(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、第1の実施形態によるナースコールシステムの全体構成例を示す図である。
図1に示すように、第1の実施形態によるナースコールシステムは、ナースコール子機1、廊下灯2、ナースコール制御機3、ナースコール親機4、ハンディナースコール主装置5、構内交換機(PBX)6、無線基地局7および複数の携帯端末10
-1,10
-2,10
-3,10
-4を備えて構成されている。
【0013】
ナースコール子機1は、患者が看護師を呼び出すためのものであり、病室の各ベッドサイドに設置される。このナースコール子機1は、患者が看護師を呼び出すための呼出ボタン、患者が看護師と通話を行う際に使用するマイクおよびスピーカを備えている。
【0014】
廊下灯2は、各病室の入口付近外部に設置され、病室内の患者名が表示されるとともに、病室内の患者がナースコール子機1を用いて看護師の呼び出しを行うと、呼び出しが行われたことが表示されるようになっている。
【0015】
ナースコール制御機3は、廊下灯2とナースコール親機4およびハンディナースコール主装置5との間に配置され、通話やデータの送受信に関する制御を行う。本実施形態のナースコールシステムでは、携帯端末10
-1,10
-2,10
-3,10
-4の何れかでナースコール子機1からの呼び出しに応答して通話をしている際に、その状態を他の端末でモニタできるようになされている。ナースコール制御機3は、このモニタに関する制御も行う。
【0016】
ナースコール親機4は、患者(ナースコール子機1)からの呼び出しに対する応答の操作または患者(ナースコール子機1)に対する呼び出しの操作を行うためのものであり、例えばナースセンタに設置される。
【0017】
ハンディナースコール主装置5は、PBX6を介して、看護師が所持する携帯端末10
-1,10
-2,10
-3,10
-4との間で通話やデータの送受信に関する制御を行う。このハンディナースコール主装置6は、例えば病院内の通信センタに設置される。無線基地局7は、携帯端末10
-1,10
-2,10
-3,10
-4との間で通話やデータの無線通信をするためのものであり、PBX6と接続されている。
【0018】
以上のように、ナースコール制御機3と携帯端末10
-1,10
-2,10
-3,10
-4との間における通話やデータのやり取りはハンディナースコール主装置5、PBX6および無線基地局7を介して行われるが、以下では、このハンディナースコール主装置5、PBX6および無線基地局7の部分の説明は省略する。
【0019】
図2は、第1の実施形態によるナースコール制御機3および携帯端末10
-1,10
-2,10
-3,10
-4の機能構成例を示すブロック図である。なお、以下では説明の便宜上、ナースコール子機1からの呼び出しに対して携帯端末10
-1(特許請求の範囲の「一の携帯端末」に相当)にて看護師が応答を行ったものとする。以下では、これを「応答携帯端末10
-1」と称する。
【0020】
また、携帯端末10
-4は、モニタを行う看護師が所持する携帯端末(特許請求の範囲の「他の端末」に相当)であるとする。以下では、これを「モニタ用携帯端末10
-4」と称する。また、携帯端末10
-2,10
-3は、ナースコール子機1からの呼び出しに対して応答を行っていない他の看護師が所持する携帯端末(特許請求の範囲の「他の携帯端末」に相当)であるものとする。以下では、これを「非応答携帯端末10
-2,10
-3」と称する。なお、携帯端末10
-2,10
-3の何れかにおいて呼び出しに応答した場合は、携帯端末10
-1は非応答携帯端末となる。
【0021】
図2に示すように、第1の実施形態によるナースコール制御機3は、その機能構成として、管理情報記憶部101、呼出信号受信部102、2者通話路形成部103、呼出応答情報送信部104、看護師リスト要求受信部105、看護師リスト送信部106、看護師選択情報受信部107、応援要請情報送信部108、3者通話要求受信部109および3者通話路形成部110を備えている。
【0022】
また、第1の実施形態によるモニタ用携帯端末10
-4は、その機能構成として、操作受付部201、呼出応答情報受信部202、呼出応答情報表示部203、看護師リスト要求送信部204、看護師リスト受信部205、看護師リスト表示部206および看護師選択情報送信部207を備えている。さらに、第1の実施形態による非応答携帯端末10
-2,10
-3は、その機能構成として、応援要請情報受信部301、応援要請情報表示部302、操作受付部303および3者通話要求送信部304を備えている。
