル)-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸エチル(5)を取得し、該産物は直接に次の反応に利用される。
【0083】
ステップF:前の反応に得られた化合物5をTHF(4 mL)及びメタノール(11 mL)に溶解し、2M水酸化ナトリウム溶液(3 mL)を添加し、混合物を55℃に昇温し0.5時間撹拌する。反応が終了した後約半分の溶剤を減圧下で蒸発させ、水(20 mL)を添加し、希塩酸でpH値を5〜6に調整し、濾過し、乾燥させ、2-(3-シアノ-4-エトキシフェニル)-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸(6)を取得する。
【0084】
1H NMR (DMSO-d6,400MHz) δ 8.23 (s,1H),8.17 (d,J = 8.4 Hz,1H),7.32 (d,J = 8.4 Hz,1H),4.27 (q,J = 6.8 Hz,2H),2.67 (s,3H),1.39 (t,J = 6.4 Hz,3H)。MS (EI,m/z):335.1 [M-H]-
【0085】
実施例2
2-(3-シアノ-4-イソブトキシフェニル)-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸(7)の合成
【化14】
【0086】
化合物4は実施例1における試験ステップEに従って、ブロモイソブタンと反応し、そして、実施例1における試験ステップF方法に従って、加水分解し、更に酸性化した後2-(3-シアノ-4-イソブトキシフェニル)-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸(7)を取得する。
【0087】
1H NMR (DMSO-d6,400MHz) δ 8.26 (d,J = 2.4 Hz,1H),8.18 (dd,J = 2.0,9.2 Hz,1H),7.34 (d,J = 9.2 Hz,1H),4.00 (d,J = 6.8 Hz,2H),2.63 (s,3H),2.14〜2.04 (m,1H),1.02 (d,J = 6.8 Hz,6H)。MS (EI,m/z):363.2 [M-H]-
【0088】
実施例3
2-(3-シアノ-4-イソプロポキシフェニル)-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸(8)の合成
【化15】
【0089】
化合物4は実施例1における試験ステップEに従って、臭化イソプロピルと反応し、そして、実施例1における試験ステップF方法に従って、加水分解し、更に酸性化した後2-(3-シアノ-4-イソプロポキシフェニル)-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸(8)を取得する。
【0090】
1H NMR (DMSO-d6,400MHz) δ 8.29 (d,J = 2.4 Hz,1H),8.20 (dd,J = 2.4,8.8 Hz,1H),7.38 (d,J = 8.8 Hz,1H),4.94〜4.88 (m,1H),2.65 (s,3H),1.36 (d,J = 6.0 Hz,6H)。MS (EI,m/z):349.1 [M-H]-
【0091】
実施例4
2-[3-シアノ-4-(3-メチル-ブトキシ)フェニル]-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸(9)の合成
【化16】
【0092】
化合物4は実施例1における試験ステップEに従って、3-メチル-1-ブロモブタンと反応し、そして、実施例1における試験ステップF方法に従って、加水分解し、更に酸性化した後2-[3-シアノ-4-(3-メチル-ブトキシ)フェニル]-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸(9)を取得する。
【0093】
1H NMR (DMSO-d6,400MHz) δ 13.28 (s,1H),8.30 (d,J = 1.6 Hz,1H),8.22 (dd,J = 1.6,8.8 Hz,1H),7.38 (d,J = 8.8 Hz,1H),4.26〜4.25 (m,2H),2.65 (s,3H),1.86〜1.78 (m,1H),1.70〜1.68 (m,2H),0.96 (d,J = 6.8 Hz,6H)。MS (EI,m/z):377.2 [M-H]-
【0094】
実施例5
2-[3-シアノ-4-(シクロヘキシルメトキシ基)フェニル]-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸(10)の合成
【化17】
【0095】
化合物4は実施例1における試験ステップEに従って、ブロモメチルシクロヘキサンと反応し、そして、実施例1における試験ステップF方法に従って、加水分解し、更に酸性化した後2-[3-シアノ-4-(シクロヘキシルメトキシ基)フェニル]-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸(10)を取得する。
【0096】
1H NMR (DMSO-d6,400MHz) δ 8.18 (d,J = 2.4 Hz,1H),8.12 (dd,J = 2.0,8.8Hz,1H),7.32 (d,J = 8.8 Hz,1H),4.01 (d,J = 6.0 Hz,2H),2.64 (s,3H),1.91〜1.65 (m,5H),1.29〜1.07 (m,6H)。MS (EI,m/z):403.2 [M-H]-
【0097】
実施例6
2-[3-シアン-4-(フェニルメトキシ)基フェニル] -4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸(11)の合成
【化18】
【0098】
化合物4は実施例1における試験ステップEに従って、臭化ベンジルと反応し、そして、実施例1における試験ステップF方法に従って、加水分解し、更に酸性化した後2-[3-シアン-4-(フェニルメトキシ)基フェニル]-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸(11)を取得する。
【0099】
1H NMR (DMSO-d6,400MHz) δ 8.34 (d,J = 2.4 Hz,1H),8.24 (dd,J =2.4,8.8 Hz,1H),7.52〜7.38 (m,6H),5.38 (s,2H),2.65 (s,3H)。MS (EI,m/z):397.2 [M-H]-
【0100】
実施例7
2-[3-シアノ-4-(シクロプロピルメトキシ基)フェニル]-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸(12)の合成
【化19】
【0101】
化合物4(100 mg、0.298 mmol)をTHF(5 mL)に溶解し、そして、シクロプロピルメタノール(35 mg、0.485 mmol)及びトリフェニルホスフィン(130 mg、0.496 mmol)を添加し、更にアゾジカルボン酸ジエチル(85 mg、0.488 mmol)を滴下添加し、得られた混合物は室温で一晩撹拌する。溶剤を減圧下で蒸発させ、得られた産物はシリカゲルカラム(200〜300メッシュのシリカゲル、酢酸エチル/石油エーテル=1/20で溶出する)で精製する。更に実施例1における試験ステップFの方法に従って、加水分解し、更に酸性化した後2-(3-シアノ-4-シクロプロピルメトキシ基フェニル)-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸(12)を取得する。
【0102】
1H NMR (DMSO-d6,400MHz) δ 8.30 (t,J = 1.2 Hz,1H),8.22〜8.19 (m,1H),7.33 (d,J = 8.8 Hz,1H),4.09 (d,J = 7.2 Hz,2H),2.65 (s,3H),1.30〜1.28 (m,1H),0.65〜0.61 (m,2H),0.42〜0.40 (m,2H)。MS (EI,m/z):361.2 [M-H]-
【0103】
実施例8
2-(2-シアノ-ジフェニル-4-イル)-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸(14)の合成
【化20】
【0104】
ステップA:化合物4(7.0 g、20.9 mmol)を取って無水ジクロロメタン(100 mL)に懸濁し、DMAP(262 mg、2.14 mmol)及びピリジン(7.0 mL)を添加し、得られた混合物を撹拌して清澄化した後氷塩浴で冷却し、トリフルオロメタンスルホン酸無水物(10.8 mL)を滴下添加し、そして、氷塩浴で続いて1時間撹拌し、TLC分析により反応終了を確認する。ジクロロメタンを減圧下で蒸発させ、適量の水を添加し、酢酸エチルで(70 mL×3)抽出し、合わせた有機相をそれぞれ希塩酸(50 mL)及び飽和食塩水(50 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムを乾燥させる。溶剤を減圧下で蒸発させ、2-(3-シアノ-4-トリフルオロメタンスルホニル-フェニル)-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸エチル(13)(9.7 g)を取得し、収率:99%である。
【0105】
ステップB(1):化合物13(110 mg、0.235 mmol)、ベンゼンホウ酸(52.7 mg、0.422 mmol)及び無水炭酸カリウム(53 mg、0.384 mmol)を含む混合物にトルエン(10 mL)及びテトラ(トリフェニルホスフィン)パラジウム(20 mg、0.017 mmol)を添加し、得られた混合物を窒素ガスの保護で110℃に昇温し一晩撹拌する。反応液を室温まで冷却し、セライトパッドで濾過し、濾液をシリカゲルカラム(200〜300メッシュのシリカゲル、酢酸エチル/石油エーテル=1/15で溶出する)で精製し、2-(2-シアノ-ジフェニル-4-イル)-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸エチルを取得する。
【0106】
1H NMR (CDCl3,400MHz) δ 8.50 (d,J = 1.6 Hz,1H),8.33 (dd,J = 1.6,8.0 Hz,1H),7.64〜7.61 (m,3H),7.57〜7.51 (m,3H),4.37 (q,J = 6.4 Hz,2H),2.82 (s,3H),1.42 (t,J = 6.4 Hz,3H)。
【0107】
ステップB(2):ステップB(1)で得られたエステルを、実施例1における試験ステップFの方法に従って、加水分解し、更に酸性化した後2-(2-シアノ-ジフェニル-4-イル)-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸(14)を取得する。
【0108】
1H NMR (DMSO-d6,400MHz) δ 8.50 (d,J = 1.6 Hz,1H),8.33 (dd,J = 1.6,8.4 Hz,1H),7.77〜7.54 (m,6H),2.70 (s,3H)。MS (EI,m/z):367.1 [M-H]-
【0109】
実施例9
2-(2-シアノ-3',4'-ジメトキシジフェニル-4-イル)-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸(15)の合成
【化21】
【0110】
化合物13は実施例8における試験ステップB(1)に従って、3,4-ジメトキシベンゼンホウ酸と反応し、そして、実施例1における試験ステップFの方法に従って、加水分解し、更に酸性化した後2-(2-シアノ-3',4'-ジメトキシジフェニル-4-イル)-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸(15)を取得する。
【0111】
1H NMR (DMSO-d6,400MHz) δ 8.46 (d,J = 2.0 Hz,1H),8.30 (dd,J = 2.0,8.4 Hz,1H),7.77 (d,J = 8.4 Hz,1H),7.27〜7.22 (m,2H),7.14 (d,J = 8.4 Hz,1H),3.85 (s,6H),2.70 (s,3H)。MS (EI,m/z):427.2 [M-H]-
【0112】
実施例10
2-(2-シアノ-3'-フッ素-4'-メトキシジフェニル-4-イル)-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸(16)の合成
【化22】
【0113】
化合物13は実施例8における試験ステップB(1)に従って、3-フッ素-4-メトキシベンゼンホウ酸と反応し、そして、実施例1における試験ステップFの方法に従って、加水分解し、更に酸性化した後2-(2-シアノ-3'-フッ素-4'-メトキシジフェニル-4-イル)-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸(16)を取得する。
【0114】
1H NMR (DMSO-d6,400MHz) δ 8.47 (d,J = 2.0 Hz,1H),8.31 (dd,J = 2.0,8.4 Hz,1H),7.75 (d,J = 8.4 Hz,1H),7.60 (dd,J = 2.4,12.0 Hz,1H),7.49〜7.47 (m,1H),7.37 (t,J = 8.8 Hz,1H),3.94 (s,3H),2.69 (s,3H)。MS (EI,m/z):415.2 [M-H]-
【0115】
実施例11
2-(2-シアノ-3',4',5'-トリメトキシジフェニル-4-イル)-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸(17)の合成
【化23】
【0116】
化合物13は実施例8における試験ステップB(1)に従って、3,4,5-トリメトキシベンゼンホウ酸と反応し、そして、実施例1における試験ステップFの方法に従って、加水分解し、更に酸性化した後2-(2-シアノ-3',4',5'-トリメトキシジフェニル-4-イル)-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸(17)を取得する。
【0117】
1H NMR (DMSO-d6,400MHz) δ 8.46 (d,J = 1.6 Hz,1H),8.29 (dd,J = 1.6,8.4 Hz,1H),7.81 (d,J = 8.4 Hz,1H),6.97 (s,2H),3.86 (s,6H),3.76 (s,3H),2.69 (s,3H)。MS (EI,m/z):457.2 [M-H]-
【0118】
実施例12
2-(2-シアノ-4'-メトキシジフェニル-4-イル)-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸(18)の合成
【化24】
【0119】
化合物13は実施例8における試験ステップB(1)に従って、4-メトキシベンゼンホウ酸と反応し、そして、実施例1における試験ステップFの方法に従って、加水分解し、更に酸性化した後2-(2-シアノ-4'-メトキシジフェニル-4-イル)-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸(18)を取得する。
【0120】
1H NMR (DMSO-d6,400MHz) δ 8.45 (d,J = 2.0 Hz,1H),8.28 (dd,J = 2.0,8.0 Hz,1H),7.71 (d,J = 8.4 Hz,1H),7.62 (dd,J = 2.0,6.8 Hz,2H),7.13 (dd,J = 2.0,6.8Hz,2H),3.85 (s,3H),2.69 (s,3H)。MS (EI,m/z):397.2 [M-H]-
【0121】
実施例13
2-(2-シアノ-3'-メトキシジフェニル-4-イル)-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸(19)の合成
【化25】
【0122】
化合物13は実施例8における試験ステップB(1)に従って、3-メトキシベンゼンホウ酸と反応し、そして、実施例1における試験ステップFの方法に従って、加水分解し、更に酸性化した後2-(2-シアノ-3'-メトキシジフェニル-4-イル)-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸(19)を取得する。
【0123】
1H NMR (DMSO-d6,400MHz) δ 8.50 (d,J = 2.0 Hz,1H),8.32 (dd,J = 2.0,8.0 Hz,1H),7.77 (d,J = 8.4 Hz,1H),7.48 (t,J = 8.0,1H),7.22〜7.12 (m,2H),7.10〜7.09 (m, 1H),3.85 (s,3H),2.70(s,1H)。MS (EI,m/z):397.2 [M-H]-
【0124】
実施例14
2-(2-シアノ-3'-トリフルオロメトキシジフェニル-4-イル)-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸(20)の合成
【化26】
【0125】
化合物13は実施例8における試験ステップB(1)に従って、3-トリフルオロメトキシベンゼンホウ酸と反応し、そして、実施例1における試験ステップFの方法に従って、加水分解し、更に酸性化した後2-(2-シアノ-3'-トリフルオロメトキシジフェニル-4-イル)-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸(20)を取得する。
【0126】
1H NMR (DMSO-d6,400MHz) δ 8.52 (s,1H),8.34 (dd,J = 2.0,8.0 Hz,1H),7.81〜7.69 (m,4H),7.55 (d,J = 2.4 Hz,1H),2.69 (s,3H)。MS (EI,m/z):451.2 [M-H]-
【0127】
実施例15
2-(2-シアノ-4'-クロロジフェニル-4-イル)-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸(21)の合成
【化27】
【0128】
化合物13は実施例8における試験ステップB(1)に従って、4-クロロベンゼンホウ酸と反応し、そして、実施例1における試験ステップFの方法に従って、加水分解し、更に酸性化した後2-(2-シアノ-4'-クロロジフェニル-4-イル)-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸(21)を取得する。
【0129】
1H NMR (DMSO-d6,400MHz) δ 8.51 (d,J = 2.0 Hz,1H),8.33 (dd,J = 2.0,8.0 Hz,1H),7.76 (d,J = 8.0,1H),7.71〜7.64 (m,4H),2.69(s,3H)。MS (EI,m/z):401.1 [M-H]-
【0130】
実施例16
2-(2-シアノ-3',4'-二フルオロジフェニル-4-イル)-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸(22)の合成
【化28】
【0131】
化合物13は実施例8における試験ステップB(1)に従って、3,4-ジフルオロベンゼンホウ酸と反応し、そして、実施例1における試験ステップFの方法に従って、加水分解し、更に酸性化した後2-(2-シアノ-3',4'-二フルオロジフェニル-4-イル)-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸(22)を取得する。
【0132】
1H NMR (DMSO-d6,400MHz) δ 8.45 (s,1H),8.28 (dd,J = 2.0,8.0 Hz,1H),7.84〜7.74 (m,2H),7.69〜7.62 (m,1H),7.55〜7.51 (m,1H),2.68 (s,3H)。MS (EI,m/z):403.1 [M-H]-
【0133】
実施例17
