(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1締結具は、胴部が円柱状のボルトを含むと共に前記第1挿通口は、中心線が傾斜面の上方に対し凸となる円弧形状を有している構成及び前記第2締結具は、胴部が円柱状のボルトを含むと共に前記第2挿通口は、中心線が傾斜面の上方に対し凸となる円弧形状を有している構成の少なくとも一方の構成を備える、請求項1から請求項5のいずれかに記載の分離帯構造体。
前記第1傾斜部は、前記第1の重量構造物の前記第1傾斜面との対向面において、前記第1挿通口の周囲に設けられる突出部を備える、請求項1から請求項7のいずれかに記載の分離帯構造体。
前記第2傾斜部は、前記第2の重量構造物の前記第2傾斜面との対向面において、前記第2挿通口の周囲に設けられる突出部を備える、請求項1から請求項8のいずれかに記載の分離帯構造体。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記のような従来の中央分離帯80は、設置の際にブロック体81の下部82を地中に埋めるものであるため、一端設置してしまうと容易に動かすことはできなかった。すなわち、例えば有事の際やイベント時等、道路を広大に使用したい所望の時に一旦移動させ、そのような道路の使用を終えた後に元の場所に戻すといった使い方が困難な不便なものであった。
【0008】
従って、これまで、道路の分離帯として道路上に設置自在とされる重量構造物は提案されておらず、このような重量構造物同士を連結するような連結具もまた提案されてこなかった。
【0009】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、重量構造物を安定的に配置できるような分離帯構造体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するために、請求項1記載の発明は、第1の重量構造物及び第2の重量構造物が道路面上に並べて配置されることで分離帯を構成する分離帯構造体であって、第1の重量構造物及び第2の重量構造物を連結するための連結具と、第1の重量構造物に対し連結具の一方側を固定するための第1締結具と、第2の重量構造物に対し連結具の他方側を固定するための第2締結具とを備え、第1の重量構造物は、連結方向の一方端部において他方端部側上方に傾斜した第1傾斜面と、第1傾斜面から連結方向の反対側に傾斜して設けられ、第1締結具を保持するための第1保持部とを備え、第2の重量構造物は、連結方向の一方端部において他方端部側上方に傾斜した第2傾斜面と、第2傾斜面から連結方向の反対側に傾斜して設けられ、第2締結具を保持するための第2保持部とを備え、連結具は、第1の重量構造物の第1傾斜面に沿って傾斜した第1傾斜部と、第1傾斜部に設けられ、第1保持部に対して第1締結具を挿通可とするための第1挿通口と、第2の重量構造物の第2傾斜面に沿って傾斜した第2傾斜部と、第2傾斜部に設けられ、第2保持部に対して第2締結具を挿通可とするための第2挿通口と、第1傾斜部及び第2傾斜部を接続する接続部とを備え、第1傾斜部及び第2傾斜部は、それぞれ、平板状に形成され、接続部は、ウェブを水平方向に配置したH型の部材からなり、第1挿通口及び第2挿通口は、ウェブの水平位置よりも上方に設けられ、ウェブでは、開口が設けられているものである。
【0011】
このように構成すると、傾斜して取り付けられた締結具に軸方向の引張り荷重が生じたときに、引き寄せ効果が得られる。又、曲げ剛性や曲げ強度が優れた連結具が得られる。更に、開口を通じて水抜きが可能となる。
請求項2記載の発明は、第1の重量構造物及び第2の重量構造物が道路面上に並べて配置されることで分離帯を構成する分離帯構造体であって、第1の重量構造物及び第2の重量構造物を連結するための連結具と、第1の重量構造物に対し連結具の一方側を固定するための第1締結具と、第2の重量構造物に対し連結具の他方側を固定するための第2締結具とを備え、第1の重量構造物は、連結方向の一方端部において他方端部側上方に傾斜した第1傾斜面と、第1傾斜面から連結方向の反対側に傾斜して設けられ、第1締結具を保持するための第1保持部とを備え、第2の重量構造物は、連結方向の一方端部において他方端部側上方に傾斜した第2傾斜面と、第2傾斜面から連結方向の反対側に傾斜して設けられ、第2締結具を保持するための第2保持部とを備え、連結具は、第1の重量構造物の第1傾斜面に沿って傾斜した第1傾斜部と、第1傾斜部に設けられ、第1保持部に対して第1締結具を挿通可とするための第1挿通口と、第2の重量構造物の第2傾斜面に沿って傾斜した第2傾斜部と、第2傾斜部に設けられ、第2保持部に対して第2締結具を挿通可とするための第2挿通口と、第1傾斜部及び第2傾斜部を接続する接続部とを備え、第1傾斜部及び第2傾斜部は、それぞれ、平板状に形成され、接続部は、ウェブを水平方向に配置したH型の部材からなり、第1挿通口及び第2挿通口は、ウェブの水平位置と同じ位置又は水平位置よりも下方に設けられ、ウェブでは、第1挿通口及び第2挿通口それぞれの開口方向上方に位置する部分において第1締結具及び第2締結具の取付用の開口が設けられているものである。
