(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
同一の楽曲識別情報で特定されるカラオケ楽曲について、複数の利用者がそれぞれ歌唱姿態を録画すると共に、その歌唱音声を録音してカラオケ歌唱映像を生成し、これらのカラオケ歌唱映像を一纏めとしたコラボレーションのカラオケ歌唱映像を、時系列に同期をとって表示するためのシステムであって、音量判定手段と、歌唱映像特定表示制御手段と、を備え、
前記音量判定手段は、前記コラボレーションのカラオケ歌唱映像を構成する各カラオケ歌唱映像を表示する際に、各カラオケ歌唱映像の歌唱音声について、所定の区間毎に、複数の基準値に対する音量をそれぞれ判定し、
前記歌唱映像特定表示制御手段は、所定の区間毎に、複数の基準値に対する音量の判定結果に基づいて、各カラオケ歌唱映像を特定可能に表示する、
ことを特徴とするコラボレーション歌唱映像表示システム。
前記音量判定手段は、前記コラボレーションのカラオケ歌唱映像に合わせて、現に歌唱姿態が撮影されていると共に、その歌唱音声が入力されている利用者のカラオケ歌唱映像についても、所定の区間毎に、複数の基準値に対する音量を判定し、
前記歌唱映像特定表示制御手段は、前記現に歌唱姿態が撮影されていると共に、その歌唱音声が入力されている利用者のカラオケ歌唱映像を含めて、所定の区間毎に、複数の基準値に対する音量の判定結果に基づいて、各カラオケ歌唱映像を特定可能に表示する、
ことを特徴とする請求項1に記載のコラボレーション歌唱映像表示システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
現在のカラオケシステムでは、コラボレーションのカラオケ歌唱映像を再生すると、表示装置の画面がコラボレーションする利用者映像の数に応じて複数領域に分割され、各領域にそれぞれ各利用者のカラオケ歌唱映像が映し出される。すなわち、各利用者のカラオケ歌唱映像は同等の大きさで表示されることになる。
【0007】
しかし、コラボレーションのカラオケ歌唱映像の中には、デュエット曲のいずれか一方のパート(例えば女声パート)を歌唱している映像や、歌唱区間以外における合いの手の映像等、種々の歌唱態様種別の映像が存在する。すなわち、コラボレーションのカラオケ歌唱映像では、それぞれの歌唱態様種別に応じて、歌唱している利用者と歌唱していない利用者が存在する。
【0008】
このように複数の歌唱態様種別の映像が混在しているコラボレーションのカラオケ歌唱映像を再生する場合に、各カラオケ歌唱映像を同様の態様(例えば、同一の大きさ)で表示したのでは、歌唱を行っている利用者のカラオケ歌唱映像を瞬時に認識することができない。この点、テレビジョン放送では、カメラワークにより、歌唱を行っている歌唱者をクローズアップ表示する等、豊富な映像表現を行うことができる。
【0009】
そこで、コラボレーションのカラオケ歌唱映像を再生する際にも、テレビジョン放送等と同様に、歌唱を行っている利用者を瞬時に認識することができるようにすれば、映像表現に変化を持たせて、コラボレーション歌唱の楽しさをより一層高めることが可能となる。
【0010】
本発明は、上述した事情に鑑み提案されたもので、コラボレーションのカラオケ歌唱映像を表示する際に、歌唱等を行っている利用者を特定可能として、映像表現に変化を持たせ、コラボレーション歌唱の楽しさをより一層高めることが可能なコラボレーション歌唱映像表示システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明のコラボレーション歌唱映像表示システムは、上述した目的を達成するために提案されたもので、以下の特徴を有している。すなわち、本発明のコラボレーション歌唱映像表示システムは、同一の楽曲識別情報で特定されるカラオケ楽曲について、複数の利用者がそれぞれ歌唱姿態を録画すると共に、その歌唱音声を録音してカラオケ歌唱映像を生成し、これらのカラオケ歌唱映像を一纏めとしたコラボレーションのカラオケ歌唱映像を、時系列に同期をとって表示するためのシステムであって、音量判定手段と、歌唱映像特定表示制御手段とを備えたことを特徴とするものである。なお、コラボレーションのカラオケ歌唱映像を表示する際には、同時にカラオケ伴奏音も出力される。
