(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、
図4に示すように、原反ロール201に巻き付けられたフィルム状物品が粘着フィルム201aである場合には、原反ロール201からガイドローラ202に向けて粘着フィルム201aが繰り出されているときに、その粘着フィルム201aの粘着力によって、粘着フィルム201aが原反ロール201から間欠的に剥離されることにより、原反ロール201に対する粘着フィルム201aの剥離位置が変動することがある。
【0006】
たとえば、粘着フィルム201aの剥離位置が原反ロール201の外周面における位置P11およびP12の間で変動する。位置P11は、実線で示す粘着フィルム201bの剥離位置であり、その位置P11から送り出される粘着フィルム201bは原反ロール201の接線方向を向いている。位置P12は、想像線で示す粘着フィルム201cの剥離位置であり、その位置P12から送り出される粘着フィルム201cは原反ロール201の径方向を向いている。
【0007】
そして、上記のように、粘着フィルム201aが原反ロール201から間欠的に剥離されることにより、原反ロール201に対する粘着フィルム201aの剥離位置が変動する場合には、原反ロール201から繰り出される粘着フィルム201aに縞模様が形成されるので、その繰り出される粘着フィルム201aの品質が悪化するという問題点がある。なお、縞模様とは、粘着フィルム201aの幅方向に延びる線が、粘着フィルム201aの長手方向(流れ方向)に間隔を隔てて複数形成されるものである。
【0008】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、原反ロールに巻き付けられたフィルム状物品が粘着フィルムである場合に、原反ロールから繰り出される粘着フィルムの品質が悪化するのを抑制することが可能な繰出装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明による繰出装置は、原反ロールに巻き付けられたフィルム状物品を繰り出すものであり、フィルム状物品が粘着フィルムである場合に、その粘着フィルムを繰り出すための搬送機構部を備える。搬送機構部は、原反ロールからの粘着フィルムを搬送する搬送ローラ対と、原反ロールと搬送ローラ対との間に配置される剥離ローラとを含む。剥離ローラは、搬送ローラ対の一方に比べて小さい径を有しており、原反ロールに接触するように配置されるとともに、その原反ロールから繰り出される粘着フィルムが巻き掛けられ、かつ、巻き掛けられる粘着フィルムを介して搬送ローラ対の一方と接触するように配置されている。
【0010】
このように構成することによって、剥離ローラにより、原反ロールに対する粘着フィルムの剥離位置を一定に保つことができるので、原反ロールから繰り出される粘着フィルムに縞模様が形成されるのを抑制することができる。これにより、原反ロールから繰り出される粘着フィルムの品質が悪化するのを抑制することができる。さらに、剥離ローラの径を小さくすることにより、剥離される粘着フィルムが短い搬送距離で原反ロールの径方向を向くようにすることができるので、搬送ローラ対と原反ロールとの間の粘着フィルムの張力が、原反ロールから粘着フィルムを剥離させる剥離力として作用しやすくすることができる。これにより、搬送ローラ対と原反ロールとの間の粘着フィルムの張力を大きくしなくても、原反ロールに対する粘着フィルムの剥離位置を安定させることができる。また、剥離ローラの径を小さくすることにより、搬送ローラ対と原反ロールとの間の粘着フィルムの長さを小さくすることができるので、搬送ローラ対と原反ロールとの間の粘着フィルムの張力を安定させることができる。
【0011】
上記繰出装置において、好ましくは、搬送機構部は、剥離ローラの下方に配置される支持ローラを含み、支持ローラは、剥離ローラが撓むのを抑制するために設けられている。
【0012】
このように構成すれば、径を小さくすることにより剛性が低くなりやすい剥離ローラを支持ローラによって支持することができるので、剥離ローラが撓むのを抑制することができる。
【0013】
この場合において、好ましくは、搬送機構部は、搬送ローラ対と剥離ローラと支持ローラとが設けられるベース部を含み、ベース部は、原反ロールから粘着フィルムが繰り出されることによる原反ロールの外径の減少に応じて移動するように構成されている。
【0014】
このように構成すれば、原反ロールの外径が減少しても、原反ロールに対する剥離ローラ、支持ローラおよび搬送ローラ対の位置関係を同じ状態にすることができるので、繰り出される粘着フィルムの品質が悪化するのを常に抑制することができる。
【0015】
