(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6144406
(24)【登録日】2017年5月19日
(45)【発行日】2017年6月7日
(54)【発明の名称】マイクロ旋盤機械
(51)【国際特許分類】
B23Q 1/01 20060101AFI20170529BHJP
B23Q 1/56 20060101ALI20170529BHJP
【FI】
B23Q1/01 G
B23Q1/56 B
【請求項の数】15
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-501458(P2016-501458)
(86)(22)【出願日】2014年3月12日
(65)【公表番号】特表2016-515948(P2016-515948A)
(43)【公表日】2016年6月2日
(86)【国際出願番号】US2014024272
(87)【国際公開番号】WO2014150802
(87)【国際公開日】20140925
【審査請求日】2015年10月21日
(31)【優先権主張番号】61/787,488
(32)【優先日】2013年3月15日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515249086
【氏名又は名称】マイクロルーション・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】MICROLUTION INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 卓二
(74)【代理人】
【識別番号】100081422
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 光雄
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100183276
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 裕三
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュー・ホネッガー
(72)【発明者】
【氏名】マイケル・ハワード
(72)【発明者】
【氏名】エリザベス・アマンドセン
(72)【発明者】
【氏名】ブレンドン・ディビンチェンゾ
(72)【発明者】
【氏名】グジェゴシュ・ノウォビルスキー
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュー・フィリップ
【審査官】
永石 哲也
(56)【参考文献】
【文献】
特開昭51−030687(JP,A)
【文献】
特開2005−219167(JP,A)
【文献】
特開2003−326427(JP,A)
【文献】
特開2012−093262(JP,A)
【文献】
特開2011−041985(JP,A)
【文献】
特開昭51−022181(JP,A)
【文献】
特開昭53−132875(JP,A)
【文献】
特開昭57−189744(JP,A)
【文献】
特開昭60−207746(JP,A)
【文献】
特表2002−524277(JP,A)
【文献】
米国特許第03376788(US,A)
【文献】
米国特許第04484387(US,A)
【文献】
欧州特許出願公開第00319731(EP,A2)
【文献】
独国特許出願公開第04135823(DE,A1)
【文献】
英国特許出願公開第02215251(GB,A)
【文献】
特表2008−531321(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23Q 1/01
B23Q 1/56
DWPI(Thomson Innovation)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
旋盤機械の工作機械であって、
平坦な上面、平坦な下面、および平坦な上面に対して垂直な4つの平坦な側面を有して直方体形状を有するモノリシックベースと、
モノリシックベースの上面に取り付けられた第1のステージであって、上面、下面、および上面と下面の間に延びる複数の側面を有し、上面をモノリシックベースの上面に対して平行に配置した、第1のステージと、
