特許第6144701号(P6144701)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6144701エアロゾルを移送するための装置及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6144701
(24)【登録日】2017年5月19日
(45)【発行日】2017年6月7日
(54)【発明の名称】エアロゾルを移送するための装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 1/00 20060101AFI20170529BHJP
   G01N 1/28 20060101ALI20170529BHJP
   G01N 27/62 20060101ALI20170529BHJP
   G01N 1/22 20060101ALI20170529BHJP
   G01N 27/64 20060101ALI20170529BHJP
【FI】
   G01N1/00 101Q
   G01N1/00 101R
   G01N1/28 T
   G01N27/62 F
   G01N1/22 T
   G01N27/64 B
【請求項の数】27
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2014-549050(P2014-549050)
(86)(22)【出願日】2012年11月1日
(65)【公表番号】特表2015-506467(P2015-506467A)
(43)【公表日】2015年3月2日
(86)【国際出願番号】US2012063097
(87)【国際公開番号】WO2013095784
(87)【国際公開日】20130627
【審査請求日】2015年10月27日
(31)【優先権主張番号】13/336,991
(32)【優先日】2011年12月23日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】593141632
【氏名又は名称】エレクトロ サイエンティフィック インダストリーズ インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100109896
【弁理士】
【氏名又は名称】森 友宏
(72)【発明者】
【氏名】オコナー,キアラン,ジョン,パトリック
(72)【発明者】
【氏名】ヒリアード,シェーン
【審査官】 高田 亜希
(56)【参考文献】
【文献】 特開平09−243535(JP,A)
【文献】 特開平09−133617(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/115394(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0264815(US,A1)
【文献】 ARROWSMITH P,et al ,ENTRAINMENT AND TRANSPORT OF LASER ABLATED PLUMES FOR SUBSEQUENT ELEMENTAL ANALYSIS,APPLIED SPECTROSCOPY,米国,THE SOCIETY FOR APPLIED SPECTROSCOPY,1998年 9月 1日,vol. 42, no. 7,p1231-1239,URL,https://www.osapublishing.org/view_article.cfm?gotourl=https%3A%2F%2Fwww.osapublishing.org%2FDirectPDFAccess%2FAEA41D80-F938-3B7B-4AB34290302A4B15_126723%2Fas-42-7-1231.pdf%3Fda%3D1%26id%3D126723%26seq%3D0%26mobile%3Dno&org=Japan%20Patent%20Office%20
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 1/00− 1/44
G01N 27/60−27/92
H01J 40/00−49/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
象物が収容され得る収容域がその内部に規定されるアブレーションチャンバ本体であって、
前記対象物の一部をアブレートするのに十分なフルエンスを有する放射パルスを伝搬方向に沿って伝搬するように構成された透過窓を有する第1のチャンバ本体と、
前記第1のチャンバ本体に隣接する第2のチャンバ本体であって、前記伝搬方向と異なる平行移動方向に沿って前記透過窓に対して移動可能な第2のチャンバ本体と、
を含、アブレーションチャンバ本体と、
第1の端部と該第1の端部の反対側の第2の端部とを有するエアロゾル移送管であって、前記第1の端部で前記収容域に流体連通し、前記第2の端部で前記アブレーションチャンバ本体の外部域と流体連通するエアロゾル移送域を規定するエアロゾル移送管と
を備え、
