(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第1の種別に係るN台の荷役車両と、第1の種別より運転者に掛かる負担が大きい第2の種別に係るM台の荷役車両とを含む複数の荷役車両を、L人の運転者に割り当てる割当決定装置であって、
前記荷役車両による荷役作業の開始前に、前記L人の運転者の疲労度を特定する疲労度特定部と、
前記L人の運転者のうち、前記疲労度特定部が特定した疲労度が最も高いN人の運転者に割り当てる前記荷役車両の種別を前記第1の種別に決定する種別割当部と、
を備える割当決定装置。
前記車両割当部は、前記疲労度が大きいほど前記荷役作業の量が少なくなるように、前記種別割当部によって割り当てられた種別に係る前記荷役車両を前記運転者に割り当てる
請求項2に記載の割当決定装置。
第1の種別に係るN台の荷役車両と、第1の種別より運転者に掛かる負担が大きい第2の種別に係るM台の荷役車両とを含む複数の荷役車両を、L人の運転者に割り当てる割当決定方法であって、
割当決定装置が、前記荷役車両による荷役作業の開始前に、前記L人の運転者の疲労度を特定し、
前記割当決定装置が、前記L人の運転者のうち、特定した前記疲労度が最も高いN人の運転者に割り当てる前記荷役車両の種別を前記第1の種別に決定する
割当決定方法。
第1の種別に係るN台の荷役車両と、第1の種別より運転者に掛かる負担が大きい第2の種別に係るM台の荷役車両とを含む複数の荷役車両を、L人の運転者に割り当てる割当決定装置のコンピュータに、
前記荷役車両による荷役作業の開始前に、前記L人の運転者の疲労度を特定する手順と、
前記L人の運転者のうち、特定した前記疲労度が最も高いN人の運転者に割り当てる前記荷役車両の種別を前記第1の種別に決定する手順と
を実行させるためのプログラム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来、荷役車両の割り当ては、各運転者の状態に関わらずなされている。他方、各運転者の疲労度は同一であるとは限らないため、疲労度が高い運転者に対し、作業中の負担が大きい荷役車両が割り当てられると、作業効率が低下する可能性がある。
本発明の目的は、上述した課題を解決する割当決定装置、割当決定方法、およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の態様によれば、割当決定装置は、第1の種別に係るN台の荷役車両と、第1の種別より前記運転者に掛かる負担が大きい第2の種別に係るM台の荷役車両とを含む複数の荷役車両を、L人の運転者に割り当てる割当決定装置であって、前記荷役車両による荷役作業の開始前に、前記L人の運転者の疲労度を特定する疲労度特定部と、前記L人の運転者のうち、前記疲労度特定部が特定した疲労度が最も高いN人の運転者に割り当てる前記荷役車両の種別を前記第1の種別に決定する種別割当部と、を備える。
【0006】
本発明の第2の態様によれば、第1の態様に係る割当決定装置は、前記種別割当部によって割り当てられた種別に係る前記荷役車両を前記運転者に割り当てるものであってよい。
【0007】
本発明の第3の態様によれば、第2の態様に係る割当決定装置は、前記車両割当部は、前記疲労度が大きいほど、前記種別割当部によって割り当てられた種別に係る前記荷役車両のうち、前記荷役作業の量が少なくなるように、前記運転者に割り当てる前記荷役車両を決定するものであってよい。
【0008】
本発明の第4の態様によれば、第2の態様に係る割当決定装置は、前記車両割当部によって前記運転者に割り当てられた前記荷役車両と、当該荷役車両に係る作業内容とを提示する提示部をさらに備えるものであってよい。
【0009】
本発明の第5の態様によれば、割当決定方法は、第1の種別に係るN台の荷役車両と、第1の種別より前記運転者に掛かる負担が大きい第2の種別に係るM台の荷役車両とを含む複数の荷役車両を、L人の運転者に割り当てる割当決定方法であって、割当決定装置が、前記荷役車両による荷役作業の開始前に、前記L人の運転者の疲労度を特定し、前記割当決定装置が、前記L人の運転者のうち、前記疲労度特定部が特定した疲労度が最も高いN人の運転者に割り当てる前記荷役車両の種別を前記第1の種別に決定する。
【0010】
