(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記さらなる治療剤が、リバビリン、NS3プロテアーゼ阻害剤、HCV NS5Bポリメラーゼのヌクレオシドもしくはヌクレオチド阻害剤、アルファ−グルコシダーゼ1阻害剤、肝臓保護剤、HCVポリメラーゼの非ヌクレオシド阻害剤、またはこれらの組合せから選択される、請求項4に記載の医薬組成物。
前記HCV NS5Bポリメラーゼのヌクレオシドまたはヌクレオチド阻害剤が、リバビリン、ビラミジン、レボビリン、L−ヌクレオシドまたはイサトリビンから選択される、請求項6に記載の医薬組成物。
【発明を実施するための形態】
【0024】
詳細な説明
ここで本開示のある特定の実施形態について詳細に言及するが、これらの例は添付の構造および式において例示されている。本開示は列挙された実施形態と結びつけて記載されるが、それらは本開示をこれらの実施形態に限定することを意図していないことが理解される。これに反して、本開示は、全ての変更、改変および均等物をカバーすることが意図され、これらは実施形態によって定義されるような本開示の範囲内に含まれ得る。
【0025】
化合物
本開示の化合物は、今までに公知である化合物を除外する。しかし、抗ウイルスの目的で抗ウイルス特性を有する(例えば、動物において抗ウイルス効果を生じさせる)ことが従前公知でなかった化合物を使用することは本開示の範囲内である。米国に関して、本明細書における化合物または組成物は、米国特許法§102のもとで先行した化合物、または米国特許法§103のもとで自明な化合物を除外する。
【0026】
「キラル」という用語は、重ねることができない鏡像パートナーの特性を有する分子を指し、一方、「アキラル」という用語は、これらの鏡像パートナー上に重ねることができる分子を指す。
【0027】
「立体異性体」という用語は、同一の化学構成を有するが、空間における原子または基の配置に関して異なる化合物を指す。
【0028】
「ジアステレオマー」とは、2つ以上のキラリティーの中心を有し、その分子が互いに鏡像でない立体異性体を指す。ジアステレオマーは、異なる物理的特性、例えば、融点、沸点、分光特性および反応性を有する。ジアステレオマーの混合物は、高分解能分析手順、例えば、電気泳動およびクロマトグラフィーなどで分離し得る。
【0029】
「エナンチオマー」とは、互いに重ね合わせることができない鏡像である、化合物の2種の立体異性体を指す。
【0030】
「処置」または「処置すること」という用語は、これが疾患もしくは状態に関する限り、疾患もしくは状態が起こることを防止し、疾患もしくは状態を阻害し、疾患もしくは状態を排除し、かつ/または疾患もしくは状態の1つもしくは複数の症状を軽減することを含む。
【0031】
本明細書において使用される立体化学的定義および規則は一般に、S. P. Parker、編、McGraw−Hill Dictionary of Chemical Terms(1984年)McGraw−Hill Book Company、New York;およびEliel, E.およびWilen, S.、Stereochemistry of Organic Compounds(1994年)John Wiley & Sons, Inc.、New Yorkに従う。多くの有機化合物は光学活性な形態で存在し、すなわち、これらは平面偏光の面を回転させる能力を有する。光学活性な化合物を記載することにおいて、接頭辞(DおよびL)または(RおよびS)は、そのキラル中心(複数可)の周りの分子の絶対配置を表すために使用される。接頭辞dおよびlまたは(+)および(−)は、化合物による平面偏光の回転のサインを示すために用いられ、(−)またはlは、化合物が左旋性であることを意味する。(+)またはdの接頭辞を伴う化合物は、右旋性である。所与の化学構造について、これらの立体異性体は、互いに鏡像であることを除いて同一である。特定の立体異性体はまた、エナンチオマーと称してもよく、このような異性体の混合物は、鏡像異性体混合物と呼ばれることが多い。エナンチオマーの50:50混合物は、ラセミ混合物またはラセミ化合物と称され、これは化学反応またはプロセスにおいて立体選択または立体特異性がなかった場合に生じ得る。「ラセミ混合物」および「ラセミ化合物」という用語は、光学活性を欠いている、2つの鏡像異性種の等モル混合物を指す。本開示は、本明細書に記載されている化合物の全ての立体異性体を含む。
【0032】
プロドラッグ
「プロドラッグ」という用語は、本明細書において使用する場合、生物系に投与されると、HCV活性を阻害する本開示の化合物(「活性阻害性化合物」)を生じさせる任意の化合物を指す。化合物は、(i)自発性化学反応(複数可)、(ii)酵素触媒化学反応(複数可)、(iii)光分解、および/または(iv)代謝性化学反応(複数可)の結果としてプロドラッグから形成され得る。
【0033】
「プロドラッグ部分」は、全身的に、細胞内で、加水分解によって、酵素的開裂によって、またはいくつかの他のプロセスによって、代謝の間に活性阻害性化合物から分離する不安定な官能基を指す(Bundgaard, Hans、「Design and Application of Prodrugs」、A Textbook of Drug Design and Development(1991年)、P. Krogsgaard−LarsenおよびH. Bundgaard、編、Harwood Academic Publishers、113〜191頁)。本開示のプロドラッグ化合物によって酵素的活性化機序が可能となる酵素には、これらに限定されないが、アミダーゼ、エステラーゼ、微生物酵素、ホスホリパーゼ、コリンエステラーゼおよびホスファターゼ(phosphases)が含まれる。プロドラッグ部分は、可溶性、吸収性および親油性を増強する役割を果たし、薬物送達、バイオアベイラビリティーおよび効能を最適化することができる。プロドラッグ部分は、活性代謝物または薬物自体を含み得る。
【0034】
例示的なプロドラッグ部分は、加水分解に対して感受性があるかまたは不安定であるアシルオキシメチルエステル−CH
2OC(=O)R
99およびアシルオキシメチルカーボネート−CH
2OC(=O)OR
99(式中、R
99は、C
1〜C
6アルキル、C
1〜C
6置換アルキル、C
6〜C
20アリールまたはC
6〜C
20置換アリールである)を含む。アシルオキシアルキルエステルは、カルボン酸のためのプロドラッグ戦略として最初に使用され、次いで、Farquharら(1983年)J. Pharm. Sci.72巻:324頁;また米国特許第4816570号、同第4968788号、同第5663159号および同第5792756号によってホスフェートおよびホスホネートに応用された。続いて、アシルオキシアルキルエステルを使用して、細胞膜を通してホスホン酸を送達し、経口バイオアベイラビリティーを増強させた。アシルオキシアルキルエステルの密接なバリアントであるアルコキシカルボニルオキシアルキルエステル(カーボネート)はまた、本開示の組合せの化合物におけるプロドラッグ部分として経口バイオアベイラビリティーを増強し得る。例示的なアシルオキシメチルエステルは、ピバロイルオキシメトキシ(POM)−CH
2OC(=O)C(CH
3)
3である。例示的なアシルオキシメチルカーボネートプロドラッグ部分は、ピバロイルオキシメチルカーボネート(POC)−CH
2OC(=O)OC(CH
3)
3である。
【0035】
保護基
本開示の文脈において、保護基は、プロドラッグ部分および化学的保護基を含む。
【0036】
「保護基」とは、官能基の特性または化合物全体の特性をマスクするか、または変化させる、化合物の部分を指す。化学的保護基、および保護/脱保護についての戦略は、当技術分野で周知である。例えば、Protective Groups in Organic Chemistry、Theodora W. Greene、John Wiley & Sons, Inc.、New York、1991年を参照されたい。保護基を利用して、ある特定の官能基の反応性をマスクし、所望の化学反応の効率性、例えば、順序付けられ計画された方式で化学結合を作ることおよび壊すことを支援することが多い。化合物の官能基の保護は、保護された官能基の反応性以外の他の物理的特性、例えば、極性、親油性(疎水性)、および一般の分析ツールによって測定することができる他の特性などを変化させる。化学的に保護された中間体は、それら自体が生物学的に活性であっても、不活性であってもよい。
【0037】
保護された化合物はまた、in vitroおよびin vivoで、変化した特性、場合によって、最適化された特性、例えば、細胞性膜の通過、および酵素分解または金属イオン封鎖に対する耐性などを示し得る。この役割において、意図する治療効果を有する保護された化合物は、プロドラッグと称され得る。保護基の別の機能は、親薬物をプロドラッグに変換することであり、これによって、親薬物は、in vivoでのプロドラッグの変換によって放出される。活性プロドラッグは親薬物より効果的に吸収され得るので、プロドラッグは、親薬物よりin vivoでより大きな効力を所有し得る。保護基は、化学的中間体の場合はin vitroで、またはプロドラッグの場合はin vivoで除去される。化学的中間体では、脱保護後に得られた生成物、例えばアルコールが、生理学的に許容可能なものであることは特に重要ではないが、一般に、生成物が薬理学的に無害である場合がより望ましい。
【0038】
保護基は、利用可能であり、一般に公知であり、使用され、そして、任意選択で使用されて、合成手順、すなわち、本開示の化合物を調製する経路または方法の間の、保護された基との副反応を防止する。どの基を保護するか、いつそれを行うか、および化学的保護基「PG」の性質についての決定は、大部分は、保護される反応の化学的性質(例えば、酸性、塩基性、酸化的、還元的または他の条件)、および合成の意図する方向によって決まる。化合物が複数のPGで置換されている場合、PGは同じである必要はなく、一般に同じではない。一般に、PGを使用して、官能基、例えば、カルボキシル、ヒドロキシル、チオまたはアミノ基などを保護し、したがって副反応を防止するかまたは別の方法で合成効率性を促進する。遊離の脱保護された基を生じさせる脱保護の順序は、合成の意図する方向および遭遇する反応条件によって決まり、当業者によって決定されるように任意の順序で起こり得る。
【0039】
本開示の化合物の様々な官能基は、保護され得る。例えば、−OH基のための保護基(ヒドロキシルであろうと、カルボン酸であろうと、ホスホン酸であろうと、他の官能基であろうと)は、「エーテル形成基またはエステル形成基」を含む。エーテル形成基またはエステル形成基は、本明細書において記載する合成スキームにおいて化学的保護基として機能することができる。しかし、いくつかのヒドロキシルおよびチオ保護基は、当業者には理解されるとおり、エーテル形成基でもエステル形成基でもなく、下記で考察するアミドと共に含まれる。
【0040】
非常に多数のヒドロキシル保護基およびアミド形成基および対応する化学的開裂反応は、Protective Groups in Organic Synthesis、Theodora W. Greene(John Wiley & Sons, Inc.、New York、1991年、ISBN0−471−62301−6)(「Greene」)に記載されている。その全体が参考として本明細書に援用されているKocienski, Philip J.;Protecting Groups(Georg Thieme Verlag Stuttgart、New York、1994年)も参照されたい。特に、第1章、保護基:概要、1〜20頁、第2章、ヒドロキシル保護基、21〜94頁、第3章、ジオール保護基、95〜117頁、第4章、カルボキシル保護基、118〜154頁、第5章、カルボニル保護基、155〜184頁。カルボン酸、ホスホン酸、ホスホネート、スルホン酸のための保護基、および酸のための他の保護基については、下記で記載するようなGreeneを参照されたい。
【0041】
立体異性体
本開示の化合物は、キラル中心、例えば、キラル炭素またはリン原子を有し得る。このように、本開示の化合物は、エナンチオマー、ジアステレオマーおよびアトロプ異性体を含めた全ての立体異性体を含む。さらに、本開示の化合物は、任意または全ての非対称キラル原子において富化または分割された光学異性体を含む。言い換えると、描写から明らかなキラル中心は、非ラセミまたはラセミ混合物として提供される。ラセミおよびジアステレオマー混合物の両方、ならびに単離または合成されて、それらの鏡像異性またはジアステレオマーパートナーを実質的に含まない個々の光学異性体は全て、本開示の範囲内である。ラセミ混合物は、周知の技術、例えば、光学活性な補助剤、例えば酸または塩基によって形成されるジアステレオマー塩の分離、それに続く光学活性な物質へ変換し戻すことなどによって、これらの個々の実質的に光学的に純粋な異性体に分離される。殆どの場合、所望の光学異性体は、所望の出発材料の適当な立体異性体から開始する立体特異的反応によって、またはエナンチオ選択的反応によって合成される。
