(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6144712
(24)【登録日】2017年5月19日
(45)【発行日】2017年6月7日
(54)【発明の名称】調整可能な家具
(51)【国際特許分類】
A47C 20/08 20060101AFI20170529BHJP
【FI】
A47C20/08 Z
【請求項の数】25
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2015-79685(P2015-79685)
(22)【出願日】2015年4月9日
(62)【分割の表示】特願2012-534764(P2012-534764)の分割
【原出願日】2010年10月22日
(65)【公開番号】特開2015-163204(P2015-163204A)
(43)【公開日】2015年9月10日
【審査請求日】2015年5月7日
(31)【優先権主張番号】0918685.9
(32)【優先日】2009年10月23日
(33)【優先権主張国】GB
(31)【優先権主張番号】1013879.0
(32)【優先日】2010年8月18日
(33)【優先権主張国】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】512036188
【氏名又は名称】インテグレイテッド ファーニチャー テクノロジーズ リミテッド
【氏名又は名称原語表記】INTEGRATED FURNITURE TECHNOLOGIES LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】110001302
【氏名又は名称】特許業務法人北青山インターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】ロバートソン,デール
【審査官】
望月 寛
(56)【参考文献】
【文献】
実開昭55−177749(JP,U)
【文献】
特表2006−528527(JP,A)
【文献】
特開2000−140039(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47C 20/08
A47C 20/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動可能な中間支持担体に又は移動可能な中間支持担体に対して取り付けられた複数の身体支持部を具える調整可能なベッドであって、前記身体支持部が、
調整可能な背部と、
前記背部に隣接する固定された中央部と、
前記中央部に隣接する調整可能な上側脚部と、
前記上側脚部に対して旋回可能に連結された調整可能な下側脚部/足部と、
を具えており、
前記身体支持部が、前記中間支持担体に対して取り付けられて、前記ベッドの形態を変えるために前記身体支持部の相対位置の角度調整が可能であり、
前記中間支持担体が、前記背部の角度調整に応じた固定されたベースに対する並進移動のために、固定されたベースに又は固定されたベースに対して移動可能に取り付けられており、
少なくとも1つの荷重支持部材が、前記背部及び上側脚部のうちの少なくとも一方から突出しており、
前記荷重支持部材が、湾曲ガイド上を進むように構成されたベアリング手段によって支持され、前記背部及び/又は上側脚部が、それぞれの前記湾曲ガイドの曲率中心によって画定される各旋回軸を中心として前記中間支持担体に対して旋回するように取り付けられていることを特徴とする調整可能なベッド。
【請求項2】
前記中間支持担体が、1対の細長い平行な側面パネルを具えていることを特徴とする請求項1に記載の調整可能なベッド。
【請求項3】
前記細長い平行なパネルが、連結されていることを特徴とする請求項2に記載の調整可能なベッド。
【請求項4】
前記中間支持担体が、前記ベースのフレームの中で移動可能なサブアセンブリを具えていることを特徴とする請求項2に記載の調整可能なベッド。
【請求項5】
前記中間支持担体が、ガイド手段によって前記ベースに対して移動可能に取り付けられていることを特徴とする請求項4に記載の調整可能なベッド。
【請求項6】
前記ガイド手段が、前記中間支持担体によって担持されたベアリング手段と、前記ベース上に又は前記ベースの中に設けられたガイド(前記ベース内のスロット)とを具えていることを特徴とする請求項5に記載の調整可能なベッド。
【請求項7】
前記ガイドが、直線状であることを特徴とする請求項6に記載の調整可能なベッド。
【請求項8】
前記ベースが、矩形状の支持フレームを具えていることを特徴とする請求項1に記載の調整可能なベッド。
【請求項9】
前記ベアリング手段が、前記荷重支持部材によって担持されており、
前記湾曲ガイドが、前記中間支持担体上又は前記中間支持担体内に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の調整可能なベッド。
【請求項10】
前記ベアリング手段が、前記ベース上で担持されており、前記荷重支持部材の中又は前記荷重支持部材上の走行路を進むことを特徴とする請求項1に記載の調整可能なベッド。
【請求項11】
前記調整可能な身体支持部によって担持される荷重の少なくとも一部が、使用時に、前記荷重支持部材及び付随するベアリング手段によって支持されることを特徴とする請求項1に記載の調整可能なベッド。
【請求項12】
1対の前記荷重支持部材のうちの少なくとも一方が、移動可能な背部及び上側脚部の一方又は双方から突出しており、
突出する前記1対の荷重支持部材は、離間して前記中間支持担体のそれぞれの側に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の調整可能なベッド。
【請求項13】
前記1対の荷重支持部材が、前記中間支持担体のそれぞれの側面パネルと略平行であることを特徴とする請求項12に記載の調整可能なベッド。
【請求項14】
ベースが、1対の細長い側面を具えており、
前記細長い側面が、前記中間支持担体のそれぞれの側面パネルと略平行に隣接して位置していることを特徴とする請求項1に記載の調整可能なベッド。
【請求項15】
前記中間支持担体が、前記ベースの支持フレームの中に取り付けられた移動可能なサブアセンブリを具えていることを特徴とする請求項1に記載の調整可能なベッド。
【請求項16】
前記移動可能な身体支持部又はそのそれぞれの旋回軸が、前記ベースの上端からずれた平面内で前記ベースより上に位置していることを特徴とする請求項1に記載の調整可能なベッド。
