【実施例】
【0018】
以下、本発明を実施例によって具体的に説明する。
【0019】
(実施例1)
着色塗装構成体としては窯業系建材を用いた。この着色塗装構成体は基材の表面にエナメル塗料の着色層を有し、着色層の表面に無機系樹脂塗料のクリアー塗膜を有して形成されている。また、着色塗装構成体の表面のL*値は色差計(コニカミノルタ社 CR400)での測定で30であった。補修用塗料としては、アクリル樹脂塗料(DNT製の「Vセラン♯200−9」)に顔料(酸化チタン、酸化鉄、カーボンブラックの三種類)をPWC15%で配合して調製した。次に、この補修用塗料をクリアー塗膜の表面に塗布して厚み30μmの補修塗膜を形成した。次に、補修塗膜形成直後の補修塗膜の表面のL*値を上記の色差計で測定し、上記の着色塗装構成体の表面のL*値との差ΔL*値を求めた。この結果、ΔL*値は−0.3であった。
【0020】
この後、[経時での着色塗装構成体の黒化による色外観差]と[耐候性劣化差]と[隠蔽性]とを評価した。
【0021】
[経時での着色塗装構成体の黒化による色外観差]は、垂直面南面1ヶ月曝露後の着色塗装構成体の補修部分(補修塗膜を形成した部分)のL*値と補修部分以外のL*値との差がΔL*値が1.5以上のときは×、それ以内は○とした。
【0022】
[耐候性劣化差]は、沖縄地区傾斜曝露2年後、着色塗装構成体の補修部分(補修塗膜を形成した部分)のL*値と補修部分以外のL*値との差ΔL*値が3以上の場合×、3未満の場合は○とした。
【0023】
[隠蔽性]は、白黒隠蔽紙にて10milアプリケーターで補修用塗料を塗布後の隠蔽性を目視で確認した。透けがある場合は×、わずかに透けてる場合は△、透けがない場合は○とした。
【0024】
(実施例2)
顔料をPWC30%にした以外は実施例1と同様にした。尚、実施例2は実施例1と顔料の組成(酸化チタン、酸化鉄、カーボンブラックの配合割合)を変えた。よって、実施例1と実施例2は、ΔL*値が同じであるが、PWCは異なる。
【0025】
(実施例3)
ΔL*値を−1にした以外は、実施例2と同様にした。尚、実施例3は実施例2と顔料の組成(酸化チタン、酸化鉄、カーボンブラックの配合割合)を変えた。よって、実施例2と実施例3は、PWCが同じであるが、ΔL*値は異なる。
【0026】
(実施例4)
L*値が45の着色塗装構成体を用い、ΔL*値を−0.1にした以外は、実施例2と同様にした。尚、実施例4は実施例2と顔料の組成(酸化チタン、酸化鉄、カーボンブラックの配合割合)及び着色塗装構成体のL*値を変えた。よって、実施例2と実施例4は、PWCが同じであるが、ΔL*値は異なる。
【0027】
(実施例5)
L*値が45の着色塗装構成体を用い、ΔL*値を−1にした以外は、実施例4と同様にした。尚、実施例5は実施例4と顔料の組成(酸化チタン、酸化鉄、カーボンブラックの配合割合)を変えた。よって、実施例4と実施例5は、PWCが同じであるが、ΔL*値は異なる。
【0028】
(実施例6)
L*値が20の着色塗装構成体を用い、ΔL*値を−1にした以外は、実施例3と同様にした。尚、実施例6は実施例3と顔料の組成(酸化チタン、酸化鉄、カーボンブラックの配合割合)を変えた。よって、実施例3と実施例6は、着色塗装構成体のL*値が異なるが、PWC及びΔL*値が同じである。
【0029】
(実施例7)
アクリル樹脂塗料の代わりに、無機塗料(パナソニック電工化研製の「MC−T440」)を用いた以外は、実施例1と同様にした。
【0030】
(実施例8)
顔料をPWC30%にした以外は実施例7と同様にした。尚、実施例8は実施例7と顔料の組成(酸化チタン、酸化鉄、カーボンブラックの配合割合)を変えた。よって、実施例7と実施例8は、ΔL*値が同じであるが、PWCは異なる。
【0031】
(実施例9)
顔料をPWC40%にした以外は実施例7と同様にした。尚、実施例9は実施例7と顔料の組成(酸化チタン、酸化鉄、カーボンブラックの配合割合)を変えた。よって、実施例7と実施例9は、ΔL*値が同じであるが、PWCは異なる。
【0032】
(実施例10)
アクリル樹脂塗料の代わりに、フッ素樹脂塗料(DNT製の「Vフロン#200」)を用いた以外は、実施例1と同様にした。
【0033】
(実施例11)
顔料をPWC30%にした以外は実施例10と同様にした。尚、実施例11は実施例10と顔料の組成(酸化チタン、酸化鉄、カーボンブラックの配合割合)を変えた。よって、実施例10と実施例11は、ΔL*値が同じであるが、PWCは異なる。
【0034】
(実施例12)
ΔL*値を−1にした以外は、実施例11と同様にした。尚、実施例12は実施例11と顔料の組成(酸化チタン、酸化鉄、カーボンブラックの配合割合)を変えた。よって、実施例11と実施例12は、PWCが同じであるが、ΔL*値を異なるようにした。
【0035】
(実施例13)
顔料をPWC40%にした以外は実施例10と同様にした。尚、実施例13は実施例10と顔料の組成(酸化チタン、酸化鉄、カーボンブラックの配合割合)を変えた。よって、実施例10と実施例13は、ΔL*値が同じであるが、PWCは異なる。
【0036】
(実施例14)
アクリル樹脂塗料の代わりに、アクリルシリコン樹脂(DNT製の「Vセランシリコンマイルド」)を用いた以外は、実施例1と同様にした。
【0037】
(実施例15)
顔料をPWC30%にした以外は実施例14と同様にした。尚、実施例15は実施例14と顔料の組成(酸化チタン、酸化鉄、カーボンブラックの配合割合)を変えた。よって、実施例14と実施例15は、ΔL*値とPWCの両方が異なる。
【0038】
(比較例1)
着色塗装構成体として、表面のL*値が80のものを用い、顔料をPWC40%にした以外は、実施例1と同様にした。
【0039】
(比較例2)
着色塗装構成体として、表面のL*値が50のものを用いた以外は、比較例1と同様にした。尚、比較例2は比較例1と顔料の組成(酸化チタン、酸化鉄、カーボンブラックの配合割合)を変えた。よって、比較例1と比較例2は、着色塗装構成体の表面のL*値が異なるが、ΔL*値及びPWCは同じである。
【0040】
(比較例3)
着色塗装構成体として、表面のL*値が45のものを用い、ΔL*値を−1.1にし、顔料をPWC30%にした以外は、比較例1と同様にした。
【0041】
(比較例4)
ΔL*値を0.1にした以外は、比較例3と同様にした。尚、比較例4は比較例3と顔料の組成(酸化チタン、酸化鉄、カーボンブラックの配合割合)を変えた。よって、比較例3と比較例4は、PWCが同じであるが、ΔL*値を異なるようにした。
【0042】
(比較例5)
ΔL*値を0にした以外は、比較例4と同様にした。尚、比較例5は比較例4と顔料の組成(酸化チタン、酸化鉄、カーボンブラックの配合割合)を変えた。よって、比較例4と比較例5は、PWCが同じであるが、ΔL*値は異なる。
【0043】
【表1】