【0042】
本開示の化合物はまた、ある特定の場合、互変異性の異性体として存在することができる。1種のみの互変異性体を示し得るが、全てのこのような形態は本開示の範囲内であることが企図される。例えば、エン−アミン(ene−amine)互変異性体は、プリン、ピリミジン、イミダゾール、グアニジン、アミジンおよびテトラゾール系について存在することができ、全てのこれらの可能性のある互変異性形態は、本開示の範囲内である。
【0043】
塩および水和物
本開示の化合物の生理学的または薬学的に許容される塩の例には、適当な塩基、例えば、アルカリ金属(例えば、ナトリウム)、アルカリ土類金属(例えば、マグネシウム)、アンモニウムおよびNX
4+(式中、Xは、C
1〜C
4アルキルである)などに由来する塩が含まれる。水素原子またはアミノ基の生理学的に許容される塩は、有機カルボン酸、例えば、酢酸、安息香酸、乳酸、フマル酸、酒石酸、マレイン酸、マロン酸、リンゴ酸、イセチオン酸、ラクトビオン酸およびコハク酸など;有機スルホン酸、例えば、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸およびp−トルエンスルホン酸など;ならびに無機酸、例えば、塩酸、硫酸、リン酸およびスルファミン酸などの塩を含む。ヒドロキシ基の化合物の生理学的に許容される塩は、適切なカチオン、例えば、Na
+およびNX
4+(式中、Xは、HまたはC
1〜C
4アルキル基から独立に選択される)などと組み合わせた前記化合物のアニオンを含む。
【0044】
治療上の使用については、本開示の化合物の活性成分の塩は典型的には、生理学的に許容されるものであり、すなわち、これらは、生理学的に許容される酸または塩基に由来する塩である。しかし、生理学的に許容されない酸または塩基の塩も、例えば、生理学的に許容される化合物の調製または精製において有用である。全ての塩は、生理学的に許容される酸または塩基に由来しても、由来しなくても、本開示の範囲内である。
【0045】
金属塩は典型的には、金属水酸化物と本開示の化合物とを反応させることによって調製される。このように調製される金属塩の例は、Li
+、Na
+およびK
+を含有する塩である。より可溶性でない金属塩は、適切な金属化合物を加えることによって、より可溶性の塩の溶液から沈殿させることができる。
【0046】
さらに、塩は、塩基性中心、典型的には、アミンへの、または酸性基への、ある特定の有機酸および無機酸、例えば、HCl、HBr、H
2SO
4、H
3PO
4または有機スルホン酸の酸添加から形成され得る。最終的に、本明細書における組成物は、これらのイオン化していない形態、および双性イオン性形態の本開示の化合物、ならびに水和物におけるように化学量論量の水との組合せを含むことを理解すべきである。
【0047】
本開示の範囲内でまた含まれるのは、1つまたは複数のアミノ酸を有する親化合物の塩である。天然または非天然アミノ酸のいずれか、特に、タンパク質構成要素として見出される天然に存在するアミノ酸は適切であるが、アミノ酸は典型的には、塩基性基もしくは酸性基を有する側鎖を担持するもの、例えば、リシン、アルギニンもしくはグルタミン酸、または中性基を有する側鎖を担持するもの、例えば、グリシン、セリン、トレオニン、アラニン、イソロイシン、もしくはロイシンなどである。
【0048】
HCVの阻害方法
本開示の別の態様は、HCVを含有することが疑われる試料を本開示の化合物または組成物で処置するステップを含む、HCVの活性を阻害する方法に関する。
【0049】
本開示の処置ステップは、本開示の化合物を試料に加えることを含むか、または組成物の前駆体を試料に加えることを含む。添加ステップは、上記のような任意の投与方法を含む。
【0050】
必要に応じて、化合物の適用後のHCVの活性は、HCV活性を検出する直接的および間接的方法を含めた任意の方法によって観察することができる。HCV活性を決定する定量的、定性的、および半定量的方法が全て企図される。典型的には、上記のスクリーニング方法の1つが適用されるが、しかし、任意の他の方法、例えば、生きている生物の生理学的特性の観察などもまた適用可能である。
【0051】
多くの生物は、HCVを含有する。本開示の化合物は、動物または人間におけるHCV活性化と関連する状態の処置または予防において有用である。
【0052】
しかし、HCV活性を阻害することができる化合物のスクリーニングにおいて、酵素アッセイの結果は必ずしも細胞培養アッセイと相関するとは限らないことを留意すべきである。このように、セルベースアッセイは典型的には、主要なスクリーニングツールであるべきである。
【0053】
医薬製剤
本開示の化合物は、通常の実施を踏まえて選択される慣例的な担体および添加剤と共に製剤化される。錠剤は、添加剤、流動促進剤、充填剤、および結合剤などを含有する。水性製剤は、無菌の形態で調製され、経口投与以外による送達を意図するとき、一般に等張性である。全ての製剤は、添加剤、例えば、Handbook of Pharmaceutical Excipients(1986年)において記載されるものなどを任意選択で含有する。添加剤には、アスコルビン酸および他の抗酸化剤、キレート剤、例えば、EDTAなど、炭水化物、例えば、デキストリン、ヒドロキシアルキルセルロース、ヒドロキシアルキルメチルセルロース、およびステアリン酸などが含まれる。製剤のpHは、約3〜約11の範囲であるが、通常約7〜10である。典型的には、化合物は、0.01ミリグラム〜2グラムの用量で投与される。一実施形態において、用量は、約10ミリグラム〜450ミリグラムである。化合物は、1日1回、2回または3回投与され得ることが企図されている。
【0054】
活性成分を単独で投与することが可能である一方、これらを医薬製剤として与えることが好ましくてもよい。獣医学およびヒトへの使用の両方のための本開示の製剤は、したがって1種または複数種の許容される担体および任意選択で他の治療成分と一緒に、上で定義したような少なくとも1種の活性成分を含む。担体(複数可)は、製剤の他の成分と適合性であり、そのレシピエントに対して生理学的に無害であるという意味で「許容され」なくてはならない。
【0055】
製剤は、上記の投与経路に適したものを含む。製剤は好都合に単位剤形で与えられてもよく、調剤分野で周知の方法のいずれかによって調製され得る。技術および製剤は一般に、Remington’s Pharmaceutical Sciences(Mack Publishing Co.、Easton、PA)に見出される。このような方法は、活性成分と1種または複数種の補助成分を構成する担体とを会合させるステップを含む。一般に、製剤は、活性成分と、液体担体もしくは微粉化した固体担体または両方とを均一および密に会合させ、次いで、必要ならば、生成物を成形することによって調製される。
【0056】
経口投与に適した本開示の製剤は、それぞれが所定の量の活性成分を含有する個別単位、例えば、カプセル剤、カシェ剤または錠剤として;散剤または顆粒剤として;水性または非水性液体中の液剤または懸濁剤として;あるいは水中油型液体乳剤または油中水型液体乳剤として与えられ得る。活性成分はまた、ボーラス、舐剤またはペースト剤として投与され得る。
【0057】
錠剤は、任意選択で1種または複数種の補助成分と共に、圧縮または成形によって作製される。圧縮錠剤は、適切な機械において、任意選択で結合剤、滑沢剤、不活性な賦形剤、保存剤、表面活性剤または分散剤と混合した、易流動性形態の活性成分、例えば、粉末または顆粒などを圧縮することによって調製され得る。成形錠剤は、適切な機械において、不活性な液体賦形剤で湿らせた粉末状の活性成分の混合物を成形することによって作製され得る。錠剤は任意選択でコーティングまたは刻み目を入れてもよく、任意選択でそこからの活性成分の緩徐または制御放出を提供するように製剤化される。
【0058】
目または他の外部組織、例えば、口および皮膚へ投与するために、製剤は好ましくは、例えば、0.075〜20w/w%(0.1w/w%刻みでの0.1%〜20%の範囲、例えば、0.6w/w%、0.7w/w%などの活性成分(複数可)を含む)、好ましくは0.2〜15w/w%、最も好ましくは0.5〜10w/w%の量の活性成分(複数可)を含有する局所軟膏剤またはクリーム剤として塗布される。軟膏剤に製剤化されるとき、活性成分は、パラフィン性または水混和性の軟膏基剤と共に用いられ得る。代わりに、活性成分は、水中油型クリーム基剤と共にクリーム剤に製剤化され得る。
【0059】
必要に応じて、クリーム基剤の水相は、例えば、少なくとも30w/w%の多価アルコール、すなわち、2個もしくは2個超のヒドロキシル基を有するアルコール、例えば、プロピレングリコール、ブタン1,3−ジオール、マンニトール、ソルビトール、グリセロールおよびポリエチレングリコール(PEG400を含めた)およびこれらの混合物などを含み得る。局所製剤は望ましくは、皮膚または他の患部を通る活性成分の吸収性または浸透を増強させる化合物を含み得る。このような皮膚浸透増強剤の例には、ジメチルスルホキシドおよび関連する類似体が含まれる。
【0060】
本開示の乳剤の油性相は、公知の様式で公知の成分から構成され得る。上記相は単に乳化剤(そうでなければエマルジェント(emulgent)として公知である)を含み得るが、少なくとも1種の乳化剤と、脂肪もしくは油、または脂肪および油の両方との混合物を望ましくは含む。好ましくは、親水性乳化剤は、安定剤として作用する親油性乳化剤と一緒に含まれる。油および脂肪の両方を含むことがまた好ましい。一緒に、安定剤(複数可)を有するまたは有さない乳化剤(複数可)は、いわゆる乳化ろうを作り上げ、油脂と一緒のワックスは、いわゆる乳化軟膏基剤を作り上げ、乳化軟膏基剤はクリーム製剤の油性分散相を形成する。
【0061】
本開示の製剤における使用に適したエマルジェントおよび乳化安定剤には、Tween(登録商標)60、Span(登録商標)80、セトステアリルアルコール、ベンジルアルコール、ミリスチルアルコール、モノステアリン酸グリセリルおよびラウリル硫酸ナトリウムが含まれる。
【0062】
製剤に適した油または脂肪の選択は、所望の化粧用特性の達成に基づいている。クリーム剤は好ましくは、チューブまたは他の容器からの漏出を回避するのに適切な粘稠性を有する、脂ぎっておらず、非染色性および可洗性の生成物であるべきである。直鎖または分枝鎖状の、一塩基または二塩基性のアルキルエステル、例えば、ジ−イソアジペート、ステアリン酸イソセチル、ココナツ脂肪酸のプロピレングリコールジエステル、ミリスチン酸イソプロピル、オレイン酸デシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、またはCrodamol CAPとして公知である分枝鎖エステルのブレンドなどを使用してもよく、最後の3つが好ましいエステルである。これらは、必要とされる特性に応じて単独でまたは組み合わせて使用され得る。代わりに、高融点脂質、例えば、白色ソフトパラフィンおよび/または流動パラフィンまたは他の鉱油などが使用される。
【0063】
本開示による医薬製剤は、1種または複数種の薬学的に許容される担体または添加剤、および任意選択で他の治療剤と一緒に、1種または複数種の本開示の化合物を含む。活性成分を含有する医薬製剤は、意図する投与方法に適した任意の形態であり得る。経口使用で使用されるとき、例えば、錠剤、トローチ剤、ロゼンジ剤、水性もしくは油性の懸濁剤、分散性散剤もしくは顆粒剤、乳剤、硬質もしくは軟質カプセル剤、シロップ剤またはエリキシル剤を調製し得る。経口使用が意図されている組成物は、医薬組成物を製造するために、当技術分野で公知の任意の方法によって調製してもよく、このような組成物は、味の良い調製物を提供するために、甘味剤、矯味矯臭剤、着色剤および保存料を含めた1種または複数種の剤を含有し得る。錠剤の製造に適した無毒性の薬学的に許容される添加剤と混和した活性成分を含有する錠剤が許容される。これらの添加剤は、例えば、不活性な賦形剤、例えば、炭酸カルシウムまたは炭酸ナトリウム、ラクトース、ラクトース一水和物、クロスカルメロースナトリウム、ポビドン、リン酸カルシウムまたはリン酸ナトリウムなど;造粒剤および崩壊剤、例えば、トウモロコシデンプン、またはアルギン酸など;結着剤、例えば、セルロース、微結晶性セルロース、デンプン、ゼラチンまたはアカシアなど;ならびに平滑剤、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸またはタルクなどであり得る。錠剤はコーティングされなくてもよく、または、胃腸管における崩壊および吸着を遅延させ、それによってより長期間に亘る持続作用を提供するマイクロカプセル化を含めた公知の技術によってコーティングされてもよい。例えば、時間遅延材料、例えば、モノステアリン酸グリセリルもしくはジステアリン酸グリセリル単独、またはワックスを伴うものなどを用い得る。
【0064】
経口使用のための製剤はまた、活性成分を不活性な固体賦形剤、例えば、リン酸カルシウムもしくはカオリンと混合する場合、硬質ゼラチンカプセル剤として与えられても、活性成分を水もしくは油媒体、例えば、ピーナッツ油、流動パラフィンもしくはオリーブ油などと混合する場合、軟質ゼラチンカプセル剤として与えられてもよい。