【0023】
ナースコール制御機3の管理情報記憶部101は、患者に関する情報(以下、患者情報という)と、看護師に関する情報(以下、看護師情報という)と、ナースコールの呼出先に関する情報(以下、呼出先情報という)とをナースコールに関する管理情報として記憶している。
【0024】
本実施形態において患者情報は、例えば、患者の氏名、年齢、診療科、病室の部屋番号、患者が使用しているベッドを識別するベッド番号、患者を識別するための患者ID、使用するナースコール子機1を識別するための子機IDなどの情報を含む。また、看護師情報は、例えば、看護師の氏名、看護師を識別するための看護師ID、担当する患者を識別するための患者ID、使用する携帯端末10
-1,10
-2,10
-3,10
-4を識別するための端末IDなどの情報を含む。
【0025】
呼出先情報は、患者(例えば、患者ID)と、当該患者からのナースコールに対応して呼び出しを行う担当看護師(例えば、看護師ID)と、当該担当看護師が所持する携帯端末10
-1,10
-2,10
-3の端末IDおよび呼出先に関する情報(内線番号など)とを関連付けて記憶したものである。一人の患者を複数の看護師でサポートするチームナーシングを行う場合は、一人の患者と複数の担当看護師と各看護師が所持する複数の携帯端末10
-1,10
-2,10
-3の呼出先とがグルーピングされて記憶される。
【0026】
呼出信号受信部102は、患者による看護師の呼出指示を示す呼出信号をナースコール子機1から廊下灯2を介して受信する。2者通話路形成部103は、呼出信号受信部102により呼出信号が受信された場合、管理情報記憶部101に記憶されている呼出先情報を参照して、呼び出しを行ったナースコール子機1(患者)に対応付けられた複数の携帯端末10
-1,10
-2,10
-3に着信信号を送信する。携帯端末10
-1,10
-2,10
-3は、ナースコール制御機3から着信信号を受信したときに、着信音を鳴らす。
【0027】
ここで、応答携帯端末10
-1で看護師による応答操作が行われた場合、2者通話路形成部103は、呼び出しを行ったナースコール子機1とその呼び出しに応答した応答携帯端末10
-1との間の通信接続を行って2者通話路(通話の音声を通すための通話路網)を形成する。また、2者通話路形成部103は、呼び出しに応答しなかった非応答携帯端末10
-2,10
-3に着信動作を停止するための着信停止信号を送信する。
【0028】
2者通話路形成部103は、ナースコール子機1と応答携帯端末10
-1との間に2者通話路を形成した場合、管理情報記憶部101に記憶されている管理情報を参照して、どの患者とどの看護師とが通話中であるかを示す通話特定情報を、通話がキャンセルされるまで図示しないメモリに一時的に格納しておく。
【0029】
呼出応答情報送信部104は、2者通話路形成部103によってナースコール子機1と応答携帯端末10
-1との間に通話路が形成された場合、管理情報記憶部101に記憶されている管理情報を参照して、その呼び出しを行ったナースコール子機1を使用する患者を特定する患者情報(例えば、患者の氏名、年齢、診療科、部屋番号、ベッド番号)と、応答を行った応答携帯端末10
-1を所持する看護師を特定する看護師情報(例えば、看護師の氏名)とを含む呼出応答情報を生成し、当該呼出応答情報をモニタ用携帯端末10
-4に向けて送信する。
【0030】
モニタ用携帯端末10
-4の呼出応答情報受信部202は、呼出応答情報送信部104により送信された呼出応答情報を受信する。呼出応答情報表示部203は、呼出応答情報受信部202により呼出応答情報を受信したときに、その呼出応答情報に含まれている患者情報および看護師情報をモニタ用携帯端末10
-4の画面上に表示させる。
【0031】
図3は、モニタ用携帯端末10
-4に画面表示される患者情報および看護師情報の一例を示す図である。
図3に示すように、モニタ用携帯端末10
-4の画面上には、呼び出しを行った患者の氏名、年齢、診療科、部屋番号、ベッド番号を含む患者情報11と、その呼び出しに対して応答を行った看護師の氏名を含む看護師情報12とが1セットで表示される。
図3の例では、ナースコールの呼出種別(一般呼出、緊急呼出など)も患者情報11の一部として表示されている。
【0032】
なお、本実施形態では説明の便宜上、応答携帯端末10
-1を所持する看護師だけが応答を行っているものとしているが、実際の病院の運用では、同じ時間帯に複数の患者から呼び出しが発生して複数の看護師が応答しているのが通常である。