【請求項17】
前記1つ又は複数の旋回軸が、前記身体支持部の厚さに実質的に対応する量だけ前記ベースからずれた平面内に位置しており、前記ずれた平面が、平坦な水平位置にある場合に前記身体支持部の上側支持面と実質的に一致することを特徴とする請求項16に記載の調整可能なベッド。
【請求項18】
前記1つ又は複数の旋回軸が、各隣接する身体支持部の隣接する上側縁部と実質的に一致することを特徴とする請求項17に記載の調整可能なベッド。
【請求項19】
前記1対の荷重支持部材は、前記それぞれの身体支持部の裏面に面して延在するそれぞれの横材によって互いに連結されることを特徴とする請求項12に記載の調整可能なベッド。
【請求項20】
前記荷重支持部材が、前記身体支持部の裏面上に、少なくとも1つの略半円形の平面要素または略半円形の平面要素の一部を具えることを特徴とする請求項1に記載の調整可能なベッド。
【請求項21】
さらに、前記角度調整を行うために前記身体支持部の1つまたは複数を角度的に移動させるためのアクチュエータ手段を具えることを特徴とする請求項1に記載の調整可能なベッド。
【請求項22】
前記アクチュエータ手段が、各身体支持部をその旋回軸を中心として動かすために、前記ベッドの裏面上に配置された少なくとも1つのリニアアクチュエータを具えており、
前記アクチュエータ手段が、前記中間支持担体に対して旋回するよう取り付けられた第1の端部と、各荷重支持部材に対して旋回するよう取り付けられた第2の端部とを有しており、
前記リニアアクチュエータが、略水平に配置され、前記リニアアクチュエータの移動範囲にわたって前記ベース内に収められていることを特徴とする請求項21に記載の調整可能なベッド。
【請求項23】
前記リニアアクチュエータは、順方向に伸長して各身体支持部を起立させることができ、逆方向に後退して前記身体支持部を下げることができることを特徴とする請求項22に記載の調整可能なベッド。
【請求項24】
前記下側脚部/足部は、前記上側脚部の角度調整中に、前記上側脚部から離れる方向に旋回するように構成され、前記下側脚部/足部の旋回移動を前記上側脚部に対して所定の角度に制限するストッパをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の調整可能なベッド。
【請求項25】
前記ストッパは、前記上側脚部から突出する荷重支持部材に設けられることを特徴とする請求項24に記載の調整可能なベッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、調整可能な家具に関し、特に、使用者の位置を調整するために移動できる調整可能な身体支持部を有する調整可能なベッドに関する。
【背景技術】
【0002】
調整可能なベッドは、例えば、背部/頭部支持部および脚部/足部支持部が、固定された中間支持部の隣りに旋回可能に取り付けられた調整可能なベッドを開示した米国特許出願公開第2009/0193587号明細書から公知である。背部支持部および脚部支持部を水平位置と傾斜位置との間で移動させるために、電気リニアアクチュエータが、背部支持部および脚部支持部の両方の裏面に取り付けられる。リニアアクチュエータは、移動可能な身体支持部の裏面に概ね直接的に作用する。各身体支持部には、柔軟なクッションが設けられ、ベッドの調整時に、それぞれのクッションの隣接する端部の潰れを防止するために、ベッドは、固定ベース部に支持されたリニアアクチュエータによって駆動される、独立して移動可能な前部担体および後部担体を含む。背部/頭部支持部は、1つの担体に旋回可能に固定され、担体とともに直線的に移動する。脚部および足部の支持部は、互いに旋回可能に連結され、別の担体によって支持され、担体とともに移動する。この構成により、使用時、すなわち、ベッドが平坦に置かれた位置からその起きた位置に起こされたときに、それぞれのクッションと、クッションに支持された支持マットレスの隣接する部分とが潰れるのを防止する。
【0003】
米国特許出願公開第2009/0193587号明細書に開示された調整可能なベッドは、ベッドのそれぞれの部分がそれらの起きた位置まで移動される場合に圧縮点ができるために、隣接する身体支持クッションの隣り合った縁部が圧縮されるという問題の解決策を提供する。この構成は、ベッドの旋回可能な部分を動かすためにそれぞれ1つ、および各移動可能な担体に対して1つとして、最少で4つのリニアアクチュエータを必要とする。移動可能な前部担体および後部担体、ならびに関連するアクチュエータにより、調整可能なベッドのコストがかなり上がり、重量がかなり増える。このおよび他の公知の調整可能なベッド構成は機構的に複雑であり、製造するのに費用がかかる。したがって、十分な強度、重量担持能力、および耐久性を有する調整可能な家具品用の軽量で費用のあまりかからない調整機構が必要とされている。
【0004】
本発明の態様によれば、調整可能なベッドなどの調整可能な家具品が提供され、前記家具品は、少なくとも2つの身体支持部と、前記身体支持部を支持するベース支持体であって、前記家具品の形態を変えるために、身体支持部の相対位置の角度調整を可能にするように前記身体支持部が取り付けられたベース支持体と、前記角度調整を行うために、身体支持部の1つまたは複数を角度的に移動させるアクチュエータ手段とを含み、少なくとも1つの荷重支持部材が、移動可能な身体支持部の少なくとも1つから突出し、前記荷重支持部材は、湾曲支持部上を進むように構成されたベアリング手段によって支持されて、移動可能な身体支持部または各身体支持部は、それぞれの湾曲支持部の曲率中心によって画定されるそれぞれの旋回軸のまわりに前記ベース部に対して旋回可能に取り付けられる。
【0005】
本発明の上記の態様により、使用者の体重を家具品で支持することが容易に可能になり、家具の荷重支持構造体は、家具によって担持された体重が容易にベース部に伝達されるように一体化される。荷重支持部材、ベアリング手段、および湾曲支持部の構成により、身体支持部が、ベース部からずらすことができ、身体支持部によって担持された隣接する柔軟なクッション部品の圧縮を回避するように適切に配置することができる、身体支持部のそれぞれの旋回軸のまわりに、必要ならば独立して、移動されることが容易に可能になる。
【0006】
