特許第6144572号(P6144572)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6144572
(24)【登録日】2017年5月19日
(45)【発行日】2017年6月7日
(54)【発明の名称】携帯額縁
(51)【国際特許分類】
   A47G 1/06 20060101AFI20170529BHJP
【FI】
   A47G1/06 A
【請求項の数】8
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-167709(P2013-167709)
(22)【出願日】2013年8月12日
(65)【公開番号】特開2015-36018(P2015-36018A)
(43)【公開日】2015年2月23日
【審査請求日】2016年6月14日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】516030409
【氏名又は名称】中内 孝司
(74)【代理人】
【識別番号】100140590
【弁理士】
【氏名又は名称】上岡 將人
(72)【発明者】
【氏名】中内 孝司
【審査官】 石井 茂
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−312879(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3038171(JP,U)
【文献】 実開昭55−036813(JP,U)
【文献】 特開2008−188370(JP,A)
【文献】 特開2002−153311(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3033418(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45C 1/00−15/08
A45F 3/00
A45F 3/02
A45F 3/04
A45F 3/12
A47G 1/00−1/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部を有する枠部と、枠部の背面を被覆する背面部と、前記枠部と前記背面部との間に形成された空間部と、前記空間部と連通する挿通口とからなり、掲飾品を挿通口から前記空間部に収納して前記開口部から目視可能に掲示する額縁本体を、取付具を介して携行具に脱着自在に装着することにより、前記携行具とともに携行可能とし、前記取付具が、前記背面部から外方に延長された1又は複数の屈曲可能な装着アームと、前記装着アームを前記携行具に固定する固定具とからなり、前記装着アームを前記背面部から上方に延長し、前記装着アームの先端を前記携行具の内部に進入させ、前記装着アームの先端に装備した固定具を、前記携行具の内部に装備した固定具に係合させることによって、額縁本体を携行具に固定することを特徴とする携帯額縁。
【請求項2】
前記携行具への非装着時において、前記装着アームを前記携行具に固定することなく、開口部方向から目視不能に前記背面部に固定可能としたことを特徴とする請求項1に記載の携帯額縁。
【請求項3】
開口部を有する枠部と、枠部の背面を被覆する背面部と、前記枠部と前記背面部との間に形成された空間部と、前記空間部と連通する挿通口とからなり、掲飾品を挿通口から前記空間部に収納して前記開口部から目視可能に掲示する額縁本体を、取付具を介して携行具に脱着自在に装着することにより、前記携行具とともに携行可能とし、前記取付具が、前記背面部から外方に延長された1又は複数の屈曲可能な装着アームと、前記装着アームを前記携行具に固定する固定具とからなり、前記装着アームが前記背面部から放射状に延長し、前記装着アームを前記携行具の外周部に巻回させ、前記装着アームの先端に装備した固定具を、前記携行具の外周に装備した固定具に係合させることによって、額縁本体を携行具に固定し、さらに、前記携行具への非装着時において、前記装着アームを前記携行具に固定することなく、開口部方向から目視不能に前記背面部に固定可能としたことを特徴とする携帯額縁。
【請求項4】