図3に示す画面例は、2つの呼出応答情報(1つは一般呼出に対する応答、もう1つは緊急呼出に対する応答)が表示された状態を示している。
【0033】
操作受付部201は、モニタ用携帯端末10
-4に対する看護師の操作を受け付ける。例えば、操作受付部201は、呼出応答情報表示部203により呼出応答情報(呼び出しを行った患者の患者情報11と応答を行った看護師の看護師情報12)が画面表示された状態において、応答を行っていない他の看護師を一覧で示す看護師リスト情報の送信を要求するためのユーザ操作を受け付ける。
【0034】
例えば、モニタ用携帯端末10
-4を使用してモニタを行う看護師は、画面表示された呼出応答情報を見て、応答中の看護師に対して他の看護師からの応援が必要と判断した場合、患者情報11または看護師情報12が表示されている位置をタッチ操作する。操作受付部201は、このタッチ操作を受け付けて、看護師リスト情報の送信を要求するためのユーザ操作が行われたことを看護師リスト要求送信部204に通知する。
【0035】
看護師リスト要求送信部204は、操作受付部201から上述の通知を受けたとき、看護師リスト要求信号をナースコール制御機3に送信する。このとき、看護師リスト要求送信部204は、タッチ操作された位置に表示されている呼出応答情報のうち、応答を行った看護師を一意に特定可能な情報(例えば、看護師の氏名。以下、これを「応答看護師情報」と称する)を含めて看護師リスト要求信号を送信する。
【0036】
ナースコール制御機3の看護師リスト要求受信部105は、看護師リスト要求送信部204により送信された看護師リスト要求信号を受信し、それを看護師リスト送信部106に通知する。看護師リスト送信部106は、看護師リスト要求受信部105から看護師リスト要求信号の通知を受けたときに、応答を行っていない他の看護師(本実施形態では、非応答携帯端末10
-2,10
-3を所持する看護師)を一覧で示す看護師リスト情報をモニタ用携帯端末10
-4に返信する。
【0037】
すなわち、看護師リスト送信部106は、看護師リスト要求信号に含まれている応答看護師情報で示されている看護師以外の看護師を、管理情報記憶部101に記憶されている看護師情報を参照することによって特定し、特定した複数の看護師の氏名を一覧で示す看護師リスト情報を生成してモニタ用携帯端末10
-4に送信する。このとき、看護師リスト送信部106は、2者通話路形成部103によって図示しないメモリに格納された通話特定情報を参照することにより、特定した複数の看護師のそれぞれについて、他の患者と通話中か否かを示す通話フラグ情報を設定した看護師リスト情報を生成するのが好ましい。
【0038】
なお、ここでは、応答を行った看護師を一意に特定可能な応答看護師情報を含めて看護師リスト要求信号を生成する例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、呼び出しを行った患者を一意に特定可能な呼出患者情報を含めて看護師リスト要求信号を生成するようにしてもよい。この場合、看護師リスト要求信号の通知を受けた看護師リスト送信部106では、2者通話路形成部103によって図示しないメモリに格納された通話特定情報を参照することにより、その患者と応答中の看護師を特定し、さらにそれ以外の他の看護師を管理情報記憶部101に記憶されている看護師情報から特定することが可能である。
【0039】
モニタ用携帯端末10
-4の看護師リスト受信部205は、看護師リスト送信部106により送信された看護師リスト情報を受信する。看護師リスト表示部206は、看護師リスト受信部205により受信された看護師リスト情報で示される看護師の氏名一覧をモニタ用携帯端末10
-4の画面上に表示させる。
【0040】
図4は、モニタ用携帯端末10
-4に画面表示される看護師一覧の一例を示す図である。
図4に示すように、モニタ用携帯端末10
-4の画面上には、
図3の画面でタッチ操作した看護師(応答携帯端末10
-1にて応答を行った看護師)以外の、応答を行っていない他の看護師(非応答携帯端末10
-2,10
-3を所持する看護師)の氏名21が一覧で表示される。また、この画面上には、応答を行っていない看護師が他の患者と通話中か否かを示すマーク22も表示される。
【0041】
操作受付部201は、応答を行っていない看護師の氏名一覧が画面表示された状態において、何れか一の看護師を選択するユーザ操作を受け付ける。例えば、モニタ用携帯端末10
-4を使用してモニタを行う看護師は、画面表示された看護師一覧を見て、応答中の看護師に対して応援を行うことを要請したい看護師の氏名21が表示されている位置をタッチ操作する。操作受付部201は、このタッチ操作を受け付けて、一の看護師を選択するユーザ操作が行われたことを看護師選択情報送信部207に通知する。