【0012】
音量判定手段は、コラボレーションのカラオケ歌唱映像を構成する各カラオケ歌唱映像を表示する際に、各カラオケ歌唱映像の歌唱音声
について、所定の区間毎に、複数の基準値に対する音量をそれぞれ判定するための手段である。なお、歌唱音声とは、歌唱区間における入力音声(カラオケ楽曲に合わせた歌唱)と、歌唱区間外における入力音声(合いの手)等、カラオケ楽曲の演奏に伴い入力されるすべての音声を含む概念である。
【0013】
歌唱映像特定表示制御手段は、
所定の区間毎に、各基準値に対する音量の判定結果に基づいて、各カラオケ歌唱映像を特定可能に表示するための手段である。カラオケ歌唱映像の表示は、カラオケ演奏端末に付帯した表示装置により行ってもよいし、カラオケ歌唱映像を集中的に管理する映像サーバ等にネットワーク接続された利用者のパーソナルコンピュータに付帯した表示装置により行ってもよい。なお、特定可能に表示するとは、大きさ、明るさ、枠の有無、表示又は非表示等により、カラオケ歌唱映像を特定することをいう。また、すべてのカラオケ歌唱映像の音量が同一である(例えば、すべての音量が基準値以上又は基準値未満)の場合には、すべてのカラオケ歌唱映像を同様の態様で表示する。
【0014】
また、上述した構成に加えて、音量判定手段は、コラボレーションのカラオケ歌唱映像に合わせて、現に歌唱姿態が撮影されていると共に、その歌唱音声が入力されている利用者のカラオケ歌唱映像についても、
所定の区間毎に、複数の基準値に対する音量を判定することが可能である。この場合には、歌唱映像特定表示制御手段は、現に歌唱姿態が撮影されていると共に、その歌唱音声が入力されている利用者のカラオケ歌唱映像を含めて、
所定の区間毎に、複数の基準値に対する音量の判定結果に基づいて、各カラオケ歌唱映像を特定可能に表示する。
【発明の効果】
【0015】
本発明のコラボレーション歌唱映像表示システムによれば、歌唱を行っている利用者のカラオケ歌唱映像を特定可能に表示する。これにより、例えば、歌唱を行っている利用者のカラオケ歌唱映像を、歌唱を行っていない利用者のカラオケ歌唱映像と比較して大きく表示して、歌唱を行っている利用者を容易に特定することができる。また、歌唱を行っている利用者にとってみれば、自らのカラオケ歌唱映像が強調して表示されるので、あたかも、ステージにおいて一人だけスポットライトを浴びているかのような優越感や満足感を味わうことができる。
【0016】
このように、本発明のコラボレーション歌唱映像表示システムによれば、コラボレーションのカラオケ歌唱映像を構成する各カラオケ歌唱映像の歌唱音声の音量に応じて、歌唱を行っている利用者のカラオケ歌唱映像を特定可能に表示することにより、映像表現に変化を持たせ、コラボレーション歌唱の楽しさをより一層高めることが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して、本発明のコラボレーション歌唱映像表示システムの実施形態について説明する。
図1〜
図4は本発明の実施形態に係るコラボレーション歌唱映像表示システムを示すもので、
図1はコラボレーション歌唱映像表示システムを適用したカラオケ演奏端末の構成を示すブロック図、
図2は音量の判定態様を示す説明図、
図3はコラボレーションのカラオケ歌唱映像の表示画面(
図2における区間a)を示す模式図、
図4はコラボレーションのカラオケ歌唱映像の表示画面(
図2における区間b)を示す模式図である。
【0019】
<システムの概要>