上記繰出装置において、好ましくは、フィルム状物品が非粘着フィルムである場合に、剥離ローラが原反ロールから離間されている。
【0016】
このように構成すれば、非粘着フィルムを繰り出す場合に、その非粘着フィルムに余分な負荷がかかるのを抑制することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の繰出装置によれば、原反ロールに巻き付けられたフィルム状物品が粘着フィルムである場合に、原反ロールから繰り出される粘着フィルムの品質が悪化するのを抑制することができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
【0020】
−構成−
まず、
図1〜
図3を参照して、本実施形態による繰出装置100の構成について説明する。この繰出装置100は、原反ロール50および60に巻き付けられた帯状のフィルム状物品を繰り出すように構成されている。
【0021】
繰出装置100は、
図1に示すように、原反ロール50に巻き付けられたフィルム状物品が非粘着フィルム51である場合に、その非粘着フィルム51を繰り出すとともに、
図2および
図3に示すように、原反ロール60に巻き付けられたフィルム状物品が粘着フィルム61である場合に、その粘着フィルム61を繰り出すようになっている。なお、非粘着フィルム51は粘着性を有しないフィルムであり、粘着フィルム61は粘着性を有するフィルムである。
【0022】
具体的には、繰出装置100は、
図1に示すように、原反駆動軸1と、ガイドローラ2と、ダンサーローラ3と、粘着フィルム61用の搬送機構部4とを備えている。
【0023】
原反駆動軸1は、原反ロール50および60を着脱可能に構成されており、装着された原反ロール50または60をモータ(図示省略)により駆動回転するように構成されている。すなわち、原反駆動軸1は、原反ロール50を回転させてその原反ロール50から非粘着フィルム51を繰り出し、原反ロール60を回転させてその原反ロール60から粘着フィルム61を繰り出すために設けられている。
【0024】
ガイドローラ2およびダンサーローラ3は、原反ロール50または60から繰り出された非粘着フィルム51または粘着フィルム61を下流側に案内するために設けられている。ガイドローラ2は、所定の位置に固定的に配置され、回転可能に構成されている。
【0025】
ダンサーローラ3は、アーム3aの先端に設けられるとともに、アーム3aに対して回転可能に構成されている。アーム3aは、基端側の回動軸3bを中心にして回動可能であり、エアシリンダなどの加圧装置(図示省略)が接続されている。そして、ダンサーローラ3は、加圧装置により非粘着フィルム51または粘着フィルム61の張力を制御するために設けられている。
【0026】
搬送機構部4は、
図2および
図3に示すように、原反ロール60のフィルム状物品が粘着フィルム61である場合に、その粘着フィルム61を繰り出すために設けられている。この搬送機構部4は、ベース部41と、搬送ローラ対42と、剥離ローラ43と、支持ローラ44とを含んでいる。
【0027】
ベース部41には、搬送ローラ対42、剥離ローラ43および支持ローラ44が設けられている。ベース部41は、粘着フィルム61の幅方向における両端に設けられており、その一対のベース部41は、ガイドレール41aに沿って水平方向(X1およびX2方向)に同期移動するように構成されている。
【0028】
搬送ローラ対42は、原反ロール60からの粘着フィルム61を搬送するように構成されている。この搬送ローラ対42は、粘着フィルム61を挟持する駆動ローラ421および従動ローラ422を有する。駆動ローラ421および従動ローラ422の直径は、たとえば120mmである。なお、駆動ローラ421は、本発明の「搬送ローラ対の一方」の一例である。
【0029】
駆動ローラ421は、モータ(図示省略)により駆動回転するように構成され、回転中心が原反ロール60とほぼ同じ高さ位置に配置されている。また、駆動ローラ421は、アーム421aの先端に設けられ、そのアーム421aは、基端側の回動軸421bを中心にして回動可能であり、エアシリンダなどの加圧装置(図示省略)が接続されている。なお、回動軸421bはベース部41に設けられている。
【0030】
アーム421aに接続される加圧装置は、駆動ローラ421を原反ロール60側(R1方向側)に付勢するために設けられている。すなわち、この加圧装置は、原反ロール60と剥離ローラ43との間に接触圧を発生させるとともに、剥離ローラ43と駆動ローラ421との間に接触圧を発生させるために設けられている。
【0031】