【0042】
看護師選択情報送信部207は、操作受付部201から上述の通知を受けたとき、看護師一覧の中から選択された一の看護師を特定する看護師選択情報を生成してナースコール制御機3に送信する。このとき、看護師選択情報送信部207は、呼出応答情報受信部202により受信された呼出応答情報を含めて看護師選択情報を生成する。ナースコール制御機3の看護師選択情報受信部107は、看護師選択情報送信部207により送信された看護師選択情報を受信し、それを応援要請情報送信部108に通知する。
【0043】
応援要請情報送信部108は、看護師選択情報受信部107から看護師選択情報の通知を受けたときに、当該看護師選択情報で示される一の看護師が所持する他の携帯端末(非応答携帯端末10
-2,10
-3の何れか)に対して、呼出応答情報と、応援を要請するメッセージ情報とを含む応援要請情報を送信する。
【0044】
非応答携帯端末10
-2,10
-3では、応援要請情報送信部108により送信された応援要請情報を応援要請情報受信部301にて受信する。応援要請情報表示部302は、応援要請情報受信部301にて応援要請情報を受信したときに、当該応援要請情報を非応答携帯端末10
-2,10
-3の画面上に表示させる。
【0045】
図5は、非応答携帯端末10
-2,10
-3に画面表示される応援要請情報の一例を示す図である。
図5に示すように、非応答携帯端末10
-2,10
-3の画面上には、
図3の画面で看護師のタッチ操作により選択された呼出応答情報と同じ呼出応答情報(患者情報11および看護師情報12)と、応援を要請するメッセージ情報31とが表示される。このメッセージ情報31には、応援要請された看護師本人の氏名が表示されている。
【0046】
操作受付部303は、非応答携帯端末10
-2,10
-3に対する看護師の操作を受け付ける。例えば、操作受付部303は、
図5のように応援要請情報(患者情報11、看護師情報12およびメッセージ情報31)が画面表示された状態において、応援要請された看護師が応答を行うためのユーザ操作を受け付ける。
【0047】
例えば、応援要請された看護師は、画面表示された呼出応答情報(患者情報11および看護師情報12)を見て、応答中の看護師に対して応援を行うと判断した場合、患者情報11、看護師情報12またはメッセージ情報31が表示されている位置をタッチ操作する。操作受付部303は、このタッチ操作を受け付けて、応答を行うためのユーザ操作が行われたことを3者通話要求送信部304に通知する。
【0048】
3者通話要求送信部304は、操作受付部303から上述の通知を受けたとき、ナースコール子機1および応答携帯端末10
-1に自己の携帯端末を加えた3者通話となるような3者通話路を形成するための3者通話要求信号をナースコール制御機3に送信する。このとき3者通話要求送信部304は、応援要請情報受信部301により受信された応援要請情報に含まれる呼出応答情報と、3者通話要求を行った非応答携帯端末10
-2,10
-3を一意に特定可能な情報(例えば、応援要請に応答した看護師の氏名)を含めて3者通話要求信号を生成する。
【0049】
ナースコール制御機3の3者通話要求受信部109は、3者通話要求送信部304から送信された3者通話要求信号を受信する。3者通話路形成部110は、3者通話要求送信部304により送信された3者通話要求信号を3者通話要求受信部109にて受信した場合、管理情報記憶部101に格納されている管理情報を参照して、上述の3者通話となるような3者通話路を形成する。
【0050】
ここで、3者通話路とは、2者通話路が形成されているナースコール子機1および応答携帯端末10
-1に対し、応援要請に応答した非応答携帯端末10
-2,10
-3の何れかを加えた3者間において双方向の通話が可能な通話路である。すなわち、3者通話路形成部110は、呼び出しを行ったナースコール子機1から入力される患者の音声データと、その呼び出しに応答した応答携帯端末10
-1から入力される看護師の音声データと、応援要請に応答した非応答携帯端末10
-2,10
-3の何れかから入力される看護師の音声データとを受け取り、これらを3者間で送信するように制御する。
【0051】
図6は、上記のように構成した第1の実施形態によるナースコールシステムの動作例を示すフローチャートである。なお、
図6に示すフローチャートの処理は、ナースコール子機1が患者による呼出ボタンの押下操作を受け付けたときに開始する。
【0052】
