【実施例】
【0155】
[0155]本明細書を通して、また以下の実施例を通して、記号、慣例表記、及び略語は、同時代の技術文献、例えば、Journal of the American Chemical Society、The ACS Style Guide: effective communication of scientific information, 3rd ed. (技術情報の有効な伝達、第3版); Coghill, A.M. and Garson, L. R. ed.; Washington, DC, OxfordUniversity Press, New York Oxford, 2006に沿っている。水系処理中を除いて、以下のすべての実験は無酸素環境で厳密な乾燥条件のもとで行った。これは、乾燥した溶媒(典型的には分子篩いを通して乾燥した)、オーブンで乾燥したガラス器具(約105℃で乾燥)及びシリンジを乾燥した窒素雰囲気下で用いたことを意味する。商業的に入手可能な、あるいは実験室内で調製した有機金属試薬及びAlCl
3の溶液は、使用前に滴定して濃度を求めた。
【0156】
[0156]Bu
2O ジ−n−ブチルエーテル
[0157]Bu ブチル
[0158]t−Bu tert−ブチル
[0159]n−BuLi n−ブチルリチウム
[0160]t−BuLi t−ブチルリチウム
[0161]Me メチル
[0162]Et エチル
[0163]Pr プロピル
[0164]Ph フェニル(C
6H
5)
[0165]Et
2O ジエチルエーテル
[0166]DIBAL 水素化ジイソブチルアルミニウム
[0167]DCM ジクロロメタン
[0168]PhCN ベンゾニトリル
[0169]g グラム
[0170]mg ミリグラム
[0171]L リットル
[0172]mL ミリリットル
[0173]TBS tert−ブチルジメチルシリル
[0174]TBSCl 塩化tert−ブチルジメチルシリル
[0175]M モル濃度
[0176]N 規定度
[0177]MHz メガヘルツ
[0178]mol モル
[0179]mmol ミリモル
[0180]min 分
[0181]h 時間
[0182]TLC 薄層クロマトグラフィー
[0183]TBDPS tert−ブチルジフェニルシリル
[0184]TBDPSCl 塩化tert−ブチルジフェニルシリル
[0185]TES トリエチルシリル
[0186]TBAF フッ化テトラブチルアンモニウム
[0187]R
f 保持係数
[0188]MeOH メタノール
[0189]PrOH イソプロパノール
[0190]PhOMe アニソール
[0191]PhMe トルエン
[0192]PhCl クロロベンゼン
[0193]Pd/C パラジウム担持炭素
[0194]塩水 飽和塩化ナトリウム水溶液
[0195]AcOH 酢酸
[0104]TFA トリフルオロ酢酸
[0196]THF テトラヒドロフラン
[0197]NMP N−メチルピロリジノン
[0198]DMSO ジメチルスルホキシド
[0199]EtOAc 酢酸エチル
[0200]DCM ジクロロメタン
[0201]DCE ジクロロエタン
[0202]DMF N,N−ジメチルホルムアミド
[0203]atm 雰囲気
[0204]HPLC 高速液体クロマトグラフィー
[0205]以下の実施例は本発明をさらに説明するためのものであって、限定するものではない。
【0157】
実施例1 1,6−アンヒドロ−2,4−ジ−O−tert−ブチルジフェニルシリル−β−D−グルコピラノース(II’’)の合成
【0158】
【化13】
【0159】
[0206]0℃の1,6−アンヒドロ−β−D−グルコピラノース(1.83g、11.3mmol)とイミダゾール(3.07g、45.2mmol)のTHF(10mL)懸濁液に、TBDPSCl(11.6mL、45.2mmol)のTHF(10mL)溶液を滴加した。1,6−アンヒドロ−β−D−グルコピラノースを消費した後、水(10mL)を加えて、混合物をEtOAc(それぞれ20mL)で二回抽出し、塩水(10mL)で洗浄した。それを(Na
2SO
4)乾燥し、濃縮した。カラムクロマトグラフィー(1:20のEtOAc/n−ヘプタンで溶出)により、2,4−ジ−O−tert−ブチルジフェニルシリル−1,6−アンヒドロ−β−D−グルコピラノース(5.89g、81%)を得た。
1H NMR (400MHz, CDCl
3) δ7.82-7.70 (m, 8H), 7.49-7.36 (m, 12H), 5.17 (s, 1H), 4.22 (d, J=4.8 Hz, 1H), 3.88-3.85 (m, 1H), 3.583-3.579 (m, 1H), 3.492-3.486 (m, 1H), 3.47-3.45 (m, 1H), 3.30 (dd, J=7.4, 5.4 Hz, 1H), 1.71 (d, J=6.0 Hz, 1H), 1.142 (s, 9H), 1.139 (s, 9H);
13C NMR (100MHz, CDCl
3) δ135.89 (CH×2), 135.87 (CH×2), 135.85 (CH×2), 135.83 (CH×2), 133.8 (C), 133.5 (C), 133.3 (C), 133.2 (C), 129.94 (CH), 129.92 (CH), 129.90 (CH), 129.88 (CH), 127.84 (CH
2×2), 127.82 (CH
2×2), 127.77 (CH
2×4), 102.4 (CH), 76.9 (CH), 75.3 (CH), 73.9 (CH), 73.5 (CH), 65.4 (CH
2), 27.0 (CH
3×6), 19.3(C×2)
実施例2 2,4−ジ−O−tert−ブチルジフェニルシリル−1−C−フェニル−β−D−グルコピラノシド(IVa’’)
【0160】
【化14】
【0161】
[0207]AlCl
3(4.0mL、2.0mmol、0.5M濃度のTHF溶液)と臭化フェニルマグネシウム(1.9mL、5.0mmol、2.6M濃度のEt
2O溶液)を一緒にして黒色溶液を得た。周囲温度で1時間撹拌した後、溶媒を真空(50torr)蒸発させ、PhMe(6.0mL)を加えた。周囲温度の1,6−アンヒドロ−2,4−ジ−O−tert−ブチルジフェニルシリル−β−D−グルコピラノース(0.64g、1.0mmol)のPhMe(3.0mL)溶液に、臭化フェニルマグネシウム(0.4mL、1.0mmol、2.6M濃度のEt
2O溶液)を加えて、約5分間撹拌した。次いで、混合物を部分的に減圧(50torr)濃縮して、Et
2Oを取り除いた。残った1,6−アンヒドロ−2,4−ジ−O−tert−ブチルジフェニルシリル−β−D−グルコピラノースのPhMe溶液をあらかじめ調製しておいたアルミニウム混合物に加えて、PhMe(1.0mL)で希釈した。混合物を27時間穏やかな還流下で加熱した。周囲温度まで冷却した後、THF(20mL)、10%NaOH水溶液(2mL)、珪藻土(2g)、Na
2SO
4(5g)の順に生成混合物に加えて、得られた懸濁液を濾過した。濾液を濃縮して、橙色のオイルを得た。このオイルをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(1:6のEtOAc/n−ヘプタンで溶出)により精製して、生成物2,4−ジ−O−tert−ブチルジフェニルシリル−1−C−フェニル−β−D−グルコピラノシド(0.46g、64%)を淡黄色のオイルとして得た。
1H NMR (400MHz, CDCl
3) δ7.67 (dd, J=8.2, 1.4Hz, 2H), 7.57 (dd, J=8.0, 1.6Hz, 2H), 7.46-7.33 (m, 12H), 7.31-7.24 (m, 7H), 7.17-7.14 (m, 2H), 4.28 (d, J=9.6Hz, 1H), 3.89 (ddd, J=11.4, 8.2, 2.8Hz, 1H), 3.85-3.79 (m, 1H), 3.61 (ddd, J=9.3, 6.3, 2.7Hz, 1H), 3.53-3.48 (m, 2H), 3.41 (dd, J=9.4, 8.6Hz, 1H), 1.77 (dd, J=8.0, 5.2Hz, 1H, OH), 1.23 (d, J=4.8Hz, 1H, OH), 1.01 (s, 9H), 0.62 (s, 9H);
13C NMR (100MHz, CDCl
3) δ138.6 (C), 136.6 (CH×2), 136.2 (CH×2), 135.5 (C), 135.3 (CH×2), 135.0 (CH×2), 134.9 (C), 132.9 (C), 132.0 (C), 129.8 (CH), 129.7 (CH), 129.4 (CH), 129.3 (CH), 128.7 (CH×2), 128.5 (CH), 128.4 (CH×2), 127.6 (CH×6), 127.3 (CH×2), 82.9 (CH), 80.6 (CH), 79.4 (CH), 76.5 (CH), 72.9 (CH), 62.8 (CH
2), 27.3 (CH
3×3), 26.7 (CH
3×3), 19.7 (C), 19.2 (C);計算値[C
44H
52NaO
5Si
2+]=739.32455に対するESI−QTof実測値は739.32450であった。
【0162】
実施例3 1−C−フェニル−β−D−グルコピラノシド(Ia)の合成
【0163】
【化15】
【0164】
[0208]周囲温度の2,4−ジ−O−tert−ブチルジフェニルシリル−1−C−フェニル−β−D−グルコピラノシド(1g、1.4mmol)のTHF(5mL)溶液に、TBAF(14mL、14mmol、1.0M濃度のTHF溶液)を加えた。出発材料を消費した後、反応溶液をDowex(登録商標)50WX8−400イオン交換樹脂(8g)、CaCO
3(3g)、及びMeOH(10mL)の混合物に加えた。周囲温度で1時間撹拌した後、反応混合物を濾過し、MeOH(20mL)で洗浄した。濾液を濃縮して、得られたものをカラムクロマトグラフィー(1:10のMeOH/DCMで溶出)で精製して、1−C−フェニル−β−D−グルコシド(0.24g、72%)を得た。
1H NMR (400MHz, CD
3OD) δ7.46-7.43 (m, 2H), 7.37-7.28 (m, 3H), 4.16 (d, J=9.2Hz, 1H), 3.92-3.89 (m, 1H), 3.75-3.70 (m, 1H), 3.53-3.38 (m, 4H);
13C NMR (100MHz, CD
3OD) δ139.5 (C), 127.7 (CH×2), 127.62 (CH×2), 127.55 (CH), 82.3 (CH), 80.8 (CH), 78.4 (CH), 75.0 (CH), 70.6 (CH), 61.8 (CH
2); LCMS (ESI) m/z 258 (100, [M+NH
4]
+), 263 (69, [M+Na]
+), 503 (25, [2M+Na]
+).
実施例4 2,4−ジ−O−tert−ブチルジフェニルシリル−1−C−フェニル−β−D−グルコピラノシド(IVa’’)の合成
【0165】
【化16】
【0166】
[0209]AlCl
3(2.4mL、1.2mmol、0.5M濃度のTHF溶液)と臭化フェニルマグネシウム(1.2mL、3.0mmol、2.6M濃度のEt
2O溶液)の混合物を周囲温度で1時間撹拌した(黒色溶液)。周囲温度の1,6−アンヒドロ−2,4−ジ−O−tert−ブチルジフェニルシリル−β−D−グルコピラノース(0.63g、1.0mmol)のPhOMe(3.0mL)溶液に、臭化フェニルマグネシウム(0.38mL、1.0mmol、2.6M濃度のEt
2O溶液)を加え、約5分撹拌した。シリンジで得られた溶液をあらかじめ調製しておいたアルミニウム混合物に加え、その後、PhOMe(2.0mL)を加えてフラスコを洗浄した。混合物を60−70℃(槽の外温)で減圧(50torr)濃縮して、低沸点エーテル系溶媒を取り除いた(PhOMeは取り除かなかった)。残った混合物を130℃(槽の外温)で22時間加熱したところ、HPLCによる分析による収率が68%で2,4−ジ−O−tert−ブチルジフェニルシリル−1−C−フェニル−β−D−グルコピラノシドが得られた。
【0167】
実施例5 2,4−ジ−O−tert−ブチルジフェニルシリル−1−C−フェニル−β−D−グルコピラノシド(IVa’’)の合成
【0168】
【化17】
【0169】
[0210]AlCl
3(0.60ml、0.30mmol、0.5M濃度のTHF溶液)とPh
3Al(1.7ml、1.7mmol、1.0M濃度のBu
2O溶液)を周囲温度で混合して、黒色溶液を得た。この混合物に、周囲温度の1,6−アンヒドロ−2,4−ジ−O−tert−ブチルジフェニルシリル−β−D−グルコピラノース(0.64g、1.0mmol)のPhOMe(4.0mL)溶液を加えた。この混合物を60℃(槽の外温)で減圧(50torr)濃縮して低沸点エーテル系溶媒を取り除いた。残った混合物(溶媒としてPhOMe/Bu
2Oを含む)を130℃(槽の外温)で6時間加熱したところ、HPLCによる分析による収率が71%で2,4−ジ−O−tert−ブチルジフェニルシリル−1−C−フェニル−β−D−グルコピラノシドが得られた。周囲温度まで冷却した後、この生成混合物の一部(0.5mL)をヨウ素(0.25g、0.98mmol)のTHF(5.0mL)溶液に加えた。この黒色の混合物を周囲温度で15分撹拌したところ、HPLCによる分析で43%のヨードベンゼンを回収し、52%のベンゼンを回収した。さらにこの生成混合物の一部(0.5mL)を、ヨウ素(0.25g、0.98mmol)とLiCl(5.0mL、0.5M、THF)の溶液に加えた。この黒色の混合物を周囲温度で2時間撹拌したところ、HPLCによる分析で59%のヨードベンゼンを回収し、33%のベンゼンを回収した。
【0170】
実施例6 2,4−ジ−O−tert−ブチルジフェニルシリル−1−C−フェニル−β−D−グルコピラノシド(IVa’’)の合成
【0171】
【化18】
【0172】
[0211]AlCl
3(1.4ml、0.70mmol、0.5M濃度のTHF溶液)とPh
3Al(1.3ml、1.3mmol、1.0M濃度のBu
2O溶液)を周囲温度で混合して淡茶色溶液を得た。1,6−アンヒドロ−2,4−ジ−O−tert−ブチルジフェニルシリル−β−D−グルコピラノース(0.64g、1.0mmol)のPhOMe(4.0mL)溶液に、周囲温度でn−BuLi(0.42mL、1.0mmol、2.4M濃度のヘキサン溶液)を加えて、約5分撹拌した。得られた混合物を上記の調製済みアルミニウム混合物に加えた。この混合物を60℃(槽の外温)で減圧(50torr)濃縮して低沸点エーテル系溶媒を取り除いた。残った混合物(溶媒としてPhOMe/Bu
2Oを含む)を130℃(槽の外温)で3時間加熱したところ、HPLCによる分析で収率76%の2,4−ジ−O−tert−ブチルジフェニルシリル−1−C−フェニル−β−D−グルコピラノシドを得た。
【0173】
実施例7 2,4−ジ−O−tert−ブチルジフェニルシリル−1−C−フェニル−β−D−グルコピラノシド(IVa’’)の合成
【0174】
【化19】
【0175】
[0212]0℃のAlCl
3(12mL、6mmol)の0.5M濃度のTHF溶液に、PhLi(6mL、12mmol)の2M濃度のBu
2O溶液を滴加した。この混合物を室温まで温め、1時間後に混合物を60℃まで加熱した。1,6−アンヒドロ−2,4−ジ−O−tert−ブチルジフェニルシリル−β−D−グルコピラノース(2.54g、4mmol)のPhMe(15mL)溶液を滴加して、混合物を還流下で加熱した。1,6−アンヒドロ−2,4−ジ−O−tert−ブチルジフェニルシリル−β−D−グルコピラノースを消費した後、生成混合物を0℃まで冷却し、氷と水の混合物(50mL)に注いだ。この混合物をEtOAc(20mL)で抽出し、1NのHCl(10mL)及び塩水(10mL)で洗浄し、(Na
2SO
4)乾燥して、濃縮した。得られた残留物のカラムクロマトグラフィー(1:10のEtOAc/n−ヘプタンで溶出)で、2,4−ジ−O−tert−ブチルジフェニルシリル−1−C−フェニル−β−D−グルコピラノシド(1.17g、41%)が得られた。
【0176】
実施例8 2,4−ジ−O−tert−ブチルジフェニルシリル−1−C−(2,4,6−トリメチルフェニル)−l−β−D−グルコピラノシド(IVb’’)の合成
【0177】
【化20】
【0178】
[0213]PhOMe(6mL)、AlCl
