特許第6144037号(P6144037)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6144037
(24)【登録日】2017年5月19日
(45)【発行日】2017年6月7日
(54)【発明の名称】建物の屋根構造
(51)【国際特許分類】
   E04B 7/20 20060101AFI20170529BHJP
【FI】
   E04B7/20 521A
【請求項の数】7
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2012-258194(P2012-258194)
(22)【出願日】2012年11月27日
(65)【公開番号】特開2014-105458(P2014-105458A)
(43)【公開日】2014年6月9日
【審査請求日】2015年11月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】504093467
【氏名又は名称】トヨタホーム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121821
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 強
(72)【発明者】
【氏名】尾方 武
【審査官】 金高 敏康
(56)【参考文献】
【文献】 特開平09−088226(JP,A)
【文献】 特開昭63−268856(JP,A)
【文献】 特開平06−322830(JP,A)
【文献】 特開2005−282039(JP,A)
【文献】 特開2004−116154(JP,A)
【文献】 国際公開第00/053859(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B 7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
店舗として使用される建物であって、屋内空間として、商品を販売するための売り場スペースを有している建物に適用され、
建物本体の上に複数横並びに設けられた略直方体形状の屋根ユニットを有し、それら屋根ユニットが互いに連結されることで屋根を形成している建物の屋根構造であって、
前記屋根ユニットとして、長手方向が水勾配の傾斜方向となる第1屋根ユニットと、短手方向が水勾配の傾斜方向となる第2屋根ユニットとがあり、
前記水勾配に沿って傾斜している傾斜辺部が、前記第1屋根ユニットの屋根面部においては長辺部とされ、前記第2屋根ユニットの屋根面部においては短辺部とされており、
前記水勾配とは直交する方向に延びる非傾斜辺部が、前記第1屋根ユニットの屋根面部においては短辺部とされ、前記第2屋根ユニットの屋根面部においては長辺部とされており、
前記第1屋根ユニット及び前記第2屋根ユニットは、それら屋根ユニットの境界部にそれぞれの前記非傾斜辺部同士が配置される向きで設置されており、
複数の前記第1屋根ユニットが、その長辺部同士を隣接させて横並びに設置されているとともに、前記第2屋根ユニットが、その長辺部を前記複数の第1屋根ユニットの各短辺部に隣接させて横並びに設置されており、
前記複数の第1屋根ユニットは前記売り場スペースの上方に配置され、
前記複数の第1屋根ユニットには、前記売り場スペースに太陽光を取り込むためのトップライトが、それら第1屋根ユニットに架け渡された状態で設けられていることを特徴とする建物の屋根構造。
【請求項2】
複数の前記第2屋根ユニットが、その短辺部同士を隣接させて横並びに配置されていることを特徴とする請求項に記載の建物の屋根構造。
【請求項3】
前記第1屋根ユニット及び前記第2屋根ユニットは、それら屋根ユニットの境界部に前記第1屋根ユニットの傾斜上端部側と前記第2屋根ユニットの傾斜上端部側とが配置される向きで設置されていることを特徴とする請求項に記載の建物の屋根構造。
【請求項4】
各屋根ユニットは、前記傾斜方向に沿って延びる傾斜横材と、該傾斜横材を下方から支える束材とを有しており、
前記各屋根ユニットにおいては、前記一対の非傾斜辺部のうち、前記水勾配の上端に配置された方が上流辺部とされ、前記水勾配の下端に配置された方が下流辺部とされており、
前記第1屋根ユニットと前記第2屋根ユニットとの境界部においては、それぞれの前記上流辺部の高さ位置が異なっており、それら屋根ユニットのうち、前記上流辺部の高さ位置が低い方の屋根ユニットの前記傾斜横材が、前記上流辺部の高さ位置が高い方の屋根ユニットの前記束材に連結されていることを特徴とする請求項に記載の建物の屋根構造。
【請求項5】
前記各屋根ユニットは、前記束材の下端に連結された下側横材を有しており、
前記第1屋根ユニットと前記第2屋根ユニットとの境界部においては、それら屋根ユニットのうち、前記上流辺部の高さ位置が高い方の屋根ユニットの前記下側横材が、前記上流辺部の高さ位置が低い方の屋根ユニットの前記束材に連結されていることを特徴とする請求項に記載の建物の屋根構造。
【請求項6】
前記第1屋根ユニットと前記第2屋根ユニットとは、それぞれの長手寸法及び短手寸法が互いにほぼ同じであり、
前記第2屋根ユニットにおける上流辺部側の高さ寸法が、前記第1屋根ユニットにおける下流辺部側の高さ寸法とほぼ同じ又はそれよりも小さくされていることを特徴とする請求項又はに記載の建物の屋根構造。
【請求項7】
内空間として、建物正面側に配置された前記売り場スペースと、該売り場スペースの奥側に配置されたバックヤードスペースとを有している建物に適用され、
前記売り場スペースの上側においては、複数の前記第1屋根ユニットがその長辺部同士を隣接させて横並びに設置されており、前記バックヤードスペースの上側においては、前記第2屋根ユニットが前記第1屋根ユニットとは直交する向きで設置されており、
前記建物本体においては、前記第1屋根ユニット及び前記第2屋根ユニットを支持する柱が、前記売り場スペースと前記バックヤードスペースとの境界部に沿って複数並べられていることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の建物の屋根構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物の屋根構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
コンビニエンスストアなどの中規模店舗を構成する建物においては、建物構造の工業化が図られており、建物本体の上に設置された複数の屋根ユニットにより屋根が構築されていることがある。例えば、建物の幅方向に沿って複数並べられた略長方形状の屋根ユニットを有し、それら屋根ユニットにより屋根が構築されている建物がある(例えば特許文献1)。この建物においては、屋根ユニットが工場にて製作され、その後、屋根ユニットはトラック等の輸送手段を用いて建物の建築現場に輸送される。
【0003】