モノリシックベースの側面のうちの1つに取り付けられた第2のステージであって、上面、下面、および上面と下面の間に延びる複数の側面を有し、上面を第2のステージが取り付けられるモノリシックベースの側面に対して平行、かつ第1のステージの上面に対して垂直に配置した、第2のステージと、
第2のステージと、第2のステージが取り付けられるモノリシックベースの側面との間に取り付けられた第3のステージと、
第2のステージに取り付けられたツールテーブルであって、上面、下面、および上面と下面の間に延びる複数の側面を有し、上面を第2のステージの上面に垂直、かつ第1のステージの上面に平行に配置した、ツールテーブルと、
を備える、工作機械。
【請求項2】
第1のステージは第1の軸に沿って移動可能であり、第2のステージは1つ又は複数のその他の軸に沿って移動可能であり、その他の軸のそれぞれは、第1の軸に対して直交している、請求項1に記載の工作機械。
【請求項3】
(i)第1のステージを第1の軸に沿って移動させる、あるいは(ii)第2のステージを1つ又は複数の他の軸のいずれか又は両方に沿って移動させるためのプログラム命令を実行するプロセッサをさらに備える、請求項2に記載の工作機械。
【請求項4】
第1のステージ上に取り付けられるとともに、ワークピースを保持および回転させるスピンドルをさらに備え、
ツールテーブルにおける少なくとも1つのツールがワークピースに接触することにより旋盤操作を実行する、あるいは、切断ツールがワークピースに接触することにより粉砕操作を実行するように、第1のステージおよび第2のステージのいずれか又はその両方をそれぞれの軸に沿って移動させるようにプロセッサが構成されている、請求項3に記載の工作機械。
【請求項5】
第3のステージは、第1の軸に対して実質的に垂直な第2の軸に沿って移動し、第2のステージは、第1の軸および第2の軸のそれぞれに対して実質的に垂直な第3の軸に沿って移動する、請求項2に記載の工作機械。
【請求項6】
第1のステージ上に取り付けられたスピンドルをさらに備え、
スピンドルは、ワークピース又は切断ツールを保持および回転させるように構成される、請求項1に記載の工作機械。
【請求項7】
ツールテーブル上に取り付けられたツール又はワークピースをさらに備える、請求項1に記載の工作機械。
【請求項8】
モノリシックベースを内部に取り付けた筐体をさらに備える、請求項1に記載の工作機械。
【請求項9】
モノリシックベースは、成形された筐体内に角度を付けて取り付けられている、請求項8に記載の工作機械。
【請求項10】
第1のステージ上に取り付けられたツールセンサをさらに備え、
ツールセンサは、同じ工作機械内における複数の切断ツールを測定するように構成される、請求項1に記載の工作機械。
【請求項11】
第1のステージ上に取り付けられたカメラシステムをさらに備え、
カメラシステムは、スピンドル内に保持されたワークピース又は切断ツールを視認可能に構成される、請求項1に記載の工作機械。
【請求項12】
工作機械であって、
平坦な上面、平坦な下面、および平坦な上面に対して垂直な4つの平坦な側面を有して直方体形状を有するモノリシックベースと、
モノリシックベースの上面に取り付けられた第1のステージであって、上面、下面、および上面と下面の間に延びる複数の側面を有し、上面をモノリシックベースの上面に対して平行に配置し、Z軸に沿って移動する、第1のステージと、
モノリシックベースの側面のうちの1つに取り付けられた第2のステージであって、上面、下面、および上面と下面の間に延びる複数の側面を有し、上面を第2のステージが取り付けられるモノリシックベースの側面に対して平行、かつ第1のステージの上面に対して垂直に配置し、X軸に沿って移動する、第2のステージと、
第2のステージと、第2のステージが取り付けられるモノリシックベースの側面との間に取り付けられた第3のステージと、
第2のステージに取り付けられたツールテーブルであって、上面、下面、および上面と下面の間に延びる複数の側面を有し、上面を第2のステージの上面に対して垂直、かつ第1のステージの上面に対して平行に配置した、ツールテーブルと、
を備える、工作機械。
【請求項13】
第3のステージは、Y軸に沿って移動する、請求項12に記載の工作機械。
【請求項14】
