(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記複数のスリットが、前記ウェブの無傷のブリッジ領域によって中断され、少なくともいくつかの隣接する中断されたスリットにわたって、前記無傷のブリッジ領域が、前記第1の方向に対して横方向にずれており、前記伸縮が、前記無傷のブリッジ領域のうちの少なくともいくつかで互いに結合し、前記無傷のブリッジ領域のうちの少なくともいくつかの間で互いに分離される前記スリット付きウェブの複数のストランドを備える伸展されたウェブを提供する、請求項1又は2に記載の方法。
前記スリット付きウェブを前記機械方向に走行させることが、横方向に離間され、かつ2つの回転分岐ディスクの回転の一部にわたって前記機械横方向に伸縮する前記伸縮性表面を間に有する前記2つの回転分岐ディスクを備えるローラー上に前記スリット付きウェブを走行させることを含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
前記伸縮性表面を提供する前記2つの回転分岐ディスクに結合された、複数の伸縮性バンド、伸縮性チューブ、複数のコイルばね、若しくはこれらの組み合わせが存在するか、又は、前記伸縮性表面が、前記2つの回転分岐ディスクに接続されたスリーブである、請求項6に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0019】
ここで、本開示の実施形態が詳細に参照され、その1つ又は2つ以上の例は、図面に図示される。一実施形態の一部として図示又は記載される特徴は、他の実施形態と共に使用され、第3の実施形態を得ることもできる。本開示はこれらの及び他の修正及び変形を含むことが意図される。
【0020】
図1Aは、本開示の方法のいくつかの実施形態を実施するのに有用なローラー100の実施例を図示する。ローラーは、横方向に離間した2つの回転分岐ディスク101を含む。分岐ディスク101の角度は、非回転シャフト105上で角度をつけたアダプター103で設定される。他の実施形態では、シャフト自体に、ディスクが分岐するように角度をつけてもよい。軸受107によって、非回転シャフト105上で分岐ディスク101の回転が可能となる。図示される実施形態では、分岐ディスクの各々は、伸縮性表面を分岐ディスク101に取り付けるのに有用である複数のピン109を含む。伸縮性表面は、2つの分岐ディスク101上で対応するピン109の周囲に巻き付けた伸縮性バンド102によって提供される。例えば、伸縮性バンド102は、2つのディスク上の2つの対がディスクの周径に沿って互いに整列する分岐ディスク101の各々の上で、ピン109の対の周囲に巻き付けることができる。見た目に明確なように、2つの分離した伸縮性表面を形成する伸縮性バンド102を1つだけ示す。しかしながら、動作中、分岐ディスク101の周径の周りの複数のバンド102が、スリット付きウェブの連続運動を可能にするのに有用であり得る。
【0021】
動作中、バンド102は、それがディスク同士が共に最も近くにある位置(d1にて)から、ディスク同士が最も遠く離れている位置(d2にて)へと移動するときに、分岐ディスク101の180度の回転分、伸縮する。次にバンド102は、それがディスクが最も遠く離れてある位置から、ディスクが共に最も近くある位置へと移動するときに、分岐ディスク101の180度の回転分、収縮する。バンドが伸縮しているいずれかの位置でバンド102と接触状態になる、スリット付きウェブ又はポリマー網の複数のストランド(
図1Aに示さず)は、伸縮の方向に伸展されることになる。スリット付きウェブ又はポリマー網は、スリット付きウェブの複数のストランドのうちの少なくともいくつかを少なくとも部分的に分離するか、又は網における開口部を拡張するのに十分な回転の任意の位置に対して、バンド102と接触するように位置付けられ得る。いくつかの実施形態では、スリット付きウェブ又はポリマー網は、全180度でローラー100と接触していてもよく、その間、伸縮性表面は伸縮している。しかしながら、いくつかの実施形態では、分岐ディスク101の角度及びスリット付きウェブ又は網中で所望される伸展量に応じて、1〜180度、例えば、最大150度、最大120度、最大90度、最大60度、最大45度、最大30度、最大20度、又は最大10度の回転の範囲にあるいずれの回転に対しても、ローラーと接触したままであることが、スリット付きウェブ又はポリマー網に対して十分である。他の実施形態では、スリット付きウェブ又はポリマー網は、スリット付きウェブ又は網中で所望される伸展量に応じて、1〜360度の範囲にあるいずれの回転に対しても、ローラーと接触したままであってもよい。巻き付けの角度は、プロセス中で所望される伸展量に応じて調整することができる。これらの実施形態のうちのいずれかでは、スリット付きウェブ又はポリマー網がローラーと接触している回転の部分は、パス長さと見なすことができる。
【0022】
バンド102は、
図1Aに図示される実施形態において2つの回転分岐ディスク101上の伸縮性表面として有用であるが、他の伸縮性表面も、回転分岐ディスク101との併用において有用であり得る。例えば、非円形のバンド又はチューブにより、伸縮性表面が提供され得る。コイルばねによっても、伸縮性表面が提供され得る。別の例では、2つの分岐ディスクに結合された伸縮性スリーブが有用であり得る。かかる伸縮性スリーブは、所望の場合、2つの分岐ディスク間の表面によって支持されてもよいが、これは必須ではない。本開示に従う方法における使用に適合し得る管状スリーブ及びクランプの例は、米国特許第4,862,565号(Damour)に記載されている。この参考文献において、弾力性スリーブを有する伸展ロールは、移動の速い布又はプラスチックのウェブからしわを除去するのに有用であることが報告されている。バンド、管、コイルばね、又はスリーブは、クランプ、ベルト、又は
図1Aに図示されるピン109を含む種々の有用な方法のうちの任意の他のものによって分岐ディスクに結合され得る。
【0023】
分岐ディスク101の回転中に伸縮及び収縮が可能であるいずれの伸縮性材料も、本開示に従う方法における伸縮性表面102に有用であり得る。かかる材料は、上で提供した定義に従って弾性である。いくつかの実施形態では、伸縮性表面はエラストマーから作製される。好適なクラスのエラストマーの例としては、天然ポリイソプレン、合成ポリイソプレン、ポリブタジエン、ポリ(2,3−ジメチルブタジエン)、ブタジエン−ペンタジエンコポリマー、ポリスルフィドエラストマー、ブチルゴム(例えば、イソプレンとのポリイソブチレンコポリマー)、ハロゲン化ブチルゴム、ポリクロロプレン、ブタジエン−ニトリルコポリマ、水素添加ニトリル−ブタジエンコポリマー、ポリウレタン、ポリエステルウレタン、及びこれらの組み合わせが挙げられ、そのいずれもが硫黄加硫又は非硫黄加硫によって架橋され得る。更なる有用なエラストマーとしては、エチレン−プロピレンコポリマー、エチレン−プロピレン−ジエンターポリマー、スルホン化エチレン−プロピレン−ジエンターポリマー、クロロスルホン化ポリエチレン、シリコーンエラストマー、アクリルエラストマー、エチレン−アクリレートコポリマー、フッ素化エラストマー、フッ素塩素化(fluorochlorinated)エラストマー、フッ素臭素化(fluorobrominated)エラストマー、及びこれらの組み合わせが挙げられる。好適なエラストマーとしてはまた、ガラス性又は結晶性ブロック(例えば、ポリスチレン、ポリ(ビニルトルエン)、ポリ(t−ブチルスチレン)、及びポリエステル)のブロック、並びにエラストマー性ブロック(例えば、ポリブタジエン、ポリイソプレン、エチレン−プロピレンコポリマー、エチレン−ブチレンコポリマー、ポリエーテルエステル、及びこれらの組み合わせ)のブロックで典型的に構成される熱可塑性エラストマーが挙げられる。いくつかの熱可塑性エラストマーは、例えば、Kraton Performance Polymers,Houston,Texasより商品名「KRATON」で販売されるポリ(スチレン−ブタジエン−スチレン)ブロックコポリマーが市販されている。分岐ディスク自体は、典型的には、金属(例えば、アルミニウム又は鋼)で作製されるが、他の材料も有用であり得る。上記の伸縮性表面(例えば、バンド、チューブ、及びスリーブ)の実施形態のいずれも、これらの材料のうちのいずれによっても作製され得る。
【0024】
典型的には、上記のもののいずれかなどのエラストマー材料は、「高摩擦」材料と見なされ、スリット付きウェブ又は網が伸縮性表面と共に開くように、スリット付きウェブ又はポリマー網と伸縮性表面との間の十分な牽引を可能にし得る。伸縮性表面における特定のエラストマーは、スリット付きウェブ又は網との牽引を最大化するように選択され得る。しかしながら、いくつかの実施形態では、所与のエラストマーとスリット付きウェブ又は網との間の牽引を増加させることが有用であり得る。これは、例えば、ウェブ上の機械方向の張力を増加させることによって行われ得る。任意の表面上にウェブを曲げるか又は巻き付けると、ウェブに対して、ウェブに直角又は垂直な力が付与されるものと考えられる。機械方向の張力を増加させることは、かかる力を増加させることになる。また、伸縮表面に表面構造を設けて、摩擦を増加させてもよい。例えば、伸縮表面上に形成させた微細構造の存在は、伸縮表面とスリット付きウェブ又は網との間の摩擦係数を増加させることができる。スリット付きウェブが機械的締結ウェブである実施形態、特に、機械的締結要素がスリット付きウェブに結合した基部を有する直立ポストを備える雄型締結要素である実施形態では、直立ポストは、伸縮表面とは反対方向を向くように方向付けて、牽引を増加させることができる。
【0025】
上記のように、
図1Aに示すシャフト105は、非回転シャフトである。いくつかの実施形態では、ローラー100はアイドラーロールであり、分岐ディスクの回転は、スリット付きウェブの運動の他はいずれの手段によっても駆動されない。他の実施形態では、分岐ディスクは、ベルト滑車又は他の好適な方法によって駆動されてもよい。いくつかの実施形態では、ディスクの回転は、シャフトの一端のみから駆動される。シャフトが下記のように駆動される実施形態を含む、分岐ディスクの回転が駆動される実施形態のうちのいずれかについては、回転速度を調整するためにクラッチ機構が有用であり得る。
【0026】
2つの分岐ディスクを含む装置の別の実施形態が
図1Bに図示される。本装置は、横方向に離間され、かつ個々の回転シャフト205上に備え付けられる2つの回転分岐ディスク201を含む。分岐ディスク201の角度は、シャフト205の角度を調整することによって調整する。
図1Bでは、
図1A中のように、分岐ディスクの各々は、伸縮性表面を分岐ディスク201に結合するのに有用な複数のピン209を含む。図示される実施形態では、シャフトの各々は、所望の速度で駆動されて、ディスクの回転を引き起こす。
【0027】
図1Bでは、多様な伸縮性表面が図示される。2つの分岐ディスク201上の対応するピン209の周囲に巻き付けられる伸縮性バンド202aは、
図1Aに示したものと同様である。中空チューブ202bも伸縮性表面として図示される。図示される中空チューブ202bは、ピン209上のその圧入を可能にする内径を有する。コイルばね202cも伸縮性表面として図示される。コイルばねは金属(例えば、アルミニウム又は鋼)であってもよいが、他の材料も有用であり得る。コイルばねには、所望の場合、高摩擦コーティングをコーティングしてもよい。高摩擦コーティングは、例えば、上記のようなエラストマー材料のコーティング、又は高摩擦表面を提供することが知られているプラズマコーティングであり得る。好適なプラズマコーティングとしては、例えば、Plasma Coating,Middlebury,Conn.より製品群名称「10000」及び「10015」として入手可能なものが挙げられる。コイルばねはまた、例えば上記のエラストマー材料のうちの任意のものから作製される一片の中空チューブで囲まれてもよい。分岐ディスク201の周面に対して平坦に保持される伸縮性バンド202dも、
図1Bに示す。図示される実施形態では、伸縮性バンド202dは、ボルト213、ねじ、又は他の結合手段で分岐ディスク201に結合されるクランプ211を使用して周面に対して保持される。
【0028】
伸縮性バンド202a若しくは202d、中空チューブ202b、又はコイルばね202cのいずれも、本明細書に開示の方法の実施形態のうちのいずれかにおいて個々に使用される伸縮性表面の型であるが、異なる型の伸縮性表面を組み合わせて使用することも有用であり得る。したがって、いくつかの実施形態では、スリット付きウェブ又はポリマー網は、2つの異なる伸縮性表面上に走行させられる。この実施形態では、「異なる」は、伸縮性表面が、異なる材料から作製されるか、又は異なる構成を有することを示し得る。異なる型の伸縮性表面は、本明細書に記載の方法の異なる態様を強化し得る、異なる有利な特性を提供し得る。異なる型の伸縮性表面は、例えば、その伸長、剛性、又は摩擦特性に対して選択され得る。例えば、伸縮性バンド202aと中空チューブ202bとの組み合わせを使用して、スリット付きウェブ又は網の効率的な伸展のための、バンドによって提供されるより高い摩擦係数、及びスリット付きウェブ又は網が