ここで、建物の幅方向に沿って、複数の屋根ユニットが長辺部同士を隣接させて並列に一列に並べられている建物においては、屋根ユニットの長辺側の長さ寸法(長手寸法)が、例えばトラックの荷台に積載可能な大きさであって、建物の奥行き寸法に合わせた大きさとされている。この場合、建物の幅方向においては、その建物の幅寸法に合わせた数の屋根ユニットが一列に並べられることになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−27366号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、屋根ユニットが輸送手段を用いて輸送される場合、トラックの荷台の大きさなど輸送に際しての制限により屋根ユニットの大きさが制約を受け、ひいては、建物の大きさが制約を受けることになる。この場合、屋根ユニットの長手寸法よりも大きい奥行き寸法を有する建物を構築するには、屋根ユニットを建物の奥行き方向に沿って複数並べることが考えられる。しかしながら、この場合は、建物の奥行き方向において、複数の屋根ユニットを短辺部同士を隣接させて直列に並べると、建物の奥行き寸法が屋根ユニットの長手寸法のN倍(Nは2以上の整数)にしかならず、直列に並べられた屋根ユニットの奥行き寸法の合計が建物の奥行き寸法よりも大きくなり過ぎることが懸念される。この懸念は、建物の奥行き方向に沿って複数の屋根ユニットが並列に並べられている建物においては、その建物の幅方向について同様に生じる。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、複数の屋根ユニットを有する建物の屋根構造において、屋根ユニットの配置に関する自由度を高め、さらに、水勾配を有する屋根を好適に構築することを主たる目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以下、上記課題を解決するのに有効な手段等につき、必要に応じて作用、効果等を示しつつ説明する。
【0008】
第1の発明の建物の屋根構造は、建物本体の上に複数横並びに設けられた略直方体形状の屋根ユニットを有し、それら屋根ユニットが互いに連結されることで屋根を形成している建物の屋根構造であって、前記屋根ユニットとして、長手方向が水勾配の傾斜方向となる第1屋根ユニットと、短手方向が水勾配の傾斜方向となる第2屋根ユニットとがあり、前記水勾配に沿って傾斜している傾斜辺部が、前記第1屋根ユニットの屋根面部においては長辺部とされ、前記第2屋根ユニットの屋根面部においては短辺部とされており、前記水勾配とは直交する方向に延びる非傾斜辺部が、前記第1屋根ユニットの屋根面部においては短辺部とされ、前記第2屋根ユニットの屋根面部においては長辺部とされており、前記第1屋根ユニット及び前記第2屋根ユニットは、それら屋根ユニットの境界部にそれぞれの前記傾斜辺部同士が配置される向き、又はそれぞれの前記非傾斜辺部同士が配置される向きで設置されていることを特徴とする。
【0009】
第1の発明によれば、第1屋根ユニット及び第2屋根ユニットは、それら屋根ユニットの境界部に一方の屋根ユニットの長辺部と他方の屋根ユニットの短辺部とが配置される向きで設置されているため、平面視において屋根の一辺を、一方の屋根ユニットの長辺と他方の屋根ユニットの短辺とで形成することが可能となる。この場合、屋根の幅方向又は奥行き方向の長さを、第1屋根ユニットや第2屋根ユニットのN倍(Nは1以上の整数)の他にも細かく設定することができる。これにより、複数の屋根ユニットにより屋根を構築する上で、平面視における屋根の大きさの設定に関する自由度を高めることができる。
【0010】
ここで、例えば第1屋根ユニットと第2屋根ユニットの境界部に傾斜辺部と非傾斜辺部とが配置されていると、上下方向における傾斜辺部と非傾斜辺部との隙間の大きさが屋根の傾斜方向の場所によって異なり、その隙間に対して防水処理を行うための作業負担が大きくなることが懸念される。これに対して、本構成によれば、第1屋根ユニットと第2屋根ユニットとの境界部には、傾斜辺部同士又は非傾斜辺部同士が配置されているため、それら屋根ユニットの間の上下の隙間に対する防水処理の作業負担を低減できる。
【0011】
しかも、第1屋根ユニットと第2屋根ユニットとは、水勾配の傾斜方向が長手方向か短手方向かで異なっているため、上記のように、屋根の一辺に各屋根ユニットの長辺部と短辺部とが混在していても、混在する長辺部と短辺部とを傾斜辺部又は非傾斜辺部に統一することができる。この場合、第1屋根ユニット及び第2屋根ユニットにおける水勾配の各傾斜方向を建物の奥行き方向及び幅方向のうち一方に統一することが可能となり、ひいては、雨仕舞に関する構成を簡易化できる。
【0012】
以上により、屋根ユニットの配置に関する自由度を高めることができ、さらに、水勾配を有する屋根を好適に構築することができる。
【0013】
第2の発明では、第1の発明において、複数の前記第1屋根ユニットが、その長辺部同士を隣接させて横並びに配置されているとともに、前記第2屋根ユニットが、その長辺部を前記複数の第1屋根ユニットの各短辺部に隣接させて横並びに配置されている。
【0014】
第2の発明によれば、建物の幅寸法及び奥行き寸法のうち一方を、並列に配置する第1屋根ユニットの短手寸法及び数により設定することができ、他方を第1屋根ユニットの長手寸法及び第2屋根ユニットの短手寸法により設定することができる。これにより、建物の幅寸法及び奥行き寸法の両方について設定の自由度を高めることができる。
【0015】
なお、前記第1屋根ユニット同士の境界部においては、それぞれの前記傾斜辺部が互いに接続されていることが好ましい。この場合、複数の第1屋根ユニットの各屋根面部により連続面が形成されるため、第1屋根ユニット同士の境界部についての雨仕舞を簡易化できる。また、この場合、各第1屋根ユニットの高さ寸法及び水勾配を同じに設定すればよいため、複数の第1屋根ユニットを製造する際の作業負担やコスト負担を低減できる。
【0016】
第3の発明では、第2の発明において、複数の前記第2屋根ユニットが、その短辺部同士を隣接させて横並びに配置されている。
【0017】
第3の発明によれば、並列に配置された複数の第1屋根ユニットの短手寸法の合計に合わせて、複数の第2屋根ユニットを直列に配置することができる。したがって、第2屋根ユニットの並び方向についても寸法設定の自由度を高めることができる。
【0018】
なお、前記第2屋根ユニット同士の境界部においては、それぞれの前記傾斜辺部が互いに接続されていることが好ましい。この場合、複数の第2屋根ユニットの各屋根面部により連続面が形成されるため、第2屋根ユニット同士の境界部についての雨仕舞を簡易化できる。また、この場合、各第2屋根ユニットの高さ寸法及び水勾配を同じに設定すればよいため、複数の第2屋根ユニットを製造する際の作業負担やコスト負担を低減できる。
【0019】
第4の発明では、第3の発明において、前記第1屋根ユニット及び前記第2屋根ユニットは、それら屋根ユニットの境界部に前記第1屋根ユニットの傾斜上端部側と前記第2屋根ユニットの傾斜上端部側とが配置される向きで設置されている。
【0020】
第4の発明によれば、第1屋根ユニット及び第2屋根ユニットにおいては、それらの境界部にそれぞれの水勾配の上流側端部が配置されているため、雨水等の水が境界部とは反対側に向けて流れることになる。この場合、第1屋根ユニットと第2屋根ユニットとの境界部に樋等の排水設備を設ける必要がなく、その境界部における雨仕舞の構成が複雑になることを抑制できる。
【0021】