前記第1のチャンバ本体及び前記第2のチャンバ本体のそれぞれが、前記アブレーションチャンバ本体の外部域から前記収容域を部分的に分離して、前記収容域を前記第1のチャンバ本体と前記第2のチャンバ本体とによって規定し、
前記エアロゾル移送管は、前記第1の端部から前記第2の端部に延びる実質的に直線状の移送経路に沿ってエアロゾルを移送するように構成され、前記エアロゾルは、前記対象物からアブレートされ得る材料を含んでいる、
装置。
【請求項2】
前記エアロゾルが前記第1の端部から前記第2の端部に移送される際に、前記エアロゾルが分別を受けないか、あるいは実質的に分別も受けないように、前記移送経路が実質的に直線状となっている、請求項1の装置。
【請求項3】
前記エアロゾルが前記第1の端部から前記第2の端部に移送される際に、前記エアロゾルの移送速度が実質的に一定となるように、前記移送経路が実質的に直線状となっている、請求項1の装置。
【請求項4】
前記エアロゾル移送管の前記第1の端部から前記第2の端部までの長さが3m未満である、請求項1の装置。
【請求項5】
前記エアロゾル移送管の前記第1の端部から前記第2の端部までの長さが約5cm未満である、請求項4の装置。
【請求項6】
前記エアロゾル移送管が前記第1のチャンバ本体を貫通して延びる、請求項1の装置。
【請求項7】
前記エアロゾル移送管が実質的に堅くなっている、請求項1の装置。
【請求項8】
前記エアロゾル移送域を規定する前記エアロゾル移送管の一部が金属である、請求項1の装置。
【請求項9】
前記エアロゾル移送管の向きが前記第1のチャンバ本体に対して固定されている、請求項1の装置。
【請求項10】
前記エアロゾル移送管の位置が前記第1のチャンバ本体に対して固定されている、請求項1の装置。
【請求項11】
前記エアロゾル移送管の前記第1の端部が前記収容域の内部に延びている、請求項1の装置。
【請求項12】
前記エアロゾル移送管の前記第2の端部が前記収容域の外部に延びている、請求項1の装置。
【請求項13】
前記対象物が前記収容域内で前記透過窓に対して移動可能となるように前記第1のチャンバ本体及び前記第2のチャンバ本体が構成されている、請求項1の装置。
【請求項14】
前記アブレーションチャンバ本体の外部にあるデブリが前記収容域に入るのを防止するように構成されたバリアをさらに備える、請求項1の装置。
【請求項15】
前記バリアは、前記第1のチャンバ本体と前記第2のチャンバ本体の間に位置するシールである、請求項14の装置。
【請求項16】
前記バリアは、前記第1のチャンバ本体と前記第2のチャンバ本体の外周部を囲むガスカーテンである、請求項14の装置。
【請求項17】
前記収容域及び前記エアロゾル移送域に流体連通する収集域を規定するエアロゾル収集器をさらに備える、請求項1の装置。
【請求項18】
前記収容域の外部から前記収容域の内部にキャリアガスを移送するように構成されたキャリアガス注入口をさらに備える、請求項1の装置。
【請求項19】
前記キャリアガス注入口が前記第2チャンバ本体を貫通して延びる、請求項18の装置。
【請求項20】
前記透過窓に隣接したアブレーションビーム源であって、前記対象物の一部をアブレートし、エアロゾルを生成するのに十分なフルエンスを有する放射パルスを、前記伝搬方向に沿って前記透過窓を通して前記対象物上に照射するように構成されたアブレーションビーム源をさらに備える、請求項1の装置。
【請求項21】
前記エアロゾルがサンプル受入域内の前記エアロゾル移送管からサンプルとして受け入れられるように、前記エアロゾル移送管の前記第2の端部に流体連通するサンプル受入域を有する分析システムをさらに備え、該分析システムは、前記サンプルの組成を分析するように構成されている、請求項1の装置。
【請求項22】
前記エアロゾル移送管は、前記収容域から前記サンプル受入域に延びる実質的に直線状の移送経路に沿って前記エアロゾルを移送するように構成されている、請求項21の装置。
【請求項23】
前記分析システムは、発光分析装置と質量分析装置からなる群から選択される少なくとも1つを含んでいる、請求項21の装置。
【請求項24】
対象物を収容するように構成された収容域を規定するアブレーションチャンバ本体であって、
第1のチャンバ本体と、
前記第1のチャンバ本体に対して移動可能な第2のチャンバ本体と、
を含むアブレーションチャンバ本体と、
前記第1のチャンバ本体を貫通する透過窓であって、対象物の一部をアブレートするのに十分なフルエンスを有する放射パルスを伝搬方向に沿って伝搬するように構成された透過窓と、
前記第2のチャンバ本体上及び前記収容域内に配置され、前記収容域内で前記対象物を支持するように構成された対象物ホルダと、
前記第1のチャンバ本体に連結され、第1の端部と該第1の端部の反対側の第2の端部とを有するエアロゾル移送管であって、前記第1の端部で流体連通し、前記第2の端部で前記収容域の外部域と流体連通するエアロゾル移送域を規定するエアロゾル移送管と、
を備え、
前記エアロゾル移送管は、前記第1の端部から前記第2の端部に延びる実質的に直線状の移送経路に沿ってエアロゾルを移送するように構成され、前記エアロゾルは、前記対象物からアブレートされ得る材料を含んでいる、
装置。
【請求項25】
