(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
相互にデータ通信可能なカラオケ演奏装置と複数の携帯情報端末とを備え、複数の歌唱者がそれぞれ割り当てられた歌唱パートを歌唱するカラオケ楽曲の演奏に際して、各歌唱者がそれぞれ歌唱すべき歌唱区間の演奏開始前に、各歌唱者の携帯情報端末の音声出力機能を用いて、各歌唱者がそれぞれ歌唱すべき歌詞を事前報知する歌詞事前報知機能を有するカラオケシステムにおいて、
前記各携帯情報端末を所持するそれぞれの歌唱者が歌唱すべき歌唱パートを決定する歌唱パート決定手段を備え、
前記決定された各歌唱パートに応じて、各歌唱者が所持する前記携帯情報端末から、各歌唱者が歌唱すべき歌唱パートの歌詞を音声出力することを特徴とするパート別歌唱に対応したカラオケシステム。
前記事前報知するデフォルトの歌詞に対応させて歌唱者が作成した任意の歌詞を、前記各歌唱者がそれぞれ歌唱すべき歌詞として事前報知することを特徴とする請求項1又は2に記載のパート別歌唱に対応したカラオケシステム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、特許文献1に記載された技術を用いることにより、歌唱者に対して歌唱すべき歌詞を報知することができるが、特許文献1に記載された技術は、デュエット曲のように複数の歌唱者がそれぞれ割り当てられた歌唱パートを歌唱するカラオケ楽曲を想定したものではなく、それぞれの歌唱パートを区別して、歌詞を音声出力することはできない。このため、歌唱者は、自らの歌唱パートを歌唱するタイミングを認識することができずに、間違って他人が歌唱すべき歌唱パートを歌唱してしまうおそれがあり、カラオケ本来の楽しさを十分に味わうことができなかった。
【0007】
本発明は、上述した事情に鑑み提案されたもので、複数の歌唱者がそれぞれ割り当てられた歌唱パートを歌唱するカラオケ楽曲の演奏に際して、各歌唱者がそれぞれ歌唱すべき歌唱区間の演奏開始前に、各歌唱者の携帯情報端末の音声出力機能を用いて、歌唱者毎にそれぞれ歌唱すべき歌詞を確実に区別して報知することが可能なカラオケシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のパート別歌唱に対応したカラオケシステムは、上述した事情に鑑み提案されたもので、以下の特徴点を有している。すなわち、本発明のパート別歌唱に対応したカラオケシステムは、相互にデータ通信可能なカラオケ演奏装置と複数の携帯情報端末とを備え、複数の歌唱者がそれぞれ割り当てられた歌唱パートを歌唱するカラオケ楽曲の演奏に際して、各歌唱者がそれぞれ歌唱すべき歌唱区間の演奏開始前に、各歌唱者の携帯情報端末の音声出力機能を用いて、各歌唱者がそれぞれ歌唱すべき歌詞を事前報知する歌詞事前報知機能を有するカラオケシステムにおいて、歌唱パート決定手段を備えたことを特徴とするものである。
【0009】
歌唱パート決定手段は、各携帯情報端末を所持するそれぞれの歌唱者が歌唱すべき歌唱パートを決定するための手段である。そして、歌唱パート決定手段で決定された各歌唱パートに応じて、各歌唱者が所持する携帯情報端末から、各歌唱者が歌唱すべき歌唱パートの歌詞を音声出力するようになっている。
【0010】
また、本発明のパート別歌唱に対応したカラオケシステムは、上述した構成において、各携帯情報端末に入力された各歌唱者の音声の周波数特性を検出する音声周波数特性検出手段を備えることが可能である。この場合に、歌唱パート決定手段は、検出した音声周波数特性に基づき、各歌唱者が歌唱すべき歌唱パートを決定することが可能である。
【0011】
また、本発明のパート別歌唱に対応したカラオケシステムは、上述した構成において、事前報知するデフォルトの歌詞に対応させて歌唱者が作成した任意の歌詞を、各歌唱者がそれぞれ歌唱すべき歌詞として事前報知することが可能である。
【0012】