第5の発明では、第4の発明において、各屋根ユニットは、前記傾斜方向に沿って延びる傾斜横材と、該傾斜横材を下方から支える束材とを有しており、前記各屋根ユニットにおいては、前記一対の非傾斜辺部のうち、前記水勾配の上端に配置された方が上流辺部とされ、前記水勾配の下端に配置された方が下流辺部とされており、前記第1屋根ユニットと前記第2屋根ユニットとの境界部においては、それぞれの前記上流辺部の高さ位置が異なっており、それら屋根ユニットのうち、前記上流辺部の高さ位置が低い方の屋根ユニットの前記傾斜横材が、前記上流辺部の高さ位置が高い方の屋根ユニットの前記束材に連結されている。
【0022】
第5の発明によれば、第1屋根ユニットと第2屋根ユニットとの連結部分においては、上流辺部が高い位置にある方の屋根ユニットが、上流辺部が低い位置にある方の屋根ユニットを支持した状態になっている。この場合、上流辺部が高い位置にある方の屋根ユニットの束材が建物本体の躯体の上に設置されていれば、上流辺部が低い位置にある方の屋根ユニットの束材が躯体の上に設置されていなくても、その躯体により両方の屋根ユニットの束材を支持することになる。したがって、上流辺部が低い位置にある方の屋根ユニットの束材を設置するための専用躯体を設ける必要がなく、建物本体の構築に関してコスト負担を低減できる。
【0023】
第6の発明では、第5の発明において、前記各屋根ユニットは、前記束材の下端に連結された下側横材を有しており、前記第1屋根ユニットと前記第2屋根ユニットとの境界部においては、それら屋根ユニットのうち、前記上流辺部の高さ位置が高い方の屋根ユニットの前記下側横材が、前記上流辺部の高さ位置が低い方の屋根ユニットの前記束材に連結されている。
【0024】
第6の発明によれば、第1屋根ユニットと第2屋根ユニットとの連結部分において、上流辺部が高い位置にある方の屋根ユニットの束材に対して、上流辺部が低い位置にある方の屋根ユニットを強固に固定することができる。
【0025】
第7の発明では、第5又は第6の発明において、前記第1屋根ユニットと前記第2屋根ユニットとは、それぞれの長手寸法及び短手寸法が互いにほぼ同じであり、前記第2屋根ユニットにおける上流辺部側の高さ寸法が、前記第1屋根ユニットにおける下流辺部側の高さ寸法とほぼ同じ又はそれよりも小さくされている。
【0026】
各屋根ユニットを工場で製作した場合、それら屋根ユニットを10t車等の大型車両に積載して工場から建築現場に運搬することになる。ここで、1台の大型車両に複数の第1屋根ユニットを積み重ねた状態で積載することを想定すると、それら第1屋根ユニットを、それぞれの上流辺部と下流辺部とが互い違いに上下に並ぶように積み重ねることで、大型車両の荷台スペースに生じるデッドスペースを極力小さくすることができる。この場合、各第1屋根ユニットを個別に収納する各収納スペースを上下に仕切ることで、それら第1屋根ユニットを車体に対して個別に固定することができる。
【0027】
ここで、第7の発明によれば、第2屋根ユニットは、第1屋根ユニット用の収納スペースに収納可能な大きさ及び形状とされているため、大型車両に第1屋根ユニット及び第2屋根ユニットのいずれを積載する場合でも、大型車両において荷台スペースの仕切り態様を変更する必要がない。したがって、大型車両に第1屋根ユニットや第2屋根ユニットを積載する際の作業負担を低減することができる。
【0028】
第8の発明では、第1乃至第7の発明のいずれかにおいて、店舗として使用される建物であって、屋内空間として、建物正面側に配置され商品を販売するための売り場スペースと、該売り場スペースの奥側に配置されたバックヤードスペースとを有している建物に適用され、前記売り場スペースの上側においては、複数の前記第1屋根ユニットがその長辺部同士を隣接させて横並びに設置されており、前記バックヤードスペースの上側においては、前記第2屋根ユニットが前記第1屋根ユニットとは直交する向きで設置されており、前記建物本体においては、前記第1屋根ユニット及び前記第2屋根ユニットを支持する柱が、前記売り場スペースと前記バックヤードスペースとの境界部に沿って複数並べられている。
【0029】
第8の発明によれば、売り場スペースとバックヤードスペースとが建物正面側に対して前後に配置されている店舗において、売り場スペースに合わせてその上方に第1屋根ユニットが配置され、バックヤードスペースに合わせてその上方に第2屋根ユニットが配置されている。この場合、売り場スペースを大空間とし、バックヤードスペースを小空間として構成し、その上で売り場スペース及びバックヤードスペースの境界部と、第1屋根ユニット及び第2屋根ユニットの境界部とを上下に並べることが可能となる。
【0030】
この構成では、建物の前後方向(奥行き方向)において2列に設けられる屋根ユニット(第1屋根ユニット及び第2屋根ユニット)の境界部を、売り場スペースとバックヤードスペースとの境界部に設けられた柱等により下方から支えることができる。したがって、売り場スペース内において第1屋根ユニットを下方から支えるための柱等の支持材が不要となり、売り場スペースを柱レスの構成にすることによるその売り場スペースの有効利用が可能となる。
【0031】
第9の発明では、第8の発明において、前記第1屋根ユニット及び前記第2屋根ユニットのうち、前記売り場スペースの上方に配置された方の複数の屋根ユニットには、前記売り場スペースに太陽光を取り込むためのトップライトが、それら屋根ユニットに架け渡された状態で設けられている。
【0032】
第9の発明によれば、売り場スペースの上方においては、複数の屋根ユニットの並び方向に沿ってトップライトが延びているため、トップライトを通じて売り場スペースの広範囲に太陽光を取り込むことができる。これにより、売り場スペースの照明に関して省エネルギ化を実現できる。
【0033】
なお、第9の発明が第2の発明に適用され、並列に配置された複数の前記第1屋根ユニットが前記売り場スペースの上側に設置され、前記トップライトが隣り合う前記第1屋根ユニットに架け渡された状態で設けられていることが好ましい。この場合、第1屋根ユニットの各屋根面により同一面が形成されているため、第1屋根ユニットに対するトップライトの取り付け部分に対して行われる防水処理の作業を容易化できる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】建物の構成を示す斜視図
図2】建物の平面図
図3】建物の構成を示す分解斜視図
図4】第1屋根ユニットの斜視図
図5】外壁における建物奥行き方向に延びる部分の躯体の側面図
図6図2(b)のA−A線断面図
図7】屋根ユニットがトラックに積載された状態を示す図
図8】別の建物の概略側面図
図9】別の建物の概略図
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、本発明を具体化した一実施形態について図面を参照しつつ説明する。本実施形態では、本発明の屋根構造を、コンビニエンスストア等の店舗として使用される建物において具体化している。図1は建物10の構成を示す斜視図、図2は建物10の平面図、図3は建物10の構成を示す分解斜視図である。なお、図2においては、(a)に外壁17及び間仕切壁21の配置を示し、(b)に柱28,29の配置を示している。また、図2(b)においては、外壁17の位置を一点鎖線で示し、間仕切壁21の位置を間仕切ラインLで示している。
【0036】
図1に示すように、建物10は、基礎11の上に設けられた建物本体12と、建物本体12の上に設けられた屋根13と、屋根13から側方に向けて突出した庇部14とを有している。建物本体12は、略直方体形状とされており、建物10の屋内空間18は、建物本体12の外壁17により囲まれた大空間となっている。建物本体12の大きさについては、例えば、間口寸法(幅寸法)が15m、奥行き寸法が12m、高さ寸法が3mとされており、屋内空間18はこれら寸法に相当する大きさになっている。