図1A又は
図1Bに示すものなどの分岐ディスク装置の周囲に少なくとも部分的に巻き付くときに過剰なたわみを防止するための、中空チューブのより高い弾性率を活用することができる。スリット付きウェブ又はポリマー網が2つの異なる伸縮性表面上に走行する実施形態では、異なる型は両方とも、
図1Bに示すように同一のローラー中で提供されてもよい。スリット付きウェブ又はポリマー網は、分岐ディスク間の間隔が増加している180度の回転中に伸縮性表面の両方と順次接触し得る。2つ以上の材料を選択できることは、伸縮性表面がバンド、チューブ、コイルばね、又はこれらの組み合わせを備える場合、伸縮性表面がスリーブである場合よりも単純である。したがって、分岐ディスクを含む装置上で本方法を行ういくつかの実施形態では、伸縮性表面は、2つの分岐ディスクに結合したスリーブではない。クランプ及びピンなどの、伸縮性表面を分岐ディスクに結合する方法の組み合わせも、有用であり得る。
【0029】
図1A及び1Bに示すように、分岐ディスク101及び201は、その周面の一部が、1つの場所d1における方が間隔が狭く、第2の場所d2における方が間隔が大きくなるように位置付けられている。103などのアダプターによって、205などのシャフトの位置によって、シャフト(図示せず)における角度によって、又はこれらの組み合わせによって設定され得る角度は、スリット付きウェブ又は網中の所望の伸展量に応じて選択することができる。例えば、各分岐ディスク101、201は、独立して、走行しているウェブの機械方向に対して、少なくとも1度、少なくとも2度、少なくとも3度、少なくとも4度、又は少なくとも5度、及び最大20度、最大15度、又は最大10度で角度を付けられてもよい。いくつかの実施形態では、各分岐ディスクは、独立して、1度〜10度又は2.5度〜7.5度の範囲で角度を付けられる。分岐ディスクが独立して角度を付けられ得るため、本開示に従う方法は、スリット付きウェブ又は網をスリット付きウェブ又は網の中心に対して均一に又は不均一に伸展させるのに有用であり得る。いくつかの実施形態では、スリット付きウェブ又は網の一方の縁部により近いストランドは、スリット付きウェブ又は網の反対の縁部により近いストランドよりも伸展されてもよい。
【0030】
間隔d2とd1との間の差異は、スリット付きウェブ又は網の伸展量に不可欠である。この差異は、スリット付きウェブ又は網の伸展量に関係し、伸縮表面とスリット付きウェブ又は網との間の完全な牽引を仮定して、最大伸展量と等しくあり得る。いくつかの実施形態では、間隔d2は、少なくとも25パーセント、少なくとも50パーセント、少なくとも60パーセント、少なくとも70パーセント、少なくとも80パーセント、少なくとも90パーセント、又は少なくとも100パーセント、間隔d1より大きい。d2間隔がd1間隔よりも大きいパーセンテージは、例えば、式[(d2−d1)/d1]
*100によって決定することができる。分岐ディスクの間隔が狭いほど、スリット付きウェブ又は網のより大きい伸展が分岐ディスクの所与の角度で可能となる。他のサイズが有用であり得るが、いくつかの実施形態では、d1は、少なくとも8ミリメートル(mm)、及び最大15.25センチメートル(cm)、12.7cm、又は12.1cmである。また、分岐ディスクが大きいほど、スリット付きウェブ又は網のより大きい伸展が所与の角度で可能である。以下でより詳細に記載するように、本開示に従う方法は、いくつかの実施形態において、スリット付きウェブ又は網を、幅にして最大10cm伸展させるのに有用であり、少なくとも5パーセント、少なくとも15パーセント、少なくとも20パーセント、又は少なくとも25パーセント、及び最大40パーセント、最大50パーセント、最大75パーセント、最大100パーセント、最大150パーセント、又は最大200パーセントの幅の増加を達成することが可能である。
【0031】
本明細書に開示の方法において達成することができるスリット付きウェブ又は網の幅の増加は、典型的には、しわを除去するときに観察されるウェブの幅の増加よりもはるかに大きい。当業者は、ウェブからのしわの除去は、典型的には、ウェブの幅を最大2パーセント増加させるだけであることを理解するであろう。故に、しわを除去するために設計されたローラーが、間隔d1よりも、少なくとも25パーセント、少なくとも50パーセント、少なくとも60パーセント、少なくとも70パーセント、少なくとも80パーセント、少なくとも90パーセント、又は少なくとも100パーセント大きい間隔d2を有することは不要である。更に、しわの除去は、典型的には、少なくとも30cm幅のウェブにのみ必要とされる。
【0032】
ディスクの多様な直径は、本明細書に開示の方法に有用であり得る。より高いライン速度又はより多い伸展量を達成するために、上記の角度又は間隔のうちのいずれかを有するより大きい直径のディスクが有用であり得る。いくつかの実施形態では、ディスクは、少なくとも10cm、少なくとも12cm、少なくとも14cm、又は少なくとも16cmの直径を有する。
【0033】
いくつかの用途において、伸縮性表面が、伸縮性表面の内向きのたわみを防止するか又は最低限にする、例えば分岐ディスク間の構造体によって支持されることが有用であり得るが、かかる支持構造体(例えば、複数のブラシ)は本明細書に開示の方法に必須ではない。したがって、いくつかの実施形態では、伸縮性表面には、スリット付きウェブ又は網と接触する側と反対側に伸縮性表面を支持するための構造体が設けられない。例えば、これらの実施形態における伸縮性表面には、伸縮性表面を、それが展開及び収縮するときに支持する複数のブラシが設けられない。これらの実施形態では、伸縮性表面は、スリット付きウェブ又は網が伸縮性表面と接触するときに内向きにたわむことができる。ある特定の量のたわみは、伸縮性表面の伸展作用を妨害しない。
【0034】
本開示に従う方法は、分岐ディスクの使用を必要としない。いくつかの実施形態では、伸縮性表面は、
図1Cに示すものなどのコンベヤベルト装置300によって第2の方向に伸縮され得る。装置300は、伸縮性表面302の側縁部を係合し方向付けるための一対の分岐ガイド311を含む。分岐ガイド311は、伸縮性表面の縁部(図示せず)で、把持若しくは真空ベルト又はクランプと組み合わせて使用することができる。伸縮性表面302と組み合わせたガイド311は、一対の滑車313の周囲に連続したループを形成する。これらの実施形態では、スリット付きウェブ又は網(図示せず)は、幅が狭い方の端部315で伸縮性表面と接触状態にされ得る。スリット付きウェブ又は網の複数のストランドは、次に、それが伸縮性表面と接触したまま幅が広い方の端部317に移動するにつれて伸展され、それにより伸縮される。図示される実施形態では、ガイド311に別々に結合される複数のバンド302は、伸縮性表面を提供するが、これは必須ではない。他の実施形態では、伸縮性表面は、代替的に伸縮及び収縮する連続したベルトによって提供される。上記の伸縮性表面及び材料のうちのいずれも、伸縮性表面302を提供するのに有用であり得る。また、コンベヤベルト装置は、分岐ディスクに関して上に記載したように、少なくとも2つの異なる型の伸縮性表面を含むことができる。いくつかの実施形態では、一対のコンベヤ装置300は、それらの間に方向付けられたスリット付きウェブ又は網と共に使用することができる。サンドイッチ構成は、スリット付きウェブ又は網が伸縮表面と接触したままでいるのを助け得る。
【0035】
図1Cにおいて示す実施形態では、分岐ディスクを含む実施形態(例えば、
図1A及び1Bに示すもの)においてのように、各ガイド311は、独立して、走行しているウェブの機械方向に対して、少なくとも1度、少なくとも2度、少なくとも3度、少なくとも4度、又は少なくとも5度、及び最大20度、最大15度、又は最大10度で角度を付けられてもよい。いくつかの実施形態では、各ガイド311は、独立して、1度〜10度又は2.5度〜7.5度の範囲で角度を付けられる。また、分岐ディスクを含む実施形態と同様に、
図1Cにおける伸縮性表面302には、それがスリット付きウェブ又は網と接触するときに伸縮性表面のたわみを防止するための支持構造体が設けられない。いくつかの実施形態では、幅が広い方の端部317での装置の幅は、幅が狭い方の端部315での装置の幅よりも、少なくとも25パーセント、少なくとも50パーセント、少なくとも60パーセント、少なくとも70パーセント、少なくとも80パーセント、少なくとも90パーセント、又は少なくとも100パーセント大きい。同様に、本開示を実行するのに有用ないずれの装置についても、伸縮性表面は、例えば、それがスリット付きウェブ又はポリマー網と接触している間に、少なくとも25パーセント、少なくとも50パーセント、少なくとも60パーセント、少なくとも70パーセント、少なくとも80パーセント、少なくとも90パーセント、又は少なくとも100パーセント伸縮される。
【0036】
本明細書に開示の方法に従って分離又は伸展させることができるスリット付きウェブ及び網は、典型的には、少なくとも最初にスリット付きウェブ又は網に伸縮方向のひずみを与える際には、伸縮の方向の応力をほとんど又は全く生じさせない。いくつかの実施形態では、伸縮方向は、スリットの方向に対して横方向の第2の方向である。スリット付きウェブにおいて、スリットは、第2の方向の力の伝達のためのいかなる手段も実質的に不在である領域を提供する。網において、網の開口部又はストランド間の間隔が、伸縮方向の力の伝達のためのいかなる手段も実質的に不在である領域を提供する。したがって、いくつかの実施形態では、伸縮性表面上で伸展されることになる材料は、第2の方向の材料の引張弾性率の少なくとも2倍、少なくとも3倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、少なくとも20倍、少なくとも50倍、又は少なくとも100倍の、第1の方向の引張弾性率(即ち、応力−ひずみ曲線の初期の勾配)を有する。第2の方向の引張弾性率は、以下で更に詳細に記載するように、スリット付きウェブにおけるスリットのサイズに影響され得る。
【0037】
いくつかの実施形態では、スリット付きウェブの複数のストランドのうちの少なくともいくつかは、完全に裂き離されている。換言すると、これらの複数のストランドは、機械方向にウェブを通過して連続的にスリットを付けることによって形成され得る、互いに結合されていない別個のストランドである。これらの実施形態では、スリット付きウェブは、スリット付きウェブのストランドを分離する際に、スリットの方向を横切る第2の方向の応力を生じさせない。スリット付きウェブが、少なくとも1つの主表面上に、機械的締結要素、例えば、基部がスリット付きウェブに結合した直立ポストを有する雄型締結要素を備える実施形態では、本開示に従う方法を使用してスリット付きウェブを伸展させることは、露出した接着剤層の複数の平行なストリップと機械的締結ストランドの複数の平行なストリップとが交互になった並びが得られるように、スリット付きウェブの別個のストランドが、互いから横方向に離れて平行に、それらの第2の主表面(即ち、直立ポストを有する第1の主表面の反対面)を通して接着剤層に結合される締結組立体を提供することができる。かかる組立体は、米国特許出願公開第2007/0039142号(Petersenら)に記載されている。機械的締結要素の分離した複数のストランドは、露出した接着剤が存在しない場合であっても、締結タブにおいて有用であり得る。例えば、国際特許出願公開第2011/163020号(Hauschildtら)を参照されたい。
【0038】
他の実施形態では、複数のストランドの部分同士は互いに結合している。複数のストランドが伸展される前と後のウェブの無傷のブリッジ領域で互いに結合しているスリット付きウェブの種々の実施形態が、
図2A〜
図2C、
図3A、
図3B、
図4A、及び
図4Bに図示され、以下に記載される。
【0039】
図2Aは、本明細書に開示の方法のいくつかの実施形態において伸展される中断されたスリット20を有するスリット付きウェブ10aの一部の例を図示する。図示される実施形態では、スリット付きウェブ10aは、雄型締結要素12である機械的締結要素を含む。図示されるスリット付きウェブ10aは、裏材14の第1の表面から突出する雄型締結要素12の複数の列16を有する熱可塑性裏材14を有する。裏材の第1の表面は、
図2Aで可視である表面である。第1の表面(つまり、機械的締結要素を有する表面)はまた、本明細書に開示の実施形態のいずれにおいても、第1の主表面と呼ぶことができる。図示される実施形態では、雄型締結要素12の複数の列16はMD方向に整列しているが、これは必須ではない。「列」という用語は、特定の方向に整列された雄型締結要素を指す。雄型締結要素の列又は行は、実質的に真っ直ぐであってもよい。
【0040】