本発明の実施形態に係るコラボレーション歌唱映像表示システム10は、同一の楽曲識別情報で特定されるカラオケ楽曲について、複数の利用者がそれぞれ歌唱姿態を録画すると共に、その歌唱音声を録音してカラオケ歌唱映像を生成し、これらのカラオケ歌唱映像を一纏めとしたコラボレーションのカラオケ歌唱映像を表示するためのシステムであって、各カラオケ歌唱映像に付帯した歌唱音声の音量に基づいて、歌唱を行っている利用者を容易に特定できるようになっている。
【0020】
このコラボレーション歌唱映像表示システム10は、
図1に示すように、音量判定手段68と、歌唱映像特定表示制御手段69とにより実現される。
【0021】
なお、以下の説明において、プログラムとは、RAM等に記憶され、CPU等のハードウェアで実行されることにより、その機能を発揮するソフトウェアだけではなく、同等の機能を発揮することが可能な論理回路も含む概念である。
【0022】
本発明の実施形態に係るコラボレーション歌唱映像表示システム10は、
図1に示すように、映像サーバ20と複数のカラオケ演奏端末30とが、ルータ70及び通信ネットワーク(本実施形態では、インターネット40)を介して相互に接続されている。通信ネットワークは、公衆電話回線、専用電話回線、光通信回線、LAN等を用いることができるが、ネットワークに対する第三者の侵入やデータの傍聴及び改竄が困難であるとともに、帯域を独占せずに安価な通信網であるという点で、インターネット40により構成されるVPNを利用することが好ましい。
【0023】
<カラオケ演奏端末>
本発明の実施形態に係るコラボレーション歌唱映像表示システム10を適用するカラオケ演奏端末30は、
図1に示すように、カラオケ本体31、スピーカ32、マイクロホン33、表示装置34、ビデオカメラ35、ミキシングアンプ36、カラオケリモコン装置37を備えている。
【0024】
<カラオケリモコン装置>
カラオケリモコン装置37は、ユーザインタフェース機能を備えており、カラオケ本体31のローカル送受信手段56との間で有線方式又は無線方式によりデータの送受信を行うようになっている。このカラオケリモコン装置37は、楽曲検索手段37a、楽曲索引データベース37b、データ記憶部37c、入出力表示部37d、データの送受信を行うための電子回路及びプログラム(図示せず)を備えている。このカラオケリモコン装置37に付帯するスイッチ類や、入出力表示部37dに表示される各種のアイコン等を操作することにより、選曲操作等が行われる。
【0025】
<楽曲検索手段/楽曲索引データベース>
楽曲検索手段37aは、利用者の指示に基づき、楽曲索引データベース37bを参照して楽曲を検索するためのプログラムからなる。楽曲索引データベース37bは、カラオケ演奏端末30で演奏に供されるカラオケ楽曲について、その属性情報を記述したデータベースであり、例えば、楽曲番号・曲名・歌手名・歌い出し部分の歌詞・流行時期・音楽ジャンル区分・演奏形態・デュエット曲など、種々の属性情報がこれに含まれている。楽曲検索手段37aにより楽曲検索を行うとカラオケリモコン装置37の入出力表示部37dに、検索結果が一覧表示される。
【0026】
<データ記憶部>
データ記憶部37cは、選曲予約の履歴等を記憶するための領域で、図示しないが、選曲予約データ、選曲予約履歴データ等、各種のデータが記憶される。
【0027】
<入出力表示部>
入出力表示部37dは、例えば、タッチパネル式の液晶表示装置からなり、上述したように、楽曲検索手段37aにより検索を行う際の入力表示、検索結果の一覧表示、各種の案内表示等を行うと共に、表示されるアイコン等を操作することにより、入力指示を行うことができる。
【0028】
<マイクロホン/スピーカ>
マイクロホン33は、歌唱音声の入力を行うための装置である。マイクロホン33から入力された歌唱音声信号は、ミキシングアンプ36により、音楽再生制御手段58から送出される演奏音声信号とミキシングされると共に増幅され、スピーカ32へ出力される。なお、マイクロホン33からの音声入力信号は、A/Dコンバータ59によりデジタル変換されて、歌唱採点等に使用される。