工作機械を内部に取り付けた筐体をさらに備える、請求項13に記載の工作機械。
【請求項15】
(i)第1のステージをZ軸に沿って移動させ、(ii)第2のステージをX軸に沿って移動させ、(iii)第3のステージをY軸に沿って移動させるためのプログラム命令を実行するプロセッサをさらに備える、請求項14に記載の工作機械。
【発明の詳細な説明】
【0001】
本願は、2013年3月15日に出願された米国特許出願第61/787,488号の非仮出願である。米国特許出願第61/787,488号の内容は参照されることによりその全体が本明細書に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本願は、一般的に工作機械に関し、より具体的には、小スケールかつ高精度の機械加工又は旋盤操作を実行する工作機械に関する。
【背景技術】
【0003】
切削工具を用いて、機械的な切削加工により部品を製造する際に、工作機械が使用される。工作機械を操作する際には、手動での操作、機械的な自動化、あるいは、デジタルコンピュータ数値制御(CNC)を介したデジタル的な自動化により行われる。工作機械の1つの種類として、マイクロ旋盤機械(micro turning machine)がある。マイクロ旋盤機械によれば、多くの小スケールかつ高精度の加工作業又は旋盤動作を実行することができる。工作機械は、ベース上に取り付けられた1つ又は複数の可動ステージを含む場合がある。ベースは、1つの主平面あるいは「L」字状の2つの主平面を有する。一般的にステージは、1つの主表面上あるいは「L」字状の凹型直交面の内部若しくはその上に取り付けられる。
【発明の概要】
【0004】
本願は、工作機械を開示するものである。工作機械は、モノリシックベースと、第1のステージと、第2のステージとを備える。モノリシックベースは、相互に直交するとともに互いに凸型(convex)の少なくとも2つの平坦な面を有する。第1のステージは、モノリシックベースの1つの平坦な面に取り付けられている。第2のステージは、モノリシックベースのもう一方の平坦な面に取り付けられており、第1のステージに対して直交している。
【0005】
別の実施形態では、工作機械は、モノリシックベースと、第1のステージと、第2のステージとを備える。モノリシックベースは、互いに直交する2つの第1の外側表面および第2の外側表面を少なくとも有する。第1のステージは、モノリシックベースの第1の外側表面に取り付けられており、Z軸に沿って移動する。第2のステージは、モノリシックベースの第2の外側表面に取り付けられており、第1のステージに対して直交するとともに、X軸に沿って移動する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
本発明の実施の形態が図面を参照しながら本明細書に記載されている。
【
図5】一実施形態におけるコンピューティングデバイスのブロック図
【発明を実施するための形態】
【0007】
本明細書には、工作機械の実施形態が開示される。工作機械は一般的に、小スケールかつ高精度が求められる機械操作を行うように構成される。そのような機械操作には例えば、小型のねじの作成や、小型の整形外科用インプラントの作成や、低侵襲性外科デバイスの作成や、燃料噴射用ノズル穴のような小型の自動車パーツの作成や、その他の小型部品を作成することが含まれる。工作機械は、少なくとも2つの平坦な面を有するモノリシックベース(monolithic base)を有する。当該2つの平坦な面は、互いに直交して配置されるとともに、ベースの凸部(convex portion)のメンバーである(すなわち、これらの面によって「L」字状の内側表面に反して、「L」字状の外側表面を形成している)。本願においては、このような種類の一対の面を「凸型直交」ペアと称する。そのようなベースの一例は、複数の凸型直交面のペアを有する矩形状角柱ベース(rectangular-prismatic base)である。しかしながら、少なくとも1つの凸型直交面ペアを含むものであれば、その他の形状・材料のベースも可能である。工作機械は、少なくとも2つの可動ステージを備える。当該可動ステージの各々は、平坦な凸型直交面の1つに取り付けられるとともに、互いに直交するように設けられている。一実施形態では、ベースは例えば、ベースの表面のうちの1つに取り付けられたZステージを有しており、XステージおよびYステージは、ベースの表面の別の面に取り付けられる。しかしながら、他の実施形態ではその他の構成によるステージも可能である。
