(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記インターポーザの前記ハンダ非付着膜は、前記第1貫通ビアの内孔の一端開口と前記第2貫通ビアの内孔の一端開口を塞ぐように少なくとも前記2つの接続電極の表面それぞれの一部に形成されており、
前記ハンダは前記2つの接続電極の表面それぞれの残部と前記積層セラミックコンデンサの前記2つの外部電極の回り込み部の一面それぞれとの間に介在している、
ことを特徴とする請求項1に記載のインターポーザ付き積層セラミックコンデンサ。
前記インターポーザの前記2つの接続電極の長さ方向に沿う外側縁間の距離をD22とし、前記インターポーザの前記絶縁基板の長さをL21としたとき、両者はD22≦L21の関係を満足している、
ことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のインターポーザ付き積層セラミックコンデンサ。
前記インターポーザの前記2つの接続電極の長さ方向に沿う外側縁間の距離をD22とし、前記積層セラミックコンデンサの長さをL10としたとき、両者はD22≦L10の関係を満足している、
ことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のインターポーザ付き積層セラミックコンデンサ。
前記インターポーザの前記ハンダ非付着膜は、前記第1貫通ビアの内孔の一端開口と前記第2貫通ビアの内孔の一端開口を塞ぐように少なくとも前記2つの接続電極の表面それぞれの一部に形成されている、
ことを特徴とする請求項6に記載の積層セラミックコンデンサ用インターポーザ。
前記インターポーザの前記2つの接続電極の長さ方向に沿う外側縁間の距離をD22とし、前記インターポーザの前記絶縁基板の長さをL21としたとき、両者はD22≦L21の関係を満足している、
ことを特徴とする請求項6〜8の何れか1項に記載の積層セラミックコンデンサ用インターポーザ。
前記インターポーザの前記2つの接続電極の長さ方向に沿う外側縁間の距離をD22とし、前記積層セラミックコンデンサの長さをL10としたとき、両者はD22≦L10の関係を満足している、
ことを特徴とする請求項6〜9の何れか1項に記載の積層セラミックコンデンサ用インターポーザ。
【背景技術】
【0002】
後記特許文献1の段落0024〜0036と
図1(A)及び
図2(A)〜
図2(D)には、前記インターポーザ付き積層セラミックコンデンサに対応するチップ部品構造体10が記載されている。
【0003】
このチップ部品構造体10は積層セラミックコンデンサ20とインターポーザ30を備えており、インターポーザ30の絶縁性基板31の長手方向の両端には厚さ方向に貫通する円弧状凹部310がそれぞれ形成されている。また、絶縁性基板31の第1主面には第1実装用電極321及び第2実装用電極331が形成され、第2主面には第1外部接続用電極322及び第2外部接続用電極332が形成されている。さらに、絶縁性基板31の各凹部310の円弧状側壁面には接続導体343が形成され、これら接続導体343によって、第1実装用電極321と第1外部接続用電極322が導通し、第2実装用電極331と第2外部接続用電極332が導通している。一方、積層セラミックコンデンサ20の第1外部電極221はインターポーザ30の第1実装用電極321に接合され、第2外部電極222はインターポーザ30の第2実装用電極331に接合されている。
【0004】
また、このチップ部品構造体10は、後記特許文献1の段落0037及び0038と
図1(B)、
図3(A)及び
図3(B)に記載されているように、第1外部接続用電極322及び第2外部接続用電極332を接合剤400(例えばハンダ)を用いて各実装用ランド901に接合することによって外部回路基板90に実装される。
【0005】
ところで、後記特許文献1の段落0039及び0040には、前記実装によってインターポーザ30の各接続導体343に接合剤400のフィレットが形成されること、並びに、各接続導体343に接合剤400のフィレットが形成されても該接合剤400が積層セラミックコンデンサ20の第1外部電極221及び第2外部電極222の主面(積層セラミックコンデンサ20の長さ方向の端面)に到達し難いことが記載されている。