このように構成すると、傾斜して取り付けられた締結具に軸方向の引張り荷重が生じたときに、引き寄せ効果が得られる。又、接続部の開口が、水抜き孔と締結具取付用の孔を兼ねる。
請求項3記載の発明は、第1の重量構造物及び第2の重量構造物が道路面上に並べて配置されることで分離帯を構成する分離帯構造体であって、第1の重量構造物及び第2の重量構造物を連結するための連結具と、第1の重量構造物に対し連結具の一方側を固定するための第1締結具と、第2の重量構造物に対し連結具の他方側を固定するための第2締結具とを備え、第1の重量構造物は、連結方向の一方端部において他方端部側上方に傾斜した第1傾斜面と、第1傾斜面から連結方向の反対側に傾斜して設けられ、第1締結具を保持するための第1保持部とを備え、第2の重量構造物は、連結方向の一方端部において他方端部側上方に傾斜した第2傾斜面と、第2傾斜面から連結方向の反対側に傾斜して設けられ、第2締結具を保持するための第2保持部とを備え、連結具は、第1の重量構造物の第1傾斜面に沿って傾斜した第1傾斜部と、第1傾斜部に設けられ、第1保持部に対して第1締結具を挿通可とするための第1挿通口と、第2の重量構造物の第2傾斜面に沿って傾斜した第2傾斜部と、第2傾斜部に設けられ、第2保持部に対して第2締結具を挿通可とするための第2挿通口と、第1傾斜部及び第2傾斜部を接続する接続部とを備え、接続部は、その両端部側の曲げ剛性のほうが中央部側の曲げ剛性よりも高く設定されているものである。
このように構成すると、傾斜して取り付けられた締結具に軸方向の引張り荷重が生じたときに、引き寄せ効果が得られる。又、中央部に応力が付加されたとき、撓みやすくなる。
請求項4記載の発明は、第1の重量構造物及び第2の重量構造物が道路面上に並べて配置されることで分離帯を構成する分離帯構造体であって、第1の重量構造物及び第2の重量構造物を連結するための連結具と、第1の重量構造物に対し連結具の一方側を固定するための第1締結具と、第2の重量構造物に対し連結具の他方側を固定するための第2締結具とを備え、第1の重量構造物は、連結方向の一方端部において他方端部側上方に傾斜した第1傾斜面と、第1傾斜面から連結方向の反対側に傾斜して設けられ、第1締結具を保持するための第1保持部とを備え、第2の重量構造物は、連結方向の一方端部において他方端部側上方に傾斜した第2傾斜面と、第2傾斜面から連結方向の反対側に傾斜して設けられ、第2締結具を保持するための第2保持部とを備え、連結具は、第1の重量構造物の第1傾斜面に沿って傾斜した第1傾斜部と、第1傾斜部に設けられ、第1保持部に対して第1締結具を挿通可とするための第1挿通口と、第2の重量構造物の第2傾斜面に沿って傾斜した第2傾斜部と、第2傾斜部に設けられ、第2保持部に対して第2締結具を挿通可とするための第2挿通口と、第1傾斜部及び第2傾斜部を接続する接続部とを備え、第1傾斜部、第2傾斜部及び接続部は、平板からなり、接続部は、第1傾斜部及び第2傾斜部各々の下端において接続され、第1傾斜部の斜面は、連結時に、第1の重量構造物の第1傾斜面の端部から離間して納まるようなサイズに設定されており、第2傾斜部の斜面は、連結時に、第2の重量構造物の第2傾斜面の端部から離間して納まるようなサイズに設定されており、連結部の接続部と、第1の重量構造物の第1傾斜面及び第2の重量構造物の第2傾斜面の間に空間が設けられているものである。
このように構成すると、傾斜して取り付けられた締結具に軸方向の引張り荷重が生じたときに、引き寄せ効果が得られる。又、重量構造物に衝撃が加えられたとき重量構造物が移動し、これに伴い連結具が移動しやすくなる。
【0012】
請求項5記載の発明は、請求項3記載の発明の構成において、第1傾斜部、第2傾斜部及び接続部は、平板からなり、接続部は、第1傾斜部及び第2傾斜部各々の下端において接続されるものである。
【0013】
このように構成すると、連結具の接続部を底として連結具を水平面に載置できるようになる。
【0020】
請求項6記載の発明は、請求項1から請求項5のいずれかに記載の発明の構成において、第1締結具は、胴部が円柱状のボルトを含むと共に第1挿通口は、中心線が傾斜面の上方に対し凸となる円弧形状を有している構成及び第2締結具は、胴部が円柱状のボルトを含むと共に第2挿通口は、中心線が傾斜面の上方に対し凸となる円弧形状を有している構成の少なくとも一方の構成を備えるものである。
【0021】
このように構成すると、円弧形状の弧の長さの範囲で重量構造物が移動しやすくなる。
【0022】
請求項7記載の発明は、請求項4記載の発明の構成において、接続部は、その両端部側の曲げ剛性のほうが中央部側の曲げ剛性よりも高く設定されているものである。
【0023】
このように構成すると、中央部に応力が付加されたとき、撓みやすくなる。
【0024】
請求項8記載の発明は、請求項1から請求項7のいずれかに記載の発明の構成において、第1傾斜部は、第1の重量構造物の第1傾斜面との対向面において、第1挿通口の周囲に設けられる突出部を備えるものである。
【0025】