本発明の第6の態様によれば、プログラムは、第1の種別に係るN台の荷役車両と、第1の種別より前記運転者に掛かる負担が大きい第2の種別に係るM台の荷役車両とを含む複数の荷役車両を、L人の運転者に割り当てる割当決定装置のコンピュータに、前記荷役車両による荷役作業の開始前に、前記L人の運転者の疲労度を特定する手順と、前記L人の運転者のうち、前記疲労度特定部が特定した疲労度が最も高いN人の運転者に割り当てる前記荷役車両の種別を前記第1の種別に決定する手順とを実行させる。
【発明の効果】
【0011】
上記態様のうち少なくとも1つの態様によれば、割当決定装置は、疲労度が相対的に高い運転者に対し、運転の負担が相対的に小さい荷役車両を割り当てる。これにより、疲労度が高い運転者の作業効率の低下を防ぐことができる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しながら実施形態について詳しく説明する。
図1は、一実施形態に係る荷役システムの構成を示す概略図である。荷役システムは、荷役車両である複数のフォークリフト100と、各運転者2に装着される生体情報検出装置200と、各運転者が所有する携帯端末210と、フォークリフト100を管理する管理装置300とを備える。
【0014】
荷役システムが備える複数のフォークリフト100は、M台のリーチフォークリフト100AとN台のカウンタバランスフォークリフト100Bとからなる。なお、MおよびNは、1以上の整数である。またフォークリフト100に搭乗する運転者2の数は、L人である。なお、Lは、N以上かつM+N以下の整数である。カウンタバランスフォークリフト100Bは、フォークおよびマストを車体前方に備え、車体後方にカウンタウエイトを設けたフォークリフト100である。カウンタバランスフォークリフト100Bは、車体後方に座席を有する。リーチフォークリフト100Aは、フォークまたはマストを車体前後方向に移動可能に構成されたフォークリフト100である。リーチフォークリフト100Aの運転席には座席が設けられない。つまり、リーチフォークリフト100Aは、カウンタバランスフォークリフト100Bより運転者2に掛かる負担が大きい。カウンタバランスフォークリフト100Bは、第1の種別に係る荷役車両の一例であり、リーチフォークリフト100Aは、第2の種別に係る荷役車両の一例である。
【0015】
生体情報検出装置200は、例えば、特開2015−154868号公報に示されるようなリストバンド型のウェアラブル端末装置が適用される。生体情報検出装置200は、運転者2に装着され、運転者2の生体情報を予め定められる間隔で繰り返し検出する。生体情報の例としては、心拍数、血流量、発汗量、体温、および生理的熱量が挙げられる。また、生体情報検出装置200は、検出した生体情報を無線通信手段により管理装置300に送信する。
携帯端末210は、自端末を所有する運転者2に割り当てられたフォークリフト100の情報を提示する。また携帯端末210は、運転者2の操作により、フォークリフト100での荷役作業を完了するたびに、その旨を管理装置300に通知する。携帯端末210は、例えばスマートフォンによって実現される。
管理装置300は、各フォークリフト100の荷役作業を管理する。また管理装置300は、運転者2とフォークリフト100との割り当てを決定する。つまり管理装置300は、割当決定装置の一例である。
【0016】
図2は、本実施形態に係る携帯端末の構成を示す概略ブロック図である。
携帯端末210は、タッチパネル211と端末制御装置212とを備える。タッチパネル211は、運転者2に提示すべき情報を表示する。またタッチパネル211は、運転者2による情報の入力を受け付ける。端末制御装置212は、管理装置300から受信した情報、ならびにタッチパネル211による入力に基づいて、演算を行う。端末制御装置212は、送受信部221、作業状況管理部222、作業状況入力部223、表示制御部224を備える。
【0017】
送受信部221は、例えば、WiFi(登録商標)などの無線通信手段であり、管理装置300との間で情報を送受信する。具体的には、送受信部221は、管理装置300から自端末を所有する運転者2が実行すべき荷役作業の情報を受信する。また送受信部221は、管理装置300に荷役作業の完了を通知する。
作業状況管理部222は、管理装置300から受信した荷役作業の作業状況を管理する。
作業状況入力部223は、運転者2から、作業状況管理部222が管理する荷役作業が完了したか否かの入力を受け付ける。
表示制御部224は、タッチパネル211に作業状況管理部222が管理する荷役作業の情報を表示させる。