従動ローラ422は、駆動ローラ421の回転に連れて従動回転するように構成されている。また、従動ローラ422は、駆動ローラ421の下方に配置され、アーム422aの先端に設けられている。アーム422aは、基端側の回動軸422bを中心にして回動可能であり、エアシリンダなどの加圧装置(図示省略)が接続されている。なお、回動軸422bはベース部41に設けられている。
【0032】
アーム422aに接続される加圧装置は、従動ローラ422を駆動ローラ421側(R2方向側)に付勢するために設けられている。すなわち、この加圧装置は、搬送ローラ対42のニップ圧を発生させるために設けられている。なお、従動ローラ422のアーム422aに接続された加圧装置の加圧力は、駆動ローラ421のアーム421aに接続された加圧装置に比べて大きくなっている。
【0033】
剥離ローラ43は、原反ロール60から粘着フィルム61を剥離させるために設けられている。この剥離ローラ43は、原反ロール60に接触するように配置されるとともに、その原反ロール60から繰り出される粘着フィルム61が巻き掛けられ、かつ、巻き掛けられる粘着フィルム61を介して駆動ローラ421と接触するように配置されている。
【0034】
剥離ローラ43は、従動回転するように構成され、回転中心が原反ロール60とほぼ同じ高さ位置に配置されている。剥離ローラ43は、駆動ローラ421に比べて小さい径を有する。たとえば、剥離ローラ43は、直径が25mmであり、長さが2000〜2500mm程度である。
【0035】
また、剥離ローラ43は、連結部材43aの一方端に設けられるとともに、連結部材43aに対して回転可能に構成されている。連結部材43aは、他方端の回動軸43bを中心にして回動可能であり、その回動軸43bは、アーム43cの先端に連結されている。すなわち、剥離ローラ43が設けられる連結部材43aは、アーム43cの先端から下方に垂れ下がるように設けられている。アーム43cは、基端が回動軸421bに連結され、駆動ローラ421に連れて揺動するように構成されている。
【0036】
そして、剥離ローラ43は、駆動回転する原反ロール60および駆動ローラ421によって連れ回されるとともに、原反ロール60および駆動ローラ421に対して差動可能に構成されている。すなわち、剥離ローラ43は、原反ロール60および駆動ローラ421に対して滑りが発生し得るように構成されている。
【0037】
支持ローラ44は、剥離ローラ43が撓むのを抑制するために設けられている。支持ローラ44は、従動回転するように構成され、剥離ローラ43の下方に配置されている。支持ローラ44は、剥離ローラ43に比べて小さい径を有し、たとえば直径が24mmである。
【0038】
また、支持ローラ44は、剥離ローラ43の長さ方向における中央に配置され、剥離ローラ43に比べて短くなるように形成されている。すなわち、支持ローラ44は、剥離ローラ43の全長にわたっては設けられておらず、剥離ローラ43に対して部分的に設けられている。支持ローラ44は、アーム44aの先端に設けられるとともに、アーム44aに対して回転可能に構成されている。アーム44aは、基端が回動軸421bに連結され、駆動ローラ421に連れて揺動するように構成されている。なお、アーム44aは、回動軸421bの長さ方向における中央(フィルム状物品の幅方向における中央)に連結されている。
【0039】
そして、支持ローラ44は、剥離ローラ43と接触され、その剥離ローラ43によって連れ回されるように構成されている。
【0040】
−動作−
次に、
図1〜
図3を参照して、本実施形態による繰出装置100の動作について説明する。なお、以下では、非粘着フィルム51を繰り出すときの動作を説明した後に、粘着フィルム61を繰り出すときの動作について説明する。
【0041】
[非粘着フィルムの繰り出し時]
まず、
図1に示すように、原反駆動軸1には、非粘着フィルム51が巻き付けられた原反ロール50が装着されている。このとき、搬送機構部4は、下流側(X1方向側)に移動されており、剥離ローラ43が原反ロール50から離間されている。
【0042】
そして、原反駆動軸1によって原反ロール50が
図1において反時計回りに駆動回転されることにより、原反ロール50から非粘着フィルム51が繰り出される。そして、その非粘着フィルム51が、ガイドローラ2およびダンサーローラ3を介して下流側に搬送される。このとき、ダンサーローラ3を用いて原反ロール50の速度制御を行うことにより、原反ロール50から繰り出される非粘着フィルム51の張力が一定に保たれる。
【0043】
具体的には、原反ロール50の回転速度は、下流側のフィルム搬送装置(図示省略)の搬送速度と、ダンサーローラ3の位置とに応じて設定される。具体的には、入出力速度差(下流側のフィルム搬送装置の搬送速度と原反ロール50の表面速度との差)が発生し、ダンサーローラ3が所定の位置から変位した場合に、そのダンサーローラ3の変位を打ち消す(所定の位置に戻る)ように、原反ロール50の回転速度が制御される。これにより、原反ロール50から繰り出される非粘着フィルム51にダンサーローラ3によって印加される張力を一定に保つことが可能である。