【0065】
本開示の水性懸濁剤は、水性懸濁剤の製造に適した添加剤と混和した活性材料を含有する。このような添加剤には、懸濁化剤、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(methylcelluose)、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントガムおよびアラビアゴムなど、ならびに分散剤または湿潤剤、例えば、天然に存在するホスファチド(例えば、レシチン)、アルキレンオキシドと脂肪酸との縮合生成物(例えば、ステアリン酸ポリオキシエチレン)、エチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコールとの縮合生成物(例えば、ヘプタデカエチレンオキシセタノール)、エチレンオキシドと、脂肪酸およびヘキシトール無水物に由来する部分エステルとの縮合生成物(例えば、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン)などが含まれる。水性懸濁剤はまた、1種もしくは複数種の保存剤、例えば、エチルまたはn−プロピルp−ヒドロキシ−ベンゾエートなど、1種もしくは複数種の着色剤、1種もしくは複数種の矯味矯臭剤および1種もしくは複数種の甘味剤、例えば、スクロースまたはサッカリンなどを含有し得る。
【0066】
油性懸濁剤は、植物性油、例えば、ラッカセイ油、オリーブ油、ゴマ油もしくはヤシ油などに、または鉱油、例えば、流動パラフィンなどに活性成分を懸濁させることによって製剤化され得る。経口懸濁剤は、増粘剤、例えば、蜜蝋、固形パラフィンまたはセチルアルコールなどを含有し得る。甘味剤、例えば、上に記載されるものなど、および矯味矯臭剤を加えて、味の良い経口調製物を提供し得る。これらの組成物は、抗酸化剤、例えば、アスコルビン酸などを加えることによって保存され得る。
【0067】
水を加えることによる水性懸濁剤の調製に適した本開示の分散性散剤および顆粒剤は、分散剤または湿潤剤、懸濁化剤、および1種または複数種の保存剤と混和した活性成分を提供する。適切な分散剤または湿潤剤および懸濁化剤は、上に開示されたものによって例示される。さらなる添加剤、例えば、甘味剤、矯味矯臭剤および着色剤がまた、存在してもよい。
【0068】
本開示の医薬組成物はまた、水中油型乳剤の形態であり得る。油性相は、植物油、例えば、オリーブ油もしくはラッカセイ油など、もしくは鉱油、例えば、流動パラフィンなど、またはこれらの混合物であり得る。適切な乳化剤には、天然に存在するゴム、例えば、アラビアゴムおよびトラガカントゴムなど、天然に存在するホスファチド、例えば、ダイズレシチンなど、脂肪酸およびヘキシトール無水物に由来するエステルまたは部分エステル、例えば、モノオレイン酸ソルビタンなど、およびこれらの部分エステルとエチレンオキシドとの縮合生成物、例えば、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタンなどが含まれる。乳剤はまた、甘味剤および矯味矯臭剤を含有し得る。シロップ剤およびエリキシル剤は、甘味剤、例えば、グリセロール、ソルビトールまたはスクロースなどと共に製剤化され得る。このような製剤はまた、粘滑剤、保存剤、矯味矯臭剤または着色剤を含有し得る。
【0069】
本開示の医薬組成物は、無菌の注射用調製物、例えば、無菌注射用の水性または油性の懸濁剤の形態であり得る。この懸濁剤は、上記の、適切な分散剤または湿潤剤および懸濁化剤を使用して公知技術に従って製剤化され得る。無菌の注射用調製物はまた、無毒性の非経口的に許容される賦形剤または溶媒中の無菌注射用の液剤もしくは懸濁剤、例えば、1,3−ブタン−ジオールの液剤などであっても、凍結乾燥した粉末として調製されてもよい。用いられ得る許容されるビヒクルおよび溶媒には、水、リンゲル液および等張性塩化ナトリウム溶液がある。さらに、無菌の不揮発性油は、溶媒または懸濁媒として通常用いられ得る。この目的で、合成モノグリセリドまたは合成ジグリセリドを含めて任意の無刺激性の不揮発性油を用いてもよい。さらに、脂肪酸、例えば、オレイン酸などは、注射剤の調製において同様に使用され得る。
【0070】
単一の剤形を生成するために担体材料と合わせられ得る活性成分の量は、処置されるホストおよび投与の特定のモードに応じて変わる。例えば、ヒトへの経口投与が意図されている徐放性製剤(time−release formulation)は、総組成物の約5〜約95%(重量:重量)で変わり化し得る適当および好都合な量の担体材料と配合された概ね1〜1000mgの活性材料を含有し得る。医薬組成物を調製して、投与するための、容易に測定可能な量を提供することができる。例えば、静脈内注入が意図されている水溶液は、約30mL/hrの速度での適切な容量の注入を行うことができるように、溶液1ミリリットル毎に約3〜500μgの活性成分を含有し得る。
【0071】
目への投与に適した製剤は点眼薬を含み、活性成分は、活性成分に対して適切な担体、特に、水性溶媒に溶解または懸濁している。活性成分は好ましくは、このような製剤中に0.5〜20w/w%、有利には0.5〜10w/w%、特に、約1.5w/w%の濃度で存在する。
【0072】
口における局所投与に適した製剤は、風味が付いた基礎(basis)、通常、スクロースおよびアカシアまたはトラガカント中に活性成分を含むロゼンジ剤;不活性な基礎(basis)、例えば、ゼラチンおよびグリセリンなど、またはスクロースおよびアカシア中に活性成分を含む香錠;ならびに適切な液体担体中に活性成分を含む口腔洗浄剤を含む。
【0073】
直腸投与のための製剤は、例えば、カカオバターまたはサリチレートを含む適切な基剤を有する坐剤として与えられ得る。
【0074】
肺内または経鼻投与に適した製剤は、例えば、0.1〜500ミクロンの範囲の粒径(ミクロン刻みでの0.1〜500ミクロンの範囲、例えば、0.5ミクロン、1ミクロン、30ミクロン、35ミクロンなどの粒径を含めた)を有し、これは肺胞嚢に達するように、鼻道を通した急速な吸入によって、または口を通した吸入によって投与される。適切な製剤は、活性成分の水性または油性の液剤を含む。エアゾールまたは乾燥粉末投与に適した製剤は、慣例の方法に従って調製されてもよく、他の治療剤、例えば、HCV活性と関連する状態の処置または予防において今までに使用された化合物などと共に送達され得る。
【0075】
膣投与に適した製剤は、活性成分に加えて、当技術分野において適当であることが公知である担体を含有している、ペッサリー、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、フォームまたはスプレー製剤として与えられ得る。
【0076】
非経口投与に適した製剤は、抗酸化剤、緩衝液、静菌剤、および製剤を、意図するレシピエントの血液と等張性にする溶質を含有し得る水性および非水性の無菌注射液;ならびに懸濁化剤および増粘剤を含み得る水性および非水性の無菌懸濁剤を含む。
【0077】
製剤は、単位用量または複数用量容器、例えば、密封したアンプルおよびバイアル中に与えられ、使用の直前に、無菌の液体担体、例えば、注射のための水を加えることのみを必要とするフリーズドライ(凍結乾燥した)状態で貯蔵され得る。即席の注射液および懸濁剤は、上記の種類の無菌の散剤、顆粒剤および錠剤から調製される。好ましい単位投薬製剤は、活性成分の本明細書において上で列挙したような1日用量もしくは1日の単位部分用量、またはその適当な画分を含有するものである。
【0078】
上で特に記述した成分に加えて、本開示の製剤は、当該の製剤のタイプを考慮して当技術分野で慣例的な他の剤を含んでもよく、例えば、経口投与に適したものは、矯味矯臭剤を含み得ることを理解すべきである。
【0079】
本開示は、したがって獣医用担体と一緒に上で定義したような少なくとも1種の活性成分を含む獣医用組成物をさらに提供する。
【0080】
獣医用担体は、組成物を投与する目的に対して有用な材料であり、他の点では不活性または獣医学の技術分野において許容される固体、液体または気体材料であってもよく、活性成分と適合性である。これらの獣医用組成物は、経口的に、非経口的に、または任意の他の所望の経路によって投与され得る。
【0081】
本開示の化合物をまた製剤化し、活性成分の制御放出を提供し、より頻繁でない投薬を可能とするか、または活性成分の薬物動態もしくは毒性プロファイルを改善することができる。したがって、本開示はまた、持続放出または制御放出用に製剤化される1種または複数種の本開示の化合物を含む組成物を提供する。
【0082】
活性成分の有効用量は、少なくとも、処置される状態の性質、毒性、化合物が予防的に(より低い用量で)使用されるかどうか、送達の方法、および医薬製剤によって決まり、慣例的な用量増大研究を使用して臨床医によって決定される。
【0083】
投与経路および投与
1種または複数種の本開示の化合物(本明細書で活性成分と称する)は、処置される状態に対して適当な任意の経路によって投与される。適切な経路には、経口、直腸、経鼻、局所(口腔内頬側および舌下を含めた)、ならびに膣および非経口(皮下、筋内、静脈内、皮内、くも膜下腔内および硬膜外を含めた)などが含まれる。好ましい経路は、例えば、レシピエントの状態によって異なり得ることを理解されたい。本開示の化合物の利点は、これらが、経口的に生物が利用可能であり、経口的に投薬することができることである。
【0084】
いくつかの実施形態において、化合物は、約12週間または約12週間未満の間、投与される。さらなる実施形態において、化合物は、約12週間もしくは約12週間未満、約8週間もしくは約8週間未満、約8週間もしくは約8週間未満、約6週間もしくは約6週間未満、または約4週間もしくは約4週間未満の間、投与される。化合物は、1日1回、1日2回、1日おきに1回、1週間2回、1週間3回、1週間4回、または1週間5回投与され得る。
【0085】
さらなる実施形態において、持続したウイルス学的応答は、約12週間、約8週間、約6週間、または約4週間、または約4カ月、または約5カ月、または約6カ月、または約1年、または約2年で達成される。
【0086】
HCV併用療法
別の実施形態において、適切な組合せの非限定的例には、式(I)および(A1〜A4)の1種または複数種の化合物と、1種または複数種のインターフェロン、リバビリンまたはその類似体、HCV NS3プロテアーゼ阻害剤、アルファ−グルコシダーゼ1阻害剤、肝臓保護剤、HCV NS5Bポリメラーゼのヌクレオシドまたはヌクレオチド阻害剤、HCV NS5Bポリメラーゼの非ヌクレオシド阻害剤、HCV NS5A阻害剤、TLR−7アゴニスト、シクロフィリン(cyclophillin)阻害剤、HCV IRES阻害剤、薬物動態増強剤、およびHCVを処置するための他の薬物または治療剤との組合せを含む。
【0087】
さらに具体的には、本明細書に記載の本発明の1種または複数種の化合物は、
1)インターフェロン、例えば、ペグ化rIFN−アルファ2b(PEG−Intron(登録商標))、ペグ化rIFN−アルファ2a(Pegasys(登録商標))、rIFN−アルファ2b(Intron(登録商標)A)、rIFN−アルファ2a(Roferon(登録商標)−A)、インターフェロンアルファ(MOR−22、OPC−18、Alfaferone(登録商標)、Alfanative(登録商標)、Multiferon(登録商標)、スバリン(subalin))、インターフェロンアルファコン−1(Infergen(登録商標))、インターフェロンアルファ−n1(Wellferon)、インターフェロンアルファ−n3(Alferon(登録商標))、インターフェロン−ベータ(Avonex(登録商標)、DL−8234)、インターフェロン−オメガ(omega DUROS(登録商標)、Biomed(登録商標)510)、アルブインターフェロンアルファ−2b(Albuferon(登録商標))、IFNアルファ−2b XL、BLX−883(Locteron(登録商標))、DA−3021、グリコシル化インターフェロンアルファ−2b(AVI−005)、PEG−Infergen、ペグ化インターフェロンラムダ−1(ペグ化IL−29)、およびbelerofon(登録商標);
2)リバビリンおよびその類似体、例えば、リバビリン(Rebetol(登録商標)、Copegus(登録商標))、およびタリバビリン(Viramidine(登録商標));
3)HCV NS3プロテアーゼ阻害剤、例えば、ボセプレビル(SCH−503034、SCH−7)、テラプレビル(VX−950)、TMC435350、BI−1335、BI−1230、MK−7009、VBY−376、VX−500、GS−9256、GS−9451、BMS−605339、PHX−1766、AS−101、YH−5258、YH5530、YH5531、ABT−450、ACH−1625、ITMN−191、AT26893、MK5172、MK6325、およびMK2748;
4)アルファ−グルコシダーゼ1阻害剤、例えば、セルゴシビル(MX−3253)、ミグリトール、およびUT−231B;