3(0.5M濃度のTHF溶液、4.0mL、2.0mmol)及び臭化2,4,6−トリメチルフェニルマグネシウム(0.8M濃度のTHF溶液、6.25mL、5.0mmol)を周囲温度で混合して、黄色溶液を得た。これを周囲温度で1時間撹拌した。周囲温度の1,6−アンヒドロ−2,4−ジ−O−tert−ブチルジフェニルシリル−β−D−グルコピラノース(0.64g、1.0mmol)のPhOMe(3.0mL)溶液に、臭化フェニルマグネシウム(0.38mL、1.0mmol、2.6M濃度のEt
2O溶液)を加えた。約5分間撹拌した後、シリンジでこの溶液を上記の調製済みアルミニウム混合物に加えて、さらにPhOMe(1.0mL)を加えてフラスコを洗浄した。混合物を60℃(槽の外温)で減圧(50torr)濃縮して低沸点エーテル系溶媒を取り除いた。残った混合物を150℃(槽の外温)で16時間加熱したところ、HPLCによる分析で収率67%の2,4−ジ−O−tert−ブチルジフェニルシリル−1−C−(2,4,6−トリメチルフェニル)−β−D−グルコピラノシドを得た。周囲温度まで冷却した後、この生成混合物を周囲温度で10%NaOH水溶液(1mL)、THF(10mL)、及び珪藻土で処理した。次いで、混合物を濾過して、濾過ケーキをTHFで洗浄した。濾液を一緒にして、濃縮し、粗生成物をカラムクロマトグラフィー(1:10のEtOAc/n−ヘプタンで溶出)にて精製したところ、2,4−ジ−O−tert−ブチルジフェニルシリル−1−C−(2,4,6−トリメチルフェニル)−l−β−D−グルコピラノシド(494mg、65%)を得た。
1H NMR (400MHz, CDCl
3) δ7.56-7.54 (m, 2H), 7.47-7.45 (m, 2H), 7.34-7.22 (m, 12H), 7.21-7.13 (m, 4H), 6.74 (d, J=0.8Hz, 1H), 6.66 (d, J=0.8Hz, 1H), 4.74-4.69 (m, 1H), 3.80 (ddd, J=11.2, 8.4, 2.6Hz, 1H), 3.68-3.65 (m, 2H), 3.48 (ddd, J=9.2, 6.4, 2.6Hz, 1H), 3.41-3.36 (m, 1H), 3.30-3.25 (m, 1H), 2.37 (s, 3H), 2.17 (s, 3H), 1.77 (s, 3H), 1.71 (dd, J=8.0, 5.2Hz, 1H, OH), 0.91 (s, 9H), 0.53 (s, 9H);
13C NMR (100MHz, CDCl
3) δ137.8 (C), 137.4 (C), 137.3 (C), 136.5 (CH×2), 136.1 (CH×2), 135.6 (C), 135.2 (CH×2), 135.0 (C), 134.9 (CH×2), 133.0 (C), 131.8 (C), 131.3 (C), 130.9 (CH), 129.63 (CH), 129.60 (CH), 129.3 (CH), 129.14 (CH), 129.09 (CH), 127.54 (CH×2), 127.48 (CH×4), 127.3 (CH×2), 80.7 (CH), 80.0 (CH), 78.2 (CH), 74.3 (CH), 73.0 (CH), 63.1 (CH
2), 27.2 (CH
3×3), 26.4 (CH
3×3), 21.8 (CH
3), 20.8 (CH
3), 20.1 (CH
3), 19.6 (C), 19.0 (C); LCMS (ESI) m/z 776 (100, [M+NH
4]
+), 781 (3, [M+Na]
+);計算値[C
47H
58NaO
5Si
2+]=781.3715に対するESI−QTof実測値は781.3712であった。
【0179】
実施例9 2,4−ジ−O−tert−ブチルジフェニルシリル−1−C−(4−メチルフェニル)−l−β−D−グルコピラノシド(IVc’’)の合成
【0180】
【化21】
【0181】
[0214]PhOMe(6mL)、AlCl
3(0.5M濃度のTHF溶液、4.0mL、2.0mmol)及び臭化4−メチルフェニルマグネシウム(5.0mL、5.0mmol、1.0M濃度のTHF溶液)を周囲温度で混合して黒色溶液を得た。これを周囲温度で1時間撹拌した。周囲温度の1,6−アンヒドロ−2,4−ジ−O−tert−ブチルジフェニルシリル−β−D−グルコピラノース(0.64g、1.0mmol)のPhOMe(3.0mL)溶液に、臭化フェニルマグネシウム(0.38mL、1.0mmol、2.6M濃度のEt
2O溶液)を加えて、約5分撹拌した。シリンジでこの混合物を上記の調製済みアルミニウム混合物に加えて、さらにPhOMe(1.0mL)を加えてフラスコを洗浄した。この混合物を60℃(槽の外温)で減圧(50torr)濃縮して低沸点エーテル系溶媒を取り除いた。残った混合物を130℃(槽の外温)で26時間加熱したところ、HPLCによる分析で収率59%の2,4−ジ−O−tert−ブチルジフェニルシリル−1−C−(4−メチルフェニル)−β−D−グルコピラノシドを得た。周囲温度まで冷却した後、反応物を周囲温度の10%NaOH水溶液(1mL)、THF(10mL)及び珪藻土で処理した。この混合物を濾過し、濾過ケーキをTHFで洗浄した。濾液を一緒にして、濃縮し、粗生成物をカラムクロマトグラフィー(1:10のEtOAc/n−ヘプタンで溶出)にて精製したところ、2,4−ジ−O−tert−ブチルジフェニルシリル−1−C−(4−メチルフェニル)−l−β−D−グルコピラノシド(405mg、55%)を得た。
1H NMR (400MHz, CDCl
3) δ7.66 (d, J=6.8Hz, 2H), 7.57 (d, J=6.8Hz, 2H), 7.45-7.32 (m, 12H), 7.30-7.24 (m, 4H), 7.07 (d, J=7.6Hz, 2H), 7.03 (d, J=7.6Hz, 2H), 4.24 (d, J=9.6, 1H), 3.90-3.85 (m, 1H), 3.83-3.77 (m, 1H), 3.62-3.58 (m, 1H), 3.52-3.46 (m, 2H), 3.40 (dd, J=8.8, 8.8Hz, 1H), 2.34 (s, 3H), 1.77 (dd, J=6.6, 6.6Hz, 1H, OH), 1.22 (d, J=4.8Hz, 1H, OH), 1.01 (s, 9H), 0.63 (s, 9H);
13C NMR (100MHz, CDCl
3;) δ138.2 (C), 136.5 (CH×2), 136.1 (CH×2), 135.5 (C), 135.4 (C), 135.2 (CH×2), 135.0 (CH×2), 134.9 (C), 132.9 (C), 132.1 (C), 129.7 (CH), 129.5 (CH), 129.3 (CH), 129.2 (CH), 128.9 (CH×2), 128.5 (CH×2), 127.53 (CH×4), 127.51 (CH×2), 127.2 (CH×2), 82.6 (CH), 80.4 (CH), 79.4 (CH), 76.3 (CH), 72.9 (CH), 62.8 (CH
2), 27.2 (CH
3×3), 26.6 (CH
3×3), 21.2 (CH
3), 19.6 (C), 19.1 (C); LCMS (ESI) m/z 748 (100, [M+NH
4]
+), 753 (2, [M+Na]
+);計算値[C
45H
54NaO
5Si
2+]=753.3402に対するESI―QTof実測値は753.3423であった。
【0182】
実施例10 2,4−ジ−O−tert−ブチルジフェニルシリル−1−C−(4−メトキシフェニル)−l−β−D−グルコピラノシド(IVd’’)の合成
【0183】
【化22】
【0184】
[0215]PhOMe(6mL)、AlCl
3(0.5M濃度のTHF溶液、5.0mL、2.5mmol)及び臭化4−メトキシフェニルマグネシウム(10.0mL、5.0mmol、0.5M濃度のTHF溶液)を周囲温度で混合して、黒色溶液を得た。これを周囲温度で1時間撹拌した。周囲温度の1,6−アンヒドロ−2,4−ジ−O−tert−ブチルジフェニルシリル−β−D−グルコピラノース(0.64g、1.0mmol)のPhOMe(3.0mL)溶液に、臭化フェニルマグネシウム(0.38mL、1.0mmol、2.6M濃度のEt
2O溶液)を加えた。約5分間撹拌した後、シリンジでこの溶液を上記の調製済みアルミニウム混合物に加えて、PhOMe(1.0mL)を加えてフラスコを洗浄した。この混合物を60℃(槽の外温)で減圧(50torr)濃縮して、低沸点エーテル系溶媒を取り除いた。残った混合物を130℃(槽の外温)で8時間加熱したところ、HPLCによる分析で、収率54%で2,4−ジ−O−tert−ブチルジフェニルシリル−1−C−(4−メトキシフェニル)−β−D−グルコピラノシドを得た。
1H NMR (400MHz, CDCl
3) δ7.67 (d, J=7.2Hz, 2H), 7.58 (d, J=7.2Hz, 2H), 7.46-7.34 (m, 13H), 7.30-7.25 (m, 3H), 7.05 (d, J=8.4Hz, 2H), 6.80 (d, J=8.0Hz, 2H), 4.24 (d, J=9.6Hz, 1H), 3.91-3.86 (m, 1H), 3.84-3.78 (m, 1H), 3.81 (s, 3H), 3.62-3.58 (m, 1H), 3.53-3.47 (m, 2H), 3.41 (dd, J=9.9, 9.9Hz, 1H), 1.77 (dd, J=6.6, 6.6Hz, 1H, OH), 1.02 (s, 9H), 0.66 (s, 9H);
13C NMR (100MHz, CDCl
3) δ159.8 (C), 136.5 (CH×2), 136.2 (CH×2), 135.4 (C), 135.2 (CH×2), 135.0 (CH×2), 134.9 (CH), 132.9 (C), 132.0 (C), 130.8 (C), 129.8 (CH×2), 129.7 (CH), 129.6 (CH), 129.4 (CH), 129.2 (CH), 127.54 (CH×4), 127.53 (CH×2), 127.2 (CH×2), 113.7 (CH×2), 82.3 (CH), 80.4 (CH), 79.4 (CH), 76.3 (CH), 72.9 (CH), 62.8 (CH
2), 55.4 (CH
3), 27.2 (CH
3×3), 26.6 (CH
3×3), 19.6 (C), 19.1 (C);計算値[C
45H
54NaO
6Si
2+]=769.3351に対するESI−QTof実測値は769.3330であった。
【0185】
実施例11 2,4−ジ−O−tert−ブチルジフェニルシリル−1−C−(4−クロロフェニル)−l−β−D−グルコピラノシド(IVe’’)の合成
【0186】
【化23】
【0187】
[0216]PhOMe(6mL)、AlCl
3(0.5M濃度のTHF溶液、4.0mL、2.0mmol)及び臭化4−クロロフェニルマグネシウム(0.8M濃度のTHF溶液、6.25mL、5.0mmol)を周囲温度で混合して、黒色溶液を得た。これを周囲温度で1時間撹拌した。周囲温度の1,6−アンヒドロ−2,4−ジ−O−tert−ブチルジフェニルシリル−β−D−グルコピラノース(0.64g、1.0mmol)のPhOMe(3.0mL)溶液に、臭化フェニルマグネシウム(0.38mL、1.0mmol、2.6M濃度のEt
2O溶液)を加えた。約5分間撹拌した後、シリンジでこの溶液を上記の調製済みアルミニウム混合物に加え、PhOMe(1.0mL)を加えてフラスコを洗浄した。この混合物を60℃(槽の外温)で減圧(50torr)濃縮して低沸点エーテル系溶媒を取り除いた。残った混合物を150℃(槽の外温)で22時間加熱したところ、HPLCによる分析で、収率47%で2,4−ジ−O−tert−ブチルジフェニルシリル−1−C−(4−クロロフェニル)−β−D−グルコピラノシドを得た。周囲温度まで冷却した後、この生成混合物を周囲温度の10%NaOH水溶液(1mL)、THF(10mL)及び珪藻土で処理した。この混合物を濾過して、濾過ケーキをTHFで洗浄した。濾液を一緒にして、濃縮し、粗生成物をカラムクロマトグラフィー(1:15のEtOAc/n−ヘプタンで溶出)により精製したところ、2,4−ジ−O−tert−ブチルジフェニルシリル−1−C−(4−クロロフェニル)−l−β−D−グルコピラノシド(328mg、44%)を得た。
1H NMR (400MHz, CDCl
3) δ7.67 (dd, J=8.0, 1.2Hz, 2H), 7.57 (dd, J=8.0, 1.6Hz, 2H), 7.44-7.33 (m, 13H), 7.31-7.26 (m, 3H), 7.22-7.20 (m, 2H), 7.05 (dd, J=6.4, 2.0Hz, 2H), 4.25 (d, J=9.6Hz, 1H), 3.90 -3.79 (m, 2H), 3.60 (ddd, J=9.2, 6.4, 2.6Hz, 1H), 3.53-3.38 (m, 3H), 1.70 (dd, J=8.0, 5.6Hz, 1H, OH), 1.01 (s, 9H), 0.67 (s, 9H);
13C NMR (100MHz, CDCl
3) δ137.0 (C), 136.4 (CH
2×2), 136.1 (CH
2×2), 135.2 (CH
2×2), 135.1 (C), 134.9 (CH
2, ×2), 134.8 (C), 134.2 (C), 132.7 (C), 131.9 (C), 130.0 (CH×2), 129.73 (CH), 129.67 (CH), 129.4 (CH), 129.3 (CH), 128.4 (CH×2), 127.6 (CH×6), 127.3 (CH×2), 82.1 (CH), 80.5 (CH), 79.3 (CH), 76.4 (CH), 72.7 (CH), 62.7 (CH
2), 27.2 (CH
3×3), 26.6 (CH
3×3), 19.6 (C), 19.1 (C); LCMS (ESI) m/z 768 (100, [M+NH
4]
+)、773 (5, [M+Na]
+);計算値[C
44H
51ClNaO
5Si
2+]=773.2856に対するESI−QTof実測値は773.2852であった。
【0188】
実施例12 2,4−ジ−O−tert−ブチルジフェニルシリル−1−C−(4−フルオロフェニル)−l−β−D−グルコピラノシド(IVf’’)の合成
【0189】
【化24】
【0190】
[0217]PhOMe(6mL)、AlCl
3(0.5M濃度のTHF溶液、4.0mL、2.0mmol)及び臭化4−フルオロフェニルマグネシウム(1.9M濃度のTHF溶液、2.6mL、5.0mmol)を周囲温度で混合して黒色溶液を得た。これを周囲温度で1時間撹拌した。周囲温度の1,6−アンヒドロ−2,4−ジ−O−tert−ブチルジフェニルシリル−β−D−グルコピラノース(0.64g、1.0mmol)のPhOMe(3.0mL)溶液に、臭化フェニルマグネシウム(0.38mL、1.0mmol、2.6M濃度のEt
2O溶液)を加えて、この混合物を約5分間撹拌した。シリンジでこの溶液を上記の調製済みアルミニウム混合物に加え、次いで、さらにPhOMe(1.0mL)を加えてフラスコを洗浄した。この混合物を60℃(槽の外温)で減圧(50torr)濃縮して低沸点エーテル系溶媒を取り除いた。残った混合物を150℃(槽の外温)で6時間加熱したところ、HPLCによる分析で、収率56%で2,4−ジ−O−tert−ブチルジフェニルシリル−1−C−(4−フルオロフェニル)−β−D−グルコピラノシドを得た。周囲温度まで冷却した後、この生成混合物を周囲温度の10%NaOH水溶液(1mL)、THF(10mL)及び珪藻土で処理した。この混合物を濾過し、濾過ケーキをTHFで洗浄した。濾液を一緒にして、濃縮し、粗生成物をカラムクロマトグラフィー(1:20のEtOAc/n−ヘプタンで溶出)で精製したところ、2,4−ジ−O−tert−ブチルジフェニルシリル−1−C−(4−フルオロフェニル)−l−β−D−グルコピラノシド(395mg、54%)を得た。
1H NMR (400MHz, CDCl
3) δ7.67 (d, J=7.2Hz, 2H), 7.57 (d, J=7.2Hz, 2H), 7.44-7.33 (m, 12H), 7.31-7.25 (m, 4H), 7.09 (dd, J=6.6, 6.6Hz, 2H), 6.93 (dd, J=8.6, 8.6Hz, 2H), 4.26 (d, J=10.0Hz, 1H), 3.91-3.79 (m, 2H), 3.62-3.58 (m, 1H), 3.54-3.38 (m, 3H), 1.70 (dd, J=6.6, 6.6Hz, 1H, OH), 1.01 (s, 9H), 0.66 (s, 9H);