このような構成からなるパート別歌唱に対応したカラオケシステムでは、例えば、デュエット曲のように、複数の歌唱者がそれぞれ割り当てられた歌唱パートを歌唱するカラオケ楽曲を演奏する際に、歌唱パート決定手段の機能により、各歌唱者が歌唱すべき歌唱パートを決定する。
【0013】
各歌唱者は、それぞれ携帯情報端末を所持しているので、歌唱者が歌唱すべき歌唱パートを決定すれば、パート毎に歌詞を事前報知する携帯情報端末も特定されることになる。そして、各歌唱者が所持する携帯情報端末歌詞事前報知機能により、決定された各歌唱パートに応じて、各歌唱者が歌唱すべき歌唱パートの歌詞を音声出力する。
【0014】
また、各携帯情報端末に入力された各歌唱者の音声の周波数特性を検出する音声周波数特性検出手段を備えている場合には、各携帯情報端末を所持する歌唱者が各携帯情報端末に音声を入力すると、その周波数特性に基づいて、歌唱パート決定手段は、歌唱すべき歌唱パートを決定する。特に、男女が一緒に歌唱するデュエット曲の場合には、男性が発する音声と、女性が発する音声とはほぼ正確に区別することができるため、それぞれ男声パート及び女声パートを割り当てることができる。
【0015】
また、事前報知するデフォルトの歌詞に対応させて歌唱者が作成した任意の歌詞を、各歌唱者がそれぞれ歌唱すべき歌詞として事前報知することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明のパート別歌唱に対応したカラオケシステムによれば、複数の歌唱者がそれぞれ割り当てられた歌唱パートを歌唱するカラオケ楽曲(例えば、デュエット曲)を演奏する際に、各歌唱パートを歌唱する歌唱者を決定することにより、各歌唱パートの歌詞を音声出力すべき携帯情報端末が特定される。そして、各歌唱者がそれぞれ歌唱すべき歌唱区間の演奏開始前に、各歌唱者の携帯情報端末の音声出力機能を用いて、歌唱者毎にそれぞれ歌唱すべき歌詞を確実に区別して報知することにより、各歌唱者は、自らの歌唱パートにおいて歌唱すべき歌詞を確実に認識することができる。
【0017】
また、音声周波数特性検出手段を備えた場合には、各歌唱者が所持する携帯情報端末から入力された音声の周波数特性を検出して、歌唱者が歌唱すべき歌唱パートを自動的に区別して決定することができるので、歌唱者毎に歌唱すべき歌唱パートを決定する手間を省くことができる。
【0018】
また、事前報知するデフォルトの歌詞に対応させて歌唱者が作成した任意の歌詞を、各歌唱者がそれぞれ歌唱すべき歌詞として事前報知することができるようにした場合には、例えば、デュエット相手に対して、デフォルトの歌詞に代替して歌唱して貰いたい歌詞を報知することができる。この代替歌詞は、表示装置の表示画面に表示されるのではなく、デュエット相手の携帯情報端末の音声出力機能により出力されるため、一緒にカラオケを楽しんでいる他の利用者に知られることなく、デュエット相手にのみ報知することができる。したがって、デュエット相手との親密感等を深めることができ、カラオケの楽しさをより一層高めることができる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図面を参照して、本発明のパート別歌唱に対応したカラオケシステムの実施形態について説明する。
図1及び
図2は本発明の実施形態に係るパート別歌唱に対応したカラオケシステムを示すもので、
図1はパート別歌唱に対応したカラオケシステムの構成を示すブロック図、
図2はデュエット曲における歌詞事前報知を説明する説明図である。
【0021】
<パート別歌唱に対応したカラオケシステムの概要>
本発明の実施形態に係るパート別歌唱に対応したカラオケシステム10は、
図1に示すように、相互にデータ通信可能なカラオケ演奏装置30と複数の携帯情報端末20とを備え、複数の歌唱者がそれぞれ割り当てられた歌唱パートを歌唱するカラオケ楽曲(例えば、デュエット曲)の演奏に際して、各歌唱者がそれぞれ歌唱すべき歌唱区間の演奏開始前に、各歌唱者の携帯情報端末20の音声出力機能を用いて、各歌唱者がそれぞれ歌唱すべき歌詞を事前報知する歌詞事前報知機能を有するカラオケシステム10に適用する技術である。