このように構成すると、突出部周辺にスペースができる。
【0026】
請求項9記載の発明は、請求項1から請求項8のいずれかに記載の発明の構成において、第2傾斜部は、第2の重量構造物の第2傾斜面との対向面において、第2挿通口の周囲に設けられる突出部を備えるものである。
【0027】
このように構成すると、突出部周辺にスペースができる。
【0028】
請求項10記載の発明は、第1の重量構造物及び第2の重量構造物が道路面上に並べて配置されることで分離帯を構成する分離帯構造体であって、第1の重量構造物及び第2の重量構造物を連結するための連結具と、第1の重量構造物に対し連結具の一方側を固定するための第1締結具と、第2の重量構造物に対し連結具の他方側を固定するための第2締結具とを備え、第1の重量構造物は、連結方向の一方端部において他方端部側上方に傾斜した第1傾斜面と、第1傾斜面から連結方向の反対側に傾斜して設けられ、第1締結具を保持するための第1保持部とを備え、第2の重量構造物は、連結方向の一方端部において他方端部側上方に傾斜した第2傾斜面と、第2傾斜面から連結方向の反対側に傾斜して設けられ、第2締結具を保持するための第2保持部とを備え、連結具は、第1の重量構造物の第1傾斜面に沿って傾斜した第1傾斜部と、第1傾斜部に設けられ、第1保持部に対して第1締結具を挿通可とするための第1挿通口と、第1傾斜部の下方において接続され、第2の重量構造物の第2傾斜面に沿って傾斜した第2傾斜部と、第2傾斜部に設けられ、第2保持部に対して第2締結具を挿通可とするための第2挿通口とを備え、接続部は、その両端部側の曲げ剛性のほうが中央部側の曲げ剛性よりも高く設定されているものである。
【0029】
このように構成すると、傾斜して取り付けられた締結具に軸方向の引張り荷重が生じたときに、引き寄せ効果が得られる。又、中央部に応力が付加されたとき、撓みやすくなる。
【発明の効果】
【0030】
以上説明したように、請求項1記載の発明は、傾斜して取り付けられた締結具に軸方向の引張り荷重が生じたときに、引き寄せ効果が得られるため、重量構造物同士の離間を抑止することができる。又、曲げ剛性や曲げ強度が優れた連結具が得られるため、重量構造物同士の連結を安定させることができる。更に、開口を通じて水抜きが可能となるため、連結具に水が溜まることを防ぐことができる。
請求項2記載の発明は、傾斜して取り付けられた締結具に軸方向の引張り荷重が生じたときに、引き寄せ効果が得られるため、重量構造物同士の離間を抑止することができる。又、接続部の開口が、水抜き孔と締結具取付用の孔を兼ねるため、第1挿通口及び第2挿通口を設ける位置の設計の自由度が高まる。
請求項3記載の発明は、傾斜して取り付けられた締結具に軸方向の引張り荷重が生じたときに、引き寄せ効果が得られるため、重量構造物同士の離間を抑止することができる。又、中央部に応力が付加されたとき、撓みやすくなるため、重量構造物に衝撃が加えられたとき重量構造物が屈曲して、衝撃を緩和することができる。
請求項4記載の発明は、傾斜して取り付けられた締結具に軸方向の引張り荷重が生じたときに、引き寄せ効果が得られるため、重量構造物同士の離間を抑止することができる。又、重量構造物に衝撃が加えられたとき重量構造物が移動し、これに伴い連結具が移動しやすくなるので、重量構造物に衝撃が加えられたとき重量構造物が移動して、衝撃を緩和することができる。
【0031】
請求項5記載の発明は、請求項3記載の発明の効果に加えて、連結具の接続部を底として連結具を水平面に載置できるようになるため、保管の際、効率的に積み重ねることができる。
【0035】
請求項6記載の発明は、請求項1から請求項5のいずれかに記載の発明の効果に加えて、円弧形状の弧の長さの範囲で重量構造物が移動しやすくなるため、重量構造物を傾斜させて配置し、直線形状だけでなくカーブした分離帯も構成できる。
【0036】
請求項7記載の発明は、請求項4記載の発明の効果に加えて、中央部に応力が付加されたとき、撓みやすくなるため、重量構造物に衝撃が加えられたとき重量構造物が屈曲して、衝撃を緩和することができる。
【0037】
請求項8記載の発明は、請求項1から請求項7のいずれかに記載の発明の効果に加えて、突出部周辺にスペースができるため、連結具の傾斜部が重量構造物の傾斜面に干渉しにくくなり重量構造物が屈曲方向に動きやすくなる。
【0038】
請求項9記載の発明は、請求項1から請求項8のいずれかに記載の発明の効果に加えて、突出部周辺にスペースができるため、連結具の傾斜部が重量構造物の傾斜面に干渉しにくくなり重量構造物が屈曲方向に動きやすくなる。
【0039】
請求項10記載の発明は、傾斜して取り付けられた締結具に軸方向の引張り荷重が生じたときに、引き寄せ効果が得られるため、重量構造物同士の離間を抑止することができる。又、中央部に応力が付加されたとき、撓みやすくなるため、重量構造物に衝撃が加えられたとき重量構造物が屈曲して、衝撃を緩和することができる。
【発明を実施するための形態】
【0041】
図1は、この発明の第1の実施の形態に係る分離帯構造体の外観形状を示す正面図であり、
図2は、
図1で示した分離帯構造体の外観形状を示す平面図であり、