【0006】
しかしながら、後記特許文献1の
図1(B)、
図3(A)及び
図3(B)からも明らかなように、インターポーザ30の各接続導体343が積層セラミックコンデンサ20の第1外部電極221及び第2外部電極222の端面下に在るため、接合剤400が該第1外部電極221及び第2外部電極222の端面に濡れ上がることを抑制することは難しい。
【0007】
要するに、前記チップ部品構造体10では、前記実装によって接合剤400のフィレットが外部回路基板90の各実装用ランド901から積層セラミックコンデンサ20の第1外部電極221及び第2外部電極222の端面それぞれに及んで形成されることを回避できない。そのため、前記実装状態で積層セラミックコンデンサ20に電圧、特に交流電圧が印加されてセラミック積層体21に電歪現象を生じると、該電歪現象に伴う反り及びその復元が外部回路基板90に生じて所謂音鳴きを発生し易い。
【発明を実施するための形態】
【0015】
尚、以下の説明で用いた「長さ」、「幅」、「高さ」、「厚さ」、「寸法」及び「距離」は何れも設計上の基準値を指すものであって、基準値±公差の中の特定値を指すものではない。
【0016】
《第1実施形態(
図1〜
図8)》
図1及び
図2に示したインターポーザ付き積層セラミックコンデンサ(符号無し)は、積層セラミックコンデンサ10にインターポーザ20が取り付けられたものである。
【0017】
図3及び
図4に示したように、積層セラミックコンデンサ10は、長さL10>幅W10及び高さH10の関係を満足する略直方体状を成している。この積層セラミックコンデンサ10は、複数の内部電極層11a1が誘電体層11a2を介して積層された構造の容量形成部11aを有する略直方体状のコンデンサ本体11と、コンデンサ本体11の長さ方向の端面それぞれを覆う略矩形状の端面部12a及び該各端面部12aと連続してコンデンサ本体11の4側面の一部を覆う略4角筒状の回り込み部12bを有し、且つ、複数の内部電極層11a1の一部が一方に接続され残部が他方に接続された2つの外部電極12を備えている。
【0018】
補足すれば、コンデンサ本体11は、容量形成部11aと、複数の誘電体層(符号無し)が高さ方向に積層された構造の保護部11bを、高さ方向の一側から他側に向かって、保護部11b−容量形成部11a−保護部11bの順に有している。
【0019】
容量形成部11aに含まれる複数の内部電極層11a1の厚さは等しく、且つ、複数の内部電極層11a1の輪郭(略矩形)を規定する寸法も等しい。また、容量形成部11aに含まれる複数の内部電極層11a1は同じ材料から成り、該材料にはニッケル、銅、パラジウム、白金、銀、金、これらの合金等の金属が用いられている。さらに、容量形成部11aに含まれる複数の内部電極層11a1は長さ方向に交互にずれていて、
図4中の上から奇数番目の端縁は
図4中の左側の外部電極12に接続され、
図4中の上から偶数番目の端縁は
図4中の右側の外部電極12に接続されている。
【0020】
容量形成部11aに含まれる複数の誘電体層11a2の厚さは等しく、保護部11bを構成する誘電体層の厚さは等しい。また、容量形成部11aに含まれる複数の誘電体層11a2と保護部11bを構成する誘電体層は同じ材料から成り、該材料にはチタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、ジルコン酸カルシウム、チタン酸ジルコン酸カルシウム、ジルコン酸バリウム、酸化チタン等の誘電体セラミックス、好ましくはε>1000又はクラス2(高誘電率系)の誘電体セラミックスが用いられている。
【0021】
2つの外部電極12の厚さは等しく、各外部電極12はコンデンサ本体11の長さ方向の端面を覆う略矩形状の端面部12aと該端面部12aと連続してコンデンサ本体11の4側面の一部を覆う略4角筒状の回り込み部12bを有している。また、各外部電極12の長さL12は積層セラミックコンデンサ10の長さL10の1/7〜1/3の範囲内にあり、各外部電極12の幅W12は積層セラミックコンデンサ10の幅W12を規定し、各外部電極12の高さH12は積層セラミックコンデンサ10の高さH10を規定している。
【0022】