【0044】
[粘着フィルムの繰り出し時]
まず、
図2に示すように、原反駆動軸1には、粘着フィルム61が巻き付けられた原反ロール60が装着されている。このとき、搬送機構部4は、上流側(X2方向側)に移動されている。
【0045】
そして、アーム421aに接続される加圧装置が、駆動ローラ421を原反ロール60側(R1方向側)に付勢するとともに、アーム422aに接続される加圧装置が、従動ローラ422を駆動ローラ421側(R2方向側)に付勢している。このため、剥離ローラ43が原反ロール60に接触するとともに、駆動ローラ421が粘着フィルム61を介して剥離ローラ43に接触し、かつ、粘着フィルム61が搬送ローラ対42に挟持される。なお、原反ロール60および剥離ローラ43の接触圧と、剥離ローラ43および駆動ローラ421の接触圧とに比べて、搬送ローラ対42のニップ圧が高くなるように設定されている。
【0046】
このとき、原反ロール60から引き出される粘着フィルム61は、剥離ローラ43の上半分に巻き掛けられるとともに、駆動ローラ421の下半分に巻き掛けられている。搬送ローラ対42から送り出される粘着フィルム61は、ガイドローラ2およびダンサーローラ3を介して下流側に送られるようになっている。また、原反ロール60、剥離ローラ43および駆動ローラ421の回転中心は、ほぼ同じ高さ位置に配置されている。駆動ローラ421は、回動軸421bのほぼ真上に配置されている。支持ローラ44は、原反ロール60と搬送ローラ対42との間において剥離ローラ43の下方に配置されている。
【0047】
そして、原反駆動軸1によって原反ロール60が
図1において反時計回りに駆動回転されることにより、原反ロール60から粘着フィルム61が繰り出される。そして、その粘着フィルム61が剥離ローラ43を介して搬送ローラ対42の間に送られる。また、駆動ローラ421が
図1において反時計回りに駆動回転されることにより、搬送ローラ対42から送り出される粘着フィルム61は、ガイドローラ2およびダンサーローラ3を介して下流側に搬送される。なお、剥離ローラ43は、原反ロール60および駆動ローラ421により連れ回され、支持ローラ44は、剥離ローラ43により連れ回される。
【0048】
このとき、ダンサーローラ3を用いて駆動ローラ421の速度制御を行うことにより、搬送ローラ対42から下流側に搬送される粘着フィルム61の張力が一定に保たれる。また、原反ロール60をブレーキとして機能させるブレーキ制御を行うことにより、原反ロール60と搬送ローラ対42との間の粘着フィルム61に所定の張力が働くようになっている。なお、原反ロール60と搬送ローラ対42との間の粘着フィルム61の張力が、原反ロール60から粘着フィルム61を剥離させる剥離力として作用する。
【0049】
具体的には、駆動ローラ421の回転速度は、下流側のフィルム搬送装置(図示省略)の搬送速度と、ダンサーローラ3の位置とに応じて設定される。具体的には、入出力速度差(下流側のフィルム搬送装置の搬送速度と駆動ローラ421の表面速度との差)が発生し、ダンサーローラ3が所定の位置から変位した場合に、そのダンサーローラ3の変位を打ち消すように、駆動ローラ421の回転速度が制御される。これにより、搬送ローラ対42から下流側に送られる粘着フィルム61にダンサーローラ3によって印加される張力を一定に保つことが可能である。
【0050】
また、原反ロール60のブレーキ制御では、原反ロール60の表面速度を駆動ローラ421の表面速度よりも小さくすることにより、原反ロール60と搬送ローラ対42との間の粘着フィルム61に張力が印加される。なお、原反ロール60の表面速度と駆動ローラ421の表面速度とが異なるため、原反ロール60および駆動ローラ421に対する剥離ローラ43の滑りが発生する。
【0051】
たとえば、このブレーキ制御では、駆動ローラ421の表面速度に対して原反ロール60の表面速度が少し小さくなるような速度指令値と、定格トルクよりも低い制限されたトルク指令値とが原反駆動軸1を駆動するモータに設定される。このように、駆動ローラ421に対して原反ロール60の表面速度が小さくなる速度指令値が設定されることにより、搬送ローラ対42と原反ロール60との間の粘着フィルム61に張力を発生させるとともに、トルクを制限することにより、その張力が大きくなりすぎるのを抑制することが可能である。このようにして、搬送ローラ対42と原反ロール60との間の粘着フィルム61の張力が一定になるように制御される。
【0052】