スリット付きウェブ10aの一部において、中断されたスリット20は、雄型締結要素12の隣接する列16のいくつかの対の間の裏材に切り込まれる。中断されたスリットが雄型締結要素12の隣接する列の間に切り込まれる場合、それは、典型的には、特定のスリットが雄型締結要素12の列を横切らないことを意味する。図示される中断されたスリット20は、図示される実施形態ではMD方向である、複数の列16と同一の方向に線状であり、裏材14の上縁部18から下縁部28まで延在する。中断されたスリットは、裏材14の無傷のブリッジ領域22によって中断される。ブリッジ領域22は、ウェブが貫通して切り込まれていない領域であり、ブリッジ領域22の少なくともいくつかは、中断されたスリット20と同一直線状にあると考えることができる。無傷のブリッジ領域22は、中断されたスリットを、一連の離間したスリット部分20aに分割する。離間したスリット部分20a及び20b、したがって隣接する中断されたスリットのブリッジ領域22a及び22bは、中断されたスリット20の「MD」方向に対して垂直な「CD」方向にずらして配置される。ブリッジ領域22bが、「MD」方向にブリッジ領域22aとブリッジ領域22aとの間の実質的に中ほどに位置するように、ブリッジ領域はずらして配置される。しかしながら、いくつかの実施形態では、直立ポスト12、中断されたスリット20、並びにブリッジ領域22、22a、及び22bは、他の配列で位置付けられてもよい。スリット部分及びブリッジ領域がずらして配置されると、スリット付き機械的締結具ハンドルを一体ユニットとして作製するのに必要なブリッジ領域の数を、最小限に抑えることができる。
【0041】
図2Aに示すような中断されたスリット20又は完全なスリットであってもよい複数のスリットのスリットは、CD方向に対して非平行である第1の方向に延在する。本明細書に開示の方法のいくつかの実施形態では、スリットはMD方向に延在する。中断されたスリットがある特定の方向に「延在する」とは、スリットが、その方向又は少なくとも主にその方向に、配列されるか、又は整列することを意味する。スリットは、線状であってもよい。本明細書で使用される「線状」スリットという用語は、ウェブ上の1本の線における2つの点によって定義され得る。スリットはまた、実質的に線状であってもよく、即ち、スリットが、わずかな湾曲又はわずかな揺らぎを有することができる。例えば、当業者によって理解されるような連続ウェブにスリットを作製する工程から何らかの揺らぎ又は湾曲が生じることがある。本開示の方法に従って作製される雄型締結要素を有する機械的締結具のいくつかの実施形態では、あらゆる揺らぎ又は湾曲は、スリットが概して、雄型締結要素のMD方向に整列した列を横切る部分を有しないようなものである。スリットはまた、非線状であってもよい。例えば、スリットは、ウェブの幅と比べて小さい振幅の波状又は鋸歯パターン有してもよく、かかるスリットもまた、主にある特定の方向に延在すると考えられる。
【0042】
再び
図2Aを参照して、ブリッジ領域22、22a、及び22bの特定の配列は、例えば、スリットの所望の長さ、及び複数のストランド26にとって望ましい伸展量に基づいて設計され得る。種々の長さのブリッジ領域22、22a、及び22bが有用であり得る。いくつかの実施形態では、所与の中断されたスリット20における任意のブリッジ領域22は、MD方向のスリット付きウェブ長の最大50(いくつかの実施形態では、40、30、25、20、15、又は10)パーセントの、中断されたスリットの方向の全長を有する。いくつかの実施形態では、スリット付きウェブ10aが伸展する能力を最大にするために、ブリッジ領域の中断されたスリット方向の全長を最小にするのが望ましい場合がある。中断されたスリットの方向のブリッジ領域22の全長を最小にすることは、任意の特定のブリッジ領域22の長さを最小にすること、又はブリッジ領域22同士の間の距離を最大にすることのうちの少なくとも一方によって達成され得る。いくつかの実施形態では、中断されたスリットの方向の1つのブリッジ領域の長さは、最大3、2、又は1.5mm、及び少なくとも0.25、0.5、又は0.75mmである。いくつかの実施形態では、中断されたスリットの方向のスリット付きウェブ10aの長さに沿ったブリッジ領域の数は、1cm当たり最大1.5、1.25、1.0、0.75、0.60、又は0.5である。中断されたスリット方向のブリッジ領域22の間の距離は、例えば、少なくとも0.75、少なくとも1.0、少なくとも1.25、少なくとも1.5、又は少なくとも1.75cmである。更に、ブリッジ領域の間の中断されたスリット部分の長さは調整可能であり、ブリッジ領域の間の距離を最大にするように選択されてもよい。いくつかの実施形態では、スリット部分20a、20bの長さは、少なくとも8(いくつかの実施形態では、少なくとも10、12、14、15、16、17、18、19、又は20)mmである。いくつかの実施形態では、スリット部分の長さと複数のストランドのうちの1つの幅との比は、少なくとも2対1(いくつかの実施形態では、少なくとも3:1、5:1、10:1、12.5:1、又は15:1)である。スリット部分の長さと複数のストランドの幅との比が2:1未満であるスリット付きウェブにおいて、第2の方向に生じる引張応力は、伸縮表面における第2の方向へのスリット付きウェブの伸展を可能にするには高くなりすぎる場合がある。典型的には、本開示のいくつかの実施形態を実施するのに有用なスリット付きウェブ10aの中断されたスリットは、フィルムの2つの部分の分離を容易にするように設計された穿孔よりも長いスリット領域、及び該穿孔よりも短いブリッジ領域を有する。
【0043】
いくつかの実施形態では、スリット部分20a、20bは、スリット付きウェブ10a下に繰り返す規則的なパターンを有する。いくつかの実施形態では、スリット部分20aの間の間隔(例えば、中断されたスリットのMD方向又は他の方向の間隔)は、均一であっても、又は実質的に均一(即ち、間隔は最大2パーセント、最大1パーセント、又は1パーセント未満若しくは0.5パーセント未満だけ異なっていてもよい)であってもよいが、これは必須ではない。
【0044】
本明細書に開示の方法の実施形態のうちのいずれかについては、スリット(例えば、中断されたスリット又は完全スリット)の数は、所望の製品に応じて調整され得る。スリットは、所望通りに均等に離間されても、又は不均等に離間されてもよい。いくつかの実施形態では、スリット付きウェブの幅にわたって10mm当たり最大10個、最大9個、最大8個、最大7個、最大6個、最大5個、最大4個、最大3個、最大2個、又は最大1個のスリットがCD方向に存在する。いくつかの実施形態では、スリット付きウェブにわたってスリットの数を変更することは、ウェブ上の雄型締結要素の密度に応じて、任意の2つの隣接するスリットの間の雄型締結要素の列の数と関係し得る。任意の2つの隣接するスリットの間の雄型締結要素の列の数は、用途の要件に応じて調節することができる。いくつかの実施形態では、最大10列、最大9列、最大8列、最大7列、最大6列、最大5列、最大4列、最大3列、最大2列、又は最大1列の雄型締結要素が、任意の2つの隣接するスリットの間に存在する。典型的には、スリットの間に形成される複数のストランドの各々の幅寸法は、雄型締結要素の直立ポストの少なくとも基部より幅広である。いくつかの実施形態では、雄型締結要素の各列の間に、又は1つ置きの列の間にスリットが存在する。
図2Aに図示される実施形態では、中断されたスリット20は雄型締結要素12の列の間で均等に離間されているが、これは必須ではない。図示されるように、均等に離間されている雄型締結要素12の複数の列16の場合、複数の列16の間の間隔(例えば、図示される実施形態のCD方向の距離)は、最大10パーセント、最大5パーセント、最大2.5パーセント、又は最大1パーセントだけ異なってもよい。同様に、均等に離間されたスリットの場合、スリットの間の間隔(例えば、CD方向の距離)は、最大10パーセント、最大5パーセント、最大2.5パーセント、又は最大1パーセントだけ異なってもよい。
【0045】
図2B及び
図2Cは、
図2Aに示すもののようなスリット付きウェブを異なる程度まで伸展させた場合の効果を図示する。スリット付きウェブが矢印で示す第2の方向に伸展されるとき、無傷のブリッジ領域の少なくともいくつかにおいて互いに結合され、かつ無傷のブリッジ領域の少なくともいくつかの間で互いに分離された、ウェブの複数のストランド26が提供される。図示される実施形態では、複数のストランドのうちの少なくともいくつか同士の間の分離は、開口部24を創出する。本開示に従う方法は、典型的には、スリット付きウェブの幅(つまり、CD方向の寸法)を増加させる。
【0046】
図2Cは、
図2Bよりも大きな伸展量を図示する。
図1Aと共に上に記載したように、本明細書に開示の方法において提供される伸展量は、非回転シャフトの軸に対する分岐ディスクの角度、及び距離d1に対する距離d2を含む、多様な因子によって制御することができる。いくつかの実施形態では、スリット付きウェブの伸展は、スリット付きウェブを直列に複数回伸縮性表面上に供給することによって行われ、このことまた伸展の程度に影響を与え得る。いくつかの実施形態では、伸展されたウェブの幅は、中断されたスリット又は完全スリットを含み得る投入されるスリット付きウェブの幅よりも少なくとも5パーセント、少なくとも10パーセント、少なくとも15パーセント、少なくとも20パーセント、又は少なくとも25パーセント大きい。いくつかの実施形態では、伸展されたウェブの幅は、投入されるスリット付きウェブの幅よりも最大40パーセント、最大50パーセント、最大75パーセント、最大100パーセント、最大150パーセント、又は最大200パーセント大きい。複数のストランドが結合されていない実施形態では、伸展されたウェブの幅は、最外のストランドの外縁同士の間の距離である。
【0047】
図2Cに図示される実施形態では、機械的締結具の両縁部の少なくとも2列の雄型締結要素を含む少なくとも2つのストランド26aは、分離されない。伸展されていないストランドを縁部に有する伸展された機械的締結ウェブは、いくつかの実施形態では、例えば、直線縁部を有する網目状の機械的締結ストリップ又はパッチを提供するために有利であり得る。
【0048】
図2A〜2Cが直立ポストを備える雄型締結要素12を有する裏材14を図示するが、当然のことながら、他の型のウェブにスリットを入れてスリット付きウェブ10aを得ることができ、他の型のウェブを、本明細書に開示の方法を使用して、伸展された機械的締結ウェブ10b及び10cと同じ様式で同じ程度に伸展させることができる。いくつかの実施形態では、スリット付きウェブは、ループ状材料のウェブ又は別の繊維性ウェブであってもよい。いくつかの実施形態では、スリット付きウェブは、表面構造を有しない熱可塑性フィルムであってもよい。スリット付きウェブはまた、発泡フィルムであってもよい。いくつかの実施形態では、スリット付きウェブは、例えば、熱可塑性フィルムと、繊維層又は発泡層のうちの少なくとも1つとを有する、多層フィルムである。
【0049】
図3Aは、
図2Aに示されるスリット付きウェブ10aの部分と同様である、中断されたスリット20を有し、かつ雄型締結要素を有するスリット付きウェブ部分の実施例を図示する。しかしながら、
図3Aに示す実施形態では、スリット部分20aは、隣接するスリットのスリット部分20bと異なる長さを有しており、その結果、スリット付きウェブが
図3Bに示すように伸展された後、開口部24a及び24bは異なるサイズを有することになる。つまり、開口部24aは開口部24bよりもMD方向に短い。小さい方のサイズのスリット部分20a及び大きい方のサイズのスリット部分20bは、各々、
図3Aに示すスリット付きウェブにわたって互いに整列し得る。あるいは、他の実施形態では、同じサイズのスリットを規則的なパターンで互いに対してオフセットさせてもよい。更に、
図2Aを再び参照すると、ブリッジ領域22の長さは、特定の用途又は外観にとって望ましいように、ストランド26内で又はストランド26の間で変化するようにしてもよい。
図3A及び
図3Bは、雄型締結要素を有する機械的締結具を図示しているが、本明細書に開示の方法を使用した同じスリット付けパターン及び伸展を、他の型のウェブ(例えば、上記のような、フィルム、発泡体、繊維性ウェブ、ループ状材料、及び多層構築物)を用いて行うことができる。
【0050】
図4Aは、
図2Aに示すスリット付きウェブ10aと同様である、中断されたスリットを有するスリット付きウェブの実施例を図示する。しかしながら、
図4Aに示す実施形態では、スリット部分20eはスリット部分20fと異なる長さを有しており、その結果、スリット付きウェブが
図4Bに示すように伸展された後、開口部24c及び24dは異なるサイズを有することになる。MD方向の長さの異なるスリット部分と対応する得られる開口部とを有する中断されたスリットを図示する
図3A及び3Bに示される実施形態とは対照的に、
図4A及び
図4Bは、スリット付きウェブのCD方向の異なるゾーン内の長さの異なるスリット部分のパターンを図示する。複数のストランド26c及び26dは、同じ伸展したウェブ内で互いに異なる外観を有しており、例えば、複数のストランド26c及び26dは、異なる波長及び振幅でジグザグの形をとっているか、又はうねっている。それぞれ