【0029】
<表示装置>
表示装置34は、カラオケ楽曲に関連した背景映像や歌詞テロップ等を表示するための装置で、例えば、液晶ディスプレイ等により構成される。本実施形態では、表示装置34にコラボレーションのカラオケ歌唱映像が表示される。
【0030】
また、本実施形態では、インターネット40を介してネットワーク接続された利用者のパーソナルコンピュータ(図示せず)に付帯した表示装置にコラボレーションのカラオケ歌唱映像を表示するように構成してもよい。この場合には、利用者のパーソナルコンピュータを、インターネット40を介して映像サーバ20に接続することにより、所望のコラボレーション映像を抽出することができる。また、抽出したコラボレーション映像の映像IDを2次元バーコードとしてパーソナルコンピュータに付帯した表示装置の表示画面に表示し、当該2次元バーコードをパーソナル携帯端末(例えば、携帯電話やスマートフォン)の読取機能を用いて読み取って記憶させることができる。これにより、カラオケ店等において、パーソナル携帯端末の選曲予約機能を用いて、記憶した映像IDを有するコラボレーション映像をダウンロードすることができる。
【0031】
<カラオケ本体>
カラオケ本体31は、
図1に示すように、ネットワーク送受信手段51、中央制御手段52、ROM53、RAM54、HDD55、ローカル送受信手段56、予約管理手段57、音楽再生制御手段58、A/Dコンバータ59、映像再生制御手段60、歌唱音声録音手段61、歌唱映像録画手段62、カラオケ歌唱映像生成手段63、コラボレーション映像抽出手段64、ダウンロード手段65、コラボレーション歌唱映像作成手段66、歌唱映像送信手段67、音量判定手段68、歌唱映像特定表示制御手段69を備えている。
【0032】
<中央制御手段>
中央制御手段52は、カラオケ本体31を総合的に制御するための手段であり、例えばCPU及びその周辺機器により構成されており、CPU等がROM53等に記憶されたプログラムに従って動作することにより、制御機能を発揮することができるようになっている。
【0033】
<ROM/RAM>
ROM53は、カラオケ本体31を構成する各機器を制御するためのプログラムデータや数値データを記憶するための機器で、例えば半導体メモリ等で構成される。また、RAM54は、プログラムや各種データを一時的に記憶する一時記憶領域として機能するもので、例えば半導体メモリ等で構成される。なお、物理的な半導体メモリによりRAM54を構成するのではなく、ハードディスク記憶装置等を用いて仮想的なRAM54を構成してもよい。本実施形態では、RAM54に予約待ち行列54aが記憶されるようになっている。この予約待ち行列54aは、選曲予約されたカラオケ楽曲について、演奏順に楽曲IDを並べて構成されたデータテーブルであり、選曲者の利用者ID等、他の識別データが紐付けられている場合もある。
【0034】
<HDD>
HDD55は、大容量記憶装置として機能するもので、楽曲データベース55a、映像データベース55b、歌唱映像データ55cが格納されている。なお、HDD55に替えて、あるいはHDD55と共に、データを書き替え可能なDVD等の大容量記憶装置を用いてもよい。
【0035】
<楽曲データベース/映像データベース>
楽曲データベース55aは、複数のカラオケ楽曲について、演奏データ及び歌詞描出データが同期されて構成される楽曲データについて、楽曲IDと対応付けてそれぞれ構成されたデータベースである。歌詞描出データは演奏に同期した歌詞文字の表示タイミングデータ及び色変わりデータを含んでいる。映像データベース55bは、演奏されるカラオケ楽曲に対応した背景映像を、当該カラオケ楽曲の楽曲IDに対応させた映像ファイルとして所定数格納したデータベースである。
【0036】
<歌唱映像データ>
歌唱映像データ55cは、カラオケ歌唱映像生成手段63により生成したカラオケ歌唱映像のデータである。
【0037】
<送受信手段>