図示を省略したが、各外部電極12は、コンデンサ本体11の外面に密着した下地膜と該下地膜の外面に密着した表面膜との2層構造、或いは、下地膜と表面膜との間に少なくとも1つの中間膜を有する多層構造を有している。下地膜は例えば焼付け金属膜から成り、その材料にはニッケル、銅、パラジウム、白金、銀、金、これらの合金等の金属が用いられている。表面膜は例えばメッキ金属膜から成り、その材料にはスズ、パラジウム、金、亜鉛等の金属が用いられている。中間膜は例えばメッキ金属膜から成り、その材料には白金、パラジウム、金、銅、ニッケル等の金属が用いられている。
【0023】
一方、
図5〜
図7に示したように、インターポーザ20は、長さL20>幅W20及び高さH20の関係を満足する略直方体状を成している。このインターポーザ20は、略直方体状の絶縁基板21と、絶縁基板21の厚さ方向の一面(上面)に前記2つの外部電極12の回り込み部12bの一面それぞれと向き合うように設けられた略矩形状の2つの接続電極22と、絶縁基板21の厚さ方向の他面(下面)に2つの接続電極22それぞれと向き合うように設けられた略矩形状の2つの実装電極23と、絶縁基板21の長さ方向の端面よりも内側において2つの接続電極22の一方と2つの実装電極23の一方を接続するように、且つ、内孔24aの一端(上端)が2つの接続電極22の一方の表面で開口し他端(下端)が2つの実装電極23の一方の表面で開口するように設けられた略円筒状の第1貫通ビア24と、絶縁基板21の長さ方向の端面よりも内側において2つの接続電極22の他方と2つの実装電極23の他方を接続するように、且つ、内孔24aの一端(上端)が2つの接続電極22の他方の表面で開口し他端(下端)が2つの実装電極23の他方の表面で開口するように設けられた略円筒状の第2貫通ビア24と、第1貫通ビア24の内孔24aの一端開口(上端開口)と第2貫通ビア24の内孔24aの一端開口(上端開口)を塞ぐように設けられた略矩形状のハンダ非付着膜25を備えている。
【0024】
補足すれば、絶縁基板21の厚さは略一定であり、絶縁基板21の長さL21はインターポーザ20の長さL20を規定し、絶縁基板21の幅W21はインターポーザ20の幅W20を規定している。また、絶縁基板21の材料には二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、窒化ケイ素等のセラミックス、或いは、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビスマレイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シリコーン樹脂、シアネート樹脂等の熱硬化性プラスチック又はこれらに補強フィラーを含有させた熱硬化性プラスチックが用いられている。
【0025】
2つの接続電極22の厚さは等しく、且つ、2つの接続電極22の輪郭を規定する寸法(長さL22及び幅W22を含む)も等しい。また、2つの実装電極23の厚さは等しく、且つ、2つの実装電極23の輪郭を規定する寸法(長さL23及び幅W23を含む)も等しい。さらに、第1及び第2貫通ビア24の厚さと内孔24aの口径は等しく、第1及び第2貫通ビア24は絶縁基板21の長さ方向の端面から極力離れた位置、換言すれば、絶縁基板21の長さ方向の中心寄りに設けられている。因みに、各接続電極22の内側縁中央に略半円状の張出部22aが在り、これらと向き合うように各実装電極23の内側縁中央に略半円状の張出部23aが在るのは、第1及び第2貫通ビア24を絶縁基板21の長さ方向の中心寄りに位置させるための工夫である。さらに、各接続電極22と各実装電極23と第1及び第2貫通ビア24の材料はニッケル、銅、パラジウム、白金、銀、金、これらの合金等の金属が用いられている。
【0026】