図4A及び4Bに示すスリット付きウェブ及びスリット付きの伸展されたウェブ(slit-and-spread web)は、雄型又は雌型機械的締結要素(図示せず)を含む場合も含まない場合もある。あるいは、それぞれ
図4A及び4Bに示すスリット付きウェブ及びスリット付きの伸展されたウェブは、非構造フィルム、繊維性ウェブ、発泡材料、又は多層材料であってもよい。
【0051】
本明細書に開示の中断されたスリットを有するスリット付きウェブを伸展させる方法の実施形態のうちのいずれかについては、ブリッジ領域の少なくともいくつか同士の間の複数のストランドの分離によって形成される開口部は、幾何学的形状の繰り返しパターンの形態である。図示される実施形態では、幾何学的形状は多角形であり、この多角形は、菱形などの四辺形であってもよい。
図2Cに図示される実施形態を含む、伸展されたウェブのいくつかの実施形態では、無傷のブリッジ領域の少なくともいくつかにおいて互いに結合されるウェブの複数のストランドは、90度未満、いくつかの実施形態では60度未満、45度未満、又は20度未満、及びいくつかの実施形態では0.5〜20度の範囲の角度βを形成する。例えば、いくつかの実施形態では、19mmのスリット部分20aを有するスリット付きウェブが伸展されて、伸展された機械的締結ウェブの幅が投入されるスリット付きウェブより100%大きくなる場合、角度βは、典型的には、約5度〜10度の範囲である。いくつかの実施形態では、曲線が使用されてもよく、そうすることにより、伸展後の開口部を三日月形にすることができる。
図4Bに示すように、幾何学的形状の開口部は2つ以上の繰り返しパターンで存在してもよい。開口部は、所望通りに、均等に離間されてもよく、又は不均等に離間されてもよい。均等に離間された開口部の場合、開口部同士の間の間隔(例えば、CD方向の距離)は、最大10パーセント、最大5パーセント、最大2.5パーセント、又は最大1パーセントだけ異なってもよい。
【0052】
図2A〜
図2C、
図3A及び
図3B、並びに
図4A及び
図4Bに図示されるウェブを伸展させる方法は、各々、スリット付きウェブのMD方向に対して平行に延在する中断されたスリットを示しているが、スリット(例えば、中断されたスリット又は完全スリット)は、CD方向に対して平行でない任意の所望の方向に作製し得る。例えば、スリットは、スリット付きウェブのMD方向に対して1度〜85度の角度で作製してもよい。いくつかの実施形態では、スリットは、スリット付きウェブのMD方向に対して35度〜55度(例えば、45度)の範囲の角度で作製してもよい。
【0053】
本開示に従う方法は、CD方向にあるあらゆる幅のスリット付きウェブに有用である。例えば、スリット付きウェブは、CD方向に5mm〜10cm、1cm〜5cm、又は1cm〜3cmの幅を有していてもよい。また、本明細書に記載の方法の実施形態のうちのいずれにも使用する伸縮性表面は、8mm〜15.25cm、1cm〜15.25cm、1cm〜12.7cm、8mm〜12.1cm、又は1cm〜10cm幅の範囲にある伸縮前の初期幅を有してもよいが、他の幅も有用であり得る。
【0054】
本開示の方法は、
図2A、2B、2C、3A、3B、4A、及び4Bと共に上に記載したように、伸縮性表面上でスリット付きウェブのストランドを分離するためだけでなく、ポリマー網の幅を増加させるためにも有用であり得る。ポリマー網の幅を増加させる方法は、機械方向の長さを有するポリマー網を提供することと、ポリマー網を伸縮性表面上に機械方向に走行させることであって、ポリマー網が、機械方向のパス長さにわたって伸縮性表面と接触し、パス長さの少なくとも一部にわたって、伸縮性表面が機械横方向に伸縮しており、伸縮中のポリマー網と伸縮性表面との間の牽引が、機械横方向のポリマー網の少なくとも一部の幅を増加させる、走行させることとを含む。いくつかの実施形態では、ポリマー網は、その実施形態のうちのいずれかにおいて上に記載したスリット付きウェブの複数のストランドのうちの少なくともいくつかが少なくとも部分的に分離された後に形成される。これらの実施形態では、ポリマー網の幅を増加させる方法は、2度目としてスリット付きウェブを第2の伸縮性表面上に機械方向に走行させることを更に含み、ここでスリット付きウェブの複数のストランドのうちの少なくともいくつかの少なくとも一部が第2の伸縮性表面上で更に分離される、スリット付きウェブのストランドを分離する方法として理解され得る。これらの実施形態のうちのいくつか(例えば、伸縮性表面が2つの分岐ディスクに接続される、上記の実施形態のうちのいずれか)では、ポリマー網の幅を増加させる方法は、ブリッジ領域でスリット付きウェブのストランドを分離する方法として理解されてもよく、この方法は、スリットを、横方向に離間され、かつ2つの回転分岐ディスクの回転の一部にわたって機械横方向に伸縮する伸縮性表面を間に有する2つの回転分岐ディスクを備える第2のローラー上に走行させることを更に含み、ここでスリット付きウェブの複数のストランドのうちの少なくともいくつかの少なくとも一部が、第2のローラー上で更に分離される。しかしながら、ポリマー網の幅を増加させる方法では、網は、スリット付きウェブから形成される必要はない。ポリマー網は、横方向に生じるいずれの引張応力もが、網の開口部の拡張をそれが伸縮性表面と接触しているときに可能にするのに十分低い、いずれの網であってもよい。多くのポリマー網がこの方法を使用して拡張され得るが、いくつかの実施形態では、網は、アレイ全体において接合領域で主に共に連結されたポリマーストランドのアレイを備えるが、ポリマーストランドは、実質的に互いを横切らない。これらの網のいくつかの実施形態では、ポリマーストランドの数により少なくとも50(少なくとも55、60、65、70、75、80、85、90、95、99、又は更には100)パーセントが、互いを横切らない。これらの網のいくつかの実施形態では、網は、最大750マイクロメートル(いくつかの実施形態では、最大500マイクロメートル、250マイクロメートル、100マイクロメートル、75マイクロメートル、50マイクロメートル、又は更には最大25マイクロメートル;10マイクロメートル〜750マイクロメートル、10マイクロメートル〜750マイクロメートル、10マイクロメートル〜500マイクロメートル、10マイクロメートル〜250マイクロメートル、10マイクロメートル〜100マイクロメートル、10マイクロメートル〜75マイクロメートル、10マイクロメートル〜50マイクロメートル、又は更には10マイクロメートル〜25マイクロメートルの範囲)の厚さを有する。これらの網のいくつかの実施形態では、ポリマーストランドのうちの少なくともいくつかは、第1のポリマー組成物を含むコアと、第2の異なるポリマー組成物を含むシースとを有する。有用な網の例は、国際特許出願公開第WO 2013/028654号(Ausenら)及び同第WO 2013/032683号(Ausenら)に記載され、これらの開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。本明細書に開示の方法に従って拡張され得る網は、例えば、創傷ケア用途、外科用ドレープ、及び吸収性物品に有用であり得る。これらの実施形態のうちのいくつかでは、網の少なくとも一部が、断性ポリマー組成物から作製される。機械的締結要素、例えば、2012年8月16日に出願され、その全体が参照により本明細書に組み込まれる同時係属の米国特許出願番号第13/587655号に記載されるものを含むポリマー網も、本明細書に開示の方法による処理に好適であり得る。
【0055】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示の方法において有用なスリット付きウェブ、又は得られる伸展されたウェブは、熱可塑性材料で作製される。好適な熱可塑性材料としては、ポリエチレン及びポリプロピレンなどのポリオレフィンホモポリマー、エチレン、プロピレン、及び/又はブチレンのコポリマー、エチレンビニルアセテート及びアクリル酸エチレンなどのエチレンを含有するコポリマー、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリエチレンブチラート及びポリエチレンナフタレートなどのポリエステル、ポリ(ヘキサメチレンアジパミド)などのポリアミド、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリ(ビニルアルコール)、ポリエーテルエーテルケトンなどのケトン、ポリフェニレン硫化物、並びにこれらの混合物が挙げられる。典型的には、スリット付きウェブが雄型締結要素を含む実施形態では、熱可塑性物質は、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、エチレンコポリマー、プロピレンコポリマー、ブチレンコポリマー、並びにこれらの材料のコポリマー及びブレンド)である。
【0056】
本明細書に開示の方法において有用なスリット付きウェブ、又は雄型締結要素を含む得られる伸展されたウェブの実施形態では、裏材と雄型締結要素と典型的に一体になっている(つまり、同時に単位体として一体型に形成される)。裏材上の直立するポストは、例えば、ポストの逆形状を有する空洞を有する、連続的に移動する金型の表面に、熱可塑性材料を供給することによって作製することができる。熱可塑性材料を、ロールの少なくとも1つが空洞を有する2つのロールによって形成されたニップの間、又はダイ面とロール表面との間のニップの間を通過させることができる。空洞は、ループ係合ヘッドを有するキャップをしたポストの逆形状であり得るか、又はループ係合ヘッドのない直立ポスト(例えば、雄型締結要素の前駆体)の逆形状であってもよい。ニップにより供給される圧力は、樹脂を空洞に押し込む。いくつかの実施形態では、空洞をより容易に充填するために、真空を使用して空洞を空にすることができる。ニップは、典型的には、間隙が十分に大きく、そのため、粘着する裏材が空洞上に形成される。金型表面及び空洞は、一体に形成された裏材及び直立フック要素を金型表面からストリッパロールなどによって剥ぎ取る前に、任意選択で空冷又は水冷することができる。空洞を出るときに形成されたポストがループ係合ヘッドを有さない場合、ループ係合ヘッドは後に、米国特許第5,077,870号(Melbyeら)に記載されているようなキャッピング法によって、フックに形成され得る。典型的には、キャッピング法は、熱及び/又は圧力を使用してフック要素の先端部分を変形させることを含む。熱及び圧力は、両方使用される場合、順次又は同時に適用され得る。
【0057】
好適なツールロールとしては、例えば、米国特許第4,775,310号(Fischer)に開示されるものなどの複数のポスト形成空洞をその周辺部に画定する一連のプレートから形成されるものが挙げられる。空洞は、例えば、穿孔又はフォトレジスト技術によってプレートに形成されてもよい。他の好適なツールロールとしては、例えば、米国特許第6,190,594(Gormanら)において、それらの製造方法と共に開示される、ワイヤーラップロールを挙げることができる。直立ポストを有する熱可塑性裏材を形成するための方法の別の例としては、米国特許第7,214,334号(Jensら)に記載される、直立ポストの形状の空洞のアレイを画定する可撓性成形型ベルトを使用することが挙げられる。直立ポストを有する熱可塑性裏材を形成するための更に他の有用な方法は、米国特許第6,287,665号(Hammer)、同第7,198,743号(Tuma)、及び同第6,627,133号(Tuma)に見出すことができる。
【0058】
本明細書で開示のスリット付きウェブ又は伸展された機械的締結ウェブの雄型締結要素は、所望の場合には、張出し部を有するループ係合ヘッドを有していてもよく、又は、ループ係合ヘッドに形成され得る遠位先端部を有する直立ポストであってもよい。本明細書で使用する用語「ループ係合」は、ループ状材料に機械的に取り付けられる雄型締結要素の能力に関する。概して、ループ係合ヘッドを有する雄型締結要素は、ポストの形状と異なるヘッド形状を有する。例えば、雄型締結要素は、キノコ(例えば、柄に対して拡大された円形又は楕円ヘッドを有する)、フック、ヤシ、釘、T又はJの形状であってもよい。雄型締結要素のループ係合性は、標準的な織布、不織布、又は編物材料を使用することによって決定及び定義されることができる。ループ係合ヘッドを有する雄型締結要素の領域は、概して、ループ状材料と組み合わされて、ループ係合ヘッドのないポストの領域よりも高い剥離強度、高い動剪断力、又は高い動摩擦のうちの少なくとも1つを提供することになる。「ループ係合張出し部」又は「ループ係合ヘッド」を有する雄型締結要素は、これらの締結要素の前駆体であるリブ(例えば、異型押し出しされ、続いて、雄型締結要素を形成するためにリブの方向に伸縮させながら切断された細長いリブ)を含まない。そのようなリブは、それらが切断及び伸縮される前に、ループを係合することができない。また、そのようなリブは直立ポストと見なされない。典型的には、ループ係合ヘッドを有する雄型締結要素は、最大厚さ寸法(高さに垂直であるどちらの寸法も)が、最大約1(いくつかの実施形態では、0.9、0.8、0.7、0.6、0.5、又は0.45)ミリメートルである。いくつかの実施形態では、雄型締結要素は、最大3mm、1.5mm、1mm、又は0.5mmの最大高さ(裏材の上)、及びいくつかの実施形態では、少なくとも0.05mm、0.1mm、又は0.2mmの最小高さを有する。いくつかの実施形態では、直立ポストは、少なくとも約2:1、3:1、又は4:1のアスペクト比(つまり、最も幅が広い点での高さと幅の比率)を有する。