好ましい実施形態では、移動可能な身体支持部または各身体支持部の旋回軸は、ベース部の上端からずれた平面内で前記ベースより上に配置される。1つまたは複数の旋回軸が、身体支持部の厚さに実質的に一致する量だけベース部からずれた平面内に配置されて、平坦な水平位置にある場合に、ずれた平面が、身体支持部の上側支持面と実質的に一致するのが好ましい。1つまたは複数の旋回軸のずれた特徴により、旋回軸を隣接する身体支持部間の共通ヒンジ位置に配置できるので、身体支持部が互いに対して移動する場合に、それぞれの身体支持部の干渉を実質的になくすことができる。身体支持部が圧縮可能なクッションまたは他の圧縮可能な支持手段を含む好ましい構成において、それぞれの隣接する端部での干渉を容易に回避することができる。
【0007】
好ましい実施形態では、荷重支持部材は、関連する身体支持部の裏面から延びる少なくとも1つの板状突起を含む。本発明はまた、荷重支持部材として使用できる、例えば、支柱または管状フレームなどの代替構造体を企図する。ベース部は、金属、産業用樹脂、または、例えば、木材、MDF、もしくは他の適切な繊維ボードなどの適切なボード材料を含む任意の適切な材料からなる支持フレームを含む。ベース部は、ソファベッドタイプのベース構造体、すなわち、1対の側面パネルが、構造体を閉じるためにそれぞれの端部パネルによって側面パネルのそれぞれの端部で結合されて、ソファベッドタイプの荷重支持フレームを形成する長方形のボックスタイプの構造体として構成されるのが好ましい。
【0008】
好ましい実施形態では、ベアリング手段は荷重支持部材によって担持される。湾曲支持部は、ベース部に面してまたはベース部内に、好ましくはベース部内のスロットとして設けられるのが好ましい。したがって、本発明の好ましい実施形態は、1つまたは複数の湾曲スロットが、ベース部、好ましくはベース部の側面パネルに設けられて、身体支持部をベース部に対して支持および案内するためにそれぞれのベアリング手段を受け入れる構成を企図する。
【0009】
好ましい実施形態では、少なくとも1対の荷重支持部材が移動可能な各身体支持部から突出する。荷重支持部材の各対は、ベース部のそれぞれの側面に面して離間するのが好ましい。好ましい実施形態では、荷重支持部材対は、ベース部のそれぞれの側面パネルと実質的に平行に位置する。この構成により、荷重支持部材が、アクチュエータ手段を含む家具の他の移動部分から離れて、それぞれの側面パネルに近接して配置されるコンパクトな構成が容易に得られ、アクチュエータ手段は、ベース部の構造体の内側に配置できるのが好ましい。
【0010】
荷重支持部材によって担持されるベアリング手段は、任意の適切な種類のもの、例えば、シャフトに取り付けられたローラベアリングとすることができる。好ましい実施形態では、ベアリング手段は、前記荷重支持部材によって担持され、湾曲した走行路がベース部に面してまたはベース部内に設けられる。ただし、ベアリング手段がベース部に担持され、荷重支持突起内または荷重支持突起に面した走行路を進む逆の構成を使用することも可能である。
【0011】
好ましい実施形態では、荷重支持部材は、ベース部のそれぞれの側面パネルと実質的に平行に位置する。
【0012】
荷重支持部材の各対は、それぞれの身体支持部に加えて、それぞれの横部材によって互いに連結することができ、横部材は、身体支持部の裏面に面して延在するのが好ましい。そのような横部材は、移動可能な構造体の剛性を高める効果を有し、さらに、動力付きアクチュエータに連結するための取付点を形成する。
【0013】
好ましい構成では、湾曲支持部または各湾曲支持部は、ベース部のそれぞれの側面パネルに面して、またはその中に設けられる。
【0014】
好ましい実施形態では、移動可能な身体支持部または各身体支持部は、各湾曲支持部の曲率中心によって画定されるそれぞれの旋回軸のまわりにベース部に対して旋回可能に取り付けられる。このようにして、家具品内の任意の適切な位置に旋回軸の位置を画定することが可能である。
【0015】
好ましい実施形態では、荷重支持部材は、身体支持部の裏面に配置された少なくとも1つの実質的に半円形の平面要素、またはそれの一部を含む。この方法では、それぞれの荷重支持部材は、それぞれの身体支持部がそれらの下がった位置で平坦になった場合に、ベース部の空間範囲内に、または深さ寸法以内に収まることができる。このようにして、荷重支持部材は、それぞれの身体支持部が下げられた場合に、ベース部内に全体を収容することができる、すなわち、少なくとも、それぞれの荷重支持部材のどの部分もベース部の側面より上または下に突出しない。
【0016】
好ましい実施形態では、アクチュエータ手段は、実質的に、アクチュエータ手段が取り付けられた移動可能な身体支持部の裏面に調整力を加えるように配置される。この方法において、それぞれの身体支持部の旋回軸とアクチュエータ負荷の作用点との間の垂直距離を増やすことでアクチュエータの負荷を最小限にすることができる。
【0017】
好ましい実施形態では、アクチュエータ手段は、伸縮式ねじ付きスピンドルを駆動する少なくとも1つのモータで構成される。好ましい実施形態では、アクチュエータ手段、好ましくは単一のアクチュエータ手段が、それぞれが独立して動作できるように、相対移動可能な身体支持部のそれぞれに連結される。
【0018】
好ましい実施形態では、身体支持部は、少なくとも1つの尻部支持体と、前記1つまたは複数の前記荷重支持部材が突出する調整可能な背部支持体とを含む。
【0019】
身体支持部は、荷重支持部材が突出する脚部および足部支持体を含むことができる。好ましい実施形態では、脚部支持体は、脚部支持体の主部に旋回可能に取り付けられた調整可能な足部およびふくらはぎ支持体を含む。好ましくは、足部/ふくらはぎ支持体は、脚部支持体の角度調整中に、脚部支持体から離れる方向に旋回するように構成され、脚部支持体から突出する荷重支持部材は、足部支持体の旋回を脚部支持体に対して所定の角度で止めるストッパとなる。このように、脚部支持体の起きた形態は、ストッパの位置によって決まり、その位置は、それによって使用者の快適性が最大となるように、人体解剖学的検討によって予め決まる。
【0020】
好ましい実施形態では、家具品は、座位と臥位との間で調整可能な調整可能ベッドであり、ベッドは、ベース部に対して固定された尻部と、尻部の一方の側にある調整可能な背部と、固定された尻部の他方の側にある調整可能な脚部支持体および足部/ふくらはぎ支持体とを有する。
【0021】
本発明の様々な実施形態が、単なる例として、添付の図面を参照して以下にさらに詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態による調整可能なベッドの前からの斜視図である。