【0018】
図3は、本実施形態に係る管理装置の構成を示す概略ブロック図である。
管理装置300は、作業計画情報記憶部301、作業計画情報選択部302、作業済情報書込部303、送受信部304、疲労度特定部305、種別割当部306、車両割当部307、提示部308を備える。
【0019】
図4は、本実施形態に係る作業計画情報記憶部が記憶する情報の例を示す図である。
作業計画情報記憶部301は、
図4に示す車両テーブル301Aと割当テーブル301Bと作業計画情報テーブル301Cと基準値テーブル301Dとを記憶する。
車両テーブル301Aは、車両IDおよび種別を関連付けて格納する。「車両ID」の項目には、フォークリフト100ごとに予め付与される識別番号(車両ID)が書き込まれる。「種別」の項目には、当該車両IDが示すフォークリフト100の種別が書き込まれる。
割当テーブル301Bは、車両IDおよび運転者IDを関連付けて格納する。「運転者ID」の項目には、関連付けられた車両IDが示すフォークリフト100に割り当てられた運転者の識別情報(運転者ID)が書き込まれる。
作業計画情報テーブル301Cは、車両ID、荷物ID、荷置き位置ID、移送先位置ID、および完了状態を関連付けて格納する。「荷物ID」の項目には、荷物ごとに予め付与される識別番号(荷物ID)が書き込まれる。「荷置き位置ID」の項目には、移送前に荷物が荷置きされている位置を示す識別番号(位置ID)が書き込まれる。「移送先位置ID」の項目には、荷物の移送先の位置を示す位置IDが書き込まれる。「完了状態」の項目には、荷物の移送が完了した場合、「完了」が書き込まれ。荷物の移送が完了していない場合、「未完了」が書き込まれる。移送される荷物が新たに荷置きされた場合、例えば、管理装置300の操作者の操作により、当該荷物に対応づけられている「車両ID」、「荷物ID」、「荷置き位置ID」、「移送先位置ID」のそれぞれの識別番号が書き込まれ、「完了状態」の項目には初期情報として「未完了」が書き込まれる。
基準値テーブル301Dは、運転者IDおよび判定基準値とを関連付けて格納する。「判定基準値」の項目には、運転者2の平常時の疲労指標値である判定基準値が書き込まれる。疲労指標値とは、運転者2の生体情報から求められ、運転者2の疲労に応じて変動するパラメータである。疲労指標値の例としては、LF/HF値(Low Frequency / High Frequency)が挙げられる。LF/HF値は、例えば心拍変動を周波数変換し、0.05Hz以上0.15Hz未満のパワーの積算値と、0.15Hz以上0.40Hz未満のパワーの積算値との比を算出することで求めることができる。なお、LF/HF値は、運転者2が披露するほど高い値を示す。
【0020】
作業計画情報選択部302は、各フォークリフト100について作業計画情報記憶部301に記憶されている作業計画情報テーブル301Cに含まれる情報のうち、「完了状態」の項目が「未完了」となっているものを読み出す。作業計画情報選択部302は、読みだした作業計画情報の「荷置き位置ID」および「移送先位置ID」を、作業特定情報として、送受信部304を通じて各フォークリフト100に割り当てられた運転者2が所有する携帯端末210に送信する。
作業済情報書込部303は、携帯端末210から、送受信部304が受信した荷役作業の完了通知に基づいて、作業計画情報テーブル301Cの該当する情報の「完了状態」の項目を「未完了」から「完了」に書き換える。
送受信部304は、生体情報検出装置200および携帯端末210との間で無線通信手段により情報の送受信を行う。
【0021】
疲労度特定部305は、送受信部304が生体情報検出装置200から受信した生体情報に基づいて各運転者2の疲労指標値を特定する。疲労度特定部305は、特定した疲労指標値と基準値テーブル301Dが記憶する判定基準値とに基づいて疲労度を算出する。疲労度は、例えば疲労指標値と判定基準値との比または差によって求められる。
種別割当部306は、疲労度特定部305が特定した疲労度に基づいて、各運転者2に割り当てるフォークリフト100の種別を決定する。具体的には、種別割当部306は、疲労度が最も高いN人の運転者2に割り当てるフォークリフト100の種別をカウンタバランスフォークリフト100Bに決定し、残りのL−N人の運転者2に割り当てるフォークリフト100の種別をリーチフォークリフト100Aに決定する。
