(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記端末機により伝送される前記複数の伝送ブロックは、前記PDCCHを用いて最後のグラントで指示されることを特徴とする請求項1乃至4のうち何れか一項に記載の方法。
前記端末機により伝送される前記複数の伝送ブロックは、前記PDCCHを用いて最後のグラントで指示されることを特徴とする請求項6乃至9のうち何れか一項に記載の端末機。
前記端末機により伝送される前記複数の伝送ブロックは、前記PDCCHを用いて最後のグラントで指示されることを特徴とする請求項11乃至14のうち何れか一項に記載の方法。
前記端末機により伝送される前記複数の伝送ブロックは、前記PDCCHを用いて最後のグラントで指示されることを特徴とする請求項16乃至19のうち何れか一項に記載の基地局。
【背景技術】
【0002】
無線通信システムは、音声中心のサービスだけでなく、例えば3GPPのHSPA(High Speed Packet Access)、LTE(Long Term Evolution)、3GPP2のHRPD(High Rate Packet Data)、UMB(Ultra Mobile Braodband)、及びIEEE802.16eなどの通信標準を含む高速、高品質のパケットデータサービスも提供する広帯域無線通信システムに発展している。
【0003】
近年、無線通信システムは、伝送効率を改善するために、適応変調及び符号化(Adaptive Modulation and Coding:AMC)とチャンネル感知スケジューリング方法などの技術を使用する。AMCを使用すると、Node B(基地局として知られている)は、チャンネル状態に従って基地局又は端末機(User Equipment:UE)により伝送されるデータの量を調整できる。例えば、チャンネル状態がよくない場合、伝送するデータ量は減少して受信誤り率を所望のレベルに合わせ、チャンネル状態が良好である場合、伝送するデータ量は増加させて受信誤り率を所望のレベルに合わせても、多くの情報を効果的に伝送できる。上記のチャンネル感知スケジューリングリソース管理方法を使用すると、基地局は、いろいろなユーザーの中でチャンネル状態が優れたユーザーを選択的にサービスするため、一つのユーザーにチャンネルを割り当ててサービスする従来の方法に比べてシステム容量が増加する。特に、AMC及びチャンネル感知スケジューリング方法は、チャンネル状態情報を用いて最も効率的であると判断される時点で適切な変調及び符号化方式(Modulation and Coding Scheme:MCS)を適用する方法である。
【0004】
第2世代(2G)と第3世代(3G)の移動通信システムで使用される多重アクセス方式であるCDMA(Code Division Multiple Access)を次世代システムでOFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)に代替するために、多くの研究が行われている。3GPP、3GPP2、及びIEEEなどの標準団体は、OFDMA又は変更されたOFDMAを使用する進化したシステムに関する標準化を進行している。CDMAに比べて、OFDMAでより大きい容量増大を期待できると知られている。OFDMA方式で容量増大をもたらすいくつかの理由のうちの一つは、周波数ドメインでのスケジューリング(Frequency Domain Scheduling)を遂行できることである。チャンネルが時間に従って変わる特性を用いてチャンネル感知スケジューリング方法により容量利得が得られるように、チャンネルが周波数に従って変わる特性を用いてより高い容量利得が得られる。
【0005】
広帯域無線通信システムの代表的な例であるLTEシステムは、ダウンリンク(DL)ではOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)方式を採用し、ULではSC-FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)方式を採用するが、両方式ともに周波数ドメインでのスケジューリングを遂行することができる。
【0006】
上記AMCとチャンネル感知スケジューリング方法は、送信器が送信チャンネルに関する十分な情報を獲得した場合に伝送効率を向上できる技術である。LTEシステムのDLでは、FDD(Frequency Division Duplex)方式に対して、基地局(Node B)がULチャンネル又は受信チャンネルによってDLチャンネル又は送信チャンネルの状態を推定できないため、UEは、基地局にDLチャンネルに関する情報を報告するように設計されている。TDD(Time Division Duplex)方式の場合、基地局は、ULチャンネルを通じてDLチャンネルの状態を推定できる特性を使用してUEから基地局へDLチャンネルに関する情報を報告するプロセスを省略できる。
【0007】
LTEシステムのULでは、UEはサウンディング基準信号(Sounding Reference Signal:SRS)を送信し、基地局は、このSRSの受信によってULチャンネルを推定するように設計されている。
【0008】
LTEシステムのDLでは、MIMO又は多重アンテナ送信技術がサポートされる。LTEシステムの基地局は、1個、2個、又は4個の送信アンテナを含む。基地局は、複数の送信アンテナを含む場合、プリコーディング(precoding)を適用してビーム成形(beamforming)利得と空間多重化利得が得られる。
【0009】
近年、3GPPではLTEシステムのULでもMIMOをサポートするための多くの議論が進行されている。DLのMIMOと同様に、UEは、送信アンテナを1個、2個、又は4個を含み、複数の送信アンテナを含む場合、UEは、プリコーディングを適用してビーム成形利得と空間多重化利得を得ることができる。
【0010】
DL MIMOとUL MIMOとの間の差異点は、下記のようである。DL MIMOでは、基地局(又は送信器)は、自らMCS方式、MIMO方式、プリコーディングなどの伝送特性を決定する。基地局は、伝送特性を反映して物理ダウンリンク共有チャンネル(Physical Downlink Shared Channel:PDSCH)を構成及び伝送し、物理ダウンリンク制御チャンネル(Physical Downlink Control Channel:PDCCH)を用いてPDSCHに適用される伝送特性をUEへ伝達する。しかしながら、UL MIMOでは、基地局(又は受信器)は、MCS方式、MIMO方式、及びプリコーディングなどの伝送特性をUEのチャンネル特徴によって決定する。基地局はPDCCHを通じて伝送特性をUEに伝達し、UEは、基地局により許可された伝送特性を反映して物理アップリンク共有チャンネル(Physical Uplink Shared Channel:PUSCH)を構成して伝送する。特に、LTEシステムでは、基地局は、AMC、チャンネル感知スケジューリング、MIMOプリコーディングなどを決定し、UEは、その決定に基づいて伝送されたPDSCHを受信したり、その決定に従ってPUSCHを構成及び送信する。
【0011】
チャンネル状態に関する正確な情報を有すると、基地局は、AMCを用いて、チャンネル状態に最も適合した伝送データ量を決定できる。しかしながら、実際の通信環境では、推定エラー、フィードバックエラーにより基地局が知っているチャンネル状態と実際のチャンネル状態との間に大きな差がある。したがって、AMCを使用するにもかかわらず、送信器と受信器は、実際に誤りの発生を防止できない。LTEシステムを含む大多数の無線通信システムは、初期伝送で復号化失敗が発生する場合、物理階層が失敗したデータを直ちに再伝送するハイブリッド自動再送要求(HARQ)方式を採用する。HARQは、受信器が正確なデータの復号化に失敗した場合、受信器が送信器に復号化失敗を示すNACK情報を伝送し、送信器が物理階層で失敗したデータを再転送するようにする。反対に、受信器が正確に復号化されたデータを有する場合、受信器は、送信器に復号化成功を示すACK情報を伝送し、送信器が新たなデータを伝送するようにする方式である。
【0012】
HARQ方式が使用される無線通信システムにおいて、受信器は、再伝送された信号と以前に受信した信号を結合して受信性能を改善できるので、再伝送する場合のために、以前に受信したが復号化に失敗したデータをメモリに格納する。
【0013】
ACK及びNACKなどの受信器からの応答信号が送信器まで伝達される場合に要求される時間の間に、送信器に他のデータを伝送可能なように、HARQプロセスが定義される。このHARQプロセスによって、受信器は、HARQプロセス識別子(HARQ PID)を用いて以前に受信した信号と新たに受信した信号を結合するか否かを判定できる。HARQは、このHARQプロセスで送信器が受信器にHARQ PIDを制御信号として提供するか否かによって、同期式HARQと非同期式HARQに区分される。同期式HARQにおいて、送信器は、受信器にHARQ PIDを制御信号として提供する代わりに、PDCCHが伝送されるサブフレームの一連番号を利用する。ここで、サブフレームは、時間ドメイン上でリソース割り当て単位を意味する。しかしながら、非同期式HARQにおいて、送信器は、受信器にHARQ PIDを制御信号として提供する。LTEシステムは、DLでは非同期式HARQを採用し、ULでは同期式HARQを採用する。
【0014】
図1は、ULで同期式HARQの動作を示す。
【0015】
図1を参照すると、ステップ101で、基地局がDLのn番目のサブフレームでPDCCHを用いてUL伝送のためのリソース割り当てを許可する場合、HARQ PIDは、サブフレームの一連番号nによりHARQ PIDが決定される。例えば、サブフレームの一連番号‘n’に対応するHARQ PIDが0であると仮定する場合、サブフレーム一連番号‘n+1’に対応するHARQ PIDは‘1’として定義できる。一連番号‘n’を有するサブフレームの伝送されたUL許可(grant)向けPDCCHは、新規データインジケータ(New Data Indicator:NDI)を含む。NDIが以前のNDI値から切り替えられる(toggled)場合、該当UL許可は、新たなデータ伝送のためのPUSCHを割り当てることに設定される。NDIが以前のNDI値を維持する場合、該当UL許可は、以前に伝送されたデータの再伝送のためのPUSCHを割り当てるように設定される。
【0016】
ステップ101で、UL許可はNDIが変更されたと仮定すると、ステップ103で、UEは、新たなデータ伝送のためのPUSCHの初期伝送(initial transmission)をサブフレーム(n+4)で遂行する。基地局は、ステップ105で、サブフレーム(n+4)でUEにより伝送されるPUSCHデータを基地局が成功的に復号化したか否かは、ステップ105で、基地局がサブフレーム(n+8)で伝送する物理HARQインジケータチャンネル(Physical HARQ Indicator Channel:PHICH)を用いて判定される。その結果、PHICHがNACKを伝送した場合、UEは、ステップ107で、サブフレーム(n+12)でPUSCHの再伝送を遂行する。このように、同期式HARQでは、同一の伝送ブロック(Transport Block:TB)の初期伝送及び再伝送は、サブフレームの一連番号に合わせて遂行する。
【0017】
図1に示すように、基地局及びUEは、サブフレーム(n+4)で初期伝送したTBはサブフレーム(n+12)で再伝送されることを予め約束しているため、別途のHARQ PIDを導入せずにHARQ動作を正常に遂行することができる。
図1の例では、同一のTBの伝送間隔は8サブフレームを含むので、同時に運用可能なHARQプロセスの最大個数は、8に制限し得る。
【0018】
図1に示すUL同期式HARQ動作では、再伝送は、ACK又はNACK信号のみを示すPHICHを用いて再伝送を許可し得る。基地局が再伝送で伝送リソース及びMCS方式などのPUSCHの伝送特性を変更しようとする場合、基地局は、変更を指示するPDCCHの伝送を許可できる。このようにPUSCHの伝送特性の変更を許可するHARQ方式は、‘適応型同期式HARQ(adaptive synchronous HARQ)’と呼ばれる。
【0019】
図2は、ULで適応型同期式HARQの動作を示す。
【0020】
図2を参照すると、
図2のステップ101〜105は、
図1で対応するステップの動作と同一である。
【0021】
図2のステップ105で、基地局は、ステップ103においてサブフレーム(n+8)でPHICHを介してNACKを伝達することにより、サブフレーム(n+4)で伝送されたPUSCHを成功的に復号化しないことをUEに通知する。PUSCH再伝送時に伝送特性を変更するために、基地局は、ステップ106で、PUSCHの伝送特性の変更のための情報を含むPDCCHをPHICHと共に伝送する。UEは、すべてのサブフレームでPDCCHの受信及び復号化を試みるため、PUSCHの伝送特性を変更するための情報を含むPDCCHを受信することができる。ステップ108で、UEは、PDCCHにより指示した伝送特性を適用してサブフレーム(n+12)でPUSCHの再伝送を遂行する。
【0022】
上記した適応型同期式HARQによると、PUSCHの伝送特性の変更のための情報はPDCCHを介して伝送される。したがって、再伝送時にPUSCHの伝送特性の変更が必要な場合、基地局は、DL制御情報の量を増加させるにもかかわらず、PDCCHをPHICHと一緒に伝送する。PUSCHの以前の伝送特性を維持する場合、基地局は、PHICHのみを伝送する。
【0023】
図3は、ULで適応型同期式HARQによる基地局の動作を示す。
【0024】
図3を参照すると、ステップ131で、基地局は、ULスケジューリングを遂行してPUSCHの伝送を許可するUE、及びPUSCH伝送に使用されるリソースを決定する。ステップ133で、基地局は、スケジューリングされたUEにPUSCHの許可情報を通知するためにPDCCHを伝送する。ステップ135で、基地局は、ステップ133のPDCCHが伝送された時点から4サブフレーム以後に受信されたPUSCHに対して復調及び復号化を遂行する。ステップ137で、基地局は、PUSCHの復号化に成功したか否かを判定し、復号化に成功した場合、ステップ139で、該当UEにACKを送信し、ステップ131に戻って新たなスケジューリングを遂行する。一方、ステップ137で復号化に失敗した場合には、基地局は、ステップ141でNACKをUEに送信する。
【0025】
以後、適応型同期式HARQの動作によって、基地局は、PUSCHの伝送特性をステップ133で指定したことから変更しようとするかをステップ143で判定する。伝送特性を変更しようとする場合には、基地局は、ステップ145で、PUSCHの再伝送に適用される新たな伝送特性を指示する情報を含むPDCCHを伝送する。ステップ143,145でPUSCHの再伝送を指示した以後、基地局は、再伝送されるPUSCHの受信及び復号化のためにステップ135に戻る。
【0026】
図4は、ULでのUEの適応型同期式HARQ動作を示す。
【0027】