【0022】
このパート別歌唱に対応したカラオケシステム10は、各携帯情報端末20を所持するそれぞれの歌唱者が歌唱すべき歌唱パートを決定する歌唱パート決定手段50を備えている。さらに、音声周波数特性検出手段25を備えていてもよい。本実施形態において、歌唱パート決定手段50は、カラオケ演奏装置30の機能手段として実現し、音声周波数特性検出手段25は、携帯情報端末20の機能手段として実現する。なお、歌唱パート決定手段50を、携帯情報端末20の機能手段として実現してもよく、音声周波数特性検出手段25を、カラオケ演奏装置30の機能手段として実現してもよい。
【0023】
また、パート別歌唱に対応したカラオケシステム10を構成するための手段として、以下の手段を備えている。すなわち、携帯情報端末20の機能手段として、歌詞事前報知利用状況検出手段21と、検出結果送信手段22とを備えている。さらに、携帯情報端末20の機能手段として、姿勢検出手段23と、音声出力制御手段24とを備えることが可能である。また、パート別歌唱に対応したカラオケシステム10は、カラオケ演奏装置30の機能手段として、検出結果受信手段47と、歌詞文字表示手段48と、歌詞文字表示制御手段49とを備えている。
【0024】
なお、以下の説明において、プログラムとは、RAM等に記憶され、CPU等のハードウェアで実行されることにより、その機能を発揮するソフトウェアだけではなく、同等の機能を発揮することが可能な論理回路も含む概念である。
【0025】
<カラオケ演奏装置>
本発明の実施形態に係るパート別歌唱に対応したカラオケシステム10を適用するカラオケ演奏装置30は、
図1に示すように、カラオケ本体31、スピーカ32、マイクロホン33、表示装置34、ミキシングアンプ35、カラオケリモコン装置36を備えている。なお、図示しないが、カラオケ演奏装置30は、ルータ60及びデータ通信回線を介して、管理サーバとネットワーク接続されていてもよい。
【0026】
<カラオケリモコン装置>
カラオケリモコン装置36は、ユーザインタフェース機能を備えており、ルータ60を介して、カラオケ本体31のネットワーク送受信手段41との間でデータの送受信を行うようになっている。このカラオケリモコン装置36は、楽曲検索手段36aとして機能するプログラム、楽曲索引データベース36b、種々のデータを記憶するためのデータ記憶部36c、データの入出力を行うための入出力表示部36d等を備えている。このカラオケリモコン装置36に付帯するスイッチ類や、入出力表示部36dに表示される各種のアイコン等を操作することにより、選曲操作等が行われる。
【0027】
なお、本発明では、カラオケ演奏装置30と、利用者が所持する携帯情報端末20とをペアリングすることにより、相互にデータの送受信を可能としている。したがって、携帯情報端末20に選曲予約のためのアプリケーションソフトをインストールして、当該携帯情報端末20に選曲予約機能を持たせることもできる。
【0028】
<楽曲検索手段/楽曲索引データベース>
楽曲検索手段36aは、利用者の指示に基づき、楽曲索引データベース36bを参照して楽曲を検索するためのプログラムからなる。楽曲索引データベース36bは、カラオケ演奏装置30で演奏に供されるカラオケ楽曲について、その属性情報を記述したデータベースであり、例えば、楽曲番号・曲名・アーティスト名・歌い出し部分の歌詞・流行時期・音楽ジャンル区分・デュエット曲か否かなど、種々の属性情報がこれに含まれている。
【0029】
<マイクロホン>
マイクロホン33は、歌唱音声の入力を行うための装置である。マイクロホン33から入力された歌唱音声信号は、ミキシングアンプ35により、音楽再生制御手段から送出される演奏音声信号とミキシングされると共に増幅され、スピーカ32へ出力される。なお、図示しないが、マイクロホン33からの音声入力信号をA/Dコンバータによりデジタル変換し、採点処理手段における歌唱採点等に使用してもよい。