ハンダ非付着膜25は、第1及び第2貫通ビア24の内孔24aそれぞれの一端開口(上端開口)を塞ぐように、2つの接続電極22の表面それぞれの一部(内側部分)と絶縁基板21の厚さ方向の一面(上面)の一部(2つの接続電極22間の部分)に連続的に形成されている。つまり、第1及び第2貫通ビア24の内孔24aそれぞれの他端開口(下端開口)からハンダ非付着膜25に至る領域は何れも空の状態となっている。しかも、各接続電極22の表面それぞれの一部(内側部分)がハンダ非付着膜25によって覆われていることから、各接続電極22の表面においてハンダ非付着膜25が形成されてない略矩形状の残部(外側部分)が該各接続電極22の有効接続領域22bとなっている。また、ハンダ非付着膜25の表面は略平坦であり、各接続電極22の表面上の厚さは絶縁基板21の厚さ方向の一面(上面)上の厚さよりも薄い。さらに、ハンダ非付着膜25の材料には後記ハンダSOLが付着しない材料、例えば(1)周知のソルダレジスト、(2)エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビスマレイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シリコーン樹脂、シアネート樹脂等の熱硬化性プラスチック、或いは、(3)二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、窒化ケイ素等の無機絶縁材、即ち、金属成分を含まない絶縁材料が用いられている。
【0027】
ここで、積層セラミックコンデンサ10の寸法とインターポーザ20の寸法との関係について説明する。インターポーザ20の長さL20(=絶縁基板21の長さL21)は積層セラミックコンデンサ10の長さL10よりも僅かに長く、インターポーザ20の幅W20(=絶縁基板21の幅W21)は積層セラミックコンデンサ10の幅W10よりも僅かに広く、インターポーザ20の高さH20は積層セラミックコンデンサ10の高さH10の1/8〜1/2の範囲内にある。また、インターポーザ20の2つの接続電極22の長さ方向に沿う外側縁間の距離D22は積層セラミックコンデンサ10の長さL10と等しく、各接続電極22の幅W22は積層セラミックコンデンサ10の幅W10と等しく、各接続電極22の有効接続領域22bの長さL22bは積層セラミックコンデンサ10の各外部電極の長さL12よりも僅かに短い。さらに、インターポーザ20のハンダ非付着膜25の長さは第1及び第2貫通ビア24の内孔24aそれぞれの一端開口(上端開口)を塞ぐのに十分な長さを有しており、ハンダ非付着膜25の幅は絶縁基板21の幅W21と等しい。さらに、インターポーザ20の2つの実装電極23の長さ方向に沿う外側縁間の距離D23は積層セラミックコンデンサ10の長さL10と等しく、各実装電極23の幅W23は積層セラミックコンデンサ10の幅W10と等しい。
【0028】
参考までに積層セラミックコンデンサ10が2125サイズの場合の具体値を例示すれば、積層セラミックコンデンサ10の長さL10は2.0mmで幅W10は1.25mmで高さH10は1.25mmであり、各外部電極12の長さL12は0.5mmである。一方、インターポーザ20の長さL20(=絶縁基板21の長さL21)は2.2mmで幅W20(=絶縁基板21の幅W21)は1.45mmで高さH20は0.45mmである。また、各接続電極22の長さL22は0.7mmで幅W22は1.25mmであり、距離D22は2.0mmであり、有効接続領域22bの長さL22bは0.4mmである。さらに、各実装電極23の長さL23は0.7mmで幅W23は1.25mmであり、距離D23は2.0mmである。さらに、ハンダ非付着膜25の長さ(D22−2×L22b)は1.2mmで幅は1.45mmである。
【0029】
因みに、積層セラミックコンデンサ10の各外部電極12の厚さは0.01mmである。また、インターポーザ20の絶縁基板21の厚さは0.3mmであり、各接続電極22と各実装電極23と第1及び第2貫通ビア24の厚さは0.05mmであり、第1及び第2貫通ビア24の内孔24aの口径は0.25mmであり、ハンダ非付着膜25の各接続電極22の表面上の厚さは0.05mmである。
【0030】
図1及び
図2に示したインターポーザ付き積層セラミックコンデンサを作製するときには、インターポーザ20の各接続電極22の有効接続領域22bの表面にクリームハンダを塗布し、塗布されたクリームハンダに各外部電極12の回り込み部12bの一面が接するように積層セラミックコンデンサ10を搭載した後、リフローハンダ付け法等の熱処理によってクリームハンダを一旦溶融してから硬化させ、積層セラミックコンデンサ10の各外部電極12をハンダSOLを介してインターポーザ20の各接続電極22に接合する。