5)肝臓保護剤、例えば、エムリカサン(emericasan)(IDN−6556)、ME−3738、GS−9450(LB−84451)、シリビニン(silibilin)、およびMitoQ;
6)HCV NS5Bポリメラーゼのヌクレオシドまたはヌクレオチド阻害剤、例えば、R1626、R7128(R4048)、IDX184、IDX−102、BCX−4678、バロピシタビン(NM−283)、MK−0608、ソホスブビル(GS−7977(以前はPSI−7977))、VLX−135(以前はALS−2200)、およびINX−189(現在BMS986094);
7)HCV NS5Bポリメラーゼの非ヌクレオシド阻害剤、例えば、PF−868554、VCH−759、VCH−916、JTK−652、MK−3281、GS−9190、VBY−708、VCH−222、A848837、ANA−598、GL60667、GL59728、A−63890、A−48773、A−48547、BC−2329、VCH−796(ネスブビル)、GSK625433、BILN−1941、XTL−2125、ABT−072、ABT−333、GS−9669、PSI−7792、およびGS−9190;
8)HCV NS5A阻害剤、例えば、AZD−2836(A−831)、BMS−790052、ACH−3102、ACH−2928、MK8325、MK4882、MK8742、PSI−461、IDX719、GS−5885、およびA−689;
9)TLR−7アゴニスト、例えば、イミキモド、852A、GS−9524、ANA−773、ANA−975(イサトリビン)、AZD−8848(DSP−3025)、およびSM−360320;
10)シクロフィリン阻害剤、例えば、DEBIO−025、SCY−635、およびNIM811;
11)HCV IRES阻害剤、例えば、MCI−067;
12)薬物動態増強剤、例えば、BAS−100、SPI−452、PF−4194477、TMC−41629、GS−9350(コビシスタット)、GS−9585、およびロキシスロマイシン(roxythromycin);ならびに
13)HCVを処置するための他の薬物、例えば、サイモシンアルファ1(Zadaxin)、ニタゾキサニド(Alinea、NTZ)、BIVN−401(ビロスタット(virostat))、PYN−17(アルチレックス(altirex))、KPE02003002、アクチロン(CPG−10101)、GS−9525、KRN−7000、civacir、GI−5005、XTL−6865、BIT225、PTX−111、ITX2865、TT−033i、ANA971、NOV−205、タルバシン、EHC−18、VGX−410C、EMZ−702、AVI4065、BMS−650032、BMS−791325、バビツキシマブ、MDX−1106(ONO−4538)、オグルファニド、およびVX−497(メリメポジブ)
からなる群から選択される1種または複数種の化合物と組み合わせられ得る。
【0088】
さらに別の実施形態において、本出願は、少なくとも1種のさらなる治療剤、および薬学的に許容される担体または添加剤と組み合わせた、本明細書に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物および/もしくはエステルを含む医薬組成物を開示する。
【0089】
別の実施形態において、本明細書に記載の化合物、ならびにソホスブビルおよび/またはGS−5885、ならびに任意選択でインターフェロンまたはリバビリンを含む医薬組成物を提供する。
【0090】
さらなる治療剤は、当技術分野において公知の様式で投与され、投与量は、当業者が選択し得ることが企図される。例えば、さらなる治療剤は、1日当たり約0.01ミリグラム〜約2グラムの用量で投与され得る。
【0091】
化合物の代謝物
また、本開示の範囲内に入るのは、本明細書に記載されている化合物のin vivoでの代謝産物である。このような生成物は、例えば、主に酵素的プロセスに起因して、投与した化合物の酸化、還元、加水分解、アミド化、およびエステル化などの結果生じ得る。したがって、本開示は、その代謝産物を生じさせるのに十分な期間、本開示の化合物と哺乳動物とを接触させることを含むプロセスによって生成される化合物を含む。このような生成物は典型的には、放射標識された(例えば、C
14またはH
3)本開示の化合物を調製し、これを検出可能な用量(例えば、約0.5mg/kg超)で動物、例えば、ラット、マウス、モルモット、サルなどに、またはヒトに非経口的に投与し、代謝が起こるのに十分な時間(典型的には、約30秒〜30時間)を置き、その変換生成物を尿、血液または他の生体試料から単離することによって同定される。これらの生成物は、標識されているので容易に単離される(他は代謝物中の残存するエピトープに結合することができる抗体を使用することによって単離される)。代謝物の構造は、慣例的な方式で、例えば、MSまたはNMR分析によって決定される。一般に、代謝物の分析は、当業者には周知の慣例的薬物代謝研究と同様の方法で行われる。変換生成物は、これらがin vivoで別の方法で見出されない限り、たとえそれらが、それら自体でHCV阻害活性を所有しなくても、本開示の化合物の治療的投薬についての診断アッセイにおいて有用である。
【0092】
代用胃腸分泌物中の化合物の安定性を決定するための方法は、公知である。
【0093】
化合物を作製する例示的な方法
本開示はまた、本開示の組成物を作製する方法に関する。組成物は、適用可能な有機合成の技術のいずれかによって調製される。多くのこのような技術は、当技術分野で周知である。しかし、公知の技術の多くは、Compendium of Organic Synthetic Methods(John Wiley & Sons、New York)、第1巻、Ian T. HarrisonおよびShuyen Harrison、1971年;第2巻、Ian T. HarrisonおよびShuyen Harrison、1974年;第3巻、Louis S. HegedusおよびLeroy Wade、1977年;第4巻、Leroy G. Wade, Jr.、1980年;第5巻、Leroy G. Wade, Jr.、1984年;および第6巻、Michael B. Smith;ならびにMarch, J.、Advanced Organic Chemistry、第3版、(John Wiley & Sons、New York、1985年)、Comprehensive Organic Synthesis. Selectivity, Strategy & Efficiency in Modern Organic Chemistry.、第9巻、Barry M. Trost、編集長(Pergamon Press、New York、1993年、印刷)において詳述されている。本開示の化合物を調製するのに適した他の方法は、国際特許出願公開番号WO2006/020276に記載されている。
【0094】
本開示の組成物の調製のためのいくつかの例示的な方法を、下記のスキームおよび実施例において提供する。これらの方法は、このような調製の本質を例示することが意図されており、これらの方法が適用可能な方法の範囲を限定することは意図されていない。
【0095】
一般に、反応条件、例えば、温度、反応時間、溶媒、および後処理手順などは、行われる特定の反応について当技術分野で一般のものである。引用した参考資料には、その中で引用した資料と一緒に、このような条件の詳細な記載を含まれている。典型的には、温度は、−100℃〜200℃であり、溶媒は、非プロトン性またはプロトン性であり、反応時間は、10秒〜10日である。後処理は典型的には、任意の未反応の試薬のクエンチ、それに続く水/有機層系の間の分配(抽出)、および生成物を含有する層の分離からなる。
【0096】
酸化および還元反応は典型的には、室温近くの温度(約20℃)で行われるが、金属水素化物還元については、温度を0℃〜−100℃に低下させることが多く、溶媒は典型的には、還元のために非プロトン性であり、酸化のためにプロトン性であっても非プロトン性であってもよい。反応時間は、所望の変換を達成するために調節される。
【0097】
縮合反応は典型的には、室温近くの温度で行われるが、非平衡の動力学的に制御された縮合については、低下させた温度(0℃〜−100℃)がまた一般である。溶媒は、プロトン性(平衡反応において一般)であっても非プロトン性(動力学的に制御された反応において一般)であってもよい。
【0098】
標準的な合成技術、例えば、反応副生成物の共沸除去、および無水反応条件(例えば、不活性ガス環境)の使用などは、当技術分野で一般的であり、適用可能であるとき利用される。
【0099】
「処理された」、「処理する」、および「処理」などの用語は、化学合成操作に関連して使用されるとき、接触させること、混合すること、反応させること、反応を可能とすること、接触させること、および1種または複数種の化学的実体を、1種または複数種の他の化学的実体に変換するような様式で処理することを示すための当技術分野で一般的な他の用語を意味する。これは「化合物1を化合物2で処理すること」が、「化合物1を化合物2と反応させること」、「化合物1と化合物2とを接触させること」、「化合物1と化合物2とを反応させること」、および化合物1を化合物2で「処理し」、「反応させ」、「反応を可能とする」などを合理的に示すための有機合成の技術分野で一般的な他の表現と同義であることを意味する。例えば、処理することは、有機化学物質を反応させる合理的および通常の様式を示す。通常の濃度(0.01M〜10M、典型的には、0.1M〜1M)、温度(−100℃〜250℃、典型的には、−78℃〜150℃、より典型的には、−78℃〜100℃、またより典型的には、0℃〜100℃)、反応槽(典型的には、ガラス、プラスチック、金属)、溶媒、圧力、雰囲気(典型的には、酸素および水に対して感受性でない反応について空気、または酸素もしくは水に対して感受性の反応について窒素またはアルゴン)などを、他に示さない限り意図する。有機合成の技術分野において公知の同様の反応の知識が、所与のプロセスにおいて「処理する」ための条件および装置の選択において使用される。特に、有機合成の当業者は、当技術分野における知識に基づいて記載したプロセスの化学反応を首尾よく行うことが合理的に予想される条件および装置を選択する。
【0100】
例示的なスキームのそれぞれおよび実施例(以下、「例示的なスキーム」)における改変は、生成される特定の例示的な材料の様々な類似体をもたらす。有機合成の適切な方法を記載する上記の引用は、このような改変に適用可能である。
【0101】
例示的なスキームのそれぞれにおいて、反応生成物を、お互いからおよび/または出発材料から分離することが有利であり得る。各ステップまたは一連のステップの所望の生成物は、当技術分野で一般的な技術によって所望の程度の均一性まで分離および/または精製(本明細書の下記で分離)される。典型的には、このような分離には、多相抽出、溶媒もしくは溶媒混合物からの結晶化、蒸留、昇華、またはクロマトグラフィーが関与する。クロマトグラフィーには、例えば、逆相および順相;サイズ排除;イオン交換;高圧、中圧および低圧の液体クロマトグラフィーの方法および装置;小規模分析用;疑似移動床(SMB)および分取薄層または厚層クロマトグラフィー、ならびに小規模薄層およびフラッシュクロマトグラフィーの技術を含めた任意の数の方法が関与し得る。
【0102】
別のクラスの分離方法は、所望の生成物、未反応の出発材料、または反応副生成物などに結合するか、または別の方法で分離可能とするように選択された試薬による混合物の処理を伴う。このような試薬には、吸着剤もしくは吸収剤、例えば、活性炭素、分子篩、またはイオン交換媒体などが含まれる。代わりに、試薬は、塩基性材料の場合は酸、酸性材料の場合は塩基、結合試薬、例えば、抗体、結合タンパク質など、選択的キレート剤、例えば、クラウンエーテルなど、または液体/液体イオン抽出試薬(LIX)などでよい。
【0103】
分離の適当な方法の選択は、関与する材料の性質によって決まる。例えば、沸点、ならびに蒸留および昇華における分子量、クロマトグラフィーにおける極性官能基の存在または非存在、ならびに多相抽出における酸性および塩基性媒体中の材料の安定性などである。当業者は、所望の分離を達成する可能性が最も高い技術を利用する。
【0104】
単一の立体異性体、例えば、その立体異性体を実質的に含まないエナンチオマーを、例えば、光学活性な分割剤を使用するジアステレオマーの形成などの方法を使用するラセミ混合物の分割によって得てもよい(Stereochemistry of Carbon Compounds、(1962年)E. L. Eliel、McGraw Hill;Lochmuller, C. H.、(1975年)J. Chromatogr.、113巻、3号、283〜302頁)。本開示のキラル化合物のラセミ混合物を、(1)キラル化合物とのイオン性ジアステレオマー塩の形成、および分別結晶または他の方法による分離、(2)キラル誘導体化試薬によるジアステレオマー化合物の形成、ジアステレオマーの分離、および純粋な立体異性体への変換、ならびに(3)直接のキラル条件下での実質的に純粋または富化された立体異性体の分離を含めた任意の適切な方法によって分離および単離することができる。