そして、原反ロール60から粘着フィルム61が繰り出されることにより、原反ロール60の外径が減少すると、駆動ローラ421が原反ロール60側(R1方向側)に変位する。そして、その変位が検出されると、その変位を打ち消すようにベース部41が上流側(X2方向側)に移動される。これにより、原反ロール60の外径が減少しても、駆動ローラ421は回動軸421bのほぼ真上のまま維持される。つまり、原反ロール60の外径が減少しても、原反ロール60に対する剥離ローラ43、搬送ローラ対42および支持ローラ44の位置関係が保たれる。
【0053】
−効果−
本実施形態では、上記のように、剥離ローラ43を設けることによって、原反ロール60に対する粘着フィルム61の剥離位置を一定に保つことができるので、原反ロール60から繰り出される粘着フィルム61に縞模様が形成されるのを抑制することができる。これにより、原反ロール60から繰り出される粘着フィルム61の品質が悪化するのを抑制することができる。
【0054】
また、本実施形態では、剥離ローラ43の径を小さくすることによって、剥離される粘着フィルム61が短い搬送距離で原反ロール60の径方向を向くようにすることができるので、搬送ローラ対42と原反ロール60との間の粘着フィルム61の張力が、原反ロール60から粘着フィルム61を剥離させる剥離力として作用しやすくすることができる。これにより、搬送ローラ対42と原反ロール60との間の粘着フィルム61の張力を大きくしなくても、原反ロール60に対する粘着フィルム61の剥離位置を安定させることができる。また、剥離ローラ43の径を小さくすることによって、搬送ローラ対42と原反ロール60との間の粘着フィルム61の長さを小さくすることができるので、搬送ローラ対42と原反ロール60との間の粘着フィルム61の張力を安定させることができる。
【0055】
また、本実施形態では、支持ローラ44を設けることによって、径を小さくすることにより剛性が低くなりやすい剥離ローラ43を支持ローラ44によって支持することができるので、粘着フィルム61の張力や自重によって剥離ローラ43が撓むのを抑制することができる。
【0056】
また、本実施形態では、原反ロール60の外径に応じてベース部41が移動することによって、原反ロール60の外径が減少しても、原反ロール60に対する剥離ローラ43、支持ローラ44および搬送ローラ対42の位置関係を同じ状態にすることができるので、繰り出される粘着フィルム61の品質が悪化するのを常に抑制することができる。
【0057】
また、本実施形態では、非粘着フィルム51の繰り出し時に、剥離ローラ43が原反ロール50から離間することによって、繰り出される非粘着フィルム51に余分な負荷がかかるのを抑制することができる。
【0058】
−他の実施形態−
なお、今回開示した実施形態は、すべての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。したがって、本発明の技術的範囲は、上記した実施形態のみによって解釈されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、本発明の技術的範囲には、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0059】
たとえば、本実施形態において、複数の原反駆動軸1が設けられていてもよい。そして、フィルム状物品を繰り出す原反駆動軸1を切り替えることにより、フィルム状物品を連続的に繰り出すようにしてもよい。
【0060】
また、本実施形態では、定格トルクよりも低い制限されたトルク指令値を設定する例を示したが、これに限らず、速度指令値によって張力を制御可能であれば、トルク指令値として定格トルクが設定されていてもよい。
【0061】
また、本実施形態では、1つのダンサーローラ3を示したが、これに限らず、リンクによって接続された複数のダンサーローラが設けられていてもよい。
【0062】
また、本実施形態では、剥離ローラ43に対して支持ローラ44が部分的に設けられる例を示したが、これに限らず、剥離ローラの全長にわたって支持ローラが設けられていてもよい。また、支持ローラ44が剥離ローラ43を中央の一点で支持する例を示したが、これに限らず、支持ローラが2つ設けられ、その2つの支持ローラにより剥離ローラを二点で支持するようにしてもよい。
【0063】
また、本実施形態において、駆動ローラ421と従動ローラ422との位置関係が反対であってもよい。
【0064】
また、本実施形態において、搬送ローラ対42と原反ロール60との間の粘着フィルム61の張力が常に一定になるように制御してもよいし、原反ロール60の外径が小さくなるほど、搬送ローラ対42と原反ロール60との間の粘着フィルム61の張力が大きくなるように制御してもよい。これは、原反ロール60において内側の粘着力が高くなるためである。