ナースコール子機1において呼出ボタンが押下された場合、ナースコール子機1は呼出信号をナースコール制御機3に送信する(ステップS1)。この呼出信号を呼出信号受信部102にて受信すると、ナースコール制御機3の2者通話路形成部103は、管理情報記憶部101に記憶されている呼出先情報を参照して、呼び出しを行ったナースコール子機1に対応付けられた携帯端末10
-1,10
-2,10
-3に着信信号を送信する(ステップS2)。携帯端末10
-1,10
-2,10
-3は、ナースコール制御機3から着信信号を受信したときに、着信音を鳴らして呼び出しがあったことを看護師に報知する。
【0053】
ここで、応答携帯端末10
-1で看護師による応答操作が行われた場合、応答携帯端末10
-1は応答信号をナースコール制御機3に送信する(ステップS3)。この応答信号を受信した2者通話路形成部103は、呼び出しを行ったナースコール子機1とその呼び出しに応答した応答携帯端末10
-1との間の通信接続を行って2者通話路を形成する(ステップS4)。2者通話路形成部103は、2者通話路を形成した場合、管理情報記憶部101に記憶されている管理情報を参照して、どの患者とどの看護師とが通話中であるかを示す通話特定情報を図示しないメモリに格納する。
【0054】
次に、呼出応答情報送信部104は、管理情報記憶部101に記憶されている管理情報を参照して、呼び出しを行ったナースコール子機1を使用する患者を特定する患者情報と、応答を行った応答携帯端末10
-1を所持する看護師を特定する看護師情報とを含む呼出応答情報を生成し、当該呼出応答情報をモニタ用携帯端末10
-4に向けて送信する(ステップS5)。
【0055】
モニタ用携帯端末10
-4では、呼出応答情報送信部104により送信された呼出応答情報を呼出応答情報受信部202にて受信すると、呼出応答情報表示部203が、その呼出応答情報を
図3のようにモニタ用携帯端末10
-4の画面上に表示させる(ステップS6)。この状態で、応答を行っていない他の看護師を一覧で示す看護師リスト情報の送信を要求するためのユーザ操作を操作受付部201が受け付けると(ステップS7)、看護師リスト要求送信部204は、看護師リスト要求信号をナースコール制御機3に送信する(ステップS8)。
【0056】
ナースコール制御機3では、看護師リスト要求送信部204により送信された看護師リスト要求信号を看護師リスト要求受信部105にて受信すると、看護師リスト送信部106が、応答を行っていない他の看護師(非応答携帯端末10
-2,10
-3を所持する看護師)を一覧で示す看護師リスト情報をモニタ用携帯端末10
-4に返信する(ステップS9)。
【0057】
モニタ用携帯端末10
-4では、看護師リスト送信部106により送信された看護師リスト情報を看護師リスト受信部205にて受信すると、看護師リスト表示部206が、当該看護師リスト情報で示される看護師一覧を
図4のようにモニタ用携帯端末10
-4の画面上に表示させる(ステップS10)。この状態で、看護師一覧の中から何れか一の看護師を選択するユーザ操作を操作受付部201が受け付けると(ステップS11)、看護師選択情報送信部207は、看護師選択情報をナースコール制御機3に送信する(ステップS12)。
【0058】
ナースコール制御機3では、看護師選択情報送信部207により送信された看護師選択情報を看護師選択情報受信部107にて受信すると、応援要請情報送信部108は、当該看護師選択情報で示される一の看護師が所持する他の携帯端末(非応答携帯端末10
-2,10
-3の何れか)に対して、呼出応答情報と応援を要請するメッセージ情報とを含む応援要請情報を送信する(ステップS13)。ここでは、非応答携帯端末10
-2に対して応援要請情報を送信したものとする。
【0059】
非応答携帯端末10
-2では、応援要請情報送信部108により送信された応援要請情報を応援要請情報受信部301にて受信すると、応援要請情報表示部302が、当該応援要請情報を
図5のように非応答携帯端末10
-2の画面上に表示させる(ステップS14)。この状態で、応答を行うためのユーザ操作を操作受付部303が受け付けると(ステップS15)、3者通話要求送信部304は、3者通話路を形成するための3者通話要求信号をナースコール制御機3に送信する(ステップS16)。
【0060】
ナースコール制御機3では、3者通話要求送信部304から送信された3者通話要求信号を3者通話要求受信部109にて受信すると、3者通話路形成部110が、ステップS4で既に2者通話路が形成されているナースコール子機1および応答携帯端末10
-1に対し、応援要請に応答した非応答携帯端末10