【0105】
方法(1)によって、ジアステレオマー塩は、鏡像異性的に純粋なキラル塩基、例えば、ブルシン、キニーネ、エフェドリン、ストリキニーネ、およびα−メチル−β−フェニルエチルアミン(アンフェタミン)などと、酸性官能基、例えば、カルボン酸およびスルホン酸などを担持する不斉化合物との反応によって形成され得る。ジアステレオマー塩は、分別結晶またはイオンクロマトグラフィーによって分離されるように誘導され得る。アミノ化合物の光学異性体を分離するために、キラルカルボン酸またはスルホン酸、例えば、ショウノウスルホン酸、酒石酸、マンデル酸、または乳酸などの添加は、ジアステレオマー塩の形成をもたらすことができる。
【0106】
代わりに、方法(2)によって、分割される基質は、キラル化合物の1つのエナンチオマーと反応して、ジアステレオマー対が形成される(Eliel, E.およびWilen, S.(1994年)Stereochemistry of Organic Compounds、John Wiley & Sons, Inc.、322頁)。ジアステレオマー化合物を、不斉化合物と鏡像異性的に純粋なキラル誘導体化試薬、例えば、メンチル誘導体などとを反応させることによって形成することができ、それに続いてジアステレオマーを分離および加水分解して、遊離の鏡像異性的に富化された基質を生じさせることができる。光学純度を決定する方法には、ラセミ混合物のキラルエステル、例えば、メンチルエステル(例えば、塩基の存在下での(−)メンチルクロロホルメート)またはモッシャーエステル(α−メトキシ−α−(トリフルオロメチル)フェニルアセテート)などを作製し(Jacob III.(1982年)J. Org. Chem.47巻:4165頁)、2種のアトロプ異性ジアステレオマーの存在についてNMRスペクトルを分析することが関与する。アトロプ異性化合物の安定なジアステレオマーは、アトロプ異性のナフチル−イソキノリンを分離するための方法に従って順相および逆相クロマトグラフィーによって分離および単離することができる(Hoye, T.、WO96/15111)。方法(3)によって、2つのエナンチオマーのラセミ混合物は、キラル固定相を使用してクロマトグラフィーによって分離することができる(Chiral Liquid Chromatography(1989年)W. J. Lough、編、Chapman and Hall、New York;Okamoto、(1990年)J. of Chromatogr.513巻:375〜378頁)。富化または精製されたエナンチオマーは、不斉炭素原子を有する他のキラル分子を識別するのに使用される方法、例えば、旋光度および円偏光二色性などによって識別することができる。
【0107】
スキームおよび実施例
これらの例示的な方法の一般態様を、以下および実施例において記載する。下記のプロセスの生成物のそれぞれは、それに続くプロセスにおけるその使用の前に任意選択で分離、単離および/または精製される。
【0108】
本開示の化合物の調製のためのいくつかの例示的な方法を、本明細書において、例えば、下記の実施例において提供する。これらの方法は、このような調製物の性質を例示することを意図し、適用可能な方法の範囲を限定することを意図しない。本開示のある特定の化合物は、本開示の他の化合物の調製のための中間体として使用することができる。本明細書に記載されている例示的な方法において、断片E−V−はまた、R9−として書くことができる。PGは、それが結合している所与の官能基に対して一般的な保護基を表す。保護基の導入および除去は、標準的な技術、例えば、Wuts, P. G. M.、Greene, T.、Protective Groups in Organic Synthesis、第4版;John Wiley & Sons, Inc.:Hoboken、New Jersey、2007年に記載されているものなどを使用して達成することができる。
【0109】
下記のスキームにおいて、式I
E−V−C(=O)−P−W−P−C(=O)−V−E(I)
(式中、
各Eは、独立に、
【0117】
であり、
R
aは、水素またはクロロである)
の化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくはプロドラッグを作製するための代表的な方法を提供する。
【0118】
スキーム1.E−V−C(=O)−P−W−P−C(=O)−V−Eの代表的な合成
【0120】
スキーム1は、本開示のE−V−C(=O)−P−W−P−C(=O)−V−E分子の一般合成を示し、例示の目的で、Eは、メトキシカルボニルアミノである。塩基性条件(例えば、水酸化ナトリウム)下で、それぞれ、1当量または2当量のクロロギ酸メチルでの1aまたは1cの処理によって、分子1bまたは1dが得られる。
【0121】
スキーム2.E−V−C(=O)−P−W−P−C(=O)−V−Eの代表的な合成
【0123】
スキーム2は、本開示のE−V−C(=O)−P−W−P−C(=O)−V−E分子の一般合成を示し、例示を目的として、Pは、ピロリジンである。アミン2aと酸2bとのカップリングは、ペプチドカップリング試薬(例えば、HATU)を使用して達成され、2cが得られる。代わりに、アミン2dを、同様の条件下で2当量の2bとカップリングさせ、2eが得られる。
【0124】
スキーム3.E−V−C(=O)−P−W−P−C(=O)−V−Eの代表的な合成
【0126】
スキーム3は、本発明のE−V−C(=O)−P−W−P−C(=O)−V−E分子の一般合成を示し、例示を目的として、Wは、遷移金属が媒介するクロスカップリング反応によって構築される、四芳香環単位(a four aromatic ring unit)である。例示を目的として、鈴木反応を用いて、ボロン酸エステルを、アリールブロミドまたはヘテロアリールブロミドにカップリングさせる。ボロン酸エステル3bを、パラジウム触媒、例えば、Pd(PPh3)4を使用して適当なカップリングパートナー(例えば、3a)とカップリングさせて、3cが得られる。それぞれの遷移金属が媒介するクロスカップリング反応については、求核試薬および求電子試薬の役割を逆転させて、同じカップリング生成物を提供することができる。Wの構築を可能とするが、代替のカップリングパートナーおよび試薬を用いる、他の遷移金属が媒介するクロスカップリングには、これらに限定されないが、根岸、熊田、スティル、薗頭およびウルマンカップリングが含まれる。
【0127】
スキーム4.E−V−C(=O)−P−W−P−C(=O)−V−Eの代表的な合成
【0129】
スキーム4は、本発明のE−V−C(=O)−P−W−P−C(=O)−V−E分子の一般合成を示し、例示を目的として、Wは、置換イミダゾール環の形成によって構築される、四芳香環単位である。イミダゾールの形成は、塩基性条件(例えば、Et
3N)下で酸4bとα−ハロケトン、例えば、α−ブロモケトン4aとのカップリングによって達成され、4cが得られる。代わりに、酸4bは、アミド形成条件(例えば、EDC、Et
3N)下でα−アミノケトン4eとカップリングさせ、4fが得られる。4cまたは4fとアミンまたはアミン塩(例えば、酢酸アンモニウム)との反応によって、イミダゾールを含有する分子4dが得られる。
【0130】
複数のイミダゾールの形成は、ビス−α−ハロケトン、例えば、α−ブロモケトン4gから出発して同じ様式で行われ、分子4dが得られる。
【0131】
スキーム6.R
1−V−C(=O)−P−R
2の代表的な合成
【0133】
スキーム6は、R
1−V−C(=O)−P−R
2中間体の一般合成を示し、例示を目的として、Pは、ピロリジンであり、R
1は、−Eまたはアミノ保護基として示される包括的な基であり、R
2は、−W−P−C(=O)−V−E、−W−P−C(=O)−V−NH−PG、−W−P−NH−PG、または−W−NH−PGとして示される包括的な基である。アミン6a(または6d、6h、6k)と酸6bまたは6eとのカップリングは、ペプチドカップリング試薬(例えば、HATU)を使用して達成され、それぞれ、6c(または6f、6g、6i、6j、6l、6m)が得られる。
【0134】
スキーム7.E−V−C(=O)−R
1の代表的な合成
【0136】
スキーム7は、E−V−C(=O)−R
1中間体の一般合成を示し、例示を目的として、Eは、メトキシカルボニルアミノであり、R
1は、−P−W−P−C(=O)−V−NH−PG、−P−W−P−PG、−P−W−PG、−P−PG、または−O−PGとして示される包括的な基である。塩基性条件(例えば、水酸化ナトリウム)下でのクロロギ酸メチルによる7a(または7c、7e、7g、7i)の処理によって、分子7b(または7d、7f、7h、7j)が得られる。
【0137】
スキーム8.R
1−P−R
2の代表的な合成
【0139】
スキーム8は、R
1−P−R
2中間体の一般合成を示し、例示を目的として、R
1は、−C(=O)−V−Eまたは保護基であり、R
2は、置換イミダゾールである。イミダゾールの形成は、塩基性条件(例えば、Et
3N)下で酸8bまたは8eとα−ハロケトン、例えば、α−クロロケトン8aとをカップリングさせることによって達成され、8cまたは8fが得られる。代わりに、酸8bまたは8eは、アミド形成条件(例えば、EDC、Et
3N)下でα−アミノケトン8hとカップリングさせ、8iまたは8jが得られる。8c(または8f、8i、8j)とアミンまたはアミン塩(例えば、酢酸アンモニウム)との反応によって、イミダゾールを含有する分子8dまたは8gが得られる。
【0140】
複数のイミダゾールの形成は、ビス−α−ハロケトンから出発して同じ様式で行われ、対応するビス−イミダゾールを提供する。
【0141】
スキーム11.R
1−P−W−P−R
2の代表的な合成
【0143】
スキーム11は、本発明のR
1−P−W−P−R
2中間体の一般合成を示し、例示を目的として、R
1およびR
2は、独立に保護基であり、Wは、遷移金属が媒介するクロスカップリング反応によって構築される、四芳香環単位である。例示を目的として、鈴木反応を用いて、ボロン酸エステルをアリールブロミドまたはヘテロアリールブロミドにカップリングさせる。ボロン酸エステル11bを、パラジウム触媒、例えば、Pd(PPh3)4を使用して適当なカップリングパートナー(例えば、11a)とカップリングさせ、11cが得られる。それぞれの遷移金属が媒介するクロスカップリング反応については、求核試薬および求電子試薬の役割を逆転させて、同じカップリング生成物を提供することができる。Wの構築を可能とするが、代替のカップリングパートナーおよび試薬を用いる、他の遷移金属が媒介するクロスカップリングには、これらに限定されないが、根岸、熊田、スティル、薗頭およびウルマンカップリングが含まれる。
【0144】
スキーム12.R
1−P−R
2の代表的な合成
【0146】
スキーム12は、本発明のR
1−P−R
2中間体の一般合成を示し、例示を目的として、R
1は、保護基として示される包括的な基であり、R
2は、アリールボロン酸エステルとして示される包括的な基である。遷移金属が媒介するクロスカップリング反応を利用して、ボロン酸エステルを導入する。パラジウム触媒、例えばPdCl
2(dppf)、およびホウ素源、例えばビス(ピナコラト)ジボロンでの、対応する臭化アリールの処理によって、ボロン酸エステル12bが得られる。
【0147】
本発明をこれから、以下の非限定的実施例によって例示する。
【0148】
本開示をこれから、以下の非限定的実施例によって例示する。下記の略語を、実施例を含めて明細書を通して使用する。
【実施例】
【0151】
(実施例AA)
【0152】
【化15】
【0153】
(2S,4S)−2−(2−(4−ブロモフェニル)−2−オキソエチル)1−tert−ブチル4−(メトキシメチル)ピロリジン−1,2−ジカルボキシレート。
【0154】
(2S,4S)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−4−(メトキシメチル)ピロリジン−2−カルボン酸(2.00g、7.2mmol)および2−ブロモ−1−(4−ブロモフェニル)エタノン(2.02g、7.8mmol)のMeCN(35mL)溶液に、トリエチルアミン(1.1mL、7.9mmol)を加えた。溶液を室温で24時間撹拌し、EtOAcで希釈した。溶液を、HCl水溶液(1M)およびブラインで洗浄した。水層をEtOAcで抽出し戻した。合わせた有機層をNa
2SO
4で乾燥し、真空中で濃縮し、(2S,4S)−2−(2−(4−ブロモフェニル)−2−オキソエチル)1−tert−ブチル4−(メトキシメチル)ピロリジン−1,2−ジカルボキシレート(3.3g、100%)を得た。
【0155】
(2S,4S)−tert−ブチル2−(5−(4−ブロモフェニル)−1H−イミダゾール−2−イル)−4−(メトキシメチル)ピロリジン−1−カルボキシレート。
【0156】
