【課題を解決するための手段】
【0013】
本出願人は毛包間頭皮細胞を単離し、これらを使用して頭皮同等物を構築する着想を得た。
【0014】
「頭皮同等物」という用語は、下記では頭皮モデルとも呼び、頭皮真皮同等物上を覆う頭皮表皮同等物のアセンブリーを意味する。これはin vitroで技術的プロセスによって生成される構造である。
【0015】
したがって、本発明は、播種するステップ、および真皮同等物上で毛包間頭皮ケラチノサイトを培養するステップを含み、前記真皮同等物がコラーゲンおよび毛包間頭皮線維芽細胞を含む、頭皮同等物の調製方法に関する。
【0016】
真皮同等物は、種々の方法、たとえば文献EP0418035、WO00/29553またはEP0285471に記載されている方法によって調製することができ、注意を払って上記の線維芽細胞を使用することができる。
【0017】
挙げることができる真皮同等物には、コラーゲン/線維芽細胞混合格子、事前に上皮を除去した真皮、人工膜、たとえばMillipore銘柄のフィルター、コラーゲン系の皮下基質、合成樹脂または細胞生存能力に適合する任意の他の担体が含まれる。優先的には、本発明による真皮同等物は、コラーゲン格子またはコラーゲンスポンジの形態である。
【0018】
「コラーゲン格子」という用語は、従来技術において周知であり(Bellら、1979年、Proc. Natl. Acad. Sci. USA、76巻、No.3、1274〜1278頁)、数十年間使用されてきた真皮同等物の既知のモデルを意味する。
【0019】
優先的には、本発明によれば、格子は、Asselineauら、1987年(Models in dermato、III巻、Lowe & Maibach編、1〜7頁)に記載されている方法に従って調製される。
【0020】
「コラーゲンスポンジ」という用語も当業者に公知である。これはコラーゲン系のバイオポリマー(たとえばBASF Beauty Careから販売されているMimedisk(登録商標))を意味する。
【0021】
本発明によれば、コラーゲンは、いずれの供給源のいずれの型のコラーゲンでもよい。この点では、Van der RestおよびGaronne、1990年、Biochem.、72巻、473〜484頁または1991年、Faseb Journal、5巻、2814〜2823頁のレビューに述べられている種々の型のコラーゲンが参照されるであろう。たとえば、本発明によれば、コラーゲンは好ましくは線維性コラーゲンのI型、III型またはV型から選択される。
【0022】
本発明によれば、優先的には、動物由来のコラーゲンおよびとりわけウシ由来のコラーゲンが使用される。
【0023】
本発明によって優先的に使用されるコラーゲンは、I型コラーゲンである。本発明によれば、最も優先的にはウシI型コラーゲンが使用される。
【0024】
当然ながら、本発明によれば、種々の型のコラーゲンの任意の割合での混合物および/または種々の供給源のコラーゲンの混合物を使用することができる。
【0025】
真皮同等物は、優先的には収縮したコラーゲン格子であり、ケラチノサイトの播種は優先的には格子の収縮の2〜6日後に、より優先的には3〜5日後に、さらにより優先的には3日後に実施される。コラーゲンゲルの収縮は、優先的にはコラーゲン上の毛包間頭皮線維芽細胞の作用によるものである。
【0026】
毛包間頭皮線維芽細胞および/またはケラチノサイトは、優先的には、頭皮試料から得られた真皮から、および表皮からそれぞれ単離される。1つの優先的な実施形態において、外上皮の鞘のケラチノサイトは、たとえば前記試料の脱毛によって、事前にこの試料から除去されていることになる。頭皮試料の脱毛は、たとえばピンセットを使用して、試料から外上皮の鞘のケラチノサイトを完全に除去するために行うことになる。
【0027】
毛包間頭皮ケラチノサイトは、優先的には次のステップによって得られる。
- 頭皮試料のタンパク質分解処理によって、とりわけ頭皮試料をディスパーゼまたはテルモリシンに接触させることによって頭皮真皮を表皮から分離するステップ、
- 頭皮表皮を回収するステップ、
- このようにして得られた頭皮表皮をトリプシンに接触させるステップ、
- 毛包間頭皮ケラチノサイトを回収するステップ、および