開口部を有する枠部と、枠部の背面を被覆する背面部と、前記枠部と前記背面部との間に形成された空間部と、前記空間部と連通する挿通口とからなり、掲飾品を挿通口から前記空間部に収納して前記開口部から目視可能に掲示する額縁本体を、取付具を介して携行具に脱着自在に装着することにより、前記携行具とともに携行可能とし、前記取付具が、前記背面部から外方に延長された1又は複数の屈曲可能な装着アームと、前記装着アームを前記携行具に固定する固定具とからなり、前記装着アームを前記携行具の持ち手を一周するように巻回させ、前記装着アームの表面に装備した面ファスナーに前記装着アームの背面に装備した面ファスナーを係止させて装着し、さらに、前記携行具への非装着時において、前記装着アームを前記携行具に固定することなく、開口部方向から目視不能に前記背面部に固定可能としたことを特徴とする携帯額縁。
【請求項5】
前記開口部を被覆する透明の保護プレートを有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の携帯額縁。
【請求項6】
前記額縁本体と前記取付具を可撓性を有する素材から形成したことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の携帯額縁。
【請求項7】
前記携行具が、鞄、袋物、財布、ザック、名刺入れ又はウエストポーチからなることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の携帯額縁。
【請求項8】
掲飾品が押花、刺繍、絵画、写真、書、メッセージ、版画、賞状、証明書、各種免許、記念の品や版画又はこれらを表示した電子機器からなることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の携帯額縁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、身の回り品として、常に携帯可能な携帯額縁に関する。
【背景技術】
【0002】
日々の暮らしを精神面から豊かにし、楽しみや潤いを与える手段の一つとして、又インテリアや自己表現の手段として、絵画,写真,書等の好きな作家の作品や家族或いは自己の作品を飾ったり、賞状,証明書,各種免許や家族の記念の品,旅行の思い出の品等(以下、掲飾品)を飾ることが広く行われている。これらの掲飾品を飾る雰囲気を醸し出す最適のパートナーとして、額縁が存在する。同じ作品であっても、作品を飾る場所や目的に応じた額縁を選択することによって、その雰囲気を大いに高めることが可能である。
【0003】
額縁には、用途(油彩額,仮縁,デッサン額,和額,賞状額,写真額,ポスター額,インテリア額等),素材(木製額,金属製額,樹脂製額,ガラス製額,紙製額,自然素材額等)によって、又製法によっても伝統的な額縁から現代的な額縁,更には近未来的な額縁まで種々の物が豊富に提供されている。
【0004】
一方、近時は鞄に額縁状ポケットを形成し、額縁状ポケットに絵や写真やCMやメッセージ等の挿入シートを入れ替えることができる額縁鞄も提供されている(特許文献1)。更に、ユーザが自分好みの刺繍を施してオリジナルのバッグとすることができるように、バッグ本体と、ユーザが刺繍を施すことが可能な生地で構成されて、前記バッグ本体の外周面を巻いた状態でバッグ本体に着脱可能に装着される刺繍用シートを備えているバッグも提供されている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実用新案登録第3120551号公報
【特許文献2】実用新案登録第3163121号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従前の額縁は、重厚で大型の額縁から、ピンナップボードのような簡易で小型の額縁まで、いずれも屋内の所定の場所、その多くは壁面に係止具を用いて固定するとの観念に支配されていた。そのため、一旦係止した額縁の固定場所を変更することは殆ど行われていない。
【0007】
写真立てのような脚によって自立するタイプの額縁は室内での移動は容易であるが、実際には一旦設置した写真立てを日常的に移動させることは行われておらず、そのまま同じ場所に飾られていることが多い。まして、いずれの額縁も室外に持ち出して、常時身近において楽しむとの発想は全く存在しなかった。
【0008】
特許文献1に示す額縁鞄は、鞄に形成した額縁状ポケットを利用して、鞄とともに挿入した絵画や写真を携行して楽しむことは可能である。しかしながら、額縁状ポケットは特定の鞄に固定されており、額縁状ポケットそのものを単独で携行することができず、また、額縁状ポケットそのものを単独で利用することはできない。
【0009】
また、特許文献2に示すバッグは特定の刺繍用シートを装着するバッグであり、種々の絵画や写真等を汎用的に差し替えて飾ることができるものではなく、又刺繍用シートそのものを単独で利用することはできない。