【0008】
上述したベースを用いて工作機械を構築する方法には、性能的にいくつかの利点がある。第1に、凸型直交面は高精度に製造することが比較的簡単である。第2に、上述したようなモノリシックベースは比較的高い剛性を有する。第3に、上述したようにステージを構成することは、ステージの進行が比較的小さいためにそれぞれの取付面におけるステージのオーバーハングを比較的小さく保つことができる小スケールの機械加工作業において特に有用であり、これにより、ステージの精度、単純性および剛性を向上させることができる。
【0009】
図を参照すると、
図1は、一実施形態における例示的な工作機械100を示す。図示されるように、工作機械100は、モノリシックベース101を備え、モノリシックベース101は、第1のステージ102および第2のステージ104を有する。第1のステージ102はZステージとも呼ばれ、ベースの上面である第1の外側平坦面103上に設けられている。第2のステージ104はXステージとも呼ばれ、ベース101の側面である第2の外側平坦面105上に設けられている。図示されるように、Zステージ102およびXステージ104はともに、モノリシックベース101における凸型直交面ペアの外側平坦面に取り付けられており、互いに直交するように設けられている。いくつかの実施形態では、
図1に示すように、Yステージと呼ばれる第3のステージ106がXステージ104に取り付けられてもよい。一実施形態では、Yステージは、Xステージの平面に平行な面に配置されてもよい。
【0010】
さらに図示されるように、ステージは、レール108上に取り付けられており、各軸に沿った移動が促進される。 Xステージ104は、Xステージ104上に取り付けられた工具ホルダ112を有するものとして示されるのに対し、Zステージ102は、Zステージ102上に取り付けられたメインスピンドル(主軸)110を有するものとして示されている。スピンドル110は、ワークピースを保持するとともに、場合によってはワークピースを軸の周りに回転させるものである。あるいは、Zステージ102自体が、切削工具を保持するとともに、場合によっては切削工具を軸の周りに回転させるように構成される。Zステージ102はまた、1つの軸に沿って移動するように構成されてもよい。この軸は、説明のために本明細書でZ軸として言及される。
【0011】
さらに、本実施形態では、Xステージ104およびYステージ106は、何らかの形でそれらのステージに固定された1つ又は複数のツールを有してもよい。あるいは、XステージおよびYステージは、何らかの形でそれらのステージに取り付けられたワーク材料を有していてもよい。一般的に、Xステージ104およびYステージ106は、2つの軸のいずれか一方又は両方に沿って移動する。これら2つの軸は、説明のために、それぞれが互いに略垂直かつ上述したZ軸に対しても垂直なX軸およびY軸として本明細書で言及される。Xステージ104およびYステージ106は、当該ステージに固定されたツールがワークピースに接触し、場合によってはワークピースを操作するように、これらの軸に沿って移動するように構成される。単一のモノリシックベースに取り付けられたステージの他の構成も可能である。
【0012】
工作機械100はまた、ツールセンサ114および/又はビジョンカメラ116(
図3)を含んでもよい。ツールセンサ114および/又はビジョンカメラ116は、旋盤操作を行うためにオペレータによる機械の視認を可能とし、ステージの移動を促進し、かつ関連ツールの計測を促進するものである。
図2は、工作機械100の別の図を示す。
【0013】
他の実施形態では、互いに直交してベースの平坦面の凸型直交ペア上に取り付けられた少なくとも2つのステージが存在する限り、ベース101は任意の数のステージを搭載していてもよい。いくつかの実施形態では、XステージおよびYステージは、同一の時点又は異なる時点でそれぞれの軸に沿って移動するように構成されている。いくつかの実施形態では、Xステージ又はYステージに回転ステージが取付けられるとともに、回転ステージがそれぞれの軸の周りを回転するように構成される。その他の可能性も同様に存在する。
【0014】