- このようにして得られたケラチノサイトを培養するステップ。
【0028】
ケラチノサイトを、RheinwaldおよびGreen(Cell、6巻、331〜344頁、1975年)の技術に従って、当業者に公知の好適な培地中で、増殖因子、特にアミノ酸、血清、コレラ毒素、インスリン、トリヨードチロニンおよびpH緩衝溶液の存在下で、線維芽細胞からなる栄養担体上で培養することによって、播種する前に増殖させる。とりわけ、かかる培養培地は、ケラチノサイトの少なくとも1種の分裂促進増殖因子(たとえば表皮増殖因子(EGF)および/またはケラチノサイト増殖因子(KGF)、とりわけKGF)、インスリン、ヒドロコルチゾンおよび任意選択で抗生物質(たとえば、ゲンタマイシンまたはアムホテリシンB)を特に含有することができる。
【0029】
前記培地は、有利には、血清もしくは下垂体抽出物、たとえばウシ由来のもの、エピネフリン、トランスフェリンおよび/または非必須アミノ酸を含むこともできる。
【0030】
この培養に使用する線維芽細胞は、より優先的には3T3線維芽細胞となろう。3T3線維芽細胞は、当業者に周知である。これは1962年から知られている線維芽細胞の細胞株である。「3T3」とは「3日ごとの細胞3×10
5個の継代、接種」の意味である。
【0031】
毛包間頭皮ケラチノサイトの培養は、優先的には線維芽細胞(優先的には3T3線維芽細胞)との共培養であり、線維芽細胞の増殖は、優先的にはこれらを事前に照射(たとえばUVで)することによって、またはこれらを事前にマイトマイシンで処理することによって、事前に止められている。マイトマイシン(とりわけマイトマイシンC)はこれらの細胞の増殖を阻止するが、これらがケラチノサイトの増殖に有用である栄養物質を生成するのを妨げることはない。
【0032】
別の実施形態によれば、ケラチノサイトは、フィブロネクチン(たとえば「フィブロネクチンで被覆した」培養箱)もしくはコラーゲン(たとえば「I型コラーゲンで被覆した」培養箱)で処理した、もしくはこれらを補充した培養培地で、または栄養に富む培養培地、たとえばEpilife(登録商標)培地(Gibco)で培養することによって、播種前に増殖させる。
【0033】
ディスパーゼ(中性プロテアーゼとしても知られる)はプロテアーゼファミリーに属する酵素であり、フィブロネクチンならびにI型およびIV型コラーゲンを分解する能力がある。
【0034】
毛包間頭皮線維芽細胞は、優先的には次のステップによって得られる。
- 頭皮試料のタンパク質分解処理によって、特に頭皮試料をディスパーゼまたはテルモリシンに接触させることによって、頭皮真皮を表皮から分離するステップ、
- 頭皮真皮を回収するステップ、
- このようにして得られた頭皮真皮をコラゲナーゼおよび/またはトリプシンに接触させるステップ、
- 毛包間頭皮線維芽細胞を回収するステップ、および
- このようにして得られた線維芽細胞を培養するステップ。
【0035】
上記の酵素は、当業者に公知の濃度で使用されると所望の効果を発揮させることができることは、明確に理解される。優先的には、頭皮真皮を表皮から分離するために使用することになるのはディスパーゼである。トリプシン(Gibco)を使用すると、毛包間頭皮ケラチノサイトの懸濁液を頭皮表皮から得ることが可能になるであろう。コラゲナーゼ(Boehringer)および/またはトリプシンを使用すると、毛包間頭皮線維芽細胞の懸濁液を頭皮真皮から得ることが可能になるであろう。
【0036】
毛包間頭皮ケラチノサイトまたは線維芽細胞の回収は、優先的にはトリプシンまたはコラゲナーゼの作用によって得られた懸濁液の濾過、これに次ぐ当業者に公知の条件下での遠心分離、および遠心分離による沈殿物の再懸濁によって実施される。
【0037】
より特定すると、本発明による方法には、以下が含まれる。
a-培養培地中に浸漬した担体上に置いたコラーゲン格子に毛包間頭皮ケラチノサイトを播種するステップ、
b-前記コラーゲン格子の表面で毛包間頭皮ケラチノサイトを増殖させるステップ、
c-生成中に培養培地が表皮同等物の上表面を覆わないように、前記担体を上げるステップ。
【0038】
担体は、とりわけ、グリル状の担体とすることができる。
【0039】