【0059】
本開示を実施するのに有用な雄型締結要素を有するスリット付きウェブのいくつかの実施形態では、(例えば、キャップ又はヘッドにおける)各ループ係合張出し部の少なくとも一部は、スリットの方向に対して非ゼロ角度で延在する。いくつかの実施形態では、各雄型締結要素は、複数(即ち、少なくとも2つ)の方向に延在するループ係合張出し部を有するキャップを有する。例えば、直立ポストは、キノコ、釘、ヤシの木、又はTの形状であってもよい。いくつかの実施形態では、直立ポストにはマッシュルーム形状の頭部(例えば、熱可塑性裏材から遠位の楕円系又は円形のキャップ)が設けられる。他の実施形態では、スリット付きウェブの直立ポスト上の(例えば、キャップ又はヘッドにおける)ループ係合張出し部は、MD方向に対して平行に延在する。例えば、直立ポストは、(例えば、米国特許第5,953,797号(Provostら)に示されるように)Jの形状を有してもよい。
【0060】
図2B及び
図2Cに図示される伸展された機械的締結ウェブ10b及び10cでは、第1のストランド26上の雄型締結要素12は、直列16aに配列され、この直列16aは、第2の隣接するストランド26上の雄型締結要素12の直列16bと非平行である。複数の直立ポストの直列16a及び16b、及びポストが突出する複数のストランド自体は、伸展された機械的締結ウェブ10b又は10cの長さに沿って、例えば、上縁部18から下縁部28まで、うねっている又はジグザグの形をとることができる。図示される実施形態では、雄型締結要素12の直立ポスト上に可視であるキャップは、楕円形状を有し、これらのキャップは、MD方向の複数のストランド26に沿って異なる方向で配向されている。これらキャップの形状が円形の場合には、キャップに何らかの方法でしるしが付けられていない限り、キャップがストランド26に沿って異なる方向に配向されていることに気付かないことがある。図示される実施形態では、第1のストランド26上のキャップは、第2の隣接するストランド26上のキャップとは異なる方向に配向されている。スリット付きウェブ10aが、MD方向に対して平行にのみ整列したループ係合張出し部を有する雄型締結要素を含む実施形態では、スリット付きウェブ10aを伸展させることにより、典型的には、ループ係合張出し部は、
図2Cに示されるようにMD方向の複数のストランドに沿って異なる方向に配向されることになる。ループ係合張出し部が(例えば、機械方向などの一方向だけでなく)複数の方向に配向されると、ループ状材料の係合強化が有利にもたらされ得る。
【0061】
本開示のいくつかの実施形態を実施するのに有用なループ状材料(例えば、ウェブがループ状材料である場合)は、対応するフック締結要素と噛み合う任意の好適な材料であってもよい。いくつかの実施形態では、ループ締結要素は、典型的には、編布、織布、又は不織布から形成される。「不織布」という用語は、個々の繊維又は糸が間に挟まれているが編布におけるように確認可能ではない様式による構造を有する材料を指す。不織布ウェブの例としては、スパンボンドウェブ、スパンレースウェブ、エアレイドウェブ、メルトブローウェブ、及び接合カードウェブが挙げられる。本明細書に開示の方法によって調製された伸展されたウェブは、編地裏材、織布裏材、若しくは不織布裏材から突出する繊維ループを有してもよく、又は、押出接合された、接着接合された、及び/若しくは音波接合された繊維ループであってもよい。有用なループ状材料は、天然繊維(例えば、木質繊維若しくは綿繊維)、合成繊維(例えば、熱可塑性繊維)、又は天然繊維と合成繊維の組み合わせから作製されてもよい。熱可塑性繊維を形成するための好適な材料としては、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、エチレンコポリマー、プロピレンコポリマー、ブチレンコポリマー、並びにこれらのポリマーのコポリマー及びブレンド)、ポリエステル、及びポリアミドが挙げられる。繊維はまた、例えば、ある熱可塑性材料のコアと、別の熱可塑性材料のシースとを有する、多成分繊維であってもよい。
【0062】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示の方法に従って伸展され得るループ状材料片のウェブは、裏材上に配設される繊維層を含む。好適な裏材としては、織物、紙、熱可塑性フィルム(例えば、単一層又は多層フィルム、共押出フィルム、横積層フィルム、又は発泡体層を備えるフィルム)、及びこれらの組み合わせが挙げられる。熱可塑性裏材では、熱可塑性物質は、雄型締結要素を有する熱可塑性裏材に関して先に説明したものいずれかであり得る。好適なループ状材料の例は、例えば、米国特許第5,256,231号(Gormanら)及び同第5,389,416号(Modyら)に記載される。米国特許第5,256,231号(Gormanら)に記載されているように、いくつかの実施形態に従うループ状材料の繊維層は、裏材上の離間した固定部から同一方向に突出する弓形部を含むことができる。
【0063】
本開示に従う方法は、多様な厚さを有するスリット付きウェブ又は網において有用であり得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法に従って伸縮され得るスリット付きウェブの厚さは、所望の用途に応じて、最大約400、250、150、100、75、又は50マイクロメートルであってもよく、これは、ウェブの表面上の雄型又は雌型機械的締結要素の高さを含む必要はない。いくつかの実施形態では、ウェブの厚さは、30〜約225マイクロメートル、約50〜200マイクロメートル、又は約100〜約150マイクロメートルの範囲内である。ウェブが熱可塑性であるいくつかの実施形態では、例えば、熱可塑性ウェブが直立ポストの形成後に伸縮される場合、熱可塑性ウェブは、伸縮によって誘発された分子配向を有する。他の実施形態では、熱可塑性ウェブには、スリットの方向又は伸展方向の巨視的な伸縮によって誘発された分子配向が設けられない。伸展されたウェブの複数のストランドが、無傷のブリッジ領域で互いに結合され、無傷のブリッジ領域間で互いに分離される実施形態では、ブリッジ領域に限局するいくらかの応力によって誘発された配向があり得る。
【0064】
中断されたスリットを含むウェブのストランドを分離するとき、本開示の方法は、典型的には、スリット付きウェブを伸展させることができるが、有利には、伸展されたウェブの結合した複数のストランドの全てを面外にねじれさせない。面外へのねじれは、
図5の写真に示されるようにスリット付きウェブを伸展させた際に生じ得る。ループ状材料片は、
図2Aに示されるもののような雄型締結要素を有するスリット付き機械的締結具ウェブ部分の縁部に結合された。ループ状材料片が引き離されると、スリット付きウェブのストランドは、
図5に示されるように、ウェブの面外にねじれる傾向があった。面外ねじれの量は、典型的には、例えば、スリット付きウェブが伸展される程度の影響を受ける。伸展されたウェブのねじれたストランドは、不均一な接触面を創出し、このことは、ウェブへの熱伝達を困難にし、かつ、ニップに押しつぶされる可能性があるために更なるウェブ処理(例えば、後述するような焼鈍又は積層)におけるニップの使用を困難にし得る。
【0065】
本開示に従う方法のある数の特徴は、スリット付きウェブの結合したストランドが面外にねじれる傾向を制御するのに役立ち得る。スリット付きウェブと伸縮性表面との間の牽引は、結合したストランドが面外にねじれることを防ぐのに役立ち得る。機械方向に適用される張力により、
図1Aに示されるローラーは、冠面は、スリット付きウェブに対して垂直な力をスリット付きウェブに及ぼし、この張力は、結合したストランドを面内に保持するのにも役立ち得る。このようにして、本明細書で開示の方法は、例えば、ウェブが伸縮性表面を離れる際に、ウェブの平面と実質的に共面となる配列で複数のストランドのうちの少なくともいくつかを維持又は拘束すると考えることができる。実質的に「共面」の配列とは、実質的に同一平面を占めるストランドを指す。この点に関する「実質的に」という用語は、複数のストランドのうちの少なくともいくつかが、平面から最大15、10、又は5度だけねじれて離れることができることを意味し得る。拘束される複数のストランドに関する語句「少なくともいくつか」は、複数のストランドの少なくとも25、50、75、若しくは90パーセント、又はそれ以上が拘束されることを指す。
【0066】
ある数のウェブ取り扱い技術又はウェブ処理技術は、本明細書で開示の方法の一部の実施形態に対して多様な組み合わせで有用であり得る。本開示に従う方法の前述の実施形態のうちのいずれかの場合、スリット付きウェブの提供は、多様な方法で行うことができる。例えば、連続ウェブの回転ダイカットが有用であり得る。中断されたスリットは、例えば、隙間を有する回転切れ刃を使用して、ブリッジ領域を形成することによって作製することができる。隙間内のブレードの高さを調整して、所望の実施形態に応じて、ブリッジ領域が部分的に切断されるか、又は全く切断されないようにしてもよい。また、他の切断方法(例えば、レーザー切断)も有用であり得る。ウェブが少なくとも1つの表面上に機械的締結要素を含む実施形態については、切断は、連続ウェブの両面から行うことができる。スリットは、ウェブを「貫通して」切り込まれてもよく、これは、スリットがウェブの全厚さを貫通して切り込むことを意味する。他の実施形態では、伸縮表面が部分深さスリットを引き離すことができる限りにおいて、スリットは部分深さスリットであってもよい。部分深さスリットは、例えば、ウェブ厚さの80、85、又は90パーセント以上を貫通してもよい。これは、次の等式:
(スリット深さをウェブ厚さで除したもの)×100
に対する解が、いくつかの実施形態において、少なくとも80、85、又は90であることを意味する。ウェブにスリットを入れる他の方法は、例えば、米国特許出願公開第2011/0313389号(Woodら)に見出すことができる。
【0067】
スリットを入れる工程がスリット付きウェブを伸縮性表面上に供給する直前に起こる場合、ウェブを、それにスリットが入る前に誘導することができ、これは、スリット付きウェブを誘導するよりも容易であり得る。これは、スリット付きウェブが完全にスリットを入れられる実施形態と、複数のストランドがブリッジ領域で連結される実施形態との両方において有利であり得る。いくつかの実施形態では、上述したように、例えば、直立ポストの逆形状を有する空洞を有する連続的に移動する成形型表面の上に熱可塑性材料を供給して、雄型締結要素が形成される場合、本明細書に開示の方法に従ってウェブにスリットを入れることと、スリット付きウェブを伸展させることは、ループ係合ヘッドを形成するためにキャッピング工程を行う前又は後に行うことができる。また、キャップを形成するために遠位先端部を変形させることは、例えば、ウェブを貫通してスリットを入れた後であるがスリット付きウェブを伸展させる前、スリット付きウェブを伸展させた後であるが焼鈍(以下に記載)の前、又は焼鈍の後に、所望通りに行うことができる。雄型締結要素の形成はまた、例えば、米国特許第6,132,660号(Kampfer)に記載のように、キャップの形状を変化させる工程を含み得る。かかるキャップ改質工程は、キャッピングの直後に、又は本明細書に記載のスリット入れ工程、伸展工程、又は更なる処理工程のいずれかの後に、行うことができる。
【0068】