一般的に、それぞれのステージは、機械加工作業を行うために複数のステージの移動と調整を促進するように関連付けられた1つ又は複数のその他のコンポーネントを有してもよい。いくつかの実施形態では、例えばZステージ、Xステージおよび/又はYステージを含む各ステージはアクチュエータに接続される。アクチュエータは例えば、高精度のボールねじとモータ若しくはリニアモータ、高精度のリニアエンコーダ若しくはその他の種類のエンコーダ、および、高精度のリニアモーションガイドである。これらのコンポーネントの各々は、1つ又は複数のコンピューティングデバイス(例えば、マイクロコントローラ又は特殊目的プロセッサなど)によって調整されてもよい。当該コンピューティングデバイスは、所望の旋盤又は粉砕の作業を行うために、ステージおよびスピンドルをコンポーネントに操作させるプログラミング命令を実行するように構成される。
【0015】
一実施形態では、ティースロットツールテーブル112が、XステージかYステージの一方、および/又は、X-Yステージに取り付けられるように構成される。ツールテーブルは、ツール搭載用の2つのティースロット(Tee-slot)を含んでもよく、かつ、容易に利用可能な又はカスタムメイドの任意のツールホルダを使用可能に構成されている。ティースロットツールテーブルは、3つの静止(非回転)旋盤/切断ツールと、6つのライブ(回転)ツールと、ワーク材料をメインスピンドルの外へ引くための1つのグリッパーとを有してもよい。これらは単なる例示的な仕様に過ぎず、その他の実施形態では他の仕様も可能である。ツールテーブル112は、XステージおよびYステージの一方又は両方に取り付けられており、複数のライブツール、ドリルツール、切断ツール、又は旋盤作業を実行するために使用されるその他の種類のツールを保持可能に構成される。工作機械は、ツールテーブルに保持されたツールの位置合わせを容易に行うためのツールセンサを有してもよい。当該構成およびその他の構成によれば、工作機械はその他の旋盤よりも小さなスペースで、より多くのツールを適合させることができる。
【0016】
いくつかの実施形態では、工作機械は、ツールセンサ114又は3Dツールセンサのような、その他の補助的コンポーネントを含む。ツールセンサ114によってツールの位置合わせが容易となるため、工作機械は比較的小さい面積で、より多くのツールを利用することができる。その他の利点も同様に、当業者には明らかである。
【0017】
一実施形態では、ツールセンサ114は、メインスピンドルに隣接してZステージに搭載されている。しかしながら、他の実施形態では、ツールセンサは他の位置に取り付けられている。工作機械はさらに、メインスピンドルに隣接して取り付けられたビジョンカメラ116、および/又は、1つ又は複数の固定又はライブのツールやワーク材料を保持するようにXステージ又はYステージに取り付けられたTスロットテーブル112を備えてもよい。工作機械はさらに、スタンド内に取り付けられてもよい。当該スタンドは、フラッシュ冷却剤システムおよび/又はユーザインタフェースを含む。当該ユーザインタフェースは、工作機械の1つ又は複数のコンポーネントと交信するためのものである。
【0018】
一般的に、上述した構成のうちの1つ又は複数(および、記載していないが本開示の一般的範囲内における代替的構成)によれば、工作機械によってワークピースにより複雑な機械加工作業を行うことを可能にしながら、オープンかつ容易にアクセス可能なレイアウトを提供することができる。さらにモノリシックベース101によれば、コンパクトで剛性が高く高精度な線形移動ステージの実施形態を提供する。
【0019】
工作機械100に関連して、モーションプラットフォーム技術を使用することもできる。例えば一実施形態において、各ステージは、ステージの移動を容易にするための1つ又は複数のサーボモータ駆動の高精度のボールねじやリニアモータを含む、又はそれらに結合されている。図示されるベアリングおよびレールは、精密リニアガイドレールを表すものであり、当該リニアガイドレールは、再循環するボールキャリッジ(ball carriages)を含んでもよい。ステージは、ライブでのツール加工を容易にするためのインデックス作成機能を有するサーボモータ駆動のスピンドルを備えた摺動主軸台(sliding headstock)を含んでもよい。メインスピンドルはさらに、空気圧コレットなどの任意の種類の部品ホルダを含んでもよい。