本発明による真皮同等物は、特に、培養培地に毛包間頭皮線維芽細胞を播種し、次いでコラーゲンを添加することによって得られる。
【0040】
本発明による方法は、次の培養ステップを含むことができる。
a)たとえば、動物またはヒトの組織片を播種した栄養培地で生成した単層培養物から回収した収縮性細胞と、
b)真皮の細胞外マトリックスの成分、特にコラーゲンを補充した栄養培地と
の前記混合物が収縮したゲルを形成し、栄養培地を除去して真皮同等物および特に収縮したコラーゲン格子を形成するステップ。
【0041】
健常なヒトドナーから得られ、制御したトリプシン処理によって、またはコラゲナーゼを使用することによって単層培養物から回収された毛包間頭皮線維芽細胞が、収縮性細胞として使用されることになる。
【0042】
本発明による調製方法の実施は、真皮同等物-または真皮の基質-に毛包間頭皮ケラチノサイトを播種することにある。
【0043】
前記基質の表面でケラチノサイトの増殖を可能にする条件を維持し、この毛包間頭皮ケラチノサイトの培養の進展を、少なくとも1つの最少栄養培地、好ましくは実施例1に記載する3F培地を前記ケラチノサイトに接触させて使用することによって促進する。
【0044】
有利には、基質にケラチノサイトを播種した後、植え込まれた基質を、好ましくは5〜7日の間、ケラチノサイトを覆うこの栄養培地中に浸漬することによって保持する。
【0045】
次に、真皮同等物を空気に接触させる。これを行うために、真皮同等物を、容器の基底に対して上げられたグリル状の担体に載せ、栄養培地の高さを調整し、生成中にグリル状の担体がちょうど覆われるが、栄養培地が皮膚同等物の上表面を覆わないようにする。
【0046】
本発明の方法によれば、毛包間頭皮ケラチノサイトを播種した収縮した真皮同等物は、このように、優先的には培養培地中に浸漬して5〜7日間、次いで好適な担体上で培地の上に出して5〜7日間培養される。
【0047】
このように構成された本発明による頭皮同等物は、十分に分化し、十分に組織化されている。これは全体的に均質でもある。
【0048】
本発明による方法の1つの変形形態によれば、収縮したまたは収縮途中の前記真皮の頭皮同等物の中に(特にコラーゲン格子の中に)、真皮乳頭の線維芽細胞および/もしくは結合組織鞘の線維芽細胞、ならびに/または真皮乳頭全体および/もしくは結合組織鞘および/もしくは結合組織鞘の部分から選択される毛の線維芽細胞(hair fibroblast)を移植することによって、毛を含む頭皮同等物を得ることが可能である。これは、たとえば注射器を使用して実施することができる。これらの毛の線維芽細胞、真皮乳頭全体、結合組織鞘および/または結合組織鞘の部分は、毛包間線維芽細胞がコラーゲン上でその作用を開始してから添加されることになる。したがって、これらは毛包間頭皮線維芽細胞と同時に添加するのではない。毛の線維芽細胞は、優先的には細胞1000〜10000個の量で、すなわち毛包間頭皮線維芽細胞100個につき、毛の線維芽細胞約1〜10個の割合で添加されることになる。
【0049】
毛の線維芽細胞、たとえば乳頭線維芽細胞もしくは結合組織鞘の線維芽細胞または乳頭全体もしくは結合組織鞘もしくは結合組織鞘の部分を真皮同等物の中に移植することによって、ケラチノサイトは体毛または頭髪(毛の柄[hair stalk])の形態形成を再生することになる(Reynolds A.J.、Lawrence C.M.、Jahoda C.A.、Human hair follicle germinative epidermal cell culture、J. Invest. Dermatol、1993年10月、101[4]:634〜8頁)。
【0050】
本発明の別の主題は、本発明による方法によって得ることができる頭皮同等物である。
【0051】
この頭皮同等物は、その顆粒層中にインボルクリンおよび/またはケラチンK10を発現し、これはin vivoの頭皮における発現に匹敵する発現である。「匹敵する発現」という用語は、これらのタンパク質をコードする遺伝子の発現を意味し、これはin vivoの組織中と同じ場所に位置する細胞の中で、かつ/または同じ強度で生じる。
【0052】