いくつかの実施形態では、本開示に従う方法は、伸展されたウェブを加熱することを更に含む。いくつかの実施形態、特に、複数のストランドが無傷のブリッジ領域で結合される実施形態では、本開示に従う方法は伸展されたウェブの焼鈍を更に含む。いくつかの実施形態では、焼鈍は、伸展されたウェブを加熱することを含む。いくつかの実施形態では、焼鈍は、その構成を維持するために、伸展されたウェブを加熱し、その後冷却(例えば、急速冷却)することを含む。加熱及び/又は焼鈍は、例えば、伸展されたウェブが最終的な所望の程度まで伸展された後、又は、例えば、伸展されたウェブが第2の伸縮性表面で再度伸展される場合には、中間段階において、行うことができる。伸展されたウェブを焼鈍することは、例えば、伸展させる程度に応じて有用な可能性があり、例えば、スリット付きウェブの幅を少なくとも50パーセント伸展させた場合に、複数のストランド間の開口部を維持するのに有用であり得る。焼鈍はまた、例えば、複数のストランドのうちの少なくともいくつかを実質的に共面配列に維持するために有用であり得る。ウェブが機械的締結要素を含む実施形態を含むいくつかの実施形態では、加熱は、加熱によって生じ得る機械的締結要素に対するあらゆる損傷を最小にするために、伸展された機械的締結ウェブの第2の表面(即ち、第1の表面に対向し、機械的締結要素が突出している表面)に対してのみ適用される。いくつかの実施形態では、伸縮性表面が加熱される。これらの実施形態では、スリット付きウェブは、存在し得る機械的締結要素が伸縮性表面とは反対方向を向くように配列され得る。また加熱することは、例えば、加熱されたローラーを用いて、例えば、スリットウェブを伸展させた後に、連続ウェブ上で行われ得る。赤外照射、高温空気処理、又はウェブを加熱されたチャンバを通して送ることによってなどの非接触加熱法は、例えば、スリット付きウェブを存在し得る機械的締結要素が伸縮性表面の方を向くようにされるときに有用であり得る。また、いくつかの実施形態では、これらの加熱方法のいずれかを使用して伸展させる前にスリット付きウェブを加熱することも有用であり得る。
【0069】
いくつかの実施形態では、スリット付きウェブ又は網を、それが伸縮性表面と接触している間に、例えば非接触方法によって加熱する。伸縮性表面が分岐ディスクに接続される実施形態では、例えば、スリット付きウェブ又は網は、伸縮性表面が伸縮している回転の少なくとも一部に対して加熱してもよい。スリット付きウェブ又は網は、回転の最終部分の間に、又はそれが伸縮性表面から除去されるときに、冷却され得る。これら及び他の実施形態では、例えば、スリット付きウェブをそれが伸縮性表面から除去されるときに焼鈍するために、冷気が有用であり得る。
【0070】
本開示の方法を実施するための装置1000の実施形態のダイヤグラム表示が
図6に示されている。
図6において、スリット付きウェブ又は網10aは、ローラー1050の上に方向付けられており、このローラー1050は、例えば、ウェブ10aの張力を調節するのに有用であり得る。スリット付きウェブ10aは次に、それを伸縮性表面ローラー1100の上を移動させることによって伸展されて、伸展されたウェブ又は網10bをもたらす。伸縮性表面ローラーは、
図1A、又は上記の他の実施形態に従い得る。伸展されたウェブ又は網10bは、任意選択で、1つ又は2つ以上の他のローラー1150によって取り扱うことができ、このローラー1150は、上記のような回転している加熱されたシリンダー(又は加熱されたローラー)であり得る。いくつかの実施形態では、ローラー1150は、(例えば、上記のようなゴム状材料又は粗面を有する材料を含む)高摩擦ローラーであってもよい。高摩擦ローラーは、所望の場合には、加熱又は冷却されてもよく、あるいは室温で有用であり得る。高摩擦ローラーは、例えば、ウェブが焼鈍されているか否かにかかわらず、伸展されたウェブを伸展構成に保持するのに有用であり得る。いくつかの実施形態では、加熱した高摩擦ローラーは、伸展されたウェブを焼鈍するのに有用であり得る。図示される実施形態では、伸展されたウェブ又は網10bを第2の伸縮性表面ローラー1200上で移動させ、そこでウェブをより大幅に伸展させることができる。図示される実施形態では、伸展されたウェブを、次に担体ウェブ45に積層し、積層体440を形成させる。図示される実施形態では、積層は、ローラー1500によって形成されたニップにおいて行われる。いくつかの実施形態、特にスリット及び伸展されたウェブの複数のストランドがウェブの無傷のブリッジ領域で結合される実施形態では、伸展されたウェブは、回転している加熱されたシリンダー、その後任意選択で回転している冷却されたシリンダー上へと方向付けて、積層の前に伸展されたウェブを焼鈍し急速冷却することができる。
【0071】
いくつかの実施形態では、スリット付きウェブに、伸縮性表面と接触する表面と反対側のその表面上で接着剤をコーティングする。これらの実施形態のうちのいくつかでは、機械的締結要素は、伸縮性表面の方を向き、接着剤コーティングは伸縮性表面とは反対方向を向く。これらの実施形態では、上記の非接触加熱法が有用であり得る。伸展された機械的締結ウェブを次に、前述したように冷却されたシリンダーと接触させることを、キャリアに積層する前に行うことができる。
【0072】
伸展されたウェブの複数のストランドがウェブの無傷のブリッジ領域で結合される、本明細書に開示のウェブを伸展する方法の実施形態のうちのいずれについても、伸展されたウェブはロールの形態であってもよい。中断されたスリットを中断するブリッジ領域により、伸展されたウェブを、例えば、ロールの形態で取り扱われ、所望通りに変換される一体ユニットとして取り扱うことが可能となる。
【0073】
スリット付きウェブが連続スリットを含み、スリット付きウェブの複数のストランドが互いに結合されていない実施形態のうちのいずれについても、伸展されたウェブを、それが伸縮性表面上に伸展された直後に担体に積層することが有用であり得る。これらの実施形態では、下流ローラー1150及び/又は積層ローラー1500を伸縮性表面ローラー1100に近接して位置付けることは、個々の分離されたストランドの取り扱いを最小限にするのに有用であり得る。また、複数のストランドが無傷のブリッジ領域で結合される伸展されたウェブの実施形態におけるブリッジ領域は、伸展されたウェブを一体ユニットとして取り扱うのを可能にするが、取り扱いを容易にするために、伸展されたウェブの複数のストランドを伸展構成に固定して複数のストランドの間の分離を維持するために、又は選択した用途のための積層体(例えば、機械的締結積層体)を作製するために、伸展されたウェブを担体(例えば、更には犠牲担体)に積層するのが有用であり得る。伸展されたウェブは、例えば、積層(例えば、押出積層)、接着(例えば、感圧性接着剤)、又は他の結合方法(例えば、超音波結合、圧縮結合、又は表面結合)によって、担体に連結されてもよい。
【0074】
担体45は、連続的(即ち、いかなる貫通穴もない)又は断続的(例えば、貫通穿孔又は孔を含む)であり得る。担体は、織布ウェブ、不織布ウェブ(例えば、スパンボンドウェブ、スパンレースウェブ、風成ウェブ、メルトブローンウェブ、及び接着カードウェブ)、テキスタイル、プラスチックフィルム(例えば、単層又は多層フィルム、共押出フィルム、側方積層フィルム、又は発泡体層を含むフィルム)、及びこれらの組み合わせを含む、多様な好適な材料を含み得る。積層体が機械的締結積層体である実施形態を含むいくつかの実施形態では、担体は、繊維性材料(例えば、織布、不織布、又は編布)である。いくつかの実施形態では、担体は、例えば、少なくとも1つのメルトブローン不織布の層、及び少なくとも1つのスパンボンド不織布の層、又は不織布材料の任意の他の好適な組み合わせを有する、多層の不織布材料を含む。例えば、担体は、スパンボンド−メルトボンド−スパンボンド、スパンボンド−スパンボンド、又はスパンボンド−スパンボンド−スパンボンドの多層材料であってもよい。又は、担体は不織布層及び高密度フィルム層を含む複合ウェブであり得る。有用な担体を提供することができる繊維性材料は、ループ状材料を作製するのに有用であるとして上述した繊維のいずれかから作製され得る。有用な担体は、特定の用途に所望される任意の好適な坪量又は厚さを有し得る。繊維性担体については、坪量は、例えば、1平方メートル当たり少なくとも約5、8、10、20、30、又は40グラムから、1平方メートル当たり最大約400、200、又は100グラムの範囲であってもよい。担体は、最大約5mm、約2mm、又は約1mmの厚さ、及び/又は少なくとも約0.1、約0.2、又は約0.5mmの厚さであり得る。
【0075】
いくつかの実施形態では、スリット付きウェブは、複数のストランドのうちの少なくともいくつかが少なくとも部分的に分離された後に、高摩擦表面上に方向付けられる。上記のように、いくつかの実施形態では、高摩擦表面は高摩擦ローラーである。別の実施形態では、高摩擦表面は、接着テープ(つまり、担体上に配設された接着剤)である。これらの実施形態では、接着剤は感圧性接着剤であってもよく、担体は上記の担体のうちのいずれであってもよい。複数のストランドのうちの少なくともいくつかが少なくとも部分的に伸展されたすぐ後にスリット付きウェブが接着テープ上に方向付けられるときは、接着剤がストランドを伸展したままにすることができるため、焼鈍は必要ではない場合がある。いくつかの実施形態では、スリット付きウェブを接着テープに連結することは、上記のように及び
図6に示すように、ニップでは行われない。代わりに、いくつかの実施形態では、積層体は、スリット付きウェブが接着テープに連結される場所からウェブ下に挟まれる。この方法は、積層体を平坦に保つのに役立ち得る。
【0076】
伸展されたウェブが(例えば、その上に直立ポスト又は繊維層若しくは発泡体層を有する)熱可塑性裏材を含むいくつかの実施形態では、熱可塑性裏材は、表面接合技法又はロフト保持接合技法を使用して繊維性ウェブ担体に連結され得る。「表面接着」という用語は、繊維性材料の接合を指すとき、繊維の少なくとも一部の繊維表面の部分が、裏材の第2の表面の元の(接合前の)形状を実質的に保存し、曝露条件で裏材の第2の表面の少なくともいくつかの部分を実質的に保存するような様式で、表面が接合する面積において、裏材の第2の表面に溶融接合されることを意味する。定量的に、表面接合された繊維は、表面接合された繊維の表面積の少なくとも約65%が、繊維の接合部分の裏材の第2の表面の上に可視であるという点で、埋め込まれた繊維と区別され得る。繊維の表面積の全体を可視化するために、2つ以上の角度からの検査が必要であり得る。「ロフト保持接合」という用語は、繊維性材料の接合を指すとき、接合された繊維性材料が、接合プロセスに先立って、又は接合プロセスがない場合、材料によって呈されるロフトの少なくとも80%である、ロフトを含むことを意味する。繊維性材料のロフトは、本明細書で使用される場合、ウェブによって占有される全体積(繊維、並びに、繊維によって占有されない材料の間質腔を含む)と繊維性材料のみによって占有される体積の比率である。繊維性ウェブの一部のみが、そこに接合される裏材の第2の表面を有する場合、保持されたロフトは、接合領域の繊維性ウェブのロフトを、非接合領域のウェブのロフトと比較することによって容易に確認することができる。場合によっては、例えば、繊維性ウェブの全体がそこに接合される裏材の第2の表面を有する場合、接合されたウェブのロフトを、接合される前の同一ウェブの試料のロフトと比較することが簡便であってもよい。これらの実施形態のうちのいくつかでは、接合することは、加熱したガス状流体(例えば、周囲空気、除湿空気、窒素、不活性ガス、又は他のガス混合物)を、連続ウェブが移動している間に繊維性ウェブ担体の第1の表面上に衝突させることと、連続ウェブが移動している間に加熱した流体を、裏材の繊維層、ループ、又は直立ポストの反対側である、裏材の第2の表面上に衝突させることと、繊維性ウェブの第1の表面が裏材の第2の表面に溶融接合(例えば、表面接合、又はロフト維持接合によって接合)されるように、繊維性ウェブの第1の表面を裏材の第2の表面と接触させることと、を含む。加熱したガス状流体を繊維性ウェブの第1の表面の上に衝突させることと、加熱したガス状流体を裏材の第2の表面上に衝突させることは、連続的又は同時に行われてもよい。加熱したガス状流体を使用して連続ウェブを繊維状担体ウェブと連結するための方法及び装置は、米国特許出願公開出願公開第2011/0151171号(Bieglerら)及び同第2011/0147475号(Bieglerら)に見出すことができる。
【0077】
伸展されたウェブが担体に連結されるいくつかの実施形態では、担体の1つ又は2つ以上のゾーンは、力が加えられると少なくとも1つの方向に伸張し、力が除去された後はそのほぼ元の寸法に戻る弾性的伸張性材料を含み得る。しかしながら、いくつかの実施形態では、少なくともウェブの複数のストランドに連結された担体の部分は伸縮性でない。いくつかの実施形態では、複数のストランドに連結された担体の部分は、最大10(いくつかの実施形態では、最大9、8、7、6、又は5)パーセントのCD方向の伸びを有することになる。いくつかの実施形態では、担体は、伸張性であるが、非弾性であってもよい。換言すると、担体は、少なくとも5、10、15、20、25、30、40、又は50パーセントの伸びを有するが、実質的に伸びから回復しない(例えば、最大10又は5パーセントの回復)場合がある。好適な伸張性の担体としては、不織布(例えば、スパンボンド、スパンボンド−メルトブローン−スパンボンド、又はカード不織材)を挙げることができる。いくつかの実施形態では、不織布は、高伸度カード不織布(例えば、HEC)であってもよい。いくつかの実施形態では、担体はひだ付きでない。
【0078】
伸展されたウェブが担体に連結されるいくつかの実施形態では、担体又は伸展されたウェブのうちの少なくとも一方には、接着剤の層が設けられる。これらの実施形態のうちのいくつかでは、伸展されたウェブは接着剤で担体に接合されて積層体を形成し、接着剤は、積層体内の複数のストランドの間に露出される。これは、例えば、ウェブが機械的締結ウェブである場合に有用であり得る。