図4を参照すると、UEは、ステップ151で、UL許可用PDCCHを受信して復号化を試み、ステップ153でPDCCHの復号化が成功したか否かを判定する。復号化に成功した場合、UEは、ステップ155で、新たなデータの伝送/非伝送を指示するNDIが切り替えられるか否かを判定する。NDIが切り替えられる場合、関連許可は、新たなTBの初期伝送を指示することを意味し、UEは、ステップ157で、PDCCHにより指示する伝送特性を適用して新たなTBを載せたPUSCHを伝送する。しかしながら、ステップ155で、NDIが変更されない場合には、基地局は、同一のHARQ PIDを有する以前のTBを成功的に復号化しなかったため、関連許可は伝送特性を変更した再伝送を指示することである。その後、ステップ159で、UEは、PDCCHで指示する伝送特性を適用して以前のTBを載せるPUSCHを再伝送する。ステップ153で、UEがUL許可に対するPDCCHを成功的に復号化しなかった場合、UEは、ステップ161で、PHICHを受信して復号化を試みる。ステップ163で、UEは、PHICHを通じてACKを受信したか否かを判定する。ACKを受信した場合、UEは、ステップ165で、PUSCHの伝送を終了する。しかしながら、PHICHからNACKを受信した場合には、UEは、最近受信したPDCCHにより指示される伝送特性を適用して以前のTBを載せるPUSCHを再伝送する。
【0028】
同期式HARQは、PDCCHを伝送せずにPHICHのみを伝送してUEの再伝送を遂行できるように提案されるが、上記のようにUEのプリコーディング方式などの伝送特性を指示するためにPHICHとともにPDCCHを伝送しなければならない場合には、同期式HARQでリソース節減効果を期待することができない。特に、PHICHはACK/NACK情報のみを搬送する一方、PDCCHはUEでUL伝送のための各種制御情報を含む。したがって、PDCCHを伝送するために、基地局は、より多くの周波数リソースと伝送電力を消費すべきである。ULで再伝送時に、PDCCHがMIMO伝送のためのプリコーディング方式などの伝送特性を指示するために伝送される場合、制御情報のリソース消費量が増加するので、ULで再伝送のための制御情報の伝送負荷を低減させる方法が要求される。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下、本発明の望ましい実施形態を添付の図面を参照して詳細に説明する。
【0041】
図面において、類似又は同一の構成要素に対してはできるだけ同一の参照符号及び参照番号を付して説明する。次の説明において、具体的な構成及び構成要素などの特定詳細は、ただ本発明の実施形態の全般的な理解を助けるために提供されるだけである。したがって、本発明の範囲及び趣旨を逸脱することなく、以下に説明される本発明の様々な変形及び変更が可能であることは、当該技術分野における通常の知識を持つ者には明らかである。なお、公知の機能または構成に関する具体的な説明は、明瞭性と簡潔性のために省略する。
【0042】
本発明の実施形態によるLTEシステムについて、以下で説明するが、本発明は、LTEシステムだけでなく、UL MIMOをサポートし、再伝送時に使用されるプリコーディング方式などの伝送特性の変更に必要である場合、制御チャンネルを介して変更された伝送特性に関する情報をUEに提供する無線通信システムであれば、同一の方法で適用することができる。
【0043】
本発明の実施形態に適用されるLTEシステムのULでは、SC-FDMA方式を採用する。これについて、DLでHARQのためのUL ACK/NACK情報とCQI(Channel Quality Indicator)、PMI(Precoding Matrix Indicator)、及びRI(Rank Indicator)などのフィードバック情報を含むアップリンク制御情報(Uplink Control Information:UCI)は、物理UL制御チャンネル(Physical Uplink Control Channel:PUCCH)で伝送され、ULデータはPUSCHで伝送される。
【0044】
SC-FDMA方式で単一キャリア特性を維持するために、UCIとULデータが同時に伝送される場合、UCIは、PUCCHで伝送されずにPUSCHにデータ信号と多重化される。非周期的CQIがUL許可(grant)として要求される場合、UCI及びデータは、このデータだけでなく非周期的CQI、PMI、及びRIをPUSCHに含まれなければならないので、多重化して伝送すべきである。
【0045】
図5は、本発明の一実施形態によるUL MIMOをサポートする無線通信システムにおけるUEを示すブロック構成図であり、これは、UEの送信器構成を示す。
【0046】
図5を参照すると、ブロック201は入力されたデータ信号を符号化及び変調し、ブロック205は入力されたUCI信号を符号化及び変調する。UL MIMOをサポートするUEでは、参照番号203で表すように、最大2個のコードワード(CW)が生成される。一般的に、CWは、伝送ブロック(TB)に対応する。CW0がTB1と同一であり、CW1がTB2と同一であると仮定すると、スワップ(swap)機能が動作する場合、CWとTBとの対応関係は変更され得る。この変更後に、CW0はTB2にマッピングされ、CW1はTB1にマッピングされる。LTEシステムのDL MIMOでスワップ機能が定義されているが、このスワップ機能は、UL MIMOでは必要でないことがある。
【0047】
参照番号203で表す線の中で、実線は一つのCWが生成されることを示し、点線は2つのCWが生成されることを示す。ブロック201で作られたデータ変調信号と装置205で作られたUCI変調信号は、ブロック207で多重化及びインタリービングされた後にMIMO階層にマッピングされる。LTEシステムでCWを階層にマッピングする方法の一例は、下記の<表1>に示す。
【0049】
<表1>において、d(k)(i)は、CWkのi番目の変調シンボルを表し、x(l)(i)はl番目の階層のi番目のシンボルを示す。一つのCWが2つの階層にマッピングされる場合、偶数番目の変調シンボルは下位階層にマッピングされ、奇数番目の変調シンボルは上位階層にマッピングされる。これは、より多くの変調シンボルが伝送されることで、一つのCWが一つの階層にマッピングされる場合に比べて、伝送データ量を増加し、符号化率を減少することができる。
【0050】
<表1>に示すように、一つの階層のみが作られるランク(rank)-1伝送の場合には1個のCWのみが生成され、2つの階層が作られるランク-1伝送の場合には2個のCWが生成される。また、1個のCWがランク-2伝送で生成される場合があり、この場合は、再伝送のみで許容される。一般的に、MIMO方式でランクと階層との関係を説明すると、‘階層’は一つの変調シンボルストリームを伝送できる空間リソースを意味し、‘ランク’はMIMOシステムで構成される階層の数を意味する。MIMOベースの空間多重化技術は、同一の時間-周波数リソースに対して複数の階層を構成し、各階層に別途の変調シンボルストリームを伝送することによってデータレートを高める。
【0051】
ブロック207により生成される階層信号は、ブロック209aで伝送(Tx)プリコーディング(precoding)される。プリコーディングは、各階層の受信品質を増加させるために階層別ビームを形成するプロセスである。プリコーディングは、送信チャンネルの特性を考慮して決定されなければならない。UL MIMOに対して、送信チャンネルがULチャンネルであるので、基地局がULチャンネルを測定して適合したプリコーディング方式を採用するプリコーダ(precoder)のUEに指示する場合、UEは、上記情報に従ってプリコーディングを遂行する。プリコーダは、行列(すなわち、プリコーディング行列)で表現され、その行の数はアンテナの数と同じであり、列の数は階層の数と同じである。プリコーディングは、下記の式(1)に示すように一般式で表現できる。
【0053】
ここで、Pはプリコーディング行列を、xはプリコーディング前の伝送信号を、yはプリコーディング以後の伝送信号を、x(n)(i)はn番目の送信アンテナを通じて転送されるi番目のシンボルを、各々表す。参考で、ここで使用される用語‘送信アンテナ’は、物理的なアンテナを意味するのでなく、信号伝送に使用される論理的アンテナを意味する。論理的アンテナと物理的アンテナとの間のマッピングは、多様な方式で定義することができる。
【0054】
下記の<表2>と<表3>は、各々2個及び4個の送信アンテナが使用されるLTE UL MIMOに使用されるプリコーディング行列の例を示す。
【0057】
図5を参照すると、ブロック209aを通過する信号は、送信アンテナ217a,…,217bを通じて送信される信号である。これら信号は、LTE UL方式に対応するようにブロック211(211a,…,211b)によってSC-FDMA信号に変換される。ブロック211aは、最初の送信アンテナ217aを通じて伝送される信号用SC-FDMA信号変換器である。ブロック211bは、最後の送信アンテナ217bを通じて伝送される信号用SC-FDMA信号変換器である。
図5に示すSC-FDMA信号変換器211は、当該技術分野でよく知られているように、離散フーリエ変換(DFT)部221、リソースマッパ223、逆高速フーリエ変換(IFFT)部225、及びCP(Cyclic Prefix)加算器227を含む。
【0058】
基準信号(Reference Signal:RS)は、コヒーレント(coherent)復調のために提供される信号である。RSは、階層別に生成され、ブロック231(231a,…,231b)は、各階層別RSの生成器である。ブロック231aは最初の階層用RS生成器であり、ブロック231bは最後階層用RS生成器である。ブロック209bにおいて、各階層のRSは、ブロック209aでPUSCHに適用したことと同一のプリコーディングを適用する。RSとPUSCHに同一のプリコーディングが適用されるので、基地局は、RSを受信して各階層別信号を復調するためのチャンネルを推定することができる。階層別RSにプリコーディングを適用することによって、各送信アンテナ217a,…,217bを通じて伝送されるRS信号が獲得され得る。
【0059】
送信アンテナ217a,…,217bを通じて伝送されるPUSCHのSC-FDMA信号は、各送信アンテナ217a,…,217bを通じて伝送されるRSとブロック213(213a,…,213b)によって多重化される。ブロック213aは、最初の送信アンテナ217aを通じて伝送される信号用PUSCH/RSマルチプレクサであり、ブロック213bは、最後の送信アンテナ217bを通じて伝送される信号用PUSCH/RSマルチプレクサである。単一キャリア特性を維持するために、RSは、相互に異なるSC-FDMAシンボルで伝送されるようにPUSCHを通じて時間分割多重化(time-division multiplexing)を遂行する。
【0060】
UEが各送信アンテナ217a,…,217bを介して伝送される基底帯域(baseband)信号は、RF(Radio Frequency)処理器215(215a,…,215b)によってRF信号に変換された後、送信アンテナ217a,…,217bを通じて伝送される。ブロック215aとブロック251bは、各々最初及び最後の送信アンテナ217a,217bを通じて伝送される信号のためのRF処理器である。参照番号217a,217bは、各々最初の送信アンテナと最後の送信アンテナを表す。
【0061】
ブロック241は、UEの全体制御動作を制御する制御器である。この制御器241は、PUSCHを伝送する周波数リソース、PUSCHで伝送するデータとUCIに対するMCSレベル、PUSCHリソースの中でUCIに割り当てられるリソースの量、MIMO送信のランク、プリコーディング方式、及び送信特定アンテナRS信号の生成のためのパラメータを決定する。制御器241は、リソースマッパ223、データ符号化及び変調器201、UCI符号化及び変調器205、データ及びUCIの多重化、インタリービング、及びCWと階層間(CW-TO-階層)マッピングを遂行するブロック207、プリコーダ209a,209b、及びRS生成器231を制御する。
【0062】
制御器241は、UL再伝送の際に、本発明の第1乃至第10の実施形態を含む全実施形態で定められる方式によってPUSCHを伝送する伝送特性を決定し、再伝送対象であるTBがPUSCHを通じて再伝送されるように制御する。伝送特性は、プリコーディング方式を含む。本発明の実施形態は、下記により詳細に説明する。
【0063】
図6は、本発明の実施形態により、UL MIMOをサポートする無線通信システムにおける基地局の構成を示し、これは、基地局の受信器構成を示す。
【0064】
図6を参照すると、参照番号301aは基地局の最初の受信アンテナを表し、ブロック301bは基地局の最後の受信アンテナを表す。複数の受信アンテナ301a,…,301bを通じて受信される信号は、各々RF処理器303a,…,303bを用いて基底帯域信号に変換される。ブロック303aは、最初の受信アンテナ301aを介して受信された信号を処理するRF処理器であり、ブロック303bは、最後の受信アンテナ301bを介して受信された信号を処理するRF処理器である。該当受信アンテナを通じて受信して基底帯域信号に変換された信号は、SC-FDMA受信器305a,…,305bで変調シンボルストリームに復旧される。このブロック305aは、最初の受信アンテナ301aを通じて受信された信号を処理するSC-FDMA受信器であり、ブロック305bは、最後の受信アンテナ301bを通じて受信された信号を処理するSC-FDMA受信器である。
【0065】
図6に示すように、SC-FDMA受信器305a,…,305bの各々は、CP除去器331、高速フーリエ変換器(FFT)333、リソースデマッパ(resource demapper)335、及び逆離散フーリエ変換器(IDFT)337を含み、
図5のSC-FDMA信号変換器211a,…,211bのプロセスを逆に遂行する。
【0066】
SC-FDMA受信器305a,…,305bを通過する信号は、特定UEからのPUSCHとRSの受信信号である。PUSCHとRSが時分割多重化されているため、デマルチプレクサ307a,…,307bによってPUSCH受信信号とRS受信信号に分離する。ブロック307aは、最初の受信アンテナ301aを通じて受信された信号を処理するデマルチプレクサであり、ブロック307bは、最後の受信アンテナ301bを通じて受信された信号を処理するデマルチプレクサである。逆多重化プロセスを通じて抽出されたRS受信信号は、チャンネル推定器311に伝送される。逆多重化プロセスを通じて抽出されたPUSCH受信信号は、MIMO受信フィルタ315に伝達される。
【0067】
チャンネル推定器311は、RS受信信号からULチャンネルを推定し、制御器313にチャンネル推定値を伝達し、それによって制御器313は、適切な受信フィルタ係数を計算できる。制御器313により決定された受信フィルタ係数は、MIMO受信フィルタ315に伝達される。MIMO受信フィルタ315は、
図5のプリコーダ209の動作を逆に遂行し、PUSCHの階層別信号を分離する。MIMO受信フィルタは、代表的に、MMSE(Minimum Mean Square Error)受信フィルタを含むことができる。その他にも公知の多様な受信フィルタも使用され得る。
【0068】
階層別受信信号は、ブロック317によりCW別変調信号ストリームとUCI変調信号ストリームに変換される。このブロック317は、
図5のブロック207の動作を逆に遂行する。すなわち、ブロック317は、階層信号をCW別に更に集めるプロセスと、一連のデインタリービング及びデータ/UCIの逆多重化プロセスと遂行する。この一連のプロセスは、制御器313の制御下で、基地局からUEに予め伝送される制御情報により処理される。
【0069】