【
図7】
図7は、使用者が臥する位置にある本発明の別の実施形態による調整可能なベッドを示している。
【
図8】
図8は、使用者が半ば臥する位置に調整された
図7のベッドを示している。
【
図9】
図9は、さらに立った、または使用者が座する位置に起こされたベッドを示している。
【
図10】
図10は、本発明のさらなる実施形態による調整可能なベッドの側面図である。
【
図12】
図12は、明瞭にするために様々な部品を取り除いた、
図10の調整可能なベッドの上からの斜視図である。
【
図13】
図13は、
図10のベッドと同じ構成部品を示す上からの斜視図であり、その部品はベッドの起きた形態で配置されている。
【
図16】
図16は、
図10と同様の側面図であり、内部を詳細に示すために、ベッドの外側パネルが取り除かれている。
【
図18】
図18は、起きた位置にある場合のベッドの裏面を示す、下からの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図面を参照すると、
図1〜6は、本発明の第1の実施形態による調整可能なベッド10を概略的に示している。ベッド10は、背部/頭部支持パネル12、上側脚部支持パネル14、ならびに足部および下側脚部支持パネル16を含む。パネル12、14、16は、それぞれ、台輪タイプの支持フレームまたはベース部20に調整可能に取り付けられている。
図1〜6では、ベッド10は、立った形態で示されており、使用者を起きた座位に支持するために、パネル12、14、16がベース部に対して傾斜している。パネルの下がった位置では、パネルは、使用者を横になった位置に水平方向に支持するために、ベース20の上で実質的に平坦になる。下がった位置では、身体支持パネル12、14、16は中間支持パネル(図示せず)と一体になる。中間パネルは、背部支持パネル12と上側脚部支持パネル14との間でベース部に対して固定されて、実質的に平坦な水平台を画定する。調整可能なベッドに関する当業者には公知のように、様々な身体支持パネルはそれぞれ、マットレス支持クッション(図示せず)を支持し、各クッションが合体してマットレスを支持するためのマットレスの土台を形成する。
【0024】
ベース部20は、例えば、産業用樹脂、木材、MDF、または他の繊維ボード材料などのボードタイプの材料から構築された略長方形のフレームを含む。フレーム20は、1対の細長い側面パネル22を含み、側面パネルは、それぞれの端部で端部パネル24によって互いに結合されて、長方形のボックスタイプの構造荷重支持フレームを形成する。各側面パネル22は実質的に同じであり、下記にさらに完全に説明するように、それぞれの支持ベアリング38、42を収容するための1対の湾曲ガイドスロット26、28をそれぞれが有する。第1の案内スロット26は、パネル22の後半部に設けられ、第2のスロット28は、パネルの前半部に設けられている。ベース部のフレームは、
図4に最もよく示されているように、それぞれの側面パネル22の間でベース部の裏面に延在するそれぞれ前部、後部、および中央の横材30、32、34によって補強されている。
【0025】
背部支持パネル12は、支持パネル12の裏面に取り付けられ、そこから延びる1対の荷重支持用支持部材36によってベース部に旋回可能に取り付けられている。各荷重支持用支持部材36は離間し、側面パネル22の内側でベース部のそれぞれの側面パネル22に概ね隣接して位置するようにパネル12の両側に配置され、それにより、荷重支持部材36の側面に回転可能に取り付けられたローラベアリング38がそれぞれのスロット26に配置され、捕捉的に保持される。
図5の図面に最もよく示されているように、各荷重支持部材36には、湾曲スロット26の長さの約半分に相当する距離だけ離間した1対のローラベアリング38が設けられている。この方法では、スロットの両端は、ベアリング38の一方がスロットのそれぞれの端部と当接することで、スロットの曲率中心によって画定されるその旋回軸のまわりの支持パネル12の旋回移動の範囲を画定する。
【0026】
荷重支持部材36は、形状が略半円形であり、ベースフレームの領域内でそれぞれの側面パネル22と実質的に密着するように設計される。パネル12が下がった位置をとる場合(図示せず)、パネル12は、フレーム20の上端でほぼ平坦になる、すなわち、フレーム20の上端のすぐ上に位置する。
【0027】
ローラベアリング38は、自由に回転し、それにより、それぞれのスロット26内を自由に動くように、荷重支持部材36から延びるシャフトに取り付けられるのが好ましい。
【0028】
ベッドの前端にある上側脚部支持パネル14は、同様に、1対の荷重支持部材40、および前部スロット28に配置された関連するローラベアリング42によってフレームに旋回可能に連結されている。上側脚部支持パネル14は、荷重支持部材40の上端44に固定されている。下側脚部/足部支持パネル16は、パネル14のそれぞれの隣接する縁部に沿ってパネル14にヒンジで装着されている。
【0029】
湾曲スロット26、28は、ベース支持フレーム20の上側面よりも上に配置された曲率中心を有する略アーチ形である。好ましい実施形態では、スロット26、28の曲率中心は、フレームの上端、およびパネルが水平に配置されたときのそれぞれの支持パネル12、14、16より上に所定の距離で配置される。この所定の距離は、使用時、パネルの上に配置される前述のマットレス土台クッションの厚さ程度であるのが好ましく、各スロットの曲率中心は、支持クッションの潰れを防止するために、支持クッションの隣接する上端間に配置される。この構成は、下記の第2および第3の実施形態に関連してさらに完全に説明される。
【0030】
それぞれのスロット26、28の長さは、パネルの起きた位置と下がった位置との間でのそれぞれのパネルの角度移動に対処するのに十分なものとされる。
【0031】
荷重支持部材40は、上側脚部支持パネル14の裏面に取り付けられている。脚部支持用の荷重支持部材40は、機械的なストッパとして機能する角度付き面46を有し、上側脚部支持パネル14および下側脚部/足部支持パネル16は、パネルが起こされたときに、パネル16の裏面が角度付き面46と接触するために、互いに対して所定の角度に保持される。
【0032】