前記第2のチャンバ本体を移動させるように構成されたステージをさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項26】
前記第2のチャンバ本体によって支持されて前記収容域内に配置される対象物ホルダであって、前記収容域内で前記対象物を支持するように構成された対象物ホルダをさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項27】
前記対象物ホルダは、前記収容域内の対象物の位置及び向きの少なくとも一方が調節可能となるように構成されている、請求項26に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本明細書にて例示的に述べられるように、本発明の実施形態は、概してエアロゾルサンプルを提供する装置及びエアロゾルサンプルを提供するための方法に関するものである。特に、本発明の実施形態は、エアロゾルサンプルを分析システムに高効率でかつ分別(fractionation)を少なくして移送することができる装置及び方法に関するものである。
【0002】
質量分析(MS)システム、発光分析(OES)システム等のような分析システムは、対象材料の組成分析に使用され得る。対象材料のサンプルは、エアロゾルの形態で分析システムに供給されることが多い。本技術分野において知られているように、エアロゾルは、概して固体のコロイド懸濁液や気体中に偶発的に存在する液体粒子として特徴づけられる。典型的には、エアロゾルは、エアロゾル生成装置によって生成され、キャリアガスの流れに乗って運ばれ、エアロゾル移送管を介して分析システムにサンプルとして移送される。分析システムで分析される対象材料の異なる位置から複数のサンプルをエアロゾル生成装置が生成できるように、従来のエアロゾル移送管は曲げることができるようになっている。そのため、従来のエアロゾル移送管によって規定されるエアロゾル移送経路は非線形である。従来のエアロゾル移送経路は非線形であるため、エアロゾルは、エアロゾル生成装置から分析システムに移送される際に分別される。本技術分野において知られているように、分別は、エアロゾル移送経路に沿った方向が変化する際に、エアロゾル内の異なる元素、同位体、大きさ及び/又は幾何形状を有する粒子が遠心的に分離されるときに生じる。分別の影響により、分析システムによって行われる組成分析は、エアロゾル生成装置によって生成されるエアロゾルの実際の組成に正しく一致しない場合がある。また、従来のエアロゾル移送経路内の屈曲部は、エアロゾル移送速度が移送経路の長さに沿って変化する原因になり得るし、また、屈曲部に隣接するエアロゾル移送管の異なる位置でエアロゾル移送速度が変化する原因になり得る。このような不均一な移送速度は、悪影響の中でも特に、エアロゾル内の粒子の集塊を引き起こし得る。この結果として、エアロゾル内の比較的小さな粒子が塊になってより大きな粒子を形成するので好ましくない。この大きな粒子は、エアロゾル移送経路に沿ったエアロゾルの全体的な移送効率を低下させる傾向を有するからである。
【0003】
また、分析システムで分析される対象材料の異なる位置から複数のサンプルをエアロゾル生成装置が生成できるように、従来のエアロゾル移送管は柔軟に作られ得る。しかしながら、柔軟なエアロゾル移送管を使用することは、エアロゾルが生成された対象材料の位置によって分析システムによって行われる組成分析が変化する原因になり得るので好ましくない。柔軟なエアロゾル移送管が引き起こす組成分析における好ましくない変動性を減らすために、エアロゾル移送管は、一般的に、およそ数メートルの長さのチューブとされる。このため、柔軟なエアロゾル移送管の端部間を動かすことによって、柔軟なエアロゾル移送管の端部間の屈曲度合を減少させることができる。しかしながら、そのようなエアロゾル移送管の長さは比較的長いために、管内部におけるエアロゾル移送時間が増加し得るため好ましくない。結果として、エアロゾル内部の比較的小さな粒子が、上記と同様に塊になって好ましくない。
【0004】
加えて、柔軟な又は屈曲したエアロゾル移送管は、通常、大気ガスに対して透過性を有し得るプラスチック材料によって作られる。その結果として、エアロゾルがエアロゾル移送管を通って移送される際に、大気ガスがエアロゾルを巻き込むため好ましくなく、エアロゾルの組成分析に問題(例えば、干渉の形成や高バックグランド)を引き起こし得る。
【発明の概要】
【0005】
一実施形態では、本発明に係る装置は、その内部に対象物が収容され得る収容域が規定されるアブレーションチャンバ本体であって、上記対象物の一部をアブレートするのに十分なフルエンスを有する放射パルスを伝搬方向に沿って伝搬するように構成された透過窓を有する第1のチャンバ本体と、上記第1のチャンバ本体に隣接する第2のチャンバ本体であって、上記伝搬方向と異なる平行移動方向に沿って上記透過窓に対して移動可能な第2のチャンバ本体と、を含み、上記第1のチャンバ本体及び上記第2のチャンバ本体がそれぞれ上記アブレーションチャンバ本体の外部域から上記収容域を部分的に分離する、アブレーションチャンバ本体と、第1の端部と該第1の端部の反対側の第2の端部とを有するエアロゾル移送管であって、上記第1の端部で上記アブレーションチャンバ本体に流体連通し、上記第2の端部で上記収容域の外部域と流体連通するエアロゾル移送域を規定するエアロゾル移送管を備え、上記エアロゾル移送管は、上記第1の端部から上記第2の端部に延びる実質的に直線状の移送経路に沿ってエアロゾルを移送するように構成され、上記エアロゾルは、上記対象物からアブレートされ得る材料を含み得る