ローカル送受信手段56は、カラオケ本体31とカラオケリモコン装置37との間で、データの送受信を行うための電子回路及びプログラムからなる。本実施形態では、赤外線通信により、カラオケ本体31とカラオケリモコン装置37との間でデータの送受信が行われる。ネットワーク送受信手段51は、カラオケ本体31と映像サーバ20との間で、データの送受信を行うための電子回路及びプログラムからなる。
【0038】
<予約管理手段>
予約管理手段57は、楽曲検索手段37aの機能を用いて検索され、選曲予約された楽曲IDを演奏順に並べて予約待ち行列54aを生成し、この予約待ち行列54aをRAM54に格納して管理するためのプログラムからなる。
【0039】
<音楽再生制御手段>
音楽再生制御手段58は、楽曲IDや歌唱態様種別に基づいて楽曲データベース55aから抽出された演奏データを、ミキシングアンプ36に出力するための電子回路からなる。なお、演奏データがMIDI規格の演奏制御データである場合には、この演奏制御データに基づいて、音源データをデジタル再生すると共にアナログ変換してミキシングアンプ36に出力する。上述したように、ミキシングアンプ36は、マイクロホン33から入力された歌唱者の歌唱音声信号と、音楽再生制御手段58から送出される演奏音声信号とをミキシングすると共に、アンプ機能により増幅してスピーカ32より出力させるための装置である。
【0040】
<映像再生制御手段>
映像再生制御手段60は、カラオケ楽曲の演奏中に、映像データベース55bから抽出した背景映像データと、演奏データに含まれる歌詞描出データに基づく歌詞文字とを、当該カラオケ楽曲の演奏データに同期させて表示装置34に出力するためのプログラムからなる。
【0041】
コラボ−ラーションのカラオケ歌唱映像を表示する場合には、
図3又は
図4に示すように、コラボレーションのカラオケ歌唱映像として既に録画された少なくとも1つ以上のカラオケ歌唱画像が、表示装置34の表示画面に表示される。この際、コラボレーションのカラオケ歌唱映像に合わせて、現に歌唱姿態が撮影されていると共に、その歌唱音声が入力されている利用者のカラオケ歌唱映像を同一画面に表示してもよい。
【0042】
<歌唱音声録音手段>
歌唱音声録音手段61は、楽曲識別情報で特定されるカラオケ楽曲の演奏に伴い発生する音声を録音するためのプログラムからなる。すなわち、歌唱音声録音手段61は、カラオケ楽曲が演奏される際に、マイクロホン33から入力される歌唱音声や合いの手等を録音する。
【0043】
<歌唱映像録画手段>
歌唱映像録画手段62は、カラオケ楽曲を演奏する際に撮影した利用者の歌唱映像を録画するためのプログラムからなる。すなわち、歌唱映像録画手段62は、ビデオカメラ35から入力される映像信号を受信して、カラオケ歌唱映像の録画を行う。
【0044】
ビデオカメラ35は、利用者の歌唱姿態を撮影するための装置であり、撮像レンズ及び撮像素子を主要な構成要素とし、フォーカシング機構、ズーム機構、パン・チルト機構等を備えていてもよい。ビデオカメラ35で撮影が行われると、映像信号(ビデオ信号)が歌唱映像録画手段62に入力される。
【0045】
<カラオケ歌唱映像生成手段>
カラオケ歌唱映像生成手段63は、録音した音声と撮影した歌唱映像を一纏めとしてカラオケ歌唱映像を生成するためのプログラムからなる。なお、歌唱音声録音手段61と歌唱映像録画手段62とを一つの手段として構成し、音声と歌唱映像とが結合したファイルを作成してもよい。
【0046】
<コラボレーション映像抽出手段>
コラボレーション映像抽出手段64は、少なくとも、利用者により指定されたカラオケ楽曲の楽曲識別情報(例えば、楽曲名や楽曲ID)を検索条件として、公開されたカラオケ歌唱映像の中から該当するカラオケ歌唱映像を抽出するためのプログラムからなる。すなわち、コラボレーション映像抽出手段64は、映像サーバ20にアクセスし、例えば、カラオケリモコン装置37を利用した利用者の指定(検索ワードの入力)に基づいて、所望のカラオケ歌唱映像を抽出する。検索ワードは、例えば、楽曲名や楽曲ID等の楽曲識別情報の他に、利用者のハンドルネーム、撮影日時、利用者の性別、アーティスト名、作曲者名等を組み合わせることができるようにしてもよい。