【0010】
そのため、本発明は屋内の所定の場所に固定、或いは屋内における掲飾位置の変更に留まっていた額縁を、日常的に使用する携行具に脱着自在に装着可能とすることによって、額縁を常に携帯可能として屋外に持ち出し可能とし、しかも、携行時においても額縁に収納した掲飾品を表掲可能とする携帯額縁を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は上記目的を達成するために、開口部を有する枠部と、枠部の背面を被覆する背面部と、枠部と背面部との間に形成された空間部と、空間部と連通する挿通口とからなり、掲飾品を挿通口から空間部に収納して開口部から目視可能に掲示する額縁本体を、取付具を介して携行具に脱着自在に装着することにより、携行具とともに携行可能とし、取付具が、背面部から外方に延長された1又は複数の屈曲可能な装着アームと、装着アームを携行具に固定する固定具とからなり、装着アームを前記背面部から上方に延長し、装着アームの先端を携行具の内部に進入させ、装着アームの先端に装備した固定具を、携行具の内部に装備した固定具に係合させることによって、額縁本体を携行具に固定し、装着アームを背面部から上方に延長し、装着アームの先端を携行具の内部に進入させ、装着アームの先端に装備した固定具を、携行具の内部に装備した固定具に係合させることによって、額縁本体を携行具に固定する携帯額縁を基本として提供する。そして、開口部を被覆する透明の保護プレートを有する構成、額縁本体と取付具を可撓性を有する素材から形成した構成を提供する。
【0012】
また、取付具が、装着アームが背面部から放射状に延長し、装着アームを携行具の外周部に巻回させ、装着アームの先端に装備した固定具を、携行具の外周に装備した固定具に係合させることによって、額縁本体を携行具に固定する構成、装着アームを携行具の持ち手を一周するように巻回させ、装着アームの表面に装備した面ファスナーに装着アームの背面に装備した面ファスナーを係止させて装着する構成を提供する。
【0013】
更に、携行具への非装着時において、装着アームを携行具に固定することなく、開口部方向から目視不能に背面部に固定可能とした構成、携行具が、鞄,袋物,財布,ザック,名刺入れ又はウエストポーチからなる構成、及び掲飾品が押花,刺繍,絵画,写真,書,メッセージ,版画,賞状,証明書,各種免許,記念の品や版画又はこれらを表示した電子機器からなる構成を提供する。
【発明の効果】
【0014】
以上記載した本発明によれば、従来屋内の所定の場所に固定、或いは屋内における掲飾位置の変更に留まっていた額縁を日常的に使用する携行具とともに、常に携帯可能な携帯額縁とすることによって、身の回り品として屋外に持ち出すことができる。しかも、携行時において、携帯額縁を掲飾することができ、携帯額縁に収納した掲飾品を常に身近に掲飾して楽しむことができる。同時に携帯額縁に収納した各種の掲飾品は、特定或いは不特定の人に鑑賞されるため、掲飾品の評価を受ける機会ともなり、ひいては、芸術・文化に親しむ機会やその向上に資する機会ともなる。
【0015】
しかも、携帯額縁を携行具へ脱着自在に装着可能としたため、携帯額縁を装着する携行具を任意に選択・変更することができる。また、装着アームからなる取付具を使用して、携帯額縁を確実に携行具に装着するため、携帯額縁を掲飾した場合であっても防犯上の心配が少ない。更に、携帯額縁を携行時において、携行具に収納可能としたことによって、携行時における携帯額縁の掲飾,非掲飾を任意に選択することができる。携帯額縁は装着アームを介して携行具に装着するため、安全・確実に装着することができ、高い防犯性を有する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明にかかる携帯額縁の第1実施例の正面方向からの全体斜視図。
図2】第1実施例の背面方向からの全体斜視図。
図3】第1実施例の正面図。
図4】第1実施例の背面図。
図5図3のA−A断面図。
図6図3のB−B断面図。
図7】鞄への携帯額縁の装着状態を示す説明図。
図8】携帯額縁を鞄に装着した状態を示す斜視図。
図9】携帯額縁を装着した鞄の平面方向からの斜視図。
図10】携帯額縁の正面図。
図11】携帯額縁の第2実施例を示す正面図。