13C NMR (100MHz, CDCl
3) δ162.8 (d, J=245Hz, C), 136.4 (CH×2), 136.2 (CH×2), 135.21 (CH×2), 135.20 (C), 134.9 (CH×2), 134.8 (C), 134.4 (d, J=3.1Hz, C), 132.8 (C), 131.9 (C), 130.3 (d, J=8.1Hz, CH×2), 129.73 (CH), 129.68 (CH), 129.4 (CH), 129.3 (CH), 127.58 (CH×2), 127.57 (CH×4), 127.3 (CH×2), 115.1 (d, J=21.2Hz, CH×2), 82.1 (CH), 80.5 (CH), 79.3 (CH), 76.4 (CH), 72.8 (CH), 62.8 (CH
2), 27.2 (CH
3×3), 26.6 (CH
3×3), 19.6 (C), 19.1 (C);計算値[C
44H
51FNaO
5Si
2+]=757.3151に対するESI−QTof実測値は757.3131であった。
【0191】
実施例13 2,4−ジ−O−tert−ブチルジフェニルシリル−1−C−(2−フリル)−l−β−D−グルコピラノシド(IVg’’)の合成
【0192】
【化25】
【0193】
[0218]フラン(2.5mL、34.3mmol)の冷(−76℃)THF(21.5mL)溶液に、n−BuLi(21.5mL、34.3mmol、1.6M濃度のヘキサン溶液)を加えた。混合物を1時間撹拌し、次いで周囲温度まで温めた。濃度を滴定により求めたところ、0.5Mであった。PhOMe(6mL)、AlCl
3(0.5M濃度のTHF溶液、4.0mL、2.0mmol)及び上記の調製済み2−フリルリチウム(10mL、5mmol、0.5M濃度のTHF溶液)を周囲温度で混合して、黒色溶液を得た。これを周囲温度で1時間撹拌した。周囲温度の1,6−アンヒドロ−2,4−ジ−O−tert−ブチルジフェニルシリル−β−D−グルコピラノース(0.64g、1.0mmol)のPhOMe(3.0mL)溶液に、臭化フェニルマグネシウム(0.38mL、1.0mmol、2.6M濃度のEt
2O溶液)を加えた。約5分間撹拌した後、シリンジでこの溶液を上記の調製済みアルミニウム混合物に加え、次いで、さらにPhOMe(1.0mL)を加えてフラスコを洗浄した。この混合物を60℃(槽の外温)で減圧(50torr)濃縮して、低沸点エーテル系溶媒を取り除いた。残った混合物を130℃(槽の外温)で16時間加熱したところ、HPLCによる分析で、収率78%で2,4−ジ−O−tert−ブチルジフェニルシリル−1−C−(2−フラニル)−β−D−グルコピラノシドを得た。周囲温度まで冷却した後、この反応物を周囲温度の10%NaOH水溶液(1mL)、THF(10mL)及び珪藻土で処理し、濾過した。濾過ケーキをTHFで洗浄した。濾液を一緒にして、濃縮し、粗生成物をカラムクロマトグラフィー(1:15のEtOAc/n−ヘプタンで溶出)したところ、2,4−ジ−O−tert−ブチルジフェニルシリル−1−C−(2−フリル)−l−β−D−グルコピラノシド(482mg、68%)を得た。
1H NMR (400MHz, CDCl
3) δ7.68-7.67 (m, 2H), 7.58-7.56 (m, 2H), 7.50-7.48 (m, 2H), 7.45-7.28 (m, 14H), 7.26 (dd, J=1.6, 0.4Hz, 1H) 6.27 (dd, J=3.4, 1.8Hz, 1H), 6.13 (dd, J=3.2, 0.4Hz, 1H), 4.39 (d, J=9.2Hz, 1H), 3.90 (ddd, J=11.6, 8.4, 2.4Hz, 1H), 3.80-3.70 (m, 2H), 3.58 (ddd, J=9.2, 6.6, 2.4Hz, 1H), 3.53-3.47 (m, 1H), 3.39 (dd, J=9.4, 8.2Hz, 1H), 1.76 (dd, J=8.0, 5.2Hz, 1H, OH), 1.30 (d, J=4.4Hz, 1H, OH), 1.01 (s, 9H), 0.76 (s, 9H);
13C NMR (100MHz, CDCl
3) δ151.3 (C), 142.2 (CH), 136.3 (CH×2), 136.2 (CH×2), 135.24 (C), 135.20 (CH×2), 135.1 (CH×2), 134.8 (C), 132.6 (C), 132.1 (C), 129.7 (CH), 129.6 (CH), 129.4 (CH), 129.3 (CH), 127.59 (CH×2), 127.58 (CH×2), 127.53 (CH×2), 127.3 (CH×2), 110.4 (CH), 110.1 (CH), 80.3 (CH), 79.4 (CH), 75.3 (CH), 74.2 (CH), 72.6 (CH), 62.7 (CH
2), 27.2 (CH
3×3), 26.7 (CH
3×3), 19.6 (C), 19.1 (C);計算値[C
42H
50NaO
6Si
2+]=729.3038に対するESI−QTof実測値は729.3027であった。
【0194】
実施例14 2,4−ジ−O−tert−ブチルジフェニルシリル−1−C−(2−チエニル)−l−β−D−グルコピラノシド(IVh’’)の合成
【0195】
【化26】
【0196】
[0219]PhOMe(6mL)、AlCl
3(0.5M濃度のTHF溶液、4.0mL、2.0mmol)及び臭化2−チエニルマグネシウム(1.0M濃度のTHF溶液、5.0mL、5.0mmol)を周囲温度で混合して黒色溶液を得た。これを周囲温度で1時間撹拌した。1,6−アンヒドロ−2,4−ジ−O−tert−ブチルジフェニルシリル−β−D−グルコピラノース(0.64g、1.0mmol)のPhOMe(3.0mL)溶液に、周囲温度の臭化フェニルマグネシウム(0.38mL、1.0mmol、2.6M濃度のEt
2O溶液)を加えて、約5分間撹拌した。シリンジでこの溶液を上記の調製済みアルミニウム混合物に加え、PhOMe(1.0mL)を加えてフラスコを洗浄した。この混合物を60℃(槽の外温)で減圧(50torr)濃縮して、低沸点エーテル系溶媒を取り除いた。残った混合物を130℃(槽の外温)で2時間加熱したところ、HPLCによる分析で、収率57%で2,4−ジ−O−tert−ブチルジフェニルシリル−1−C−(2−チエニル)−β−D−グルコピラノシドを得た。周囲温度まで冷却した後、反応物を周囲温度の10%NaOH水溶液(1mL)、THF(10mL)及び珪藻土で処理し、この混合物を濾過した。濾過ケーキTHFで洗浄した。 濾液を一緒にして、濃縮し、粗生成物をカラムクロマトグラフィー(1:10のEtOAc/n−ヘプタンで溶出)にて精製したところ、2,4−ジ−O−tert−ブチルジフェニルシリル−1−C−(2−チエニル)−l−β−D−グルコピラノシドを得た。
1H NMR (400MHz, CDCl
3) δ7.70 (dd, J=8.0, 1.2Hz, 2H), 7.59 (dd, J=8.0, 1.2Hz, 2H), 7.51-7.30 (m, 16H), 7.26-7.24 (m, 1H), 6.96-6.94 (m, 2H), 4.62 (d, J=9.6Hz, 1H), 3.93 (dd, J=11.6, 2.0Hz, 1H), 3.82 (ddd, J=10.2, 6.6, 1.8Hz, 1H), 3.64 (ddd, J=9.3, 6.3, 2.7Hz, 1H), 3.57-3.51 (m, 2H), 3.45 (dd, J=9.0, 9.0Hz, 1H), 1.05 (s, 9H), 0.75 (s, 9H);
13C NMR (100MHz, CDCl
3) δ141.5 (C), 136.5 (CH×2), 136.2 (CH×2), 135.5 (C), 135.2 (CH×2), 135.0 (CH×2), 134.8 (C), 132.8 (C), 132.0 (C), 129.8 (CH), 129.7 (CH), 129.4 (CH), 129.3 (CH), 127.63 (CH
2×2), 127.61 (CH
2×4), 127.34 (C), 127.33 (CH×2), 126.5 (CH), 125.7 (CH), 80.6 (CH), 79.4 (CH), 77.9 (CH), 77.2 (CH), 72.6 (CH), 62.7 (CH
2), 27.2 (CH
3×3), 26.6 (CH
3×3), 19.6 (C), 19.2 (C); LCMS (ESI) m/z 740 (100, [M+NH
4]
+), 745 (5, [M+Na]
+);計算値[C
42H
50NaO
5SSi
2+]=745.2810に対するESI−QTof実測値は745.2808であった。
【0197】
実施例15 2,4−ジ−O−tert−ブチルジフェニルシリル−1−C−フェニル−β−D−グルコピラノシド(IVa’’)の合成
【0198】
【化27】
【0199】
[0220]ペンタフルオロフェノール(0.18g、1.0mmol)、Ph
3Al(2.0ml、2.0mmol、1.0M濃度のBu
2O溶液)及びPhOMe(1.0mL)を周囲温度で混合して淡黄色の透明な溶液を得た。この混合物に、1,6−アンヒドロ−2,4−ジ−O−tert−ブチルジフェニルシリル−β−D−グルコピラノース(0.64g、1.0mmol)のPhOMe(4.0mL)溶液を加えた。この混合物を130℃(槽の外温)で12時間加熱したところ、HPLCによる分析で収率73%で2,4−ジ−O−tert−ブチルジフェニルシリル−1−C−フェニル−β−D−グルコピラノシドを得た。
【0200】
実施例16 2,4−ジ−O−tert−ブチルジフェニルシリル−1−C−フェニル−β−D−グルコピラノシド(IVa’’)の合成
【0201】
【化28】
【0202】
[0221]AlCl
3(2.4ml、1.2mmol、0.5M濃度のTHF溶液)、臭化フェニルマグネシウム(0.73mL、1.9mmol、2.6M濃度のEt
2O溶液)及びt−BuLi(0.50mL、0.95mmol、1.9M濃度のペンタン溶液)を−40℃で混合して、黒色溶液を得た。これを周囲温度まで温めた。周囲温度で1時間撹拌した後、この溶媒を真空(50torr)蒸発させ、PhMe(5.0mL)を加えた。1,6−アンヒドロ−2,4−ジ−O−tert−ブチルジフェニルシリル−β−D−グルコピラノース(364mg、0.57mmol)のPhMe(3.0mL)溶液に、臭化フェニルマグネシウム(0.22mL、0.57mmol、2.6M濃度のEt
2O溶液)を加えて、この混合物を部分的に減圧(50torr)濃縮してEt
2O溶媒を取り除いた。残った1,6−アンヒドロ−2,4−ジ−O−tert−ブチルジフェニルシリル−β−D−グルコピラノースのPhMe溶液をあらかじめ調製しておいたアルミニウム混合物に加えて、PhMe(1.0mL)で希釈した。この反応混合物を加熱して30時間穏やかに還流させたところ、HPLCによる分析で、収率20%で2,4−ジ−O−tert−ブチルジフェニルシリル−1−C−フェニル−β−D−グルコピラノシドを得た。
【0203】
実施例17 1,6−アンヒドロ−2,3,4−トリ−O−tert−ブチルジメチルシリル−β−D−グルコピラノース(II''''')及び1,6−アンヒドロ−2,4−ジ−O−tert−ブチルジメチルシリル−β−D−グルコピラノース(II’)の合成
【0204】
【化29】
【0205】
[0222]0℃の1,6−アンヒドロ−β−D−グルコピラノース(5.0g、30.8mmol)及びイミダゾール(14.7g、216mmol)のTHF(40mL)懸濁液に、TBSCl(23.2g、154mmol)のTHF(10mL)溶液を滴加し、混合物を周囲温度で一晩撹拌した。1,6−アンヒドロ−β−D−グルコピラノースを消費した後、水(50mL)を加えて、混合物をEtOAc(それぞれ100mL)で二回抽出し、濃縮した。カラムクロマトグラフィー(1:10のDCM/n−ヘプタンで溶出)で精製したところ、白色の固体として1,6−アンヒドロ−2,3,4−トリ−O−tert−ブチルジメチルシリル−β−D−グルコピラノース(6.4g、41%)を得た。1,6−アンヒドロ−2,4−ジ−O−tert−ブチルジメチルシリル−β−D−グルコピラノース(4.3g、36%)を白色粉末として単離した。
1,6−アンヒドロ−2,3,4−トリ−O−tert−ブチルジメチルシリル−β−D−グルコピラノース(II'''''):
1H NMR (400MHz, CDCl
3) δ5.28-5.27 (m, 1H), 4.37-4.35 (m, 1H), 4.10 (dd, J=6.8、0.8Hz, 1H), 3.67 (dd, J=6.4、6.4Hz, 1H), 3.62-3.60 (m, 1H), 3.50 (d, J=1.2Hz, 1H), 3.45 (d, J=1.2Hz, 1H), 0.94 (s, 9H), 0.93 (s, 9H), 0.92 (s, 9H), 0.12 (s, 3H), 0.113 (s, 6H), 0.105 (s, 3H), 0.100 (s, 3H), 0.096 (s, 3H).
1,6−アンヒドロ−2,4−ジ−O−tert−ブチルジメチルシリル−β−D−グルコピラノース(II'):
1H NMR (400MHz, CDCl
3) δ5.29 (s, 1H), 4.39 (d, J=4.8Hz, 1H), 3.86 (d, J=7.2Hz, 1H), 3.68 (dd, J=7.2、5.2Hz, 1H), 3.55-3.52 (m, 2H), 3.64-3.45 (m, 1H), 2.09 (d, J=5.2Hz, 1H, OH), 0.943 (s, 9H), 0.938 (s, 9H), 0.140 (s, 3H), 0.130 (s, 6H), 0.126 (s, 3H).
実施例18 2,4−ジ−O−tert−ブチルジメチルシリル−1−C−フェニル−β−D−グルコピラノシド(IVa’)の合成
【0206】
【化30】
【0207】
[0223]AlCl
3(0.60ml、0.30mmol、0.5M濃度のTHF溶液)とPh
3Al(1.7ml、1.7mmol、1.0M濃度のBu
2O溶液)を周囲温度で混合して黒色溶液を得た。この混合物に、周囲温度の1,6−アンヒドロ−2,4−ジ−O−tert−ブチルジメチルシリル−β−D−グルコピラノース(0.51g、1.31mmol)のPhOMe(3.5mL)溶液を加えた。この混合物を60℃(槽の外温)で減圧(50torr)濃縮して低沸点エーテル系溶媒を取り除いた。残った混合物(溶媒としてPhOMe/Bu
2Oを含む)を130℃(槽の外温)で4時間加熱した。周囲温度まで冷却した後、THF(10mL)、珪藻土(1g)、15%NaOH水溶液(1mL)、Na
2SO
4(2g)の順に生成混合物に加えた。得られた懸濁液を濾過し、濾液を濃縮して黄色のオイルを得た。このオイルをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(1:20のEtOAc/n−ヘプタンで溶出)により精製したところ、白色粉末として1−C−フェニル−2,4−ジ−O−tert−ブチルジメチルシリル−β−D−グルコピラノシド(0.39g、64%)を得た。
1H NMR (400MHz, CDCl
3) δ7.36-7.34 (m, 5H), 4.17 (d, J=8.8Hz, 1H), 3.93-3.87 (m, 1H), 3.73-3.52 (m, 4H), 3.48-3.44 (m, 1H), 2.11 (d, J=2.8Hz, 1H), 1.96 (dd, J=6.8, 6.4Hz, 1H), 0.94 (s, 9H), 0.72 (s, 9H), 0.21 (s, 3H), 0.18 (s, 3H), -0.03 (s, 3H), -0.67 (s, 3H);
13C NMR (100MHz, CDCl
3) δ139.2 (C), 128.4 (CH), 128.30 (CH×2), 128.26 (CH×2), 82.9 (CH), 80.3 (CH), 79.8 (CH), 76.8 (CH), 71.6 (CH), 62.5 (CH
2), 26.0 (CH
3×3), 25.8 (CH
3×3), 18.3 (C), 18.0 (C), -3.7 (CH
3), -4.2 (CH
3), -4.8 (CH
3), -5.8 (CH
3);LCMS (ESI) m/z 469 (100, [M+H]
+), 470 (27, [M+H+1]
+), 486 (65, [M+NH
4]
+).