【0037】
図2(a)に示すように、建物10は、その屋内空間18を建物正面(ファサード)側と奥側とに仕切る間仕切壁21を有している。間仕切壁21は建物正面と平行に延びており、間仕切ラインLに沿って延びている。屋内空間18においては、間仕切壁21よりも建物正面側の領域が、商品を販売するための売り場スペース18aとされ、間仕切壁21よりも奥側の領域が、非売り場スペースとしてのバックヤードスペース18bとされている。売り場スペース18aには、商品を陳列するための商品陳列棚23や、商品の会計を行うためのレジカウンタ24などが設置されている。バックヤードスペース18bは、商品を保管する倉庫や事務所として使用され、商品の売り場としては使用されない領域になっている。
【0038】
間仕切壁21には、売り場スペース18aとバックヤードスペース18bとを連通する屋内出入口25が形成されており、店員は、その屋内出入口25を通じて売り場スペース18aとバックヤードスペース18bとを行き来可能になっている。なお、屋内出入口25は、売り場スペース18aにおけるレジカウンタ24の内側スペースに通じており、店員は、レジカウンタ24の外側に移動しなくてもレジカウンタ24の内側からバックヤードスペース18bに直接出入りすることができるようになっている。
【0039】
外壁17には、屋外空間と屋内空間18とを連通する屋外出入口27が設けられている。屋外出入口27は、外壁17における建物正面を形成する部分に配置されており、屋外から売り場スペース18aへの客や店員の出入りを可能としている。
【0040】
図2(b)に示すように、建物本体12は、基礎11に立設されている柱28,29を複数有しており、それら柱28,29は、屋根13を下方から支持している。柱28は、外壁17や間仕切壁21に沿って横並びに配置された複数のラチス柱28であり、柱29は、ラチス柱28同士の間に配置された間柱29である。ラチス柱28及び間柱29は、外壁17や間仕切壁21と一体になっている壁付き柱とされており、外壁17や間仕切壁21に沿って並べられている。
【0041】
なお、外壁17において建物正面を形成する部分には、窓ガラスが横並びに複数設けられている窓ガラス領域があり、窓ガラス領域においては窓ガラスが嵌め殺し式とされている。窓ガラス領域においては、ラチス柱28が設けられておらず、隣り合う窓ガラスの間に間柱29が配置されている。また、屋外出入口27は、窓ガラス領域において隣り合う間柱29の間に配置されている。
【0042】
図1図3に示すように、屋根13は、陸屋根(フラットルーフ)とされており、屋根面(上面)は例えば1/50の水勾配を有している。屋根13は、建物正面側に配置された第1屋根部31と、建物奥側に配置された第2屋根部32とを有しており、それら第1屋根部31と第2屋根部32とが連結されることで屋根13が形成されている。第1屋根部31の屋根面においては、水勾配により建物正面側の端部が下端とされており、第2屋根部32との境界側の端部が上端とされている。第2屋根部32の屋根面においては、水勾配により建物奥側の端部が下端とされており、第1屋根部31との境界側の端部が下端とされている。なお、水勾配は、屋根13が傾斜屋根とみなされるほど大きくされていてもよい。
【0043】
第1屋根部31と第2屋根部32との境界部においては、第1屋根部31の屋根面の上端が第2屋根部32の屋根面の上端よりも高い位置にあり、屋根13に段差が生じた状態になっている。この場合、屋根部31,32の境界部においては、第2屋根部32の高さ寸法が第1屋根部31の高さ寸法よりも小さくなっており、第2屋根部32の上端が、第1屋根部31における建物奥側の側面に接続されている。
【0044】
なお、屋根13においては、第1屋根部31及び第2屋根部32の各上端を棟と称し、各下端を軒と称することもできる。
【0045】
屋根13は、建物本体12の上において横並びに設置された屋根ユニット41,42を含んで構成されている。屋根ユニット41,42は、略直方体形状に形成された屋根フレーム43と、屋根フレーム43の上に設置された屋根面材44とを有しており、全体として略直方体形状に形成されている。
【0046】
屋根フレーム43は、長尺状の鋼材が複数組み合わされることで形成されており、屋根面材44は、金属材料により形成された折板材とされている。この場合、屋根13は折板屋根とされており、屋根面材44は、折板材の折り目が水勾配に沿って延びる向きで設置されている。なお、屋根面材44は、屋根ユニット41,42のそれぞれにおいて、屋根面を有する屋根面部を形成している。
【0047】
屋根ユニット41,42のうち第1屋根ユニット41は、並列に複数並べられることで第1屋根部31を形成し、第2屋根ユニット42は、直列に複数並べられることで第2屋根部32を形成している。第2屋根ユニット42は、その長手方向が各第1屋根ユニット41の並び方向と平行になる向きで配置されており、第1屋根ユニット41同士の境界部を跨いだ状態になっている。この場合、第1屋根ユニット41の長手方向と第2屋根ユニット42の長手方向とは直交している。また、この場合、第1屋根ユニット41の列と、第2屋根ユニット42の列とが平行に延びている。
【0048】
屋根ユニット41,42の屋根面部は、水勾配に沿って傾斜している一対の傾斜辺部46と、傾斜辺部46とは直交する方向に延び且つ傾斜していない一対の非傾斜辺部47とを有している。第1屋根ユニット41においては、その長手方向が水勾配の傾斜方向とされている。具体的には、第1屋根ユニット41においては、水が屋根面の長手方向に沿って流れるように水勾配が付与されており、一対の長辺が一対の傾斜辺部46とされ、一対の短辺が一対の非傾斜辺部47とされている。
【0049】
一方、第2屋根ユニット42においては、その短手方向が水勾配の傾斜方向とされている。具体的には、第2屋根ユニット42においては、水が屋根面の短手方向に沿って流れるように水勾配が付与されており、一対の短辺が一対の非傾斜辺部47とされ、一対の長辺が一対の傾斜辺部46とされている。なお、屋根ユニット41,42においては、屋根面材44の周縁部により屋根面の長辺及び短辺が形成されている。
【0050】
屋根ユニット41,42においては、一対の非傾斜辺部47のうち、水勾配の上流側にある方の非傾斜辺部47が上流辺部47aとされ、水勾配の下流側にある方の非傾斜辺部47が下流辺部47bとされている。この場合、上流辺部47aが下流辺部47bよりも高い位置に配置されていることになる。
【0051】
第1屋根部31においては、第1屋根ユニット41同士の境界部にそれぞれの傾斜辺部46が配置されており、それら傾斜辺部46が互いに接続されている。第2屋根部32においても同様に、第2屋根ユニット42同士の境界部にそれぞれの傾斜辺部46が配置されており、それら傾斜辺部46が互いに接続されている。
【0052】
第1屋根部31と第2屋根部32との境界部においては、第1屋根ユニット41及び第2屋根ユニット42の各上流辺部47aが配置されている。この場合、第2屋根ユニット42の上流辺部47aは、第1屋根ユニット41の上流辺部47aよりも低い位置にあり、その上流辺部47aに接続されているのではなく、第1屋根ユニット41における上流辺部47a側の側面に対して接続されている。