頭皮同等物がin vivoの頭皮の特性を有することを考慮すると、処置対象の個体の項部または後頭部から得られた移植片と同じ方法で、かつ同じ成功率で移植することができる。自家移植技術は、たとえばBouhannaら(Dermatol. Surg.、2003年11月、29[11]、1130〜4頁)に記載されている。したがって、本発明による頭皮同等物は、移植後に、元の頭皮部分に適切に置換する能力を有する。
【0053】
頭皮同等物は、頭皮皮膚障害、たとえば熱傷、瘢痕形成異常または白毛症を処置するように意図され、したがって哺乳動物に、より特定するとヒト患者、たとえば第3度熱傷の患者に移植するように意図される移植片の調製にも用途があるであろう。移植片とは移植用に意図された組織の一部と定義される。
【0054】
したがって、本発明の別の主題は、処置に使用するための、または上記の頭皮皮膚障害のうち1つの処置において使用するための、上記に定義した頭皮同等物に関する。この頭皮同等物または移植片は、インボルクリンおよびケラチンK10の発現に関して、in vivoの頭皮の特性に匹敵する特性(すなわち表皮の最後の顆粒層におけるインボルクリンおよびケラチンK10の発現)を有するであろう。したがって、本発明は、これらの頭皮皮膚障害の1つを処置するための移植片を製造するための、上記で定義した頭皮同等物の使用にも関する。
【0055】
その調製に採用される方法の変形形態に関係なく、得られる頭皮同等物は、動物実験を必要とすることになる任意の試験の代替試験として、たとえば活性剤の放出、その皮膚浸透性および/もしくはその吸収性ならびに/またはそのバイオアベイラビリティに関する研究、あるいは、活性剤および/または化粧用、医薬用もしくは皮膚用の成分の、耐容性、適合性または有効性に関する研究に有用な3次元モデルである。
【0056】
したがって、本発明の別の主題は、頭皮での化合物の皮膚浸透性および/もしくは吸収性ならびに/またはバイオアベイラビリティならびに/または有効性を試験するため、ならびに/または頭皮に対する化合物の耐容性および/もしくは適合性を試験するための、上記の頭皮同等物の使用である。
【0057】
したがって、この使用によって、化合物が頭皮の種々の層の中に浸透するかどうか、または化合物に所望の効果が本当にあるかどうかを知ることが可能になる。
【0058】
この頭皮同等物は、発毛のモジュレーターである化合物、ならびに/または頭皮の質および恒常性、特に頭皮の落屑、頭垢もしくは敏感頭皮の処置に作用する分子の特定に特に有用である。
【0059】
さらに、この頭皮同等物は、頭皮の正常状態または病的状態に関連するバイオマーカーの探索を可能にする。追加の利点は、in vivoの頭皮にさらにより近づけるために、毛包、汗腺または皮脂腺の実現を研究する可能性にある。
【0060】
このモデルは、幹細胞の注入によって毛の形成を誘導するために必要である。
【0061】
本発明による再構成頭皮モデルは、幹細胞から(たとえば毛球細胞(bulb cell)から)毛の形成を誘導する能力のある分子の活性を定量化することを可能にすることができる。
【0062】
毛包を含む頭皮同等物は、特に、体毛または頭髪の発毛動態を実現することを可能にし、したがって、in vivoの状況で可能な限り完璧な多数の生きている毛を必要とする任意の研究、たとえば毛のサイクルおよびこのサイクルに影響を及ぼすことが可能な要因についての研究、発毛を促進する活性剤、脱毛を抑制する活性剤または発毛を緩慢にする活性剤の研究まで可能にするであろう。
【0063】
新規な活性剤を特定するための生成物スクリーニング方法には、前記試験生成物を本発明による頭皮同等物に接触させるステップ(a)と、次いで頭皮同等物の少なくとも1つのパラメーターについて前記生成物の効果を分析するステップ(b)と、前記パラメーターを変更する生成物を選択するステップ(c)とが含まれる。
【0064】
好ましくは、ステップ(a)を実施するために、試験生成物を局所的に適用する。たとえば試験生成物を標準的な局所用製剤に配合するか、または培養培地中に導入する。
【0065】
頭皮同等物のパラメーターは、優先的には、事前に選択されたマーカーの、頭皮同等物および/または頭皮同等物の落屑の中での発現、生成および/または活性から選択される。
【0066】