【0031】
インターポーザ20の第1及び第2貫通ビア24の内孔24aそれぞれの一端開口(上端開口)はハンダ非付着膜25によって塞がれているため、前記搭載時にクリームハンダが各内孔24aに侵入することを防止して、該各内孔24aを空の状態のままとすることができる。しかも、ハンダ非付着膜25にハンダSOLが付着しない材料が用いられているため、前記熱処理時に溶融ハンダがハンダ非付着膜25の表面に濡れ上がることはない。
【0032】
また、インターポーザ20の各接続電極22の有効接続領域22bの長さL22が積層セラミックコンデンサ10の各外部電極の長さL12よりも僅かに短いため、各有効接続領域22bの表面に塗布されるクリームハンダの量如何では、前記搭載時に各外部電極12の回り込み部12bの一面をハンダ非付着膜25の表面に当接させることによって、各外部電極12の回り込み部12bの一面と各接続電極22の有効接続領域22bの表面との隙間、即ち、各外部電極12の回り込み部12bの一面と各接続電極22の有効接続領域22bの表面との間に介在するハンダSOLの厚さを管理することもできる。
【0033】
図1及び
図2に示したインターポーザ付き積層セラミックコンデンサを
図8に示した回路基板30に実装するときには、基板本体31の表面に設けられた2つの導体パッド32それぞれの表面にクリームハンダを塗布し、塗布されたクリームハンダに各実装電極23の表面が接するようにインターポーザ付き積層セラミックコンデンサを搭載した後、リフローハンダ付け法等の熱処理によってクリームハンダを一旦溶融してから硬化させ、インターポーザ付き積層セラミックコンデンサの各実装電極23をハンダSOLを介して回路基板30の各導体パッド32に接合する。因みに、回路基板30の各導体パッド32は、各実装電極23よりも僅かに大きな略矩形状輪郭を有している。
【0034】
インターポーザ20の第1及び第2貫通ビア24の内孔24aそれぞれの他端開口(下端開口)が開放していて、しかも、各内孔24aは空の状態となっているため、前記搭載時にクリームハンダの余剰分を積極的に各内孔24aに侵入させることできる。つまり、前記搭載時にクリームハンダの余剰分が各実装電極23の表面よりも外側にはみ出ることを極力回避できるので、前記熱処理時に溶融ハンダが絶縁基板21の長さ方向の端面を経由して積層セラミックコンデンサ10の各外部電極12の端面に濡れ上がること、即ち、前記熱処理後に回路基板30の各導体パッド32から積層セラミックコンデンサ10の各外部電極12の端面に至るハンダSOLのフィレットが形成されることはない。
【0035】
依って、インターポーザ付き積層セラミックコンデンサを回路基板30に実装した状態において積層セラミックコンデンサ10に電圧、特に交流電圧が印加されてコンデンサ本体11に電歪現象を生じても、該電歪現象に伴って回路基板30に生じ得る反り及びその復元を低減して音鳴きを確実に抑制することができる。
【0036】
また、積層セラミックコンデンサ10の各外部電極12がハンダSOLを介してインターポーザ20の各接続電極22のみに接合され、且つ、インターポーザ20の各実装電極23がハンダSOLを介して回路基板30の各導体パッド32のみに接合された構造を実現できるため、コンデンサ本体11に電歪現象を生じたときに積層セラミックコンデンサ10から回路基板30に伝達される応力を積層セラミックコンデンサ10と回路基板30との間に介在するインターポーザ20によって緩和することができ、これにより前記音鳴きをより一層確実に抑制することができる。
【0037】
さらに、インターポーザ20の第1及び第2貫通ビア24が絶縁基板21の長さ方向の中心寄りに位置していて、しかも、積層セラミックコンデンサ10の各外部電極12の長さ方向の中心よりも内側に在るため、コンデンサ本体11に電歪現象を生じたときに積層セラミックコンデンサ10からインターポーザ20に伝達される応力を絶縁基板31の各外部電極12が向き合う部分によって緩和することができ、これにより前記音鳴きをより一層確実に抑制することができる。
【0038】
《第2実施形態(
図9〜
図11)》