ブロック317から出力されるCW別変調信号ストリーム319は、ブロック321によって元のデータに復調及び復号化される。ブロック317から出力されるUCI変調信号ストリームは、ブロック323により元のUCI信号に復調及び復号化される。データ/UCIの復号化プロセスを遂行した後、復号化されたデータとUCIは、基地局がデータ受信の成功/失敗、及びUCI情報に従ってUL/DLスケジューリングとAMCを遂行するために、制御器313に伝達される。
【0070】
制御器313は、UL再伝送時に、本発明のすべての実施形態で定められた方式によってPUSCHが伝送される伝送特性を決定し、PUSCHを介して再伝送されるTBの受信動作を全般的に制御する。伝送特性は、プリコーディング方式を含む。本発明の各実施形態に対する具体的な説明については、より詳細に後述する。
【0071】
本発明の実施形態の具体的な説明に先立って、UL MIMOで再伝送時に基地局とUEでACK/NACKを指示するPHICHと、PUSCHの伝送特性を指示するPDCCHを送受信する一般的な動作について、
図7及び
図8を参照して説明する。ここで、伝送特性の一例では、プリコーディング方式を仮定する。
【0072】
PDCCHで基地局によって、UEにUL MIMO用PUSCHの伝送を指示する許可(grant)制御情報又はDCI(Downlink Control Information)の一般的な情報構成を参照すると、DCIは、次の情報要素(Information Element:IE)を含む。
【0073】
1)DCIフォーマット0と、DCIフォーマット1Aの識別フラグ:LTEシステムでは、UL許可用DCIフォーマット0と圧縮した(compact)DL割り当て用DCIフォーマット1Aのサイズを有するように定義され、このDCIがフォーマット0用であるかあるいはフォーマット1A用であるかを判定できるIEが必要である。このフラグは、その用途で使われる。
【0074】
2)周波数ホッピングフラグ:このフラグは、周波数ホッピングが周波数ダイバシティを獲得するためにPUSCHの伝送に適用されるか否かを示すIEである。
【0075】
3)リソース割り当て情報:このリソース割り当て情報IEは、PUSCHを伝送しなければならない周波数リソースを指示するように定義される。
【0076】
4)MCSレベル:PUSCH伝送に使用されるMCS変調及び符号化レベルを示すIEである。このIEの中で一部のコードポイントは、再伝送でRV(Redundancy Version)を指定するように定義される。
【0077】
5)NDI:これは、該当許可が新たなTBの伝送向けであるか、あるいは再伝送向けであるかを示すIEである。NDIの以前の値で変更があると、IEは、新たなTBの伝送向けの許可である。変更がないと、IEは、再伝送向けの許可である。
【0078】
6)電力制御情報:PUSCH送信に使用される伝送電力情報に関する情報IEを示す。
【0079】
7)RSパラメータ:PUSCHの復調用RSは、ZC(Zadoff-Chu)シーケンスとして定義される。ZCシーケンスは、巡回シフト(cyclic shift)が変更されると、直交する新たなZCシーケンスとなる特性がある。PUSCH復調用RSの巡回シフトを示すIEは、UL許可で定義され、これは多重ユーザーのUL MIMOのためのものである。異なるユーザーに相互に異なる巡回シフトのRSを割り当てる場合、基地局は、RSの中で直交性を用いて相互に異なるユーザーの信号を区分することができる。
【0080】
8)チャンネル品質情報(CQI)要求:これは、非周期的CQIフィードバックをPUSCHで伝送するためのIEである。このIEは、1ビットで定義される。その値が1であると、データだけでなく、非周期的CQI、PMI、RIもPUSCHに伝送される。その値が0であると、データのみがPUSCHに伝送される。
【0081】
また、下記のIEは、基地局がUEにUL MIMO用PUSCHを伝送するように指示する許可(grant)の制御情報DCIに定義される。
【0082】
1)PMI:UL MIMO伝送に使用される伝送特性として、プリコーディング方式を示すIEである。
【0083】
2)2番目のTBに対するMCSレベル:最大2個のTBは、UL MIMOで伝送できる。したがって、2番目のTBに対するMCSレベルを示すIEが定義される。
【0084】
3)2番目のTBに対するNDI:UL MIMOに対して、各NDIは、2個のTBに対して定義され、あるいはNDIは1個のTBに対して定義される。
【0085】
本発明の実施形態では、TB別にNDIが定義されると仮定するが、一つのNDIのみが一つのTBに対して定義される場合に適用することができる。
【0086】
図7は、UL MIMOをサポートする無線通信システムで基地局の一般的な動作を示し、2個のTBが伝送されると仮定する。1個のTBのみを伝送するPUSCHの許可は、
図3を参照して説明した。
【0087】
図7を参照すると、ステップ701で、基地局は、ULスケジューリングを遂行して、どのUEでどのリソースを用いてPUSCH伝送を許可するかを決定する。ステップ703で、基地局は、スケジューリングされたUEにPUSCHの初期伝送のための許可情報を提供するためにPDCCHを伝送する。ここでは、UL MIMO伝送を仮定するので、許可情報は、ランクが2以上(ランク>1)であることを示す。すなわち、2個のTB伝送が許可されると仮定する。PUSCHの初期伝送に対する許可であるため、このTBに対応するNDIの値は切り替えられる。ステップ705で、基地局は、ステップ703でPDCCHが伝送される時点以後に4サブフレームが受信されたPUSCHを復調及び復号化する。ステップ707で、基地局は、PUSCHの復号化が成功したか否かを判定する。2個のTBが伝送されるので、復号化の成功/失敗が判断される4つの可能なケースがある。
【0088】
ケース1:TB1とTB2は両方とも成功的に復号化される。この場合、基地局は、ステップ709でPHICHを用いてTB1とTB2に対して各々(ACK、ACK)を伝送し、ステップ701に戻る。
【0089】
ケース2:TB1は成功的に復号されたが、TB2は成功的な復号化に失敗される。この場合、基地局は、ステップ711で、PHICHを用いてTB1とTB2に対して(ACK,NACK)を伝送し、ステップ715でPUSCH再伝送を許可するPDCCHをUEに伝送する。
【0090】
ケース3:TB2は成功的に復号化されたが、TB1は成功的な復号化に失敗される。この場合、基地局は、ステップ713で、PHICHを用いてTB1とTB2に対して(NACK,ACK)を伝送し、ステップ715でPUSCH再伝送を許可するPDCCHをUEに伝送する。
【0091】
ケース4:TB1とTB2は両方ともに成功的に復号化するのに失敗される。この場合、基地局は、ステップ717でPHICHを用いてTB1とTB2に対して(NACK,NACK)を伝送する。ステップ719で、基地局は、PUSCHの再伝送時に、ステップ703で、基地局がUEに通知する初期伝送に対する伝送特性を変更するか否かを判定する。伝送特性を変更することに決定する場合、基地局は、ステップ715を遂行した後にステップ705に戻る。初期伝送の伝送特性を変更しないと決定される場合、基地局は、ステップ705に戻り、UEが初期伝送の伝送特性を維持してPUSCHを再伝送すると仮定してPUSCHを受信及び復号化する。ステップ715は、PUSCHの再伝送に使用される伝送特性をUEに通知するために基地局がPDCCHを伝送するプロセスに該当する。ステップ705に戻った後に、基地局は、UEがステップ715で指示した伝送特性に従ってPUSCHを再伝送することを考慮して、UEから受信されたPUSCHを受信して復号化する。
【0092】
図7の説明において、ケース1又はケース4で、基地局は、PDCCHを伝送せずにPHICHを伝送することによってPUSCHの再伝送を指示できる。しかしながら、2個ののTBのうち一つのみが復号化に成功したケース2又はケース3において、基地局は、PUSCHの再伝送を指示するために伝送特性を示すPDCCHを伝送しなければならない。このPDCCHを伝送する理由は、次のようである。
【0093】
<表1>に整理したように、伝送されるTBの個数は、ランク値に従って変更される。例えば、初期伝送で2個のTBを伝送したが、UEは、2個のTBのうち一つが成功的に復号化されて伝送する必要がなくなる場合、再伝送で1個のTBを伝送する。伝送されるTBの個数が減少すると、再伝送でのランク値は、初期伝送より減少する。しかしながら、<表2>と<表3>に示すように、プリコーダは、ランク別に異なるように定義される。そのように、初期伝送で使用されるプリコーダは、再伝送で使用することができない。このような理由で、再伝送で伝送されるTBの個数が減少する場合、PDCCHは、UEにより使用される変更されたプリコーダ、すなわち変更された伝送特性を通知するために伝送されなければならない。
【0094】
図8は、UL MIMOをサポートする無線通信システムにおけるUEの一般的動作を示し、これは、
図7の基地局動作に対応するUEの動作を示す。
【0095】
図8を参照すると、UEは、ステップ801で、UL許可用PDCCHを受信して復号化を試み、ステップ803で復号化に成功したか否かを判定する。UEがUL許可用PDCCHを成功的に復号化する場合、UEは、ステップ805で、NDIが切り替えられるか否かを判定する。UL MIMO伝送を仮定するので、ここで、初期許可は2個のTBに関する情報を示すと仮定する。相互に異なるNDIがTB別に定義されると仮定すれば、2個のNDIがともに以前の値から切り替えられない場合、再伝送のみを指示するUL許可に該当するので、UEは、ステップ807で、PMIを含む新たな伝送特性を反映してPUSCHを再伝送する。しかしながら、2個のNDIのうちいずれか一つでも切り替えられる場合、UEは、ステップ809に進行する。切り替えられたNDIに対応するTBは新たに伝送され、切り替えられないNDIに対応するTBは再伝送されなければならない。各TBが再伝送であるか初期伝送であるかに関係なく、PMIを含む伝送特性は、PDCCHで指示される値に従う。一つのNDIのみがTBの数に関係なく定義されても、NDIが以前の値から切り替えられる場合、UEは、新たなTBを伝送するためにステップ809を遂行する。そうでないと、UEは、再伝送のためにステップ807を遂行する。要するに、プリコーディングの観点で、PDCCHを受信する場合、UEは、TBの再伝送に関係なく、PDCCHで指示されるPMIを反映してプリコーディングしたPUSCHを伝送すればよい。
【0096】
ステップ803で、UEがPDCCHを受信して復号化するのに失敗した場合、UEは、ステップ811でPHICHを受信して復号化を試みる。各TBに関するACK/NACK情報がPHICHにある場合、UEは、次の3つのケースに分けて対応できる。
【0097】
ケース1:ACKは2個のTB両方に対して受信される。この場合、UEは、ステップ815でPUSCHを送信する必要がない。
【0098】
ケース2:1個のTBに対してACKが受信され、他のTBに対してNACKが受信される。この場合、UEは、再伝送されるTBの数が減少するので、ランク値を必ず変動されるべきである。しかしながら、基地局が別途にPMIを提供しないので(UEがPDCCHの受信に失敗したので)、UEは、PUSCH伝送に使用されるプリコーディング方式を決定できない。したがって、UEは、ステップ819でそのPUSCH伝送動作を定義することができない。
【0099】
ケース3:2個のTBに対してNACKが受信され、2個のTBは再伝送される必要がある。この場合、UEはランクが変更されず、基地局が別途にPMIを提供しないため、UEは、ステップ817で、最近受信したUL許可で指示したPMIを含む伝送特性を反映してPUSCHを再伝送すればよい。しかしながら、この場合、UEは、IR(Incremental Redundancy)の同期式HARQの規則に従ってRVを再伝送で変更する。PHICHにより再伝送されるPUSCHにおいて、RVは、別途の命令なしに自動的に増加する。HARQ再伝送方式では、よく知らされているように、CC(Chase Combining)方式とIR(Incremental Redundancy)方式に分けられる。CC方式は、再伝送と初期伝送でともに同一の信号を伝送する方式であり、それによって受信器は、シンボルレベルで信号を結合することができる。IR方式は、再伝送と初期伝送で異なるRVを有する信号を伝送して受信器が復号化プロセスで結合する方式である。IRは、CCに比べて高い受信複雑度にもかかわらず、復号利得を追加に得られるので、HARQの再伝送方式として広く使われる。同期式HARQにおいて、RVは、再伝送で、変更するための別途のPDCCHを伝送しないので、黙示的に(implicitly)決定される。例えば、LTEシステムでは、総4個のRVが定義され(RV=0,1,2,3)、同期式HARQが適用される場合、RVは、伝送順序に従って{0,2,3,1}の順に適用される。
【0100】
UL MIMOをサポートする一般的な無線通信システムにおいて、基地局は、受信した複数のTBのうち一部が復号化に失敗した場合(例えば、2個のTBのうち一つのみが成功的に復号化される場合)には、UEにPUSCHの再伝送を指示するために伝送特性を示すPDCCHを伝送しなければならない。そうでなければ、UEは、PUSCH伝送に使用されるプリコーディング方式を決定できない。
【0101】
しかしながら、上述したように、PDCCHの伝送は、制御情報に対するリソース消費量が増加する。したがって、ULで再伝送のための制御情報の伝送負荷を節減するために本発明の実施形態は、UL MIMOをサポートするLTEシステムでPHICHのみでUL HARQを制御し、PDCCHの伝送なしにUEによって再伝送で使用されるプリコーディング方式を決定する方法を提供する。
【0102】
本発明の実施形態により、再伝送で使用されるプリコーディング方式を決定する方法が適用されるUEの送信装置と基地局の受信装置の構成例は、各々
図5及び
図6に示すようである。
図5及び
図6で、UEの制御器241と基地局の制御器313は、各々
図10及び
図9の手順に従って再伝送で使用されるプリコーディング方式を決定する。
【0103】
図9は、本発明の実施形態により、UL MIMOをサポートする基地局でプリコーディング方式を決定する手順を示す。
図9の手順は、
図7の従来技術の手順と部分的に重複される。したがって、次の説明では、
図9の手順と
図7の従来の手順との差を中心に記述する。
【0104】
図9を参照すると、ステップ901〜907は、基地局がULスケジューリングを遂行してPUSCHの初期伝送を許可し、UEにより伝送されるPUSCHを受信及び復号化して復号化の成功及び失敗を判定し、
図7のステップ701〜707の動作と同一である。
【0105】
図9のステップ907で、基地局は、PUSCHの復号化が成功的であるか否かを判定する。UEが2個のTBを伝送したと仮定すれば、復号化の成功/失敗を判定する4つのケースが存在する。2個のTBが両方とも成功的に復号されたケース1と、2個のTBが両方とも成功的な復号化に失敗したケース4には、基地局は、各々ステップ909及び915に進行し、
図7のように動作する。しかしながら、一個のTBは成功的に復号したが、他のTBは成功的に復号化されないケース2及びケース3では、基地局は、各々ステップ911とステップ913に進行してからステップ917を遂行する。