【0006】
他の実施形態では、本発明に係る装置は、対象物を収容するように構成された収容域を規定するアブレーションチャンバ本体であって、第1のチャンバ本体と、上記第1のチャンバ本体に対して移動可能な第2のチャンバ本体と、を含むアブレーションチャンバ本体と、上記第1のチャンバ本体を貫通する透過窓であって、対象物の一部をアブレートするのに十分なフルエンスを有する放射パルスを伝搬方向に沿って伝搬するように構成された透過窓と、上記第2のチャンバ本体上及び上記収容域内に配置され、上記収容域内で上記対象物を支持するように構成された対象物ホルダと上記第1のチャンバ本体に連結され、第1の端部と該第1の端部の反対側の第2の端部とを有するエアロゾル移送管であって、上記第1の端部で流体連通し、上記第2の端部で上記収容域の外部域と流体連通するエアロゾル移送域を規定するエアロゾル移送管と、を備え、上記エアロゾル移送管は、上記第1の端部から上記第2の端部に延びる実質的に直線状の移送経路に沿ってエアロゾルを移送するように構成され、上記エアロゾルは、上記対象物からアブレートされ得る材料を含み得る。
【0007】
本発明の他の実施形態では、本発明に係る方法は、アブレーションチャンバ本体の収容域から分析システムのサンプル受入域に実質的に直線状の移送経路に沿ってエアロゾルを移送し、上記分析システムは、上記サンプル受入域内で受け入れられた上記エアロゾルの組成分析を行い得る。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態における装置を示す模式図である。
図2図1で示された装置のアブレーションチャンバの一実施形態を模式的に示す断面図である。
図3図2で示されたアブレーションチャンバの第2のチャンバ本体が第1のチャンバ本体に対して移動可能である実施形態を模式的に示す断面図である。
図4】ある実施形態における、デブリが図2に示されるアブレーションチャンバに入り込むのを妨げるために形成されるバリアを模式的に示す断面図である。
図5】ある実施形態における、デブリが図2に示されるアブレーションチャンバに入り込むのを妨げるために形成されるバリアを模式的に示す断面図である。
【図示された実施形態の詳細な説明】
【0009】
以下、本発明の例示の実施形態が示されている添付図面を参照しながら本発明をより完全に説明する。しかしながら、本発明は多くの異なる形態で実施することができ、本明細書で述べる実施形態に限定されるものとして解釈すべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が、完全なものですべてを含み、本発明の範囲を当業者に十分に伝えるように提供されるものである。図面においては、理解しやすいように、層や領域のサイズや相対的なサイズが誇張されている場合がある。
【0010】
本明細書では、第1、第2、第3などの用語は、種々の要素、構成要素、領域、セットなどを説明するために使用され得るものであるが、これらの要素、構成要素、領域、セットはこれらの用語により限定されるべきではないことは理解できよう。これらの用語は、ある要素、構成要素、領域、セットなどを他の要素、構成要素、領域、セットなどと区別するためにのみ使用されるものである。したがって、以下に述べる第1の要素、構成要素、領域、セットなどは、本明細書における教示から逸脱することなく、第2の要素、構成要素、領域、セットなどと呼ぶこともできる。
【0011】
本明細書で使用される用語は、特定の例示的な実施形態を説明するためだけのものであり、本発明に対して限定するものとして意図されているものではない。本明細書で使用されているように、内容が明確にそうではないことを示している場合を除き、単数形は複数形を含むことを意図している。さらに、「備える」及び/又は「備えている」という用語は、本明細書で使用されている場合には、述べられた特徴、整数、ステップ、動作、要素、及び/又は構成要素の存在を特定するものであり、1つ以上の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素及び/又はそのグループの存在又は追加を排除するものではないことは理解されよう。
【0012】
図1は、本発明の一実施形態における装置を示す模式図である。
【0013】
図1を参照すると、装置100のような装置は、アブレーションチャンバ102とアブレーションビーム源104と分析システム106とを含んでいる。しかしながら、他の実施形態では、アブレーションビーム源104と分析システム106の一方又は双方を装置100から省略してもよい。
【0014】