【0047】
コラボレーション歌唱のための歌唱映像の抽出は、インターネット40を介してネットワーク接続された利用者のパーソナルコンピュータ(図示せず)の機能により行ってもよい。この場合には、利用者のパーソナルコンピュータにコラボレーション映像抽出手段64としての機能を持たせ、インターネット40を介して映像サーバ20に接続することにより、所望のコラボレーション映像を抽出することができる。また、例えば、抽出したコラボレーション映像の映像IDを2次元バーコードとしてパーソナルコンピュータに付帯した表示装置の表示画面に表示し、当該2次元バーコードをパーソナル携帯端末(例えば、携帯電話やスマートフォン)の読取機能を用いて読み取って記憶させることができる。これにより、カラオケ店等において、パーソナル携帯端末の選曲予約機能を用いて、記憶した映像IDを有するコラボレーション映像をダウンロードすることができる。
【0048】
<ダウンロード手段>
ダウンロード手段65は、抽出したカラオケ歌唱映像及びカラオケ楽曲の楽曲識別情報(例えば、楽曲名や楽曲ID)を、カラオケ演奏端末30にダウンロード可能とするためのプログラムからなる。すなわち、ダウンロード手段65は、映像サーバ20にアクセスし、利用者の指定に基づいて検索して抽出されたカラオケ歌唱映像及び楽曲識別情報をダウンロードする。このカラオケ歌唱映像が、コラボレーション歌唱の元映像となる。
【0049】
<コラボレーション歌唱映像作成手段>
コラボレーション歌唱映像作成手段66は、カラオケ歌唱映像及び楽曲識別情報(例えば、楽曲名や楽曲ID)をダウンロードした場合に、当該ダウンロードしたカラオケ歌唱映像と、当該楽曲識別情報(例えば、楽曲名や楽曲ID)を有するカラオケ楽曲を演奏する際に生成したカラオケ歌唱映像とを一纏めのコラボレーションのカラオケ歌唱映像とするためのプログラムからなる。
【0050】
すなわち、コラボレーション歌唱映像作成手段66では、コラボレーションのカラオケ歌唱映像の元となるカラオケ歌唱映像と、当該カラオケ歌唱映像とコラボレーションを行うために撮影した映像及び録音した音声を一纏めとしたカラオケ歌唱映像とを一纏めとして、コラボレーションのカラオケ歌唱映像を作成する。
【0051】
なお、コラボレーションのカラオケ歌唱映像の元となるカラオケ歌唱映像と、当該カラオケ歌唱映像とコラボレーションを行うために撮影した映像及び録音した音声からなるカラオケ歌唱映像とを一纏めとする態様には種々の方法を採用することができる。例えば、歌唱映像管理手段23において、コラボレーションのカラオケ歌唱映像として、複数のカラオケ歌唱映像に関するデータを一纏めとして、1つの映像IDを付与してもよいし、コラボレーションのカラオケ歌唱映像を構成する各カラオケ歌唱映像を別個に管理すると共に、歌唱映像データベース25において、コラボレーションを行った各カラオケ歌唱映像の映像IDを関連付けて管理してもよい。
【0052】
また、コラボレーションのカラオケ歌唱映像として一纏めにできるカラオケ歌唱映像の数は、映像サーバ20のデータ格納容量や、ネットワーク(インターネット40)のトラフィック等に応じて、適宜設定することができる。
【0053】
<歌唱映像送信手段>
歌唱映像送信手段67は、生成したカラオケ歌唱映像又はコラボレーションのカラオケ歌唱映像及び当該カラオケ楽曲の楽曲識別情報(例えば、楽曲名や楽曲ID)を映像サーバ20に送信するためのプログラムからなる。すなわち、カラオケ演奏端末30において、カラオケ歌唱映像が生成され、あるいはコラボレーション歌唱映像作成手段66の機能によりコラボレーションのカラオケ歌唱映像が作成されると、歌唱映像送信手段67の機能により、カラオケ歌唱映像及び楽曲識別情報(例えば、楽曲名や楽曲ID)を映像サーバ20に送信する。