図7の従来の手順において、ステップ917(又は719)は、2個のTB両方ともを復号化するのに失敗するケース4のみが遂行される。しかしながら、本発明では、ステップ917は、2個のTBのうちいずれか一つが復号化に失敗したケース2及びケース3でも遂行される。基地局は、ステップ917で、PUSCHの再伝送で、ステップ903で基地局がUEに通知した初期伝送の伝送特性を変更するか否かを判定する。基地局は、伝送特性の変更を決定した場合、ステップ919を遂行する。そうでないと、基地局は、ステップ921を遂行する。
【0106】
本発明の実施形態では、再伝送状況で使用するプリコーディングを黙示的に(implicit)決定する方法を提供する。ステップ921で、基地局は、黙示的に定義されたプリコーディングを維持するか、あるいは他のプリコーディングを指示するかを判定する。黙示的に定義したプリコーディングを維持することに決定される場合、基地局は、PDCCHを伝送する理由がないので、ステップ905に戻り、黙示的に定義されたプリコーディングを適用するPUSCHを受信して復号化する。
【0107】
しかしながら、基地局は、黙示的に決定されたプリコーディングの代わりに、特定プリコーディング方式を指示することに決定した場合、ステップ919を遂行する。ステップ919は、従来方式のようにPDCCHを通じて具体的にPUSCH伝送に必要な伝送特性を指示するものである。黙示的に決定したプリコーディングを使用する方法は、PDCCHの伝送なしに再伝送時に使用されるプリコーディングを決定する方法であり、次の実施形態でより詳しく説明する。
【0108】
基地局が黙示的に定義したプリコーディングを使用する場合、基地局は、ステップ921で、PDCCHを伝送することを要求せず、特定プリコーディングを指示し、リソース節減効果とULチャンネル状態に最も適合したプリコーディングを適用できるAMCの長所とを比較してPDCCHを伝送するか否かを判定する。このように、本発明は、基地局が自由にリソースを運用可能なようにする。
【0109】
図10は、本発明の一実施形態により、UL MIMOをサポートするUEでプリコーディング方式を決定する手順を示す。
【0110】
図10の手順は、従来の
図8の手順と一部重複される。したがって、下記では、
図10の手順と従来の
図8の手順との間の差を中心に説明する。
【0111】
従来の
図8の手順において、PHICHからACKが一つのTBに対して受信され、NACKが他のTBに対して受信される場合、UEの動作は、定義することができない(
図8のステップ819)。しかしながら、この場合、本発明の実施形態では、
図10のステップ1019を遂行する。
図10のステップ1001〜1017は、
図8のステップ801〜817の動作と同様である。ステップ1001〜1017において、UEは、UL許可用PDCCHを受信して復号化を試み、PDCCHの復号化が成功した場合にNDIが切り替えられたか否かを判定し、PDCCHで指示されたPMIを反映してプリコーディングしたPUSCHを伝送し、PDCCHの復号化が失敗した場合(又は、PDCCHが伝送されない場合)にPHICHを受信し、PHICHに含まれるTBに関するACK/NACK情報が2個のTB両方に対してACKを受信することを示す場合にPUSCHを伝送し、2個のTB両方に対してNACKを受信する場合、最近受信したUL許可で指示した伝送特性を反映してPUSCHを再伝送する。
【0112】
ステップ1019で、UEは、PUSCHの再伝送において、プリコーディングとRVを除いたすべての伝送特性を最近受信したUL許可の値に維持し、RVは従来の規則によって決定し、黙示的に決定されたプリコーディング方式を使用する。本発明により再伝送で使用されるプリコーディングを黙示的に決定する方法について、基地局とUEとの間で予め約束されている。したがって、UEが一つのTBに対してACKを受信し、他のTBに対してNACKを受信する場合、UEは、ステップ1019で、PHICHのみを受信してUL MIMO方式でPUSCH再伝送を遂行することができる。
【0113】
再伝送で使用されるプリコーディングを黙示的に決定する方法は、次の実施形態について具体的に説明される。次の実施形態で提案されるプリコーディング決定方式によって、基地局は、
図9のステップ921を遂行し、UEは、
図10のステップ1019を遂行する。
【0114】
図11は、本発明の第1の実施形態により、再伝送時にUEで遂行されるプリコーディング決定方法を示す。
【0115】
図11を参照すると、UEは、ステップ1101で、PHICHを受信して復号化し、ステップ1103で、PHICHにより受信されたACK/NACK情報がACKであるか否かを判定する。その判定結果、3つの異なるケースに分類される。ケース1で、ACKが2個のTB両方に対して受信される場合、UEは、ステップ1105で、PUSCHの再伝送を終了し、プリコーディング情報を必要としない。ケース2で、ACKが一つのTBに対して受信され、NACKは他のTBに対して受信される場合、UEは、ステップ1109で、どのTBに対してACKを受信したかを具体的に確認する。ケース3において、NACKは2個のTB両方に対して受信される場合、UEは、ステップ1107で、初期許可で指示されるプリコーディングを再伝送で再使用するように決定する。
【0116】
ステップ1109で、ACKが一つのTBに対して受信されるが、他のTBに対してはNACKが受信される場合、UEは、どのTBに対してACKを受信したかを決定する。(ACK,NACK)が識別されるケース1で、ACKはTB1に対して識別され、NACKはTB2に対して識別されると仮定する。この場合、UEは、ステップ1111と以後のステップを遂行する。(NACK,ACK)が確認されるケース2において、NACKはTB1に対して識別され、ACKはTB2に対して識別されると仮定する。この場合、UEは、ステップ1117と以後のステップを遂行する。
【0117】
ステップ1111は、PUSCHの初期伝送で使用されるランクを判断するプロセスに対応する。初期伝送で、UL MIMOにより2個のTBが伝送されると仮定するので、初期ランクは、常に2以上である。ステップ1111の判断によって初期ランクが2であるケース1-1において、UEは、ステップ1113を遂行し、初期ランクが2を超えるケース1-2では、ステップ1115を遂行する。ステップ1113で、UEは、PDCCHの受信なしに、初期伝送で使用されるプリコーディング行列の最後の列ベクトルを再伝送向けのプリコーディング行列(又は、再伝送プリコーディング行列)として黙示的に決定する。<表1>に示すように、2個のTBが伝送される場合、TB1は、プリコーディング行列の最初の1個又は2個の列ベクトルを使用し、TB2は、プリコーディング行列の最後の1個又は2個の列ベクトルを使用する。ステップ1111以後の動作は、(ACK,NACK)状況で遂行され、TB2が再伝送されなければならないので、最後の列ベクトルは再伝送に使用される。ステップ1113は、初期ランクが2であるケース1-1で遂行され、ランクが2である場合、各TBは、初期伝送で一つの階層を占有する。したがって、TB2が再伝送でも一つの階層を占有しなければならないため、最後の列ベクトルのみが取られて再伝送向けのプリコーディング行列として決定される。ステップ1115で、初期伝送で使用されるプリコーディング行列のうち、最後の2個の列ベクトルを再伝送プリコーディング行列として決定する。ステップ1115で、初期ランクが3又は4である場合に遂行され、この場合、TB2は、初期伝送で<表1>のように2個の階層を占める。したがって、再伝送でも、最後の2個の列ベクトルが取られてプリコーディング行列として決定され、それによってTB2は2階層を占有できる。
【0118】
ステップ1109で、PHICHにより搬送されたACK/NACK情報が(NACK,ACK)として識別されると判断したケース2において、UEは、ステップ1117でPUSCHの初期伝送で使用されるランクを判定する。ここで、UL MIMOにより初期伝送で、2個のTBが伝送されると仮定するので、初期ランクは、常に2以上である。ステップ1117で、初期ランクが4より小さいと判定されるケース2-1で、UEは、ステップ1119を遂行し、初期ランクが4であるケース2-2で、UEは、ステップ1121を遂行する。ステップ1119は、初期伝送で使用されるプリコーディング行列の最初の列ベクトルを再伝送プリコーディング行列として決定する。ステップ1119以後の動作は、(NACK,ACK)状況で遂行され、TB1は、再伝送されなければならないので、プリコーディング行列の第1の列ベクトルの再伝送に使用される。ステップ1119は、初期ランクが2又は3である場合に遂行され、ランクが2又は3である場合、初期伝送でTB1は、一つの階層を占有する。したがって、再伝送でもTB1が一つの階層を占有しなければならないので、最初の列ベクトルのみが取られ、再伝送プリコーディング行列として決定される。ステップ1121は、初期伝送で使用されたプリコーディング行列のうち、最初の2個の列ベクトルを再伝送プリコーディング行列として決定する。ステップ1121は、初期ランクが4である場合に遂行され、この場合、TB1は、初期伝送で<表1>のように2階層を占有する。したがって、再伝送でも、TB1が2階層を占有できるように、最初の2個の列ベクトルを取って再伝送プリコーディング行列として決定する。
【0119】
要するに、初期伝送で使用されるプリコーディング行列は再伝送でそのまま再使用するが、成功的に受信されたTBを送信するための階層では信号を伝送しない。したがって、本発明の第1の実施形態では、再伝送プリコーディング行列を決定する方法は、成功的に受信したTB階層の点滅(blanking)方法として称することができる。
【0120】
第1の実施形態の具体的な例を説明すると、次のようである。初期伝送でプリコーディング行列として、下記の式(2)に示す行列P0は、プリコーディング行列として使用される。
【0122】
初期伝送で、TB1は、式(3)の行列P1を用いてプリコーディングされ、TB2は、下記の式(3)の行列P2を用いてプリコーディングされる。
【0124】
UEは、PHICHから(NACK,ACK)を受信すると、TB1を再伝送しなければならないので、行列P1を再伝送向けのプリコーディング行列として使用する。(ACK、NACK)を受信すると、TB2を再伝送しなければならないので、行列P2を再伝送向けのプリコーディング行列として使用する。
【0125】
再伝送で使用されるプリコーディング行列を黙示的に決定した後、UEは、ステップ1123で、PUSCH送信に対して伝送電力をXdBだけ増加させる。すなわち、黙示的電力増加(boosting)を遂行する。伝送電力を増加させる程度は、使用するプリコーディング行列によって可変的である。第1の実施形態によると、再伝送ではUEのすべての送信アンテナを再伝送に使用することができない。したがって、使用するアンテナ数は再伝送で減少する。UEは送信アンテナをさらに多く使用すると、送信電力をより多く活用できることにもかかわらず、実際には使用できない。この問題を解決するために、再伝送と初期伝送で使用するアンテナ数の比率だけ黙示的に再伝送時に伝送電力を増加させることができる。例えば、初期伝送で使用したアンテナの数が4であり、再伝送では、使用するアンテナの数が2であると、比率は4/2=2になり、3dB(X=3)だけ伝送電力を増加させる。一方、上記した実施形態ではPUSCH送信時に黙示的電力増加(implicit power boosting)を遂行する方法を説明し、他の実施形態としてPUSCH伝送電力を増加させることができる条件でも、他のユーザーに及ぼす干渉量を減少するためにPUSCH伝送電力を増加させない、もう一つの方法を定義することができる。
【0126】
図12は、本発明の第1の実施形態により、再伝送時に基地局で遂行されるプリコーディング決定方法を示す。
図12の手順は、
図9のステップ921で遂行されると仮定する。
図12のステップ1205〜1221で基地局により再伝送時にUEが使用したプリコーディング方式を決定する方法は、
図11のステップ1105〜1121でUEがプリコーディング方式を決定(定義)する方式と同一であることに留意すべきである。
【0127】
図12を参照すると、基地局は、UEにより伝送されたPUSCHを受信及び復号化し、ステップ1203でPUSCHの復号化が成功したか否かを判定し、復号化の結果が、PHICHを介してUEに伝送されるACK/NACK情報がACKであるかあるいはNACKであるかを判定する。その判定結果は、3つのケースに分類される。ケース1は、2個のTB両方が成功的に復号化されて
図9のステップ909で(ACK,ACK)が伝送される場合である。この場合、基地局は、ステップ1205で、UEがPUSCHの再伝送を終了すると仮定し、プリコーディング情報が要求されない。ケース2で、
図9のステップ911,913のように、一つのTBに対してはACKが伝送されるが、他のTBに対してはNACKが伝送される。この場合、基地局は、ステップ1209で、どのTBに対してACKを伝送したか否かを具体的に判定する。ケース3で、2個のTB両方に対して成功的に復号化されず、
図9のステップ915で、両TBに対して(NACK,NACK)が伝送される。この場合、ステップ1207で、基地局は、UEが初期許可で指示されたプリコーディングを再伝送で再使用すると仮定する。
【0128】
ステップ1209で、ACKが一つのTBに対して送信されるが、他のTBに対してはNACKが送信される場合、基地局は、どのTBに対してACKを送信したかを決定する。(ACK,NACK)が識別されるケース1で、ACKはTB1に対して識別され、NACKはTB2に対して識別されると仮定する。この場合、基地局は、ステップ1211と以後のステップを遂行する。(NACK,ACK)が確認されるケース2において、NACKはTB1に対して識別され、ACKはTB2に対して識別されると仮定する。この場合、基地局は、ステップ1217と以後のステップを遂行する。
【0129】
ステップ1211は、ケース1で、PUSCHの初期伝送で使用されるランクを判断するプロセスに対応する。初期伝送で、UL MIMOにより2個のTBが伝送されると仮定するので、初期ランクは、常に2以上である。ステップ1211の判断によって初期ランクが2であるケース1-1において、基地局は、ステップ1213を遂行し、初期ランクが2を超えるケース1-2では、基地局はステップ1215を遂行する。ステップ1213で、基地局は、初期伝送で使用されるプリコーディング行列の最後の列ベクトルを、UEにより使用される再伝送向けのプリコーディング行列として黙示的に決定する。ステップ1215で、基地局は、初期伝送で使用されるプリコーディング行列の最後の2個の列ベクトルを、UEにより使用される再伝送向けのプリコーディング行列として黙示的に決定する。
【0130】
一方、ケース2で、基地局は、ステップ1217で、PUSCHの初期伝送で使用されるランクを判定する。ここで、UL MIMOにより初期伝送で、2個のTBが伝送されると仮定するので、初期ランクは、常に2以上である。ステップ1217で、初期ランクが4より小さいと判定される場合、基地局は、ステップ1219を遂行し、初期ランクが4であるケース2−2で、基地局は、ステップ1221を遂行する。ステップ1219で、基地局は、初期伝送で使用されるプリコーディング行列の最初の列ベクトルを再伝送向けのプリコーディング行列として黙示的に決定する。ステップ1221で、基地局は、初期伝送で使用したプリコーディング行列の最初の2個の列ベクトルを再伝送向けのプリコーディング行列として黙示的に決定する。
【0131】
ステップ1213,1215,1219,1221で各々決定される再伝送向けのプリコーディング行列が上記のように決定される理由に対して、