例示的に示されるように、アブレーションチャンバ102は、対象物110を収容するように構成された収容域108aを規定するアブレーションチャンバ本体108と、伝搬方向に沿って放射パルス114を伝搬するように構成された透過窓112と、キャリアガス(例えば、ヘリウム、アルゴン等又はこれらの組み合わせ)をアブレーションチャンバ102の外部のキャリアガス源(図示せず)から収容域108aに送るように構成されたキャリアガス注入口116と、アブレーションチャンバ本体108に連結されたエアロゾル移送管118とを含んでいる。以下に詳細に述べるように、放射パルス114は、対象物110の一部をアブレートするに十分なフルエンスを有しており、これにより、キャリアガスに巻き込まれた対象物からアブレートされた材料を含むエアロゾルプルーム(本明細書では単に「エアロゾル」、「プルーム」、「エアロゾルのプルーム」などという)が生成される。
【0015】
エアロゾル移送管118は、第1の端部118aと第2の端部118bとを含み、第1の端部118aから第2の端部118bへ延びるエアロゾル移送域120を規定する。図示された実施形態では、エアロゾル移送管118は、第1の端部118aが収容域108aに延びるように、また、第2の端部がアブレーションチャンバ本体108の外部に延びるように構成されている。しかしながら、他の実施形態では、第1の端部118aが収容域108a内に延びないようにエアロゾル移送管118を構成してもよい。同様に、第2の端部118bがアブレーションチャンバ本体108の外部に延びないようにエアロゾル移送管118を構成してもよい。エアロゾル移送域120は、エアロゾルが移送され得る移送経路を規定する。例示的に示されるように、エアロゾル移送域120は、第1の端部118aで収容域108aと流体連通し、第2の端部118bで収容域108aの外部域(例えば、分析システム106のサンプル受入域122)に流体連通する。上述したように構成されているため、エアロゾル移送管118は、収容域108a内で生成されたエアロゾルのプルームを受け入れ、エアロゾル移送域120内のエアロゾルのプルームを移送経路に沿って分析システム106のサンプル受入域122に移送するように構成される。以下に詳細に述べるように、分析システム106は、エアロゾル移送管118によって移送されるエアロゾルの組成分析を行うように構成される。
【0016】
一実施形態では、エアロゾルが収容域108aからサンプル受入域122(例えば、第1の端部118aから第2の端部118bまで)に移送される際にエアロゾルが全く分別されないように、あるいは、検出可能な程度に分別されないように(すなわち「実質的に分別されないように」)、エアロゾル移送域120によって規定される移送経路は実質的に直線となっている。他の実施形態では、エアロゾルが収容域108aからサンプル受入域122(例えば、第1の端部118aから第2の端部118bまで)に移送される際にエアロゾルの移送速度が実質的に一定になるように、エアロゾル移送域120によって規定される移送経路は実質的に直線となっている。
【0017】
一実施形態では、エアロゾルが第1の端部118aから第2の端部118bに移送される間の通常の動作条件下で、移送経路が実質的に直線であり続けられるように、エアロゾル移送管118は実質的に堅くなっている。エアロゾル移送管118が実質的に堅いので、エアロゾル移送管118は金属材料(例えばステンレス鋼など)で形成され得る。一実施形態では、金属材料は、大気ガスに対して透過性を有しない材料又は上述した従来のエアロゾル移送管を形成しているプラスチック材料よりも大気ガスに対して透過性の低い材料によって形成され得る。
【0018】
第1の端部118から第2の端部118bまでの移送経路に沿って計測されるエアロゾル移送管118の長さは5メートル(m)未満であってもよい。一実施形態では、エアロゾル移送管118の長さは1m未満である。他の実施形態では、エアロゾル移送管118の長さは10センチメートル(cm)未満である。また、さらに他の実施形態では、エアロゾル移送管118の長さは5cm未満である。さらに他の実施形態では、エアロゾル移送管118の長さは3cm未満である。しかしながら、このような実施形態では、エアロゾル移送管118の長さは概して1cmより長いが、1cmより短くてもよい。ある実施形態では、エアロゾルが収容域108aからサンプル受入域122(すなわち、第1の端部118aから第2の端部118b)に移送される際に、エアロゾル内の粒子が塊になってしまわないように、あるいは、エアロゾル内の粒子が塊になってしまう度合いを低減するように、エアロゾル移送管118の長さを選択し得る。エアロゾル移送管118の長さの選択は、対象物110を形成する材料、放射パルス114のエネルギー密度、放射パルス114のパルス幅、放射パルス114の波長、キャリアガス流量など1以上のファクターに影響され得る。
【0019】
エアロゾル移送管118は、透過窓112に対して固定的に位置するようにアブレーションチャンバ本体108に連結される。一実施形態では、エアロゾル移送管118は、透過窓112に対して位置が固定されるように透過窓112に対して固定的に位置している。他の実施形態では、エアロゾル移送管118は、透過窓112に対して方向が固定されるように透過窓112に対して固定的に位置している。
【0020】