図12】第2実施例の装着状態を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下本発明にかかる携帯額縁の実施形態を説明する。図1は本発明にかかる携帯額縁1の第1実施例の正面方向からの全体斜視図、図2は背面方向からの全体斜視図である。図において、5は矩形状の枠部であって、矩形状の開口部4の周囲を囲繞している。枠部5には携帯額縁1の用途に応じて適宜の意匠を施すことが適当である。また、枠部5は図示例の矩形状に限らず、円形,楕円形,多角形等任意の形状でよく、同様に開口部4としても任意の型枠形状に形成することができる。
【0018】
枠部5の背面は、背面部6で被覆されており、枠部5と背面部6との間には、空間部7(図5図6参照)が形成されている。枠部5と背面部6との外周縁部は、一方向の外周縁部を除いて適宜の手段によって接合されている。枠部5と背面部6の一方向、図示例では上方の外周縁部は接合されておらず、空間部7と連通する挿通口8が開口形成されている。そして、開口部4の全面を被覆するように透明の保護プレート9が枠部5に接合されている。
【0019】
図示例では、1枚のシート状素材を均等に3分割し、連続する2面の対称位置に開口部4となる孔を同一形状となるように空け、該孔を重なるように曲折して枠部5を形成し、残る一面を重ね合わせて背面部6とした。更に、開口部4を被覆するように保護プレート9を枠部に介挿して、両端部をヒートシール等の適宜の手段で接合して形成した。枠部5と背面部6の素材としては、一例として可撓性を有する樹脂製の素材を使用することができ、その際には枠部5と背面部6の接合手段はヒートシール,ホットメルト等の手段が使用可能である。
【0020】
よって、枠部5と背面部6は挿通口8が開口した中空袋状の形態をしており、掲飾品10を挿通口8から挿通して空間部7に収納し、保護プレート9を介して開口部4から目視可能に掲飾することができる。
【0021】
図示例においては、掲飾品10として押花シートを収納した。なお、掲飾品10としては、押花に限らず、刺繍,絵画,写真,書,メッセージ,版画,賞状,証明書,各種免許,記念の品や版画等から選択すればよく、空間部7に挿通・収納可能であれば、特に限定はない。また、平面物が適当であるが、立体物であってもよい。更に、前記した刺繍,絵画,写真,書,メッセージ,版画,賞状,証明書,各種免許,記念の品や版画その他を画像或いはデータとして表示したタブレット型端末,携帯電話その他の電子機器であってもよい。
【0022】
これらの枠部5,背面部6,空間部7,挿通口8,保護プレート9から額縁本体2が構成されている。なお、保護プレート9は、掲飾品10の内容によっては省略することもできる。11a,11b,11cはベルト状の装着アームであって、空間部7内の背面部6に固定され、更に背面部6から上方に延長されている。装着アーム11a,11b,11cの長さ寸法やその数、更には延長する方向に特に限定はなく、装着する携行具のサイズや装着場所に応じて適宜選択すればよい。また、装着アーム11a,11b,11cのデザインや意匠を工夫することによって、装着アーム11a,11b,11cに額縁本体2を装飾する機能を持たせてもよい。
【0023】
12aは雄型又は牝型のスナップであり、装着アーム11a,11b,11cの先端部の背面に向けて装着した固定具である。13aは面ファスナーであり、スナップ12aの近傍に装着した固定具である。13bは面ファスナーであり、装着アーム11a,11b,11cを背面部6方向に折り畳んだ場合に面ファスナー13aと係合可能となるように背面部6に装着してある。14aは雄型又は牝型のスナップであり、背面部6の下端部に装着した固定具である。これらの装着アーム11a,11b,11c,スナップ12a,14a,面ファスナー13a,13bから取付具3が構成されている。
【0024】
図7図8図9において、15は鞄であり、携行具20の一例である。図示例では、上部が開口した直方体状の鞄本体15aと鞄本体15aの開口部近傍に固定した持ち手15bから構成されているトートバッグを使用した。この鞄15はキャンバス生地や合成繊維,皮革等の可撓性を有する素材から構成されている。なお、額縁本体2を装着する携行具20は鞄15に限ることなく、各種の袋物,財布,ザック,名刺入れ又はウエストポーチから選択することができる。
【0025】
図7図8に示すように、鞄15において、12bは雄型又は牝型のスナップであり、鞄本体15aの開口部近傍に内側に向けて装着した固定具であり、前記した装着アーム11a,11b,11cに固定したスナップ12aと係合する。また、14bも雄型又は牝型のスナップであり、鞄本体15aの下端部に外側に向けて装着した固定具であり、前記した額縁本体2の背面部6の下端部に装着したスナップ14aと係合する。