【0030】
<表示装置>
表示装置34は、カラオケ楽曲に関連した背景映像や歌詞テロップ等を表示するための装置で、例えば、液晶ディスプレイ等により構成される。
【0031】
<携帯情報端末>
携帯情報端末20は、利用者が所持するスマートフォン等からなり、カラオケ演奏装置30とペアリングすることにより、相互にデータの送受信をすることが可能となる。この携帯情報端末20は、歌詞事前報知利用状況検出手段21、検出結果送信手段22を備えている。また、携帯情報端末20は、姿勢検出手段23、音声出力制御手段24、音声周波数特性検出手段25をさらに備えていてもよい。なお、これらの各手段は、歌詞事前報知機能を実現するためのアプリケーションソフトをインストールすることにより、その機能が実現される。
【0032】
図1に示す例では、ルータ60を介して、携帯情報端末20とカラオケ演奏装置30のネットワーク送受信手段41とを接続しているが、携帯情報端末20とカラオケ演奏装置30の間におけるデータの送受信は、近距離無線通信等を利用してもよい。
【0033】
<音声周波数特性検出手段>
音声周波数特性検出手段25は、各携帯情報端末20のマイクロホン33から入力された利用者の音声の周波数特性を検出するためのプログラムからなる。この音声周波数特性検出手段25の機能により、マイクロホン33から入力された利用者の音声周波数を解析する。この音声周波数解析により、男女別の音声等を識別することができる。後に詳述するが、音声周波数特性検出手段25による検出結果は、歌唱パート決定手段50における各歌唱者が歌唱すべき歌唱パートの決定に利用することができる。
【0034】
<姿勢検出手段>
姿勢検出手段23は、携帯情報端末20の姿勢を検出するための機器及びプログラムからなり、例えば、携帯情報端末20を縦方向に所持しているか、あるいは横方向に所持しているか等を検出することができる。具体的には、3次元の角加速度を感知するジャイロセンサや、基準軸からの回転角度を検出するための回転ベクトルセンサ等により携帯情報端末20の姿勢を検出することができる。
【0035】
<歌詞事前報知利用状況検出手段>
歌詞事前報知利用状況検出手段21は、歌唱者が歌詞事前報知機能を利用しているか否かを検出するためのプログラムからなる。例えば、歌詞事前報知を行うためのアプリケーションソフトを立ち上げて、所定の操作を行うことにより、歌詞事前報知を行うことができるようになる。そして、歌詞事前報知利用状況検出手段21は、歌詞事前報知機能が動作している場合に、歌唱者が歌詞の音声出力を実際に聴取しているか否か、すなわち、歌唱者が歌詞事前報知機能を利用しているか否かを検出する。
【0036】
歌詞事前報知機能を利用しているか否かの検出は、携帯情報端末20が具備する所定の操作子の操作を操作したか否かに基づいて実行することができる。例えば、歌唱者が携帯情報端末20の表示操作画面(タッチパネル)に表示される所定の操作子(操作アイコン)にタッチしている場合は、歌詞事前報知機能を利用していると判断し、所定の操作子にタッチしていない場合は、歌詞事前報知機能を利用していないと判断すればよい。
【0037】
また、歌詞事前報知機能を利用しているか否かの検出は、携帯情報端末20の姿勢に基づいて実行することができる。すなわち、歌唱者が歌詞事前報知機能を利用する場合には、携帯情報端末20のスピーカを自らの耳に近接させることが一般的である。一方、歌唱者が歌詞事前報知機能を利用していない場合には、携帯情報端末20をテーブル上に置き、あるいは携帯情報端末20を持った手を下側に下げた状態になると推測することができる。
【0038】
したがって、例えば、姿勢検出手段23が検出した携帯情報端末20の姿勢が縦方向(略鉛直方向)の場合には、歌詞事前報知機能を利用していると判断し、姿勢検出手段23が検出した携帯情報端末20の姿勢が横方向(略水平方向)の場合には、歌詞事前報知機能を利用していないと判断する。