実施例19 2,4−ジ−O−tert−ブチルジメチルシリル−1−C−フェニル−β−D−グルコピラノシド(IVa’)の合成
【0208】
【化31】
【0209】
[0224]AlCl
3(0.60ml、0.30mmol、0.5M濃度のTHF溶液)とPh
3Al(1.7ml、1.7mmol、1.0M濃度のBu
2O溶液)を周囲温度で混合して黒色溶液を得た。この混合物に、周囲温度の1,6−アンヒドロ−2,4−ジ−O−tert−ブチルジメチルシリル−β−D−グルコピラノース(0.39g、1.00mmol)のPhOMe(3.5mL)溶液を加えた。この混合物を60℃(槽の外温)で減圧(50torr)濃縮して低沸点エーテル系溶媒を取り除いた。残った混合物(溶媒としてPhOMe/Bu
2Oを含む)を130℃(槽の外温)で3時間加熱した。周囲温度まで冷却した後、THF(10mL)、珪藻土(0.8g)、15%NaOH水溶液(1mL)、Na
2SO
4(1.9g)の順に生成混合物に加えた。得られた懸濁液を濾過し、濾液を濃縮して黄色のオイルを得た。このオイルをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(1:20のEtOAc/n−ヘプタンで溶出)で精製したところ、白色粉末として生成物1−C−フェニル−2,4−ジ−O−tert−ブチルジメチルシリル−β−D−グルコピラノシド(0.32g、68%)を得た。
【0210】
実施例20 1−C−フェニル−2,4−ジ−O−トリエチルシリル−β−D−グルコピラノシド(IVa’’’)の合成
【0211】
【化32】
【0212】
[0225]AlCl
3(3.6mmol、0.5M濃度のTHF溶液)と臭化フェニルマグネシウム(9.0mmol、2.6M濃度のEt
2O溶液)を混合して黒色溶液を得た。周囲温度で1時間撹拌した後、この溶媒を真空(50torr)蒸発させ、PhMe(8.0mL)を残留物に加えた。1,6−アンヒドロ−2,4−ジ−O−トリエチルシリル−β−D−グルコピラノース(0.72g、1.8mmol、Helv. Chim. Acta. 1998, 81, 2157-2189に報告されているように調製)のPhMe(4.0mL)溶液に、臭化フェニルマグネシウム(1.8mmol、2.6M濃度のEt
2O溶液)を加えて約5分間撹拌した後、混合物を部分的に減圧(50torr)濃縮してEt
2Oを取り除いた。残った1,6−アンヒドロ−2,4−ジ−O−トリエチルシリル−β−D−グルコピラノースのPhMe溶液をあらかじめ調製しておいたアルミニウム混合物に加えて、PhMe(1.0mL)で希釈した。この混合物を6.5時間還流下で加熱した。HPLCによる分析から、反応が終了したこと、さらに保護されていない生成物1−C−フェニル−β−D−グルコピラノシドが少量形成されたことがわかった。周囲温度まで冷却した後、THF(30mL)、10%NaOH水溶液(3mL)、珪藻土(3g)、Na
2SO
4(7.5g)の順に生成混合物に加えた。得られた懸濁液を濾過し、濾液を濃縮して橙色のオイルを得た。このオイルをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(1:4のEtOAc/n−ヘプタンで溶出)で精製して、無色から淡黄色のオイルとして生成物1−C−フェニル−2,4−ジ−O−トリエチルシリル−β−D−グルコピラノシド(0.44g、51%)を得た。
1H NMR (400MHz, CDCl
3) δ7.37-7.34 (m, 5H), 4.16 (d, J=8.8Hz, 1H), 3.93-3.88 (m, 1H), 3.75-3.69 (m, 1H), 3.66-3.62 (m, 1H), 3.58-3.51 (m, 2H), 3.49-3.43 (m, 1H), 2.17 (d, J=3.2Hz, 1H, OH), 2.02 (br, 1H, OH), 1.02 (t, J=7.8Hz, 9H), 0.77-0.69 (m, 6H), 0.76 (t, J=7.8Hz, 9H), 0.31 (dq, J=14.8, 7.8Hz, 3H), 0.20 (dq, J=15.2, 8.0Hz, 3H);
13C NMR (100MHz, CDCl
3) δ139.1 (C), 128.4 (CH), 128.2 (CH×2), 127.9 (CH×2), 82.7 (CH), 80.3 (CH), 79.8 (CH), 77.1 (CH), 71.8 (CH), 62.6 (CH
2), 6.9 (CH
3×3), 6.7 (CH
3×3), 5.2 (CH
2×3), 4.8 (CH
2×3)
実施例21 2,4−ジ−O−tert−ブチルジフェニルシリル−1−C−フェニル−β−D−グルコピラノシド(IVa’’)の合成
【0213】
【化33】
【0214】
[0226]臭化フェニルマグネシウム(2.6M濃度のEt
2O溶液、1.9mL、5.0mmol)とPhOMe(6mL)の混合物に、GaCl
3(0.5M濃度のペンタン溶液、4.0mL、2.0mmol)を加えて白色スラリーを得て、これを1時間撹拌した。周囲温度の1,6−アンヒドロ−2,4−ジ−O−tert−ブチルジフェニルシリル−β−D−グルコピラノース(0.64g、1.0mmol)のPhOMe(3mL)溶液に、臭化フェニルマグネシウム(2.6M濃度のEt
2O溶液、0.38mL、1.0mmol)を加えて、混合物を約5分間撹拌した。この溶液を調製済みガリウム混合物に加え、得られた混合物を60℃で真空(50torr)濃縮してEt
2O及びペンタンを取り除いた。残った溶液を130℃(槽の外温)で24時間加熱したところ、HPLCによる分析で、収率2%で2,4−ジ−O−tert−ブチルジフェニルシリル−1−C−フェニル−β−D−グルコピラノシドを得た。
【0215】
実施例22 2,4−ジ−O−tert−ブチルジフェニルシリル−1−C−(3−((5−(4−フルオロフェニル)チオフェン−2−イル)メチル)−4−メチルフェニル)−β−D−グルコピラノシド(2,4−ジ−O−TBDPS−カナグリフロジン;(IVi’’))の合成
【0216】
【化34】
【0217】
[0227]2−(5−ブロモ−2−メチルベンジル)−5−(4−フルオロフェニル)チオフェン(1.5g、4.15mmol)及びマグネシウム粉末(0.33g、13.7mmol)を好適な反応器に入れて、さらにTHF(9mL)及び1,2−ジブロモエタン(95μL)を入れた。混合物を加熱して還流させた。反応を開始した後、2−(5−ブロモ−2−メチルベンジル)−5−(4−フルオロフェニル)チオフェン(2.5g、6.92mmol)のTHF(15mL)溶液を滴加した。この混合物をさらに2時間還流下で撹拌し、次いで周囲温度まで冷却し、滴定して濃度を求めた。このように調製した臭化3−[[5−(4−フルオロフェニル)−2−チエニル]メチル]−4−メチルフェニルマグネシウム(0.29M濃度のTHF溶液、17mL、5.0mmol)とAlCl
3(0.5M濃度のTHF溶液、4.0mL、2.0mmol)を周囲温度で混合して黒色溶液を得て、これを周囲温度で1時間撹拌した。周囲温度の1,6−アンヒドロ−2,4−ジ−O−tert−ブチルジフェニルシリル−β−D−グルコピラノース(0.64g、1.0mmol)のPhOMe(3.0mL)溶液にn−BuLi(0.4mL、1.0mmol、2.5M濃度のBu
2O溶液)を加えた。約5分間撹拌した後、シリンジでこの溶液を上記の調製済みアルミニウム混合物に加え、次いで、さらにPhOMe(1.0mL)を加えてフラスコを洗浄した。混合物を60℃(槽の外温)で減圧(50torr)濃縮して低沸点エーテル系溶媒を取り除き、PhOMe(6mL)を加えた。残った混合物を150℃(槽の外温)で5時間加熱したところ、HPLCによる分析で、収率68%で2,4−ジ−O−tert−ブチルジフェニルシリル−1−C−(3−((5−(4−フルオロフェニル)チオフェン−2−イル)メチル)−4−メチルフェニル)−β−D−グルコピラノシドを得たことがわかった。周囲温度まで冷却した後、この反応物を周囲温度の10%NaOH水溶液(1mL)、THF(10mL)及び珪藻土で処理した。混合物を濾過し、濾過ケーキをTHFで洗浄した。混合した濾液を濃縮して、粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(1:20のMTBE/n−ヘプタンで溶出)で精製して、白色粉末として生成物2,4−ジ−O−tert−ブチルジフェニルシリル−1−C−(3−((5−(4−フルオロフェニル)チオフェン−2−イル)メチル)−4−メチルフェニル)−β−D−グルコピラノシド(0.51g、56%)を得た。
1H NMR (400MHz, CDCl
3) δ7.65 (d, J=7.2Hz, 2H), 7.55 (d, J=7.2Hz, 2H), 7.48 (dd, J=7.6, 5.6Hz, 2H), 7.44-7.20 (m, 16H), 7.11-6.95 (m, 6H), 6.57 (d, J=3.2Hz, 1H), 4.25 (d, J=9.6Hz, 1H), 4.06 (s, 2H), 3.90-3.86 (m, 1H), 3.81-3.76 (m, 1H), 3.61-3.57 (m, 1H), 3.54-3.49 (m, 2H), 3.40 (dd, J=8.8, 8.8Hz, 1H), 2.31 (s, 3H), 1.81 (dd, J=6.6, 6.6Hz, 1H, OH), 1.19 (d, J=4.4Hz, 1H, OH), 1.00 (s, 9H), 0.64 (s, 9H);
13C NMR (100MHz, CDCl
3) δ162.1 (d, J=246Hz, C), 143.1 (C), 141.4 (C), 137.9 (C), 136.8 (C), 136.5 (C), 136.4 (CH×2), 136.1 (CH×2), 135.25 (C), 135.20 (CH×2), 135.0 (CH×2), 134.8 (C), 132.8 (C), 132.3 (C), 130.9 (d, J=3.5Hz, C), 130.5 (CH), 130.0 (CH), 129.7 (CH), 129.5 (CH), 129.4 (CH), 129.2 (CH), 127.6 (CH×4), 127.5 (CH×2), 127.2 (CH×2), 127.1 (d, J=8.2Hz, CH×2), 127.06 (CH), 126.0 (CH), 122.7 (CH), 115.7 (d, J=21.8Hz, CH×2), 82.7 (CH), 80.5 (CH), 79.4 (CH), 76.3 (CH), 72.9 (CH), 62.8 (CH
2), 34.1 (CH
2), 27.2 (CH
3×3), 26.7 (CH
3×3), 19.6, (C), 19.3 (CH
3), 19.2 (C); LCMS(ESI) m/z 938 (100, [M+NH
4]
+), 943 (10, [M+Na]
+).
実施例23 カナグリフロジン(1−C−(3−((5−(4−フルオロフェニル)チオフェン−2−イル)メチル)−4−メチルフェニル)−β−D−グルコピラノシド;(Ii))の合成
【0218】
【化35】
【0219】
[0228]2,4−ジ−O−tert−ブチルジフェニルシリル−1−C−(3−((5−(4−フルオロフェニル)チオフェン−2−イル)メチル)−4−メチルフェニル)−β−D−グルコピラノシド(408mg、0.44mmol)とTBAF(3.5mL、3.5mmol、1.0M濃度のTHF溶液)の混合物を周囲温度で4時間撹拌した。CaCO
3(0.73g)、Dowex(登録商標)50WX8−400イオン交換樹脂(2.2g)及びMeOH(5mL)を生成混合物に加えて、懸濁液を周囲温度で1時間撹拌した。混合物を珪藻土パッドで濾過した。濾過ケーキをMeOHで洗浄し、濾液を一緒にして真空蒸発させた。残留物をカラムクロマトグラフィー(1:20のMeOH/DCMで溶出)で精製したところ、カナグリフロジン(143mg、73%)を得た。
1H NMR (400MHz, DMSO-d
6) δ7.63-7.57 (m, 2H), 7.28 (d, J=3.6Hz, 1H), 7.23-7.18 (m, 3H), 7.17-7.12 (m, 2H), 6.80 (d, J=3.6Hz, 1H), 4.93 (br, 2H, OH), 4.73 (br, 1H, OH), 4.44 (br, 1H, OH), 4.16 (d, J=16Hz, 1H), 4.10 (d, J=16Hz, 1H), 3.97 (d, J=9.2Hz, 1H), 3.71 (d, J=11.6Hz, 1H), 3.47-3.43 (m, H), 3.30-3.15 (m, 4H), 2.27 (s, 3H);
13C NMR (100MHz, DMSO-d
6) δ161.8 (d, J=243Hz, C), 144.1 (C), 140.7 (C), 138.7 (C), 137.8 (C), 135.4 (C), 131.0 (d, J=3.1Hz, C), 130.1 (CH), 129.5 (CH), 127.4 (d, J=8.1Hz, CH×2), 126.8 (CH), 126.7 (CH), 123.9 (CH), 116.4 (d, J=21.6Hz, CH×2), 81.8 (CH), 81.7 (CH), 79.0 (CH), 75.2 (CH), 70.9 (CH), 61.9 (CH
2), 33.9 (CH
2), 19.3 (CH
3); LCMS(ESI) m/z 462 (100, [M+NH
4]
+), 467 (3, [M+Na]
+).