図11を参照して詳細に説明する。
【0132】
図11及び
図12に説明したように、UEと基地局は、例えば、2個のTBに対してACK/NACK情報が(ACK,NACK)又は(NACK,ACK)として識別される場合、再伝送時に使用されるプリコーディング方式を同一に黙示的に決定することによって、再伝送時にプリコーディング方式を指示するPDCCHの送受信が要求されず、その結果、PDCCHの頻繁な送受信による伝送負荷を低減することができる。
【0133】
本発明の第2の実施形態の基本概念は、再伝送で使用されるプリコーディング行列が予め決定されている。このために、本発明の第2の実施形態では、デフォルトコードブックの概念は、新たに定義され、このデフォルトコードブック内に定義されているプリコーディング行列のうちいずれか一つを選択して再伝送に使用する。一つ以上のプリコーディング行列は、デフォルトコードブック内に定義されている。一つのプリコーディング行列のみがデフォルトコードブックに定義されている場合、プリコーディング行列のみを再伝送で使用すればよい。一方、複数のプリコーディング行列がデフォルトコードブックに定義されている場合、プリコーディング行列は、 再伝送で所定の規則に従って複数のプリコーディング行列の中から選択して使用される。再伝送でプリコーディング行列を選択する規則では、次のような方法がある。
【0134】
i)RV値によってプリコーディング行列を選択:LTEシステムにおいて、総4個のRVが定義されているので、この規則を使用するデフォルトコードブックは、4個のプリコーディング行列を含む。LTEシステムでは、UL HARQは、再伝送ごとに相互に異なるRVを伝送するように設定され、それによって再伝送ごとに相互に異なるプリコーディング行列を適用する効果を有する。この規則は、TBが初期伝送で成功的に復号化されない場合、AMCが正確に動作しないと見なして再伝送では最大限空間ダイバシティ利得を得るためである。
【0135】
ii)システムフレーム番号又はサブフレーム番号に従ってプリコーディング行列を選択:LTEシステムにおいて、システムフレーム番号とサブフレーム番号は、時間ドメインでリソースに番号付けるために定義されている。LTEシステムでは、10msのリソースであるシステムフレームは、10個のサブフレームを含む。サブフレームは、1msのリソースであり、サブフレーム番号は、システムフレームごとに初期化される。例えば、Q個のプリコーディング行列がデフォルトコードブックで定義されると仮定する。再伝送が発生する時間リソースのシステムフレーム番号がnSFNで表され、サブフレーム番号はnで表されると、kは、下記の式(4)により計算され、デフォルトコードブックのk番目の行列は、プリコーディング行列として使用される。ここで、‘mod(A,B)’は、AをBで割って得られる余りである。システムフレーム番号がプリコーディング行列を決定するための入力因子として使用される場合、‘k=mod(nSFN,Q)’を利用する。サブフレーム番号がプリコーディング行列を決定するための入力因子として使用される場合、‘k=(n,Q)’がプリコーディング行列を決定するのに使用される。この規則は、再伝送で空間ダイバシティ利得を獲得するためのものである。
【0137】
図13は、本発明の第2の実施形態により、再伝送時にUEで遂行されるプリコーディング決定方法を示す。そのステップ1301〜1317は、
図11のステップ1101〜1117の動作と同一である。
【0138】
図13を参照すると、ステップ1311でUEがPHICHから(ACK,NACK)を受信し、初期ランクが2であるケース1−1で、UEは、ステップ1313で、Aタイプのデフォルトランク-1コードブック内のプリコーディング行列を使用することに決定する。ケース1-2で、ステップ1311でPHICHから(ACK,NACK)を受信し、初期ランクが2を超える場合、UEは、ステップ1315で、Aタイプのデフォルトランク-2コードブック内のプリコーディング行列を使用することを決定する。Aタイプのデフォルトコードブックは、2番目のTBの再伝送向けである。デフォルトコードブック内でプリコーディング行列を選択する方法は、(i)RV値によってプリコーディング行列を選択する規則と、(ii)システムフレーム番号又はサブフレーム番号によってプリコーディング行列を選択する規則のいずれか一つに従う。
【0139】
ステップ1317で、UEがPHICHから(NACK,ACK)を受信し、初期ランクが4より小さいケース2-1では、UEは、ステップ1319で、Bタイプのデフォルトランク-1コードブック内のプリコーディング行列を使用することに決定する。ステップ1317で、PHICHから(NACK,ACK)を受信し、初期ランクが4であるケース2-2において、UEは、ステップ1321で、Bタイプのデフォルトランク-2コードブック内のプリコーディング行列を使用することに決定する。Bタイプのデフォルトコードブックは、最初のTBの再伝送に使用され、デフォルトコードブックでプリコーディング行列を選択する方法は、規則(i)、(ii)のうちいずれか一つに従う。
【0140】
上記でAタイプのデフォルトコードブックとBタイプのデフォルトコードブックが別々に定義されているが、AタイプのデフォルトコードブックとBタイプのデフォルトコードブックは、デフォルトコードブックがTBの再伝送に関係なく定義されている場合、相互に同一に設計され得る。その代わりに、デフォルトコードブックのどのプリコーディング行列が再伝送で使用されるかを具体的に決定する規則は、TB別に違うことがある。
【0141】
つまり、RVの機能又は時間リソース番号を用いて、プリコーディング行列は、初期伝送で使用されるプリコーディング行列に関係なく、再伝送で伝送されるTBと遂行されるランク伝送によって定義されるデフォルトコードブックで選択される。したがって、この方法は、デフォルトコードブック方法と呼ばれる。
【0142】
図14は、本発明の第2の実施形態により、再伝送時に基地局で遂行されるプリコーディング決定方法を示す。
【0143】
図14の手順は、
図9のステップ921で遂行されると仮定する。
図14のステップ1405〜1421で、基地局により再伝送時にUEが使用するプリコーディング方式を決定(仮定)する方法は、
図13のステップ1305〜1321でUEによりプリコーディング方式を決定(定義)する方式と同様であることに留意すべきである。
図14のステップ1401〜1417が
図12のステップ1201〜1217の動作と同一であるため、その詳細な説明を省略する。
【0144】
図14を参照すると、ステップ1411で2個のTBに対する復号化結果が(ACK,NACK)であり、初期ランクが2であるケース1-1で、基地局は、ステップ1413でUEがAタイプのデフォルトランク-1コードブックのプリコーディング行列を使用すると決定(仮定)する。ステップ1411で、2個のTBに対する復号化結果が(ACK,NACK)であり、初期ランクが2を超えるケース1-2で、基地局は、ステップ1415で、UEがAタイプのデフォルトランク-2コードブックのプリコーディング行列を使用すると決定(仮定)する。
【0145】
一方、ステップ1417で、2個のTBに対する復号化結果が(NACK,ACK)であり、初期ランクが4より小さいケース2-1で、基地局は、ステップ1419で、UEがBタイプのデフォルトランク-1コードブックのプリコーディング行列を使用すると決定(仮定)する。ステップ1417で、2個のTBに対する復号化結果が(NACK,ACK)であり、初期ランクが4であるケース2-2で、基地局は、ステップ1415で、UEがBタイプのランク-2デフォルトコードブックのプリコーディング行列を使用すると決定(仮定)する。
【0146】
Aタイプのデフォルトコードブックは、2番目のTBの再伝送に使用され、Bタイプのデフォルトコードブックは最初のTBの再伝送に使用される。AタイプのデフォルトコードブックとBタイプのデフォルトコードブックで基地局によりプリコーディング行列を選択する方法は、(i)RV値によってプリコーディング行列を選択する規則と、(ii)システムフレーム番号又はサブフレーム番号によってプリコーディング行列を選択する規則のいずれか一つに従う。
【0147】
第3の実施形態の基本概念は、再伝送で使用されるプリコーディング行列がPUSCHの初期許可で指示したプリコーディング行列と関数関係を有するコードブックで選択されることである。この関数関係に対して、行列に適用可能な公知の多様な関数式が使用され得る。このため、本発明の実施形態では、‘母子対(mother-child pair)’は、プリコーディング行列で新たに定義される概念である。PUSCHの初期許可で指示されるプリコーディング行列が母プリコーディング行列となり、母プリコーディング行列の関数から決定された関数関係により定義される子コードブック内のプリコーディング行列のうちいずれか一つを選択して再伝送に使用する。この子コードブック内に定義されているプリコーディング行列のうちいずれか一つを選択して再伝送に使用する。一つ以上のプリコーディング行列はデフォルトコードブック内に定義されている。一つのプリコーディング行列のみが子コードブックに定義されている場合、プリコーディング行列のみを再伝送で使用すればよい。一方、複数のプリコーディング行列が子コードブックに定義されている場合、プリコーディング行列は、 再伝送で所定の規則に従って子コードブックの中から選択して使用される。再伝送でプリコーディング行列を選択する規則で、下記のように第2の実施形態で言及した規則を使用できる。
i)RV値によってプリコーディング行列を選択 ii)システムフレーム番号又はサブフレーム番号によってプリコーディング行列を選択
【0148】
子コードブックを用いる技術的根拠は、次のようである。チャンネルの空間特性(spatial signature)が初期伝送と再伝送との間で大きく変更されない場合、母プリコーディング行列と類似した子プリコーディング行列を使用することがMIMO利得を増加させるのに役に立つ。したがって、使用された母プリコーディング行列に従って、子プリコーディング行列に対して決定される関数関係が与えられる。MIMO利得が一つの子プリコーディング行列の定義にもかかわらず高くない場合、複数の子プリコーディング行列は子コードブックとして定義され、一つの子プリコーディング行列は、上記規則に従って再伝送で選択して使用することができる。
【0149】
図15は、本発明の第3の実施形態により、再伝送時にUEで遂行されるプリコーディング決定方法を示す。
図15のステップ1501〜1517は、
図11のステップ1101〜1117の動作と同一であるので、その詳細な説明を省略する。
【0150】
図15を参照すると、ステップ1511でUEがPHICHから(ACK,NACK)を受信し、初期ランクが2であるケース1−1で、UEは、ステップ1513で、Aタイプのランク-1子コードブック内のプリコーディング行列を使用することに決定する。上記したように、子コードブックは、初期伝送で使用されるプリコーディング行列から所定の関数関係を用いて定義される。ケース1-2で、ステップ1511でPHICHから(ACK,NACK)を受信し、初期ランクが2を超える場合、UEは、ステップ1515で、Aタイプのランク-2子コードブック内のプリコーディング行列を使用することに決定する。Aタイプの子コードブックは、2番目のTBの再伝送向けである。子コードブック内でプリコーディング行列を選択する方法は、規則(i)及び(ii)のうちいずれか一つに従う。
【0151】
ステップ1517で、UEがPHICHから(NACK,ACK)を受信し、初期ランクが4より小さいケース2-1では、UEは、ステップ1519で、Bタイプのランク-1子コードブック内のプリコーディング行列を使用することに決定する。ステップ1517で、PHICHから(NACK,ACK)を受信し、初期ランクが4であるケース2-2において、UEは、ステップ1521で、Bタイプのランク-2子コードブック内のプリコーディング行列を使用することに決定する。Bタイプの子コードブックは、最初のTBの再伝送に使用される。子コードブックでプリコーディング行列を選択する方法は、規則(i)、(ii)のうちいずれか一つに従う。
【0152】
上記でAタイプの子コードブックとBタイプの子コードブックが別々に定義されているが、Aタイプの子コードブックとBタイプの子コードブックは、子コードブックがTBの再伝送に関係なく定義されている場合、相互に同一に設計され得る。その代わりに、子コードブックのどのプリコーディング行列が再伝送で使用されるかを具体的に決定する規則は、TB別に違うことがある。
【0153】
つまり、RVの機能又は時間リソース番号(例えば、システムフレーム番号とサブフレーム番号)を用いて、プリコーディング行列は、初期伝送で使用されるプリコーディング行列に関係なく、再伝送で伝送されるTBと遂行されるランク伝送によって定義される子コードブックで選択される。したがって、この方法は、母子対方法と呼ばれる。
【0154】
図16は、本発明の第3の実施形態により、再伝送時に基地局で遂行されるプリコーディング決定方法を示す。
【0155】
図16の手順は、
図9のステップ921で遂行されると仮定する。
図16のステップ1605〜1621で、基地局により再伝送時にUEが使用するプリコーディング方式を決定(仮定)する方法は、UEにより、
図5のステップ1505〜1521でプリコーディング方式を決定(定義)する方式と同様であることに留意すべきである。
図16のステップ1601〜1617が
図12のステップ1201〜1217の動作と同一であるため、その詳細な説明を省略する。
【0156】
図16を参照すると、ステップ1611で2個のTBに対する復号化結果が(ACK,NACK)であり、初期ランクが2であるケース1-1で、基地局は、ステップ1613でUEがAタイプのデフォルトランク-1コードブックのプリコーディング行列を使用すると決定(仮定)する。上記したように、子コードブックは、初期伝送で使用されるプリコーディング行列から所定の関数関係を用いて定義される。ステップ1611で、2個のTBに対する復号化結果が(ACK,NACK)であり、初期ランクが2を超えるケース1-2で、基地局は、ステップ1615で、UEがAタイプのランク-2子コードブックのプリコーディング行列を使用すると決定(仮定)する。
【0157】
一方、ステップ1617で、2個のTBに対する復号化結果が(NACK,ACK)であり、初期ランクが4より小さいケース2-1で、基地局は、ステップ1619で、UEがBタイプのデフォルトランク-1子コードブックのプリコーディング行列を使用すると決定(仮定)する。ステップ1617で、2個のTBに対する復号化結果が(NACK,ACK)であり、初期ランクが4であるケース2-2で、基地局は、ステップ1621で、UEがBタイプのランク-2子コードブックのプリコーディング行列を使用すると決定(仮定)する。
【0158】
Aタイプの子コードブックは、2番目のTBの再伝送に使用され、Bタイプの子コードブックは最初のTBの再伝送に使用される。Aタイプの子コードブックとBタイプの子コードブックで基地局によりプリコーディング行列を選択する方法は、(i)RV値によってプリコーディング行列を選択する規則と、(ii)システムフレーム番号又はサブフレーム番号によってプリコーディング行列を選択する規則のいずれか一つに従う。
【0159】