図3は、
図1で示した分離帯構造体の外観形状を示す右側面図であり、
図4は、
図1で示した分離帯構造体の外観形状を示す左側面図であり、
図5は、
図2で示したX部分の拡大図であり、
図6は、
図5で示したVI−VIラインの端面図である。
【0042】
まず、
図1〜
図4を参照して、分離帯構造体1は、プレキャストコンクリートからなる第1の重量構造物10及び第2の重量構造物20が道路面上5に並べて配置されることで分離帯を構成するものである。第1の重量構造物10及び第2の重量構造物20には、それぞれ、その下方部において溝15及び溝25が設けられており、この溝15及び溝25にフォークリフトのツメを差し込んで、持ち上げて運搬することができる。このように、第1の重量構造物10及び第2の重量構造物20は、状況に応じて、道路上に自在に設置することができる。
【0043】
更に
図5及び
図6も参照して、分離帯構造体1は、より具体的には、第1の重量構造物10及び第2の重量構造物20と、第1の重量構造物10及び第2の重量構造物20を連結するための連結具30と、第1の重量構造物10に対し連結具30の一方側を固定するための金属製のボルトである第1締結具41と、第2の重量構造物20に対し連結具30の他方側を固定するための金属製のボルトである第2締結具42とを備える。
【0044】
第1の重量構造物10は、連結方向Aの一方端部12において他方端部11側上方に傾斜した第1傾斜面14と、第1傾斜面14から連結方向Aの反対側に傾斜して設けられ、第1締結具41を保持(螺合)するためのインサートである第1保持部16とを備える。又、第1傾斜面14の斜面幅方向の両側には側壁部61が設けられている。
【0045】
又、第1の重量構造物10は、一方端部12において平面視が円弧状の凹部13を備える。
【0046】
第2の重量構造物20は、第1の重量構造物10と同様、連結方向Bの一方端部21において他方端部22側上方に傾斜した第2傾斜面24と、第2傾斜面24から連結方向Bの反対側に傾斜して設けられ、第2締結具42を保持(螺合)するためのインサートである第2保持部26とを備える。又、第2傾斜面24の斜面幅方向の両側には側壁部62が設けられている。
【0047】
又、第2の重量構造物20は、一方端部21において鉛直方向に延びる半円柱状の凸部23を備える。凸部23は、第1の重量構造物10の凹部13に略隙間なく嵌合できるような形状に形成される。
【0048】
連結具30は、鉄板材料又は鋼板材料の曲げ加工により製造され、第1の重量構造物10の第1傾斜面14に沿って傾斜した第1傾斜部31と、第1傾斜部31に設けられ、第1保持部16に対して前記第1締結具を挿通可とするための第1挿通口33と、第2の重量構造物20の第2傾斜面24に沿って傾斜した第2傾斜部32と、第2傾斜部32に設けられ、第2保持部26に対して第2締結具42を挿通可とするための第2挿通口34と、第1傾斜部31及び第2傾斜部32を接続する接続部35とを備える。
【0049】
尚、このような連結具30は、鉄板材料又は鋼板材料において、第1挿通口33及び第2挿通口34に対応する部分に開口を設けると共に、第1傾斜部31及び第2傾斜部32に相当する部分を曲げ加工により形成することで製造することができる。
【0050】
図7は、
図1等で示した分離帯構造体が備える連結具の外観形状を示す正面図であり、
図8は、
図7で示した連結具の外観形状を示す平面図であり、
図9は、
図7で示した連結具の外観形状を示す右側面図である。
【0051】
これらの図を参照して、連結具30の形状について更に詳しく説明する。
【0052】
接続部35は、第1傾斜部31及び第2傾斜部32各々の下端において鉛直方向から角度θ(以下「接続角度」と称する)だけ外方に傾斜して接続されている。このように、接続角度θを設けている理由については後述する。又、第1傾斜部31、第2傾斜部32及び接続部35は、それぞれ、平板状に形成される。
【0053】
第1挿通口33及び第2挿通口34は、それぞれ、第1傾斜部31及び第2傾斜部32において長穴状に形成される。
【0054】
第1傾斜部31は、第1挿通口33の背面(すなわち、
図6における第1重量構造物10の第1傾斜面14との対向面)の周囲に設けられる突出部36を備える。
【0055】
第2傾斜部は、第1傾斜部31と同様、第2挿通口34の背面(すなわち、
図6における第2重量構造物10の第2傾斜面14との対向面)の周囲に設けられる突出部37を備える。尚、説明の便宜上、突出部36、37をこのように構成する利点については第2の実施の形態において詳しく説明する。
【0056】
接続部35は、両端部から中央部にかけて幅狭となる幅狭部38を有している。尚、説明の便宜上、接続部35が、幅狭部38を有していることの利点については第2の実施の形態において詳しく説明する。
【0057】
又、接続部が平板状であるので、連結具の接続部を底として連結具を水平面に載置できるようになるため、保管の際、効率的に積み重ねることができる。
【0058】
図10は、
図1で示した分離帯構造体の利点について説明する図である。