(2S,4S)−2−(2−(4−ブロモフェニル)−2−オキソエチル)1−tert−ブチル4−(メトキシメチル)ピロリジン−1,2−ジカルボキシレート(3.3g、7.2mmol)のトルエン(50mL)溶液に、プロピオン酸(8.0mL、107.1mmol)およびヘキサメチルジシラザン(7.5mL、35.9mmol)を加えた。スラリーを90℃(外部温度、油浴)に5時間加熱した。溶液を室温に冷却し、EtOAcで希釈した。このように得られた溶液を水酸化アンモニウム(15%)で洗浄した。水層をEtOAc(5%MeOH)で抽出し戻した。合わせた有機層をNa
2SO
4で乾燥し、真空中で濃縮した。粗製油状物をカラムクロマトグラフィー(SiO
2、10〜60%EtOAc(5%MeOH)/ヘキサン)によって精製し、(2S,4S)−tert−ブチル2−(5−(4−ブロモフェニル)−1H−イミダゾール−2−イル)−4−(メトキシメチル)ピロリジン−1−カルボキシレート(2.7g、87%)を得た。
【0157】
(2R,4S)−tert−ブチル4−(メトキシメチル)−2−(5−(4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)−1H−イミダゾール−2−イル)ピロリジン−1−カルボキシレート。
【0158】
(2S,4S)−tert−ブチル2−(5−(4−ブロモフェニル)−1H−イミダゾール−2−イル)−4−(メトキシメチル)ピロリジン−1−カルボキシレート(2.7g、7.0mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(2.6g、10.5mmol)、酢酸カリウム(2.0g、20.9mmol)のジオキサン(50mL)溶液に、Pd(dppf)Cl
2(0.32g、0.44mmol)を加えた。スラリーをアルゴンで5分間脱気し、80℃に5時間加熱した。反応物をEtOAcで希釈し、セライトを通して濾過し、真空中で濃縮した。粗製油状物をカラムクロマトグラフィー(SiO
2、25〜100%EtOAc(5%MeOH)/ヘキサン)によって精製し、(2R,4S)−tert−ブチル4−(メトキシメチル)−2−(5−(4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)−1H−イミダゾール−2−イル)ピロリジン−1−カルボキシレート(2.8g、84%)を得た。LCMS−ESI
+:C
26H
38BN
3O
5についての計算値:483.29(M
+);実測値:484.14(M+H
+)。
【0159】
(実施例AB)
【0160】
【化16】
【0161】
(2S,5S)−tert−ブチル2−(5−(4−ブロモフェニル)−1H−イミダゾール−2−イル)−5−メチルピロリジン−1−カルボキシレート。
【0162】
(2S,4S)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−4−(メトキシメチル)ピロリジン−2−カルボン酸を(2S,5S)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−5−メチルピロリジン−2−カルボン酸に置き換えて、実施例AAに従って、(2S,5S)−tert−ブチル2−(5−(4−ブロモフェニル)−1H−イミダゾール−2−イル)−5−メチルピロリジン−1−カルボキシレート(2.2g)を得た。LCMS−ESI
+:C
19H
24BrN
3O
2についての計算値:405.11(M
+);実測値:407.91(M+H
+)。
【0163】
(実施例AC)
【0164】
【化17】
【0165】
(2S,4S)−tert−ブチル2−(5−(4’−(2−((2S,5S)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−5−メチルピロリジン−2−イル)−1H−イミダゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル)−1H−イミダゾール−2−イル)−4−(メトキシメチル)ピロリジン−1−カルボキシレート。
【0166】
(2S,5S)−tert−ブチル2−(5−(4−ブロモフェニル)−1H−イミダゾール−2−イル)−5−メチルピロリジン−1−カルボキシレート(1.0g、2.5mmol)および(2S,4S)−tert−ブチル4−(メトキシメチル)−2−(5−(4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)−1H−イミダゾール−2−イル)ピロリジン−1−カルボキシレート(1.4g、2.8mmol)のDME(12.5mL)溶液に、テトラキス(トリフェニルホスフィン)−パラジウム(0.28g、0.24mmol)およびリン酸カリウム水溶液(2M、3.7mL、7.4mmol)を加えた。このように得られたスラリーをアルゴンで5分間脱気し、80℃に18時間加熱した。反応物を室温に冷却し、CH
2Cl
2(10%MeOH)の混合物で希釈した。溶液を、水およびブラインで洗浄した。水層をCH
2Cl
2(10%MeOH)で抽出し戻した。合わせた有機層をMgSO
4で乾燥し、真空中で濃縮した。粗製油状物をカラムクロマトグラフィー(SiO
2、50〜100%EtOAc(5%MeOH)/ヘキサン)によって精製し、(2S,4S)−tert−ブチル2−(5−(4’−(2−((2S,5S)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−5−メチルピロリジン−2−イル)−1H−イミダゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル)−1H−イミダゾール−2−イル)−4−(メトキシメチル)ピロリジン−1−カルボキシレート(1.2g、73%)を得た。LCMS−ESI
+:C
39H
50N
6O
5についての計算値:688.38(M
+);実測値:683.51(M+H
+)。
【0167】
メチル{(2S,3R)−1−((2S,4S)−2−(5−(4’−(2−((2S,5S)−1−((2S,3R)−2−(メトキシカルボニルアミノ)−O−メチル−L−トレオニル)−5−メチルピロリジン−2−イル)−1H−イミダゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル)−1H−イミダゾール−2−イル)−4−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル)−3−メトキシ−1−オキソブタン−2−イル}カルバメート。
【0168】
CH
2Cl
2(5mL)およびMeOH(0.5mL)の混合物中の(2S,4S)−tert−ブチル2−(5−(4’−(2−((2S,5S)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−5−メチルピロリジン−2−イル)−1H−イミダゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル)−1H−イミダゾール−2−イル)−4−(メトキシメチル)ピロリジン−1−カルボキシレート(0.31g、0.45mmol)の溶液に、HCl(ジオキサン中4M、4.3mL、17.2mmol)を加えた。溶液を40℃に1時間加熱し、真空中で濃縮した。粗中間体をCH
2Cl
2(5mL)中でスラリー化し、(2S,3R)−3−メトキシ−2−(メトキシカルボニルアミノ)ブタン酸(Moc−MeThr)(0.18g、0.93mmol)、HATU(0.37g、0.97mmol)、およびジイソプロピルエチルアミン(diisoproylethylamine)(0.75mL、4.3mmol)を加えた。このように得られた溶液を、室温で18時間撹拌し、真空中で濃縮した。粗生成物をDMFで希釈し、分取HPLC(Gemini C18、10〜42%MeCN/H
2O(0.1%TFA))によって精製した。所望の画分を合わせ、濃縮した。残りの水層を、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で塩基性化した。このように得られた沈殿物を濾過し、水で洗浄し、真空中で乾燥させ、メチル{(2S,3R)−1−((2S,4S)−2−(5−(4’−(2−((2S,5S)−1−((2S,3R)−2−(メトキシカルボニルアミノ)−O−メチル−L−トレオニル)−5−メチルピロリジン−2−イル)−1H−イミダゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル)−1H−イミダゾール−2−イル)−4−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル)−3−メトキシ−1−オキソブタン−2−イル}カルバメート(0.22g、58%)を得た。
【0169】
LCMS−ESI
+:C
43H
56N
8O
9についての計算値:828.42(M
+);実測値:829.77(M+H
+)。1H NMR (400MHz, cd3od) δ (回転異性体の混合物) 7.91−7.51 (m, 8H), 7.48−7.20 (m, 2H), 5.54 (s, 1H), 5.20−4.98 (m, 2H), 4.74−4.63 (m, 1H), 4.41 (d, 1H), 4.33 (s, 1H), 4.28−4.11 (m, 2H), 3.62 (d, 5H), 3.52 (m, 4H), 3.39−3.32 (m, 4H), 3.22 (s, 3H), 2.74−2.54 (m, 2H), 2.54−2.41 (m, 2H), 2.41−1.83 (m, 6H), 1.54 (s, 1H), 1.47 (d, 2H), 1.31−1.15 (m, 3H), 1.12 (d, 4H)。
【0170】
(実施例AD〜AF)
【0171】
【化18】
【0172】
メチル{(2S,3R)−1−((2S,4S)−2−(4−クロロ−5−(4’−(2−((2S,5S)−1−((2S,3R)−2−(メトキシカルボニルアミノ)−O−メチル−L−トレオニル)−5−メチルピロリジン−2−イル)−1H−イミダゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル)−1H−イミダゾール−2−イル)−4−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル)−3−メトキシ−1−オキソブタン−2−イル}カルバメート;メチル{(2S,3R)−1−((2S,4S)−2−(5−(4’−(4−クロロ−2−((2S,5S)−1−((2S,3R)−2−(メトキシカルボニルアミノ)−O−メチル−L−トレオニル)−5−メチルピロリジン−2−イル)−1H−イミダゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル)−1H−イミダゾール−2−イル)−4−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル)−3−メトキシ−1−オキソブタン−2−イル}カルバメート;メチル{(2S,3R)−1−((2S,4S)−2−(4−クロロ−5−(4’−(4−クロロ−2−((2S,5S)−1−((2S,3R)−2−(メトキシカルボニルアミノ)−O−メチル−L−トレオニル)−5−メチルピロリジン−2−イル)−1H−イミダゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル)−1H−イミダゾール−2−イル)−4−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル)−3−メトキシ−1−オキソブタン−2−イル}カルバメート。メチル{(2S,3R)−1−((2S,4S)−2−(5−(4’−(2−((2S,5S)−1−((2S,3R)−2−(メトキシカルボニルアミノ)−O−メチル−L−トレオニル)−5−メチルピロリジン−2−イル)−1H−イミダゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル)−1H−イミダゾール−2−イル)−4−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル)−3−メトキシ−1−オキソブタン−2−イル}カルバメート(0.12g、0.15mmol)のDMF(1.5mL)溶液に、N−クロロスクシンイミド(0.05g、0.38mmol)を加えた。このように得られた溶液を45℃に3時間加熱し、室温に冷却した。反応液を、分取HPLC(Gemini C18、20〜75%MeCN/H
2O(0.1%TFA))によって精製した。所望の画分を合わせ、凍結乾燥し、メチル{(2S,3R)−1−((2S,4S)−2−(4−クロロ−5−(4’−(2−((2S,5S)−1−((2S,3R)−2−(メトキシカルボニルアミノ)−O−メチル−L−トレオニル)−5−メチルピロリジン−2−イル)−1H−イミダゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル)−1H−イミダゾール−2−イル)−4−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル)−3−メトキシ−1−オキソブタン−2−イル}カルバメート(0.006g、5%)を得た。