【0054】
<音量判定手段>
音量判定手段68は、コラボレーションのカラオケ歌唱映像を構成する各カラオケ歌唱映像を表示する際に、各カラオケ歌唱映像の歌唱音声の音量について、所定の基準値以上か否かをそれぞれ判定するためのプログラムからなる。具体的には、
図2に示すように、コラボレーションのカラオケ歌唱映像を構成する各カラオケ歌唱映像に付帯された音声について音量を時系列に判定する。
【0055】
また、コラボレーションのカラオケ歌唱映像を再生しながら、自ら歌唱を行っている利用者の歌唱映像についても、同様に入力された歌唱音声の音量を判定することができる。このような構成の場合には、後に詳述するが、歌唱映像特定表示制御手段69の機能により、コラボレーションのカラオケ歌唱映像を再生しながら、自ら歌唱を行っている利用者の歌唱映像についても、その歌唱音声の音量に合わせた態様の表示を行うことができる。
【0056】
<歌唱映像特定表示制御手段>
歌唱映像特定表示制御手段69は、音量判定手段68により判定された歌唱音声の音量が所定の基準値以上であるカラオケ歌唱映像を特定可能に表示するためのプログラムからなる。なお、音量を判断するための基準値は1つだけに限られず、2つ以上であってもよい。すなわち、大きな声で歌唱している利用者(例えば、主旋律を歌唱してる利用者)のカラオケ歌唱映像と、小さな声で歌唱している利用者(例えば、補助的に小声で歌唱している利用者)のカラオケ歌唱映像と、まったく音声を発していない利用者(例えば、歌唱区間以外で合いの手を入れている歌唱者)のカラオケ映像とを、それぞれ区別してもよい。
【0057】
カラオケ歌唱映像の強調表示とは、例えば、画面表示の大きさを大きくすること、映像の明るさを高めること、画面に枠を付けて表示すること、他のカラオケ歌唱映像を非表示とすること等をいう。なお、利用者全員のカラオケ歌唱映像に付帯した歌唱音声の音量が所定の基準値以下である場合、あるいは利用者全員のカラオケ歌唱映像に付帯した歌唱音声の音量がほぼ同一の場合には、利用者全員のカラオケ歌唱映像を同様の態様で表示する。
【0058】
図3は、
図2に示す区間aのカラオケ歌唱映像の表示例を示すものであり、基準値以上の音量で歌唱している利用者のカラオケ歌唱映像A及びカラオケ歌唱映像Bを大きく表示し、歌唱を行っていない利用者のカラオケ歌唱映像Cを小さく表示している。また、
図4は、
図2に示す区間bのカラオケ歌唱映像の表示例を示すものであり、基準値以上の音量で歌唱している利用者のカラオケ歌唱映像Aを大きく表示し、歌唱を行っていない利用者のカラオケ歌唱映像B及びカラオケ歌唱映像Cを小さく表示している。
【0059】
また、上述したように、現に歌唱姿態が撮影されていると共に、その歌唱音声が入力されている利用者のカラオケ歌唱映像を含めて、音量判定手段68により判定された歌唱音声の音量が所定の基準値以上であるカラオケ歌唱映像を特定可能に表示してもよい。
【0060】
<映像サーバ>
映像サーバ20は、カラオケ歌唱映像を格納して公開するためのサーバで、カラオケ歌唱映像を格納するHDD(図示せず)サーバ制御手段21、送受信手段22、歌唱映像管理手段23、歌唱映像公開手段24、歌唱映像データベース25を備えている。なお、カラオケ歌唱映像を管理するための専用の映像サーバ20を備えるのではなく、他のサーバに映像サーバ20の機能を兼ね備えさせてもよい。また、仮想化技術により、一つのサーバを複数の機能を有するサーバとして機能させ、仮想化サーバの一つとして映像サーバ20を構築することができる。
【0061】
<サーバ制御手段/送受信手段>
サーバ制御手段21は、映像サーバ20を統括的に制御するための手段であり、CPU及びその周辺機器を含んで構成され、CPU等がROM等に格納されたプログラムに従って動作することにより制御機能を発揮するようになっている。送受信手段22は、各カラオケ演奏端末30との間で、カラオケ歌唱映像等の各種データの送受信を行うための手段であり、通信ネットワーク(インターネット40)における通信方式の整合性を保つための通信回路やプログラムにより構成される。