【0053】
次に、屋根ユニット41,42の躯体について図4を参照しつつ説明する。図4は第1屋根ユニット41の斜視図であり、まず、第1屋根ユニット41の躯体の構成について説明する。なお、図4においては、屋根面材44の図示を省略している。
【0054】
図4に示すように、第1屋根ユニット41は、水平方向に延びる屋根トラス51,52を有するトラスユニットとされている。屋根トラス51,52は、平行弦トラスとされており、上下に対向配置された上弦材55及び下弦材56と、それら上弦材55及び下弦材56を連結する斜材57を有している。上弦材55、下弦材56及び斜材57は、それぞれ鋼材としての溝形鋼により形成されており、溝部の開放側を水平方向に向けて配置されている。
【0055】
なお、屋根トラス51,52のうち、建物10の外周面に沿って延びる屋根トラス51,52がメイントラスとされ、外周面に沿って延びていない屋根トラス51,52がサブトラスとされている。メイントラスには外壁面材が取り付けられており、そのメイントラスは外壁17と一体になっている。
【0056】
屋根トラス51,52のうち、第1屋根ユニット41の長手方向に沿って延びている長辺屋根トラス51は、一対の傾斜辺部46のそれぞれに合わせて一対設けられている。第1屋根ユニット41の短手方向に沿って延びている短辺屋根トラス52は、一対の長辺屋根トラス51に架け渡された状態でそれら長辺屋根トラス51を連結しており、一対の長辺屋根トラス51の間において、第1屋根ユニット41の長手方向に所定間隔で複数並べられている。
【0057】
第1屋根ユニット41においては、長辺屋根トラス51が傾斜辺部46に沿って延びており、その長辺屋根トラス51の上弦材55が傾斜辺部46に合わせて傾斜している。つまり、上弦材55と傾斜辺部46とが平行に延びている。これに対して、長辺屋根トラス51の下弦材56、短辺屋根トラス52の上弦材55及び下弦材56は水平方向に延びている。なお、第1屋根ユニット41においては、長辺屋根トラス51の上弦材55が傾斜横材に相当し、下弦材56が下側横材に相当する。
【0058】
第1屋根ユニット41においては、四隅に束材58が設けられており、束材58は、長辺屋根トラス51において上弦材55と下弦材56とを連結している。束材58は、斜材57等と同様に、鋼材としての溝形鋼により形成されており、溝部の開放側を水平方向に向けて配置されている。第1屋根ユニット41においては、屋根トラス51,52の各上弦材55、下弦材56及び束材58により直方体形状の骨格(フレーム)が形成されている。
【0059】
なお、斜材57及び束材58は、上弦材55及び下弦材56よりも屋根ユニット内側に配置されており、斜材57及び束材58の外側面が、上弦材55及び下弦材56の内側面に溶接等により固定されている。
【0060】
次に、第2屋根ユニット42の躯体の構成について説明するが、第2屋根ユニット42は、水勾配の方向が異なるだけで、その他の構成は第1屋根ユニット41と同じになっているため、水勾配の方向について説明する。
【0061】
第2屋根ユニット42においては、第1屋根ユニット41とは異なり、短辺部が傾斜辺部46とされているため、短辺屋根トラス52が傾斜辺部46に沿って延びており、その短辺屋根トラス52の上弦材55が傾斜辺部46に合わせて傾斜している。これに対して、短辺屋根トラス52の下弦材56、長辺屋根トラス51の上弦材55及び下弦材56は水平方向に延びている。なお、第2屋根ユニット42においては、短辺屋根トラス52の上弦材55が傾斜横材に相当し、下弦材56が下側横材に相当する。
【0062】
次に、第1屋根ユニット41と第2屋根ユニット42との連結部分の構成について、図2(b)、図5図6を参照しつつ説明する。図5は外壁17における建物奥行き方向に延びる部分の躯体の側面図、図6図2(b)のA−A線断面図である。なお、図5においては、建物10を図2(b)における右側から見た図を示している。また、図6においては、(a)に第1屋根ユニット41と第2屋根ユニットとの連結部分の分解断面図を示し、(b)に連結部分の断面図を示している。
【0063】
図5に示すように、建物本体12は、ラチス柱28及び間柱29の上に設置された上梁61を有している。上梁61は、H形鋼により形成されており、上下方向に延びるウェブと、ウェブの上下に配置された一対のフランジとを有している。上梁61は、外壁17に沿って延びるように設けられているとともに、間仕切壁21に沿って延びるように設けられている。
【0064】
屋根ユニット41,42は、上梁61の上に設置されている。屋根ユニット41,42においては、屋根13の外周面に沿って配置された屋根トラス51,52が上梁61の上に載置されており、その屋根トラス51,52が上梁61に沿って延びている。また、間仕切壁21においては、上梁61が間仕切ラインLに沿って延びており、その上梁61の上に第1屋根ユニット41が設置されている。第1屋根部31と第2屋根部32との境界部においては、第1屋根ユニット41は上梁61を介してラチス柱28及び間柱29により下方から支持されており、その第1屋根ユニット41に対して第2屋根ユニット42が連結されている。
【0065】
なお、ラチス柱28及び間柱29は、基礎11と上梁61との間において上下方向に延びている。ラチス柱28は、上下方向に延びる一対の縦材63と、それら縦材63を連結するラチス64とを有している。
【0066】
図6(a),(b)に示すように、第1屋根ユニット41と第2屋根ユニット42との境界部においては、ラチス柱28の縦材63の上に第1屋根ユニット41の束材58が載置されている。ここで、上梁61の上側フランジの幅寸法は、束材58の幅寸法よりもある程度大きくされているが、上梁61の幅方向において、第1屋根ユニット41及び第2屋根ユニット42の各束材58を並べて載置できるほど大きくはなっていない。
【0067】
第2屋根ユニット42は、第1屋根ユニット41の束材58に対して連結されている。このため、第2屋根ユニット42の束材58を上梁61の上に載置しなくても、上梁61が第1屋根ユニット41ごと第2屋根ユニット42を下方から支持した状態になっている。
【0068】
第2屋根ユニット42の短辺屋根トラス52においては、上弦材55の端部が束材58よりも第1屋根ユニット41側に突出しており、その突出部分が、第1屋根ユニット41の束材58に連結されている。この連結部分においては、上弦材55と束材58とが、側面同士で当接した状態でボルト等により固定されている。また、屋根ユニット41,42の境界部においては、第2屋根ユニット42の束材58の高さ寸法が第1屋根ユニット41の束材58の高さ寸法よりも小さくされており、第1屋根ユニット41の束材58においては、第2屋根ユニット42の上弦材55が連結された部分が、第1屋根ユニット41の上弦材55が連結された部分よりも下方にある。
【0069】
第1屋根ユニット41の長辺屋根トラス51においては、下弦材56の端部が束材58よりも第2屋根ユニット42側に突出しており、その突出部分が、第2屋根ユニット42の束材58に連結されている。この連結部分においては、下弦材56と束材58とが、側面同士で当接した状態でボルト等により固定されている。ここで、第2屋根ユニット42においては、束材58の下端部が下弦材56よりも下方に突出しており、この突出部分に第1屋根ユニット41の下弦材56が連結されている。この場合、第2屋根ユニット42の束材58においては、第1屋根ユニット41の下弦材56が連結された部分が、第2屋根ユニット42の下弦材56が連結された部分よりも下方にある。