実施例24 2,4−ジ−O−tert−ブチルジフェニルシリル−1−C−(4−クロロ−3−(4−エトキシベンジル)フェニル)−β−D−グルコピラノシド(2,4−ジ−O−TBDPS−ダパグリフロジン;(IVj’’))の合成
【0220】
【化36】
【0221】
[0229]1−(5−ブロモ−2−クロロベンジル)−4−エトキシベンゼン(1.5g、4.6mmol)及びマグネシウム粉末(0.54g、22.2mmol)を好適な反応器に入れて、さらにTHF(12mL)及び1,2−ジブロモエタン(0.16mL)を入れた。混合物を加熱して還流させた。反応を開始した後、1−(5−ブロモ−2−クロロベンジル)−4−エトキシベンゼン(4.5g、13.8mmol)のTHF(28mL)溶液を滴加した。この混合物をさらに1時間還流下で撹拌し、次いで周囲温度まで冷却し、滴定して濃度を求めた。上記の調製済み臭化4−クロロ−3−[(4−エトキシフェニル)メチル]フェニルマグネシウム(31mL、10mmol、0.32M濃度のTHF溶液)とAlCl
3(0.5M濃度のTHF溶液、8.0mL、4.0mmol)を周囲温度で混合して黒色溶液を得て、これを周囲温度で1時間撹拌した。周囲温度の1,6−アンヒドロ−2,4−ジ−O−tert−ブチルジフェニルシリル−β−D−グルコピラノース(0.64g、1.0mmol)のPhOMe(3.0mL)溶液に、臭化フェニルマグネシウム(0.38mL、1.0mmol、2.6M濃度のEt
2O溶液)を加えた。約5分間撹拌した後、シリンジでこの溶液を上記の調製済みアルミニウム混合物に加え、次いで、さらにPhOMe(1.0mL)を加えてフラスコを洗浄した。この混合物を60℃(槽の外温)で減圧(50torr)濃縮して低沸点エーテル系溶媒を取り除き、PhOMe(6mL)を加えた。反応混合物を130℃(槽の外温)で8時間加熱したところ、HPLCによる分析で、収率51%で2,4−ジ−O−tert−ブチルジフェニルシリル−1−C−(4−クロロ−3−(4−エトキシベンジル)フェニル)−β−D−グルコピラノシドを得た。周囲温度まで冷却した後、反応物を周囲温度の10%NaOH水溶液(1mL)、THF(10mL)及び珪藻土で処理した。混合物を濾過して、濾過ケーキをTHFで洗浄した。濾液を一緒にして、濃縮し、粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(1:30のEtOAc/n−ヘプタン溶液で溶出)で精製したところ、白色粉末として生成物2,4−ジ−O−tert−ブチルジフェニルシリル−1−C−(4−クロロ−3−(4−エトキシベンジル)フェニル)−β−D−グルコピラノシド(0.30g、34%)を得た。
1H NMR (400MHz, CDCl
3) δ7.56-7.54 (m, 2H), 7.43-7.31 (m, 13H), 7.29-7.22 (m, 6H), 7.07-7.04 (m, 2H), 7.00 (d, J=2.0Hz, 1H), 6.87 (dd, J=8.4, 2.0Hz, 1H), 6.83-6.81 (m, 2H), 4.18 (d, J=9.6Hz, 1H), 4.02 (q, J=6.9Hz, 2H), 3.96 (d, J=10.8Hz, 2H), 3.86 (ddd, J=11.3, 7.7, 1.1Hz, 1H), 3.76 (ddd, J=8.4, 8.4, 4.8Hz, 1H), 3.56 (ddd, J=9.0, 6.4, 2.4Hz, 1H), 3.50 (dd, J=11.4, 5.4Hz, 1H), 3.44 (dd, J=9.4, 8.6Hz, 1H), 3.38 (dd, J=8.8, 8.8Hz, 1H), 1.70 (dd, J=7.8, 5.4Hz, 1H, OH), 1.42 (t, J=6.8Hz, 3H), 1.21 (d, J=5.2Hz, 1H, OH), 1.00 (s, 9H), 0.64 (s, 9H);
13C NMR (100MHz, CDCl
3) δ157.4 (C), 138.8 (C), 137.4 (C), 136.3 (CH×2), 136.1 (CH×2), 135.2 (CH×2), 135.0 (C), 134.9 (CH×2), 134.8 (C), 134.2 (C), 132.8 (C), 132.0 (C), 131.6 (CH), 131.1 (C), 129.9 (CH×2), 129.7 (CH), 129.6 (CH), 129.5 (CH), 129.4 (CH), 129.2 (CH), 127.58 (CH×2), 127.57 (CH×2), 127.54 (CH×2), 127.31 (CH), 127.28 (CH×2), 114.4 (CH×2), 82.2 (CH), 80.5 (CH), 79.3 (CH), 76.3 (CH), 72.7 (CH), 63.4 (CH
2), 62.7 (CH
2), 38.2 (CH
2), 27.2 (CH
3×3), 26.6 (CH
3×3), 19.6 (C), 19.2 (C), 14.9 (CH
3).
実施例25 ダパグリフロジン((2S,3R,4R,5S,6R)−2−[4−クロロ−3−(4−エトキシベンジル)フェニル]−6−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3,4,5−トリオール;(Ij))の合成
【0222】
【化37】
【0223】
[0230]2,4−ジ−O−tert−ブチルジフェニルシリル−1−C−(4−クロロ−3−(4−エトキシベンジル)フェニル)−β−D−グルコピラノシド(60mg、0.068mmol)のTHF(3.0mL)溶液とTBAF(3.0mL、3.0mmol、1.0M濃度のTHF溶液)を周囲温度15時間撹拌した。CaCO
3(0.62g)、Dowex(登録商標)50WX8−400イオン交換樹脂(1.86g)及びMeOH(5mL)を生成混合物に加えて、懸濁液を周囲温度で1時間撹拌し、混合物を珪藻土パッドで濾過した。濾過ケーキをMeOHで洗浄し、濾液を一緒にして、真空蒸発させた。残留物をカラムクロマトグラフィー(1:10のMeOH/DCMで溶出)で精製して、ダパグリフロジン(30mg)を得た。
1H NMR (400MHz, CD
3OD) δ7.37-7.34 (m, 2H), 7.29 (dd, J=8.2, 2.2Hz, 1H), 7.12-7.10 (m, 2H), 6.82-6.80 (m, 2H), 4.10 (d, J=9.6Hz, 2H), 4.04 (d, J=9.2Hz, 2H), 4.00 (q, J=7.1Hz, 2H), 3.91-3.87 (m, 1H), 3.73-3.67 (m, 1H), 3.47-3.40 (m, 3H), 3.31-3.23 (m, 2H), 1.37 (t, J=7.0Hz, 3H);
13C NMR (100MHz, CD
3OD) δ157.4 (C), 138.6 (C), 138.5 (C), 133.1 (C), 131.5 (C), 130.5 (CH), 129.4 (CH×2), 128.7 (CH), 126.8 (CH), 114.0 (CH×2), 80.5 (CH), 80.8 (CH), 78.3 (CH), 75.0 (CH), 70.4 (CH), 63.0 (CH
2), 61.7 (CH
2), 37.8 (CH
2), 13.8 (CH
3); LCMS (ESI) m/z 426 (100, [M+NH
4]
+), 428 (36, [M+NH
4+2]
+), 447 (33, [M+K]
+).
実施例26 2,4−O−フェニルボロン酸1,6−アンヒドロ−β−D−グルコピラノース(XIa)の合成
【0224】
【化38】
【0225】
[0231]1,6−アンヒドロ−β−D−グルコピラノース(5g、30.8mmol)及びフェニルボロン酸(3.76g、30.8mmol)のPhMe(150mL)混合溶液をディーン・スターク装置で、15時間還流下で加熱した。この混合溶液を周囲温度まで冷却し、白色沈殿物を濾過し、PhMe(10mL)で洗浄して2,4−O−フェニルボロン酸1,6−アンヒドロ−β−D−グルコピラノース(4.90g、64%)を得た。
1H NMR (400MHz, CDCl
3) δ7.83-7.87 (m, 2H), 7.46-7.51 (m, 1H), 7.37-7.42 (m, 2H), 5.65 (t, J=2.4Hz, 1H), 4.63-4.67 (m, 1H), 4.58 (d, J=8.0Hz, 1H), 4.19-4.22 (m, 1H), 4.12-4.16 (m, 1H), 4.08-4.10 (m, 1H), 3.94 (dd, J=7.6Hz, 4.8Hz, 1H), 3.44 (d, J=8.8Hz, 1H);
13C NMR (100MHz, CDCl
3) δ134.3, 131.2, 127.7, 101.7, 76.5, 70.3, 70.2, 69.0, 66.2.
実施例27 1−C−フェニル−β−D−グルコピラノシド((2R,3S,4R,5R,6S)−2−(ヒドロキシメチル)−6−フェニルテトラヒドロ−2H−ピラン−3,4,5−トリオール;(1S)−1−C−フェニルグルコシド;(Ia))の合成
【0226】
【化39】
【0227】
[0232]ディーン・スターク装置で反応系から水を連続的に取り除きながら1,6−アンヒドロ−β−D−グルコピラノース(0.50g、3.1mmol)及びフェニルボロン酸(0.38g、3.1mmol)のPhMe(40mL)溶液を15時間還流下で加熱した。生成混合物を周囲温度まで冷却し、溶媒を取り除いて白色沈殿物(2,4−O−フェニルボロン酸1,6−アンヒドロ−β−D−グルコピラノース)を得た。この白色沈殿物にPhCN(5mL)とPh
3Al(3.1mL、3.1mmol、1.0M濃度のBu
2O溶液)を加え、蒸留によりBu
2Oを取り除くことができるよう、混合物を160℃(槽の外温)、真空下(50torr)で加熱した。残った溶液を、1,6−アンヒドロ−β−D−グルコピラノースがTLCにより検出されなくなるまで(約2時間)180℃(槽の外温)で加熱した。生成混合物を周囲温度まで冷却し、MeOH(5mL)を加えた。この混合物を10分間撹拌して、濃縮した。得られたものをカラムクロマトグラフィー(1:10のMeOH/DCMで溶出)で精製したところ、1−C−フェニル−β−D−グルコピラノシド(0.41g、1,6−アンヒドロ−β−D−グルコピラノースに対して55%)を得た。
【0228】
[0233]HPLC分析及び1−C−フェニル−D−グルコピラノシドのβ−及びα−アノマーを検出するための分析法:
【0229】
【表1】
【0230】
実施例28 1−C−フェニル−β−D−グルコピラノシド((2R,3S,4R,5R,6S)−2−(ヒドロキシメチル)−6−フェニルテトラヒドロ−2H−ピラン−3,4,5−トリオール;(1S)−1−C−フェニルグルコシド;(Ia))の合成
【0231】
【化40】
【0232】
[0234]ディーン・スターク装置で反応系から水を連続的に取り除きながら1,6−アンヒドロ−β−D−グルコピラノース(0.75g、4.6mmol)とフェニルボロン酸(0.79g、6.5mmol)のPhMe(40mL)溶液を15時間還流下で加熱した。反応物を周囲温度まで冷却して、Ph
3Al(4.6mL、4.6mmol、1.0M濃度のBu
2O溶液)及びAlCl
3(4.6mL、2.3mmol、0.5M濃度のTHF溶液)を加えた。反応混合物を20時間還流下で加熱した。生成混合物を周囲温度まで冷却し、MeOH(10mL)を加えて10分間撹拌した。混合物を減圧濃縮し、次いで、カラムクロマトグラフィー(1:10のMeOH/DCMで溶出)で精製したところ、1−C−フェニル−β−D−グルコピラノシド(0.38g、1,6−アンヒドロ−β−D−グルコピラノースに対して34%)を得た。
【0233】
実施例29 1−C−フェニル−β−D−グルコピラノシド((2R,3S,4R,5R,6S)−2−(ヒドロキシメチル)−6−フェニルテトラヒドロ−2H−ピラン−3,4,5−トリオール;(1S)−1−C−フェニルグルコシド;(Ia))の合成
【0234】
【化41】
【0235】
[0235]周囲温度の2,4−O−フェニルボロン酸1,6−アンヒドロ−β−D−グルコピラノース(248mg、1.0mmol)のPhOMe(5mL)溶液にPh
3Al(3.0mL、3.0mmol、1.0M濃度のBu
2O溶液)を加えた。この混合物を165℃(槽の外温)で6時間加熱したところ、HPLCによる分析で、収率65%で1−C−フェニル−β−D−グルコピラノシドを得た。
【0236】
実施例30 2,4−O−(4’−フルオロフェニル)ボロン酸1,6−アンヒドロ−β−D−グルコピラノース(XIf)の合成
【0237】
【化42】
【0238】
[0236]1,6−アンヒドロ−β−D−グルコピラノース(2.5g、15.4mmol)と4−フルオロフェニルボロン酸(2.15g、15.4mmol)のPhMe(70mL)溶液をディーン・スターク装置で15時間還流加熱した。反応物を冷却して、白色沈殿物を濾過した。白色沈殿物をPhMe(10mL)で洗浄して2,4−O−(4’−フルオロフェニル)ボロン酸1,6−アンヒドロ−β−D−グルコピラノース(2.86g、70%)を得た。
1H NMR (400MHz, CDCl
3) δ7.81-7.86 (m, 2H), 7.04-7.10 (m, 2H), 5.64 (t, J=2.4Hz, 1H), 4.62-4.64 (m, 1H), 4.58 (d, J=8.0 Hz,1H), 4.18-4.22 (m, 1H), 4.10-4.15 (m, 1H), 4.07-4.09 (m, 1H), 3.94 (dd, J=8.0Hz, 4.8Hz, 1H), 3.42 (d, J=8.4Hz, 1H);
13C NMR (100MHz, CDCl
3) δ165.1 (d, J=248 Hz), 136.5 (d, J=8.2 Hz), 114.7 (d, J=20.0 Hz), 101.6, 76.5, 70.3, 70.1, 69.0, 66.2.
実施例31 1−C−フェニル−β−D−グルコピラノシド((2R,3S,4R,5R,6S)−2−(ヒドロキシメチル)−6−フェニルテトラヒドロ−2H−ピラン−3,4,5−トリオール;(1S)−1−C−フェニルグルコシド;(Ia))の合成
【0239】
【化43】
【0240】
[0237]周囲温度の2,4−O−(4’−フルオロフェニル)ボロン酸1,6−アンヒドロ−β−D−グルコピラノース(266mg、1.0mmol)のPhOMe(5mL)溶液にPh
3Al(3.0mL、3.0mmol、1.0M濃度のBu
2O溶液)を加えた。この混合物を165℃(槽の外温)で6時間加熱したところ、HPLCによる分析で、収率60%で1−C−フェニル−β−D−グルコピラノシドを得た。
【0241】
実施例32 2,4−O−(4’−メトキシフェニル)ボロン酸1,6−アンヒドロ−β−D−グルコピラノース(XId)の合成
【0242】
【化44】
【0243】
[0238]1,6−アンヒドロ−β−D−グルコピラノース(2.5g、15.4mmol)と4−メトキシフェニルボロン酸(2.35g、15.4mmol)のPhMe(70mL)溶液をディーン・スターク装置で15時間還流下で加熱した。反応物を周囲温度まで冷却して白色沈殿物を得た。これを濾過して、PhMe(10mL)で洗浄し、2,4−O−(4’−メトキシフェニル)ボロン酸1,6−アンヒドロ−β−D−グルコピラノース(4.28g、99%)を得た。
1H NMR (400MHz, CDCl
3) δ7.79 (d, J=8.8Hz, 2H), 6.92 (d, J=8.8Hz, 2H), 5.63 (t, J=2.4Hz, 1H), 4.62-4.64 (m, 1H), 4.57 (d, J=7.6 Hz,1H), 4.17-4.19 (m, 1H), 4.10-4.14 (m, 1H), 4.05-4.08 (m, 1H), 3.93 (dd, J=7.6Hz, 4.8Hz, 1H), 3.85 (s, 3H), 3.45 (d, J=8.8Hz, 1H);
13C NMR (100MHz, CDCl
3) δ162.1, 136.0, 113.3, 101.7, 76.6, 70.3, 70.2, 68.9, 66.2, 55.1.
実施例33 1−C−フェニル−β−D−グルコピラノシド((2R,3S,4R,5R,6S)−2−(ヒドロキシメチル)−6−フェニルテトラヒドロ−2H−ピラン−3,4,5−トリオール;(1S)−1−C−フェニルグルコシド;(Ia))の合成
【0244】
【化45】
【0245】
[0239]2,4−O−(4’−メトキシフェニル)ボロン酸1,6−アンヒドロ−β−D−グルコピラノース(278mg、1.0mmol)のPhOMe(5mL)溶液にPh
3Al(3.0mL、3.0mmol、1.0M濃度のBu
2O溶液)を加えた。この混合物を165℃(槽の外温)で6時間加熱したところ、HPLCによる分析で、収率57%で1−C−フェニル−β−D−グルコピラノシドを得たことが分かった。
【0246】
実施例34 1−C−フェニル−β−D−グルコピラノシド((2R,3S,4R,5R,6S)−2−(ヒドロキシメチル)−6−フェニルテトラヒドロ−2H−ピラン−3,4,5−トリオール;(1S)−1−C−フェニルグルコシド;(Ia))の合成
【0247】
【化46】
【0248】
[0240]2,4−O−(4’−メトキシフェニル)ボロン酸1,6−アンヒドロ−β−D−グルコピラノース(278mg、1.0mmol)のPhCN(5mL)溶液にPh
3Al(1.0mL、1.0mmol、1.0M濃度のBu
2O溶液)を加えた。この混合物を約165℃(槽の外温)で22時間撹拌した。HPLCによる分析で、収率43%で1−C−フェニル−β−D−グルコピラノシドを得たことが分かった。
【0249】
実施例35 2,4−O−(2’,3’,4’,5’,6’−ペンタフルオロフェニル)ボロン酸1,6−アンヒドロ−β−D−グルコピラノース(XIk)の合成
【0250】
【化47】
【0251】
[0241]1,6−アンヒドロ−β−D−グルコピラノース(2.5g、15.4mmol)とペンタフルオロフェニルボロン酸(3.26g、15.4mmol)のPhMe(70mL)溶液をディーン・スターク装置で2時間還流下で加熱した。溶媒(PhMe)を減圧蒸発させて黄色の固体として2,4−O−(2’,3’,4’,5’,6’−ペンタフルオロフェニル)ボロン酸1,6−アンヒドロ−β−D−グルコピラノースを得て、さらなる精製をすることなく直接次の工程に用いた。
1H NMR (400MHz, CDCl
3) δ5.65 (t, J=2.4Hz, 1H), 4.64-4.68 (m, 1H), 4.61 (d, J=8.0 Hz,1H), 4.25-4.28 (m, 1H), 4.18-4.23 (m, 1H), 4.12-4.15 (m, 1H), 3.99 (dd, J=8.0Hz, 4.8Hz, 1H), 3.40 (d, J=8.4Hz, 1H).