【0062】
<歌唱映像管理手段>
歌唱映像管理手段23は、少なくとも、カラオケ楽曲の楽曲識別情報(例えば、楽曲名や楽曲ID)と、当該カラオケ楽曲のカラオケ歌唱映像(コラボレーションのカラオケ歌唱映像を含む)とを関連付けて、歌唱映像データベース25に登録して管理するためのプログラムからなる。歌唱映像データベース25は、例えば、カラオケ歌唱映像を識別するための映像ID、楽曲名、利用者ID等が関連付けて構成されている。さらに、歌唱映像データベース25の構成データとして、利用者のハンドルネーム、撮影日時、利用者の性別、アーティスト名、作曲者名、男声パートや女声パート等の歌唱パート、Aメロ、Bメロ、サビ等の歌唱区間、主旋律やハモリパート等のボーカル種別、歌唱区間外の音声入力等からなる歌唱態様種別等を含んでいてもよい。
【0063】
<歌唱映像公開手段>
歌唱映像公開手段24は、少なくとも、カラオケ楽曲の楽曲識別情報(例えば、楽曲名や楽曲ID)を検索項目として、各カラオケ歌唱映像を検索可能に公開するためのプログラムからなる。すなわち、歌唱映像公開手段24は、カラオケ演奏端末30で生成したカラオケ歌唱映像又は作成したコラボレーションのカラオケ歌唱映像を、所定の記憶領域(例えば、HDD)に格納して管理する。なお、公開する各カラオケ歌唱映像自体にインデックスを付すのではなく、歌唱映像データベース25と連動させてカラオケ歌唱映像の検索を行うように構成してもよい。
【0064】
また、検索項目は楽曲識別情報のみに限られず、利用者のハンドルネーム、撮影日時、利用者の性別、アーティスト名、作曲者名、男声パートや女声パート等の歌唱パート、Aメロ、Bメロ、サビ等の歌唱区間、主旋律やハモリパート等のボーカル種別、歌唱区間外の音声入力等からなる歌唱態様種別等を含ませてもよい。
【0065】
上述したように、公開されたカラオケ歌唱映像の検索及び抽出は、例えば、カラオケ演奏端末30の機能として実施してもよいし、インターネット40を介してネットワーク接続された利用者のパーソナルコンピュータ(図示せず)の機能として実施してもよい。この場合には、利用者のパーソナルコンピュータを、インターネット40を介して、映像サーバ20に接続することにより、所望の歌唱映像を検索して抽出することができる。
【0066】
<他の実施形態>
本発明のコラボレーション歌唱映像表示システム10及びその周辺装置を構成する機器や手段は上述したものに限定されず、その利用目的に応じて、必要な機器や手段のみの構成としたり、適宜他の機器や手段を付加したりすることができる。また、各手段をそれぞれ別個のものとして構成するのではなく、複数の機能を統合した手段として構成してもよい。さらに、ネットワークを介して複数のカラオケ演奏端末30を接続するのではなく、一つの店舗内において、LAN接続された複数のカラオケ演奏端末30と、当該店舗内に設置された映像サーバ20とを利用して、コラボレーション歌唱映像表示システム10を構成してもよい。
【0067】
また、歌唱映像送信手段67の機能により、単独の歌唱映像とコラボレーションの歌唱映像の双方を処理するのではなく、単独歌唱映像送信手段と、コラボレーション歌唱映像送信手段とを設けて、機能を分担するようにしてもよい。この場合には、単独歌唱映像送信手段では、生成したカラオケ歌唱映像と、特定した歌唱態様種別と、カラオケ楽曲の楽曲識別情報(例えば、楽曲名や楽曲ID)とを映像サーバに送信し、コラボレーション歌唱映像送信手段では、コラボレーションのカラオケ歌唱映像と、新たに生成するカラオケ歌唱映像について特定した歌唱態様及び当該歌唱態様種別をダウンロードした歌唱態様種別とを一纏めにした歌唱態様種別と、カラオケ楽曲の楽曲識別情報(例えば、楽曲名や楽曲ID)とを映像サーバに送信する。