アブレーションビーム源104は、放射パルス114を収容域108aに照射するように構成される。また、他の実施形態では、アブレーションビーム源104は、放射パルス114を生成するように構成される。図示していないが、アブレーションビーム源104は、1以上のレーザ放射パルスからなるビームを生成するように構成された1以上のレーザのような放射源を含んでいてもよい。これらの1以上のレーザは、それぞれ約157nmよりも長く、約1064nmよりも短い波長を持つレーザ放射を生成するように構成されていてもよい。例えば、これらの1以上のレーザは、それぞれ266nm、213nm、193nm等からなる群から選択される波長を生成するように構成されていてもよい。これらの1以上のレーザの各々は、約1.0ピコ秒から約25ナノ秒の間のパルス幅を有するレーザパルスを生成するように構成されてもよい。また、アブレーションビーム源104は、1以上のレーザによって生成されるレーザ放射を集束させるように構成されるレーザ光学系を含んでいてもよい。
【0021】
上述したように、分析システム106は、エアロゾル移送管118によって移送されたエアロゾルに対して組成分析を行うように構成される。分析システム106は、MSシステム(例えば、希ガスMSシステムや安定同位体MSシステムなど)、OESシステムなど又はこれらの組み合わせのような任意の好適なシステムであってもよい。しかしながら、一般的に、分析システム106は、サンプル受入域122内に受け入れられたエアロゾルの1以上の成分を励起(例えば、イオン化、原子化(atomize)、照射、加熱等)するように構成されたサンプル準備モジュールと、サンプル受入域122内に受け入れられたエアロゾルの励起成分の1以上の特性(例えば、電磁放射あるいは電磁吸収、粒子質量、イオン質量など又はこれらの組み合わせ)を検出するように構成された検出モジュールとを含んでいる。サンプル受入域122内に受け入れられたエアロゾルの1以上の成分を励起するための手法としては、(例えば、誘導結合プラズマ(ICP)トーチを介した)プラズマ発生、スパークイオン化、熱イオン化、大気圧化学イオン化、高速原子衝撃、グロー放電など又はこれらの組み合わせが挙げられる。一実施形態では、分析システム106は、検出モジュールが特性を検出する前に、上述した1以上の特性に基づきサンプル受入域122内に受け入れられたエアロゾルの励起成分を振り分けるように構成されたソートモジュールをさらに含んでいてもよい。
【0022】
一実施形態では、装置100は、アブレーションチャンバ102とアブレーションビーム源104の間に配置されたシールド124をさらに含んでいる。シールド124は、放射パルス114を少なくとも部分的に透過する物質によって形成されていてもよい。図示された実施形態では、シールド124は、アブレーションチャンバ本体108に当接し、対象物110のアブレーション中にデブリ(例えば、塵、水蒸気、空気のような大気ガスなど)が収容域108aに入ってしまうのを防止するように透過窓112を覆っている。アブレーションチャンバ本体108の外部のデブリによって引き起こされる収容域108aへの放射パルスの伝搬に対する悪影響を減少し、あるいはこれをなくすために、アブレーションビーム源10は、概して、(図示したように)シールド124に近接して配置されており、シールド124に当接していてもよい。一実施形態では、シールド124は、アブレーションビーム源104とアブレーションチャンバ本体108の一方又は双方に連結されてもよい。
【0023】
他の実施形態では、装置100は、収容域108a内に配置される対象物ホルダ126をオプションとして含んでいる。対象物ホルダ126は、放射パルス114が収容域108aに伝搬される際に、対象物110の表面110aが収容域108a内で確実に好ましい状態に置かれるように収容域内の対象物110を保持又は支持するように構成されてもよい。一実施形態では、表面110aの他の部分が収容域108a内で好ましい状態に置かれていない場合であっても、放射パルス114によってアブレートされる表面110aの部分が確実に好ましい状態に置かれるように、収容域108内の対象物110の位置及び向きの少なくとも一方を調節可能とするように、対象物ホルダ126を構成してもよい。
【0024】
図2は、図1で示された装置のアブレーションチャンバの一実施形態を模式的に示す断面図である。図3は、図2で示されたアブレーションチャンバの第2のチャンバ本体が第1のチャンバ本体に対して移動可能である実施形態を模式的に示す断面図である。
【0025】
図2を参照すると、一実施形態によれば、図1に示されるアブレーションチャンバ本体108は、第1のチャンバ本体202と、第1のチャンバ本体202に隣接する第2のチャンバ本体204とを含んでいてもよい。例示的に示されるように、第1のチャンバ本体202と第2のチャンバ本体204は、収容域108aを規定している。しかしながら、アブレーションチャンバ102は、少なくとも部分的に収容域108aを規定する他の構成要素を含んでいてもよい。このように、第1チャンバ本体202と第2チャンバ本体204は、少なくとも部分的に収容域108aを規定していてもよい。図示されていないが、一方のチャンバ本体(例えば第2のチャンバ本体204)を他方のチャンバ本体(例えば第1のチャンバ本体202)に対して均一に押し付けるために、1以上の付勢部材(例えばバネ)を設けてもよい。