車両割当部307は、疲労度特定部305が特定した疲労度と種別割当部306が割り当てた種別とに基づいて、各運転者2に割り当てるフォークリフト100を決定する。具体的には、種別割当部306が割り当てた種別ごとに、疲労度が高い運転者2ほど、荷役作業の量が少ないフォークリフト100が割り当てられる。フォークリフト100の荷役作業の量とは、作業計画情報テーブル301Cにおいて、そのフォークリフト100の車両IDに関連付けられた「完了状態」が「未完了」を示す情報の量によって特定される。
提示部308は、各運転者2の携帯端末210に、車両割当部307が割り当てたフォークリフト100の車両IDと当該フォークリフト100で実行すべき荷役作業の情報を提示する。
【0022】
(割当処理)
図5は、本実施形態に係る管理装置による割当処理を示すフローチャートである。管理装置300は、フォークリフト100による荷役作業を開始する前に、各運転者2にフォークリフト100を割り当てる。各運転者2は、管理装置300に割り当てられたフォークリフト100を運転して荷役作業に従事する。
管理装置300の送受信部304は、生体情報検出装置200から生体情報の受信を待機する(ステップSa1)。送受信部304が生体情報を受信すると、疲労度特定部305は、受信した生体情報に基づいて疲労度を算出する(ステップSa2)。具体的には、疲労度特定部305は、生体情報に基づいて疲労指標値を算出し、当該疲労指標値と基準値テーブル301Dに格納された判定基準値とに基づいて疲労度を算出する。種別割当部306は、全ての運転者2の疲労度を算出したか否かを判定する(ステップSa3)。疲労度を算出していない運転者2がいる場合(ステップSa3:No)、ステップSa1に処理を戻す。
【0023】
全ての運転者2の疲労度を算出した場合(ステップSa3:Yes)、種別割当部306は、運転者2のうち疲労度が最も高いN人の運転者2に、割り当てる種別をカウンタバランスフォークリフト100Bに決定する(ステップSa4)。また種別割当部306は、残りの運転者2であるL−N人の運転者2に割り当てる種別を、リーチフォークリフト100Aに決定する(ステップSa5)。
【0024】
次に、車両割当部307は、フォークリフト100の割り当てがなされていない運転者2のうち、疲労度が最も高い運転者2を選択する(ステップSa6)。車両割当部307は、選択された運転者2に、種別割当部306によって割り当てられた種別のフォークリフト100のうち最も荷役作業の量が少ないものを割り当てる(ステップSa7)。具体的には、車両割当部307は、割当テーブル301Bに運転者IDが記録されておらず、かつ車両テーブル301Aにおいて種別割当部306によって割り当てられた種別に関連付けられた全てのフォークリフト100の車両IDを特定する。車両割当部307は、作業計画情報テーブル301Cにおいて、特定した車両IDに関連付けられた荷物IDの数を算出する。車両割当部307は、関連付けられた荷物IDの数が最も少ないフォークリフト100の車両IDを特定する。そして、車両割当部307は、割当テーブル301Bのうち特定した車両IDに関連付けられた運転者IDの項目に、ステップSa6で選択された運転者2の運転者IDを書き込む。これにより、車両割当部307は、選択された運転者2に、種別割当部306によって割り当てられた種別のフォークリフト100のうち最も荷役作業の量が少ないものを割り当てることができる。次に、車両割当部307は、全ての運転者2にフォークリフト100を割り当てたか否かを判定する(ステップSa8)。フォークリフト100が割り当てられていない運転者2がいる場合(ステップSa8:No)、ステップSa6に処理を戻す。
【0025】
全ての運転者2にフォークリフト100を割り当てた場合(ステップSa8:Yes)、提示部308は、各運転者2が所有する携帯端末210に、当該運転者2に割り当てられたフォークリフト100の車両IDと、当該フォークリフト100に割り当てられた荷役作業の一覧とを表示させる表示指示を送信する(ステップSa9)。
携帯端末210の表示制御部224は、送受信部221が受信した表示指示に従って、運転者2に割り当てられたフォークリフト100の車両IDと荷役作業の一覧とをタッチパネル211に表示させる。これにより、運転者2は、携帯端末210を視認することで、搭乗すべきフォークリフト100および実行すべき荷役作業を知ることができる。