【0026】
携帯額縁1を携帯具20に装着するには、額縁本体2の背面部6の下端部に装着したスナップ14aを、鞄本体15aの下端部に装着したスナップ14bと係合させる。ついで、装着アーム11a,11b,11cを鞄本体15aの開口縁部を跨いで内部に侵入させ、装着アーム11a,11b,11cの先端部に装着したスナップ12aを、鞄本体15aの開口部近傍に内側に向けて装着したスナップ12bと係合させる。
【0027】
これにより、携帯額縁1は図9に示すように、開口部4を外側に位置するように鞄15の外面に装着され、鞄15とともに携行することができる。よって、携行時には空間部7に収納した掲飾品10を開口部4から保護プレート9を介して目視することができ、掲飾品10を広く掲飾することができる。そして、携帯額縁1は必要に応じて鞄15から取り外すことが可能である。
【0028】
携帯額縁1を単独で使用する場合は、装着アーム11a,11b,11cを背面部6方向に折り曲げ、装着アーム11a,11b,11cに固定した面ファスナー13aを背面部6に装着した面ファスナー13bと係合させることによって、図10に示すように装着アーム11a,11b,11cを揺動不能に額縁本体2と一体化させる。この状態で、スタンドを使用して起立させたり、壁面に固定することによって、額縁単体として利用することができる。また、この状態で鞄15に収納して携行することも可能である。
【0029】
次に本発明にかかる携帯額縁1の第2実施例を図11図12に基づいて説明する。第2実施例にかかる携帯額縁21は、4本の装着アーム22a,22b,22c,22dを矩形状の額縁本体2の各辺から相互に90度変位して放射状に延長している。額縁本体2への装着に際しては、図12に示すように装着アーム22b,22c,22dを鞄本体を抱持するように巻回させて、それぞれ面ファスナー(図示略)を使用して、鞄本体15aに装着する。そして、装着アーム22aを持ち手15bを一周するように巻回させ、装着アーム22aの表面に装備した面ファスナー23に装着アーム22aの背面に装備した面ファスナー(図示略)を係止させて装着する。なお、装着アーム22a,22b,22c,22dは不使用時には、額縁本体2の背面部6に面ファスナー等の適宜の固定具を使用して固定することができる。なお、図12において、装着アーム22a,22b,22c,22dに加えて、他の装着アーム(図示略)によって、鞄15の開口部を跨座するように配置して、開口部を挟持するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0030】
以上記載した本発明によれば、従来屋内の所定の場所に固定、或いは屋内における掲飾位置の変更に留まっていた額縁を日常的に使用する携行具とともに、常に携帯可能な携帯額縁とすることによって、身の回り品として屋外に持ち出すことができる。しかも、携行時において、携帯額縁を掲飾することができ、携帯額縁に収納した掲飾品を常に身近に掲飾して楽しむことができる。同時に携帯額縁に収納した各種の掲飾品は、特定或いは不特定の人に鑑賞されるため、掲飾品の評価を受ける機会ともなり、ひいては、芸術・文化に親しむ機会やその向上に資する機会ともなる。
【0031】
しかも、携帯額縁を携行具へ脱着自在に装着可能としたため、携帯額縁を装着する携行具を任意に選択・変更することができる。また、装着アームからなる取付具を使用して、携帯額縁を確実に携行具に装着するため、携帯額縁を掲飾した場合であっても防犯上の心配が少ない。更に、携帯額縁を携行時において、携行具に収納可能としたことによって、携行時における携帯額縁の掲飾,非掲飾を任意に選択することができる。携帯額縁は装着アームを介して携行具に装着するため、安全・確実に装着することができ、高い防犯性を有する。
【符号の説明】
【0032】
1…携帯額縁
2…額縁本体
3…取付具
4…開口部
5…枠部
6…背面部
7…空間部
8…挿通口
9…保護プレート
10…掲飾品
11a,11b,11c,22a,22b,22c,22d…装着アーム
12a,12b…スナップ
13a,13b…面ファスナー
15…鞄
20…携行具
図1
図2
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図4
図5
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