【0079】
いくつかの実施形態では、本開示に従う方法は、伸展されたウェブをCD方向に切断することを含む。伸展されたウェブが機械的締結要素を含む実施形態では、このような変換により、伸展された機械的締結パッチが得られる。伸展されたウェブの切断は、例えば、伸展された機械的締結ウェブが担体に積層された後に行うことができ、パッチは締結積層体と見なすことができる。
【0080】
本明細書に開示の方法によって作製された締結積層体は、例えば、吸収性物品において有用である。吸収性物品は、少なくとも前側腰部領域、後側腰部領域、及び前側腰部領域と後側腰部領域を二等分する長手方向中心線を有してもよく、前側腰部領域又は後側腰部領域の少なくとも一方は、本明細書に開示の締結積層体を含む。締結積層体は、前側腰部領域又は後側腰部領域の少なくとも一方に接合される締結タブ又はランディングゾーンの形態であり得る。締結タブは、吸収性物品の左側長手方向縁部又は右側長手方向縁部の少なくとも一方から外向きに延在してもよい。他の実施形態では、締結積層体は、吸収性物品の一体型耳部分であってもよい。締結タブのユーザ端における担体が、伸展された機械的締結パッチの延長部分を超え、それによりフィンガーリフトが提供され得る。伸展された機械的締結パッチを締結タブで使用する場合、いくつかの実施形態において伸展された機械的締結パッチの複数のストランドの間に存在し得る露出した接着剤は、「はがれ防止」のため、又は使用後に使い捨て吸収性物品を丸めた状態に維持するために有用であり得る。伸展された機械的締結パッチがランディングゾーン又は締結タブとして使用される場合、いくつかの実施形態において伸展された機械的締結パッチの複数のストランドの間に存在し得る露出した接着剤は、機械的締結と接着締結との組み合わせを提供するのに有用であり得る。本明細書に開示の方法により作製される締結積層体はまた、例えば、生理用ナプキンなどの使い捨て物品にも有用であり得る。本開示に従って作製された機械的締結具及び積層体はまた、多くの他の締結用途、例えば、自動車部品の組立体、又は取り外し可能な取り付けが望ましい場合がある任意の他の用途において有用であり得る。
【0081】
本開示の一部の実施形態
第1の実施形態では、本開示は、スリット付きウェブのストランドを分離する方法を提供し、本方法は、
機械方向の長さを有するスリット付きウェブを提供することであって、スリット付きウェブが、機械横方向に対して平行ではない第1の方向に延在する複数のスリットによって提供される複数のストランドを備える、提供することと、
スリット付きウェブを伸縮性表面上に機械方向に走行させることであって、スリット付きウェブが、機械方向のパス長さにわたって伸縮性表面と接触し、パス長さの少なくとも一部にわたって、伸縮性表面が機械横方向に伸縮し、伸縮中のスリット付きウェブと伸縮性表面との間の牽引が、第1の方向に対して横方向の第2の方向に、スリット付きウェブの複数のストランドのうちの少なくともいくつかを少なくとも部分的に分離する、走行させることと、を含む。
【0082】
第2の実施形態では、本開示は、スリット付きウェブが、それが伸縮性表面と接触する前のその幅よりも少なくとも5パーセント大きい伸縮性表面と接触した後の幅を有する、第1の実施形態に記載の方法を提供する。
【0083】
第3の実施形態では、スリット付きウェブが少なくとも1つの主表面上に機械的締結要素を備える、本開示、第1又は第2の実施形態に記載の方法。
【0084】
第4の実施形態では、本開示は、スリット付きウェブがループを備える、第3の実施形態に記載の方法を提供する。
【0085】
第5の実施形態では、本開示は、機械的締結要素が、スリット付きウェブに取り付けられた基部を有する直立ポストを備える雄型締結要素である、第3の実施形態に記載の方法を提供する。
【0086】
第6の実施形態では、本開示は、第5の実施形態の方法であって、直立ポストの複数の列を有する熱可塑性裏材を提供することを更に含み、スリット付きウェブを提供することが、直立ポストの隣接する列の少なくともいくつかの対の間のウェブを貫通してスリットを入れることを含む、方法を提供する。
【0087】
第7の実施形態では、本開示は、雄型締結要素が、スリット付きウェブから遠位にあるキャップを更に備える、第5又は第6の実施形態に記載の方法を提供する。
【0088】
第8の実施形態では、本開示は、キャップが、直立ポストを越えて非ゼロ角度で中断されたスリットの方向に延在するループ係合張出し部を有する、第7の実施形態に記載の方法を提供する。
【0089】
第9の実施形態では、本開示は、機械的締結要素が伸縮性表面とは反対方向を向くようにスリット付きウェブが配列される、第3〜第8の実施形態のいずれか1つに記載の方法を提供する。
【0090】
第10の実施形態では、本開示は、機械的締結要素が伸縮性表面の方を向くようにスリット付きウェブが配列される、第3〜第8の実施形態のいずれか1つに記載の方法を提供する。
【0091】
第11の実施形態では、本開示は、スリット付きウェブに、接着剤を、機械的締結要素と反対側のその表面上にコーティングする、第10の実施形態に記載の方法を提供する。
【0092】
第12の実施形態では、本開示は、伸縮性表面が、スリット付きウェブと接触する伸縮性表面側と反対側に伸縮性表面と接触する支持表面を有しない、第1〜第11の実施形態のいずれか1つに記載の方法を提供する。
【0093】
第13の実施形態では、本開示は、スリット付きウェブの複数のストランドのうちの少なくともいくつかが、互いに結合していない、第1〜第12の実施形態のいずれか1つに記載の方法を提供する。
【0094】
第14の実施形態では、本開示は、第1〜第12の実施形態のいずれか1つに記載の方法であって、複数のスリットが、ウェブの無傷のブリッジ領域によって中断され、少なくともいくつかの隣接する中断されたスリットにわたって、無傷のブリッジ領域が、第1の方向に対して横方向にずれており、伸縮が、無傷のブリッジ領域の少なくともいくつかで互いに結合し、無傷のブリッジ領域の少なくともいくつかの間で互いから分離されるスリット付きウェブの複数のストランドを備える伸展されたウェブを提供する、方法を提供する。
【0095】
第15の実施形態では、本開示は、無傷のブリッジ領域が、中断されたスリットを、第1の方向に整列した一連のスリット部分へと分割し、スリット部分の長さと複数のストランドのうちの1つの幅の比率が少なくとも2:1である、第14の実施形態に記載の方法を提供する。
【0096】
第16の実施形態では、本開示は、無傷のブリッジ領域の少なくともいくつかにおいて互いに結合したスリット付きウェブの複数のストランドが、90度未満の角度を形成する、第14又は第15の実施形態に記載の方法を提供する。
【0097】
第17の実施形態では、本開示は、伸縮性表面がエラストマーを含む、第1〜第16の実施形態のいずれか1つに記載の方法を提供する。
【0098】
第18の実施形態では、本開示は、伸縮性表面が、少なくとも1つの伸縮性バンド、伸縮性チューブ、少なくとも1つのコイルばね、又はこれらの組み合わせによって提供される、第1〜第17の実施形態のいずれか1つに記載の方法を提供する。
【0099】
第19の実施形態では、本開示は、スリット付きウェブが、少なくとも2つの異なる伸縮性表面上に走行する、第1〜第18の実施形態のいずれか1つに記載の方法を提供する。
【0100】
第20の実施形態では、本開示は、第1〜第19の実施形態のいずれか1つに記載の方法であって、スリット付きウェブを機械方向に走行させることが、横方向に離間され、かつ2つの回転分岐ディスクの回転の一部にわたって機械横方向に伸縮する伸縮性表面を間に有する2つの回転分岐ディスクを備えるローラー上にスリット付きウェブを走行させることを含む、方法を提供する。
【0101】
第21の実施形態では、本開示は、少なくとも1つの分岐ディスクが、少なくとも1度の機械方向に対する角度を有する、第20の実施形態に記載の方法を提供する。
【0102】
第22の実施形態では、本開示は、伸縮性表面を提供する分岐ディスクに結合された、複数の伸縮性バンド、伸縮性チューブ、複数のコイルばね、又はこれらの組み合わせが存在する、第20又は第21の実施形態に記載の方法を提供する。
【0103】
第23の実施形態では、本開示は、伸縮性表面が2つの回転分岐ディスクに接続されたスリーブである、第20又は第21の実施形態に記載の方法を提供する。
【0104】
第24の実施形態では、本開示は、分離が最も大きい地点における2つの分岐ディスクの周面間の距離が、分離が最も小さい地点における2つの分岐ディスクの周面間の距離よりも少なくとも25パーセント大きい、第20〜第23の実施形態のいずれか1つに記載の方法を提供する。
【0105】
第25の実施形態では、本開示は、ローラーがアイドラーローラーである、第20〜第24の実施形態のいずれか1つに記載の方法を提供する。
【0106】
第26の実施形態では、本開示は、第20〜第25の実施形態のいずれか1つに記載の方法であって、複数のストランドのうちの少なくともいくつかが少なくとも部分的に分離された後に、横方向に離間され、かつ2つの回転分岐ディスクの回転の一部にわたって機械横方向に伸縮する伸縮性表面を間に有する2つの回転分岐ディスクを備える第2のローラー上にスリット付きウェブを走行させることを更に含み、スリット付きウェブの複数のストランドのうちの少なくともいくつかの少なくとも一部が、第2のローラー上で更に分離される、方法を提供する。
【0107】
第27の実施形態では、本開示は、伸縮性表面がコンベヤベルト装置上で伸縮される、第1〜第19の実施形態のいずれか1つに記載の方法を提供する。
【0108】
第28の実施形態では、本開示は、複数のストランドのうちの少なくともいくつかが少なくとも部分的に分離される前、間、又は後に、スリット付きウェブを加熱することを更に含む、第1〜第27の実施形態のいずれか1つに記載の方法を提供する。
【0109】
第29の実施形態では、本開示は、加熱することが、複数のストランドのうちの少なくともいくつかが少なくとも部分的に分離された後に、スリット付きウェブを焼鈍する、第28の実施形態に記載の方法を提供する。
【0110】
第30の実施形態では、本開示は、加熱することが、複数のストランドのうちの少なくともいくつかが少なくとも部分的に分離された後に、回転している加熱されたシリンダー上にスリット付きウェブを走行させることを含む、第28又は第29の実施形態に記載の方法を提供する。
【0111】
第31の実施形態では、本開示は、スリット付きウェブを加熱することが、非接触加熱を使用することを含む、第28又は第29の実施形態に記載の方法を提供する。
【0112】
第32の実施形態では、本開示は、スリット付きウェブが伸縮性表面と接触した後のスリット付きウェブの幅が最大200パーセント大きくなるように、複数のストランドのうちの少なくともいくつかが少なくとも部分的に分離される、第1〜第31の実施形態のいずれか1つに記載の方法を提供する。
【0113】
第33の実施形態では、本開示は、第1の方向が機械方向である、第1〜第32の実施形態のいずれか1つに記載の方法を提供する。
【0114】
第34の実施形態では、本開示は、複数のストランドのうちの少なくともいくつかが少なくとも部分的に分離された後に、スリット付きウェブの機械横方向に、巨視的な伸縮によって誘発された分子配向が存在しない、第1〜第33の実施形態のいずれか1つに記載の方法を提供する。
【0115】
第35の実施形態では、本開示は、複数のストランドのうちの少なくともいくつかが少なくとも部分的に分離された後に、スリット付きウェブを高摩擦表面上に方向付けることを更に含む、第1〜第34の実施形態のいずれか1つに記載の方法を提供する。
【0116】
第36の実施形態では、本開示は、高摩擦表面が加熱された高摩擦ローラーである、第35の実施形態に記載の方法を提供する。
【0117】
第37の実施形態では、本開示は、高摩擦表面が冷却された高摩擦ローラーである、第35の実施形態に記載の方法を提供する。
【0118】
第38の実施形態では、本開示は、スリット付きウェブを回転している冷却されたシリンダー上に方向付けることを更に含む、第1〜第37の実施形態のいずれか1つに記載の方法を提供する。
【0119】
第39の実施形態では、本開示は、複数のストランドのうちの少なくともいくつかが少なくとも部分的に分離された後に、スリット付きウェブを担体に積層することを更に含む、第1〜第38の実施形態のいずれか1つに記載の方法を提供する。
【0120】
第40の実施形態では、本開示は、担体が不織布ウェブである、第39の実施形態に記載の方法を提供する。
【0121】
第41の実施形態では、本開示は、第39又は第40の実施形態に記載の方法であって、担体に接着剤の層が設けられ、スリット付きウェブが接着剤で担体に接合されて積層体を形成し、接着剤が、積層体内の複数のストランドの間に露出される、方法を提供する。
【0122】
第42の実施形態では、本開示は、積層体が、スリット付きウェブが担体に接合される場所からウェブ下にニップを通して方向付けられる、第39〜第41の実施形態のいずれか1つに記載の方法を提供する。