【0039】
<検出結果送信手段>
検出結果送信手段22は、歌詞事前報知利用状況検出手段21における検出結果を、カラオケ演奏装置30に送信するための機器及びプログラムからなる。後に詳述するが、歌詞事前報知機能の利用に関する検出結果を受信したカラオケ演奏装置30では、当該情報を用いて歌詞文字の表示制御を行う。
【0040】
<音声出力制御手段>
音声出力制御手段24は、歌詞事前報知機能による音声出力を行わないように制御するためのプログラムからなる。すなわち、音声出力制御手段24は、歌詞事前報知利用状況検出手段21の検出結果が、歌詞事前報知機能を利用中でないことを示す場合に、携帯情報端末20の音声出力機能を用いた歌詞事前報知を行わないように制御する。これにより、歌詞事前報知機能が動作中であっても、実際に歌唱者が歌詞事前報知の音声出力を聴取していない場合には音声出力のみを停止させることができるので、携帯情報端末20の消費電力をセーブすることができる。
【0041】
また、歌詞事前報知利用状況検出手段21の検出結果が、歌詞事前報知機能を利用中であることを示す場合には、音声出力制御手段24は、歌詞事前報知機能による音声出力を行うように制御し、歌唱者の歌唱を支援する。
【0042】
<カラオケ本体>
カラオケ本体31は、ネットワーク送受信手段41、中央制御手段42、ROM43、RAM44、HDD45、予約管理手段46、検出結果受信手段47、歌詞文字表示手段48、歌詞文字表示制御手段49、歌唱パート決定手段50、音楽再生制御手段51、映像再生制御手段52を備えている。
【0043】
<中央制御手段>
中央制御手段42は、カラオケ本体31を総合的に制御するための手段であり、例えばCPU及びその周辺機器により構成されており、CPU等がROM43等に記憶されたプログラムに従って動作することにより、制御機能を発揮することができるようになっている。
【0044】
<ROM/RAM>
ROM43は、カラオケ本体31を構成する各機器を制御するためのプログラムデータや数値データを記憶するための機器で、例えば半導体メモリ等で構成される。また、RAM44は、プログラムや各種データを一時的に記憶する一時記憶領域として機能するもので、例えば半導体メモリ等で構成される。
【0045】
本実施形態では、RAM44に、予約待ち行列44aが記憶されるようになっている。なお、予約待ち行列44aは、選曲予約されたカラオケ楽曲について、演奏順に楽曲IDを並べて構成されたデータテーブルであり、選曲予約者の利用者ID等、他の識別データが紐付けされている場合もある。
【0046】
<HDD>
HDD45は、大容量記憶装置として機能するもので、楽曲データベース45a、映像データベース45bが格納されている。なお、HDD45に替えて、あるいはHDD45と共に、データを書き替え可能なDVD等の大容量記憶装置を用いてもよい。
【0047】
<楽曲データベース/映像データベース>
楽曲データベース45aは、演奏制御データ(MIDI規格のデータ)及び歌詞描出データが同期されて構成される楽曲データについて、楽曲IDと対応付けてそれぞれ構成されたデータベースである。演奏制御データは、各楽曲の演奏を制御するためのデジタルデータであり、歌詞描出データは演奏に同期した歌詞文字の表示タイミングデータ及び色変わりデータを含んでいる。映像データベース45bは、演奏されるカラオケ楽曲に対応した背景映像を、当該カラオケ楽曲の楽曲IDに対応させた映像ファイルとして所定数格納したデータベースである。
【0048】
<ネットワーク送受信手段>
ネットワーク送受信手段41は、ルータ60を介して携帯情報端末20との間でデータの送受信を行うための電子回路及びプログラムからなる。また、図示しないが、カラオケ演奏装置30がルータ60を介して管理サーバ等にネットワーク接続(店内LAN接続を含む)されている場合には、ネットワーク送受信手段41の機能により、管理サーバ等の間で行われるデータの送受信も制御する。