【0070】
なお、第1屋根ユニット41と第2屋根ユニット42との連結部分においては、第1屋根ユニット41の上弦材55と下弦材56との間に、第2屋根ユニット42の上弦材55及び下弦材56が入り込んだ状態になっている。
【0071】
図1の説明に戻り、屋根13には、屋内空間18に太陽光を取り込むためのトップライト71が設けられている。トップライト71は、第1屋根部31に配置されており、その第1屋根部31の屋根面に沿って延びている。トップライト71は、建物10の幅方向に沿って庇部14と平行に延びている平行部分71aと、その平行部分71aと直交する方向に延びている直交部分71bとを有している。平行部分71aは、建物奥行き方向において第2屋根部32寄りの部分に配置されており、直交部分71bは、平行部分71aを挟んで一対設けられている。
【0072】
トップライト71は、平面視略コ字状とされており、第1屋根部31における水勾配の下流側に向けて開放された形状になっている。ここで、トップライト71が、水勾配の上流側に向けて開放された形状になっている構成では、屋根面に沿って流れる水が、一対の直交部分71bの間において平行部分71aの上側に溜まってしまうことが懸念される。これに対して、本実施形態では、屋根面に沿って平行部分71aの上側に向けて流れてきた水は、一対の直交部分71bの外側を回り込んで下流側に向けて流れ、一対の直交部分71bの間において屋根面を流れる水は、トップライト71の開放側からそのまま庇部14に向けて下流側に流れる。したがって、トップライト71の上側に水が溜まりにくくなっている。
【0073】
平行部分71aは、第1屋根ユニット41同士の境界部を跨いだ状態で、複数の第1屋根ユニット41に架け渡されており、各第1屋根ユニット41の短手方向に延びている。平行部分71aは、第1屋根ユニット41における短手方向の中間位置に配置され、その第1屋根ユニット41の長手方向に沿って延びている。この場合、平行部分71aは、第1屋根ユニット41において一対の長辺屋根トラス51の間に配置されている。
【0074】
なお、第1屋根部31の屋根面材44には、トップライト71を取り付けるための開口部が形成されており、トップライト71はその開口部に嵌め込まれた状態で、屋根面材44や屋根トラス51,52に対して固定されている。
【0075】
図2(a)に示すように、トップライト71は、売り場スペース18aの上方に配置されており、商品陳列棚23及びレジカウンタ24に沿って延びている。トップライト71においては、平行部分71aと一方の直交部分71bとが商品陳列棚23の売り場内側に配置され、他方の直交部分71bがレジカウンタ24の売り場内側に配置されている。この場合、トップライト71を通じて取り込まれた太陽光により、商品陳列棚23及びレジカウンタ24において明るさが確保されることになる。
【0076】
次に、第1屋根ユニット41及び第2屋根ユニット42の大きさの関係について説明する。第1屋根ユニット41と第2屋根ユニット42とでは、高さ寸法が異なっているが、長手方向の長さ寸法(長手寸法)及び短手方向の長さ寸法(短手寸法)はほぼ同じとされている。例えば、長手寸法が10mとされ、短手寸法が2.3mとされている。
【0077】
なお、本実施形態では、屋根13が7個の第1屋根ユニット41と2個の第2屋根ユニット42とを有している。この場合、建物10の幅方向において、並列に配置された7個の第1屋根ユニット41の合計長さ寸法と、直列に配置された2個の第2屋根ユニット42の合計長さ寸法とが同じになるように、第1屋根ユニット41の短手寸法及び第2屋根ユニット42の長手寸法が設定されている。
【0078】
また、図5に示すように、第1屋根ユニット41においては、下流辺部47b側の高さ寸法H1が、上流辺部47a側の高さ寸法H2よりも小さくされており、第2屋根ユニット42においては、下流辺部47b側の高さ寸法H3が、上流辺部47a側の高さ寸法H4よりも小さくされている。また、第2屋根ユニット42の上流辺部47a側の高さ寸法H4は、第1屋根ユニット41の下流辺部47b側の高さ寸法H1と同じ又はそれよりも小さくされている。例えば、高さ寸法H1,H4が0.5mとされ、高さ寸法H2が0.7mとされている。この場合、第1屋根ユニット41と第2屋根ユニット42との境界部における各上端の高さ寸法の際は0.2mになっている。
【0079】
続いて、建物10の構築手順について説明する。
【0080】
建築現場において基礎11を構築した後、工場から建築現場にラチス柱28や間柱29、上梁61などを運搬し、建築現場において建物本体12を構築する。そして、工場にて屋根ユニット41,42をあらかじめ製作しておき、屋根ユニット41,42をその工場から建築現場にトラックT等にて運搬し、建築現場において屋根ユニット41,42を建物本体12の上に設置し、建物本体12に対して固定することで屋根13を構築する。なお、トラックTは10t車等の大型車両とされることが好ましい。
【0081】
ここで、屋根ユニット41,42をトラックTにて運搬する際の積載方法について、図7を参照しつつ説明する。図7は屋根ユニット41,42がトラックTに積載された状態を示す図である。図7においては、(a)にトラックTを側面から見た図を示し、(b)にトラックTを背面から見た図を示している。
【0082】
本実施形態では、7個の第1屋根ユニット41と、2個の第2屋根ユニット42とを3台のトラックTにより工場から建築現場に運搬する。1台目及び2台目のトラックTの荷台T1には3個の第1屋根ユニット41を積載し、3台目のトラックTの荷台T1には1個の第1屋根ユニット41及び2個の第2屋根ユニット42を積載する。いずれのトラックTにおいても、3つの屋根ユニット41,42は縦に積み重ねられた状態で荷台に固定される。
【0083】
図7(a),(b)に示すように、各トラックTには、荷台T1の荷台スペースを挟んで左右に配置された一対の縦フレームT2と、それら一対の縦フレームT2に架け渡されている横フレームT3とが設けられており、一対の縦フレームT2及び横フレームT3はトラックTの長さ方向に複数並べられている。横フレームT3は上下2段とされ、それら横フレームT3は荷台スペースを上下に3分割しており、それによって、屋根ユニット41,42を積載するためのユニット積載スペースSが縦並びに3つ形成されている。
【0084】
3段目(最上段)のユニット積載スペースSは上方に開放されているが、1段目(最下段)及び2段目の各ユニット積載スペースSについては、それぞれの高さ寸法が荷台T1又は横フレームT3により定められており、それらユニット積載スペースSは、第1屋根ユニット41を収納することが可能な大きさ及び形状とされている。
【0085】
具体的には、1段目及び2段目の各ユニット積載スペースSは、トラックTの長さ方向において一端の高さ寸法が他端の高さ寸法よりも小さくされている。大きい方の高さ寸法は、第1屋根ユニット41の上流辺部47a側の高さ寸法H2よりも大きくされており、小さい方の高さ寸法は、第1屋根ユニット41の下流辺部47b側の高さ寸法H1よりも大きくされている。この場合、3つのユニット積載スペースSのそれぞれに第1屋根ユニット41を収納することが可能となり、その結果、トラックTの荷台T1に3個の第1屋根ユニット41を積載することが可能となる。