【0059】
図10を用いて、接続角度θを設ける理由について説明する。まず、
図10の(a)を参照し、第1締結具41は、第1傾斜部31に対して直交する角度で取り付けられ、鉛直方向に対しては、連結方向A側に角度αだけ傾斜して取り付けられる。尚、鉛直方向に対する第1傾斜部31の傾きは連結方向A側に接続角度θであるため、α=90°−θである。ここで、連結具30が第2締結具42と第2保持部26とによって固定されていると仮定すると、ボルトからなる第1締結具41をインサートである第1保持部16に螺合させ締め付けた場合、第1締結具41の引き抜き方向に第1の重量構造物10を引き寄せる引き寄せ力Fがかかる。
【0060】
すなわち、第1締結具41の引き抜き方向にかかる引き寄せ力Fは、鉛直方向から連結方向Aに角度αだけ傾斜した向きにかかる。このため、引き寄せ力Fは、水平方向の成分Hと、垂直方向(鉛直方向)の成分Vとに分解できる。この水平方向の成分Hは、第2の重量構造物20との連結方向Aの向きに作用する。このことは第2締結具42についても同様のことが言える。
【0061】
よって、第1締結具41及び第2締結具42の締め付けにより、それぞれの水平方向の成分の力(
図10の(a)において白抜き矢印にて示している)が得られ、又、これにより第1の重量構造物10と第2の重量構造物20とを水平方向に互いに引き寄せる力が得られる。
【0062】
尚、垂直方向については、同様に、垂直方向の成分Vにより鉛直上方に第1の重量構造物10を引き上げる引き上げ力が得られることになる。ただし、取り付けの際、実際は、連結具30が上下方向に移動可能な状態であると考えられるため、このような状態においては垂直方向の成分Vによる引き上げ力は生じない。
【0063】
このように傾斜して取り付けられる締結具の締め付けによって、引き寄せ効果が得られるため、重量構造物同士の離間を抑止することができる。
【0064】
尚、接続角度θは、水平方向の成分Hが垂直方向の成分Vよりも大きくなる45°よりも小さいことが望ましい。
【0065】
又、連結具として剛性が高い金具を採用する場合、接続角度θ=15〜30°の範囲であることが更に好ましい。これにより引き寄せ効果が更に高まる。
【0066】
これに対して、
図10の(b)を参照して、一方の重量構造物91に締結具93を鉛直方向に取り付けて連結プレート90を固定する場合について説明する。連結プレート90が他方の重量構造物92側で固定されていると仮定すると、締結具93の引き抜き方向(すなわち、鉛直上方向)に重量構造物91を引き寄せる引き寄せ力Fが生じるが、この引き寄せ力Fに対して、上述のような水平方向への引き寄せる力は得られない。尚、取り付けの際、実際は、連結プレート90は、上下方向に移動可能な状態であると考えられるため、このような状態においては引き寄せ力Fも生じない。
【0067】
図11は、
図1で示した分離帯構造体を構成する工程を示す工程図である。
図11の(1)〜(3)はそれぞれの工程を示しており、左側の図は、
図5に示した拡大平面図に対応し、右側の図は、
図6に示した断面図に対応する。
【0068】
同図を参照して、分離帯構造体を構成するに際しては、まず、(1)に示すように、第1の重量構造物10と第2の重量構造物20とを準備し、第1の重量構造物10の凹部13に対して、第2の重量構造物20の凸部23を近接させて配置する。又、連結具30を準備し、連結具30の第1傾斜部31に設けられている第1挿通口33を、第1の重量構造物10の第1傾斜面14に設けられている第1保持部16に対して位置合わせする一方で、第2傾斜部32に設けられている第2挿通口34を、第2の重量構造物20の第2傾斜面24に設けられている第2保持部26に対して位置合わせする。
【0069】
次に、(2)に示すように、工具等を用いて、第1締結具41を、第1挿通口33から挿通し、第1の重量構造物10の第1保持部16に対して締め付ける共に、第2締結具42を、第2挿通口34から挿通し、第2の重量構造物20の第2保持部26に対して締め付ける。これにより、上述のように矢印にて示すような引き寄せ効果が生じ、第1の重量構造物10と第2の重量構造物20とが更に接近する。
【0070】
そして、(3)に示すように、第1締結具41の第1保持部16に対する締め付けと、第2締結具42の第2保持部26に対する締め付けが完了すると、上述の引き寄せ効果により、最終的には、第1の重量構造物10の凹部13に第2の重量構造物20の凸部23が密着した状態となる。
【0071】
図12は、この発明の第2の実施の形態に係る連結具の外観形状を示す平面図である。尚、説明に当たっては、基本的には第1の実施の形態によるものと同一であるため、その相違点を中心に説明する。
【0072】
図12を参照して、この実施の形態による連結具30Aにあっては、第1挿通口33A及び第2挿通口34Aの形状が第1の実施の形態の第1挿通口33及び第2挿通口34のものと異なる。
【0073】
より具体的には、第1挿通口33Aは、円形状を有しており、第2挿通口34Aは、第2傾斜部32の上方に対し凸となる中心線が円弧形状の開口を有している。