【0026】
(作業状況の管理処理)
図6は、本実施形態に係る管理装置による作業状況の管理処理を示すフローチャートである。
管理装置300は、各運転者2にフォークリフト100を割り当てると、作業状況の管理処理を開始する。管理装置300の作業計画情報選択部302は、作業計画情報テーブル301Cの中から、各フォークリフト100について、「未完了」を示す「完了状態」に関連付けられた「荷置き位置」および「移送先位置」を1つ読み出す(ステップSb1)。次に、作業計画情報選択部302は読み出した「荷置き位置」および「移送先位置」を、送受信部304を介して携帯端末210に送信する(ステップSb2)。例えば、
図4の例では、車両IDが「001」のフォークリフト100について、「荷物ID」が「002」のレコードの「完了状態」が「未完了」であるため、荷置き位置ID「204」と、移送先位置ID「340」を読み出して送信する。
【0027】
携帯端末210の作業状況管理部222は、受信した「荷置き位置」および「移送先位置」を内部メモリに記録する。また表示制御部224は、管理装置300から受信した「荷置き位置」および「移送先位置」を、タッチパネル211に表示させる。これにより、運転者2は、携帯端末210を視認することで、実行すべき荷役作業を認識することができる。運転者2は、携帯端末210に表示された荷役作業を完了すると、タッチパネル211を操作し、荷役作業の完了を示す情報を携帯端末210に入力する。携帯端末210の作業状況入力部223は、運転者2による荷役作業の完了を示す情報の入力を受け付ける。作業状況管理部222は、内部メモリに記憶された「荷置き位置」および「移送先位置」を含む作業完了通知を、管理装置300に送信する。
【0028】
管理装置300の送受信部304は、携帯端末210からの作業完了通知の受信を待機する(ステップSb3)。携帯端末210から作業完了通知を受信すると、作業済情報書込部303は、作業完了通知に含まれる「荷置き位置」および「移送先位置」と、当該作業完了通知の受信元の運転者2に割り当てられたフォークリフト100の「車両ID」とに関連付けられた「完了状態」を「完了」に書き換える(ステップSb4)。次に、作業計画情報選択部302は、作業計画情報テーブル301Cの中から、作業完了通知の受信元の運転者2に割り当てられたフォークリフト100について、「未完了」を示す「完了状態」に関連付けられた「荷置き位置」および「移送先位置」を1つ読み出す(ステップSb5)。作業計画情報選択部302は読み出した「荷置き位置」および「移送先位置」を、送受信部304を介して携帯端末210に送信する(ステップSb5)。そして、管理装置300は、処理をステップSb3に戻す。
これにより、管理装置300は、フォークリフト100の作業状況を最新の状態に保つことができる。
【0029】
以降、各運転者2が休憩に入り、再度荷役作業を開始する場合、管理装置300は、各運転者2とフォークリフト100との割り当てを再度実行する。これにより、管理装置300は、休憩前の荷役作業による疲労を鑑みて、各運転者2にフォークリフト100を割り当てることができる。
【0030】
上記の実施形態の構成により、管理装置300は、荷役作業の開始前に、L人の運転者2の疲労度を特定し、L人の運転者のうち疲労度が最も高いN人の運転者に、カウンタバランスフォークリフト100Bを割り当て、残りのL−N人の運転者に、リーチフォークリフト100Aを割り当てる。これにより、管理装置300は、疲労度が高い運転者の作業効率の低下を防ぐことができる。
【0031】
また上記の実施形態の構成により、管理装置300は、疲労度が大きいほど荷役作業の量が少なくなるように、運転者2に割り当てるフォークリフト100を決定する。これにより、管理装置300は、疲労度が高い運転者の荷役作業量を低減することができる。
【0032】
また上記の実施形態の構成により、管理装置300は、運転者に割り当てられたフォークリフト100と、当該フォークリフト100に係る作業内容とを提示する。これにより、運転者2は、自らに割り当てられたフォークリフト100および作業内容を知ることができる。
【0033】