本発明の第4の実施形態の基本概念は、再伝送で使用されるプリコーディング行列がPUSCHの初期許可で一緒に通知(指示)されることである。この従来の方法では、初期伝送で使用されるプリコーディング行列は、初期許可でPMIにより指示される。しかしながら、本発明の第4の実施形態は、初期伝送で使用されるプリコーディング行列に加えて、PHICHのみに応答して再伝送を遂行しなければならない場合に使用されるプリコーディング行列、あるいはその候補グループは、初期伝送でPMIによって追加して指示され得る。初期許可のPMIにより指示される再伝送のためのプリコーディング行列候補グループは、再伝送向けのコードブック(又は再伝送コードブック)として呼ばれる。一つ以上のプリコーディング行列は、再伝送向けのコードブックに定義されている。一つのプリコーディング行列のみが再伝送向けのコードブックに定義されている場合、プリコーディング行列のみが再伝送で使用できる。そうでないと、複数のプリコーディング行列が再伝送向けのコードブックに定義されている場合、プリコーディング行列は、再伝送では特定規則に従って選択して使用される。再伝送でプリコーディング行列を選択する規則では、第2の実施形態で言及した下記の規則が使用され得る。
i)RV値によってプリコーディング行列を選択
ii)システムフレーム番号又はサブフレーム番号によってプリコーディング行列を選択
【0160】
再伝送向けのコードブックを用いる技術的根拠は、本発明の第3の実施形態と同様である。特に、チャンネルの空間特性(spatial signature)が初期伝送と再伝送との間で大きく変更される場合、初期伝送で使用されるプリコーディング行列と類似したプリコーディング行列を再伝送のために使用することは、MIMO利得を高めることに助けになる。しかしながら、基地局は、どのプリコーディング行列を使用することがMIMO利得を増加させるのに役に立つことを最もよくわかる。したがって、再伝送向けのコードブックは、初期許可で共に指示される。
【0161】
図17は、本発明の第4の実施形態により、再伝送時にUEで遂行されるプリコーディング決定方法を示す。
【0162】
図17でステップ1701〜1717は、
図11のステップ1101〜1117の動作と同一であるので、その詳細な説明は省略する。
【0163】
図17を参照すると、ステップ1711で、PHICHから(ACK,NACK)を受信し、初期ランクが2であるケース1-1で、UEは、ステップ1713で、Aタイプのランク-1再伝送コードブックのプリコーディング行列を使用することに決定する。上記したように、Aタイプのランク-1再伝送コードブックは、初期許可で指示されると仮定する。ステップ1711で、PHICHから(ACK,NACK)を受信し、初期ランクが2を超えるケース1-2で、UEは、ステップ1715で、Aタイプのランク-2再伝送コードブックのプリコーディング行列を使用する。同様に、上記のように、Aタイプのランク-2再伝送向けのコードブックは、初期許可で通知されると仮定する。Aタイプのランク-2再伝送向けのコードブックは、2番目のTBの再伝送に使用される。再伝送コードブックでプリコーディング行列を選択する方法は、本発明の第2の実施形態で示した規則のうちいずれか一つを利用できる。
【0164】
また
図17を参照すると、UEは、ステップ1717で、PHICHから(NACK、ACK)を受信し、初期ランクが4より小さいケース2-1で、UEは、ステップ1719で、Bタイプのランク-1再伝送コードブックのプリコーディング行列を使用することに決定する。上記したように、Bタイプのランク-1再伝送コードブックは、初期許可で指示されると仮定する。ステップ1717で、PHICHから(NACK,ACK)を受信し、初期ランクが4であるケース2-2で、UEは、ステップ1717で、Bタイプのランク-2再伝送コードブックのプリコーディング行列を使用することに決定する。同様に、上記したように、Bタイプのランク-2再伝送コードブックは、初期許可で指示されると仮定する。Bタイプランク-2再伝送コードブックは、最初のTBの再伝送に使用される。再伝送コードブックでプリコーディング行列を選択する方法では、上記した本発明の第2の実施形態で示した規則のうちいずれか一つを利用できる。
【0165】
Aタイプの再伝送コードブックとBタイプの再伝送コードブックは上記で別々に定義されたが、このAタイプの再伝送コートブックとBタイプの再伝送コードブックは、再伝送コードブックによりどのTBが再伝送されるかに関係なく、再伝送コードブックが定義されている場合には相互に一致するように設計できる。その代わりに、再伝送コードブックのどのプリコーディング行列が再伝送に使用されるかを決定する規則は、TB別に違うことがある。
【0166】
つまり、初期許可で指示したPMI値により再伝送のためのプリコーディング行列候補グループが決定され、再伝送でどのランク伝送が遂行され、どのTBが送信されるかに従って決定される再伝送コードブックで、RV又は時間リソースの番号(例えば、システムフレーム番号及びサブフレーム番号)の関数を用いてプリコーディング行列が選択される。したがって、このような方法は、PDCCHで指示する方法として称することができる。
【0168】
<表4>は、本発明の第4の実施形態により、再伝送向けのコードブックを決定する具体的な例を示す。<表4>の例は、UEが2個の送信アンテナを有する場合にPDCCHで知らせるPMI値がどのプリコーディングを決定するために与えられる。‘PDCCHによる伝送で使用されるプリコーディング行列’とは、PUSCHの初期伝送、又はPDCCHによるPUSCHの再伝送で使用されるプリコーディング行列を含む。PMIがPDCCHに指定されているので、PDCCHによるPUSCHの伝送では、PUSCHが初期伝送か再伝送かにかかわらず、UEは、PMI値からどのプリコーディング行列を使用すべきであるかを決定する。‘PDCCHの伝送なしに再伝送で使用されるプリコーディング行列’とは、PMIを具体的に知らせるPDCCHの伝送なしに、(ACK,NACK)又は(NACK,ACK)を指示するPHICHのみで、一つのTBに対する再伝送が要求される場合に使用されるプリコーディング行列を意味する。<表4>の例では、再伝送コードブックは、PDCCHなしに再伝送で使用されるプリコーディング行列で一つのプリコーディング行列として定義される。
【0169】
例えば、PMI3を用いるPUSCHの初期伝送がPDCCHにより指示されると仮定する。UEは、行列Aをプリコーディング行列としてPUSCHを伝送する。このPUSCH伝送がランク-1伝送であるため、UEは、一つのTBのみを伝送する。したがって、ACKが発生すると、再伝送が必要でなく、NACKが発生すると、UEは、従来の行列Aを再伝送向けのプリコーディング行列として使用することができる。<表4>で、PDCCHなしに再伝送で使用されるプリコーディング行列がPMI0〜5に対して定義されない理由は、これらPMIに対して、初期伝送自体が一つのTB伝送であるため、(ACK,NACK)及び(NACK,ACK)のようなPHICH応答が定義されないためである。
【0170】
他の例として、<表4>でPDCCHがPMI8を用いるPUSCHの初期伝送を指示すると仮定する。UEは、行列Bを用いてプリコーディング行列としてPUSCHを伝送する。このPUSCH伝送がランク-2伝送であるため、UEは、2個のTBを伝送する。(ACK,ACK)が発生すると、再伝送が必要でなく、(NACK,NACK)が発生すると、UEは、行列Bを再伝送向けのプリコーディング行列として使用すればよい。(ACK,NACK)と(NACK,ACK)などのPHICHを受信すると、UEは、一つのTBを再伝送する必要があり、ランク-1プリコーディング行列として行列Cを利用する。
【0171】
図18は、本発明の第4の実施形態により、再伝送時に基地局で遂行されるプリコーディング決定方法を示す。
【0172】
図18の手順は、
図9のステップ921で遂行されると仮定する。
図18のステップ1805〜1821で、基地局により再伝送時に使用されるプリコーディング方式を決定(仮定)する方法は、
図17のステップ1705〜1721で、UEが、 プリコーディング方式を決定(定義)する方法と同一であることに留意すべきである。
【0173】
図18は、本発明の第4の実施形態により、再伝送時に基地局で遂行されるプリコーディング決定方法を示す。
【0174】
図18の手順は、
図9のステップ921で遂行されると仮定する。
図18のステップ1805〜1821において、基地局により再伝送時にUEが使用するプリコーディング方式を決定(仮定)する方法は、UEにより、
図17のステップ1705〜1721でプリコーディング方式を決定(定義)する方式と同様であることに留意すべきである。
図18のステップ1801〜1817が
図12のステップ1201〜1217の動作と同一であるため、その詳細な説明を省略する。
【0175】
図18を参照すると、ステップ1811で2個のTBに対する復号化結果が(ACK,NACK)であり、初期ランクが2であるケース1-1で、基地局は、ステップ1813でUEがAタイプのランク-1再伝送コードブックのプリコーディング行列を使用すると決定(仮定)する。上記したように、Aタイプのランク-1再伝送コードブックは、初期許可で指示される。ステップ1811で、2個のTBに対する復号化結果が(ACK,NACK)であり、初期ランクが2を超えるケース1-2で、基地局は、ステップ1815で、UEがAタイプのランク-2再伝送コードブックのプリコーディング行列を使用すると決定(仮定)する。同様に、上記したように、Aタイプのランク-2再伝送コードブックは初期許可で指示される。
【0176】
ステップ1817で、2個のTBに対する復号化結果が(NACK,ACK)であり、初期ランクが4より小さいケース2-1で、基地局は、ステップ1819で、UEがBタイプのランク-1再伝送コードブックのプリコーディング行列を使用すると決定(仮定)する。ステップ1817で、2個のTBに対する復号化結果が(NACK,ACK)であり、初期ランクが4であるケース2-2で、基地局は、ステップ1821で、UEがBタイプのランク-2再伝送コードブックのプリコーディング行列を使用すると決定(仮定)する。同様に、上記したように、Bタイプのランク-2再伝送コードブックは初期許可で指示される。
【0177】
Aタイプの再伝送コードブックは、2番目のTBの再伝送に使用され、Bタイプの再伝送コードブックは最初のTBの再伝送に使用される。Aタイプの子コードブックとBタイプの子コードブックで基地局によりプリコーディング行列を選択する方法は、(i)RV値によってプリコーディング行列を選択する規則と、(ii)システムフレーム番号又はサブフレーム番号によってプリコーディング行列を選択する規則のいずれか一つに従う。
【0178】
本発明の第5の実施形態の基本概念は、再伝送で使用されるプリコーディング行列をPHICHで指示されることである。従来の方法において、PHICHは、ACK/NACK情報を示す。UL MIMOの導入以前では、PHICHは、1ビットのACK又はNACK情報を示す物理階層チャンネルであった。1ビット情報を符号化する最適の方法は、反復符号化である。しかしながら、UL MIMOの導入のため、2個のTBに関するACK又はNACK情報が提供されなければならないので、2ビットの情報はPHICHにより伝送すべきである。本発明の第5の実施形態において、このPHICH情報が1ビットから2ビットに増加するので、PHICHは、ACK/NACK情報を示すだけでなく、(ACK,NACK)/(NACK,ACK)情報による再伝送で使用されるコードブックを示し、情報量を増加させるのに使用される。例えば、UL MIMOをサポートするPHICHが3ビット情報を含むように設計されると、下記の<表5>に示すようにPHICHを用いる再伝送のプリコーディング行列指示をサポートできる。
【0180】
<表5>の例は、PHICHにより、具体的に再伝送でどのプリコーディング行列が使用されるかを決定するために与えられる。<表5>の例は、3ビットのPHICHを用いて指示するプリコーディング行列である。
【0181】
特に、<表5>は、PHICHにより指示される再伝送向けのコードブックに一つのプリコーディング行列を示す。<表5>の例のように、PHICHにより指示される再伝送コードブックに定義されたプリコーディング行列の数は、単数であるか、あるいは複数である。一つのプリコーディング行列のみが再伝送コードブックに定義されている場合、このプリコーディング行列のみが再伝送で使用すれ得る。そうでないと、複数のプリコーディング行列が再伝送向けのコードブックに定義されている場合、一定の規則に従ってプリコーディング行列を選択して使用する。再伝送でプリコーディング行列を選択する規則で、第2の実施形態で言及した次の規則を使用できる。 (i)RV値によってプリコーディング行列を選択 (ii)システムフレーム番号又はサブフレーム番号によってプリコーディング行列を選択
【0182】
本発明の第5の実施形態の長所は、基地局がPDCCHを伝送せずにPHICHを用いて直接プリコーディング行列を指示できるということである。基地局が、再伝送時に最適のプリコーディング行列を最もよく知っているが、PDCCHを用いて再伝送時に最適のプリコーディング行列を指示することは相対的に要求されるリソース量を増加させる。
【0183】
図19は、本発明の第5の実施形態により、再伝送時にUEで遂行されるプリコーディング決定方法を示す。
【0184】
図19を参照すると、UEは、ステップ1901で、PHICHを受信して復号化する。ここで、PHICHは、再伝送時にプリコーディング方式を示すためのnビット情報を含む物理階層チャンネルに設計され、総K個の状態を示すことができる。ここで、log2(K)≦nである。ステップ1903で、nビット情報を含むPHICHは、本発明の実施形態で定義されたPHICH状態により、次のような複数の状態を指示できる。
【0185】
ステップ1903で、PHICHが第1の状態を示す場合、UEは、ステップ1905で、2個のTBに対するACK/NACK情報が(ACK,ACK)であると判断し、PUSCH再伝送を終了する。第1の状態で、プリコーディング情報は、要求されない。ステップ1903で、PHICHが第2の状態を示す場合、UEは、ステップ1907で、2個のTBに対するACK/NACK情報が(ACK,NACK)であると判断し、2個のTBの再伝送プリコーディング行列を決定するためにコードブックAを使用する。ステップ1903で、PHICHが第3の状態を示す場合、UEは、ステップ1909で、2個のTBに対するACK/NACK情報が(ACK,NACK)であると判断し、2個のTBの再伝送プリコーディング行列を決定するためにコードブックBを使用する。ステップ1903で、PHICHが第kの状態を示す場合、ステップ1911で、UEは、2個のTBに対するACK/NACK情報が(NACK,ACK)であると判断し、2個のTBに対して再伝送プリコーディング行列を決定するためにコードブックDを使用する。最後に、ステップ1903でPHICHが第Kの状態を示す場合、UEは、ステップ1903で、2個のTBに対するACK/NACK情報を(NACK,NACK)であると判断し、1番目のTBと2番目のTB両方に対して再伝送プリコーディング行列を決定するためにコードブックZを使用する。
【0186】
要するに、RV又は時間リソース番号(例えば、システムフレーム番号及びサブフレーム番号)の関数を用いて、プリコーディング行列は、基地局によりPHICHを用いて提供される状態情報、再伝送で遂行されるランク伝送、及び伝送されるTBに従って決定される再伝送コードブックで選択される。したがって、このような方法によって、再伝送時に使用されるプリコーディング行列は、PHICHで指示できる。
【0187】