【0074】
図13は、第2の実施の形態に係る分離帯構造体を平面視したときの模式図であり、
図14は、
図13に示す分離帯構造体の第2の重量構造物を一方に動かした状態を示す模式図であり、
図15は、
図13に示す分離帯構造体の第2の重量構造物を他方に動かした状態を示す模式図である。
【0075】
このように第2挿通口34Aの形状を円弧形状とした効果について説明する。尚、以下の説明では、第1の重量構造物10及び第2の重量構造物20の移動に伴い、ある程度連結具30が撓むなどして変形することを想定している。
【0076】
まず、
図13を参照して、第1の重量構造物10と第2の重量構造物20とを直線的に配置する場合、第2締結具42は、第2挿通口34Aの中央の位置に取り付けられる。
【0077】
次に、
図14を参照して、第1の重量構造物10及び第2の重量構造物20が道路面上に直線的に配置された状態から、第2の重量構造物20を、道路面に平行な面において、半円柱状の凸部23の中心軸Mに関して円周方向(反時計方向)Cにβ
1=15°回転させた場合、第2締結具42の位置は、第2挿通口34Aの一方端の位置へと移動する。
【0078】
一方、
図15を参照して、第1の重量構造物10及び第2の重量構造物20が道路面上に直線的に配置された状態から、第2の重量構造物20を、道路面に平行な面において、半円柱状の凸部23の中心軸Mに関して円周方向(時計方向)Dにβ
2=15°回転させた場合、第2締結具42の位置は、第2挿通口34Aの他方端の位置へと移動する。
【0079】
第2挿通口34Aの形状を円弧形状とすると、円弧形状の弧の長さの範囲で重量構造物が移動しやすくなるため、重量構造物を傾斜させて配置し、直線形状だけでなくカーブした分離帯を構成しやすくなる。
【0080】
尚、実際には、上述の通り、重量構造物の移動時には連結具が変形することもあり得るため、この変形を考慮して第1挿通口33及び第2挿通口34Aの形状のサイズを調整してもよい。又、寸法公差や、クリアランスを考慮して第1挿通口33及び第2挿通口34Aの形状のサイズを調整してもよい。
【0081】
又、第1の実施の形態では説明しなかったが、連結部30において幅狭部38を設ける構成によれば、幅狭となっている中央部に大きな応力が付加されたとき、撓みやすくなるため、重量構造物に衝撃が加えられたとき重量構造物が移動して、衝撃を緩和することができる。又、第1の重量構造物10又は第2の重量構造物20が回転移動したときに幅狭部38が、第1の重量構造物10の壁部52と第2の重量構造物の壁部62と干渉しにくくなるため、分離帯構造体の可動範囲が拡大される。
【0082】
又、連結具の連結方向の両端の形状は、丸角形状であったが、これによれば、重量構造物が移動し、これに伴い連結具が移動した際に、連結具の端部で重量構造物の斜面や側壁が削れてしまうことを抑制することができる。
【0083】
図16は、突出部周辺の外観形状を示した拡大断面図である。
【0084】
同図を参照して、連結具30に突出部37を設ける構成によると、突出部37周辺において、連結具30の第2傾斜部32と、重量構造物10の第2傾斜面24との間にスペースができる。このため、第1の重量構造物10又は第2の重量構造物20が回転移動したときに、連結具30の第2傾斜部32が第2の重量構造物20の第2傾斜面24に干渉しにくくなる。このため、分離帯構造体1の屈曲方向(連結方向と直交する方向)への可動範囲が拡大する。尚、連結具30の第1傾斜部31側についても同様のことが言える。
【0085】
図17は、この発明の第3の実施の形態に係る分離帯構造体の外観形状を示す正面図であり、
図18は、
図17で示した分離帯構造体が備える連結具の外観形状を示す正面図であり、
図19は、
図18で示した連結具の外観形状を示す平面図であり、
図20は、
図19で示したXX−XXラインの端面図であり、
図21は、
図19で示したXXI−XXIラインの端面図であり、
図22は、
図18で示した連結具の外観形状を示す斜視図である。
【0086】
尚、説明に当たっては、基本的には第2の実施の形態によるものと同一であるため、その相違点を中心に説明する。
【0087】
これらの図を参照して、この実施の形態による分離帯構造体にあっては、第2の実施の形態のものと、連結具の接続部の形状が異なる。
【0088】
より具体的には、この実施の形態による連結具30Bの接続部35Bにあっては、第1傾斜部31及び第2傾斜部32は、それぞれ、平板状に形成され、接続部35Bは、ウェブ51を水平方向に配置したH型の部材からなり、第1挿通口33及び第2挿通口34は、ウェブ51の水平位置よりも上方に設けられ、ウェブ51の両端部に開口52、53が設けられている。
【0089】
このように構成すると、曲げ剛性や曲げ強度が優れた連結具が得られるため、重量構造物同士の連結を安定させることができる。又、開口52、53を通じて水抜きが可能となるため、連結具に水が溜まることを防ぐことができる。
【0090】
図23は、この発明の第4の実施の形態に係る分離帯構造体の外観形状を示す正面図であり、
図24は、