ステップ(b)は、とりわけ、頭皮の質および/または恒常性に関連するマーカーの、発現、生成および/または活性の分析によって実施することができる。マーカーの例には、表皮のマーカーおよび/または真皮のマーカー、たとえば構造タンパク質、特に表皮分化タンパク質および真皮のマトリックスの巨大分子タンパク質がある。挙げることができる構造タンパク質の例は、ヘアケラチンである。
【0067】
頭皮の質および/または恒常性に関連するこれらのマーカーは、頭皮の落屑、頭垢の状態または敏感頭皮を表すものとなりうる。
【0068】
本発明による頭皮モデルが、真皮同等物の中に上記のとおり移植されている毛の線維芽細胞、たとえば乳頭線維芽細胞もしくは結合組織鞘の線維芽細胞または乳頭全体もしくは結合組織鞘もしくは結合組織鞘の部分を含む場合、スクリーニング試験は、毛の柄の成長を誘導することが可能な生成物を特定することを意図することもできる。
【0069】
これを行うために、スクリーニング方法のステップ(b)は、毛の柄の成長に対する効果を分析することになる。
【0070】
本発明による頭皮モデルが、免疫系の細胞、たとえばランゲルハンス細胞を含む場合、スクリーニング試験は、刺激反応またはアレルギー反応を誘導することが可能な生成物を特定することを意図することもできる。
【0071】
これを行うために、スクリーニング方法のステップ(b)は、優先的には以下から選択されるパラメーターのうち少なくとも1つについて生成物の効果を分析することになる。
- 細胞毒性、
- 炎症メディエーターの放出、
- 組織構造によって、または乳酸デヒドロゲナーゼの放出(ケラチノサイト膜統合のマーカー)によって明らかにされる細胞傷害(Roguetら、J. Tox. In vitro 6:303[1992年]およびPonec M著In Vitro Toxicology、Rougier、MaibachおよびGolberg編、107頁、1994年)、
- 皮膚脂質、特にセラミドおよびリン脂質の合成および組成の変更(JID86、598[1986年])、
- 上皮細胞の分化のマーカーとしての層形成(M. PrunierasおよびR. Roguet、Toxicologie cellulaire in vitro methodes et applications、M.Adolphe、A.GuillouzoおよびF.Marano編、INSERM発行、1995年、191〜236頁)(Duffy P.A.、Flint O.P.、In vitro dermal irritancy test、掲載はC.K. AtterwillおよびC.E.Steele[編]、In vitro methods in Toxicology、Cambridge Univ. Press Cambridge、1987年、279〜297頁)(Use of skin cell culture for in vitro assessment of corrosion and cutaneous irritancy、Roguet、Cell Biology and Toxicology、1999年、15、63〜75頁)。
【0072】
生成物の効果を分析するステップ(b)は、優先的には、試験生成物と接触させた頭皮同等物について測定した少なくとも1つのパラメーターと、同一の条件下で培養したが試験生成物を付与していない対照頭皮同等物について測定した同じパラメーターとを比較することになる。
【0073】
頭皮同等物のパラメーターを変更する生成物を選択するステップ(c)は、事前に規定した基準に応じて実施することになる。
【0074】
このパラメーターの変更とは、前記マーカーの発現、生成および/もしくは活性、ならびに/または毛の柄の成長、ならびに/または頭皮同等物の落屑の、刺激、低減または全部もしくは部分的な抑制とすることができる。
【0075】
前記生成物を選択する基準は、たとえば、この生成物が、測定されたパラメーターについて刺激効果または抑制効果を有するというようなものとなろう。
【0076】
本発明による頭皮同等物は、新規な活性剤を特定するための、化粧用、医薬用または皮膚用の化合物の自動化スクリーニング方法に使用することもできる。
【0077】
図1は、本発明をより明確に示すものであるが、その範囲を限定するものではない。