図20は、本発明の第5の実施形態により、再伝送時に基地局で遂行されるプリコーディング決定方法を示す。
【0188】
図20を参照すると、基地局は、ステップ2001で、PUSCHを受信して復号化する。ステップ2003で、基地局は、
図19のステップ1905〜1913で説明した2個のTBに対するACK/NACK情報を指示する該当復号状態を決定する。ここで、各復号化状態は、UEがPUSCHの再伝送時に使用する特定コードブックにマッピングされている。ステップ2005で、基地局は、復号状態を示す情報を含むPHICHを生成し、UEに伝送する。復号化状態を示す情報は、PHICHでnビット情報で総K個の状態を示すことができる。ここで、log2(K)≦nである。nビット情報を含むPHICHは、本発明の実施形態で定義するPHICHの状態により、
図19で説明した複数の状態を指示できる。したがって、基地局は、PDCCHを伝送することなく、復号化状態を示す情報を含むPHICHによって、UEに再伝送で使用されるプリコーディング行列を通知することができる。
【0189】
本発明の第6の実施形態は、UL MIMO伝送に応答するPHICHが2個のTBに対してACK/NACK情報を独立的に示すことでなく、一つのACK/NACKで示す場合に、再伝送で使用されるプリコーディング行列を決定する方法である。本発明の実施形態において、基地局は、2個のTBを共に復号した場合にのみACKを送信し、一つのTBだけでも復号化に失敗した場合にはNACKを送信する。すなわち、2個のTBがPUSCHを介して伝送されても、PHICHは、一つのACK/NACKのみを示す。基地局が一つのTBを成功的に復号化しても、UEがPHICHを通じてNACKを受信した場合、UEは、どのTBが復号化に失敗したかわからないので、2個のTB両方ともを再伝送しなければならない。本発明の実施形態において、NACKがPHICHから受信される場合、UEは、NACKを(NACK,NACK)と見なすわけである。
【0190】
従来技術によると、(NACK,NACK)状況では、以前の伝送で使用した伝送特性を用いて再伝送を遂行しなければならないので、以前のプリコーディング行列は、再伝送プリコーディングとして使用しなければならない。
【0191】
しかしながら、本発明の実施形態では、UEは、再伝送プリコーディング行列として以前のプリコーディング行列を用いる代わりに、所定のデフォルトコードブックで再伝送プリコーディング行列を選択してプリコーディングを遂行する。デフォルトコードブックは、ランク別に予め定められる。PHICHを通じて受信されるNACKがUL MIMO再伝送を要求する場合、UEは、デフォルトコードブックで一つ以上のプリコーディング行列のうちいずれか一つを選択してPUSCHをプリコーディングする。
【0192】
図21は、本発明の第6の実施形態により、再伝送時にUEで遂行されるプリコーディング決定方法を示す。
【0193】
図21で遂行される手順が、PHICHからNACKを受信した場合にステップ2117の動作を除き、
図4で説明した従来のUE動作と同一であるため、ステップ2101〜2115の詳細な説明を省略する。
【0194】
UEがDCCHを受信せずにPHICHからNACKを受信した場合UEはデフォルトコードブック内のプリコーディング行列を選択してPUSCH再伝送に使用する。一つ以上のプリコーディング行列は、デフォルトコードブック内に定義され得る。一つのプリコーディング行列のみがデフォルトコードブックに定義されている場合、このプリコーディング行列のみが再伝送で使用すれ得る。そうでないと、複数のプリコーディング行列がデフォルトコードブックに定義されていると、プリコーディング行列は、再伝送で特定規則に従って選択して使用する。再伝送でプリコーディング行列を選択する規則として、本発明の第2の実施形態で言及した次の規則を使用できる。
(i)RV値によってプリコーディング行列を選択
(ii)システムフレーム番号又はサブフレーム番号によってプリコーディング行列を選択
【0195】
図22は、本発明の第6の実施形態により、再伝送時に基地局で遂行されるプリコーディング決定方法を示す。
図22の手順は、
図9のステップ921で遂行されると仮定する。
【0196】
図22を参照すると、基地局は、ステップ2201でUEにより伝送されるPUSCHを受信及び復号化し、ステップ2203でPUSCHの復号化に成功したか否かを判定し、PHICHを通じてUEに伝送されるACK/NACK情報又は復号化結果がACKであるか又はNACKであるかを判定する。上記判定結果は、2つのケースに分類される。ACKが2個のTB両方に対して復号化が成功して伝送されるケース1では、基地局は、ステップ2205で、UEがPUSCHの再伝送を終了すると仮定し、プリコーディング情報を必要としない。NACKが2個のTBのうち少なくとも一つに対して発生するケース2において、基地局は、ステップ2207で、UEが所定のデフォルトコードブックのプリコーディング行列を選択してPUSCH再伝送に使用すると決定(仮定)する。基地局とUEは、同一の規則に従ってデフォルトコードブックのプリコーディング行列を選択するので、基地局は、UEが再伝送時に使用するプリコーディング行列を指示するPDCCHを伝送する必要はない。
図22に示していないが、基地局は、2個のTBのうち少なくとも一つのTBに対してNACKが発生する場合PHICHを通じて一つのNACKを伝送する。
【0197】
本発明の第7の実施形態は、第6の実施形態と同様に、PHICHが一つのACK/NACKのみを提供する。本発明の第6の実施形態で初期伝送でUEにより使用されるプリコーディング行列に関係なく、デフォルトコードブックが定義されるが、第7の実施形態では、初期伝送で使用されるプリコーディング行列によって再伝送コードブックが定義される。
【0198】
一つ以上のプリコーディング行列は、本発明の第7の実施形態の再伝送コードブックで定義され得る。一つのプリコーディング行列のみがデフォルトコードブックに定義される場合、このプリコーディング行列のみが再伝送で使用され得る。そうでないと、複数のプリコーディング行列が再伝送コードブックに定義されていると、プリコーディング行列は、再伝送で所定規則に従って選択して使用される。再伝送でプリコーディング行列を選択する規則として、本発明の第2の実施形態で言及した次の規則が使用できる。
(i)RV値によってプリコーディング行列を選択
(ii)システムフレーム番号又はサブフレーム番号によってプリコーディング行列を選択
【0199】
再伝送コードブックが各ランク別コードブックが全く一致する場合にも本発明の第7の実施形態の一例となり得る。例えば、ランク-rのPMIpが 初期許可を用いてプリコーディング行列としてPDCCHにより指定されると仮定する場合、ランク-rのPMIpがプリコーディング行列として使用される。q=f(p)、q=f(p,RV)、q=f(p,k)、q=f(p,n)、又はq=f(p,nSFN)であると仮定できる。ここで、nはサブフレーム番号を、nSFNはシステムフレーム番号を、kは式(4)で定義される値を、各々表す。
【0200】
下記の式(5)は、q=f(p)の簡単な例を示す。
【0202】
Prは、ランク-rコードブックのサイズを表す。2個の送信アンテナを有する<表2>でP1=6、P2=1であり、4個の送信アンテナを有する<表3>でP1=24,P2=16、P3=12、P4=1である。
【0203】
図23は、本発明の第8の実施形態により、再伝送時にUEで遂行されるプリコーディング決定方法を示す。
【0204】
図23を参照すると、UEは、ステップ2301で、PHICHを受信して復号化し、ステップ2303で、PHICHにより受信されたACK/NACK情報がACKであるか否かを判定する。その判定結果、3つの異なるケースに分類される。ケース1で、ACKが2個のTB両方に対して受信される場合、UEは、ステップ2305で、PUSCHの再伝送を終了し、プリコーディング情報を必要としない。ケース2で、ACKが一つのTBに対して受信されるが、NACKが他のTBに対して受信される場合、UEは、ステップ2309で、どのTBに対してACKを受信したかを具体的に確認する。ケース3において、NACKは2個のTB両方に対して受信される場合、UEは、ステップ2307で、初期許可で指示されるプリコーディングを再伝送で再使用するように決定する。
【0205】
ステップ2309で、ACKが一つのTBに対して受信されるが、他のTBに対してはNACKが受信される場合、UEは、どのTBに対してACKを受信したかを決定する。(ACK,NACK)が識別されるケース1で、ACKはTB1に対して識別され、NACKはTB2に対して識別されると仮定する。この場合、UEは、ステップ2311と以後のステップを遂行する。(NACK,ACK)が識別されるケース2において、NACKはTB1に対して識別され、ACKはTB2に対して識別されると仮定する。この場合、UEは、ステップ2317と以後のステップを遂行する。
【0206】
ステップ2311は、PUSCHの初期伝送で使用されるランクを判断するプロセスに対応する。初期伝送で、UL MIMOにより2個のTBが伝送されると仮定するので、初期ランクは、常に2以上である。ステップ2311の判断によって初期ランクが2であるケース1-1において、UEは、ステップ2313を遂行し、初期ランクが2を超えるケース1-2では、UEはステップ2315を遂行する。ステップ2313で、UEは、PDCCHの受信なしに、初期伝送で使用されるプリコーディング行列の最後の列ベクトルを再伝送向けのプリコーディング行列(又は、再伝送プリコーディング行列)として黙示的に決定する。ステップ2315で、UEは、再伝送プリコーディング行列として初期伝送で使用されるプリコーディング行列の最初の2個の列ベクトルを決定する。
【0207】
ステップ2309で、PHICHにより搬送されたACK/NACK情報が(NACK,ACK)として識別されると判定されるケース2において、UEは、ステップ2317で、PUSCHの初期伝送で使用されるランクを判定する。ここで、UL MIMOにより初期伝送で、2個のTBが伝送されると仮定するので、初期ランクは、常に2以上である。ステップ2317で、初期ランクが4より小さいと判定されるケース2-1で、UEは、ステップ2313を遂行し、初期ランクが4であるケース2-2で、UEは、ステップ2315を遂行する。ステップ2313又は2315でプリコーディング行列が決定される場合、PUSCHはステップ2321で再伝送される。PUSCH伝送に使用される電力を決定する方法は、次のような2つの方法がある。第1の方法では、伝送ランクが減少するので、伝送電力は3dBだけ増加させる。第2の方法では、他のユーザーに及ぼす干渉量を減少するために伝送電力を維持する。
【0208】
本発明の第8の実施形態でにおいて、(ACK、NACK)又は(NACK、ACK)状況でプリコーディング行列を決定する方法は、再伝送されるTBが初期伝送で伝送される階層の個数に基づく。再伝送されるTBが初期伝送で一つの階層を通じて伝送されるケース1-1及び2-1で、UEは、PDCCHの受信なしに初期伝送で使用されるプリコーディング行列の最初の列ベクトルを再伝送向けのプリコーディング行列として黙示的に決定する。一方、再伝送されるTBが初期伝送で2つの階層に伝送されるケース1-2及び2-2で、UEは、PDCCHの受信なしに、初期伝送で使用されるプリコーディング行列の最初の2個の列ベクトルを再伝送プリコーディング行列として黙示的に決定する。
【0209】
図24は、本発明の第8の実施形態により、再伝送時に基地局で遂行されるプリコーディング決定方法を示す。
図24の手順は、
図9のステップ921で遂行されると仮定する。
図24のステップ2405〜2415で基地局により再伝送時に使用したプリコーディング方式を決定する方法は、
図23のステップ2305〜2315でUEがプリコーディング方式を決定(定義)する方式と同一であることに留意すべきである。
【0210】
図24を参照すると、基地局は、ステップ2401で、UEにより伝送されたPUSCHを受信及び復号化し、ステップ2403で、PUSCHの復号化が成功したか否かを判定し、復号化の結果が、PHICHを介してUEに伝送されるACK/NACK情報がACKであるかあるいはNACKであるかを判定する。その判定結果は3つのケースに分類される。ケース1は、2個のTB両方が成功的に復号化されるので、
図9のステップ909でACKが2個のTB両尾方ともに伝送される場合である。この場合、基地局は、ステップ2405で、UEがPUSCHの再伝送を終了すると仮定し、プリコーディング情報が要求されない。ケース2で、
図9のステップ911,913のように、一つのTBに対してはACKが伝送されるが、他のTBに対してはNACKが伝送されると決定される。この場合、基地局は、ステップ2409で、どのTBに対してACKを伝送したか否かを具体的に判定し、その以後のステップを遂行する。ケース3で、2個のTB両方に対して復号化に失敗したため、
図9のステップ915で、両TBに対してNACKが伝送されると決定される。この場合、ステップ2407で、基地局は、UEが初期許可で指示されたプリコーディングを再伝送で再使用すると仮定する。
【0211】
ステップ2409で、ACKが一つのTBに対して送信されるが、他のTBに対してはNACKが送信されるケース2で、基地局は、どのTBに対してACKを送信したかを決定する。TBに対して(ACK,NACK)が識別されるケース1で、ACKはTB1に対して識別され、NACKはTB2に対して識別されると仮定する。この場合、基地局は、ステップ2411と以後のステップを遂行する。TBに対して(NACK,ACK)が確認されるケース2において、NACKはTB1に対して識別され、ACKはTB2に対して識別されると仮定する。この場合、基地局は、ステップ2417と以後のステップを遂行する。
【0212】
ステップ2411は、ケース1で、ステップ2409でACK/NACK情報が(ACK,NACK)として識別される場合、PUSCHの初期伝送で使用されるランクを判断するプロセスに対応する。初期伝送で、UL MIMOにより2個のTBが伝送されると仮定するので、初期ランクは、常に2以上である。ステップ2411の判断によって初期ランクが2であるケース1-1において、基地局は、ステップ2413を遂行し、初期ランクが2を超えるケース1-2では、基地局はステップ2415を遂行する。ステップ1213で、基地局は、初期伝送で使用されるプリコーディング行列の最初の列ベクトルを、UEにより使用される再伝送プリコーディング行列として黙示的に決定する。ステップ2415で、基地局は、初期伝送で使用されるプリコーディング行列の最初の2個の列ベクトルを、UEにより使用される再伝送向けのプリコーディング行列として黙示的に決定する。
【0213】
一方、ステップ2409で、ACK/NACK情報が(NACK,ACK)として識別されると判定されるケース2で、基地局は、ステップ2417で、PUSCHの初期伝送で使用されるランクを判定する。UL MIMOにより初期伝送で、2個のTBが伝送されると仮定するので、初期ランクは、常に2以上である。ステップ2417で、初期ランクが4より小さいと判定されるケース2-1で、基地局は、ステップ2413を遂行し、初期ランクが4であるケース2−2で、基地局は、ステップ2415を遂行する。
【0214】