図11に示したインターポーザ付き積層セラミックコンデンサ(符号無し)は、
図1及び
図2に示したインターポーザ付き積層セラミックコンデンサと、
・インターポーザ20の代わりに、各接続電極22の長さL22を僅かに短くして距離D 22を積層セラミックコンデンサ10の長さL10よりも僅かに短くしたインターポー ザ20-1を用いた点(
図9及び
図10を参照)
において構成を異にする。
【0039】
参考までに積層セラミックコンデンサ10が2125サイズの場合の具体値を例示すれば、第1実施形態欄で例示した具体値とは、インターポーザ20-1の各接続電極22の長さL22が0.6mmであり、距離D22が1.8mmであり、有効接続領域22bの長さL22bが0.3mmである点で異なる。
【0040】
このインターポーザ付き積層セラミックコンデンサ、及び積層セラミックコンデンサ用インターポーザでも、第1実施形態欄で述べた作用及び効果と同様の作用及び効果を得ることができる。
【0041】
尚、各接続電極22と同様に、インターポーザ20-1の各実装電極23の長さL23を僅かに短くして距離D23を積層セラミックコンデンサ10の長さL10よりも僅かに短くしても良い。
【0042】
《第3実施形態(
図12〜
図14)》
図14に示したインターポーザ付き積層セラミックコンデンサ(符号無し)は、
図1及び
図2に示したインターポーザ付き積層セラミックコンデンサと、
・インターポーザ20の代わりに、各接続電極22の長さL22を僅かに長くして距離D 22を積層セラミックコンデンサ10の長さL10よりも僅かに長く、且つ、絶縁基板 21の長さL21と等しくしたインターポーザ20-2を用いた点(
図12及び
図13を 参照)
において構成を異にする。
【0043】
参考までに積層セラミックコンデンサ10が2125サイズの場合の具体値を例示すれば、第1実施形態欄で例示した具体値とは、インターポーザ20-2の各接続電極22の長さL22が0.8mmであり、距離D22が2.2mmであり、有効接続領域22bの長さL22bが0.5mmである点で異なる。
【0044】
このインターポーザ付き積層セラミックコンデンサ、及び積層セラミックコンデンサ用インターポーザでも、第1実施形態欄で述べた作用及び効果と同様の作用及び効果を得ることができる。
【0045】
尚、各接続電極22と同様に、インターポーザ20-2の各実装電極23の長さL23を僅かに長くして距離D23を積層セラミックコンデンサ10の長さL10よりも僅かに長く、且つ、絶縁基板21の長さL21と等しくしても良い。
【0046】
《第4実施形態(
図15〜
図18)》
図18に示したインターポーザ付き積層セラミックコンデンサ(符号無し)は、
図1及び
図2に示したインターポーザ付き積層セラミックコンデンサと、
・インターポーザ20の代わりに、各接続電極22から略半円状の張出部22aを除外し て各々の内側縁を直線状とし、且つ、各実装電極23から略半円状の張出部23aを除 外して各々の内側縁を直線状としたインターポーザ20-3を用いた点(
図15〜
図17 を参照)
において構成を異にする。
【0047】
参考までに積層セラミックコンデンサ10が2125サイズの場合の具体値を例示すれば、インターポーザ20-3の各接続電極22の長さL22(0.7mm)と距離D22(2.0mm)と有効接続領域22bの長さL22b(0.4mm)、並びに、各実装電極23の長さL23(0.7mm)と距離D23(2.0mm)は、第1実施形態欄で例示した具体値と同じである。
【0048】
このインターポーザ付き積層セラミックコンデンサ、及び積層セラミックコンデンサ用インターポーザでも、第1実施形態欄で述べた作用及び効果と同様の作用及び効果を得ることができる。
【0049】
《第5実施形態(
図19〜
図21)》
図21に示したインターポーザ付き積層セラミックコンデンサ(符号無し)は、
図1及び
図2に示したインターポーザ付き積層セラミックコンデンサと、
・インターポーザ20の代わりに、略矩形状の2つのハンダ非付着膜25を、第1及び第 2貫通ビア24の内孔24aそれぞれの一端開口(上端開口)を塞ぐように、各接続電 極22の表面の一部(内側部分)と絶縁基板21の厚さ方向の一面(上面)の一部(各 接続電極22に近い部分)に個別に形成したインターポーザ20-4を用いた点(