なお、上記の実施形態では、フォークリフト100の種別がカウンタバランスフォークリフト100Bとリーチフォークリフト100Aの二種類である場合について説明したが、これに限られない。例えば、他の実施形態では、荷役システムがカウンタバランスフォークリフト100Bまたはリーチフォークリフト100Aに代えて他の種別のフォークリフト100を備えていてもよい。他の種別のフォークリフト100の例としては、オーダーピッキングトラックおよびウォーキーフォークリフトが挙げられる。オーダーピッキングトラックは、荷役装置とともに動く運転台に位置する運転者によって操縦されるフォークリフト100である。オーダーピッキングトラックは、立ち乗りであり、かつ手作業による荷役作業を行う必要があるため、リーチフォークリフト100Aより運転者の負荷が大きい。ウォーキーフォークリフトは、運転者が歩きながら操縦する非乗車型のフォークリフト100である。つまりウォーキーフォークリフトは、リーチフォークリフト100Aより運転者の負荷が大きい。また、他の実施形態では、荷役システムが3種類以上の荷役装置を備えてもよい。この場合、管理装置300は、負担が小さい順に、疲労度が高い運転者にフォークリフト100を割り当てる。
【0034】
なお、上記の実施形態では、管理装置300は、携帯端末210に運転者2とフォークリフト100との割り当てを表示させるが、これに限られない。例えば、他の実施形態においては、管理装置300は、運転者2が集まる休憩室に設置されたディスプレイに、各運転者2とフォークリフト100との割り当てを表示させてもよい。また、他の実施形態においては、管理装置300は、休憩室に設置されたスピーカーから、各運転者2とフォークリフト100との割り当てを示す情報を出力させてもよい。
【0035】
なお、上記の実施形態では、管理装置300は、携帯端末210にフォークリフト100に係る作業の内容を表示させるが、これに限られない。例えば、他の実施形態においては、管理装置300は、フォークリフト100のディスプレイに、実行すべき作業内容を表示させてもよい。
【0036】
なお、上記の実施形態では、携帯端末210への入力により荷役作業の完了を管理装置300に通知するが、これに限られない。例えば、他の実施形態において、荷役作業を実行すべき地点に、光学的にまたは電気的に認識可能なマーカーが設けられ、フォークリフト100がマーカーを認識する装置(例えば、カメラや磁気センサ)を備える場合、フォークリフト100が荷役作業の完了を認識してもよい。具体的には、フォークリフト100が停車した地点のマーカーを認識することで、荷役作業が行われた地点を特定することができる。また他の実施形態においては、フォークリフト100、生体情報検出装置200、または携帯端末210は、GPS(Global Positioning System)などのNSSの信号に基づいて位置情報を特定し、これに基づいて荷役作業の完了を管理装置300に通知してもよい。
【0037】
また、上記の実施形態では、疲労指標値としてLF/HF値を用いているが、これに限られない。例えば、他の実施形態では、生体情報そのものを疲労指標値として用いてもよいし、計算により求められる他の疲労指標値を用いても良い。また、上記の実施形態では、管理装置300が疲労度の算出を行っているが、これに限られない。例えば、他の実施形態では、生体情報検出装置200または携帯端末210が疲労度特定部305を備え、疲労度を算出するようにしてもよい。
【0038】
また、上記の実施形態では、生体情報検出装置200がウェアラブル端末装置であるが、これに限られない。例えば、他の実施形態では、生体情報検出装置200は、据置型の装置であってもよい。
【0039】
上述した実施形態における管理装置300はコンピュータで実現される。その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよく、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のプログラマブルロジックデバイスを用いて実現されるものであってもよい。
【0040】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【解決手段】割当決定装置は、第1の種別に係るN台の荷役車両と、第1の種別より運転者に掛かる負担が大きい第2の種別に係るM台の荷役車両とを含む複数の荷役車両を、L人の運転者に割り当てる。割当決定装置は、荷役車両による荷役作業の開始前に、L人の運転者の疲労度を特定する。種別割当部は、L人の運転者のうち、特定した疲労度が最も高いN人の運転者に割り当てる荷役車両の種別を、第1の種別に決定する。