【0049】
さらに、ローカル送受信手段を設けて、カラオケ本体31とカラオケリモコン装置36との間で、赤外線通信等によるデータの送受信を行い、カラオケ本体31とカラオケリモコン装置36とのペアリング等を行ってもよい。
【0050】
<予約管理手段>
予約管理手段46は、任意の利用者が選曲予約する際に、当該選曲されたカラオケ楽曲の楽曲IDを含む予約待ち行列44aを作成して管理するためのプログラムからなる。すなわち、予約管理手段46は、利用者により楽曲検索手段36aの機能を用いて選曲された楽曲IDを演奏順に並べて予約待ち行列44aを作成し、この予約待ち行列44aをRAM44に格納して管理する。また、予約待ち行列44aに選曲者の利用者IDを含める場合には、利用者IDの取得が必要となる。
【0051】
利用者IDは、利用者IDカードに記憶された利用者IDをカードリーダにより読み取り、あるいは、カラオケリモコン装置36の入出力表示部36dを用いて入力された利用者ID及びパスワードに基づいて取得すればよい。さらに、利用者が携帯する携帯情報端末20を用いて予約を行う機能を有する場合には、当該携帯情報端末20の機器IDに紐付けされた利用者IDを取得してもよい。また、カラオケ演奏装置30を使用する際に、利用者に対して一時的に利用者IDを付与してもよい。
【0052】
<歌唱パート決定手段>
歌唱パート決定手段50は、各携帯情報端末20を所持するそれぞれの歌唱者が歌唱すべき歌唱パートを決定するためのプログラムからなる。すなわち、デュエット曲のように、複数の歌唱者がそれぞれ割り当てられた歌唱パートを歌唱するカラオケ楽曲の場合には、各歌唱者が歌唱すべき歌唱パートを決定する必要がある。
【0053】
歌唱パート決定手段50により歌唱パートの決定は、利用者の指示入力に基づいて行ってもよいし、歌唱パート決定手段50が自動的に行ってもよい。例えば、デュエット曲を予約選曲する際に、男声パートは利用者Aが歌唱し、女性パートは利用者Bが歌唱するという指示入力を行い、歌唱パート決定手段50は当該指示入力に基づいて、各利用者の歌唱パートを決定するとともに、各歌唱パートにおいて歌詞事前報知を行う携帯情報端末20を特定する。
【0054】
また、各携帯情報端末20に入力された各歌唱者の音声の周波数特性を検出する音声周波数特性検出手段25を備えている場合に、音声周波数特性検出手段25により検出した音声周波数特性に基づき、歌唱パート決定手段50は、各歌唱者が歌唱すべき歌唱パートを決定する。例えば、男女が一緒に歌唱を行うデュエット曲の場合に、各携帯情報端末20を所持する歌唱者が各携帯情報端末20に音声を入力すると、その周波数特性に基づいて、それぞれ男声パート及び女声パートを決定して割り当てることができる。また、歌唱パートを決定する際に、各歌唱者の歌唱履歴から得意とする歌唱パートが明らかな場合には、当該歌唱履歴に基づいて、それぞれの歌唱パートを決定してもよい。
【0055】
<検出結果受信手段>
検出結果受信手段47は、携帯情報端末20の検出結果送信手段22により送信される検出結果を受信するためのプログラムからなる。なお、携帯情報端末20から送信される信号は、ネットワーク送受信手段41の機能により受信する。受信手段受信した検出結果は、歌詞文字表示制御手段49における歌詞文字の表示制御に利用される。
【0056】
<歌詞文字表示手段>
歌詞文字表示手段48は、カラオケ楽曲の演奏進行に合わせて歌詞文字の表示を行うためのプログラムからなる。すなわち、歌詞文字表示手段48は、演奏データに含まれる歌詞描出データに基づいて、表示装置34の表示画面に表示するための歌詞文字を生成する。この歌詞文字は、映像再生制御手段52の機能により背景映像にスーパーインポーズして、当該カラオケ楽曲の演奏データに同期させて表示装置34に出力される。
【0057】
<歌詞文字表示制御手段>