13C NMR (100MHz, CDCl
3) δ147.7-150.4 (m), 141.3-143.9 (m), 135.9-138.6 (m), 101.2, 76.3, 71.2, 69.7, 69.6, 66.5.
実施例36 1−C−フェニル−β−D−グルコピラノシド((2R,3S,4R,5R,6S)−2−(ヒドロキシメチル)−6−フェニルテトラヒドロ−2H−ピラン−3,4,5−トリオール;(1S)−1−C−フェニルグルコシド;(Ia))の合成
【0252】
【化48】
【0253】
[0242]粗2,4−O−(2’,3’,4’,5’,6’−ペンタフルオロフェニル)ボロン酸1,6−アンヒドロ−β−D−グルコピラノース(338mg、1.0mmol)のPhOMe(5mL)溶液にPh
3Al(3.0mL、3.0mmol、1.0M濃度のBu
2O溶液)を加えた。この混合物を165℃(槽の外温)で6時間加熱したところ、HPLCによる分析で、収率51%で1−C−フェニル−β−D−グルコピラノシドを得た。
【0254】
実施例37 2,4−O−(2’,4’,6’−トリメチルフェニル)ボロン酸1,6−アンヒドロ−β−D−グルコピラノース(XIb)の合成
【0255】
【化49】
【0256】
[0243]1,6−アンヒドロ−β−D−グルコピラノース(162mg、1.0mmol)と2,4,6−トリメチルフェニルボロン酸(164mg、1.0mmol)のPhOMe(5mL)溶液をディーン・スターク装置で12時間還流下で加熱して、粗2,4−O−(2’,4’,6’−トリメチルフェニル)ボロン酸1,6−アンヒドロ−β−D−グルコピラノースを得て、これを精製することなく直接次の工程に用いた。
【0257】
実施例38 1−C−フェニル−β−D−グルコピラノシド((2R,3S,4R,5R,6S)−2−(ヒドロキシメチル)−6−フェニルテトラヒドロ−2H−ピラン−3,4,5−トリオール;(1S)−1−C−フェニルグルコシド;(Ia))の合成
【0258】
【化50】
【0259】
[0244]上記で調製した2,4−O−(2’,4’,6’−トリメチルフェニル)ボロン酸1,6−アンヒドロ−β−D−グルコピラノース(≦1.0mmol)の粗PhOMe溶液に、Ph
3Al(3.0mL、3.0mmol、1.0M濃度のBu
2O溶液)を加えた。この混合物を165℃(槽の外温)で3.5時間加熱したところ、HPLCによる分析で、収率39%で1−C−フェニル−β−D−グルコピラノシドを得た。
【0260】
実施例39 1−C−フェニル−β−D−グルコピラノシド((2R,3S,4R,5R,6S)−2−(ヒドロキシメチル)−6−フェニルテトラヒドロ−2H−ピラン−3,4,5−トリオール;(Ia))の合成
【0261】
【化51】
【0262】
[0245]ディーン・スターク装置の側肢(side arm)に取り付けた分子篩を用いて1,6−アンヒドロ−β−D−グルコピラノース(324mg、2mmol)とテトラヒドロキシジボロン(90mg、1mmol)のジオキサン(40mL)混合溶液を15時間還流下で加熱した。生成混合物の試料を
1H−NMR分析にかけたところ、生成物の混合物からなることがわかった。この生成混合物にPh
3Al(6.0mL、1M濃度のBu
2O溶液)を加えて、混合物を135℃(槽の外温)で加熱した。約24時間で、HPLCによる分析から収率53%で1−C−フェニル−β−D−グルコピラノシドが得られたことがわかった。また、HPLC純度分析から、β−アノマー/α−アノマーの比は97.8:2.2であった。
【0263】
実施例40 2,4−O−ジブチルスタンニレン−1,6−アンヒドロ−β−D−グルコピラノース(XIIa)の合成
【0264】
【化52】
【0265】
[0246]ディーン・スターク装置で反応系から水を連続的に取り除きながら1,6−アンヒドロ−β−D−グルコピラノース(1.0g、6.2mmol)と酸化ジブチルスズ(1.5g、6.2mmol)のPhMe(40mL)溶液を15時間還流下で加熱した。溶媒(PhMe)が取り除かれるまで生成混合物を減圧蒸発させた。残留物を周囲温度まで冷却して、2,4−O−ジブチルスタンニレン−1,6−アンヒドロ−β−D−グルコピラノース(2.42g、99%)を得た。
1H NMR (400MHz, CDCl
3) δ5.47 (t, J=2.0Hz, 1H), 4.49-4.53 (m, 1H), 4.27 (d, J=7.6 Hz,1H), 3.76-3.80 (m, 2H), 3.69-3.73 (m, 1H), 3.65-3.68 (m, 1H), 3.78 (d, J=7.2Hz, 1H), 1.66-1.75 (m, 4H), 1.27-1.45 (m, 8H), 0.92-0.97 (m, 6H).
実施例41 1−C−フェニル−β−D−グルコピラノシド((2R,3S,4R,5R,6S)−2−(ヒドロキシメチル)−6−フェニルテトラヒドロ−2H−ピラン−3,4,5−トリオール;(1S)−1−C−フェニルグルコシド;(Ia))の合成
【0266】
【化53】
【0267】
[0247]2,4−O−ジブチルスタンニレン−1,6−アンヒドロ−β−D−グルコピラノース(0.39g、1.0mmol)の1,2−ジクロロベンゼン(8mL)溶液にPh
3Al(3.0mL、3.0mmol、1.0M濃度のBu
2O溶液)を加えた。この混合物を165℃(槽の外温)で1.5時間加熱したところ、HPLCによる分析で、収率29%で1−C−フェニル−β−D−グルコピラノシドを得た。
【0268】
実施例42 1−C−フェニル−β−D−グルコピラノシド((2R,3S,4R,5R,6S)−2−(ヒドロキシメチル)−6−フェニルテトラヒドロ−2H−ピラン−3,4,5−トリオール;(1S)−1−C−フェニルグルコシド;(Ia))の合成
【0269】
【化54】
【0270】
[0248]1,6−アンヒドロ−β−D−グルコピラノース(162mg、1.0mmol)のジオキサン(5mL)懸濁液に周囲温度のPh
3Al(6.0mL、6.0mmol、1.0M濃度のBu
2O溶液)を加えた。この混合物を135℃(槽の外温)で150時間加熱した。混合物を周囲温度まで冷却し、THF(5mL)で希釈した。水(0.5mL)、15%NaOH水溶液(0.25mL)、珪藻土をこの順序で加えた。混合物を1時間撹拌し、MgSO
4(1g)を加えて、濾過した。濾過した固体にMeOH(5mL)と15%NaOH水溶液(0.12mL)を加えた。この懸濁液を1時間撹拌し、再度濾過した。濾液を一緒にして、濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(1:10のMeOH/DCMで溶出)で精製したところ、1−C−フェニル−β−D−グルコピラノシド(170mg、71%)を得た。
【0271】
実施例43 1−C−フェニル−β−D−グルコピラノシド((2R,3S,4R,5R,6S)−2−(ヒドロキシメチル)−6−フェニルテトラヒドロ−2H−ピラン−3,4,5−トリオール;(1S)−1−C−フェニルグルコシド;(Ia))の合成
【0272】
【化55】
【0273】
[0249]AlCl
3(53mg、0.4mmol)のDCM(1.5mL)懸濁液に、周囲温度のPh
3Al(2.0mL、2.0mmol、1.0M濃度のBu
2O溶液)を加えた。3時間撹拌した後、2,4−O−フェニルボロン酸1,6−アンヒドロ−β−D−グルコピラノース(248mg、1.0mmol)のPhCl(4.2mL)溶液を加えた。得られた混合溶液を、60〜70℃で減圧(50torr)下で蒸発させて、低沸点成分を取り除いた。残留物を150℃で3.5時間加熱した。5%TFA/アセトニトリル溶液(3mL)を加えて、次いで分離及び溶媒蒸発を行った。得られた粗混合物をカラムクロマトグラフィー(1:9のMeOH/DCMで溶出)で精製したところ、所望の1−C−フェニル−β−D−グルコピラノシド(162mg、67%)を黄色のオイルとして得た。
【0274】
実施例44 1−C−フェニル−β−D−グルコピラノシド((2R,3S,4R,5R,6S)−2−(ヒドロキシメチル)−6−フェニルテトラヒドロ−2H−ピラン−3,4,5−トリオール;(1S)−1−C−フェニルグルコシド;(Ia))の合成
【0275】
【化56】
【0276】
[0250]AlCl
3(0.8mL、0.4mmol、0.5M濃度のTHF溶液)のPhOMe(8.0mL)溶液に周囲温度のPh
3Al(2.0mL、2.0mmol、1.0M濃度のBu
2O溶液)を加えた。周囲温度で3時間撹拌した後、2,4−O−フェニルボロン酸1,6−アンヒドロ−β−D−グルコピラノース(248mg、1.0mmol)を加えて、混合物を100〜110℃(内温)で加熱した。1.5時間後に試料を採取し、HPLCによる分析から、反応が完了していることがわかった。混合物を周囲温度まで冷却した後、生成混合物を約10分間撹拌しながらMeOH(5.0mL)で処理した。HPLCによる分析から、収率66%で1−C−フェニル−β−D−グルコピラノシドを得たことがわかった。
【0277】
実施例45 1−C−フェニル−β−D−グルコピラノシド((2R,3S,4R,5R,6S)−2−(ヒドロキシメチル)−6−フェニルテトラヒドロ−2H−ピラン−3,4,5−トリオール;(1S)−1−C−フェニルグルコシド;(Ia))の合成
【0278】
【化57】
【0279】
[0251]AlCl
3(0.4mL、0.8mmol、0.5M濃度のTHF溶液)のPhOMe(7.6mL)溶液に周囲温度のPh
3Al(2.2mL、2.2mmol、1.0M濃度のBu
2O溶液)を加えた。周囲温度で3時間撹拌した後、2,4−O−フェニルボロン酸1,6−アンヒドロ−β−D−グルコピラノース(248mg、1.0mmol)を加えて、混合物を100〜110℃(内温)で加熱した。2.5時間後に試料を採取し、HPLCによる分析から、反応が完了していることがわかった。混合物を周囲温度まで冷却した後、生成混合物を約10分間撹拌しながらMeOH(5.0mL)で処理した。HPLCによる分析から、収率71%で1−C−フェニル−β−D−グルコピラノシドを得た。
【0280】
実施例46 1−C−フェニル−β−D−グルコピラノシド((2R,3S,4R,5R,6S)−2−(ヒドロキシメチル)−6−フェニルテトラヒドロ−2H−ピラン−3,4,5−トリオール;(1S)−1−C−フェニルグルコシド;(Ia))の合成
【0281】
【化58】
【0282】
[0252]AlCl
3(1.3mL、0.67mmol、0.5M濃度のTHF溶液)、Ph
3Al(1.3mL、1.3mmol、1.0M濃度のBu
2O溶液)及びPhOMe(2.5mL)を周囲温度で混合し、3.0時間撹拌した。別のフラスコ内の−20℃の2,4−O−フェニルボロン酸1,6−アンヒドロ−β−D−グルコピラノース(248mg、1.0mmol)のPhOMe(2.5mL)溶液に、n−BuLi(0.63mL、1.0mmol、1.6M濃度のヘキサン溶液)を撹拌しながら滴加した。20分間撹拌した後、アルミニウム混合物を−20℃の調製済み溶液に加え、周囲温度までゆっくりと温めた。この混合物を100〜110℃(内温)で3時間加熱した。HPLCによる分析から、収率33%で1−C−フェニル−β−D−グルコピラノシドを得た。
【0283】
実施例47 1−C−フェニル−β−D−グルコピラノシド((2R,3S,4R,5R,6S)−2−(ヒドロキシメチル)−6−フェニルテトラヒドロ−2H−ピラン−3,4,5−トリオール;(1S)−1−C−フェニルグルコシド;(Ia))の合成
【0284】
【化59】
【0285】
[0253]AlCl
3(1.0mL、0.5mmol、0.5M濃度のTHF溶液)とPh
3Al(1.0mL、1.0mmol、1.0M濃度のBu
2O溶液)の溶液を混合し、周囲温度で3.0時間撹拌した。別のフラスコで、0℃の2,4−O−フェニルボロン酸1,6−アンヒドロ−β−D−グルコピラノース(186mg、0.75mmol)のPhOMe(8.0mL)溶液に、DIBAL(750μL、0.75mmol、1.0M濃度のトルエン溶液)を撹拌しながら滴加した。40分間撹拌した後、得られた溶液を0℃の上記の調製済みアリールアルミニウム混合物に加え、周囲温度までゆっくりと温めた。この混合物を110℃(内温)で2.5時間加熱した。HPLCによる分析から、収率51%で1−C−フェニル−β−D−グルコピラノシドを得たことがわかった。
【0286】
実施例48 1−C−フェニル−β−D−グルコピラノシド((2R,3S,4R,5R,6S)−2−(ヒドロキシメチル)−6−フェニルテトラヒドロ−2H−ピラン−3,4,5−トリオール;(1S)−1−C−フェニルグルコシド;(Ia))の合成
【0287】
【化60】
【0288】
[0254]1,6−アンヒドロ−β−D−グルコピラノース(324mg、2.0mmol)のPhMe(30mL)にDIBAL(2.0mL、2.0mmol、1.0M濃度のPhMe溶液)を加えた。この混合物を周囲温度で3.5日間撹拌した。この混合物にPh
3Al(2.0mL、2.0mmol、1.0M濃度のBu
2O溶液)を加えて、105℃(槽の外温)で18時間撹拌した。混合物を周囲温度まで冷却して、AlCl
3(4.0mL、2.0mmol、0.5M濃度のTHF溶液)を加え、混合物を24時間還流下で加熱した。混合物を周囲温度まで冷却して、MeOH(10mL)を加え、1時間撹拌した。得られた混合物を減圧濃縮し、残留物をカラムクロマトグラフィー(1:10のMeOH/DCMで溶出)で精製したところ、1−C−フェニル−β−D−グルコピラノシド(117mg、24%)を得た。
【0289】
実施例49 1−C−フェニル−β−D−グルコピラノシド((2R,3S,4R,5R,6S)−2−(ヒドロキシメチル)−6−フェニルテトラヒドロ−2H−ピラン−3,4,5−トリオール;(1S)−1−C−フェニルグルコシド;(Ia))の合成
【0290】
【化61】
【0291】
[0255]Me
3Al(1mL、2.0mmol、2.0M濃度のPhMe溶液)と1,6−アンヒドロ−β−D−グルコピラノース(324mg、2mmol)のPhMe(30mL)混合溶液を周囲温度で3.5日間撹拌した。得られた混合物にPh
3Al(2mL、2.0mmol、1.0M濃度のBu
2O溶液)を加え、105℃(槽の外温)で約18時間撹拌した。混合物を周囲温度まで冷却し、AlCl
3(4.0mL、2.0mmol、0.5M濃度のTHF溶液)を加えて24時間還流下で加熱した。混合物を周囲温度まで冷却し、MeOH(10mL)を加えて1分間撹拌した。得られた混合物を減圧濃縮し、残留物をカラムクロマトグラフィー(1:10のMeOH/DCMで溶出)で精製したところ、1−C−フェニル−β−D−グルコピラノシド(88mg、18%)を得た。
【0292】
実施例50 2,4−ジ−O−(tert−ブチルジフェニル)シリル−6−O−(エトキシカルボニル)−1−C−フェニル−β−D−グルコピラノシド(VIa’’)の合成
【0293】
【化62】
【0294】
[0256]トリエチルアミン(23μL、0.32mmol)、クロロギ酸エチル(20μL、0.21mmol)、4−(ジメチルアミノ)ピリジン(2.1mg、0.017mmol)及び2,4−ジ−O−tert−ブチルジフェニルシリル−1−C−フェニル−β−D−グルコピラノシド(50mg、0.070mmol)のDCM(0.6mL)混合溶液を周囲温度で2時間撹拌した。反応が終了した後、DCM(10mL)を加え、さらにHCl水溶液(10mL、0.5M)を加えた。相分離後、この有機溶液を減圧濃縮して、残留物をカラムクロマトグラフィー(1:19のEtOAc/n−ヘプタンで溶出)で精製したところ、2,4−ジ−O−tert−ブチルジフェニルシリル−6−O−(エトキシカルボニル)−1−C−フェニル−β−D−グルコピラノシド(53mg、96%)を得た。
1H NMR (400MHz, CDCl
3) δ7.66-7.64 (m, 2H), 7.56-7.54 (m, 2H), 7.44-7.16 (m, 21H), 4.40 (dd, J=11.6, 1.6Hz, 1H), 4.25 (d, J=9.2Hz, 1H), 4.21-4.16 (m, 1H), 4.11 (q, J=7.3Hz, 2H), 3.82-3.73 (m, 2H), 3.52-3.44 (m, 2H), 1.25 (t, J=7.0Hz, 3H), 1.18 (d, J=4.8Hz, 1H, OH), 1.00 (s, 9H), 0.61 (s, 9H);
13C NMR (100MHz, CDCl
3) δ154.8 (C), 138.4 (C), 136.4 (CH×2), 136.2 (CH×2), 135.4 (C), 135.2 (C), 135.1 (CH×2), 134.9 (CH×2), 132.5 (C), 131.9 (C), 129.7 (CH), 129.6 (CH), 129.3 (CH), 129.1 (CH), 128.7 (CH×2), 128.4 (CH), 128.2 (CH×2), 127.55 (CH×2), 127.54 (CH×2), 127.52 (CH×2), 127.3 (CH×2), 83.1 (CH), 79.4 (CH), 78.3 (CH), 76.4 (CH), 72.3 (CH), 67.2 (CH
2), 63.9 (CH
2), 27.2 (CH
3×3), 26.6 (CH
3×3), 19.5 (C), 19.1 (C), 14.2 (CH
3); LCMS (ESI) m/z 806 (100, [M+NH
4]
+), 807 (85, [M+NH
4+1]
+), 808 (62, [M+NH
4+2]
+).