図6の下からの平面図に最もよく示されているように、背部支持体のそれぞれの荷重支持部材36および脚部支持パネルの荷重支持部材40は、それぞれの支持パネル12、14によってだけでなく、適切な金属ビーム形材で形成でき、アクチュエータ、例えば、電気リニアアクチュエータの一端に連結するための取付ブラケット52を有するそれぞれの横材48、50によっても互いに結合され、アクチュエータの他端はベース20の横材34に取り付けることができる。したがって、当然ながら、調整可能な身体支持部の移動は、それぞれのアクチュエータが伸長して、荷重支持部材36、40が、それぞれのスロットの曲率中心にある荷重支持部材のそれぞれの旋回軸のまわりに移動することで行うことができる。当然ながら、それぞれのスロット26、28と、スロットによって画定されるパネルの旋回軸とに対するアクチュエータの相対位置により、大きな回転モーメントをそのようなリニアアクチュエータで発生させることができる、すなわち、各アクチュエータの力ベクトルは、アクチュエータが移動させるそれぞれの支持パネルの旋回軸から垂直方向に大きくずれている。
【0033】
図7は、本発明の第2の実施形態による調整可能なベッドの概略側面図を示している。ベッドは、すべてが主フレーム(ベース部)1300によって支持される、固定された中間身体支持部1200、背部/頭部支持体1220、上側脚部支持体1240、および下側脚部/足部支持体1260と、主フレーム1300に対して移動可能なサブアセンブリ(中間支持体)1320とを含む。
図7〜9の図面では、調整可能なベッドの片側だけが概略的に示されている。当然ながら、示した構成において、ベッドは、
図1〜6の実施形態に示すように、両側で同様に構築される、すなわち、ベッドの長手方向中心軸に沿って対称に構築される。
図7〜9の実施形態では、身体支持部1200、1220、1240、1260はそれぞれ、マットレス支持クッションを取り付けられた支持パネルを含み、クッションは合体して、いわゆる「ソフトエッジ」マットレス土台を形成する。使用時、マットレス(図示せず)は、当技術分野で公知のように、支持クッションの上に置かれる。
【0034】
サブアセンブリ、または中間支持体1320は、ベース部の主フレームから延びるシャフトに取り付けられたベアリング1430、1440が走行して、図示したように、サブアセンブリ1320が主フレーム300に対して左/右方向に移動するのを可能にするスロット1410、1420を有する。背部支持体1220がその旋回軸のまわりに移動中に、サブアセンブリをベース部に対して移動させるために、さらなるベアリング1442が主フレームに設けられている。下記に説明するように、ベアリング1442も、そのような移動中に、サブアセンブリを若干上げるようにする。
【0035】
荷重支持部材1340は、背部支持体1220の裏面に取り付けられ、荷重支持部材1360は、脚部支持体1240の裏面に取り付けられている。脚部支持体用の荷重支持部材1360は、第1の実施形態の角度の付いた面46と同様な角度の付いた面365を有する。
【0036】
電気リニアモータ1480、1580は、
図8および
図9に示すように、ベッドの脚部支持体1240および背部支持体1220を起こして、ベッドに横たわる人の位置を調整するために、それぞれ旋回連結体1490、1590によって脚部支持体1240および背部支持体1220に連結されている。脚部支持体用の荷重支持部材1360および背部支持体用の荷重支持部材1340は、それぞれ支持ベアリング1460、1470および支持ベアリング1560、1570を担持し、支持ベアリング1460、1470および支持ベアリング1560、1570は、家具品によって支持される荷重の少なくとも一部を支持するために、それぞれ湾曲スロット1450、1550内を走行する。この点において、
図7〜9の実施形態によるベッドは、
図1〜6に示すベッドの実施形態と同じである。
【0037】
部分的に起きた位置と完全に起きた位置とにあるベッドをそれぞれ示す
図8および
図9では同じ部品番号が使用されている。
図8において、脚部支持体用駆動モータ1480は、(図示したように)脚部支持体1240を上方および時計方向に傾け、ひいては、旋回可能に連結された下側脚部および足部支持体1260が、脚部支持体用の荷重支持部材1360の角度の付いた面1365と接触するまで(図示したように)反時計方向に移動するのを可能にするために、ねじ付きスピンドル1485を伸長させている。脚部支持体用の荷重支持部材1360は、この動作によって、図示した半ば起きた位置に移動している。
【0038】
同様に、背部支持体用起こしモータ1580は、(図示したように)背部支持体を上方および反時計方向に起こすために、スピンドル1585を伸長させている。この結果、図示したように、サブアセンブリ1320が左から右に移動し、スロット1410、1420が支持ベアリング1430、1440を支えにして左から右に移動し、サブアセンブリ320がさらなるベアリング1442、1444を支えにして若干上がる。
【0039】
荷重支持部材1340、1360の角運動により、それらに取り付けられたベアリング1460、1470、1560、1570が、サブアセンブリ1320内のスロット1450、1550に沿って、
図7に示す位置から
図8に示す位置に移動し、こうして、先行技術では伸長モータおよびスピンドルのみで支持された荷重の少なくとも一部を支持する。
【0040】
図9は、駆動モータがねじ付きスピンドル1485、1585を最大に伸長させて、それぞれの荷重支持部材1360、1340のベアリング1460、1470、1560、1570が、サブアセンブリのスロット1450、1550内を
図7に示す位置から
図9に示す最終位置まで移動したときの対応する位置を示している。それに応じて、サブアセンブリ1320は、スロット1410、1420内のその支持ベアリング1430、1440を支えにしてさらに右に移動し、さらなるベアリング1442によりさらに若干上がる。上側脚部支持部1240および下側脚部/足部支持部1260は、足部および下側脚部支持体1260と荷重支持部材1360の角度の付いた面1365との接触により
図7で得られた所定の角度に保持される。脚部支持体1240および支持体260は、公知の態様で互いに旋回可能に連結されている。
【0041】
当然ながら、ベアリング1442は、荷重支持部材1340の裏面の半円形の案内面441の湾曲に追従するので、荷重支持用支持部材1340がその旋回軸のまわりに、
図7に示す位置から