2-(2-シアノ-2',3',4',5',6'-五重水素化ジフェニル-4-イル)-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸(23)の合成
【化29】
【0134】
化合物13は実施例8における試験ステップB(1)に従って、2,3,4,5,6-五重水素化ベンゼンホウ酸と反応し、そして、実施例1における試験ステップFの方法に従って、加水分解し、更に酸性化した後2-(2-シアノ-2',3',4',5',6'-五重水素化ジフェニル-4-イル)-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸(23)を取得する。
【0135】
1H NMR (DMSO-d6,400MHz) δ 8.50 (d,J = 1.6 Hz,1H),8.33 (dd,J = 1.6,8.4 Hz,1H),7.76 (d,J = 8.4 Hz,1H),2.69 (s,3H)。MS (EI,m/z):372.2 [M-H]-
【0136】
実施例18
2-(2-シアノ-2'-メトキシジフェニル-4-イル)-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸(24)の合成
【化30】
【0137】
化合物13は実施例8における試験ステップB(1)に従って、2-メトキシベンゼンホウ酸と反応し、炭酸セシウムで炭酸カリウムを置換する。そして、実施例1における試験ステップFの方法に従って、加水分解し、更に酸性化した後2-(2-シアノ-2'-メトキシジフェニル-4-イル)-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸(24)を取得する。
【0138】
1H NMR (DMSO-d6,400MHz) δ 8.44 (d,J =2.0 Hz,1H),8.30 (dd,J = 2.0,8.4 Hz,1H),7.63 (d, J = 8.0 Hz,1H),7.53〜7.48 (m,1H),7.34 (dd,J = 2.0,7.2 Hz,1H),7.21 (d,J =8.0 Hz,1H),7.13〜7.09 (m,1H),3.80 (s,3H),2.69 (s,3H)。MS (EI,m/z):397.1[M-H]-
【0139】
実施例19
2-(2-シアノ-2',4'-ジメトキシジフェニル-4-イル)-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸(25)の合成
【化31】
【0140】
化合物13は実施例8における試験ステップB(1)に従って、2,4-ジメトキシベンゼンホウ酸と反応し、炭酸セシウムで炭酸カリウムを置換する。そして、実施例1における試験ステップFの方法に従って、加水分解し、更に酸性化した後2-(2-シアノ-2',4'-ジメトキシジフェニル-4-イル)-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸(25)を取得する。
【0141】
1H NMR (DMSO-d6,400MHz) δ 8.40 (d,J = 1.6 Hz,1H),8.26 (dd,J = 1.6,8.0 Hz,1H),7.59 (d,J = 8.4 Hz,1H),7.27 (d,J = 8.4 Hz,1H),6.75〜6.68 (m,2H),3.85 (s,3H),3.80 (s,3H),2.69 (s,3H)。MS (EI,m/z):427.2 [M-H]-
【0142】
実施例20
2-[3-シアノ-4-(1-ナフチル)-フェニル]-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸(26)の合成
【化32】
【0143】
化合物13は実施例8における試験ステップB(1)に従って、1-ナフタレンホウ酸と反応し、そして、実施例1における試験ステップFの方法に従って、加水分解し、更に酸性化した後2-[3-シアノ-4-(1-ナフチル)-フェニル]-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸(26)を取得する。
【0144】
1H NMR (DMSO-d6,400MHz) δ 8.60 (d,J = 2.0 Hz,1H),8.40 (dd,J = 2.0,8.0 Hz,1H),8.13〜8.07 (m,2H),7.76〜7.54 (m,6H),2.72 (s,3H)。MS (EI,m/z):417.3 [M-H]-
【0145】
実施例21
2-[3-シアノ-4-(4-ピリジル)-ベンゼン-4-イル]-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸(27)の合成
【化33】
【0146】
化合物13(110 mg、0.235 mmol)、4-ピリジンホウ酸(86.8 mg、0.706 mmol)、臭化リチウム(102 mg、1.17 mmol)及び炭酸ナトリウム(40 mg、0.377 mmol)を含む混合物に1, 4-ジオキサン(8 mL)及び水(2 mL)を添加し、そして、テトラ(トリフェニルホスフィン)パラジウム(20 mg、0.017 mmol)を添加し、該反応液を窒素ガスの保護で還流するまで昇温し、一晩撹拌する。室温まで冷却し、セライトパッドで濾過し、濾液をシリカゲルカラム(200〜300メッシュのシリカゲル、酢酸エチル/石油エーテル=1/15で溶出する)で精製し、得られた製品が実施例1における試験ステップFの方法に従って、加水分解し、更に酸性化した後2-[3-シアノ-4-(4-ピリジル)-ベンゼン-4-イル]-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸(27)を取得する。
【0147】
1H NMR (DMSO-d6,400MHz) δ 8.81(s,2H),8.58(d,J = 2.0 Hz,1H),8.40(dd,J = 2.0,8.0 Hz,1H),7.84(d,J = 8.0 Hz,1H),7.71(d,J = 5.6 Hz,2H),2.70(s,3H)。MS (EI,m/z):368.1[M-H]-
【0148】
実施例22
2-[3-シアノ-4-(3-ピリジル)-ベンゼン-4-イル]-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸(28)の合成
【化34】
【0149】
化合物13は実施例21の操作ステップに従って、1-ナフタレンホウ酸と反応し、そして、実施例1における試験ステップFの方法に従って、加水分解し、更に酸性化した後2-[3-シアノ-4-(3-ピリジル)-ベンゼン-4-イル]-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸(28)を取得する。
【0150】
1H NMR (DMSO-d6,400MHz) δ 8.74 (s,1H),8.73 (d,J = 5.2 Hz,1H),8.55 (d,J = 1.6 Hz,1H),8.36 (dd,J = 2.0,8.0 Hz,1H),8.14〜8.11 (m,1H),7.83 (d,J = 8.0 Hz,1H),7.61 (dd,J = 4.8,8.0 Hz,1H),2.70 (s,3H)。MS (EI,m/z):368.1[M-H]-
【0151】
実施例23
2-[2-シアノ-4'-(1,2-重水素化エチル)-ジフェニル-4-イル]-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸(30)の合成
【化35】
【0152】
ステップA:化合物13(110 mg、0.235 mmol)、4-ビニールベンゼンホウ酸(39 mg、0.264 mmol)及び無水炭酸カリウム(53 mg、0.384 mmol)を含む混和物にトルエン(10 mL)及びテトラ(トリフェニルホスフィン)パラジウム(20 mg、0.017 mmol)を添加し、該反応液を窒素ガスの保護で110℃に昇温し一晩撹拌する。室温まで冷却し、セライトパッドで濾過し、濾液をシリカゲルカラム(200〜300メッシュのシリカゲル、酢酸エチル/石油エーテル=1/20で溶出する)で精製し、2-(2-シアノ-4'-ビニール-ジフェニル-4-イル)-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸エチル(29)を取得する。
【0153】
ステップB:化合物29をTHF(10 mL)及び重水(1 mL)に溶解し、5%パラジウム炭素(20 mg)を添加し、混合物を重水素ガスに常圧で24時間重水素化反応する。珪藻土で濾過し、濾液は減圧下で溶剤を蒸発させる。実施例1における試験ステップFの方法に従って、加水分解し、更に酸性化した後2-[2-シアノ-4'-(1,2-重水素化エチル)-ジフェニル-4-イル]-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸(30)を取得する。
【0154】
1H NMR (DMSO-d6,400MHz) δ 8.48 (d,J = 2.0 Hz,1H),8.31 (dd,J = 2.0,8.4 Hz,1H),7.75 (d,J = 8.4 Hz,1H),7.58 (d,J = 8.4 Hz,2H),7.41 (d,J = 8.4 Hz,2H),2.70〜2.68 (m,4H),1.23 (t,J = 4.0 Hz,2H)。MS (EI,m/z):397.2 [M-H]-
【0155】
実施例24
2-(2-シアノ-6-重水素化ジフェニル-4-イル)-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸(35)の合成
【化36】
【0156】
ステップA:氷水浴で化合物4(250 mg、0.745 mmol)、メタノール(8 mL)及びトリエチルアミン(1mL)の混合物に数回でNBS(160 mg、0.898 mmol)を添加し、添加し終わった後、得られた混合物を撹拌して1時間反応する。溶剤を減圧下で蒸発させ、得られた産物を酢酸エチル(25 mL)に溶解し、不溶物を濾過により除去し、洗浄し、pH値を2〜3に調整し、濾過し、収集した固体は直接に次の反応に利用される。