実施例51 6−O−(エトキシカルボニル)−1−C−フェニル−β−D−グルコピラノシド(Va)の合成
【0295】
【化63】
【0296】
[0257]TBAF(1.87mL、1.87mmol、1.0M濃度のTHF溶液)と2,4−ジ−O−tert−ブチルジフェニルシリル−6−O−(エトキシカルボニル)−1−C−フェニル−β−D−グルコピラノシド(492mg、0.62mmol)のTHF(4.2mL)混合溶液を周囲温度で2時間撹拌した。反応が終了した後、CaCO
3(1.2g)を加え、さらにDowex(登録商標)50WX8−400イオン交換樹脂(3.7g)、MeOH(8.7mL)を加えた。撹拌して濾過した後、濾液を濃縮し、残留物をカラムクロマトグラフィー(4:1のEtOAc/n−ヘプタンで溶出)で精製したところ、6−O−(エトキシカルボニル)−1−C−フェニル−β−D−グルコピラノシド(180mg、92%)を得た。
1H NMR (400MHz, CDCl
3) δ7.37-7.29 (m, 5H), 4.46-4.42 (m, 2H), 4.38 (dd, J=12.0, 4.4Hz, 1H), 4.22-4.16 (m, 2H), 4.13-4.11 (m, 2H), 3.65-3.50 (m, 3H), 3.44-3.40 (m, 1H), 3.25 (br, 1H), 1.29 (t, J=7.2Hz, 3H);
13C NMR (100MHz, CDCl
3) δ155.6 (C), 138.1 (C), 128.49 (CH), 128.47 (CH×2), 127.5 (CH×2), 81.8 (CH), 77.73 (CH), 77.60 (CH), 75.0 (CH), 70.1 (CH), 66.9 (CH
2), 64.4 (CH
2), 14.2 (CH
3); LCMS (ESI) m/z 313 (100, [M+H]
+), 314 (20, [M+H+1]
+), 330 (100, [M+NH
4]
+), 331 (20, [M+NH
4+1]
+), 335 (100, [M+Na]
+), 336 (50, [M+Na+1]
+).
実施例52 2,3,4−トリ−O−ベンジル−1−C−フェニル−β−D−グルコピラノシド(((2R,3R,4R,5S,6S)−3,4,5−トリス(ベンジルオキシ)−6−フェニルテトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)メタノール;(1S)−1−C−フェニル2,3,4−トリ−O−ベンジル−グルコシド;(IVa''''))の合成
【0297】
【化64】
【0298】
[0258]1,6−アンヒドロ−2,3,4−トリ−O−ベンジル−β−D−グルコピラノース(0.43g、1.0mmol、J. Am. Chem. Soc. 2003, 125, 13132-13142で報告されているように調製)とPh
3Al(2.2mL、2.2mmol、1.0M濃度のBu
2O溶液)のBu
2O(4.0mL)溶液を150℃(槽の外温)で6時間加熱した。周囲温度まで冷却した後、THF(10mL)、珪藻土(1g)、15%NaOH水溶液(1mL)、Na
2SO
4(2g)をこの順序で生成混合物に加え、得られた懸濁液撹拌して、濾過した。濾液濃縮して黄色のオイルを得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(1:20のEtOAc/n−ヘプタンで溶出)で精製したところ、白色の固体として生成物2,3,4−トリ−O−ベンジル−1−C−フェニル−β−D−グルコピラノシド(0.32g、64%)を得た。
1H NMR (400MHz, CDCl
3) δ7.48-7.31 (m, 15H), 7.24-7.19 (m, 3H), 6.95-6.92 (m, 2H), 5.00 (d, J=11.2Hz, 1H), 4.95 (d, J=10.8Hz, 1H), 4.94 (d, J=11.2Hz, 1H), 4.74 (d, J=10.8Hz, 1H), 4.41 (d, J=10.0Hz, 1H), 4.31 (d, J=9.6Hz, 1H), 3.93 (ddd, J=11.8, 6.1, 2.6Hz, 1H), 3.87 (dd, J=9.0, 9.0Hz, 1H), 3.81-3.70 (m, 3H), 3.59-3.53 (m, 2H), 1.97 (dd, J=6.8, 6.8, 1H, OH);
13C NMR (100MHz, CDCl
3) δ139.0 (C), 138.6 (C), 138.0 (C), 137.6 (C), 128.54 (CH×2), 128.52 (CH), 128.47 (CH×4), 128.26 (CH×2), 128.23 (CH×2), 128.1 (CH×2), 128.0 (CH), 127.744 (CH×2), 127.735 (CH), 127.69 (CH×2), 127.67 (CH), 86.6 (CH), 84.3 (CH), 81.7 (CH), 79.4 (CH), 78.3 (CH), 75.7 (CH
2), 75.2 (CH
2), 74.9 (CH
2), 62.4 (CH
2); LCMS (ESI) m/z 528 (100, [M+NH
4]
+), 529 (35, [M+NH
4+1]
+), 533 (5, [M+Na]
+).
実施例53 2,3,4−トリ−O−ベンジル−1−C−フェニル−β−D−グルコピラノシド(((2R,3R,4R,5S,6S)−3,4,5−トリス(ベンジルオキシ)−6−フェニルテトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)メタノール;(1S)−1−C−フェニル2,3,4−トリ−O−ベンジル−グルコシド;(IVa''''))の合成
【0299】
【化65】
【0300】
[0259]1,6−アンヒドロ−2,3,4−トリ−O−ベンジル−β−D−グルコピラノース(0.43g、1.0mmol)とPh
3Al(2.2mL、2.2mmol、1.0M濃度のBu
2O溶液)のPhOMe(4.0mL)溶液を150℃(槽の外温)で6時間加熱した。周囲温度まで冷却した後、THF(10mL)、珪藻土(1g)、15%NaOH水溶液(1mL)、Na
2SO
4(2g)をこの順序で生成混合物に加え、得られた懸濁液を撹拌して、濾過した。濾液を濃縮して黄色のオイルを得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(1:20のEtOAc/n−ヘプタンで溶出)で精製したところ、白色の固体として生成物2,3,4−トリ−O−ベンジル−1−C−フェニル−β−D−グルコピラノシド(0.31g、62%)を得た。
【0301】
実施例54 2,3,4−トリ−O−ベンジル−1−C−フェニル−β−D−グルコピラノシド(((2R,3R,4R,5S,6S)−3,4,5−トリス(ベンジルオキシ)−6−フェニルテトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)メタノール;(1S)−1−C−フェニル2,3,4−トリ−O−ベンジル−グルコシド;(IVa''''))の合成
【0302】
【化66】
【0303】
[0260]1,6−アンヒドロ−2,3,4−トリ−O−ベンジル−β−D−グルコピラノース(0.2g、0.46mmol)とPh
3Al(0.9mL、0.90mmol、1.0M濃度のBu
2O溶液)のPhMe(4mL)溶液を還流下で加熱した。(TLC分析で求めたように)出発材料を消費した後、反応混合物を0℃まで冷却し、氷と水の混合物(50mL)に注いだ。得られた混合物をEtOAc(20mL)で抽出し、1NのHCl(10mL)、次いで塩水(10mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させて、減圧濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(2:8のEtOAc/n−ヘプタンで溶出)で精製したところ、2,3,4−トリ−O−ベンジル−1−C−フェニル−β−D−グルコピラノシド(82mg、35%)を得た。
【0304】
実施例55 1−C−フェニル−β−D−グルコピラノシド((2R,3S,4R,5R,6S)−2−(ヒドロキシメチル)−6−フェニルテトラヒドロ−2H−ピラン−3,4,5−トリオール;(1S)−1−C−フェニルグルコシド;(Ia))の合成
【0305】
【化67】
【0306】
[0261]2,3,4−トリ−O−ベンジル−1−C−フェニル−β−D−グルコピラノシド(40mg、0.08mmol)のMeOH(1.5mL)及びTHF(1.5mL)の混合溶液に周囲温度の5%のPd/C(20mg)を加えた。(TLC分析で求めたように)出発材料を消費するまで、水素気体雰囲気(約1atm)で反応混合物を周囲温度で撹拌した。生成混合物を濾過してパラジウム残渣を取り除き、濾液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(1:10のMeOH/DCMで溶出)で精製したところ、生成物1−C−フェニル−β−D−グルコピラノシド(15mg、80%)を得た。
【0307】
実施例56 2,3,4−トリ−O−tert−ブチルジメチルシリル−1−C−フェニル−β−D−グルコピラノシド(IVa''''')の合成
【0308】
【化68】
【0309】
[0262]周囲温度の1,6−アンヒドロ−2,3,4−トリ−O−tert−ブチルジメチルシリル−β−D−グルコピラノース(0.51g、1.0mmol)のPhOMe(4.0mL)溶液に、Ph
3Al(2.0ml、2.0mmol、1.0M濃度のBu
2O溶液)を加えて淡黄色の溶液を得た。混合物を150℃(槽の外温)で23時間加熱した。周囲温度まで冷却した後、THF(10mL)、珪藻土(1g)、15%NaOH水溶液(1mL)、Na
2SO
4(2g)をこの順序で生成混合物に加え、得られた懸濁液を濾過し、濃縮して黄色のオイルを得た。このオイルをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(1:20のEtOAc/n−ヘプタンで溶出)で精製したところ、淡黄色のオイルとして生成物1−C−フェニル−2,3,4−トリ−O−tert−ブチルジメチルシリル−β−D−グルコピラノシド(69mg、12%)を得た。
1H NMR (400MHz, CDCl
3) δ7.44-7.42 (m, 2H), 7.38-7.34 (m, 2H), 7.32-7.30 (m, 1H), 4.66 (d, J=5.6Hz, 1H), 4.00 (dd, J=9.2, 4.4Hz, 1H), 3.94-3.90 (m, 2H), 3.85-3.79 (m, 3H), 2.34 (dd, J=6.0, 6.0Hz, 1H, OH), 0.98 (s, 9H), 0.94 (s, 9H), 0.88 (s, 9H), 0.16 (s, 6H), 0.15 (s, 3H), -0.03 (s, 6H), -0.27 (s, 3H);
13C NMR (100MHz, CDCl
3) δ141.5 (C), 128.1 (CH×2), 127.7 (CH), 127.6 (CH×2), 81.8 (CH), 81.3 (CH), 78.0 (CH), 77.9 (CH), 71.9 (CH), 64.4 (CH
2), 25.9 (CH
3×9), 17.96 (C), 17.95 (C), 17.87 (C), -4.1 (CH), -4.2 (CH), -4.3 (CH), -4.6 (CH), -4.9 (CH), -5.1 (CH); LCMS (ESI) m/z 583 (100, [M+H]
+), 584 (44, [M+H+1]
+), 605 (46, [M+Na]
+).
実施例57 トリフェニルアルミニウム(Ph
3Al)の合成
[0263]ジイソプロピルエーテル(20mL)のAlCl
3(1.25g、9.4mmol)懸濁液に0〜5℃の臭化フェニルマグネシウム(10.8mL、27mmol、2.5M濃度のEt
2O溶液)を加えた。この混合物を室温で3〜4時間撹拌した。この溶媒を高真空ポンプで取り除いて白色の固体を得た。この固体にPhMe(15mL)を加えて、混合物を15分間撹拌した。得られたスラリーを窒素雰囲気下で濾過した。透明な濾液を元の体積の約1/3まで蒸発させ、得られた固体を濾過したところ、粗生成物1.36gを得た。粗生成物及びPhMe(15mL)のスラリーを撹拌して、濾過した。濾液を元の体積の約1/3まで蒸発させ、得られた固体を濾過したところ、所望の生成物(0.56g、18%)を得た。
1H NMR (400MHz, CDCl
3) δ7.71-7.74 (m, 6H), 7.23-7.26 (m, 9H), 4.05 (q, J=7.6Hz, 4H), 1.14 (t, J=7.6Hz, 6H).
実施例58 トリ−(4−メチルフェニル)アルミニウム(p−Tol
3Al)の合成
[0264]4−メチル臭化フェニルマグネシウム(9mL、9mmol、1.0M濃度のTHF溶液)の溶液に0℃のAlCl
3(6mL、3mmol、0.5M濃度のTHF溶液)の溶液を加えた。混合物を室温で15時間撹拌した。この溶液をカニューレで固体と分離し、溶媒を乾燥窒素ガスの強い気流下で蒸発させた。残留物をn−ヘキサン(それぞれ10mL)で二回洗浄し、水分に敏感な有機金属生成物が空気にさらされるのをさけるために密閉系で濾過(シュレンク濾過)した。濾過した固体を減圧乾燥して、上記見出しの生成物(0.81g、72%)を得た。
1H NMR (400MHz, CDCl
3) δ7.70 (d, J=7.6Hz, 6H), 7.17 (d, J=7.6Hz, 6H), 4.01-4.11 (m, THF信号), 2.37 (s, 3H), 1.93-2.03 (m, THF信号).