【0086】
ここで、上述したように、第2屋根ユニット42の上流辺部47a側の高さ寸法H4は、第1屋根ユニット41の下流辺部47b側の高さ寸法H1と同じ又はそれよりも小さくされているため、トラックTのユニット積載スペースSには、第1屋根ユニット41に代えて第2屋根ユニット42を収納することが可能となり、その結果、トラックTの荷台T1に1個の第1屋根ユニット41及び2個の第2屋根ユニット42を積載することが可能となる。この場合、第1屋根ユニット41及び第2屋根ユニット42のいずれをユニット積載スペースSに収納する場合でも、横フレームT3の高さ位置などを変更する必要がないため、トラックTに屋根ユニット41,42を積載する際の作業負担を低減できる。
【0087】
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果が得られる。
【0088】
建物10の奥行き方向において、屋根ユニット41,42が、第1屋根ユニット41の長辺部及び第2屋根ユニット42の短辺部が直列に並ぶ向きで設置されているため、それぞれの長辺部が直列に並ぶ向きで設置されている構成に比べて、屋根ユニット41,42における奥行き寸法の合計を細かく設定することができる。したがって、屋根ユニット41,42により屋根13を構築する上で、平面視における屋根13の大きさの設定に関する自由度を高めることができる。
【0089】
しかも、第1屋根ユニット41と第2屋根ユニット42とは水勾配の傾斜方向が長手方向か短手方向かで異なっているため、屋根13における奥行き方向に沿って延びる部分に、第1屋根ユニット41の長辺部と第2屋根ユニット42の短辺部とが混在していても、それら長辺部と短辺部とをいずれも傾斜辺部46に統一することができる。この場合、屋根ユニット41,42の水勾配の傾斜方向を建物10の奥行き方向に統一することが可能となり、ひいては、雨仕舞に関する構成を簡易化できる。
【0090】
したがって、屋根ユニット41,42の配置に関する自由度を高めることができ、さらに、水勾配を有する屋根13を好適に構築することができる。
【0091】
隣り合う第1屋根ユニット41は、それぞれの傾斜辺部46同士が同じ高さ位置で接続されているため、屋根13において連続面を形成することができる。この場合、第1屋根ユニット41同士の境界部における雨仕舞を簡易化できる。しかも、各第1屋根ユニット41の高さ寸法や水勾配が同じに設定されていることで、それら第1屋根ユニット41を製造する際の作業負担やコスト負担を低減できる。
【0092】
第1屋根ユニット41と同様に、隣り合う第2屋根ユニット42は、それぞれの傾斜辺部46同士が同じ高さ位置で接続されているため、屋根13において連続面を形成することができる。この場合、第2屋根ユニット42同士の境界部における雨仕舞を簡易化できる。しかも、各第2屋根ユニット42の高さ寸法や水勾配が同じに設定されていることで、それら第2屋根ユニット42を製造する際の作業負担やコスト負担を低減できる。
【0093】
屋根ユニット41,42との境界部には、それら屋根ユニット41,42の各上流辺部47aが配置されているため、その境界部とは反対側に向けて水が流れることになる。この場合、第1屋根ユニット41と第2屋根ユニット42との境界部に樋等の排水設備を設ける必要がなく、屋根ユニット41,42の境界部における雨仕舞の構成が複雑になることを抑制できる。
【0094】
第1屋根ユニット41と第2屋根ユニット42との連結部分においては、第1屋根ユニット41の束材58に第2屋根ユニット42の上弦材55が固定されているため、第1屋根ユニット41の束材58が上梁61の上に設置されていれば、第2屋根ユニット42の束材58が上梁61の上に設置されていなくても、上梁61により屋根ユニット41,42の両方を支持することができる。したがって、第2屋根ユニット42の束材58を支持するための専用躯体を設ける必要や、上梁61の上側フランジの幅寸法を過剰に大きくする必要がなく、建物本体12の構築に関してコスト負担を低減できる。
【0095】
第1屋根ユニット41の束材に対して第2屋根ユニット42の下弦材56が固定されているため、第2屋根ユニット42を第1屋根ユニット41に対して強固に固定することができる。
【0096】
第2屋根ユニット42における水勾配の上流側端部の高さ寸法が、第1屋根ユニット41における水勾配の下流側端部の高さ寸法と同じ又はそれよりも小さくされているため、トラックTの荷台T1において、その荷台T1のユニット積載スペースSに第1屋根ユニット41を収納可能であれば、そのユニット積載スペースSに第2屋根ユニット42も収納することができる。このため、トラックTに第1屋根ユニット41及び第2屋根ユニット42のいずれを積載する場合でも、荷台スペースの仕切り態様を変更する必要がない。したがって、トラックTに屋根ユニット41,42を積載する際の作業負担を低減することができる。
【0097】
建物本体12における売り場スペース18a及びバックヤードスペース18bの境界部と、屋根13における第1屋根ユニット41及び第2屋根ユニット42の境界部とが上下に並べられているため、屋根ユニット41,42の境界部を支持する柱28,29を売り場スペース18aに配置する必要がない。このため、売り場スペース18aを柱28,29が存在しない大空間とすることができる。
【0098】
売り場スペース18aにおいては、トップライト71を通じて太陽光が取り込まれるため、売り場スペース18aの照明に関して省エネルギ化を実現できる。また、トップライト71は、複数の第1屋根ユニット41に架け渡された状態になっているが、それら第1屋根ユニット41の屋根面部が同じ高さ位置に配置されているため、第1屋根ユニット41の境界部においてもトップライト71の取り付け部分に対して行われる防水処理の作業を容易化できる。
【0099】
[他の実施形態]
本発明は上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施されてもよい。
【0100】
(1)第1屋根ユニット41と第2屋根ユニット42との境界部においては、第1屋根ユニット41の上流辺部47aが第2屋根ユニット42の上流辺部47aよりも高い位置に配置されていなくてもよい。例えば、図8(a)に示すように、第1屋根ユニット41の上流辺部47aが第2屋根ユニット42の上流辺部47aよりも低い位置に配置されていてもよい。この構成では、屋根ユニット41,42の境界部においては、上記実施形態とは異なり、第2屋根ユニット42の束材58に対して第1屋根ユニット41の上弦材55及び下弦材56が接続されていることが好ましい。
【0101】
また、図8(b)に示すように、第1屋根ユニット41の上流辺部47aと第2屋根ユニット42の上流辺部47aとが同じ高さ位置に配置されていてもよい。この場合、屋根ユニット41,42の上流辺部47a同士が連結されていることが好ましい。
【0102】