【0157】
ステップB:前の反応で得られた製品をDMF(3 mL)に溶解し、無水炭酸カリウム(240 mg、1.739 mmol)及び臭化ベンジル(159 mg、0.930 mmol)を添加し、得られた混合物を60℃に昇温し約20分間反応した後、更にDMF(5 mL)を添加し、保温で2時間反応する。室温まで冷却し、水(45 mL)を添加して希釈し、濾過し、濾過ケーキを乾燥させた後直接に次の反応に利用される。
【0158】
ステップC:前の反応で得られた製品をDMF(10 mL)及び重水(1 mL)に溶解し、5%パラジウム炭素(30 mg)を添加し、得られた混合物を重水素ガスに常圧で24時間重水素化反応し、セライトパッドで濾過し、濾液は減圧下で溶剤を蒸発させ、2-(3-シアノ-4-ヒドロキシ-5-重水素化-フェニル)-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸エチル(33)(102 mg)を取得し、3つのステップの反応の全収率:40.6%である。
【0159】
ステップD:化合物33(102 mg、0.302 mmol)をジクロロメタン(10 mL)に溶解し、DMAP(4 mg、0.033 mmol)及びピリジン(0.1 mL)を添加し、そして、氷水浴でトリフルオロメタンスルホン酸無水物(257 mg、0.910 mmol)を滴下添加し、該反応液を氷水浴で続いて1時間撹拌する。大部分のジクロロメタンを減圧下で蒸発させ、そして、水(10 mL)を添加し、酢酸エチルで(10 mL×3)抽出し、合わせた有機相を2M希塩酸(10 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムを乾燥させる。溶剤を減圧下で蒸発させ、産物をシリカゲルカラム(200〜300メッシュのシリカゲル、酢酸エチル/石油エーテル=1/20で溶出する)で精製し、2-(3-シアノ-4-トリフルオロメタンスルホニル-5-重水素化フェニル)-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸エチル(34)(70 mg)を取得し、収率:49.5%である。
【0160】
ステップE:化合物34(70 mg、0.149 mmol)、ベンゼンホウ酸(33.5 mg、0.275 mmol)及び無水炭酸カリウム(33.7 mg、0.244 mmol)を含む混合物にトルエン(10 mL)及びテトラ(トリフェニルホスフィン)パラジウム(20 mg、0.017 mmol)を添加し、該反応液は窒素ガスの保護で110℃に昇温し一晩撹拌する。反応液を室温まで冷却し、セライトパッドで濾過し、濾液をシリカゲルカラム(200〜300メッシュのシリカゲル、酢酸エチル/石油エーテル=1/20で溶出する)で精製し、得られた製品が実施例1における試験ステップFの方法に従って、加水分解し、酸性化して2-(2-シアノ-6-重水素化ジフェニル-4-イル)-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸(35)を取得する。
【0161】
1H NMR (DMSO-d6,400MHz) δ 8.50 (s,1H),8.33 (s,1H),7.69〜7.56 (m,5H),2.69 (s,3H)。MS (EI,m/z):368.2 [M-H]-
【0162】
実施例25
2-(3-シアノ-4-イソプロピルチオフェニル)-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸(37)の合成
【化37】
【0163】
ステップA:窒素ガスの保護で、三つ口フラスコAに1, 4-ジオキサン(4 mL)、イソプロピルメルカプタン(27 mg、0.355 mmol)及びジイソプロピルエチルアミン(61 mg、0.472 mmol)を順次添加し、混合液は室温で40分間撹拌する。他の三つ口フラスコBに1, 4-ジオキサン(6 mL)、化合物13(110 mg、0.235 mmol)、Pd2(dba)3-(11 mg、0.012 mmol)及び4,5-ビスジフェニルホスフィノ-9,9-ジメトキシキサンテン(13.7 mg、0.0236 mmol)を添加し、該混合液は窒素ガスの保護で20分間撹拌し、そして、注射器により三つ口フラスコBでの混合液を上記三つ口フラスコAに転移する。得られた混合物を還流下で一晩撹拌する。反応液を室温まで冷却した後、酢酸エチル(40 mL)を添加し、水(10 mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムを乾燥させる。シリカゲルカラム(200〜300メッシュのシリカゲル、酢酸エチル/石油エーテル=1/20で溶出する)により精製した後2-(3-シアノ-4-イソプロピルチオフェニル)-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸エチル(36)を取得する。
【0164】
1H NMR (CDCl3,400MHz) δ 8.17 (d,J = 2.0 Hz,1H),8.03 (dd,J = 2.0,8.4 Hz,1H),7.51 (d,J = 8.4 Hz,1H),4.36 (q,J = 7.2 Hz,2H),3.71〜3.63 (m,1H),2.79 (s,3H),1.43〜1.39 (m,9H)。
【0165】
ステップB:化合物36は実施例1における試験ステップFの方法に従って、加水分解し、更に酸性化した後2-(3-シアノ-4-イソプロピルチオフェニル)-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸(37)を取得する。
【0166】
1H NMR (DMSO-d6,400MHz) δ 8.36 (d,J = 1.6 Hz,1H),8.19 (dd,J = 1.6,8.4 Hz,1H),7.71 (d,J = 8.4 Hz,1H),3.88〜3.81 (m,1H),2.67 (s,3H),1.35 (d,J = 6.4 Hz,6H)。MS (EI,m/z):365.1 [M-H]-
【0167】
実施例26
2-(3-シアノ-4-イソブチルチオフェニル)-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸(38)の合成
【化38】
【0168】
化合物13は実施例25における試験ステップAに従って、イソブトキシチオールと反応し、そして、実施例1における試験ステップFの方法に従って、加水分解し、更に酸性化した後2-(3-シアノ-4-イソブチルチオフェニル)-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸(38)を取得する。
【0169】
1H NMR (DMSO-d6,400MHz) δ 8.33 (d,J = 2.0 Hz,1H),8.16 (dd,J = 2.0,8.4 Hz,1H),7.64 (d,J = 8.4 Hz,1H),3.09 (d,J = 6.4 Hz,2H),2.67 (s,3H),1.94〜1.86 (m,1H),1.04 (d,J = 6.8 Hz,6H)。MS (EI,m/z):379.2 [M-H]-
【0170】
実施例27
2-[3-シアノ-4-(4-クロロベンゼンチオ)-フェニル]-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸(39)の合成
【化39】
【0171】
化合物13は実施例25における試験ステップAに従って、4-クロロチオフェノールと反応し、そして、実施例1における試験ステップFの方法に従って、加水分解し、更に酸性化した後2-[3-シアノ-4-(4-クロロベンゼンチオ)-フェニル]-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸(39)を取得する。
【0172】
1H NMR (DMSO-d6,400MHz) δ 8.44 (d,J = 2.0 Hz,1H),8.15 (dd,J = 2.0,8.4 Hz,1H),7.85〜7.84 (m,4H),7.24 (d,J = 8.4 Hz,1H),2.65 (s,3H)。MS (EI,m/z):433.1 [M-H]-
【0173】
実施例28
2-[3-シアノ-4-(3-トリフルオロメチルフェニルチオ基)-フェニル]-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸(40)の合成
【化40】
【0174】
化合物13は実施例25における試験ステップAに従って、3-トリフルオロメチルチオフェノールと反応し、そして、実施例1における試験ステップFの方法に従って、加水分解し、更に酸性化した後2-[3-シアノ-4-(3-トリフルオロメチルフェニルチオ基)-フェニル]-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸(40)を取得する。
【0175】
1H NMR (DMSO-d6,400MHz) δ 8.49 (d,J = 2.0 Hz,1H),8.20 (dd,J = 2.0,8.4 Hz,1H),7.91 (s,1H),7.86〜7.71 (m,3H),7.36 (d,J = 8.4Hz,1H),2.66 (s,3H)。MS (EI,m/z):467.1 [M-H]-
【0176】
実施例29
2-[3-シアノ-4-(2-ピリジルチオ)-フェニル]-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸(41)の合成
【化41】
【0177】
化合物13は実施例25における試験ステップAに従って、2-メルカプトピリジンと反応し、そして、実施例1における試験ステップFの方法に従って、加水分解し、更に酸性化した後2-[3-シアノ-4-(2-ピリジルチオ)-フェニル]-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸(41)を取得する。
【0178】