実施例59 Ph
3Alの合成、及び1−C−フェニル−β−D−グルコピラノシド((2R,3S,4R,5R,6S)−2−(ヒドロキシメチル)−6−フェニルテトラヒドロ−2H−ピラン−3,4,5−トリオール;(1S)−1−C−フェニルグルコシド;(Ia))を得るためのアリール化反応での使用
【0310】
【化69】
【0311】
[0265]AlCl
3(133mg、1.0mmol)のBu
2O(4.0mL)溶液に周囲温度で臭化フェニルマグネシウム(1.2mL、3.1mmol、2.6M濃度のEt
2O溶液)を加えた。周囲温度で一晩撹拌した後、生成混合物を窒素ガスの強い気流でパージしてTHF及びEt
2Oを蒸発させた。Bu
2O(5.0mL)を残留物に加えて、この混合物を一晩撹拌した。それを濾過して、濾液を窒素ガスの強い気流でパージして、固体としてPh
3Alを得た。
【0312】
2,4−O−フェニルボロン酸1,6−アンヒドロ−β−D−グルコピラノース(248mg、1.0mmol)のPhCN(3ml)溶液に上記で得たPh3Alを加え、この混合物を170℃(槽の外温)で加熱した。4時間加熱した後、HPLCによる分析から、収率65%で1−C−フェニル−β−D−グルコピラノシドを得たことがわかった。
以下に、出願時の特許請求の範囲の記載を示す。
[請求項1]
式IVの化合物:
【化70】
を調製する方法であって、
該方法は、前記式IVの化合物を形成するのに十分な条件で式IIの化合物:
【化71】
を金属化アリール化合物と接触させることを含み、
式中、Arは芳香環、芳香族複素環、ビアリール環系、縮合芳香環、ポリ芳香族系、メチレン基で架橋した2つ以上の芳香環、及びメタ置換されたジアリールメタン系からなる群より選ばれるものであり;
R
1はそれぞれ水素、又は保護基であり;
R
2は、水素及びR
1と同じ又は異なる保護基からなる群より選ばれる、前記方法。
[請求項2]
請求項1記載の方法であって、該金属化アリール化合物は式[Ar
nM
1Y
1p]M
2qで表され、
式中、Arは芳香環、芳香族複素環、ビアリール環系、縮合芳香環、ポリ芳香族系、メチレン基で架橋した2つ以上の芳香環、及びメタ置換されたジアリールメタン系からなる群より選ばれ;
M
1は金属、半金属、卑金属、アルカリ土類金属、及びランタノイドからなる群より選ばれ;
Y
1は存在しない、あるいはハライド、フェノキシド、アルコキシド、スルホネート、スルフェート、カルボキシレート、カルバニオン、シアニド、及びシアネートからなる群より独立して選ばれる1つ又はそれを超える陰イオンであり;
M
2は存在しない、あるいは1つ又はそれを超える陽イオンであり;
下付記号nは1〜6の整数また非整数であり;
下付記号pは0〜6の整数又は非整数であって、かつn+pは陰イオンの合計数であり;
下付記号qは0〜4の整数又は非整数であって、かつ陽イオンの合計数であり;そして、
該方法は、場合により金属又は非金属ルイス酸M
3Y
2r(式中、M
3は金属、半金属、又は非金属であり;Y
2は陰イオンであり;及び、下付記号rは1〜7.1の整数である)の存在下で行われる、前記方法。
[請求項3]
式Iの化合物:
【化72】
を調製する方法であって、
該方法は、該式Iの化合物を形成するのに十分な条件で式IIIの化合物:
【化73】
を式[Ar
nM
1Y
1p]M
2qの金属化アリール化合物と接触させることを含み、
該方法は、場合により金属又は非金属ルイス酸M
3Y
2rの存在下で行われ、
式中、Ar、M
1、M
2、M
3、Y
1、Y
2、n、p、q、及びrは、請求項2で規定したものである、前記方法。
[請求項4]
請求項1に記載の方法であって、式中、R
1及びR
2は保護基であり、該方法はさらにR
1及びR
2基を式IVの化合物から取り除いて式Iの化合物:
【化74】
を生成することを含む、前記方法。
[請求項5]
式Vの化合物を調製する方法であって、
a)式IVの化合物:
【化75】
と、R
3Xと、場合によりR
4X(R
4は水素以外のものであり、R
2はHである)とを、式VIの化合物:
【化76】
を生成するのに十分な条件で接触させること、及び、
b)式VIの化合物からR
1基及びR
4基(R
4は保護基である)を取り除いて式Vの化合物:
【化77】
(R
4はHである)
を生成すること、を含み、
式中、R
1は保護基であり;
R
2はHあるいはR
1と同じ又は異なる保護基であり;
Xは脱離基であり;
Arは芳香環、芳香族複素環、ビアリール環系、縮合芳香環、ポリ芳香族系、メチレン基で架橋した2つ以上の芳香環、又はメタ置換されたジアリールメタン系であり;
R
3は、アミノ酸基を含む−COR、−CO
2R、−CO
2CH
2OCOR、−CH
2OCOR、−P(O)(OR)
2、−P(O)(OH)O
−、−SO
2OR、−SO
3−、−PO
32−、−CONHR、−CON(R)
2、−CO
2COR、−CO
2CO
2R、−CONHR、−CON(R)
2であり;
R
4はR
2、R
3又はHであり;
Rは分岐状又は非分岐状のC
1−C
20アルキル、C
3−C
20シクロアルキル、又はC
3−C
8シクロアルキルC
1−C
8アルキルである、前記方法。
[請求項6]
請求項5に記載の方法であって、該式VIの化合物は、該式IVの化合物を形成するの
に十分な条件で式IIの化合物:
【化78】
を金属化アリール化合物と接触させることにより調製され、
式中、Arは芳香環、芳香族複素環、ビアリール環系、縮合芳香環、ポリ芳香族系、メチレン基で架橋した2つ以上の芳香環、及びメタ置換されたジアリールメタン系からなる群より選ばれ;
R
1は水素又は保護基であり;
R
2は、水素あるいはR
1と同じ又は異なる保護基からなる群より選ばれる、前記方法。
[請求項7]
請求項6に記載の方法であって、該金属化アリール化合物は式[Ar
nM
1Y
1p]M
2qで表され、
式中、Arは芳香環、芳香族複素環、ビアリール環系、縮合芳香環、ポリ芳香族系、メチレン基で架橋した2つ以上の芳香環、及びメタ置換されたジアリールメタン系からなる群より選ばれ;
M
1は金属、半金属、卑金属、アルカリ土類金属、及びランタノイドからなる群より選ばれ;
Y
1は存在しない、あるいはハライド、フェノキシド、アルコキシド、スルホネート、カルボキシレート、スルフェート、カルバニオン、シアニド、及びシアネートからなる群より独立して選ばれる1つ又はそれを超える陰イオンであり;
M
2は存在しない、あるいは1つ又はそれを超える陽イオンであり;
下付記号nは1〜6の整数又は非整数であり;
下付記号pは0〜6の整数又は非整数であり、かつn+pは陰イオンの合計数であり;
下付記号qは0〜7の整数又は非整数であり、かつ陽イオンの合計数であり;そして、
該方法は、場合により金属又は非金属ルイス酸M
3Y
2r(式中、M
3は金属、半金属又は非金属であり;Y
2は陰イオンであり;下付記号rは1〜7の整数である)の存在下で行われる、前記方法。
[請求項8]
請求項1、3又は6に記載の方法であって、該方法は金属又は非金属ルイス酸M
3Y
2rの存在下で行われる、前記方法。
[請求項9]
請求項2、3又は7に記載の方法であって、M
1は金属、半金属、及びアルカリ土類金属から選ばれる、前記方法。
[請求項10]
請求項2、3又は7に記載の方法であって、M
1がAlである場合、下付記号nは1〜4の数である、前記方法。
[請求項11]
請求項10に記載の方法であって、R
2がHではない場合、又はR
2がHであって式IIの化合物がアリール化反応の前に塩基で脱プロトン化されている場合、アリール基の下付記号nは1.5〜3の範囲にあり;そして、Y
1は存在しない、あるいはY
1はハライド、スルホネート、フェノレート、カルボキシレート、アルコキシド、スルフェート、カルバニオン、シアニド、又はシアネートである、前記方法。
[請求項12]
請求項11に記載の方法であって、該アリール基の下付記号nは1.75〜2.75の範囲にあり、Y
1はハライド、スルホネート、又はフェノレートである、前記方法。
[請求項13]
請求項10に記載の方法であって、R
2がHであり、式IIの化合物がアリール化反応の前に脱プロトン化されていない場合、アリール基の下付記号nは1.5〜4の範囲にあり;そして、Y
1は存在しない、あるいはY
1はハライドである、前記方法。
[請求項14]
請求項13に記載の方法であって、該アリール基の下付記号nは1.75〜3.25の範囲にあり、Y
1は存在しない、あるいはハライド、スルホネート、又はフェノレートである、前記方法。
[請求項15]
請求項3に記載の方法であって、M
1がアルミニウムである場合、アリール化反応の前に式IIIの化合物を塩基と反応させ、アリール基の下付記号nは1.5〜3の範囲であり;そして、Y
1は存在しない、あるいはY
1はハライド、スルホネート、フェノキシド、カルボキシレート、アルコキシド、スルフェート、カルバニオン、シアニド、又はシアネートである、前記方法。
[請求項16]
請求項1、3又は6に記載の方法であって、該方法は、ルイス塩基添加物の存在下、又はエーテル、又はニトリル、又はそれらの混合物から選ばれるルイス塩基溶媒の存在下で行われることを特徴とする方法。
[請求項17]
請求項1、3又は6に記載の方法であって、該方法が立体選択的である、前記方法。
[請求項18]
請求項1、3又は6に記載の方法であって、式Ar
3Alのトリアリールアルミニウム化合物を式AlY
13の三置換アルミニウム(III)化合物(式中、Y
1はハライド、フェノレート又はスルホネートである)と好適な溶媒中で混合することにより、式[Ar
nM
1Y
1p]M
2qで表される金属化アリール化合物を、式II又はIIIの化合物と接触させる前に調製する、前記方法。
[請求項19]
請求項1、3又は6に記載の方法であって、式ArLiのアリールリチウム化合物又は式ArMgY
1のアリールグリニャール試薬(式中、Y
1はハライドである)を式AlY
13の三置換アルミニウム(III)化合物(式中、Y
1はハライド、フェノレート又はスルホネートである)と好適な溶媒中で混合することにより、式[Ar
nM
1Y
1p]M
2qで表される金属化アリール化合物を、式II又はIIIの化合物と接触させる前に調製する、前記方法。
[請求項20]
請求項19に記載の方法であって、式[Ar
nM
1Y
1p]M
2qで表される金属化アリール化合物を析出、結晶化、蒸留又は抽出により精製して、式[Ar
nM
1Y
1p]M
2qで表される金属化アリール化合物を調製する際に形成されるハロゲン化リチウム又はハロゲン化マグネシウム塩副生成物を取り除く、前記方法。
[請求項21]
請求項18及び19に記載の方法であって、式[Ar
nM
1Y
1p]M
2qで表される金属化アリール化合物と接触させる前に、式IIの化合物(式中、R
2=Hである)を塩基で脱プロトン化する、前記方法。
[請求項22]
請求項21に記載の方法であって、該塩基は有機リチウム化合物である、前記方法。
[請求項23]
請求項21に記載の方法であって、該塩基は有機リチウム化合物n−BuLiである、前記方法。
[請求項24]
請求項1又は6に記載の方法であって、R
1及びR
2がいずれも保護基であり、式[Ar
nM
1Y
1p]M
2qで表される金属化アリール化合物は式Ar
3Alのトリアリールアルミニウム化合物である、前記方法。
[請求項25]
請求項1、3又は6に記載の方法であって、式II又はIIIの化合物と又は、式[Ar
nM
1Y
1p]M
2qで表される金属化アリール化合物との接触は、エーテル、ニトリル、又はハロベンゼン、又はそれらの混合物から選ばれる溶媒中、周囲温度より高い温度で行われる、前記方法。
[請求項26]
請求項25に記載の方法であって、該周囲温度より高い温度は80℃〜180℃の範囲内である、前記方法。
[請求項27]
請求項18に記載の方法であって、Y
1はハライドである、前記方法。
[請求項28]
請求項27に記載の方法であって、該ハライドはクロリドである、前記方法。
[請求項29]
請求項18に記載の方法であって、式Ar
3Alのトリアリールアルミニウム化合物の、式AlY
13の三置換アルミニウム(III)化合物に対するモル比は約1:1〜20:1である、前記方法。
[請求項30]
請求項18に記載の方法であって、式Ar
3Alのトリアリールアルミニウム化合物の、式AlY
13の三置換アルミニウム(III)化合物に対するモル比は約1.5:1〜15:1である、前記方法。
[請求項31]
請求項1、3又は6に記載の方法であって、式[Ar
nM
1Y
1p]M
2qで表される金属化アリール化合物は式Ar
3Alのトリアリールアルミニウム化合物である、前記方法。
[請求項32]
請求項1又は6に記載の方法であって、該式IIの化合物は式IIaのシリル基で保護された化合物
【化79】
であり、
式中、R
5、R
6、及びR
7は独立してアルキル、アルキルオキシ又はアリールである、前記方法。
[請求項33]
請求項32に記載の方法であって、該シリル保護基SiR
5R
6R
7は、tert−ブチルジメチルシリル(R
5=t−Bu、R
6=R
7=Me)、tert−ブチルジフェニルシリル(R
5=t−Bu、R
6=R
7=Ph)、トリイソプロピルシリル(R
5=R
6=R
7=i−Pr)、ジエチルイソプロピルシリル(R
5=i−Pr、R
6=R
7=Et)、ジメチルイソプロピルシリル(R
5=i−Pr、R
6=R
7=Me)、トリエチルシリル(R
5=R
6=R
7=Et)、ジ−tert−ブチルイソブチルシリル(R
5=R
6=t−Bu、R
7=i−Bu)、又はtert−ブトキシジフェニルシリル(R
5=t−BuO、R
6=R
7=Ph)からなる群から選ばれる、前記方法。
[請求項34]
請求項33に記載の方法であって、該シリル保護基はtert−ブチルジメチルシリル(R
5=t−Bu、R
6=R
7=Me)である、前記方法。
[請求項35]
請求項33に記載の方法であって、該シリル保護基はtert−ブチルジフェニルシリル(R
5=t−Bu、R
6=R
7=Ph)である、前記方法。
[請求項36]
請求項1又は6に記載の方法であって、該式IIの化合物は 式XIのボロン酸エステル化合物
【化80】
であって、
式中、Rはアルキル、アリール、アミノアルキル、又は置換されたホウ素から選ばれる基である、前記方法。
[請求項37]
請求項36に記載の方法であって、Rはアリール基である、前記方法。
[請求項38]
請求項37に記載の方法であって、アリール基は、式XIVの化合物
【化81】
を生成するアリール化反応中に、式IIの化合物のC1に実質的に転移しない基であり、
式中、Rは式XIの化合物のRと同じである、前記方法。
[請求項39]
請求項38に記載の方法であって、該「実質的に転移しない」は、式XIVの化合物の、式IVの化合物に対するモル比が1:9以下であることを指すものである、前記方法。
[請求項40]
請求項36に記載の方法であって、該Rは置換ホウ素基である、前記方法。
[請求項41]
請求項1、3又は6に記載の方法であって、Arは以下の基
【化82】
から選ばれ、
式中、Pは、TBS、TBDPS、メチル、エチル、イソプロピル、tert−ブチル、ベンジル、及び4−メトキシベンジルからなる群から選ばれる好適な保護基である、前記方法。
[請求項42]
請求項1、3又は6に記載の方法であって、さらに未反応の金属化アリール化合物又は副生成物を、未反応の金属化アリール化合物又は副生成物をハロゲン化アリールに変換するのに十分な条件のもとでハロゲン源と接触させる工程を含む、前記方法。
[請求項43]
請求項42に記載の方法であって、該ハロゲン源は、ヨウ素、ブロミド、N−ブロモスクシンイミド、N−ブロモフタルイミド、1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン、N−ヨードスクシンイミド、及びN−ヨードフタルイミド、又はそれらの混合物から選ばれる、前記方法。
[請求項44]
請求項42に記載の方法であって、未反応の金属化アリール化合物又は副生成物をハロゲン源と接触させる工程を塩化リチウムの存在下で行うものである、前記方法。