(2)第1屋根ユニット41及び第2屋根ユニット42は、それらの境界部に一方の屋根ユニットの上流辺部47aと他方の屋根ユニットの下流辺部47bとが配置される向きで設置されていてもよい。例えば、図8(c)に示すように、屋根ユニット41,42が、それらの境界部に第1屋根ユニット41の上流辺部47aと第2屋根ユニット42の下流辺部47bとが配置される向きで設置されていてもよい。また、図8(d)に示すように、屋根ユニット41,42が、それらの境界部に第1屋根ユニット41の下流辺部47bと第2屋根ユニット42の上流辺部47aとが配置される向きで設置されていてもよい。
【0103】
図8(c),(d)のいずれの構成においても、屋根ユニット41,42の境界部において上流辺部47aと下流辺部47bとが同じ高さ位置において互いに接続されており、それら屋根ユニット41,42の各屋根面により同一面が形成されている。なお、これら上流辺部47aと下流辺部47bとの高さレベルは異なっていてもよい。
【0104】
(3)第1屋根ユニット41及び第2屋根ユニット42は、それらの境界部にそれぞれの下流辺部47bが配置される向きで設置されていてもよい。
【0105】
(4)上記実施形態では、複数の第1屋根ユニット41が並列に配置されていたが、複数の第1屋根ユニット41は直列に配置されていてもよい。また、複数の第2屋根ユニット42が直列に配置されていたが、複数の第2屋根ユニット42は並列に配置されていてもよい。
【0106】
例えば、図9(a)に示すように、複数の第1屋根ユニット41が直列に設置され、複数の第2屋根ユニット42が並列に設置されている構成とする。この構成では、第1屋根ユニット41と第2屋根ユニット42との境界部に、傾斜辺部46同士が配置されており、それら傾斜辺部46同士は同じ高さ位置において互いに接続されている。また、この構成では、並列配置された複数の第2屋根ユニット42により第1屋根部31が形成され、直列配置された複数の第1屋根ユニット41により第2屋根部32が形成されていてもよい。
【0107】
複数の第2屋根ユニット42が並列に配置された部分においては、第2屋根ユニット42の境界部に、それぞれの上流辺部47aが配置されていてもよく、それぞれの下流辺部47bが配置されていてもよく、上流辺部47aと下流辺部47bとが配置されていてもよい。
【0108】
例えば、第1屋根ユニット41同士の境界部の延長線上に、隣り合う第2屋根ユニット42の境界部が配置されている構成において、図9(b)に示すように、第2屋根ユニット42同士の境界部にそれぞれの上流辺部47aが配置され、それら上流辺部47aは同じ高さ位置において互いに接続されている構成とする。
【0109】
また、この場合、1つの第1屋根ユニット41の傾斜辺部46(長辺部)に沿って、複数の第2屋根ユニット42が並列に配置されている。それら第2屋根ユニット42同士の境界部には、一方の第2屋根ユニット42の上流辺部47aと他方の第2屋根ユニット42の下流辺部47bとが配置されており、それら上流辺部47aと下流辺部47bとは同じ高さ位置において互いに接続されている。これら第2屋根ユニット42の各屋根面は同一面を形成しており、この同一面により形成された屋根13の屋根面は、第1屋根ユニット41同士の境界部の延長線を挟んで、反対側の下方に向けて傾斜した水勾配を有している。
【0110】
なお、隣り合う第2屋根ユニット42の境界部において、それぞれの非傾斜辺部47は異なる高さ位置に配置されていてもよい。
【0111】
(5)上記実施形態では、複数の第1屋根ユニット41及び複数の第2屋根ユニット42がそれぞれ一列に配置されていたが、少なくとも一方の屋根ユニットは複数列に配置されていてもよい。例えば、建物10の奥行き方向において、第1屋根ユニット41を挟んで手前側及び奥側の両方に第2屋根ユニット42がそれぞれ複数ずつ設置された構成とする。
【0112】
(6)上記実施形態では、屋根ユニット41,42の連結部分において、第2屋根ユニット42の下弦材56が第1屋根ユニット41の下弦材56の上方に配置されていたが、第1屋根ユニット41の下弦材56が第2屋根ユニット42の下弦材56の上方に配置されていてもよい。
【0113】
(7)第1屋根ユニット41と第2屋根ユニット42との連結部分においては、それら屋根ユニット41,42の各束材58がそれぞれ上梁61の上に載置されていてもよい。各束材58がそれぞれ上梁61の上に載置される構成としては、各束材58を載置するための上梁61が個別に設けられている構成や、上梁61の上側フランジが各束材58をまとめて載置することが可能な幅寸法を有している構成が挙げられる。ただし、上梁61の上側フランジの幅寸法が過剰に大きくされると、屋根ユニット41,42の各束材58を載置することはできても、上側フランジが変形しやすくなることが懸念される。したがって、上梁61の支持強度を確保できる許容範囲内で上側フランジの幅寸法を大きくすることが好ましい。
【0114】
(8)屋根ユニット41,42は、屋根トラス51,52を有していなくてもよい。例えば、屋根面材44を支持する横材を十分な強度を有する梁材とすることにより、ラチス柱28や間柱29による屋根ユニット41,42の支持スパンが長くされていても、屋根ユニット41,42の中間部分が下方に向けて撓むということを回避できる。
【0115】
(9)屋根ユニット41,42は、屋根面材44を有していなくてもよい。この場合、建築現場において建物本体12の上に屋根ユニット41,42が設置された後に、それら屋根ユニット41,42に対してまとめて又は個別に屋根面材44が取り付けられることになる。
【0116】
(10)上記実施形態では、第1屋根ユニット41が建物正面側に配置されていたが、第2屋根ユニットが建物正面側に配置されていてもよい。また、建物10の幅方向において、第1屋根ユニット41と第2屋根ユニット42とが横並びに配置されていてもよい。この場合、建物10の幅方向において、屋根13の大きさの設定に関する自由度を屋根ユニット41,42により高めることになる。また、この場合、建物10の幅方向において、売り場スペース18aとバックヤードスペース18bとが横並びに配置されていることが好ましい。
【0117】
(11)上記実施形態では、第1屋根部31にトップライト71が設けられていたが、トップライト71は、第2屋根部32に設けられていてもよい。この場合、バックヤードスペース18bに対してトップライト71を通じて太陽光を取り込むことが可能となる。
【0118】
(12)上記実施形態では、複数の第1屋根ユニット41に架け渡された状態でトップライト71が設けられていたが、トップライト71は、各第1屋根ユニット41の屋根面部に個別に設けられていてもよい。例えば、トップライト71が、各第1屋根ユニット41においてそれぞれの長手方向に沿って延びている構成とする。この場合、トップライト71における平行部分71aを設けなくて済むため、トップライト71における水勾配と交差する方向に延びる部分が極力小さくなる。これにより、トップライト71の上側に水が溜まりにくい構成を実現できる。
【符号の説明】
【0119】
10…建物、12…建物本体、13…屋根、18…屋内空間、18a…売り場スペース、18b…バックヤードスペース、28…柱としてのラチス柱、29…柱としての間柱、41…第1屋根ユニット、42…第2屋根ユニット、46…傾斜辺部、47…非傾斜辺部、47a…上流辺部、47b…下流辺部、55…傾斜横材としての上弦材、56…下側横材としての下弦材、58…束材、71…トップライト。
図1
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図9