【0173】
LCMS−ESI
+:C
43H
55ClN
8O
9についての計算値:862.38(M
+);実測値:864.27(M+H
+)。
1H NMR (400MHz, cd
3od) δ (回転異性体の混合物) 7.88−7.63 (m, 9H), 5.83 (s, 1H), 5.14−5.03 (m, 1H), 5.02−4.91 (m, 1H), 4.66 (s, 1H), 4.35−4.25 (m, 2H), 4.19−4.06 (m, 2H), 3.65−3.51 (m, 7H), 3.51−3.39 (m, 4H), 3.28 (d, 3H), 3.16 (s, 3H), 2.64−2.33 (m, 5H), 2.23 (s, 3H), 1.90 (d, 3H), 1.44 (d, 3H), 1.23 (s, 1H), 1.12 (s, 1H), 1.04 (dd, 5H)。
【0174】
メチル{(2S,3R)−1−((2S,4S)−2−(5−(4’−(4−クロロ−2−((2S,5S)−1−((2S,3R)−2−(メトキシカルボニルアミノ)−O−メチル−L−トレオニル)−5−メチルピロリジン−2−イル)−1H−イミダゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル)−1H−イミダゾール−2−イル)−4−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル)−3−メトキシ−1−オキソブタン−2−イル}カルバメート(0.010g、8%)。LCMS−ESI
+:C
43H
55ClN
8O
9についての計算値:862.38(M
+);実測値:863.96(M+H
+)。1H NMR (400MHz, cd3od) δ (回転異性体の混合物) 7.96 (d, 1H), 7.88 (s, 1H), 7.86−7.72 (m, 7H), 5.54 (s, 1H), 5.29−5.19 (m, 1H), 5.04−4.93 (m, 1H), 4.71−4.65 (m, 1H), 4.50 (d, 1H), 4.46 (d, 1H), 4.35−4.13 (m, 3H), 3.73−3.61 (m, 7H), 3.61−3.48 (m, 4H), 3.38 (s, 3H), 3.35 (s, 2H), 2.84−2.55 (m, 4H), 2.35 (s, 3H), 2.01 (dd, 5H), 1.49 (d, 2H), 1.23−1.16 (m, 3H), 1.09 (dd, 4H)。
メチル{(2S,3R)−1−((2S,4S)−2−(4−クロロ−5−(4’−(4−クロロ−2−((2S,5S)−1−((2S,3R)−2−(メトキシカルボニルアミノ)−O−メチル−L−トレオニル)−5−メチルピロリジン−2−イル)−1H−イミダゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル)−1H−イミダゾール−2−イル)−4−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル)−3−メトキシ−1−オキソブタン−2−イル}カルバメート(0.05g、39%)。LCMS−ESI
+:C
43H
55Cl
2N
8O
9についての計算値:896.34(M
+);実測値:898.56(M+H
+)。
【0175】
(実施例AG〜AI)
【0176】
【化19】
【0177】
メチル(S)−1−((2S,4S)−2−(4−クロロ−5−(4’−(4−クロロ−2−((2S,4S)−1−((R)−2−(メトキシカルボニルアミノ)−3−メチルブタノイル)−5−メチルピロリジン−2−イル)−1H−イミダゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル)−1H−イミダゾール−2−イル)−4−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル)−3−メチル−1−オキソブタン−2−イルカルバメート;メチル(S)−1−((2S,4S)−2−(5−(4’−(4−クロロ−2−((2S,4S)−1−((R)−2−(メトキシカルボニルアミノ)−3−メチルブタノイル)−5−メチルピロリジン−2−イル)−1H−イミダゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル)−1H−イミダゾール−2−イル)−4−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル)−3−メチル−1−オキソブタン−2−イルカルバメートおよびメチル(S)−1−((2S,4S)−2−(4−クロロ−5−(4’−(2−((2S,4S)−1−((R)−2−(メトキシカルボニルアミノ)−3−メチルブタノイル)−5−メチルピロリジン−2−イル)−1H−イミダゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル)−1H−イミダゾール−2−イル)−4−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル)−3−メチル−1−オキソブタン−2−イルカルバメートは、(2S、3R)−3−メトキシ−2−(メトキシカルボニルアミノ)ブタン酸を(S)−2−(メトキシカルボニルアミノ)−3−メチルブタン酸に置き換えて、実施例ADと同様の様式で合成した。
【0178】
メチル(S)−1−((2S,4S)−2−(4−クロロ−5−(4’−(4−クロロ−2−((2S,4S)−1−((R)−2−(メトキシカルボニルアミノ)−3−メチルブタノイル)−5−メチルピロリジン−2−イル)−1H−イミダゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル)−1H−イミダゾール−2−イル)−4−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル)−3−メチル−1−オキソブタン−2−イルカルバメート。
1H NMR (400MHz, dmso) δ 7.98−7.67 (m, 8H), 7.58−7.38 (m, 1H), 7.23 (d, 1H), 4.88 (m, 3H), 4.74−4.53 (m, 2H), 4.22−3.70 (m, 5H), 3.58−3.48 (m, 6H), 3.47−3.33 (m, 3H), 2.38−2.07 (m, 4H), 2.04−1.68 (m, 6H), 1.38 (d, 2H), 1.10 (d, 1H), 0.95−0.70 (m, 12H).MS(ESI)m/z866.46[M+H]
+。
【0179】
メチル(S)−1−((2S,4S)−2−(5−(4’−(4−クロロ−2−((2S,4S)−1−((R)−2−(メトキシカルボニルアミノ)−3−メチルブタノイル)−5−メチルピロリジン−2−イル)−1H−イミダゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル)−1H−イミダゾール−2−イル)−4−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル)−3−メチル−1−オキソブタン−2−イルカルバメート。
【0180】
1H NMR (400MHz, dmso) δ 12.88−12.03 (m, 1H), 7.82 (m, 6H), 7.65−7.40 (m, 2H), 7.22 (d, 1H), 4.93 (d, 2H), 4.62 (s, 1H), 4.17−3.97 (m, 3H), 3.85 (m, 2H), 3.49 (m, 10H), 2.34 (s, 5H), 2.02−1.68 (m, 5H), 1.44 (d, 2H), 1.15 (t, 3H), 0.94−0.66 (m, 12H).MS(ESI)m/z832.20[M+H]
+。
【0181】
メチル(S)−1−((2S,4S)−2−(4−クロロ−5−(4’−(2−((2S,4S)−1−((R)−2−(メトキシカルボニルアミノ)−3−メチルブタノイル)−5−メチルピロリジン−2−イル)−1H−イミダゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル)−1H−イミダゾール−2−イル)−4−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル)−3−メチル−1−オキソブタン−2−イルカルバメート。
1H NMR (400MHz, dmso) δ 12.68 (s, 1H), 8.11 (s, 1H), 7.86 (m, 7H), 7.49 (d, 1H), 7.30 (d, 1H), 5.05 (s, 1H), 4.89 (s, 1H), 4.64 (s, 1H), 4.09 (d, 3H), 3.84 (d, 1H), 3.66−3.34 (m, 13H), 2.63 (s, 1H), 2.21 (d, 3H), 2.03−1.69 (m, 5H), 1.38 (d, 2H), 1.22−1.04 (m, 2H), 0.95−0.66 (m, 11H).MS(ESI)m/z832.17[M+H]
+。
【0182】
(実施例AJ)
【0183】
【化20】
【0184】
メチル[(1S)−2−{(2S,5S)−2−[5−(4’−{2−[(2S,4S)−1−[(2S)−2−[(メトキシカルボニル)アミノ]−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アセチル]−4−(メトキシメチル)ピロリジン−2−イル]−1H−イミダゾール−5−イル}ビフェニル−4−イル)−1H−イミダゾール−2−イル]−5−メチルピロリジン−1−イル}−2−オキソ−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)エチル]カルバメート。
【0185】
メチル[(1S)−2−{(2S,5S)−2−[5−(4’−{2−[(2S,4S)−1−[(2S)−2−[(メトキシカルボニル)アミノ]−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アセチル]−4−(メトキシメチル)ピロリジン−2−イル]−1H−イミダゾール−5−イル}ビフェニル−4−イル)−1H−イミダゾール−2−イル]−5−メチルピロリジン−1−イル}−2−オキソ−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)エチル]カルバメートは、(2S,3R)−3−メトキシ−2−(メトキシカルボニルアミノ)ブタン酸(0.144g)の代わりに(S)−2−(メトキシカルボニルアミノ)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)酢酸を用いて、実施例ACに従って調製した。
1H NMR (400MHz, メタノール−d
4) δ 7.95−7.53 (m, 11H), 7.43−7.17 (m, 3H), 5.06 (dd, 2H), 4.37−4.09 (m, 4H), 4.00−3.77 (m, 5H), 3.63 (s, 5H), 3.58−3.45 (m, 3H), 3.36 (s, 4H), 2.73−2.39 (m, 4H), 2.38−1.80 (m, 5H), 1.72 (d, J=13.1Hz, 1H), 1.66−1.02 (m, 13H).MS(ESI)m/z881.91[M+H]
+。
【0186】
(実施例AK)
【0187】
【化21】
【0188】
メチル(S)−2−((2S,5S)−2−(5−(4−ブロモフェニル)−1H−イミダゾール−2−イル)−5−メチルピロリジン−1−イル)−2−オキソ−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)エチルカルバメート。
【0189】
CH
2CL
2(10mL)およびメタノール(1.0mL)の混合物中の(2S,5S)−tert−ブチル2−(5−(4−ブロモフェニル)−1H−イミダゾール−2−イル)−5−メチルピロリジン−1−カルボキシレート(0.50g、1.23mmol)の溶液に、HCl(ジオキサン中4M、6.00mL、24mmol)を加えた。溶液を40℃で1時間撹拌し、室温に冷却し、濃縮乾固させた。粗固体をCH
2CL
2(10mL)に懸濁させ、それに続いて(S)−2−(メトキシカルボニルアミノ)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)酢酸(0.298g、1.37mmol)、HATU(0.562g、1.48mmol)およびDIPEA(0.60mL、3.44mmol)を加えた。このように得られた溶液を、室温で18時間撹拌した。溶液をCH
2CL
2で希釈し、炭酸水素ナトリウム(水性、飽和)およびブラインの混合物で洗浄した。水層をCH
2CL
2で抽出し戻した。合わせた有機層をNa