1H NMR (DMSO-d6,400MHz) δ 8.54 (s,1H),8.45〜8.43 (m,1H),8.29 (dd,J = 2.0,8.0 Hz,1H),7.85〜7.77 (m,2H),7.39 (d,J = 8.0 Hz,1H),7.31〜7.27 (m,1H),2.69 (s,3H)。MS (EI,m/z):400.3 [M-H]-
【0179】
実施例30
2-(3-シアノ-4ベンジルチオ-フェニル)-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸(42)の合成
【化42】
【0180】
化合物13は実施例25における試験ステップAに従って、2-メルカプトメチルベンゼンと反応し、そして、実施例1における試験ステップFの方法に従って、加水分解し、更に酸性化した後2-(3-シアノ-4ベンジルチオ-フェニル)-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸(42)を取得する。
【0181】
1H NMR (DMSO-d6,400MHz) δ 8.35 (d,J = 2.0 Hz,1H),8.16 (dd,J =2.0,8.4 Hz,1H),7.73 (d,J = 8.4 Hz, 1H),7.47〜7.29 (m,5H),4.51 (s,2H),2.65 (s,3H)。MS (EI,m/z):413.3 [M-H]-
【0182】
実施例31
2-(3-シアノ-4-イソプロピルスルホン-フェニル)-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸(43)の合成
【化43】
【0183】
化合物36(80 mg、0.203 mmol)を酢酸(5 mL)に溶解し、過酸化水素(1.5 mL)を添加し、そして、室温で一晩撹拌する。反応液に水(20 mL)を添加して希釈し、濾過して濾過ケーキを収集する。得られた製品が実施例1における試験ステップFの方法に従って、加水分解し、更に酸性化した後2-(3-シアノ-4-イソプロピル-フェニルスルホン)-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸(43)を取得する。
【0184】
1H NMR (DMSO-d6,400MHz) δ 13.56 (s,1H),8.71 (d,J = 2.0 Hz,1H),8.52 (dd,J = 2.0,8.4 Hz,1H),8.17 (d,J = 8.4 Hz,1H),3.65 (t,J = 6.8 Hz,1H),2.71 (s,3H),1.26 (d,J = 6.8 Hz,6H)。MS (EI,m/z):397.1 [M-H]-
【0185】
実施例32
2-(3-シアノ-4-モルホリノ-4-イル-フェニル)-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸(44)の合成
【化44】
【0186】
化合物13(100 mg、0.214 mmol)をモルホリン(3 mL)に添加し、得られた反応液を80℃に昇温し、15分間撹拌した後室温まで冷却し、水(20 mL)を添加して希釈し、濾過して濾過ケーキを収集する。得られた製品が実施例1における試験ステップFの方法に従って、加水分解し、更に酸性化した後2-(3-シアノ-4-モルホリノ-4-イル-フェニル)-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸(44)を取得する。
【0187】
1H NMR (DMSO-d6,400MHz) δ 8.24 (d,J = 2.0 Hz,1H),8.13 (dd,J = 2.0,8.8 Hz,1H),7.22 (d,J = 8.8 Hz,1H),3.78 (d,J = 4.0 Hz,4H),3.31 (d,J = 4.0 Hz,4H),2.64 (s,3H)。MS (EI,m/z):367.2 [M-H]-
【0188】
実施例33
2-[3-シアノ-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル]-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸(45)の合成
【化45】
【0189】
化合物13は実施例32における試験ステップに従って、メチルピペリジンと反応し、そして、実施例1における試験ステップFの方法に従って、加水分解し、更に酸性化した後2-[3-シアノ-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル]-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸(45)を取得する。
【0190】
1H NMR (DMSO-d6,400MHz) δ 8.30 (d,J = 2.0 Hz,1H),8.16 (dd,J = 2.0,8.8 Hz,1H),7.32 (d,J = 8.8 Hz,1H),3.65〜3.14 (m,8H),2.81 (s,3H),2.64 (s,3H)。MS (EI,m/z):389.1 [M-H]-
【0191】
実施例34
2-{3-シアノ-4-(6,7-ジヒドロ-テトラヒドロ-チオフェン[3,2-c]ピリジル)-フェニル}-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸(46)の合成
【化46】
【0192】
4,5,6,7-テトラヒドロ-チオフェン[3,2-c]ピリジン塩酸塩(173 mg、0.984 mmol)をDMF(5 mL)に溶解し、化合物13(100 mg、0.214 mmol)及びジイソプロピルエチルアミン(138 mg、1.067 mmol)を添加し、そして、90℃に昇温して40分間撹拌する。室温まで冷却し、水(30 mL)に注入して、そして、酢酸エチルで(15 mL×3)抽出し、有機相を水(10 mL×2)で洗浄し、溶剤を減圧下で蒸発させ、産物をシリカゲルカラム(200〜300メッシュのシリカゲル、酢酸エチル/石油エーテル=1/15で溶出する)で精製する。得られた産物は実施例1における試験ステップFの方法に従って、加水分解し、更に酸性化した後2-{3-シアノ-4-(6,7-ジヒドロ--テトラヒドロ-チオフェン[3,2-c]ピリジル)-フェニル}-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸(46)を取得する。
【0193】
1H NMR (DMSO-d6,400MHz) δ 8.25 (d,J = 2.4 Hz,1H),8.11 (d,J = 2.4,8.8 Hz,1H),7.39 (d,J = 5.2 Hz,1H),7.26 (d,J = 5.2 Hz,1H),6.93 (d,J = 5.2 Hz,1H),4.45 (s,2H),3.78 (t,J = 5.2 Hz,2H),3.03 (t,J = 5.2 Hz,2H),2.64 (s,3H)。MS (EI,m/z):428.2 [M-H]-
【0194】
実施例35
2-(3-シアノ-4-ジメチルアミノ-フェニル)-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸(47)の合成
【化47】
【0195】
化合物13(150 mg、0.321 mmol)をDMF(4.5 mL)に溶解し、そして、30%のジメチルアミン水溶液(1.5 mL)を添加し、反応液を室温で2時間撹拌した後水(20 mL)を添加して希釈し、酢酸エチルで(10 mL×3)抽出し、有機相を水(10 mL×2)で洗浄し、溶剤を減圧下で蒸発させ、産物をシリカゲルカラムで精製(200〜300メッシュのシリカゲル、酢酸エチル/石油エーテル=1/15で溶出する)する。得られた製品が実施例1における試験ステップFの方法に従って、加水分解し、更に酸性化した後2-(3-シアノ-4-ジメチルアミノ-フェニル)-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸(47)を取得する。
【0196】
1H NMR (DMSO-d6,400MHz) δ 8.10 (d,J = 2.4 Hz,1H),7.98 (dd,J = 2.4,9.2 Hz,1H),7.03 (d,J =9.2 Hz,1H),3.15 (s,6H),2.63 (s,3H)。MS (EI,m/z):334.2 [M-H]-
【0197】
実施例36
2-(3-塩素-4-イソブトキシフェニル)-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸(51)の合成
【化48】
【0198】
ステップA:0〜10℃で、無水エタノール(36 mL)をセレン粉末(3.3 g、41.8 mmol)及び水素化ホウ素ナトリウム(1.73 g、45.8 mmol)の混合物にゆっくりと滴下し、添加し終わった後、室温に昇温し、続いて30分間撹拌し、そして、含有3-塩素-4-ヒドロキシベンゾニトリル(1.6 g、10.4 mmol)のピリジン(8.3 mL)溶液を添加し、反応液を還流するまで昇温し、更に、2M塩酸溶液(21 mL)をゆっくりと滴下し、添加し終わった後、続いて還流して1時間撹拌し、TLC分析により反応終了を確認する。反応液を室温まで冷却し、水(100 mL)を添加して希釈し、酢酸エチルで(30 mL×3)抽出し、合わせた有機相をそれぞれ2M塩酸(15 mL×2)及び飽和食塩水(20 mL)で洗浄する。溶剤を減圧下で蒸発させ、3-塩素-4-ヒドロキシセレノベンズアミド(49)(2.4 g)を取得し、収率:98.1%である。
【0199】
ステップB:化合物49(2.4 g、10.2 mmol)をエタノール(25 mL)に溶解し、2-クロロアセチル酢酸エチル(2.04 g、12.4 mmol)を添加し、混合液を還流するまで昇温し続いて2時間撹拌し、TLC分析により反応終了を確認する。反応液を室温まで冷却し、濾過し、乾燥させ、2-(3-塩素-4-ヒドロキシフェニル)-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸エチル(50)(3.1 g)を取得し、収率:88.1%である。