【0026】
透過窓112は第1のチャンバ本体202の内部に規定されており、第2のチャンバ本体204は透過窓112に対して(例えば、図3で示される矢印302によって示されるように)移動可能である。例えば、第2のチャンバ本体204は、上述した伝搬方向と異なる1以上の平行移動方向に沿って第2のチャンバ本体204を動かすように構成された可動ステージ206(例えば、相対的に固定された基部208)上に置かれていてもよい。そして、この基部208が、テーブルや床などの十分に安定した据え付け面(図示せず)上に設けられていてもよい。例えば、上述した据え付け面によって支持される枠体(図示せず)が、第2のチャンバ本体204が可動ステージ206によって移動される際に、第1のチャンバ本体202を支持するように第1のチャンバ本体202に連結されてもよい。シールド124がアブレーションビーム源104とアブレーションチャンバ本体108の一方又は双方に連結されている一実施形態では、第1のチャンバ本体202に加えて(又はこれに代えて)、同様に、シールド124とアブレーションビーム源104の少なくとも一方に枠体を連結してもよい。
【0027】
図示された実施形態では、第1の端部118aが収容域108aの内部に延びるように、また、第2の端部がアブレーションチャンバ本体108の外部に延びるように、エアロゾル移送管118が第1のチャンバ本体202を貫通している。しかしながら、他の実施形態では、第1の端部118aと第2の端部118bの一方又は双方が、第1のチャンバ本体202の内部又は第1のチャンバ本体202の縁部に配置されている。さらに、エアロゾル移送管118は、第1のチャンバ本体202内に形成された孔又は1以上のチャネル(図示せず)であってもよい。
【0028】
エアロゾル移送管118が上述したように透過窓112に対して固定的に位置することになるような任意の好適な方法によって、エアロゾル移送管118を第1のチャンバ本体202に連結してもよい。例えば、第1のチャンバ本体202に形成された孔(図示せず)又は1以上のチャネル(図示せず)にエアロゾル移送管118を挿入してもよいし、接着材、1以上の溶接部、又は他のロック部材(例えば、ネジ、留め金等、又はこれらの組み合わせ)あるいは第1のチャンバ本体202に対してエアロゾル移送管118を付勢するように構成された付勢部材によって孔又は1以上のチャネル内に固定されていてもよい。一実施形態では、第2のチャンバ本体204が透過窓112に対して移動する際に、エアロゾル移送管118が透過窓112に対して固定的に位置するように、エアロゾル移送管118が第1のチャンバ本体202に連結されている。
【0029】
一実施形態では、アブレーションチャンバ102が、収集域210aを規定するエアロゾル収集器210を含んでもよい。一実施形態では、エアロゾル収集器210は、収集器支持部材212(例えば、ピン、ネジ、クランプなど)によって第1のチャンバ本体202に連結される。エアロゾル収集器210による干渉がほとんどない、あるいは全くない状態で放射パルス114が収集域210aを通って収容域108aに確実に伝搬されるように、透過窓112に対してエアロゾル収集器210を揃えるように、収集器支持部材212を構成してもよい。一実施形態では、収集器支持部材212は、エアロゾル収集器210の位置と向きの少なくとも一方が透過窓112に対して調節可能となるように構成されてもよい。
【0030】
収集域210aが収容域108aと流体連通するように、エアロゾル収集器210の少なくとも一部が収容域108aの内部に配置されていてもよい。一実施形態では、エアロゾル収集器210と対象物110の表面110aとの間に小さな隙間が形成されるようにエアロゾル収集器210が配置される。放射パルス114による表面110aのアブレーションの際に生成されるエアロゾルプルームの少なくとも一部が収集域10a内に確実に形成されるように、この隙間の高さを選択する必要がある。また、収容域108a内に流入して対象物110の表面110a上を流れるキャリアガスが収集域210aに確実に流入できるように、この隙間の高さを選択してもよい。
【0031】
収集域210aがエアロゾル移送域120に流体連通するように、エアロゾル収集器210の少なくとも一部を収容域108a内に配置してもよい。図示された実施形態では、エアロゾル収集器210は、エアロゾル収集器210の底部と頂部との間に位置する孔(符号は付されていないが図示されている)を含んでいる。この孔は収集域210aに流体連通していてもよく、また、エアロゾル移送管118の第1の端部118aがこの孔に挿入されていてもよく、あるいはこれに連結されていてもよい。しかしながら、他の実施形態では、第1の端部は、エアロゾル収集器210の頂部の上方に配置されていてもよい。
【0032】
上記に例示して述べたようなエアロゾル収集器210を設けることによって、放射パルス114による表面110aのアブレーションの際に生成されたエアロゾルプルームの体積を相対的に小さくすることができ、これにより、エアロゾル移送域120を通って分析システム106のサンプル受入域122に至るエアロゾルの移送が改善される。上記ではエアロゾル収集器210が第1のチャンバ本体202から分離した部分であるとして述べたが、エアロゾル収集器210と第1のチャンバ本体202は、単一の一体の(monolithic)構造として形成されていてもよい。