【0020】
図3は、一実施形態における閉位置に示される筐体300および対応するユーザインタフェース302を示している。一例では、工作機械の筐体300は成形された筐体である。図示されるように、工作機械100のコンパクトな構成により、工作機械100を筐体内に収容することができる。いくつかの実施形態では、筐体はユーザインタフェース302を含む。
図3に示すように、工作機械100は、筐体内に角度を付けて取り付けられる。角度を付けることにより、切削による液体およびチップが切断ゾーンから離れて移動することを促進することができる。角度は、約20度から約90度のどこであってもよい。ユーザインタフェース302は、制御ソフトウェアと交信することで、自律的な旋盤操作を選択する又はその他の方法で当該操作を提供するものとして使用されてもよい。工作機械のその他の一般的な特徴には、5000RPMスピンドル、200IPM供給速度、および3軸ステージ移動(X軸沿いに15’’、Y軸沿いに5’’、Z軸沿いに8’’)が含まれる。工作機械のさらなる例示的な機能には、デルタタウ社の4軸コントローラ、XレールおよびZレールを表面に直接取り付けて精密製造されたグラニットベース(granite base)、冷却液の流れとチップの除去を可能とするように角度の付いた位置(傾斜位置)を有するテーブルオリエンテーション、手動ツール設定の入力のためのカメラシステムおよびそれとは分離したユーザインタフェース、ハイデンハイン社のガラススケール、空気圧式バーフィード(bar feed)、および/又は、パーツ除去システムが含まれる。テーブルオリエンテーションの傾斜位置は、水平方向に対して35°の角度であってもよい。これらは単なる例示的な仕様であり、その他の実施形態では他の仕様も可能である。
【0021】
ユーザインタフェース302は、パーソナルコンピュータ、タブレットコンピュータ、又はその他のコンピューティングデバイスを含んでもよい。ユーザインタフェース302はさらに、ユーザからの入力を受信して筐体300の各種構成要素を制御してもよい。筐体300は、
図1―2および/又は
図4―5に関連して説明したコンポーネントの一部又は全部を含んでもよい。筐体300内のコンポーネントは、ユーザインタフェース302への入力に基づいて制御信号を受信してもよい。コンピューティングシステムとユーザインタフェース302について
図5を参照しながらさらに説明する。
図4は、筐体300内に取り付けられた工作機械100のクローズアップ図を示す。
【0022】
図5は、例示的な実施形態におけるコンピューティングデバイス500のブロック図である。例えば、コンピューティングデバイス500は、
図3に示すユーザインタフェース302を含んでもよい。コンピューティングデバイス500は、ユーザインタフェースモジュール501と、通信インタフェースモジュール502と、1つ又は複数のプロセッサ503と、データストレージ504とを含むことができる。これらは全て、システムバス、ネットワーク又はその他の接続機構505を介してリンクすることができる。
【0023】
ユーザインタフェースモジュール501は、外部ユーザ入力/出力デバイスにデータを送信および/又は当該デバイスからデータを受信するように動作可能とすることができる。例えば、ユーザインタフェースモジュール501は、キーボード、キーパッド、タッチスクリーン、コンピュータマウス、トラックボール、ジョイスティック、および/又は既知のあるいは後発的に開発されるその他の類似のデバイスなどの、ユーザ入力デバイスに/から、データを送信/受信するように構成することができる。ユーザインタフェースモジュール501はさらに、1つ又は複数の陰極線管(CRT)、液晶ディスプレイ(LCD)、発光ダイオード(LED)若しくはデジタルライトプロセッシング(DLP)技術を使用したディスプレイなどのユーザディスプレイデバイス、プリンタ、電球、および/又はその他の類似のデバイスに出力するように構成することもできる。ユーザインタフェースモジュール1001はまた、スピーカ、スピーカジャック、オーディオ出力ポート、オーディオ出力デバイス、イヤホン、および/又は既知の又は後発的に開発されるその他の類似のデバイスに可聴出力を生成するように構成することができる。ユーザインタフェースモジュール501は、本明細書に開示される方法およびシステムで使用するためのデータを入力するために使用することができる。