歌詞文字表示制御手段49は、検出結果受信手段47により受信した検出結果が、歌詞事前報知機能を利用中であることを示す場合に、歌詞文字の表示を行わないように歌詞文字表示手段48を制御するためのプログラムからなる。すなわち、歌詞事前報知機能を利用中である場合に、歌唱者は音声出力により歌詞文字を事前に認識することができるため、表示装置34の表示画面において、背景映像にスーパーインポーズして歌詞文字を表示する必要はない。また、歌詞文字を表示しないことにより、歌唱者及び一緒にカラオケを楽しんでいる利用者は、背景映像を十分に楽しむことができる。そこで、歌詞文字表示制御手段49は、歌詞事前報知機能を利用中である場合に、歌詞文字の表示を行わない制御を行う。
【0058】
<音楽再生制御手段>
音楽再生制御手段51は、楽曲IDに基づいて演奏データから抽出された演奏制御データに基づいて、音源データをデジタル再生すると共にアナログ変換してミキシングアンプ35に出力するための電子回路である。上述したように、ミキシングアンプ35は、マイクロホン33から入力された歌唱者の歌唱音声信号と、音楽再生制御手段51から送出される演奏音声信号とをミキシングすると共に、アンプ機能により増幅してスピーカ32より出力するための装置である。
【0059】
<映像再生制御手段>
映像再生制御手段52は、カラオケ楽曲の演奏中に、映像データベース45bから抽出した背景映像データと、演奏データに含まれる歌詞描出データに基づいて作成される歌詞文字とを、当該カラオケ楽曲の演奏データに同期させて表示装置34に出力する。なお、本発明では、歌詞文字の生成については、歌詞文字表示制御手段49の制御を受けている。
【0060】
<デュエット曲における歌詞事前報知>
図2を参照して、デュエット曲における歌詞事前報知を説明する。なお、以下に説明する例では、歌唱パート決定手段50の機能により、各歌唱者が歌唱すべき歌唱パートが決定されているものとする。
図2に示す例では、歌唱者Aが男声パートを歌唱し、歌唱者Bが女声パートを歌唱するものとする。
【0061】
デュエット曲において歌詞を事前報知するには、
図2に示すように、歌唱パート決定手段50の機能により決定された各歌唱者が歌唱すべき歌唱パートに対して、各歌唱者が所持する携帯情報端末20のスピーカ32から歌唱すべき歌詞を音声出力する。上述したように、歌詞の音声出力は、各歌唱者がそれぞれ歌唱すべき歌唱区間の演奏開始前に行われる。
【0062】
図2に示す例では、男声パートが開始する前に歌唱者Aが所持する携帯情報端末20のスピーカ32から男声パートの歌詞を音声出力し、女声パートが開始する前に歌唱者Bが所持する携帯情報端末20のスピーカ32から女声パートの歌詞を音声出力し、混声パートが開始する前に歌唱者A及び歌唱者Bが所持する携帯情報端末20のスピーカ32から混声パートの歌詞を音声出力する。
【0063】
また、本実施形態では、事前報知するデフォルトの歌詞に対応させて歌唱者が作成した任意の歌詞を、各歌唱者がそれぞれ歌唱すべき歌詞として事前報知する機能を持たせることができる。この代替歌詞表示機能を利用するには、例えば、パーソナルコンピュータや携帯情報端末20を用いて、利用者がデュエット相手に歌唱して貰いたい歌詞データを作成しておく。そして、歌詞事前報知機能を利用する際に、カラオケ演奏端末30あるいはデュエット相手の携帯情報端末20に対して、当該歌詞データを送信し、デュエット相手の携帯情報端末20において歌詞を音声出力する際に、デフォルトの歌詞に代替して、当該作成した歌詞を音声出力すればよい。このような代替歌詞表示機能を持たせることにより、デュエット相手との親密感等を深めることができ、カラオケの楽しさをより一層高めることができる。
【0064】
<他の実施形態>
本発明のシステム及びその周辺装置を構成する機器や手段は上述したものに限定されず、その利用目的に応じて、必要な機器や手段のみの構成としたり、適宜他の機器や手段を付加したりすることができる。また、各手段をそれぞれ別個のものとして構成するのではなく、複数の機能を統合した手段として構成してもよい。