【0033】
図4及び図5は、ある実施形態における、デブリが図2に示されるアブレーションチャンバに入り込むのを防止するように構成されたバリアを模式的に示す断面図である。
【0034】
上述したように、第2のチャンバ本体204は、1以上の平行移動方向に沿って第1のチャンバ本体202に対して移動可能となっている。ある実施形態において、第2のチャンバ本体204が移動しているときに、デブリ(例えば、塵、水蒸気、空気のような大気ガスなど)が収容域108aに入ってしまうのを防止するためにバリアを設けてもよい。
【0035】
図4を参照すると、一実施形態によれば、バリアは、第1のチャンバ本体202と第2のチャンバ本体204の対向する面の間に配置されたシール402のようなシールであってもよい。シール402は、好ましくない量の分別を発生させることなく第1のチャンバ本体202に対して第2のチャンバ本体204を移動可能としつつ、デブリが収容域108aに入り込むのを防止できる任意のタイプのシールであってもよい。一実施形態では、シール402は、端面シール(例えば、Oリング、Cリング、Uリングなど)である。この端面シールは、オプションとして、負荷のかけられたバネであってもよい。端面シールの外表面は、ポリ四フッ化エチレン(PTFE)のような比較的不活性で低分別性の材料によって被膜されてもよい。
【0036】
図5を参照すると、他の実施形態によれば、バリアは、第1のチャンバ本体202と第2のチャンバ本体204の外周部を囲むガスカーテン502のようなガスカーテンであってもよい。このガスカーテン502は、デブリが収容域108aに入ってしまうのを防止するように(例えば、矢印504で示される方向に沿って)十分な流速で流れるガス(例えば、ヘリウムやアルゴンなど)のカーテンを含んでいてもよい。
【0037】
2つのバリアの例のみ図示したが、他のバリアを設けてもよいことは理解されよう。例えば、バリアは、第1のチャンバ本体202及び第2のチャンバ本体204に連結される可撓性シート材料であって、第2のチャンバ本体204が第1のチャンバ本体202に対して移動する際に形状を変化させるが、収容域108とアブレーションチャンバ本体108の外部環境との間で好適なバリアを維持する可撓性シート材料(例えば繊維)を含むベローズ型の構造であってもよい。また、デブリが収容域108に入ってしまうのを防止するのを促進するために、2種類以上のバリアを同時に使用してもよいことは理解されよう。
【0038】
上記において本装置について述べたが、本発明の実施形態は、多くの異なる形態によって実施され、実行され得ることは理解できよう。例えば、一実施形態では、本装置は、アブレーションチャンバ本体の収容域から、サンプル受入域内に受け入れられたエアロゾルの組成分析を行うように構成された分析システムのサンプル受入域に、実質的に直線状の移送経路に沿ってエアロゾルを移送するように構成されたエアロゾル伝搬管を含んでもよい。
【0039】
本発明の他の実施形態では、本装置は、アブレーションチャンバ本体の第1の部分とエアロゾル伝搬管とを含んでもよい。アブレーションチャンバ本体の第1の部分及びエアロゾル伝搬管は、アブレーションチャンバ本体の他の部分がアブレーションチャンバ本体の第1の部分に対して移動する際に、実質的に直線状の移送経路に沿ってアブレーションチャンバ本体の受容域から分析システムのサンプル受入域内にエアロゾルを移送するように構成され、上記分析システムは、サンプル受入域内で受け入れられたエアロゾルの組成分析を実施するように構成される。
【0040】
本発明の他の実施形態では、本方法において、アブレーションチャンバ本体の収容域から、サンプル受入域内に受け入れられたエアロゾルの組成分析を行うように構成された分析システムのサンプル受入域に、実質的に直線状の移送経路に沿ってエアロゾルを移送してもよい。そのような実施形態では、本方法は、オプションとして、エアロゾルを生成する収容域内部での対象物の除去、分析システムでのエアロゾルに対する組成分析の実施、又はこれらの組み合わせを含んでいてもよい。
【0041】
上述の説明は、本発明の実施形態を例示したものであり、本発明を限定するものであると解釈されるべきではない。本発明のいくつかの実施形態の例を述べたが、当業者であれば本発明の新しい教示や効果から実質的に逸脱することなく、例示した実施形態において多くの改良が可能であることを容易に理解するであろう。したがって、このような改良のすべては、特許請求の範囲において画定される本発明の範囲に含まれることを意図している。それ故に、上述の説明は本発明の例示であって、開示された特定の実施形態に限定して解釈されるべきでなく、他の実施形態と同様に、開示された実施形態の改良は、添付した特許請求の範囲に含まれることを意図していることが理解されよう。本発明は、以下の特許請求の範囲によって画定され、特許請求の範囲の均等物も本発明に含まれる。
図1
図2
図3
図4
図5