図23で示した分離帯構造体が備える連結具の外観形状を示す正面図であり、
図25は、
図23で示した連結具の外観形状を示す平面図であり、
図26は、
図23で示した連結具の外観形状を示す右側面図である。
【0091】
尚、説明に当たっては、基本的には第1の実施の形態によるものと同一であるため、その相違点を中心に説明する。
【0092】
これらの図を参照して、この実施の形態による分離帯構造体にあっては、第1の実施の形態のものと、連結具の形状が異なる。
【0093】
より具体的には、第1の実施の形態では、第1傾斜部31及び第2傾斜部32が接続部35を介して接続される構造であったの対して、第4の実施の形態では、第1傾斜部31及び第2傾斜部32が直接接続される構造である。
【0094】
すなわち、第4の実施形態による連結具30Cは、第1の重量構造物10の第1傾斜面14に沿って傾斜した第1傾斜部31と、第1傾斜部31に設けられ、第1保持部16に対して第1締結具41を挿通可とするための第1挿通口33と、第1傾斜部31の下方において接続され、第2の重量構造物20の第2傾斜面24に沿って傾斜した第2傾斜部32と、第2傾斜部32に設けられ、第2保持部26に対して第2締結具42を挿通可とするための第2挿通口34とを備える。
【0095】
第1傾斜部31及び第2傾斜部32は、それぞれの下方の接続端部39において、接続角度2θで、互いに接続されている。すなわち、分離帯構造体1において、第1傾斜部31は、鉛直方向から、θだけ傾斜しており、第2傾斜部32は、鉛直方向からθだけ傾斜している。
【0096】
以上の構成によれば、第1の実施の形態と同様、傾斜して取り付けられた締結具に軸方向の引張り荷重が生じたときに、引き寄せ効果が得られるため、重量構造物同士の離間を抑止することができる。
【0097】
又、第1傾斜部31及び第2傾斜部32は、それぞれ、傾斜面の上方に位置するから接続端部39にかけて幅狭となる形状を有している。
【0098】
このように構成すると幅狭となっている中央部に大きな応力が付加されたとき、撓みやすくなるため、重量構造物に衝撃が加えられたとき重量構造物が屈曲して、衝撃を緩和することができる。
【0099】
図27は、この発明の第5の実施の形態に係る連結具の外観形状を示す平面図である。尚、説明に当たっては、基本的には第1の実施の形態によるものと同一であるため、その相違点を中心に説明する。
【0100】
同図を参照して、この実施の形態による連結具30Dにあっては、接続部35Dは、幅方向の両端部が直線状の形状を有する。このように構成すると、第1の実施の形態のように、第1の重要構造物や第2の重量構造物(同図において二点鎖線で示している)に側壁部61、62が設けられる場合、第1の重要構造物や第2の重量構造物が連結方向と直交する方向に移動しようとしたときに連結具30Dと側壁部61、62とが係り合う。このため、第1の重要構造物や第2の重量構造物の移動を規制することができる。
【0101】
図28は、この発明の第6の実施の形態に係る連結具の外観形状を示す平面図である。尚、説明に当たっては、基本的には第5の実施の形態によるものと同一であるため、その相違点を中心に説明する。
【0102】
同図を参照して、この実施の形態による連結具30Eにあっては、接続部35Eは、幅方向の一方の端部75が直線状の形状を有し、他方の端部76がその中央部が幅狭となる形状を有している。このように構成すると、一方の端部75側では、第5の実施の形態で示したように、第1の重要構造物や第2の重量構造物の移動を規制できる一方で、他方の端部76側では、ある程度の可動範囲を確保することができる。すなわち、他方の端部76側に第1の重要構造物及び第2の重量構造物を移動させて屈曲配置しやすくなる。
【0103】
図29は、この発明の第7の実施の形態に係る連結具の模式的端面図であって、
図20に対応するものである。尚、説明に当たっては、基本的には第3の実施の形態によるものと同一であるため、その相違点を中心に説明する。
【0104】
同図を参照して、この実施の形態による連結具30Fにあっては、第1挿通口33F及び第2挿通口34Fの形成位置が、第3の実施の形態の第1挿通口33A及び第2挿通口34Aの形成位置と異なる。
【0105】
具体的には、第3の実施の形態では、第1挿通口33A及び第2挿通口34Aは、ウェブ51の水平位置よりも上方に設けられていたが、連結具30Fでは、第1挿通口33F及び第2挿通口34Fは、ウェブ51の水平位置と略同じ位置に設けられている。
【0106】
又、ウェブ51では、開口52、53は、第1挿通口33F及び第2挿通口34Fそれぞれの開口方向上方に位置する部分に設けられている。このため、第1締結具を、第1挿通口33Fを介して第1保持部に取り付ける際には、工具等を開口52から第1挿通口33Fの方へ差し込んで取り付けを行えばよい。第2挿通口34F側についても同様である。
【0107】
このように構成すると、接続部の開口が、水抜き孔と締結具取付用の孔を兼ねるため、第1挿通口及び第2挿通口を設ける位置の設計の自由度が高まる。
【0108】