図19 及び
図20を参照)
において構成を異にする。
【0050】
参考までに積層セラミックコンデンサ10が2125サイズの場合の具体値を例示すれば、インターポーザ20-4の各接続電極22の長さL22(0.7mm)と距離D22(2.0mm)と有効接続領域22bの長さL22b(0.4mm)は、第1実施形態欄で例示した具体値と同じである。また、第1実施形態欄で例示した具体値とは、各ハンダ非付着膜25の長さが0.3mmである点で異なる。
【0051】
このインターポーザ付き積層セラミックコンデンサ、及び積層セラミックコンデンサ用インターポーザでも、第1実施形態欄で述べた作用及び効果と同様の作用及び効果を得ることができる。
【0052】
《第6実施形態(
図22〜
図24)》
図24に示したインターポーザ付き積層セラミックコンデンサ(符号無し)は、
図1及び
図2に示したインターポーザ付き積層セラミックコンデンサと、
・積層セラミックコンデンサ10の代わりに、各外部電極12の長さL12をインターポ ーザ20の各接続電極22の有効接続領域22bの長さL22b(
図5を参照)よりも 僅かに短くした積層セラミックコンデンサ10-1を用いた点(
図22及び
図23を参照 )
において、換言すれば、インターポーザ20の代わりに、各接続電極22の有効接続領域22bの長さL22bを積層セラミックコンデンサ10の各外部電極12の長さL12よりも僅かに長くしたインターポーザを用いた点において構成を異にする。
【0053】
参考までに積層セラミックコンデンサ10-1が2125サイズの場合の具体値を例示すれば、第1実施形態欄で例示した具体値とは、積層セラミックコンデンサ10-1の各外部電極12の長さL12が0.35mmである点で異なる。
【0054】
このインターポーザ付き積層セラミックコンデンサ、及び積層セラミックコンデンサ用インターポーザでも、第1実施形態欄で述べた作用及び効果と同様の作用及び効果を得ることができる。
【0055】
《他の実施形態(図無し)》
前記第1〜第6実施形態では、インターポーザ20、20-1、20-2、20-3及び20-4として略矩形状のハンダ非付着膜25の幅を絶縁基板21の幅W21と等しくしたものを示したが、第1及び第2貫通ビア24の内孔24aそれぞれの一端開口(上端開口)を塞ぐことができれば、ハンダ非付着膜25の幅を絶縁基板21の幅W21よりも狭くしても、第1実施形態欄で述べた作用及び効果と同様の作用及び効果を得ることができる。
【0056】
また、前記第1〜第6実施形態では、インターポーザ20、20-1、20-2、20-3及び20-4としてハンダ非付着膜25の輪郭形を略矩形状としたものを示したが、第1及び第2貫通ビア24の内孔24aそれぞれの一端開口(上端開口)を塞ぐことができれば、ハンダ非付着膜25の輪郭形を略矩形状以外の多角形状や円形状や楕円形状等としても、第1実施形態欄で述べた作用及び効果と同様の作用及び効果を得ることができる。
【0057】
さらに、前記第1〜第6実施形態では、インターポーザ20、20-1、20-2、20-3及び20-4として各接続電極22の幅W22を積層セラミックコンデンサ10の幅W10と等しくしたものを示したが、各接続電極22の幅W22を積層セラミックコンデンサ10の幅W10よりも僅かに狭くしても、或いは、僅かに広くしても、第1実施形態欄で述べた作用及び効果と同様の作用及び効果を得ることができる。
【0058】
さらに、前記第1〜第6実施形態では、インターポーザ20、20-1、20-2、20-3及び20-4として略円筒状の第1及び第2導体ビア24を設けたものを示したが、該第1及び第2導体ビア24の3次元形状を略円筒状以外の略楕円筒状や略多角筒状等としても、第1実施形態欄で述べた作用及び効果と同様の作用及び効果を得ることができる。
【0059】
さらに、前記第1〜第6実施形態では、インターポーザ20、20-1、20-2、20-3及び20-4として第1及び第2導体ビア24を1つずつ設けたものを示したが、第1及び第2導体ビア24の少なくとも一方を2つ以上としても、第1実施形態欄で述べた作用及び効果と同様の作用及び効果を得ることができる。