-2を加えた3者間において双方向の通話が可能な3者通話路を形成する(ステップS17)。これにより、応援要請に応じて応答をした看護師は、3者通話を通じて、応答中の看護師に対して応援(指導や代わりの対応など)を行うことができる。
【0061】
以上詳しく説明したように、第1の実施形態では、応答携帯端末10
-1でナースコール子機1からの呼び出しに応答して通話をしている際に、呼び出しを行ったナースコール子機1を使用する患者を特定する患者情報および応答携帯端末10
-1を所持する看護師を特定する看護師情報を、モニタを行う看護師が使用するモニタ用携帯端末10
-4に送信して
図3のように表示させる。その後、モニタ用携帯端末10
-4において看護師リストを要求する操作が行われたとき、応答を行っていない他の看護師の一覧をモニタ用携帯端末10
-4に送信して
図4のように表示させる。さらに、その看護師一覧の中から一の看護師を選択する操作がモニタ用携帯端末10
-4において行われた場合、選択された一の看護師が所持する非応答携帯端末10
-2,10
-3に対して、上述した患者情報および看護師情報に加え、応援を要請するメッセージ情報を送信して
図5のように表示させるようにしている。
【0062】
上記のように構成した第1の実施形態によれば、モニタを行う看護師は、呼び出しを行った患者を特定する患者情報および応答を行った看護師を特定する看護師情報の表示を見て、その看護師に対して他の看護師による応援が必要か否かを判断し、必要と判断した場合には所定のユーザ操作を通じて他の看護師の一覧を表示させ、その中から一の看護師を選択すればよい。一の看護師を選択すれば、その看護師が使用する非応答携帯端末10
-2,10
-3に対して、応援を要請するメッセージ情報が送信されて表示されるので、応答を行った看護師に対する指導や代わりの対応は、メッセージ情報を受けた他の看護師が行うこととなる。このように、モニタを行う看護師は、応答を行った看護師を応援する他の看護師を手配するだけなので、モニタを行う看護師にかかる工数を削減することができる。
【0063】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態を図面に基づいて説明する。第2の実施形態において、ナースコールシステムの全体構成は
図1と同様である。
図7は、第2の実施形態によるナースコール制御機3および携帯端末10
-1,10
-2,10
-3,10
-4の機能構成例を示すブロック図である。なお、この
図7において、
図2に示した符号と同一の符号を付したものは同一の機能を有するものであるので、ここでは重複する説明を省略する。
【0064】
図7に示すように、第2の実施形態によるナースコール制御機3は、
図2に示した構成に加えて、モニタ要求受信部111およびモニタ通話路形成部112を更に備えている。また、第2の実施形態によるモニタ用携帯端末10
-4は、呼出応答情報表示部203の代わりに呼出応答情報表示部203’を備えている。さらに、第2の実施形態によるモニタ用携帯端末10
-4は、
図2に示した構成に加えて、モニタ要求送信部208を更に備えている。
【0065】
呼出応答情報表示部203’は、呼出応答情報受信部202により呼出応答情報を受信したときに、
図8に示すように、呼出応答情報に含まれている患者情報11および看護師情報12と共に、ナースコール子機1と応答携帯端末10
-1との間の通話をモニタ用携帯端末10
-4にてモニタするときに押下する通話モニタ用ボタン13をモニタ用携帯端末10
-4の画面上に表示させる。モニタ要求送信部208は、通話モニタ用ボタン13のユーザ操作を操作受付部201が受け付けた場合、モニタ要求信号をナースコール制御機3に送信する。
【0066】
例えば、モニタ用携帯端末10
-4を使用してモニタを行う看護師は、画面表示された呼出応答情報を見るだけでは、応答中の看護師に対して他の看護師からの応援が必要かどうかを判断できない場合、通話モニタ用ボタン13をタッチ操作した後、モニタしたい通話を特定するために患者情報11または看護師情報12をタッチ操作すればよい。
【0067】
操作受付部201は、このタッチ操作を受け付けて、通話モニタ用ボタン13が操作されたことをモニタ要求送信部208に通知する。これに応じてモニタ要求送信部208は、モニタ要求信号をナースコール制御機3に送信する。ここで、モニタ要求信号には、モニタしたい通話を一意に特定可能な情報(例えば、通話をしている患者または看護師の氏名)と、モニタ用携帯端末10
-4を一意に特定可能な情報(例えば、端末ID)とが含まれる。
【0068】