【0200】
ステップC:化合物50(80 mg、0.232 mmol)をDMF(5 mL)に溶解し、そして、ヨウ化カリウム(8.0 mg、0.048 mmol)、無水炭酸カリウム(42.6 mg、0.309 mmol)及びブロモイソブタン(49.4 mg、0.361 mmol)を添加し、70℃に昇温して一晩撹拌する。室温まで冷却し、水(20 mL)を添加して希釈し、濾過し、濾過ケーキをシリカゲルカラム(200〜300メッシュのシリカゲル、酢酸エチル/石油エーテル=1/15で溶出する)で精製する。得られた製品を実施例1における試験ステップFの方法に従って、加水分解し、更に酸性化した後2-(3-塩素-4-イソブトキシフェニル)-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸(51)を取得する。
【0201】
1H NMR (DMSO-d6,400MHz) δ 13.24 (s,1H),7.99 (s,1H),7.88 (d,J = 8.8 Hz,1H),7.24 (d,J =8.8 Hz,1H),3.93 (d,J = 6.4 Hz,2H),2.64 (s,3H),2.12〜2.05 (m,1H),1.02 (d,J = 6.8 Hz,6H)。MS (EI,m/z):372.1 [M-H]-
【0202】
実施例37
2-(3-トリフルオロメチル-4-イソブトキシフェニル)-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸(55)の合成
【化49】
【0203】
化合物3-トリフルオロメチル-4-ヒドロキシベンゾニトリルは実施例32における試験ステップAに従って、セレノアミドを調製し、そして、実施例32における試験ステップBに従って、閉環反応し、更に実施例32における試験ステップCに従って、ブロモイソブタンと反応し、最後、実施例1における試験ステップFの方法に従って、加水分解し、更に酸性化した後2-(3-トリフルオロメチル-4-イソブトキシフェニル)-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸(55)を取得する。
【0204】
1H NMR (DMSO-d6,400MHz) δ 8.18 (dd,J = 2.4,8.8 Hz,1H),8.13 (d,J = 2.4 Hz,1H),7.36 (d,J = 9.2 Hz,1H),3.99 (d,J = 6.0 Hz,2H),2.65 (s,3H),2.10〜2.03 (m,1H),1.01 (d,J = 6.8 Hz,6H)。MS (EI,m/z):406.3 [M-H]-
【0205】
実施例38
2-[3-シアノ-4-(イソプロピル硫化メチル)-フェニル]-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸(62)の合成
【化50】
【0206】
ステップA:濃硫酸(20 mL)を水(20 mL)に滴下し、硫酸溶液を調製し、そして、0〜5℃で、4-メチルベンゾニトリル(5.86 g、50.0 mmol)及びNBS(8.9 g、50.0 mmol)を添加し、得られた混合物を室温で遮光するように一晩撹拌する。濾過し、濾過ケーキを酢酸エチル(150 mL)で溶解し、それぞれ水(30 mL×2)、炭酸水素ナトリウム水溶液(30 mL)、飽和食塩水(20 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムを乾燥させる。溶剤を減圧下で蒸発させ、3-ブロモ-4-メチルベンゾニトリル(57)(6.78 g)を取得し、収率:69.2%である。
【0207】
1H NMR (CDCl3,400MHz) δ 7.84 (d,J = 1.6 Hz,1H),7.52 (dd,J = 1.6,8.0 Hz,1H),7.35 (d,J = 8.0 Hz,1H)。
【0208】
ステップB:化合物57(804 mg、4.04 mmol)を四塩化炭素(8 mL)に溶解し、そして、NBS(730 mg、4.10 mmol)及び過酸化ベンゾイル(7 mg、0.0289 mmol)を添加し、得られた混合物を窒素ガスの保護で還流するまで加熱して一晩撹拌する。室温まで冷却し、不溶物を濾過により除去し、溶剤を減圧下で蒸発させ、そして、酢酸エチル(30 mL)で溶解し、それぞれ水(10 mL)及び飽和食塩水(10 mL)で洗浄する。溶剤を減圧下で蒸発させ、そして、シリカゲルカラム(20〜300メッシュのシリカゲル、酢酸エチル/石油エーテル=1/35で溶出する)で精製し、3-ブロモ-4-ブロモメチルベンゾニトリル(58)(583 mg)を取得し、収率:52.5%である。
【0209】
ステップC:化合物58(275 mg、1.0 mmol)をDMF(5 mL)に溶解し、0〜10℃まで冷却し、炭酸セシウム(652 mg、2.0 mmol)及びイソプロピルメルカプタン(114 mg、1.5 mmol)を添加し、室温に昇温して2時間撹拌し、TLC分析により反応終了を確認する。反応液に水(30 mL)を添加し、酢酸エチル(15 mL×3)で抽出し、合わせた有機相を更に水(10 mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムを乾燥させる。溶剤を減圧下で蒸発させ、油状物3-ブロモ-4-イソプロピルチオメチルベンゾニトリル(59)(278 mg)を取得し、収率:100%である。
【0210】
ステップD: 0〜10℃で、無水エタノール(10 mL)をセレン粉末(340 mg、4.306 mmol)及び水素化ホウ素ナトリウム(178 mg、4.709 mmol)にゆっくりと滴下し、添加し終わった後、室温に昇温して、続いて30分間撹拌する。そして、化合物59(270 mg、1.0 mmol)を含むピリジン (1.5 mL)溶液を添加し、還流するまで昇温し、更に、2M塩酸溶液(10 mL)をゆっくりと滴下する。添加し終わった後、続いて還流して1時間撹拌し、TLC分析により反応終了を確認する。室温まで冷却し、水(30 mL)を添加して希釈し、酢酸エチルで(15 mL×3)抽出し、合わせた有機相をそれぞれ2M塩酸(15 mL)及び飽和食塩水(15 mL)で洗浄し、溶剤を減圧下で蒸発させ、3-ブロモ-4-イソプロピルチオメチルセレノベンズアミド(60)を取得し、該産物は直接に次の反応に利用される。
【0211】
ステップE:化合物60をエタノール(10 mL)に溶解し、2-クロロアセチル酢酸エチル(248 mg、1.506 mmol)を添加し、還流するまで昇温し2時間撹拌する。エタノールを減圧下で蒸発させ、そして、シリカゲルカラム(200〜300メッシュのシリカゲル、酢酸エチル/石油エーテル=1/20で溶出する)で精製し、2-(3-ブロモ-4-イソプロピルチオメチルフェニル)-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸エチル(61)(118 mg)を取得し、2つのステップの反応の全収率:25.6%である。
【0212】
ステップF:化合物61(115 mg、0.249 mmol)をN-メチルピロリドン(6 mL)に溶解し、シアン化第一銅(40 mg、0.446 mmol)を添加し、そして、窒素ガスの保護で還流するまで昇温し6時間撹拌する。溶剤を減圧下で蒸発させ、そして、シリカゲルカラム(200〜300メッシュのシリカゲル、酢酸エチル/石油エーテル=1/15で溶出する)で精製し、2-(3-シアノ-4-イソプロピルチオメチルフェニル)-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸エチルを取得する。
【0213】
1H NMR (CDCl3,400MHz) δ 8.16(d,J = 1.6 Hz,1H),7.83 (dd,J = 1.6,8.0 Hz,1H),7.50(d,J = 8.0 Hz,1H),4.36(q,J = 6.8 Hz,2H),3.90 (s,2H),2.95〜2.89 (m,1H),2.81(s,3H),1.40 (t,J = 2.8 Hz,3H),1.30 (d,J = 10.0 Hz,6H)。
【0214】
該エステルを実施例1における試験ステップFの方法に従って、加水分解し、更に酸性化した後2-(3-シアノ-4-イソプロピルチオメチルフェニル)-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸(62)を取得する。
【0215】
1H NMR (DMSO-d6,400MHz) δ 8.38 (d,J = 2.0 Hz,1H),8.22 (dd,J = 2.0,8.4 Hz,1H),7.70 (d,J =8.4 Hz,1H),3.98 (s,2H),2.90〜2.83 (m,1H),2.67 (s,3H),1.23 (d,J = 6.8 Hz,6H)。MS (EI,m/z):379.1[M-H]-
【0216】
実施例39
2-[3-ブロモ-4-(アニリンホルミル)-フェニル]-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸(67)の合成
【化51】
【0217】
ステップA:化合物58(2.6 g、9.46 mmol)を1, 4-ジオキサン(20 mL)及び水(20 mL)に溶解し、そして、炭酸カルシウム(4.3 g、43 mmol)を添加し、還流まで加熱して一晩撹拌する。室温まで冷却し、水(40 mL)を添加し、酢酸エチル(30 mL×3)で抽出し、合わせた有機相をショートシリカゲルパッドで濾過し、溶剤を減圧下で蒸発させ、3-ブロモ-4-ヒドロキシメチルベンゾニトリル(63)(1.8 g)を取得し、収率:89.7%である。
【0218】