図9に示す位置まで回転するときに、ベアリング1442と案内面1441との間で生じた反力により、サブアセンブリ1320がベース部1300に対して移動し、この相対移動は、傾斜したスロット1420、1430と、ベース部1300に回転可能に固定されたそれぞれのベアリング1430、1440との係合によって決まる。
【0042】
次いで、
図7〜9の実施形態に示すように、それぞれのアーチ形案内スロット1450、1550の曲率中心1451、1551は、それぞれの身体支持部1200および身体支持部1220、ならびに身体支持部1200および身体支持部1240の上側面の隣接する縁部に合致する。この構成により、調整可能な支持部が起こされるときに、尻部1200と、隣接する身体支持部1220、1240との隣接する縁部に沿った必然的な狭窄部で、損傷を与える圧縮力が生じる可能性が低減される。
図8および
図9に示すように、支持部材が起こされたときに、支持体1200、1220、1240の隣接するそれぞれの上側縁部間に干渉はない。
【0043】
図10〜21は、本発明の第3の実施形態による調整可能なベッド200を概略的に示している。ベッド200は、調整可能な背部支持部202、固定された中央/中間支持部204、調整可能な上側脚部支持部206、および下側脚部支持部208を含む。
【0044】
図10〜12、ならびに
図16および
図17では、背部支持部202、中央支持部204、および脚部支持部206、208が下げられたその下がった形態でベッド200が示されており、隣接する支持部が、ベース支持体210の上で実質的に平坦になっている。支持部202、204、206、208は、それぞれの隣接する平面パネル212、214、216、218を含み、平面パネルは、それぞれの隣接するマットレス支持クッションまたはパッド220、222、224、226を支持し、マットレス支持クッションは、合体してマットレス支持土台を形成し、適切なマットレス(図示せず)がマットレス支持土台に支持されて、いわゆる「ソフトエッジ」の調整可能なベッドを形成する。ベッド200はダブルベッドであるが、本実施形態は、スタンダードシングルサイズのベッドからはるかにより大きいダブルベッドまでを含む様々な幅のベッドを企図する。
【0045】
図11に最もよく示されているように、ベース支持体210は、例えば、産業用樹脂、MDF、木材、または他の繊維タイプのボードとすることができるボードタイプの材料によって構築された略長方形のフレームを含む。ベース支持フレーム210は、1対の細長い側面パネル228、230を含み、側面パネルは、それらのそれぞれの端部の近くで横材パネル232、234によって互いに結合されて、長方形のボックスタイプの構造支持フレームを形成する。ベース支持フレーム210は、ベッド200の床置き部を構成し、この点において、支持フレームは、床に直接立てて置いてもよいし、キャスタ、足、または当技術分野で公知の同様のものを設けられてもよい。
【0046】
移動可能な担体236の形態の中間支持体は、身体支持部202、204、206、208の裏面でベース支持フレーム210の内側領域内に取り付けられている。中間支持体236は、明瞭にするために、身体支持パネル212〜218およびそれらの関連するマットレス支持クッション220〜226が図面から取り除かれた
図12および
図13の図面に最もよく示されている。
図12では、示したベッドの構成部品は、ベッドがその通常の平坦な形態にある状態で配置されて示されている。
図13では、示した部品は、ベッドが完全に起きた形態で配置されて示されている。中間支持担体は、ベース支持フレームの左手側面パネル228および右手側面パネル230に隣接して配置された、1対の細長く平行な側面パネル238、240を含む。パネル238、240は、ベッドの一方の側の取り付け構成が他方と同じであるように対称的に等しい。パネルは、ベッドの長手方向に離間した1対の平行な横部材242、244によって高い剛性で互いに連結されている。パネル238、240は、家具産業で一般的に使用され、CNC加工に適したMDF、または産業用樹脂などのボード材料から構築されるのが好ましい。横材242、244は、側面パネルと同じ材料から構築することができるが、下記にさらに完全に説明するように、様々な身体部を移動させるために加えられるアクチュエータ負荷を支持する金属、好ましくは鋼であってもよい。横材242、244にはそれぞれ、それらの全長に沿った中間点にそれぞれのアクチュエータ取付ブラケット246が設けられている。
【0047】
背部支持パネル212は、支持パネル212の裏面に取り付けられ、そこから延びる1対の荷重支持部材248によって中間支持担体に旋回可能に取り付けられている。各荷重支持部材248は離間し、側面パネルの内側で中間支持体のそれぞれの側面パネル238、240に概ね隣接して位置するようにパネル212上で横方向に離間した位置に配置され、それにより、荷重支持部材248の側面に回転可能に取り付けられた回転要素ベアリング250a、250b、250c(
図14、
図15、および
図16)が、それぞれのパネル238、240内のそれぞれのアーチ形スロット252に配置され、捕捉的に保持される。荷重支持用支持部材248は、中間支持体に対して背もたれ支持体202を旋回可能に取り付ける連結レバーを構成する。
【0048】
同様に、上側脚部支持パネル216は、支持パネル216の裏面に取り付けられ、そこから延びる1対の荷重支持部材254によって中間支持担体に旋回可能に取り付けられている。各荷重支持支援部材254は離間し、側面パネルの内側で中間支持体のそれぞれの側面パネル238、240に概ね隣接して位置するようにパネル216上で横方向に離間した位置に配置され、それにより、荷重支持部材254の側面に回転可能に取り付けられた回転要素ベアリング256a、256b、256c(
図14および
図15)が、それぞれのパネル238、240内のそれぞれのアーチ形スロット258に配置され、捕捉的に保持される。
【0049】
中間部パネル214は、
図10に示すように、ベッドの下がった形態で、背部支持パネル212と上側脚部支持パネル216との間でこれらに近接した形で中間支持担体に対して固定されている。下側脚部支持パネル218は、ヒンジ260によって、下側脚部支持パネルと上側脚部支持パネルとのそれぞれの隣接する縁部に沿って上側脚部支持パネル216に旋回可能に連結されている。
【0050】
荷重支持部材248、254は、三日月形状を有して実質的に平面状であり、
図11および