2SO
4で乾燥し、濃縮し、粗製油状物を得た。カラムクロマトグラフィー(SiO
2、10〜100%EtOAc(10%MeOH)/ヘキサン)による精製によって、メチル(S)−2−((2S,5S)−2−(5−(4−ブロモフェニル)−1H−イミダゾール−2−イル)−5−メチルピロリジン−1−イル)−2−オキソ−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)エチルカルバメート(0.614g、99%)を得た。MS(ESI)m/z505.844[M+H]
+。
【0190】
(実施例AL)
【0191】
【化22】
【0192】
メチル{(2S)−1−[(2S,4S)−2−{5−[4’−(2−{(2S,5S)−1−[(2S)−2−[(メトキシカルボニル)アミノ]−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アセチル]−5−メチルピロリジン−2−イル}−1H−イミダゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]−1H−イミダゾール−2−イル}−4−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル]−3−メチル−1−オキソブタン−2−イル}カルバメート。
【0193】
メチル{(2S)−1−[(2S,4S)−2−{5−[4’−(2−{(2S,5S)−1−[(2S)−2−[(メトキシカルボニル)アミノ]−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アセチル]−5−メチルピロリジン−2−イル}−1H−イミダゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]−1H−イミダゾール−2−イル}−4−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル]−3−メチル−1−オキソブタン−2−イル}カルバメートは、(2S,5S)−tert−ブチル2−(5−(4−ブロモフェニル)−1H−イミダゾール−2−イル)−5−メチルピロリジン−1−カルボキシレートの代わりにメチル(S)−2−((2S,5S)−2−(5−(4−ブロモフェニル)−1H−イミダゾール−2−イル)−5−メチルピロリジン−1−イル)−2−オキソ−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)エチルカルバメートを用い、(2S,3R)−3−メトキシ−2−(メトキシカルボニルアミノ)ブタン酸(0.150g)の代わりに(S)−2−(メトキシカルボニルアミノ)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)酢酸を用いて、実施例ACに従って調製した。
1H NMR (400MHz, メタノール−d
4) δ 7.89−7.55 (m, 9H), 7.42−7.24 (m, 2H), 5.16−4.98 (m, 2H), 4.56 (s, 1H), 4.35−4.08 (m, 3H), 3.93 (ddd, 2H), 3.82 (dt, 1H), 3.67 (s, 2H), 3.64 (s, 2H), 3.63 (s, 3H), 3.60−3.44 (m, 3H), 3.36 (s, 4H), 3.25−3.13 (m, 1H), 2.78−2.36 (m, 3H), 2.37−1.81 (m, 7H), 1.72 (d, 1H), 1.50 (d, 2H), 1.42−1.09 (m, 3H), 0.90 (d, 4H), 0.84 (d, 3H).MS(ESI)m/z839.79[M+H]
+。
【0194】
(実施例AM)
【0195】
【化23】
【0196】
メチル(S)−2−((2S,4S)−4−(メトキシメチル)−2−(5−(4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)−1H−イミダゾール−2−イル)ピロリジン−1−イル)−2−オキソ−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)エチルカルバメート。
【0197】
CH
2Cl
2(10mL)およびメタノール(1.0mL)の混合物中の(2S,4S)−tert−ブチル4−(メトキシメチル)−2−(5−(4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)−1H−イミダゾール−2−イル)ピロリジン−1−カルボキシレート(0.50g、1.03mmol)の溶液に、HCl(ジオキサン中4M、6.00mL、24mmol)を加えた。溶液を40℃で1時間撹拌し、室温に冷却し、濃縮乾固させた。粗固体をCH
2CL
2(10mL)中に懸濁させ、それに続き(S)−2−(メトキシカルボニルアミノ)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)酢酸(0.260g、1.20mmol)、HATU(0.475g、1.25mmol)およびDIPEA(0.60mL、3.44mmol)を加えた。このように得られた溶液を室温で18時間撹拌した。溶液をCH
2CL
2で希釈し、炭酸水素ナトリウム(水性、飽和)およびブラインの混合物で洗浄した。水層をCH
2CL
2で抽出し戻した。合わせた有機層をNa
2SO
4で乾燥し、濃縮し、粗製油状物を得た。カラムクロマトグラフィー(SiO2、10〜100%EtOAc(10%MeOH)/ヘキサン)による精製によって、メチル(S)−2−((2S,4S)−4−(メトキシメチル)−2−(5−(4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)−1H−イミダゾール−2−イル)ピロリジン−1−イル)−2−オキソ−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)エチルカルバメート(0.483g、80%)を得た。MS(ESI)m/z583.333[M+H]
+。
【0198】
(実施例AN)
【0199】
【化24】
【0200】
メチル[(1S)−2−[(2S,4S)−2−[5−(4’−{2−[(2S,5S)−1−{(2S)−2−[(メトキシカルボニル)アミノ]−3−メチルブタノイル}−5−メチルピロリジン−2−イル]−1H−イミダゾール−5−イル}ビフェニル−4−イル)−1H−イミダゾール−2−イル]−4−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル]−2−オキソ−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)エチル]カルバメート。
【0201】
メチル[(1S)−2−[(2S,4S)−2−[5−(4’−{2−[(2S,5S)−1−{(2S)−2−[(メトキシカルボニル)アミノ]−3−メチルブタノイル}−5−メチルピロリジン−2−イル]−1H−イミダゾール−5−イル}ビフェニル−4−イル)−1H−イミダゾール−2−イル]−4−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル]−2−オキソ−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)エチル]カルバメートは、(2R,4S)−tert−ブチル4−(メトキシメチル)−2−(5−(4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)−1H−イミダゾール−2−イル)ピロリジン−1−カルボキシレートの代わりにメチル(S)−2−((2S,4S)−4−(メトキシメチル)−2−(5−(4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)−1H−イミダゾール−2−イル)ピロリジン−1−イル)−2−オキソ−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)エチルカルバメートを用い、(2S,3R)−3−メトキシ−2−(メトキシカルボニルアミノ)ブタン酸(0.150g)の代わりに を用いて、実施例ACに従って調製した。
1H NMR (400MHz, メタノール−d
4) δ 7.83 (d, J=7.9Hz, 1H), 7.78−7.55 (m, 8H), 7.45−7.24 (m, 3H), 5.13−5.01 (m, 2H), 4.56 (s, 2H), 4.35−4.14 (m, 3H), 4.07 (d, 1H), 3.95−3.82 (m, 2H), 3.64 (s, 2H), 3.63 (s, 3H), 3.60−3.46 (m, 3H), 3.36 (s, 3H), 2.82−2.37 (m, 4H), 2.38−1.77 (m, 7H), 1.64−1.50 (m, 2H), 1.47 (d, 2H), 1.44−1.12 (m, 4H), 1.03 (s, 2H), 0.99 (d, 1H), 0.95 (d, 2H), 0.89−0.74 (m, 2H).MS(ESI)m/z839.87[M+H]
+。
【0202】
本明細書に記載されている手順と同様の手順を使用して、下記の本発明の化合物、
【0203】
【化25-1】
【0204】
【化25-2】
【0205】
【化25-3】
【0206】
【化25-4】
【0207】
または薬学的に許容されるその塩も調製することができる。
【0208】
生物学的アッセイ
細胞をベースとする抗HCV活性の評価:
抗ウイルス効力(EC
50)を、ウミシイタケルシフェラーゼ(RLuc)をベースとするHCVレプリコンレポーターアッセイを使用して決定した。遺伝子型1および2a JFH−1についてのアッセイを行うために、安定なHCV 1a RLucレプリコン細胞(RLucレポーターをコードするジシストロニックな遺伝子型1a H77レプリコンを持つ)、安定なHCV 1b RLucレプリコン細胞(RLucレポーターをコードするジシストロニックな遺伝子型1b Con1レプリコンを持つ)、または安定なHCV2a JFH−1Rlucレプリコン細胞(RLucレポーターをコードするジシストロニックな遺伝子型2a JFH−1レプリコンを持つ;L31がNS5Aに存在する)を、EC
50アッセイのために384ウェルプレート中に分注した。遺伝子型2a(M31がNS5Aに存在する)または2bについてのアッセイを行うために、RLuc−NeoレポーターをコードするNS5Aキメラ遺伝子型2a JFH−1レプリコン、および、遺伝子型2a J6株NS5A遺伝子または遺伝子型2b MD2b−1株NS5A遺伝子(両方ともM31が存在する)をそれぞれ、Huh−Lunet細胞中に一過的にトランスフェクト(t)するか、または安定して複製するレプリコン細胞(複数可)として確立した。EC
50アッセイのためにどちらの細胞も384ウェルプレート中に分注した。遺伝子型3および4についてアッセイを行うために、Pi−RLucレポーターをコードするNS5Aキメラ遺伝子型1b Con1レプリコン、および、遺伝子型3a S52株NS5A遺伝子または遺伝子型4a ED43株NS5A遺伝子をそれぞれ、Huh−Lunet細胞中に一過的にトランスフェクト(t)し、これを続いて384ウェルプレート中に分注した。代わりに、安定なHCV 3a RLucレプリコン細胞(複数可)(RLucレポーターをコードするジシストロニックな遺伝子型3a S52レプリコンを持つ)、または安定なHCV4a RLucレプリコン細胞(複数可)(RLucレポーターをコードするジシストロニックな遺伝子型4a ED43レプリコンを持つ)を、Huh−7−由来細胞において確立し、EC
50アッセイのために384ウェルプレート中に分注した。化合物を10mMの濃度でDMSOに溶解させ、手作業でまたは自動化したピペット機器を使用してDMSOで希釈した。3倍段階希釈した化合物を、細胞培養培地と手作業で混合し、播種した細胞に加えるか、または自動化した機器を使用して細胞に直接加えた。DMSOを陰性(溶媒;阻害なし)対照として使用し、プロテアーゼ阻害剤ITMN−191を陽性対照として>100×EC
50の濃度で含んだ。72時間後、細胞を溶解させ、ウミシイタケルシフェラーゼ活性をメーカー(Promega−Madison、WI)によって推奨されるように定量化した。非線形回帰を行い、EC
50値を計算した。
【0209】
耐性変異体に対する抗ウイルス効力(EC
50)を決定するために、遺伝子型1a NS5AにおいてM28T、Q30R、Q30H、L31M、およびY93C、ならびに遺伝子型1b NS5AにおいてY93Hを含めた耐性変異を、部位特異的変異誘発によって、1a Pi−Rlucまたは1b Pi−Rlucレプリコン中に個々に取り入れた。それぞれの耐性変異体のレプリコンRNAを、Huh−7−由来の治癒された51細胞中に一過的にトランスフェクトし、上記のようなこれらのトランスフェクトされた細胞に対する抗ウイルス効力を決定した。
【0210】
【表2】