本発明の第8の実施形態で、UEと基地局は、各々初期伝送で使用したプリコーディング行列の最初の1個又は2個の列ベクトルを再伝送プリコーディング行列として黙示的に決定する。しかしながら、伝送されるTBが初期伝送で一つの階層を通じて伝送されるケース1-1及び2-1で、UEは、PDCCHの受信なしに初期伝送で使用されるプリコーディング行列の最初の列ベクトルを再伝送向けのプリコーディング行列として黙示的に決定する。そして、伝送されるTBが初期伝送で2つの階層に伝送されるケース1-2及び2-2で、UEは、PDCCHの受信なしに、初期伝送で使用されるプリコーディング行列の最後の2個の列ベクトルを再伝送プリコーディング行列として黙示的に決定する。
【0215】
図25は、本発明の第9の実施形態により、再伝送時にUEで遂行されるプリコーディング決定方法を示す。
【0216】
図25を参照すると、UEは、ステップ2501で、PHICHを受信して復号化し、ステップ2503で、PHICHにより伝達されたACK/NACK情報がACKであるか否かを判定する。その判定結果、3つのケースに分類される。ケース1で、ACKが2個のTB両方に対して受信される場合、UEは、ステップ2505で、PUSCHの再伝送を終了し、プリコーディング情報を必要としない。ケース2で、ACKが一つのTBに対して受信されるが、NACKは他のTBに対して受信される場合、UEは、ステップ2509で、どのTBに対してACKを受信したかを具体的に判定し、その以後のステップを遂行する。ケース3において、NACKは2個のTB両方ともに対して受信される場合、UEは、ステップ2507で、初期許可で指示されるプリコーディングを再伝送で再使用するように決定する。
【0217】
ステップ2509で、ACKが一つのTBに対して受信されるが、他のTBに対してはNACKが受信される場合、UEは、どのTBに対してACKを受信したかを決定する。(ACK,NACK)が識別されるケース1で、ACKはTB1に対して識別され、NACKはTB2に対して識別されると仮定する。この場合、UEは、ステップ2511と以後のステップを遂行する。(NACK,ACK)が識別されるケース2において、NACKはTB1に対して識別され、ACKはTB2に対して識別されると仮定する。この場合、UEは、ステップ2521と以後のステップを遂行する。
【0218】
ステップ2511は、ケース1で、PUSCHの初期伝送で使用されるランクを判断するプロセスに対応する。この場合、ステップ2509で、PHICHにより搬送されたACK/NACK情報が(ACK,NACK)として識別されると判断される。初期伝送で、UL MIMOにより2個のTBが伝送されると仮定するので、初期ランクは、常に2以上である。UEは、ステップ2511の判断によって初期ランクが2であるケース1-1ではステップ2513を遂行し、初期ランクが2を超えるケース1-2ではステップ2523を遂行する。
【0219】
ステップ2513で、UEは、TB1のMCSレベルがTB2のMCSレベルより高いか否かを判定する。TB1のMCSレベルが高いと、TB1により使用される階層のチャンネル状態がより良好であることを意味し、UEは、ステップ2515を遂行する。そうでないと、UEは、ステップ2517を遂行する。別の方法では、ステップ2513で、TB1のMCSレベルがTB2のMCSレベルより低くないか否かを判定することができる。
【0220】
ステップ2515で、UEは、PDCCHの受信なしに初期伝送で使用されるプリコーディング行列の最初の列ベクトルを再伝送プリコーディング行列として黙示的に決定する。最初の列ベクトルは、TB1により使用される。これは、TB1により使用される階層のチャンネル状態がより良いので、TB2を再伝送してもTB1の階層を使用するためのものである。
【0221】
ステップ2517で、UEは、PDCCHの受信なしに初期伝送で使用されるプリコーディング行列の最後の列ベクトルを再伝送プリコーディング行列として黙示的に決定する。最後の列ベクトルは、TB2により使用される。これは、TB2により使用される階層のチャンネル状態がより良いので、最後の列ベクトルを再伝送プリコーディング行列として再使用するためのものである。
【0222】
同様に、ステップ2523で、UEは、TB1のMCSレベルがTB2のMCSレベルより高いか否かを判定する。TB1のMCSレベルが高いと、TB1により使用される階層のチャンネル状態がより良好であることを意味し、UEは、ステップ2525を遂行する。そうでないと、UEは、ステップ2527を遂行する。別の方法では、ステップ2523で、TB1のMCSレベルがTB2のMCSレベルより低くないか否かを判定することができる。
【0223】
ステップ2525で、UEは、PDCCHの受信なしに初期伝送で使用されるプリコーディング行列の最初の列ベクトルを再伝送プリコーディング行列として黙示的に決定する。最初の1個又は2個の列ベクトルは、TB1により使用される。これは、TB1により使用される階層のチャンネル状態がより良いので、TB2を再伝送してもTB1の階層を使用するためのものである。
【0224】
ステップ2527で、UEは、PDCCHの受信なしに初期伝送で使用されるプリコーディング行列の最初の列ベクトルを再伝送プリコーディング行列として黙示的に決定する。最後の1個又は2個の列ベクトルは、TB2により使用される。これは、TB2により使用される階層のチャンネル状態がより良いので、最後の2個の列ベクトルを再伝送プリコーディング行列として再伝送するためのものである。
【0225】
ステップ2509でPHICHにより搬送されたACK/NACK情報が(NACK,ACK)として識別されると判断したケース2において、ステップ2521は、PUSCHの初期伝送で使用されるランクを判定するプロセスに対応する。ここで、UL MIMOにより初期伝送で、2個のTBが伝送されると仮定するので、初期ランクは、常に2以上である。ステップ2521で、初期ランクが4より小さいと判定されるケース2-1で、UEは、ステップ2513を遂行し、初期ランクが4であるケース2-2で、ステップ2523を遂行する。
【0226】
ステップ2515又は2517でプリコーディング行列が決定された後、PUSCHはステップ2519で再伝送される。同様に、ステップ2525又は2527でプリコーディング行列が決定された後、PUSCHはステップ2519で再伝送される。PUSCH伝送に使用される電力を決定する方法は、次のような2つの方法がある。第1の方法では、伝送ランクが減少するので、伝送電力は3dBだけ増加する。第2の方法では、他のユーザーに及ぼす干渉量を減少するために伝送電力を維持する。
【0227】
図26は、本発明の第9の実施形態により、再伝送時に基地局で遂行されるプリコーディング決定方法を示す。
図26の手順は、
図9のステップ921で遂行されることを仮定する。
図26のステップ2605〜2625で基地局により再伝送時に使用されるプリコーディング方式を決定する方法は、
図25のステップ2505〜2527でUEがプリコーディング方式を決定(定義)する方法と同一であることに留意すべきである。
【0228】
図26を参照すると、基地局は、ステップ2601で、UEにより伝送されたPUSCHを受信及び復号化し、ステップ2603で、PUSCHの復号化が成功したか否かを判定し、復号化の結果が、PHICHを介してUEに伝送されるACK/NACK情報がACKであるかあるいはNACKであるかを判定する。その判定結果は3つのケースに分類される。ケース1は、2個のTB両方が成功的に復号化されるので、
図9のステップ909でACKが2個のTB両方ともに伝送される場合である。この場合、基地局は、ステップ2605で、UEがPUSCHの再伝送を終了すると仮定し、プリコーディング情報が要求されない。ケース2で、
図9のステップ911,913のように、一つのTBに対してはACKが伝送されるが、他のTBに対してはNACKが伝送されると決定される。この場合、基地局は、ステップ2609で、どのTBに対してACKを伝送したか否かを具体的に判定し、その以後のステップを遂行する。ケース3で、2個のTB両方に対して復号化に失敗したため、
図9のステップ915で、両TBに対してNACKが伝送されると決定される。この場合、ステップ2607で、基地局は、UEが初期許可で指示されたプリコーディングを再伝送で再使用すると仮定する。
【0229】
ステップ2609で、ACKが一つのTBに対して送信されるが、他のTBに対してはNACKが送信されるケース2で、基地局は、どのTBに対してACKを送信したかを決定する。TBに対して(ACK,NACK)が識別されるケース1で、ACKはTB1に対して識別され、NACKはTB2に対して識別されると仮定する。この場合、基地局は、ステップ2611と以後のステップを遂行する。TBに対して(NACK,ACK)が確認されるケース2において、NACKはTB1に対して識別され、ACKはTB2に対して識別されると仮定する。この場合、基地局は、ステップ2619と以後のステップを遂行する。
【0230】
ステップ2611は、ケース1で、ステップ2609でACK/NACK情報が(ACK,NACK)として識別される場合、PUSCHの初期伝送で使用されるランクを判断するプロセスに対応する。初期伝送で、UL MIMOにより2個のTBが伝送されると仮定するので、初期ランクは、常に2以上である。基地局は、ステップ2611の判断によって初期ランクが2であるケース1-1ではステップ2613を遂行し、初期ランクが2を超えるケース1-2ではステップ2621を遂行する。
【0231】
ステップ2613で、基地局は、TB1のMCSレベルがTB2のMCSレベルより高いか否かを判定する。TB1のMCSレベルが高いと、TB1により使用される階層のチャンネル状態がより良好であることを意味し、UEは、ステップ2615を遂行する。そうでないと、UEは、ステップ2617を遂行する。別の方法では、ステップ2613で、TB1のMCSレベルがTB2のMCSレベルより低くないか否かを判定することができる。
【0232】
ステップ2615で、基地局は、初期伝送で使用されるプリコーディング行列の最初の列ベクトルをUEにより使用される再伝送プリコーディング行列として黙示的に決定(仮定)する。一方、ステップ2617で、基地局は、初期伝送で使用されるプリコーディング行列の最後の列ベクトルをUEにより使用される再伝送プリコーディング行列として黙示的に決定(仮定)する。
【0233】
同様に、ステップ2621で、基地局は、TB1のMCSレベルがTB2のMCSレベルより高いか否かを判定する。TB1のMCSレベルが高いと、TB1により使用される階層のチャンネル状態がより良好であることを意味し、基地局は、ステップ2623を遂行する。そうでないと、基地局は、ステップ2625を遂行する。別の方法では、ステップ2621で、TB1のMCSレベルがTB2のMCSレベルより低くないか否かを判定することができる。
【0234】
ステップ2623で、基地局は、初期伝送で使用されるプリコーディング行列の最初の2個の列ベクトルをUEにより使用される再伝送プリコーディング行列として黙示的に決定(仮定)する。一方、ステップ2625で、基地局は、初期伝送で使用されるプリコーディング行列の最後の2個の列ベクトルをUEにより使用される再伝送プリコーディング行列として黙示的に決定(仮定)する。
【0235】
ステップ2609でPHICHにより搬送されたACK/NACK情報が(NACK,ACK)として識別されると判断したケース2において、ステップ2619は、PUSCHの初期伝送で使用されるランクを判定するプロセスに対応する。ここで、UL MIMOにより初期伝送で、2個のTBが伝送されると仮定するので、初期ランクは、常に2以上である。ステップ2619で、初期ランクが4より小さいと判定されるケース2-1で、UEは、ステップ2613を遂行し、初期ランクが4であるケース2-2で、ステップ2621を遂行する。
【0236】
本発明の第10の実施形態は、第3の実施形態と第4の実施形態を結合したものである。第3の実施形態では、母子対の概念を導入し、初期伝送に使用されるプリコーディング行列によって再伝送で使用されるプリコーディング行列が決定される。第4の実施形態において、初期許可は、初期伝送で使用されるプリコーディング行列だけでなく、PDCCHの伝送なしに再伝送に使用されるプリコーディング行列も指定される。本発明の第10の実施形態では、第3の実施形態のように初期伝送で使用されるプリコーディング行列により子コードブックが定義され、第4の実施形態のように子コードブックでPDCCHの伝送なしに再伝送で使用されるプリコーディング行列が指定される。この場合、複数のプリコーディング行列は、子コードブックに提供される。
【0237】
本発明の上記したすべての実施形態において、再伝送はPHICHにより指示されると仮定する。次の実施形態地では、上記した実施形態をフォールバック(fallback)用PDCCHにより指示される場合に適用する方法に関するものである。UL MIMOを使用せずに基地局により単一アンテナ送信を考慮して設計されたDCIフォーマットを使用することで、PDCCHのリソース消費が大幅低減することができる。これは、単一アンテナ送信を考慮して設計されたDCIフォーマット(例えば、DCIフォーマット0)が複数のTB及びPMIを表現する必要がないので、UL MIMO DCIフォーマットに比べて情報量が少ないためである。フォールバックは、突然にチャンネル状態が悪くなるUEにDCIを伝達することを意味する。情報量が著しく減少したDCIは、より少ないリソースを使用するため、チャンネル状態が悪いUEは、このDCIを受信する可能性が高い。
【0238】
再伝送がPDCCHにより指示されても、DCIフォーマット0に基づく場合、PMI情報は伝達することができない。この場合、再伝送でプリコーディング行列を決定する方法は、上記した本発明の実施形態を活用して定義できる。具体的には、再伝送がDCIフォーマット0により要求される場合、プリコーディングは、所定のプリコーディング行列又は特定規則に従って再伝送コードブック又はプリコーディング行列候補グループで選択されるプリコーディングを用いて遂行される。再伝送プリコーディング行列又は再伝送向けのコードブックを定義する方法は、上記本発明の実施形態に従う。
【0239】
本発明の実施形態において、どのTBが再伝送されるかによって、ランク-1プリコーディング行列が定義されたコードブックを使用する方法と、ランク-2プリコーディング行列が定義されたコードブックを使用する方法とのうちいずれか一つを考慮する。しかしながら、チャンネル状態によってランクの変更は、大きくない可能性がある。この場合、初期伝送でランク-r(ここでは、r2)がサポートされると、ランク-2プリコーディング行列は再伝送でも適用できることが与えられると、初期伝送で一つの階層を占有したTBの再伝送でランク-1プリコーディング行列よりは、ランク-2プリコーディング行列に適用することが好ましい。したがって、上記した実施形態は、どのTBが再伝送されるかに関係なく、ランク-2コードブックで選択されたプリコーディング行列を再伝送TBにも適用するように変更することができる。
【0240】
例えば、本発明の第2の実施形態で、デフォルトランク-1コードブックは、デフォルトランク-2コードブックと代替可能である。本発明の第3の実施形態において、ランク-1子コードブックはランク-2子コードブックに代替できる。本発明の第4の実施形態では、ランク-1コードブックはランク-2コードブックに代替可能である。
【0241】
以上、本発明の詳細な説明においては具体的な実施形態に関して説明したが、特許請求の範囲の記載及びこれと均等なものに基づいて定められる本発明の範囲及び趣旨を逸脱することなく、形式や細部の様々な変更が可能であることは、当該技術分野における通常の知識を持つ者には明らかである。