図12に示すようなベッドの下がった形態において、ベース支持担体の領域内で中間支持体のそれぞれの側面パネル238、240と数ミリメートル程度の小さい隙間で実質的に密着するように設計され、パネル212〜218は、ベース支持フレーム210の上端に接して、すなわちそれのすぐ上で実質的に平坦になっている。荷重支持用支持部材248、254にはそれぞれ、内側に突出する平面要素266が設けられ、平面要素266は、支持部材の面に対して垂直方向に延びて、それぞれのパネル212、216の裏面に係合および固定するための取付部材を形成している。
【0051】
各荷重支持部材248は、横材262によって高い剛性で互いに連結され、同様に、各荷重支持部材254は、横材264によって互いに連結されている。横材262、264にはそれぞれ、それらの全長に沿った中間点に、それぞれのリニアアクチュエータ(図示せず)の一端に連結するためのアクチュエータ取付ブラケット268が設けられている。
【0052】
図14の図に最もよく示されているように、各荷重支持部材248には、支持部材の、中間支持担体の隣接する側面パネルに面する側に配置された回転要素ベアリング250a、250b、250cが設けられている。ベアリング250a、250bは同様に構築され、荷重支持部材の表面から延びるまっすぐなピンに取り付けられた回転要素ベアリングを含む。第3のベアリング250cは、さらに長いピンに同軸に整列した1対のベアリング要素250c’、250c”を含むという点で若干異なっている。この構成は、
図15のベアリング250cの平面図にさらに示されており、最外ベアリング要素250c”が、第1のベアリング要素250c’に比べて、荷重支持用支持部材から約2倍の距離で配置されている。ベアリング250a、250b、250cは、
図11〜13の図面に示す支持部材248の他方の側で270a、270b、270cで示した位置に配置されている。
【0053】
荷重支持用支持部材254上のベアリング構成は、3つのベアリング256a、256b、256cがすべて250aおよび250bのような単一要素タイプであることを除いて、支持部材248に関して上記したものと同様であり、
図11〜13に支持部材の反対側で示すように、位置272a、272b、272cにそれぞれ配置されている。
【0054】
ベアリング256a、256b、256cは、ベッドの両側でスロット258に配置されて、支持部材の移動が、これらのスロット258内のベアリングの移動によって制限される。これにより、パネル216、ひいては上側脚部支持部206が中間支持体に対して旋回移動し、その旋回軸は、スロット258の曲率中心によって画定され、移動の範囲は、スロットの長さと、スロット内のベアリング要素256a、256cの間隔とによって決まる。支持部材254の旋回移動の範囲は、ベアリングのそれぞれの1つとスロットのそれぞれの端部との当接に基づいて、スロット258の両端と、それぞれのベアリング256a、256cの間隔とによって画定される。ベアリング256a、256cは、湾曲スロット258の長さの約半分に相当する最大距離だけ離間することができる。
【0055】
同様に、ベアリング250a、250b、250c’はスロット252に配置されて、支持部材の移動が、スロット252内のベアリングの移動によって制限される。これにより、パネル212、ひいては背部支持部202が中間支持体に対して旋回移動し、その旋回軸は、スロット252の曲率中心によって画定され、移動の範囲は、スロットの長さと、スロット内のベアリング要素250a、250c’の間隔とによって決まる。支持部材248の旋回移動の範囲は、ベアリングのそれぞれの1つとスロットのそれぞれの端部との当接に基づいて、スロット252の両端と、それぞれのベアリング250a、250c’の間隔とによって画定される。ベアリング250a、250c’は、湾曲スロット252の長さの約半分に相当する最大距離だけ離間することができる。
【0056】
スロット252、258の位置は、ベッドの調整構成をさらに詳細に示すことを目的とした明瞭化のために側面パネル228が取り除かれた
図16の図面に最もよく示されている。中間支持体のパネル228の1つだけが
図16の側面図に示されているが、当然ながら、パネル228、230は実質的に互いに同一であり、前述したように、それぞれが、支持ベアリング250a〜250c’および256a〜256cを収容するための1対の湾曲案内スロット252、258を有する。第1のガイドスロット250は、パネル228の後半部に設けられ、第2のスロット258は、パネルの前半部に設けられている。第1のスロット258の曲率中心274は、隣接するマットレス支持クッション222、224の隣接する上側縁部に配置されており、使用時、ベッドをその様々な位置間で調整しても、支持クッションの隣接する縁部の領域でマットレス(図示していないが、使用時、支持クッションの上に配置される)が圧縮されることはない。同様に、第2のスロット252の曲率中心276は、隣接するマットレス支持クッション220、222の隣接する縁部に配置されており、使用時、ベッドをその様々な位置間で調整しても、クッションおよびマットレスの隣接する縁部の領域でクッションまたはマットレスが圧縮されることはない。
【0057】
ベッドがその下がった形態にある場合のベアリング要素250a〜250c、256a〜256cの位置が、
図16の図面に示されており、ベアリング256cは、前部スロット258の後端にあり、ベアリング250aは、後部スロット250の前端に配置されている。
【0058】
ベアリング要素250a〜250c、256a〜256cの位置は、さらに詳細に示すために側面パネル240も取り除かれた
図17の図面にも示されている。この図面では、前部および後部スロットの位置は、側面パネル240がある場合と同様に、それらのそのままの位置で示されたスロット挿入体252’、258’によって示されている。挿入体252’、256’は、ベアリング要素250a〜250c’、256a〜256c用の耐摩耗性支持面を形成し、中間支持担体のそれぞれの側面パネル内の適切な大きさのスロットに嵌合し、前の実施形態のスロット挿入体32、38と同様に機能する。
図17の図面では、スロット252、258と荷重支持用支持部材248、254との相対位置が、その下がった形態のベッドに関して示されている。
図17の側面図はまた、荷重支持用支持部材254の前端にある角度の付いた当接面278を含む、荷重支持用支持部材248、254の輪郭をより明瞭に示しており、当接面278の用途については下記に詳細に説明される。
【0059】