【0024】
ネットワーク通信インタフェースモジュール502は、ネットワークを介して通信するように構成可能な1つ又は複数の無線インタフェース507および/又は有線インタフェース508を含むことができる。無線インタフェース507は、ブルートゥーストランシーバや、Wi−Fiトランシーバや、その他の無線トランシーバなどの、1つ又は複数の無線トランシーバを含むことができる。有線インタフェース508は、イーサネットトランシーバや、ユニバーサルシリアルバス(USB)トランシーバや、ワイヤ、ツイストペアのワイヤ、同軸ケーブル、光リンク、光ファイバーリンク、又はその他の有線ネットワークへの物理的接続を介して通信するように構成可能な類似のトランシーバなど、1つ又は複数の有線トランシーバを含むことができる。
【0025】
1つ又は複数のプロセッサ503は、1つ又は複数の汎用プロセッサおよび/又は1つ又は複数の専用プロセッサ(例えば、デジタル信号プロセッサ、特定用途向け集積回路など)を含むことができる。1つ又は複数のプロセッサ503は、データストレージ504内に収容されたコンピュータ読み取り可能プログラム命令510および/又は本明細書に記載されたその他の命令を実行するように構成することができる。
【0026】
データストレージ504は、プロセッサ503のうちの少なくとも1つによって読み取り可能又はアクセス可能な1つ又は複数のコンピュータ読み取り可能記憶媒体を含むことができる。1つ又は複数のコンピュータ読み取り可能記憶媒体は、光学的、磁気的、有機、又はその他のメモリやディスク記憶装置などの、揮発性および/又は不揮発性の記憶コンポーネントを含むことができ、これらは、1つ又は複数のプロセッサ503のうちの少なくとも1つに全体的に又は部分的に統合可能である。いくつかの実施形態では、データストレージ504は単一の物理的デバイス(例えば、1つの光学的、磁気的、有機、又はその他のメモリやディスク記憶ユニット)を使用して実現することができる一方で、その他の実施形態では、2つ以上の物理的デバイスを使用して実現することができる。
【0027】
データストレージ504に関連付けられたコンピュータ読み取り可能記憶媒体および/又は本明細書に記載されたその他のコンピュータ読み取り可能媒体はまた、レジスタメモリ、プロセッサキャッシュおよびランダムアクセスメモリ(RAM)のような、データを短期間格納するコンピュータ読み取り可能媒体などの、非一時的コンピュータ読み取り可能媒体を含むことができる。データストレージ504に関連付けられたコンピュータ読み取り可能記憶媒体および/又は本明細書に記載のその他のコンピュータ読み取り可能媒体はまた、例えば読み出し専用メモリ(ROM)、光学若しくは磁気ディスク、コンパクトディスク読み出し専用メモリ(CD―ROM)のような、プログラムコードおよび/又はデータを長期間記憶する(二次的又は永続的な長期間記憶を行う)非一時的コンピュータ読み取り可能媒体を含むことができる。データストレージ504に関連付けられたコンピュータ読み取り可能記憶媒体および/又は本明細書に記載のその他のコンピュータ読み取り可能媒体は、その他の任意の揮発性又は不揮発性の記憶システムであってもよい。データストレージ504に関連付けられたコンピュータ読み取り可能記憶媒体および/又は本明細書に記載のその他のコンピュータ読み取り可能媒体は例えば、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体又は有形記憶デバイスと見なすことができる。
【0028】
データストレージ504は、コンピュータ読み取り可能プログラム命令510および場合によっては追加のデータを含むことができる。いくつかの実施形態では、データストレージ504はさらに、本明細書に記載された技術および方法の少なくとも一部、および/又は、本明細書に記載されたデバイスおよびネットワークの機能の少なくとも一部を実行するために必要なストレージを含むことができる。
【0029】
本明細書において特定の実施形態および用途に関連して発明を記載したが、当業者であれば発明の概念に関する精神の範囲内で、変化、修正、変更を当然に認識する。そのような変化、修正、変更は本願の範囲に含まれる。