なお、画面表示された呼出応答情報を見て、応答中の看護師に対して他の看護師からの応援が必要であると判断できる場合は、第1の実施形態と同様に、患者情報11または看護師情報12が表示されている位置をタッチ操作すればよい。この場合、看護師リスト要求送信部204は、看護師リスト要求信号をナースコール制御機3に送信する。
【0069】
ナースコール制御機3のモニタ要求受信部111は、モニタ要求送信部208から送信されたモニタ要求信号を受信する。モニタ通話路形成部112は、モニタ要求信号受信部111によりモニタ要求信号が受信された場合、ナースコール子機1と応答携帯端末10
-1との間で継続中の通話の内容を表す音声データをモニタ用携帯端末10
-4に送信するためのモニタ通話路を形成する。
【0070】
ここで、モニタ通話路とは、通常の2者通話路が形成されているナースコール子機1および応答携帯端末10
-1からモニタ用携帯端末10
-4への片方向のみの通話が可能な通話路である。すなわち、モニタ通話路形成部112は、呼び出しを行ったナースコール子機1から入力される患者の音声データと、その呼び出しに応答した応答携帯端末10
-1から入力される看護師の音声データとを受け取り、それらをモニタ用携帯端末10
-4へ送信するように制御する。
【0071】
モニタを行っている看護師は、呼び出しを行った患者とその呼び出しに応答した看護師との通話音声をモニタし、その通話内容から、応答中の看護師に対して他の看護師からの応援が必要であると判断した場合に、患者情報11または看護師情報12が表示されている位置をタッチ操作すればよい。この場合、看護師リスト要求送信部204は、看護師リスト要求信号をナースコール制御機3に送信する。
【0072】
このように構成した第2の実施形態によれば、応答を行っていない他の看護師に対して応援要請を送る前に、呼び出しを行った患者とその呼び出しに応答した看護師との通話内容をモニタすることができるので、応答中の看護師に対して他の看護師からの応援が必要であるか否かをより的確に判断することができるようになる。
【0073】
なお、上記第1および第2の実施形態では、モニタを行う端末として携帯端末10
-4を用いる例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、ナースコール親機4をモニタ用の端末として用いるようにしてもよい。
【0074】
また、上記第1および第2の実施形態では、非応答携帯端末10
-2,10
-3に対して
図5のようにメッセージ情報31を表示する例について説明したが、これに加えて、応援要請を知らせる報知音を鳴らせるようにしてもよい。
【0075】
また、上記第1および第2の実施形態では、
図4に示す看護師一覧の表示画面において、応答を行っていない看護師が他の患者と通話中か否かを示すマーク22を表示する例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、看護師リスト送信部106は、他の患者と通話中の看護師の情報を含まない看護師リスト情報を生成してモニタ用携帯端末10
-4に送信するようにしてもよい。この場合、
図4に示す看護師一覧の表示画面には、応答を行っていない看護師のうち、他の患者と通話中でない看護師のみが一覧として表示される。
【0076】
また、上記第1および第2の実施形態では、非応答携帯端末10
-2,10
-3にて応援要請された看護師が応答できない場合の動作については特に言及していない。この場合、非応答携帯端末10
-2,10
-3で応答の操作が行われないまま所定のタイムアウト時間が経過したときに、応答できない旨の情報を非応答携帯端末10
-2,10
-3からナースコール制御機3に送信し、それをモニタ用携帯端末10
-4に転送して表示させるようにしてもよい。あるいは、
図5の表示画面に応答拒否ボタンを表示させ、看護師がこの応答拒否ボタンをタッチ操作したときに、応答できない旨の情報を非応答携帯端末10
-2,10
-3からナースコール制御機3に送信し、それをモニタ用携帯端末10
-4に転送して表示させるようにしてもよい。
【0077】
また、上記第1および第2の実施形態では、モニタ用携帯端末10
-4に対しては着信信号を送信しない例について説明したが、モニタ用携帯端末10
-4にも着信信号を送信するようにしてもよい。
【0078】
その他、上記第1および第2の実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその精神、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。