図16、および
図17の図面はまた、中間支持担体がベース支持体210に対して移動可能に取り付けられた態様を示している。各側面パネル238、240には、それぞれのパネルの長さに沿って離間した位置に配置された3つの回転要素ベアリングであって、それぞれのパネルの表面から立ち上がり、ベース支持体の隣接する外側パネル228、230に向かって突出したベアリングピンに取り付けられた3つの回転要素ベアリング280a〜280cが設けられており、ベース支持体には、それぞれのスロット挿入体282a’〜282cを受け入れるためにベアリング係合スロット282a〜282cが設けられている。挿入体が取り付けられた側面パネル240は説明のために取り除かれているが、挿入体282a’〜282c’は、
図16および
図17の図面でそれらのそれぞれのそのままの位置に示されている。挿入体282a’〜282c’は、それぞれの側面パネル228、230の内側対向面に設けられた止まりスロットに配置されている。後部スロット挿入体282c’の一部が
図11の図面に示されており、前部スロット挿入体282a’の一部が
図18の図面に示されている。
【0060】
スロット282a〜282cおよび対応する挿入体282a’〜c’は直線状であり、パネル228の長さに沿って整列して、その様々な位置間でのベッドの調整中に、中間支持担体をベース支持体に対して、傾斜のない直線平行方向に案内する。スロットおよび挿入体は実質的に同一であり、ベッドの中間部に沿ってほぼ等しく離間している。スロット280a〜280cは、パネル228、230の側面で開孔を形成しないという点で通しではないが、中間支持担体に固定されたそれぞれの挿入体および回転要素ベアリング280a〜280cを収容するのに十分な深さである。この構成は、本発明のこの実施形態の前述した第1の案内手段になる。
【0061】
第4のスロット284および挿入体284’の組み合わせは、パネル228、230の後部に向かって設けられ、後部荷重支持用支持部材248に取り付けられたベアリング要素250c”を収容する。この構成は、この実施形態の前述した第2の案内手段になる。第4のスロット284は、第1の湾曲部286および第2の湾曲部288を有する曲線である。第1の部分286は、スロット252の曲率と一致する曲率を有し、ベッドが完全に下がった位置と
図19の半分起きた位置との間の位置をとる場合に、そのスロットの後部部分と合致する。この相対移動の範囲において、ベアリング250c”は、背部支持体が
図19の半分起きた位置まで起こされるときに第1の部分286内を自由に移動し、次いで、スロットの曲率および方向が急に変化する。第2の部分288は、第1の部分とは異なる曲率中心を有し、パネル228、230の長さに沿って第1の部分よりも穏やかに上っている。(アクチュエータの1つまたは他の方法によって)nベッドの背部支持部に回転モーメントが加えられると、曲率のこの変化により、ベアリング要素250c”とスロットの第2の部分288との間に反力が発生し、この反力は、中間支持担体を案内280a〜280cに沿ってベース支持体に対して順方向に押し出す。背部支持部が
図19の中間位置を越えて起こされると、ベアリング250c”は、スロットの第2の部分に沿って移動させられ、ベアリング要素とスロット288の上側面との相互作用によって発生した抵抗により、中間部がベース支持体に対して順方向に送られる。この結果得られた動作は、背もたれが移動する前述の実施形態のチェア(chair)構成の支持体および中間支持部の相対動作と同じである。本実施形態では、ベッドの背部支持部が起こされて、背もたれをベッドの起きた形態にする場合で、ベッドの背部支持部が移動するときに同様な連動移動が起こる。こうして、この実施形態で説明したベッドは、ゼロウオール(zero wall)の家具品としても機能する。これは、使用者が家具などのそばに居続けることを可能にすること、背もたれが起こされるか、または下げられるときに、その家具に対する使用者の相対位置が変わらないこと、移動が、身体支持部が取り付けられた中間支持担体の前方、または後方への直線移動によって補償されることなどから調整可能なベッドに関して特に有益である。
【0062】
図17(完全に下がった)から、
図19(半分起きた)、
図20(半分起きた場合と完全に起きた場合との中間の)、
図21(完全に起きた)までの一連の図面をたどることで、ベッドの形態が完全に下がった形態から完全に起きた形態に調整されるときのベッドの様々な部分の相対位置が分かる。各図面は、
図17と同じベッド構成の部分の側面図を提示し、ベッドが1つの形態から他の形態に移る場合のそれぞれのスロット内のベアリングの相対位置を示している。
【0063】
図示した実施形態では、示した様々な位置を経るベッドの移動は、背部支持部202を移動させるために、横材244上のブラケット246と横材262上のブラケット268との間に連結された第1のアクチュエータ(図示せず)と、脚部支持部206を移動させるために、横材242上のブラケット246と横材264のブラケット268との間に連結された第2のリニアアクチュエータ(図示せず)とを含む、調整可能な家具機構で通常使用されるタイプの2つのリニア電気アクチュエータを用いて行われる。第1に、アクチュエータの両端が前述のそれぞれのブラケットに旋回可能に連結されているので、荷重支持用支持パネルが移動するときに、アクチュエータによって加えられる力ベクトルが、荷重支持用支持パネルの移動に実際に追従するという理由から、第2に、アクチュエータによって生じた回転モーメントが作用する回転中心であるそれぞれの旋回軸274、276に対して、力ベクトルが常にかなりの距離ずれており、そのため、駆動される機構に大きな機械的利点をもたらすという理由から、ベッド200の裏面でのリニアアクチュエータジャッキのこの相対位置が特に有益であると当業者には分かるであろう。
【0064】
図17と
図19との図面を比較することで最もよく分かるように、各荷重支持用支持部材254の端部の角度の付いた当接面278は、パネル216、218間のヒンジ式連結部260での旋回移動の範囲を限定する働きをする。支持部材が274にあるそれらの旋回軸のまわりに回転し始めると、部分208、206は上がり始めるが、当接面278がパネル218の裏面と係合したときの
図19の位置に達するまで別々にヒンジで動く。これは、脚部の上側部および下側部の快適な相対位置が最初に得られるまで、使用者の下側脚が持ち上げられない有用な「膝折れ」機能を提供する。