図30は、この発明の第8の実施の形態に係る連結具の模式的端面図であって、
図20に対応するものである。尚、説明に当たっては、基本的には第3の実施の形態によるものと同一であるため、その相違点を中心に説明する。
【0109】
同図を参照して、この実施の形態による連結具30Gにあっては、接続部のウェブの中央部のみに開口52Gが設けられる構成であり、ウェブの両端部に開口が設けられる第3の実施の形態の構成と異なる。
【0110】
このように構成すると、ウェブの中央付近に水が溜まることを防ぐことができる。
【0111】
尚、以上の各実施の形態では、分離帯構造体を道路面上に設置する例について説明したが、これに限られず、分離帯構造体を地中に設置してもよい。
【0112】
又、以上の各実施の形態では、プレキャストコンクリートからなる第1の重量構造物及び第2の重量構造物について説明したが、これに限られず、他の材料よりなるものであってもよく、又、第1の重量構造物及び第2の重量構造物はコンクリートの現場打ち工法にて製造してもよい。
【0113】
更に、以上の各実施の形態では、説明していなかったが、第1重量構造物及び第2重量構造物の上方にガードレール等の構造物を設置できるようになっていてもよい。
【0114】
更に、以上の各実施の形態では、特定の材料、寸法及び形状の分離帯構造体について説明したがこれらに限られない。分離帯構造体を構成する第1の重量構造物、第2の重量構造物、連結具、第1締結具及び第2締結具は、必要に応じてそれぞれの構成要素の間における整合を取りつつ任意の形状及び大きさに設定可能である。
【0115】
更に、第1の重量構造物及び第2の重量構造物では、それぞれ凹部13及び凸部23を備える構成であったが、これらは省略することも可能である。
【0116】
更に、連結具の形状については、以上の各実施の形態で示したものに限られず、第1傾斜部及び第2傾斜部が設けられているものであればよい。
【0117】
更に、連結具における突出部の形状は、半球状であってもよいし、複数の突起部からなるものであってもよい。又、突出部は省略してもよい。又、突出部を連結具とは別の部材(例えば、ワッシャー等)により構成してもよいし、突出部周りにワッシャー等を嵌め込む構成であってもよい。
【0118】
更に、第1の実施の形態及び第2の実施の形態では、接続部は、両端部から中央部にかけて幅狭となる幅狭部を有している構成であったがこれに限られない。接続部は、その両端部側の曲げ剛性のほうが中央部側の曲げ剛性よりも高く設定されていれば、第1の実施の形態及び第2の実施の形態のものと同様の作用効果を得ることができる。
【0119】
更に、第7の実施の形態では、連結具では、第1挿通口及び第2挿通口は、ウェブの水平位置と略同じ位置に設けられていたが、これに限られない。締結具を取り付けるための工具を差し込めるように、ウェブにて、第1挿通口及び第2挿通口それぞれの開口方向上方に位置する部分において取付用の開口が設けられていれば、第1挿通口及び第2挿通口は、ウェブの水平位置よりも下方に設けられていても構わない。
【0120】
更に、第3の実施の形態及び第7の実施の形態では、ウェブにおける開口の数は2つであり、第8の実施の形態では、ウェブにおける開口の数は1つであったが、これらに限られず、水抜きのための開口の数、形成位置及び形状は、適宜、変更可能である。例えば、ウェブの両端部及び中央部に計3つの開口を設けても構わない。又、第3の実施の形態及び第8の実施の形態において、ウェブにおける開口を省略しても構わない。
【0121】
更に、以上の各実施の形態では、特定の形状の連結具の第1挿通口及び第2挿通口について説明したがこれに限られない。例えば、連結具の第1挿通口及び第2挿通口は、円形形状でもよい。
【0122】
更に、以上の各実施の形態では、第1の重量構造体の第1保持部及び第2の重量構造体の第2保持部がインサートであり、第1締結具及び第2締結具がボルトである場合について説明したがこれに限られない。例えば、第1の重量構造体の第1保持部及び第2の重量構造体の第2保持部をアンカーボルトにより構成し、第1締結具及び第2締結具を、当該アンカーボルトに取り付け可能なナットにより構成してもよい。
【0123】
更に、以上の各実施の形態では、第1締結具及び第2締結具は、円柱状の胴部を有するボルトであることについて説明したが、これに限られず、第1挿通口及び第2挿通口に挿通できる形状であれば任意の形状のものを採用できる。特に、第1締結具及び第2締結具の形状を、第1挿通口及び第2挿通口の同一形状としても構わない。
【0124】
更に、第1の実施の形態〜第3の実施の形態では、連結具の接続部に関し、特定の形状を有するものについて説明したがこれに限られない。例えば、接続部は、第1傾斜部及び第2傾斜部各々の下端において接続されていなくてもよく、これらの両側縁において接続されていてもよい。
【0125】
更に、以上の各実施の形態では、第1の重量構造物において第1傾斜面の斜面幅方向の両側には側壁部が設けられ、第2の重量構造物において第2傾斜面の斜面幅方向の両側には側壁部が設けられる構成について説明したがこれに限られず、側壁部は省略してもよい。