【0123】
第43の実施形態では、本開示は、ポリマー網の幅を増加させる方法が提供され、本方法は、
機械方向の長さを有するポリマー網を提供することと、
ポリマー網を伸縮性表面上に機械方向に走行させることであって、ポリマー網が、機械方向のパス長さにわたって伸縮性表面と接触し、パス長さの少なくとも一部にわたって、伸縮性表面が機械横方向に伸縮しており、伸縮中のポリマー網と伸縮性表面との間の牽引が、機械横方向のポリマー網の少なくとも一部の幅を増加させる、走行させることと、を含む。
【0124】
第44の実施形態では、本開示は、ポリマー網が、それが伸縮性表面と接触する前のその幅よりも少なくとも5パーセント大きい伸縮性表面と接触した後の幅を有する、第43の実施形態に記載の方法を提供する。
【0125】
第45の実施形態では、ポリマー網が少なくとも1つの主表面上に機械的締結要素を備える、本開示、第43又は第44の実施形態に記載の方法。
【0126】
第46の実施形態では、本開示は、ポリマー網がループを備える、第45の実施形態に記載の方法を提供する。
【0127】
第47の実施形態では、本開示は、機械的締結要素が、ポリマー網に取り付けられた基部を有する直立ポストを備える雄型締結要素である、第45の実施形態に記載の方法を提供する。
【0128】
第48の実施形態では、本開示は、雄型締結要素がポリマー網から遠位にあるキャップを更に含む、第47の実施形態に記載の方法を提供する。
【0129】
第49の実施形態では、本開示は、機械的締結要素が伸縮性表面とは反対方向を向くように、ポリマー網が配列される、第45〜第48の実施形態のいずれか1つに記載の方法を提供する。
【0130】
第50の実施形態では、本開示は、機械的締結要素が伸縮性表面の方を向くように、ポリマー網が配列される、第45〜第48の実施形態のいずれか1つに記載の方法を提供する。
【0131】
第51の実施形態では、本開示は、ポリマー網に、接着剤を、機械的締結要素と反対側のその表面上にコーティングする、第50の実施形態に記載の方法を提供する。
【0132】
第52の実施形態では、本開示は、伸縮性表面が、ポリマー網と接触する伸縮性表面側と反対側に伸縮性表面と接触する支持表面を有しない、第43〜第51の実施形態のいずれか1つに記載の方法を提供する。
【0133】
第53の実施形態では、本開示は、ポリマー網が、無傷のブリッジ領域で互いに結合し、無傷のブリッジ領域の少なくともいくつかの間で互いから分離されるスリット付きウェブの複数のストランドを備える、第43〜第52の実施形態のいずれか1つに記載の方法を提供する。
【0134】
第54の実施形態では、本開示は、伸縮性表面がエラストマーを含む、第43〜第53の実施形態のいずれか1つに記載の方法を提供する。
【0135】
第55の実施形態では、本開示は、伸縮性表面が、少なくとも1つの伸縮性バンド、伸縮性チューブ、少なくとも1つのコイルばね、又はこれらの組み合わせによって提供される、第43〜第54の実施形態のいずれか1つに記載の方法を提供する。
【0136】
第56の実施形態では、本開示は、ポリマー網が少なくとも2つの異なる伸縮性表面上に走行する、第43〜第55の実施形態のいずれか1つに記載の方法を提供する。
【0137】
第57の実施形態では、本開示は、第43〜第56の実施形態のいずれか1つに記載の方法であって、ポリマー網を機械方向に走行させることが、ポリマー網を、横方向に離間され、かつ2つの回転分岐ディスクの回転の一部にわたって機械横方向に伸縮する伸縮性表面を間に有する2つの回転分岐ディスクを備えるローラー上に走行させることを含む、方法を提供する。
【0138】
第58の実施形態では、本開示は、少なくとも1つの分岐ディスクが少なくとも1度の機械方向に対する角度を有する、第57の実施形態に記載の方法を提供する。
【0139】
第59の実施形態では、本開示は、伸縮性表面を提供する分岐ディスクに結合された、複数の伸縮性バンド、伸縮性チューブ、複数のコイルばね、又はこれらの組み合わせが存在する、第57又は第58の実施形態に記載の方法を提供する。
【0140】
第60の実施形態では、本開示は、伸縮性表面が2つの回転分岐ディスクに接続されたスリーブである、第57又は第58の実施形態に記載の方法を提供する。
【0141】
第61の実施形態では、本開示は、分離が最も大きい地点における2つの分岐ディスクの周面間の距離が、分離が最も小さい地点における2つの分岐ディスクの周面間の距離よりも少なくとも25パーセント大きい、第57〜第60の実施形態のいずれか1つに記載の方法を提供する。
【0142】
第62の実施形態では、本開示は、ローラーがアイドラーローラーである、第57〜第61の実施形態のいずれか1つに記載の方法を提供する。
【0143】
第63の実施形態では、本開示は、第57〜第62の実施形態のいずれか1つに記載の方法であって、ポリマー網を、横方向に離間され、かつ2つの回転分岐ディスクの回転の一部にわたって機械横方向に伸縮する伸縮性表面を間に有する2つの回転分岐ディスクを備える第2のローラー上に走行させることを更に含み、伸縮中のポリマー網と第2のローラーの伸縮性表面との間の牽引が、機械横方向のポリマー網の少なくとも一部の幅を更に増加させる、方法を提供する。
【0144】
第64の実施形態では、本開示は、伸縮性表面がコンベヤベルト装置上で伸縮される、第43〜第56の実施形態のいずれか1つに記載の方法を提供する。
【0145】
第65の実施形態では、本開示は、ポリマー網の幅を増加させる前、間、又は後に、ポリマー網を加熱することを更に含む、第43〜第64の実施形態のいずれか1つに記載の方法を提供する。
【0146】
第66の実施形態では、本開示は、加熱することが、ポリマー網の幅が増加した後にポリマーを焼鈍する、第65の実施形態に記載の方法を提供する。
【0147】
第67の実施形態では、本開示は、加熱することが、ポリマー網を、ポリマー網の幅が増加した後に回転している加熱されたシリンダー上に走行させることを含む、第65又は第66の実施形態に記載の方法を提供する。
【0148】
第68の実施形態では、本開示は、ポリマー網を加熱することが、非接触加熱を使用することを含む、第65又は第66の実施形態に記載の方法を提供する。
【0149】
第69の実施形態では、本開示は、ポリマー網の幅が最大200パーセント増加する、第43〜第68の実施形態のいずれか1つに記載の方法を提供する。
【0150】
第70の実施形態では、本開示は、第1の方向が機械方向である、第43〜第69の実施形態のいずれか1つに記載の方法を提供する。
【0151】
第71の実施形態では、本開示は、ポリマー網の幅が増加した後に、ポリマー網の機械横方向に、巨視的な伸縮によって誘発された分子配向が存在しない、第43〜第70の実施形態のいずれか1つに記載の方法を提供する。
【0152】
第72の実施形態では、本開示は、ポリマー網の幅が増加した後に、ポリマー網を高摩擦表面上に方向付けることを更に含む、第43〜第71の実施形態のいずれか1つに記載の方法を提供する。
【0153】
第73の実施形態では、本開示は、高摩擦表面が加熱された高摩擦ローラーである、第72の実施形態に記載の方法を提供する。
【0154】
第74の実施形態では、本開示は、高摩擦表面が冷却された高摩擦ローラーである、第72の実施形態に記載の方法を提供する。
【0155】
第75の実施形態では、本開示は、ポリマー網を回転している冷却されたシリンダー上に方向付けることを更に含む、第43〜第74の実施形態のいずれか1つに記載の方法を提供する。
【0156】
第76の実施形態では、本開示は、ポリマー網の幅が増加した後に、ポリマー網を担体に積層することを更に含む、第43〜第75の実施形態のいずれか1つに記載の方法を提供する。
【0157】
第77の実施形態では、本開示は、担体が不織布ウェブである、第76の実施形態に記載の方法を提供する。
【0158】
第78の実施形態では、本開示は、第76又は第77の実施形態に記載の方法であって、担体に接着剤の層が設けられ、ポリマー網が接着剤で担体に接合されて積層体を形成し、接着剤が、ポリマー網の中の交差しているストランドの間に露出される方法を提供する。
【0159】
第79の実施形態では、本開示は、積層体が、ポリマー網が担体に接合される場所からウェブ下にニップを通して方向付けられる、第76〜第78の実施形態のいずれか1つに記載の方法を提供する。
【0160】
本開示は、上記の実施形態に限定されないが、以下の請求項及び全てのその等価物に詳述する制限によって規制される。本開示は、本明細書に具体的に開示されていないいずれか要素を欠いても適宜実施され得る。
本発明の実施態様の一部を以下の項目[1]−[15]に記載する。
[項目1]
スリット付きウェブのストランドを分離する方法であって、
機械方向の長さを有するスリット付きウェブを提供することであって、前記スリット付きウェブが、機械横方向に対して平行ではない第1の方向に延在する複数のスリットによって提供される複数のストランドを備える、提供することと、
前記スリット付きウェブを伸縮性表面上に前記機械方向に走行させることであって、前記スリット付きウェブが、前記機械方向のパス長さにわたって前記伸縮性表面と接触し、前記パス長さの少なくとも一部にわたって、前記伸縮性表面が前記機械横方向に伸縮し、伸縮中の前記スリット付きウェブと前記伸縮性表面との間の牽引が、前記第1の方向に対して横方向の第2の方向に、前記スリット付きウェブの前記複数のストランドのうちの少なくともいくつかを少なくとも部分的に分離する、走行させることと、を含む、方法。
[項目2]
前記スリット付きウェブが、それが前記伸縮性表面と接触する前のその幅よりも少なくとも5パーセント大きい前記伸縮性表面と接触した後の幅を有する、項目1に記載の方法。
[項目3]
前記スリット付きウェブが、少なくとも1つの主表面上に機械的締結要素を備える、項目1に記載の方法。
[項目4]
前記伸縮性表面が、前記スリット付きウェブと接触する前記伸縮性表面側と反対側に前記伸縮性表面と接触する支持表面を有しない、項目1に記載の方法。
[項目5]
前記複数のスリットが、前記ウェブの無傷のブリッジ領域によって中断され、少なくともいくつかの隣接する中断されたスリットにわたって、前記無傷のブリッジ領域が、前記第1の方向に対して横方向にずれており、前記伸縮が、前記無傷のブリッジ領域のうちの少なくともいくつかで互いに結合し、前記無傷のブリッジ領域のうちの少なくともいくつかの間で互いに分離される前記スリット付きウェブの複数のストランドを備える伸展されたウェブを提供する、項目1に記載の方法。
[項目6]
前記スリット付きウェブの前記複数のストランドのうちの少なくともいくつかが、互いに結合されない、項目1に記載の方法。
[項目7]
前記伸縮性表面が、少なくとも1つの伸縮性バンド、伸縮性チューブ、少なくとも1つのコイルばね、又はこれらの組み合わせによって提供される、項目1に記載の方法。
[項目8]
伸縮性表面がエラストマーを含む、項目1に記載の方法。
[項目9]
前記スリット付きウェブを前記機械方向に走行させることが、横方向に離間され、かつ2つの回転分岐ディスクの回転の一部にわたって前記機械横方向に伸縮する前記伸縮性表面を間に有する前記2つの回転分岐ディスクを備えるローラー上に前記スリット付きウェブを走行させることを含む、項目1〜8のいずれか一項に記載の方法。
[項目10]
前記伸縮性表面を提供する前記分岐ディスクに結合された、複数の伸縮性バンド、伸縮性チューブ、複数のコイルばね、若しくはこれらの組み合わせが存在するか、又は、前記伸縮性表面が、前記2つの回転分岐ディスクに接続されたスリーブである、項目9に記載の方法。
[項目11]
前記伸縮性表面が、コンベヤベルト装置上で伸縮される、項目1〜8のいずれか一項に記載の方法。
[項目12]
前記複数のストランドのうちの少なくともいくつかが少なくとも部分的に分離された後に、前記スリット付きウェブを高摩擦表面上に方向付けること、又は
前記複数のストランドのうちの少なくともいくつかが少なくとも部分的に分離された後に、前記スリット付きウェブを担体に積層すること、のうちの少なくとも1つを更に含む、項目1〜8のいずれか一項に記載の方法。
[項目13]
前記担体に接着剤の層が設けられ、前記スリット付きウェブが前記接着剤で前記担体に接合されて積層体を形成し、前記接着剤が、前記積層体内の前記複数のストランドの間に露出される、項目12に記載の方法。
[項目14]
前記積層体は、前記スリット付きウェブが前記担体に接合される場所からウェブ下にニップを通して方向付けられる、項目13に記載の方法。
[項目15]
ポリマー網の幅を増加させる方法であって、
機械方向の長さを有するポリマー網を提供することと、
前記ポリマー網を伸縮性表面上に前記機械方向に走行させることであって、前記ポリマー網が、前記機械方向のパス長さにわたって前記伸縮性表面と接触し、前記パス長さの少なくとも一部にわたって、前記伸縮性表面が機械横方向に伸縮し、伸縮中の前記ポリマー網と前記伸縮性表面との間の牽引が、機械横方向のポリマー網の少なくとも一部の幅を増加させる、走行させることと、を含む、方法。