ステップB: 0〜10℃で、無水エタノール(27 mL)をセレン粉末(2.7 g、34.2 mmol)及び水素化ホウ素ナトリウム(1.57 g、41.5 mmol)の混合物にゆっくりと滴下し、添加し終わった後、室温に昇温し続いて30分間撹拌し、そして、3-ブロモ-4-イソプロピルチオメチルベンゾニトリル63(1.8 g、8.49 mmol)を含むピリジン (7.2 mL) 溶液を添加し、還流するまで昇温し、更に、2M塩酸溶液(18 mL)をゆっくりと滴下し、添加し終わった後、続いて還流して1時間撹拌し、TLC分析により反応終了を確認する。室温まで冷却し、適量の水を添加し、そして、酢酸エチル(30 mL×3)で抽出し、有機相をそれぞれ2M塩酸(20 mL)及び飽和食塩水(20 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムを乾燥させる。溶剤を減圧下で蒸発させ、ピンク色3-ブロモ-4-ヒドロキシメチルセレノベンズアミド(64)(1.98 g)を取得し、収率:79.6%である。
【0219】
ステップC:化合物64(293 mg、1.0 mmol)をエタノール(10 mL)に溶解し、2-クロロアセチル酢酸エチル(197 mg、1.20 mmol)を添加し、1.5時間昇温還流する。TLC分析により反応終了を確認する。室温まで冷却し、適量の水を滴下添加し、濾過し、2-(3-ブロモ-4-ヒドロキシメチルフェニル)-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸エチル化合物(65)(340 mg)を取得し、収率:84.3%である。
【0220】
ステップD:化合物65(200 mg、0.496 mmol)をアセトン(5 mL)に溶解し、そして、過マンガン酸カリウム(158 mg、1.0 mmol)を添加し、室温で2時間撹拌した後、亜硫酸水素ナトリウム水溶液で急冷し、適量の水を添加し、不溶物を濾過により除去し、濾液を酢酸エチル(20 mL×2)で抽出し、水相は2 M塩酸でpH値を3〜4に調整し、濾過し、2-(3-ブロモ-4-カルボキシルフェニル)-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸エチル(66)(168 mg)を取得し、収率:81.2%である。
【0221】
ステップE:化合物66(147 mg、0.352 mmol)をジクロロメタン(10 mL)に溶解し、そして、塩化チオニル(168 mg、1.41 mmol)を添加し、還流するまで昇温し3時間撹拌し、溶剤を減圧下で蒸発させる。そして、ジクロロメタン(10 mL)を添加し、氷水浴の冷却でトリエチルアミン(107 mg、1.059 mmol)及びアニリン(33 mg、0.354 mmol)を添加し、氷浴を除去し、室温で1時間撹拌する。反応液を適量の水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムを乾燥させる。溶剤を減圧下で蒸発させ、産物をシリカゲルカラム(200〜300メッシュのシリカゲル、酢酸エチル/石油エーテル=1/15で溶出する)で精製する。得られた産物は実施例1における試験ステップFの方法に従って、加水分解し、更に酸性化した後2-[3-ブロモ-4-(アニリンホルミル)-フェニル] -4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸(67)を取得する。
【0222】
1H NMR (DMSO-d6,400MHz) δ 10.62 (s,1H),8.26 (d,J = 1.6 Hz,1H),8.07 (dd,J = 1.6,8.0 Hz,1H),7.73〜7.67 (m,3H),7.37 (t,J =8.0 Hz,2H),7.14 (d,J = 8.0 Hz,1H),2.69 (s,3H)。MS (EI,m/z):435.1 [M+H]+
【0223】
実施例40
2-(2-シアノ-4'-トリフルオロメチルジフェニル-4-イル)-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸(68)の合成
【化52】
【0224】
化合物13は実施例8における試験ステップB(1)に従って、4-トリフルオロメトキシベンゼンホウ酸と反応し、そして、実施例1における試験ステップFの方法に従って、加水分解し、更に酸性化した後2-(2-シアノ-4'-トリフルオロメチルジフェニル-4-イル)-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸(68)を取得する。
【0225】
1H NMR (DMSO-d6,400MHz) δ 8.55 (d,J = 2.0 Hz,1H),8.38 (dd,J = 2.0,8.0 Hz,1H),7.95 (d,J = 8.0 Hz,2H),7.89 (d,J = 8.4 Hz,2H),7.82 (d,J = 8.4 Hz,1H),2.66 (s,3H)。MS (EI,m/z):434.8 [M-H]-
【0226】
実施例41
2-(2-シアノ-3'-トリフルオロメチルジフェニル-4-イル)-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸(69)の合成
【化53】
【0227】
試験の操作は実施例8におけるステップBを参照し、反応(1)において炭酸セシウムで炭酸カリウムを置換する。
【0228】
化合物13は実施例8における試験ステップB(1)に従って、3-トリフルオロメトキシベンゼンホウ酸と反応し、炭酸セシウムで炭酸カリウムを置換する。そして、実施例1における試験ステップFの方法に従って、加水分解し、更に酸性化した後2-(2-シアノ-3'-トリフルオロメチルジフェニル-4-イル)-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸(69)を取得する。
【0229】
1H NMR (DMSO-d6,400MHz) δ 8.55 (d,J = 2.0 Hz,1H),8.37 (dd,J = 2.0,8.4 Hz,1H),8.03〜7.81 (m,5H),2.70 (s,3H)。MS (EI,m/z):434.8 [M-H]-
【0230】
実施例42
2-(2-シアノ-3'-トリフルオロメチルジフェニル-4-イル)-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸(70)の合成
【化54】
【0231】
化合物13は実施例8における試験ステップB(1)に従って、2-トリフルオロメトキシベンゼンホウ酸と反応し、そして、実施例1における試験ステップFの方法に従って、加水分解し、更に酸性化した後2-(2-シアノ-3'-トリフルオロメチルジフェニル-4-イル)-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸(70)を取得する。
【0232】
1H NMR (DMSO-d6,400MHz) δ 8.34 (dd,J = 1.6,8.0 Hz,1H),8.32 (d,J = 2.0 Hz,1H),7.95 (d,J = 8.0 Hz,1H),7.86〜7.56 (m,4H),2.70 (s,3H)。MS (EI,m/z):434.8 [M-H]-
【0233】
実施例43
2-(3-シアノ-4-イソブトキシフェニル)-4-ヒドロキシメチル-セレナゾール-5-ギ酸(74)の合成
【化55】
【0234】
ステップA:化合物4(1.0 g、2.983 mmol)をDMF(10 mL)に溶解し、無水炭酸カリウム(1.2 g、8.70 mmol)及びブロモイソブタン(0.82 g、5.985 mmol)を添加し、得られた混合物を80℃で一晩撹拌する。室温まで冷却し、水を添加して希釈し、濾過し、濾過ケーキをシリカゲルカラム(200〜300メッシュのシリカゲル、酢酸エチル/石油エーテル=1/20で溶出する)で精製した後、2-(3-シアノ-4-イソブトキシフェニル)-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸エチル(71)(1.10 g)を取得し、収率:94.2%である。
【0235】
ステップB:化合物71(1.1 g、2.811 mmol)を四塩化炭素(25 mL)に溶解し、そして、NBS (0.55 g、3.090 mmol)及び過酸化ベンゾイル(0.40 g、1.65 mmol)を添加し、得られた混合物を窒素ガスの保護で還流まで加熱し、そして、続いて一晩撹拌する。溶剤を減圧下で蒸発させ、産物をシリカゲルカラム(200〜300メッシュのシリカゲル、酢酸エチル/石油エーテル=1/5で溶出する)で精製して、2-(3-シアノ-4-イソブトキシフェニル)-4-ブロモメチル-セレナゾール-5-ギ酸エチル(72)(0.91 g)を取得し、収率:68.8%である。
【0236】
ステップC:化合物72(0.90 g、1.914 mmol)を1, 4-ジオキサン(15 mL)及び水(15 mL)に溶解し、そして、炭酸カルシウム(0.80 g、8.0 mmol)を添加し、還流するまで加熱し、還流で続いて一晩撹拌する。室温まで冷却し、水(30 mL)を添加し、酢酸エチル(30 mL×3)で抽出し、有機溶剤を減圧下で蒸発させ、産物をシリカゲルカラム(200〜300メッシュのシリカゲル、酢酸エチル/石油エーテル=1/5で溶出する)で精製して2-(3-シアノ-4-イソブトキシフェニル)-4-ヒドロキシメチル-セレナゾール-5-ギ酸エチル(73)(0.20 g)を取得し、収率:25.7%である。
【0237】
ステップD:化合物73を実施例1におけるステップFの方法に従って、加水分解し、更に酸性化した後2-(3-シアノ-4-イソブトキシフェニル)-4-ヒドロキシメチル-セレナゾール-5-ギ酸(74)を取得する。
【0238】
1H NMR (DMSO-d6,400MHz) δ 8.36 (d,J = 2.0 Hz,1H),8.25 (dd,J = 2.0,8.8 Hz,1H),7.37 (d,J = 8.8 Hz,1H),4.81 (s,2H),4.02 (d,J = 6.4 Hz,2H),2.15〜2.05 (m,1H),1.02 (d,J = 6.4 Hz,6H)。MS (EI,m/z):379.0 [M-H]-
【0239】
実施例44
2-(3-ブロモ-4-イソブトキシフェニル)-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸(78)の合成
【化56】
【0240】
化合物3-ブロモ-4-ヒドロキシベンゾニトリルを、実施例36における試験ステップAに従ってセレノアミドを調製し、そして、実施例32における試験ステップBに従って、閉環反応し、更に実施例32における試験ステップCに従って、ブロモイソブタンと反応し、最後、実施例1における試験ステップFの方法に従って、加水分解し、更に酸性化した後2-(3-ブロモ-4-イソブトキシフェニル)-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸(78)を取得する。
【0241】
1H NMR (DMSO-d6,400MHz) δ 8.13 (d,J = 2.0 Hz,1H),7.91 (dd,J = 2.4,8.8 Hz,1H),7.19 (d,J = 8.8 Hz,1H),3.92 (d,J = 6.4 Hz,2H),2.64 (s,3H),2.11〜2.03 (m,1H),1.02 (q,J = 6.8 Hz,6H)。MS (EI,m/z):416.0 [M-H]-
【0242】
実施例45
2-(3-シアノ-4-イソプロピルチオフェニル)-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸-(2-N-アセチル)エチル(79)の合成
【化57】
【0243】
氷水浴でEDCIを化合物37(120 mg、0.328 mmol)、N-アセチルエタノールアミン(50.8 mg、0.493 mmol)、N-メチルモルホリン(99.7 mg、0.985 mmol)、HOBT(66.6 mg、0.493 mmol)及びDMF(5 mL)を含む混合物に添加し、そして、室温で一晩撹拌する。反応液に水(20 mL)を添加し、酢酸エチル(15 mL×3)で抽出し、合わせた有機相を水(15 mL)で一回洗浄する。溶剤を減圧下で蒸発させ、産物をシリカゲルカラム(200〜300メッシュのシリカゲル、酢酸エチルで溶出する)で精製し、2-(3-シアノ-4-イソプロピルチオフェニル)-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸-(2-N-アセチル)エチル(79)を取得する。
【0244】
1H NMR (DMSO-d6,400MHz) δ 8.39 (d,J = 2.0 Hz,1H),8.22〜8.19 (m,1H),8.07〜8.04 (m,1H),7.72 (dd,J =4.0,8.4 Hz,1H),4.24 (t,J = 5.2 Hz,2H),3.89〜3.82 (m,1H),3.41〜3.29 (m,2H),2.68 (s,3H),1.87 (s,3H),1.37〜1.36 (m,6H)。MS (EI,m/z):449.9 [M-H]-
【0245】
化合物79は化合物37の可能なプロドラッグである。
【0246】
実施例46
2-(3-シアノ-4-tert-ブチルチオフェニル)-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸(81)の合成
【化58】
【0247】
化合物は実施例25における試験ステップAに従って、t-ブチルメルカプタンと反応し、そして、実施例1における試験ステップFの方法に従って、加水分解し、更に酸性化した後2-(3-シアノ-4-tert-ブチルチオフェニル)-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸(81)を取得する。
【0248】
1H NMR (DMSO-d6,400MHz) δ 8.47 (d,J = 2.0 Hz,1H),8.26(dd,J = 2.0,8.4 Hz,1H),7.86(d,J = 8.4 Hz,1H),2.68(s,3H),1.36(s,9H)。MS (EI,m/z):381.4 [M+H]+
【0249】
実施例47
2-(3-シアノ-4-シクロヘキシルチオフェニル)-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸(83)の合成
【化59】
【0250】
化合物は実施例25における試験ステップAに従って、シクロペンタンチオールと反応し、そして、実施例1における試験ステップFの方法に従って、加水分解し、更に酸性化した後2-(3-シアノ-4-シクロヘキシルチオフェニル)-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸(83)を取得する。
【0251】
1H NMR (DMSO-d6,400MHz) δ 8.34 (d,J = 2.0 Hz,1H),8.18 (dd,J =2.0,8.4 Hz,1H),7.69 (d,J = 2.0 Hz,1H),4.01〜3.96 (m,1H),2.66 (s,3H),2.22〜2.17 (m,2H),1.76〜1.74 (m,2H),1.67〜1.64 (m,4H)。MS (EI,m/z):393.1 [M+H]+
【0252】
実施例48
2-(3-トリフルオロメチルフェニル)-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸(86)の合成
【化60】
【0253】
ステップA:氷水浴及び窒素ガスの保護で無水エタノール(30 mL)をセレン粉末(1.84 g、23.3 mmol)及び水素化ホウ素ナトリウム(0.97 g、25.6 mmol)の混合物に滴下し、添加し終わった後、室温に昇温し、続いて30分間撹拌する。そして、3-トリフルオロメチルベンゼンニトリル(1.0 g、5.84 mmol)を含むピリジン溶液(6 mL) を添加し、還流するまで昇温し、更に、2M塩酸溶液(4 mL) をゆっくりと滴下し、添加し終わった後、続いて還流して1時間撹拌する。TLC分析により反応終了を確認する。大部分のエタノールを減圧下で蒸発させ、水(30 mL)を添加して希釈し、酢酸エチル(20 mL ×3)で抽出し、合わせた有機相は2M塩酸(10 mL)で洗浄し、そして、飽和食塩水(15 mL)で洗浄し、溶剤を減圧下で蒸発させ、3-トリフルオロメチルセレノベンズアミド(84)(1.6 g)を取得し、該化合物は精製しなくて直接に次の反応に利用される。
【0254】
ステップB:化合物84(1.0 g、NMT 3.65 mmol)及び2-クロロアセチル酢酸エチル(653 mg、3.97 mmol)を無水エタノール(10 mL)に添加し、昇温還流して2時間撹拌する。TLC分析により反応終了を確認する。反応液を室温まで冷却し、減圧濾過し、濾過ケーキを収集し、乾燥させ、2-(3-トリフルオロメチルフェニル)-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸エチル(85)(930 mg)を取得し、2つのステップの反応の全収率:70.3%である。
【0255】
ステップC:化合物85は実施例1におけるステップFの方法で加水分解し、更に酸性化した後2-(3-トリフルオロメチルフェニル)-4-メチル-セレナゾール-5-ギ酸(86)を取得する。
【0256】
1H NMR (DMSO-d6,400MHz) δ 8.26〜8.23 (m,2H),7.92 (d,J = 8.0 Hz,1H),7.77〜7.73 (m,1H),2.68 (s,3H)。
【0257】
実施例49
キサンチン酸化酵素の活性阻害試験:
一、原理
キサンチン酸化酵素(Xanthine Oxidase、XO)、西洋ワサビペルオキシダーゼ(Horseradish Peroxidase、HRP)及びその基質の二重酵素カップリング反応でキサンチン酸化酵素の活性阻害を測定する。まず、キサンチン酸化酵素でヒポキサンチンを酸化してキサンチンと過酸化水素が発生し、更にキサンチンを酸化して尿酸と過酸化水素が発生する。そして、西洋ワサビペルオキシダーゼの触媒作用で過酸化水素が10-acetyl-3,7-dihydroxyphenoxazine(Ampliflu Red)と反応して強い蛍光化合物であるレゾルフィン(Resorufin)が発生し、蛍光マイクロプレートリーダーでレゾルフィンの蛍光強度を測定する場合、キサンチン酸化酵素の活性と比例する。
【0258】
二、試験化合物と反応溶液の調製
所定量の試験化合物と対照化合物フェブキソスタット(Febuxostat、北京聯本医薬化学技術有限公司の製品)をDMSO(国薬集団化学試薬有限公司の製品)に溶解する。96ウェルポリプロピレンプレート(Greiner Bio One製品)にDMSOで試験化合物2.5倍シリーズを希釈して200倍濃度の溶液を取得する。更に超純水に希釈して3倍濃度のシリーズの希釈溶液を取得する。
【0259】
反応溶液A:0.1 M Tris-HCl(pH7.5)の緩衝溶液で6 mU/mLのキサンチン酸化酵素(牛乳から、Sigma製品)を調製する。
【0260】
反応溶液B:0.1 M Tris-HCl(pH 7.5)緩衝溶液に0.6 U/mLの西洋ワサビペルオキシダーゼ(上海源叶生物技術有限公司の製品)、0.15 mMのAmpliflu Red(Sigma製品)及び0.3 mMのヒポキサンチン(Sigma製品)の混合液を調製する。該溶液は4℃で遮光し、調製しながら使用する。
【0261】
三、測定方法
9 μLの反応溶液Aを取って、9 μLの試験化合物の3倍濃度シリーズの希釈溶液を96ウェルテストボード(Greiner Bio One製品)に混合し、プレートシェーカーに置いて、30℃に100 rpmで30分間混合する。更に9 μLの反応溶液Bを添加する。30℃で30分間の酵素反応を行う。マイクロプレートリーダー(Perkin Elmer Vitor X4)により励起光530 nmと発射光590 nm部の蛍光強度を測定する。キサンチン酸化酵素がないもので対照する蛍光強度は0%であり、試験化合物で対照する蛍光強度は100%であり、試験化合物と対照化合物であるフェブキソスタットの50%の阻害濃度(IC50)を計算する。
【0262】
テスト結果を表1に示す。表1の結果から分かるように、本発明の化合物は体外薬理試験において優れたキサンチン酸化酵素の阻害作用を示す。
【0263】
【表1】